平成10(行コ)186等 芝信用金庫救済命令取消

裁判年月日・裁判所
平成12年4月19日 東京高等裁判所
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判決文本文28,016 文字)

主文 一原判決中被控訴人と控訴人関係部分を次のとおり変更する。 1 控訴人が中労委平成元年(不再)第六六号事件(初審東京地労委昭和六二年(不)第四五号事件)について平成四年八月五日付けで発した命令の主文のうち、Ⅲ項は、P1、P2及びP3の各店舗長代理又は店舗長代理待遇の推進役昇進並びにP4、P5、P6、P7、P8、P9、P10、P11、亡P12、P13、P14、P15及びP16の各係長又は係長待遇の推進役昇進について昭和六一年四月一日から同年六月一七日までの間の救済申立てを棄却した部分を取り消し、右各昇進したものとして取り扱うべき時期を「昭和六一年六月一八日付け」とした部分を「昭和六一年四月一日付け」と変更し、Ⅳ項は、P17、P18、P19及びP20の各係長又は係長待遇の推進役昇進について同年四月一日から同年六月一七日までの間の救済申立てを棄却した部分を取り消し、右各昇進したものとして取り扱うべき時期を「昭和六一年六月一八日付け」とした部分を「昭和六一年四月一日付け」と変更し、Ⅷ項は、同年四月一日から同年六月一七日までの間の昇進に係る救済申立てを却下した部分を取り消す。 2 被控訴人のその余の請求を棄却する。 二訴訟費用は、第一、二審を通じて、控訴人と被控訴人との間で生じたものは、これを五分し、その二を控訴人の、その余を被控訴人の各負担とし、補助参加人と被控訴人との間で生じたものは、これを五分し、その二を補助参加人の、その余を被控訴人の各負担とする。 事実 第一当事者の求める裁判一補助参加人 1 原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。 2 被控訴人の請求を棄却する。 3 訴訟費用は、第一、二審とも、被控訴人の負担とする。 二被控訴人 1 主位的(一) 本件控訴を却下する。 (二) 控訴費用は、補助参加人の負担 訴部分を取り消す。 2 被控訴人の請求を棄却する。 3 訴訟費用は、第一、二審とも、被控訴人の負担とする。 二被控訴人 1 主位的 (一) 本件控訴を却下する。 (二) 控訴費用は、補助参加人の負担とする。 2 予備的 (一) 本件控訴を棄却する。 (二) 控訴費用は、補助参加人の負担とする。 第二事案の概要等 事案の概要及び当事者の主張は、次の一のとおり原判決を訂正し、付加し、又は削除し、二及び三のとおり当審における当事者の主張を付加するほかは、原判決の「第二事実の概要」及び「第三当事者の主張」中の被控訴人と控訴人及び補助参加人関係部分に記載のとおりであるから、これをここに引用する。 一原判決の訂正等 1 原判決二二頁四行目の「但し」から同五行目の「除く」までを「ただし、原審原告P1、同P3及び同P2を除く。」と改める。 2 原判決二三頁六行目の「P1、P3、P2」を「原審原告P1、同P3及び同P2」と改める。 3 原判決三三頁五行目の「当事者間の」の次に「感情の」を加える。 4 原判決三四頁二行目「))」を「)」と改める。 5 原判決三九頁七行目の「人員構成」を「職位及びその人数」と改める。 6 原判決四七頁八行目から同一〇行目までを「資格等級の名称が変更された。これによる新旧の名称の異同及びそれぞれに対応する職務等級は、次のとおりである。」と改め、同一一行目の「旧資格等級」の次に「参与」を加える。 7 原判決五三頁一〇行目の「適確」を「的確」と改める。 8 原判決五五頁六行目の「当年度四月一日」を「前年度四月一日」と、同八行目の「当年度一二月一日」を「前年度一二月一日」とそれぞれ改める。 9 原判決五六頁一行目の「当年度四月一日」を「前年度四月一日」と改める。 10 原判決六二頁四行目の「(管理者)」を削る。 11 原判 年度一二月一日」を「前年度一二月一日」とそれぞれ改める。 9 原判決五六頁一行目の「当年度四月一日」を「前年度四月一日」と改める。 10 原判決六二頁四行目の「(管理者)」を削る。 11 原判決六四頁二行目の次に行を改めて次のとおり加える。 「評定者と被評定者の関係」 12 原判決六八頁三行目の「昇格試験運用規程」を「昇格試験制度運用規程」と改める。 13 原判決七〇頁九行目の次に行を改めて次のとおり加える。 「(評価項目のウエイト)」 14 原判決七四頁一一行目から同七五頁一行目にかけての「昇格試験運用規程四条」を「昇格試験制度運用規程四条一項」と改める。 15 原判決七五頁一行目の「同規程四条」の次に「一項」を加える。 16 原判決七六頁六行目の「能力考課」及び同九行目の「臨給考課」をいずれも「業績考課」と改める。 17 原判決八二頁七行目の「である。」の次に「また、以下の(1)における○印は受験したことを示し、×印は受験をしなかったことを示す。」を加える。 18 原判決一〇九頁一行目の「店舗長代理」を「店舗長代理等」と改める。 19 原判決一一一頁四行目の「職務権限のうち」を「共通の職務及び権限は、店舗経営計画、業務活動、係の運営管理、人事管理及び諸関係に及び、そのうち」と改める。 20 原判決一一三頁六行目の「申立人組合」を「申立人組合員」と改める。 21 原判決一一六頁六行目の「白紙の」を「白紙に」と改める。 22 原判決一五八頁五行目の「労組」の次に「(芝労組のこと)」を加える。 23原判決一六九頁一行目の「昇進」を「昇進(職位の上昇)については、ある時期に昇進させない行為」と改め、同二行目の「救済申立て」の次に「がされた昭和六二年六月一八日」を加え、同行目の「に係る」を「の時期に遡り昇進差別の救済を求める」と改める。 