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主文 本件上告を棄却する。理由 弁護人鈴木貢の上告趣意について。所論は事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(なお、原審の認定したところによれば、被告人は愛知県農地部耕地課管理係長として、耕地課長の指導監督の下に同県下における耕地整理組合の事務指導、土地改良区の設定認可ならびに監督整理事業の指導監督、農林漁業資金融資などに関する職務を担当していた。そして同人は本件土地改良区の施行する区画整理事業に要するトロツコレールの払下につき種々世話になつたことの謝礼の趣旨の下に供与されるものであることの情を知りながら商品券を収受したというのである。しからば右トロツコレールの払下につき種々世話をした被告人の行為は、所論のように、区画整理事業所要の資材に関する事項が同人の本来の職務に属しないものであるとしても、同人の本来の職務と密接な関係のある行為というべく、その謝礼として金品を収受した以上、収賄罪の成立は免れない。また記録をしらべても、その余の所論の点につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。)よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。昭和三四年一二月三日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官入江俊郎裁判官斎藤悠輔裁判官下飯坂潤夫裁判官高木常七- 1 - 高木常七
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