平成14(あ)805 国外移送略取,器物損壊被告事件

裁判年月日・裁判所
平成15年3月18日 最高裁判所第二小法廷 決定 棄却 東京高等裁判所 平成13(う)1901
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判決文本文798 文字)

主文 本件上告を棄却する。 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 弁護人真木幸夫の上告趣意は,違憲をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。 なお,所論にかんがみ,国外移送略取罪の成否について,職権で判断する。 原判決が是認する第1審判決の認定によると,オランダ国籍で日本人の妻と婚姻していた被告人が,平成12年9月25日午前3時15分ころ,別居中の妻が監護養育していた2人の間の長女(当時2歳4か月)を,オランダに連れ去る目的で,長女が妻に付き添われて入院していた山梨県南巨摩郡a町内の病院のベッド上から,両足を引っ張って逆さにつり上げ,脇に抱えて連れ去り,あらかじめ止めておいた自動車に乗せて発進させたというのである。 【要旨】以上の事実関係によれば,被告人は,共同親権者の1人である別居中の妻のもとで平穏に暮らしていた長女を,外国に連れ去る目的で,入院中の病院から有形力を用いて連れ出し,保護されている環境から引き離して自分の事実的支配下に置いたのであるから,被告人の行為が国外移送略取罪に当たることは明らかである。そして,その態様も悪質であって,被告人が親権者の1人であり,長女を自分の母国に連れ帰ろうとしたものであることを考慮しても,違法性が阻却されるような例外的な場合に当たらないから,国外移送略取罪の成立を認めた原判断は,正当である。 よって,刑訴法414条,386条1項3号,181条1項本文により,裁判官全- 1 -員一致の意見で,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官亀山継夫裁判官福田博裁判官北川弘治裁判官梶谷玄裁判官滝井繁男)- 2 - 裁判官全- 1 -員一致の意見で,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官亀山継夫裁判官福田博裁判官北川弘治裁判官梶谷玄裁判官滝井繁男)- 2 -

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