二補助参加 ては、ある時期に昇進させない行為」と改め、同二行目の「救済申立て」の次に「がされた昭和六二年六月一八日」を加え、同行目の「に係る」を「の時期に遡り昇進差別の救済を求める」と改める。 二補助参加人の主張 1 原審原告P3外一五名の昇進(一) 昇進の時期について(争点3関係)原判決は、補助参加人においては、職位への昇進の決定は、原則として毎年四月一日付けで行われており、その年度に昇進させない旨の決定は次の昇進時期まで昇進させないという意思を包含するものと解されるから、労働者をある職位に昇進させないという行為は年度ごとに異なる一個の行為であり、かつ、次の昇進時期までの一年間は継続するものであると解するのが相当であるとし、昭和六二年六月一八日に本件の救済申立てがされた時点では、昭和六一年四月一日に昇進させなかった補助参加人の行為が次の昇進時期である昭和六二年三月三一日まで継続し、その終了から一年を経過していないことが明らかであるから、昭和六一年四月一日に昇進させないという補助参加人の行為を対象とする右救済申立ては適法であると判示している。しかし、右判示は、昇進と昇格とを同一視する誤りを犯すものである。すなわち、補助参加人においては、昇格(資格の上昇)の時期は原則として毎年四月一日と定めているといえるが、昇進(職位の付与)の時期については何らの制約もなく、役職者の職位の付与は、補助参加人の経営上の判断によって、時期の制約もなく、いつでも発令し得るものなのである。昇進させない行為は、昇進させないことが決定された時点で行為が終了するものであって、それが継続することはないのである。 (二) 職位の内容について(争点4関係)原審原告P3外一五名に付与すべき職位につき、本件初審命令は「店舗長代理」とし、本件命令がこれを「店舗長代理又は店舗長代理 が継続することはないのである。 (二) 職位の内容について(争点4関係)原審原告P3外一五名に付与すべき職位につき、本件初審命令は「店舗長代理」とし、本件命令がこれを「店舗長代理又は店舗長代理待遇の推進役」としたことにつき、原判決は、店舗長代理待遇の推進役とは、店舗長代理と同様、部下を有し、その責任加給も店舗長代理と同額の一万六〇〇〇円である店舗長代理と同職位の推進役(本部の推進役)を予定するものと判断しているが、本件命令のいう店舗長代理待遇の推進役とは、店舗長代理とは異なる、部下を有せず責任加給も店舗長代理より低い推進役(店舗の推進役)を指すものと解すべきである。補助参加人の各店舗の店舗長代理は組織上原則三名であるから、これと同等の店舗長代理待遇の推進役を置く余地はなく、仮に本件命令を原判決のいうように解釈するとすれば、これを履行することは事実上不可能であり、かつ、補助参加人の人事権を制約する結果を招来するものであって、違法である。 2 原審原告P19外三名の副参事昇格及び店舗長代理昇進差別(争点5関係)(一) 大量観察大量観察により、原審原告P19外三名が被控訴人組合に所属するがゆえに副参事昇格及び店舗長代理昇進において差別的取扱いを受けたといい得るためには、被控訴人組合の組合員と芝労組の組合員との両集団間において、各組合員の業務遂行能力ないし勤務実績が同等であることを要する。ところが、原審原告P19外三名は、他の被控訴人組合の組合員多数とともに、昭和四九年一二月から昭和五二年二月までの間に相次いで懲戒解雇され、昭和五五年一〇月に補助参加人と被控訴人組合間で成立した本件和解協定に基づき右懲戒解雇が撤回され、同年一二月一〇日付けをもって職場復帰を果たしたものであるが、右解雇期間中は、補助参加人において、大幅に業務のコンピュー 助参加人と被控訴人組合間で成立した本件和解協定に基づき右懲戒解雇が撤回され、同年一二月一〇日付けをもって職場復帰を果たしたものであるが、右解雇期間中は、補助参加人において、大幅に業務のコンピューターによる機械化が図られるとともに、新たに開拓した金融商品を多数取り扱うようになっていた時期であって、右の被解雇者らは、いずれも実務から相当期間離れていて、右業務の機械化及び新規の金融商品に対する知識及び技術を習得する機会もないままに職場復帰したものであるから、芝労組の組合員と比較してその業務遂行能力ないし勤務実績において明らかに低位にあったのである。したがって、右両集団を単純に比較して、大量観察方式により、その間の資格及び職位に格差が存するとすること及びそれが不当労働行為意思による差別的取扱いの結果であるとすることは、その前提条件を欠くものとして許されず、原審原告P19外三名が昇格昇進において差別的取扱いをされたというためには、芝労組の組合員中の具体的な比較対象者との関係において、個別的に原審原告P19外三名の業務遂行能力ないし勤務実績が同量、同等であると評価されることを要するというべきである。しかるに、被控訴人組合は、この点について何ら主張立証をすることなく、被控訴人組合の組合員が芝労組の組合員と比較して、右差別的取扱いを受けていると主張するものであって失当である。 のみならず、原審原告P19外三名中原審原告P19及び同P18の場合、その人事考課、勤務状況及び勤務実績は、以下に述べるとおり低位にあったものであるから、芝労組の組合員との比較において、その業務遂行能力ないし勤務実績が同量、同等であるとはいえない。 (二) 原審原告P19(1) 昇格を求める昭和六〇年四月に関係する人事考課昇格試験に関係する人事考課は、補助参加人の昇格試験制 、その業務遂行能力ないし勤務実績が同量、同等であるとはいえない。 (二) 原審原告P19(1) 昇格を求める昭和六〇年四月に関係する人事考課昇格試験に関係する人事考課は、補助参加人の昇格試験制度運用規程(乙第一七三号証)により、当該年度を含む最終三か年の能力考課と業績考課(ただし、当該年度の期末業績考課(臨給考課)を除く。)によるとされているところ、原審原告P19が昇格を求める昭和六〇年四月に関係する人事考課は、昭和五六年度末・能力考課D、昭和五七年度夏・冬・期末臨給考課及び能力考課各D、昭和五八年度夏・冬臨給考課各C、昭和五八年度期末臨給考課・能力考課各D、昭和五九年度夏・冬臨給考課各Cであって、いずれも低位にある。 (2) 人事考課対象期間における勤務状況右(1)の期間中における原審原告P19の勤務状況は、次のとおり、初歩的ミスの繰り返しであり、同人は、これを反省する文書を補助参加人に提出しており、低評価を受けてもやむを得ないものであった。 ア研修答案提出遅延昭和五六年八月二八日に提出すべき通信教育の研修答案用紙を初回は見送るという自己中心的な考えで未提出であったが、支店長の指示により、後日提出することになった。 イ得意先活動記録の未記入・未提出等昭和五六年八月末までに提出すべき同年九月分の得意先訪問予定を記入した活動記録を期限までに提出せず、遅れて同月五日に提出した。 ウ収入印紙の紛失等昭和五六年九月一七日に収入印紙を紛失したこと、得意先係に対して行われているカバン検査の結果、顧客の面前で処分すべき書類の未処理の件が判明し、さらに、得意先係として重要な活動記録を連日提出しなかったため、同月二七日に係長から回答を求められ、同月二九日、今後は注意・努力することを約した。 エ活動記録の記入漏れ昭和五六年当時、補 明し、さらに、得意先係として重要な活動記録を連日提出しなかったため、同月二七日に係長から回答を求められ、同月二九日、今後は注意・努力することを約した。 エ活動記録の記入漏れ昭和五六年当時、補助参加人の支店では、毎月末日までに翌月の集金・深耕・開拓に関し、得意先係員が自ら目標を立てて申告し、これを基に上司との間で具体的な目標設定がされていたが、同年一二月の第一週を過ぎても同月分の自らの目標を立てず、そのため、目標設定が遅れることになった。これは、評価項目のうちの仕事の質(タイムリー性)の欠如を示すものである。 オ集金時の取扱い違反昭和五七年三月二日、顧客P21ほか二名の集金扱い中、P21名義の普通預金口座番号を集金時に伝票に記入することを怠り、帰店後実績表から転記し、しかも、その際、誤って転記したまま、伝票を資金方に回す間違いを行い、以後注意することを約した。 カ伝票金額欄への金額未記入等昭和五七年六月一日、得意先係員に対して実施されたカバン検査の結果、顧客のP22から受領した金額欄未記入の伝票(同年五月二一日に定期預金への振替手続のために受領した伝票)で、印鑑相違のため直ちに同人に返還すべきものを、一〇日以上も放置していたこと、及び顧客西川精工の重複して存在する返済金額一覧表であって直ちに破棄処分にすべきものを未処分のまま放置していたことが判明し、今後再発しないことを約した。 キ定期積金分の実績表への回数記入相違昭和五七年七月二九日に集金した分のうち、顧客のP23ほかを含め二件につき実績表への回数記入を誤り、初歩的な手続である伝票確認を当日中に行わなかったため、誤ったまま事務センターへ持ち出されることとなった。 ク P24名義の定期積金の未集金に関するトラブル昭和五七年一〇月以降原審原告P19の顧客であるP24に ある伝票確認を当日中に行わなかったため、誤ったまま事務センターへ持ち出されることとなった。 ク P24名義の定期積金の未集金に関するトラブル昭和五七年一〇月以降原審原告P19の顧客であるP24に対する未集金状況が続き、事前に連絡を入れるなどの配慮も欠いていたため、昭和五八年二月二三日、同人の妻から苦情の電話が入った。そこで、同月二五日、P24宅にP25代理に同行してもらい、ようやく感情的なトラブルを鎮めることができた。 (3) 実績関係原判決は、原審原告P19の担当地域が他の得意先係員よりも勤務実績を上げることが困難な地域であったと認定しているが、補助参加人は、それを考慮して、原審原告P19の目標を他の係員よりも低く設定していたから、目標自体不公平ではない。それにもかかわらず、原審原告P19の昭和五六年四月及び昭和五七年四月の実績が低調であったことは前記のとおりであり、さらに、同年度(同年四月から昭和五八年三月まで)を通してみても、極めて不十分な実績しか上げられず、同人自身も、次のとおり自己の不成績を認めて今後の努力を誓った。 ア昭和五七年八月三日昭和五七年七月の「パワーアップ定期積金」の目標一〇件に対して、実績は三件であった。これについて、原審原告P19は、月初の定積(定期積金)の研修を受講しながらそれを活かすことができず、新規訪問も有効に行なえなかった結果であることを認めている。 イ昭和五七年九月八日昭和五七年八月の「パワーアップ定期積金」の目標一〇件に対して、実績は二件であった。目標一〇件は、純新規から三件、既取引先から七件の予定であったところ、それぞれ一件ずつにとどまった。これは、「特に取引先における継続分の増額交渉および増口交渉」が不振であったためで、原審原告P19自身不本意な結果であることを認めている。 (三 の予定であったところ、それぞれ一件ずつにとどまった。これは、「特に取引先における継続分の増額交渉および増口交渉」が不振であったためで、原審原告P19自身不本意な結果であることを認めている。 (三) 原審原告P18(1) 昭和五九年度夏・冬・期末の臨給考課と担当地域原判決は、昭和五九年の夏・冬・期末の臨給考課について、原審原告P18が担当したδ支店の地域は業績を上げることが困難な地域であったと認定しているが、同人は、昭和五七年四月ε支店からζ支店に赴任し、昭和六〇年三月δ支店に赴任するまでζ支店に勤務していたものである。そして、同人がζ支店で得意先係として担当していた地域は、大田区αないしβのほか、昭和五八年八月からは「最重点地域」であるγも含まれていたのであり、決して業績を上げることが困難な地域ではない。 (2) 昇格を求める昭和五九年四月に関係する人事考課昇格試験に関係する人事考課は、前記のとおり、補助参加人の昇格試験制度運用規程(乙第一七三号証)により、当該年度を含む最終三か年の能力考課と業績考課(ただし、当該年度の期末業績考課(臨給考課)を除く。)によるものとされている。したがって、昭和五九年四月の昇格を求める原審原告P18に関係する人事考課は、昭和五五年度、昭和五六年度及び昭和五七年度の各年度末の各能力考課、昭和五六年度、昭和五七年度及び昭和五八年度の各夏・冬・期末の各業績考課(ただし、昭和五八年度期末を除く。)である。そして、この間の同人の人事考課は、①昭和五五年度能力考課D、②昭和五六年度夏・冬・期末の各臨給考課D、③同年度能力考課D、④昭和五七年度夏・冬の各臨給考課D、⑤同年度期末の臨給考課C、⑥同年度能力考課C、⑦昭和五八年度夏・冬の各臨給考課Cであって、いずれも低位である。 (3) 人事考課対象期間における勤 能力考課D、④昭和五七年度夏・冬の各臨給考課D、⑤同年度期末の臨給考課C、⑥同年度能力考課C、⑦昭和五八年度夏・冬の各臨給考課Cであって、いずれも低位である。 (3) 人事考課対象期間における勤務状況右(2)の期間における原審原告P18の勤務状況は、顧客からの苦情が多く、また、その実績も低いため、低い評価を受けてもやむを得ないものであったのであり、同人がε支店の得意先係員として勤務していた昭和五六年の一年間だけをとってみても、その勤務振りは、次のとおり、極めて不十分なものであった。 ア昭和五六年一月同月二三日、顧客(住友生命)から、前日の二二日に原審原告P18に翌二三日に来訪して集金するように依頼していたのに訪問がない旨の電話連絡が入り、注意を受けたが、同人は、取引先との約束を軽視する態度であった。また、同月二六日付けで顧客(大日工業)から、通知預金を月末で解約処理(同月末現金化)するように依頼されたにもかかわらず、同月二七日にこれを処理してしまい、上司から注意を受けた。 イ昭和五六年二月補助参加人は、顧客(テーラー・サンケイ)から、満期になる定期積金があるのに原審原告P18が来訪してくれないが、定期積金の処理をしてもらいたいとの苦情を受けたので、上司から、原審原告P18に対し、取引先から苦情が出ないように処理するよう指示した。また、同月一四日、新規顧客(P26)の積立分の普通預金残高の確認を怠ったため、新規取消扱いとなり、入金を後日依頼せざるを得なくなった。さらに、同月二七日、顧客(東邦金網)の定期積金の集金(前年一二月分)の掛込回数が相違しているのに、一月時点で気付かず、二月になって右顧客からこれを指摘され、上司から、現金を扱う者として細心の注意をするように注意された。 ウ昭和五六年三月同月三日、原審原告P1 の掛込回数が相違しているのに、一月時点で気付かず、二月になって右顧客からこれを指摘され、上司から、現金を扱う者として細心の注意をするように注意された。 ウ昭和五六年三月同月三日、原審原告P18が担当する顧客(P27)から、補助参加人に対し、月末に掛金を用意して待っているのに集金に来てくれないとの苦情電話が入った。 これは、原審原告P18が自分の考えで契約日に集金を合わせたとのことであったため、取引先との約束を守るように厳重に注意された。同人は、同月一一日及び一七日には、集金伝票に集金印漏れが続くので注意を受けたが、反省の気持ちを表さないままであった。 エ昭和五六年四月同月二〇日、顧客(幸興産)に対し、他社の「割引計算書」を届け、右顧客から指摘され、支店の信用を落とす結果となった。そのため、この点につき、原審原告P18は、厳重な注意を受けた。また、同月二二日、顧客から、小切手未資金化による振込みの依頼をそのまま受け入れてしまい、預かり後三日目にしか取り扱えないことを指摘され、同人は、再度、右顧客と交渉をする状況となった。 オ昭和五六年七月一六日優良顧客である日本特殊金網から、約束している毎月五日及び一〇日の各翌日に原審原告P18が集金に来てくれないとの苦情が入り、上司から、信頼を損う仕事はしないように注意を受けた。 カ昭和五六年八月二二日顧客(住友生命)から、当日定期積金の満期分の現金を届ける約束を原審原告P18との間にしていたにもかかわらず、届けてくれないとの苦情が入った。同人は、既に帰宅してしまっていたため、後日、厳重な注意を受けた。 キ昭和五六年一〇月一三日同月分の月間定期積金獲得計画を未提出なので作成するよう指示したところ、翌日提出してきたが、従前の古いリストのままであったので、上司から、見込みの全くないも を受けた。 キ昭和五六年一〇月一三日同月分の月間定期積金獲得計画を未提出なので作成するよう指示したところ、翌日提出してきたが、従前の古いリストのままであったので、上司から、見込みの全くないものは整理して、新規分を加えるように注意を受けた。また、集金分の集計後、積金入金が七、八件あるにもかかわらず、伝票の付け忘れがあり、伝票と現金が一致しなかった。 ク昭和五六年一一月二二日上司から集金実績表とのチェック、伝票提出前の点検をするように注意を受けた。 (4) 実績関係原審原告P18は、昭和五七年度は、ζ支店に勤務していたものであり、同人が担当していた地域は、顧客層の多い大田区αないし同βであったにもかかわらず、目標未達成の状況が引き続いており、目標達成度の項目だけをみても、低評価を受けてもやむを得ないものであった。 三被控訴人組合の主張 1 補助参加人の本件控訴の趣旨に対する主位的答弁の理由本件控訴は、補助参加人により提起されたものであるが、補助参加人は、あらかじめ控訴人が原判決に対して控訴を提起しない意向を明らかにしていたことを知っていたにもかかわらず、あえて本件控訴を提起したものであり、右は、民事訴訟法四五条二項に反して無効である。また、労働委員会のした使用者の不当労働行為を否定する判断を不服として、労働組合が命令の取消しを求めて取消訴訟を提起し、使用者が労働委員会に補助参加して審理された結果、命令の全部又は一部を取り消す旨の判決があり、この判決に対して労働委員会が自らの判断の誤りを認めて控訴しない場合には、労働者の権利救済の早期実現のために、使用者の控訴権は否定されるべきである。したがって、補助参加人から提起された本件控訴は、不適法である。 2 原審原告P19及び同P18の勤務実績に関する補助参加人の主張に対する認否 期実現のために、使用者の控訴権は否定されるべきである。したがって、補助参加人から提起された本件控訴は、不適法である。 2 原審原告P19及び同P18の勤務実績に関する補助参加人の主張に対する認否・反論(一) 補助参加人の主張は、以下のとおり許されるべきではない。 (1) 時機に遅れた攻撃防御方法の提出本件は、被控訴人組合が不当労働行為救済命令の申立てをしてから、一三年に及ぶが、補助参加人は、その間、地労委、中労委及び原審の審理において、一度たりとも原審原告P19及び同P18の勤務実績について、当審における右主張と同様の主張をしたことがない。それを、当審に至って初めて提出することは、明らかに時機に遅れた攻撃防御方法の提出であって許されるべきことではなく、右主張は、却下されるべきである。 (2) 違法収集証拠に基づく主張補助参加人の原審原告P19及び同P18の勤務状況についての主張は、「個別管理記録」(乙第三二三号証)によるものであるが、右「個別管理記録」は、補助参加人が不当労働行為意思に基づき被控訴人組合の組合員のみを限定的に管理・監視するため、これのみを限定的に対象として、人権を蹂躙し、プライバシーを侵害する態様により、違法に収集され、作成された記録であるから、このような「個別管理記録」による原審原告P19及び同P18の勤務状況の主張立証は、絶対に断じて許されるべきではない。 (二) 原審原告P19及び同P18の勤務実績の評価右(一)に述べた経過からすれば、補助参加人が主張する原審原告P19及び同P18の勤務実績は、そもそも補助参加人自身、同人らの人事考課に何ら影響を及ぼすものでないと考えていた証左であり、それは、他の補助参加人の職員でも日常的に犯す些細なミスであって、人事考課の評価に影響を及ぼすものとは到底いえないもので 人自身、同人らの人事考課に何ら影響を及ぼすものでないと考えていた証左であり、それは、他の補助参加人の職員でも日常的に犯す些細なミスであって、人事考課の評価に影響を及ぼすものとは到底いえないものである。 (1) 原審原告P19の勤務状況(前記二補助参加人の主張2(二)(2))に対する反論ア同アの通信教育の答案提出の遅延の件は、補助参加人主張の通信教育の受講は、補助参加人の職務命令による受講ではなく、職員が任意に受講するものであり、受講しない職員も相当数ある。答案の提出も任意であり、仕事多忙・体調不良等の理由で答案提出が遅延する職員も少なくなく、原審原告P19の答案提出の遅延を補助参加人から批判されるいわれはない。また、通信教育の講座は、五回でそのうち四回単位を取得すれば終了し、通信教育の受講を認定されるものである。原審原告P19は、初回の講座の答案内容に自信が持てなかったため、残り四回で単位取得を完了しようと思い、初回の答案の提出を見合わせていたが、思い直してこれを遅ればせながら提出し、そして、残りの四回の講座を受講し、その答案も提出して五単位を取得し、税務講座を終了した。したがって、初回の答案提出の遅延をもって原審原告P19の右判断を自己中心的と非難されるいわれはない。 イ同イないしエの各活動記録の未記入・未提出の件は、得意先係の活動記録は、毎週土曜日に翌週分の活動予定を記入して提出し、また、毎月初めに当月分の活動予定を記入し、前月分の活動結果と合わせて提出するものである。原審原告P19の場合、右イは、風邪をひいて記入が間に合わなかったため、右ウは、仕事多忙(当時、補助参加人が実質上主催するη支店協力会の名簿整理と同会ポスター書き等の仕事を持ち帰って残業するほどに多忙であった。)のため、右エは、仕事多忙(急遽、千葉県市川市にお ため、右ウは、仕事多忙(当時、補助参加人が実質上主催するη支店協力会の名簿整理と同会ポスター書き等の仕事を持ち帰って残業するほどに多忙であった。)のため、右エは、仕事多忙(急遽、千葉県市川市における実地調査事務ができ、記入の時間的余裕がなかった。)のためであった。また、原審原告P19以外の職員は、仕事終了後に支店内で活動記録を記入することが可能であったが、原審原告P19は、日常的に「残業するな」、「早く帰れ」と迫られ、他の職員の場合と同様に仕事終了後に支店内で活動記録を記入することがほとんどできなかったこともその一因である。したがって、活動記録の未記入・未提出には、いずれもやむを得ない事由がある。 ウ同ウの収入印紙紛失の件は、収入印紙は、帰店後、係長に報告し、係長が枚数等をチェックして得意先係員の袋に保管して、翌日、再び当該係員に渡すことになっている。原審原告P19の場合、右収入印紙の紛失は、同人の記憶では係長のチェックを受けた後の紛失であり、原審原告P19だけの責任とはいえず、金額も僅かなものである。 エ同ウ及びカのカバン検査の結果のうち、右ウの顧客の面前で処分すべき書類未処理の件は、顧客から転居を理由に預金の払戻しを希望されたため、いったん払戻伝票に顧客の押印を受けたが、その後、預金払戻しをやめて預金を解約することになったので、その場で解約伝票に顧客の押印を受け、不要となった払戻伝票の押印部分を半分に破棄したものであり、これは、帰店後廃棄処分にすべきものがカバンに入れたままになっていたにすぎないものである。右カのうちの金額欄未記入の伝票返還遅延の件は、顧客から依頼された普通預金から定期預金への振替手続自体は完了したものの、顧客から受領した印鑑相違の伝票の返還をし忘れたものである。 右ウ及びカの右各伝票処理は、その処理が十分でない 票返還遅延の件は、顧客から依頼された普通預金から定期預金への振替手続自体は完了したものの、顧客から受領した印鑑相違の伝票の返還をし忘れたものである。 右ウ及びカの右各伝票処理は、その処理が十分でないとしても、顧客及び補助参加人に何ら実害が生じるものでない。次に右カのうちの返済金額一覧表未処分の件は、通常、返済金額一覧表は、補助参加人の本部から顧客に直接郵送されるものであるところ、右カの返済金額一覧表の場合は、本部がこれを二重に発行し、その一部を顧客に郵送したのに、原審原告P19にも他の一部を顧客に直接返送すべく指示が出され、その後既に本部から顧客に返済金額一覧表が郵送されていることが判明したため、原審原告P19がこれをカバンに入れたままにしておいたものである。したがって、基本的ミスは、本部の返済金額一覧表の二重発行にあり、原審原告P19が右書類を廃棄しなかったことは、何ら実害のないものである。 オ同オ及びキについては、右オの集金時の取扱い違反も右キの定期積立金の実績表への回数記入相違も、いずれも、補助参加人ではしばしば発生していることであって、原審原告P19だけが殊更問題とされるいわれはないものである。 カ同クについては、原審原告P19にその記憶がない。 (2) 原審原告P18の勤務状況(前記二補助参加人の主張2(二)(3))に対する反論ア同アについては、そのうち、住友生命とは住友生命θ支部と思われるが、原審原告P18は、毎日、同支部に保険掛金の集金に赴いていて、同所で、同支部所属の八〇名ないし九〇名の保険レディー個人の定期積金等も集金していた。右ア当日も、原審原告P18は、同支部に保険レディーの集金に赴いたが、不在の保険レディーから集金ができず、帰店したところ、不在で集金できなかった保険レディーから確認の問い合わせがあっただけの いた。右ア当日も、原審原告P18は、同支部に保険レディーの集金に赴いたが、不在の保険レディーから集金ができず、帰店したところ、不在で集金できなかった保険レディーから確認の問い合わせがあっただけのことである。また、顧客の依頼による預金の解約処理は、一般的に依頼の翌日に処理するものであるが、原審原告P18は、月末処理の依頼を聞いていなかったので、依頼の翌日に解約処理したところ、顧客(大日工業)から月末処理の依頼であると指摘されたものであり、直ちに右翌日処理を取り消し、再度、月末処理として解約手続をし直したものである。殊更問題とすべきものではなく、原審原告P18の責任と断定できるものではない。 イ同イについては、そのうち、テーラー・サンケイは、週二、三回集金に赴く日掛先であり、従来、本人の定期積金の集金も併せてしていた。右イ当日は、原審原告P18が集金に赴いた時本人が不在で満期手続ができなかったところ、帰店後、本人から満期手続の問い合わせがあっただけであり、後日、原審原告P18において、支障なく満期手続を行った。また、P26の件は、本人の依頼で普通預金口座から引き落として積立金手続をとったところ、引落処理の時点(夜)までに普通預金口座から公共料金等の自動振替があったため、事後的・結果的に普通預金口座に残高不足が生じたものである。原審原告P18は、直ちに不足分を集金して入金処理を行って引き落とし、顧客に実害も生じなかったものである。したがって、右は不可抗力であり、原審原告P18に責任はない。さらに、右イのうち、東邦金網の定期積金の掛込回数相違の件は、補助参加人では多々あることであり、発覚後直ちに適正に処理をしている。 ウ同ウについては、そのうち、P27は原審原告P18が開拓した顧客である。 積金の契約日が月初の二日か三日であり、P27が月末 、補助参加人では多々あることであり、発覚後直ちに適正に処理をしている。 ウ同ウについては、そのうち、P27は原審原告P18が開拓した顧客である。 積金の契約日が月初の二日か三日であり、P27が月末が繁忙であるため、同人の同意を得て、集金日を月初としていたが、初めての集金の際、P27がこれを月末集金と間違え、集金に来ないと連絡をしてきただけにすぎず、後日、支障なく集金を了している。また、集金印漏れは、補助参加人では日常的によく発生することであり、発覚後直ちに適正に処理をしている。 エ同エについては、そのうち、割引計算書の件は、融資係が幸興産に渡す割引計算書の束に他社の割引計算書をホッチキスで留めてしまい、これを受領した原審原告P18がこれに気付かずそのまま幸興産に交付したものである。基本的ミスは融資係にあり、原審原告P18だけが非難されるべきものではない。また、小切手未資金化の件は、記憶にないが、他店券の決済日数を間違えて処理したというなら、そのようなことは決してない。 オ同オについては、日本特殊金網は、原審原告P18が毎日集金に行く日掛先であり、毎月五日と一〇日の翌日には社長家の家族の定期積金の集金も行っていた。 しかし、右オの当日は、社長の娘が不在で集金できず帰店したところ、その後に確認の問い合わせがあったにすぎないものである。 カ同カについては、アの住友生命θ支部の保険レディーに関することであるが、定期積金の満期分の現金を同支部で本人に直接渡そうとしたが不在であったため、帰店して翌日支払うこととしたが、その後、同支部に戻った本人から確認の問い合わせがあったものにすぎない。右現金は、翌日、問題なく支払われた。 キ同キについては、そのうち、定期積金獲得計画の未提出の件は、原審原告P18が従前の古いリストのまま提出したことはないし、計 問い合わせがあったものにすぎない。右現金は、翌日、問題なく支払われた。 キ同キについては、そのうち、定期積金獲得計画の未提出の件は、原審原告P18が従前の古いリストのまま提出したことはないし、計画目標を満たす金額までの新規先をリストすることができないこともあるものである。また、伝票付け忘れの件は、支店ではよくあることであり、原審原告P18は、その発覚後直ちに適正な処理をしている。 ク同クについては、他の職員も同様の注意を受けているものであり、原審原告P18のみが殊更問題とされるいわれはない。 第三証拠証拠関係は、本件記録中の書証目録及び証人等目録に記載のとおりであるから、これをここに引用する。 理由 一当裁判所は、被控訴人組合の本件請求は主文一1において認容の限度で理由があり、その限度で本件命令を取り消し又は変更すべきであるが、その余は理由がなく棄却すべきものと判断する。その理由は、次のとおり訂正し、付加し、又は削除するほかは、原判決の「第四当裁判所の判断」及び「第四結論」中の被控訴人組合と控訴人及び補助参加人関係部分に記載のとおりであるから、これをここに引用する(なお、被控訴人組合は、本件において、被参加人である控訴人が控訴提起期間中に控訴を提起しない意向を表明し、かつ、控訴を提起しなかったにもかかわらず、補助参加人が控訴人の右意向に反して本件控訴を提起したことは、民事訴訟法四五条二項に反し、補助参加人による本件控訴の提起は無効である旨主張するが、被参加人である事件当事者が訴訟手続上控訴権を放棄した場合は格別、単に訴訟外において控訴を提起しない旨の意向を表明しただけでは、訴訟行為に当たらず、補助参加人による控訴の提起が被参加人の訴訟行為と抵触するものということはできないから、被控訴人組合の右主張は採 、単に訴訟外において控訴を提起しない旨の意向を表明しただけでは、訴訟行為に当たらず、補助参加人による控訴の提起が被参加人の訴訟行為と抵触するものということはできないから、被控訴人組合の右主張は採用することができず、補助参加人による本件控訴の提起は適法と認められるべきものである。)。 1 原判決一九四頁三行目の「補助参加人」から同四行目の「労働者を」までを「前記(第一の一9)のとおり、昭和五三年一〇月に導入された昇格試験制度の下においては、補助参加人における職員の昇格(資格の上昇)は、昇格試験に基づいて行われ、昇格試験は、原則として毎年五月から翌年二月までの間に実施され、そして、試験の合格者に対しては、原則として毎年四月一日付けで辞令交付がされるものとされていたから(昇格試験制度運用規程七条一項、八条一項。乙一七三)、昇格については、原則として毎年四月一日を昇格時期と定めているものと解される。他方、昇進(職位の付与)については、特にその時期を定めた規程等は存在せず、一〇月一日又はその他適宜な時期に行われる例もなくはなかったが(乙四〇。弁論の全趣旨)、前記(第一の一6(一))のとおり、原則として毎年四月一日付けで行われていたものであるから、昇進についても、運用上、毎年四月一日が昇進時期とされていたものと認めるのが相当である。ところで、一般に、毎年一回特定の時期に労働者の昇進が行われる事業所(使用者)において、当該年度の予定の昇進時期に当該労働者を特定の」と、同六行目の「を職位に昇進させないという行為は」を「の職位を昇進させない旨決定した行為は、労働組合法二七条二項の解釈上」とそれぞれ改め、同七行目の「かつ、」の次に「当該年度の昇進時期から」を加え、同九行目の「昭和六二年七月」を「これを本件についてみるに、昭和六二年六月」と改める。 労働組合法二七条二項の解釈上」とそれぞれ改め、同七行目の「かつ、」の次に「当該年度の昇進時期から」を加え、同九行目の「昭和六二年七月」を「これを本件についてみるに、昭和六二年六月」と改める。 2 原判決一九五頁九行目の「一〇月」の次に「、原審原告P17、同P18及び同P20については同年四月に、原審原告P19については昭和六〇年四月」を加える。 3 原判決一九六頁二行目の「原告P16」の次に「並びに原審原告P19外三名」を、同八行目の「当たる」の次に「と主張し、また、補助参加人は、職位の付与は経営上の判断により時期の制約なく、いつでも発令し得るものであることを理由に、昇進させない旨決定した行為はその決定がされた時点で行為が終了するのであって、「継続する行為」に当たらない」をそれぞれ加え、同一一行目の「の主張は」を「及び補助参加人の右主張は、いずれも」と改める。 4 原判決一九七頁一行目から同三行目までを削り、同六行目から同一九九頁二行目までを次のとおり改める。 「 本件命令(乙第二七三号証)によれば、控訴人は、補助参加人においては、原審原告P3外一五名から原審原告P6を除きP29を加えた被控訴人組合の組合員一六名と同給与年令の被控訴人組合の組合員以外の者一〇七名のうち、その大部分の七九名が店舗長代理以上になっており、そのほかに二二名の者が店舗長代理待遇の推進役になっている事実を踏まえ、しかも、右二二名の店舗長代理待遇の推進役の処遇については疎明がなく明らかでないとしつつ、初審命令が原審原告P3外一五名を店舗長代理の職位を付与したものとして取り扱うべきことを命じたことにつき、補助参加人においては右のように相当数の者が店舗長代理待遇の推進役であることを考慮に入れれば、原審原告P3外一五名に付与すべき職位は、補助参加人が店舗長代理と店舗長代 うべきことを命じたことにつき、補助参加人においては右のように相当数の者が店舗長代理待遇の推進役であることを考慮に入れれば、原審原告P3外一五名に付与すべき職位は、補助参加人が店舗長代理と店舗長代理待遇の推進役のいずれかを選択すればよく、店舗長代理に限定する必要はないとしているのであって、控訴人は、店舗長代理待遇の推進役の処遇の内容を確定することなく、当時補助参加人において行われていた店舗長代理待遇の推進役の職位を前提として、原審原告P3外一五名を店舗長代理又は右のような店舗長代理待遇の推進役に昇進したものとして取り扱うべきことを命じたものと解することができる。したがって、本件命令にいう店舗長代理待遇の推進役の職位の内容は、昇進されたものとして取り扱うべきものとされた当時に補助参加人において行われていた右職位に対する処遇内容いかんにかかることになり、本件命令においてはこれは確定されていないことになるが、本件命令が原審原告P3外一五名につき命じた救済の内容としては、その明確性に欠けるところはないし、また、救済として不十分であるということもできない。したがって、この点をいう被控訴人組合の主張は、採用することができない。そして、本件命令は、右のように原審原告P3外一五名を店舗長代理に限定することなく、店舗長代理又は店舗長代理待遇の推進役のいずれかに昇進したものとして取り扱うべきものとして補助参加人に選択の余地を残していること、証拠(乙第二六〇号証、第三五四号証、丙第一号証)及び弁論の全趣旨によれば、補助参加人の各店舗の原則的な職位構成は、指揮命令系統順に、店舗長、次長一名、店舗長代理三名(事務担当、融資担当、得意先担当)、右三名の店舗長代理の下にそれぞれ係長一、二名及び係長待遇の推進役数名、そして、その下に係員が置かれていること、右店舗長代 統順に、店舗長、次長一名、店舗長代理三名(事務担当、融資担当、得意先担当)、右三名の店舗長代理の下にそれぞれ係長一、二名及び係長待遇の推進役数名、そして、その下に係員が置かれていること、右店舗長代理とは別に店舗長代理待遇の推進役が置かれていること、店舗長代理の人数は組織上自ずから三名となるが、店舗長代理待遇の推進役の各店舗における人数を定めた規程等があるわけではない(その他の職位にもこれに対応して当該職位待遇の推進役があるが、これらについても同様である。)ことが認められることにかんがみれば、本件命令は、補助参加人に不可能な人事権の行使を強いるものともいえない。」 5 原判決一九九頁五行目から同二一二頁八行目までを次のとおり改める。 「1 昇格試験制度の採用と昇格させないことの不当労働行為の成否の判断について補助参加人は、昭和五三年一〇月以降、昇格について、資格試験制度運用規程(乙第一七三号証)を定めて、昇格試験制度を導入したこと、昇格試験の評価項目としては、原審原告P19外三名が昇格試験を受験した昭和五八年以降は、人事考課、学科試験及び論文試験の三項目となり、それぞれの比重は、全体を一〇〇とした場合、人事考課が五〇、学科試験が三〇及び論文試験が二〇の割合であり、昇格試験に合格した職員に対して昇格を認めることとしていることは、前記(第一の一9)のとおりである。そして、このような昇格試験制度を採用している場合、人事考課の査定において使用者が不当労働行為意思に基づく差別的な低位の査定をしたとしても、他方において、学科試験及び論文試験の各得点も低く、人事考課における右差別的な低位の査定がなかったとしても、合格の可能性が認められないときは、筆記試験が単に名目的なもの又は形骸化されたものでなく、その運用規程の内容が不合理なものでなく、かつ、筆 、人事考課における右差別的な低位の査定がなかったとしても、合格の可能性が認められないときは、筆記試験が単に名目的なもの又は形骸化されたものでなく、その運用規程の内容が不合理なものでなく、かつ、筆記試験の実施及び採点が不公正・不公平と認められない限り、使用者の不当労働行為意思と不合格との間には相当因果関係を欠き、不当労働行為は成立しないものと解するのが相当である。」 6 原判決二一四頁八行目の「ア 」の次に「本件救済命令申立てにおいて被控訴人組合が原審原告P17及び同P18を合格したものとすべしと主張する」を加える。 7 原判決二一五頁六行目の「満点でも」の次に「、合計得点は六六・六七点にとどまり、右合格者の最低点には及ばないから、」を加える。 8 原判決二一六頁一一行目の「イ 」の次に「また、本件救済命令申立てにおいて被控訴人組合が原審原告P19及び同P20を合格したものとすべしと主張する」を加える。 9 原判決二一七頁九行目の「満点でも」の次に「、合計得点は六六・六七点にとどまり、右の最低点には及ばないから、」を加える。 10 原判決二一九頁三行目の「ウ 」の次に「さらに、その後に実施された資格試験のうち、」を、同七行目から同八行目にかけての「満点でも」の次に「、合計得点は七五点にとどまり、右の最低点には及ばないから、」をそれぞれ加える。 11 原判決二二一頁四行目の「エ 」の次に「また、」を、同八行目の「満点でも」の次に「、合計得点は七五点にとどまり、右の最低点には及ばないから、」をそれぞれ加える。 12 原判決二二三頁二行目の「よれば、」の次に「本件救済命令申立てにおいて被控訴人組合が原審原告P17及び同P18を合格したものとすべしと主張する」を、同六行目の「また、」の次に「右同様被控訴人組合が原審原告P19及び同P20を合格したも に「本件救済命令申立てにおいて被控訴人組合が原審原告P17及び同P18を合格したものとすべしと主張する」を、同六行目の「また、」の次に「右同様被控訴人組合が原審原告P19及び同P20を合格したものとすべしと主張する」をそれぞれ加える。 13 原判決二二四頁一〇行目から同二二五頁七行目までを削る。 14 原判決二二五頁八行目の「(3)」を「(二)」と、同九行目の「ア」を「(1)」とそれぞれ改める。 15 原判決二二九頁一〇行目の「イ」を「(2)」と改める。 16 原判決二三二頁七行目の「ウ」を「(3)」と、同一〇行目の「エ 」を「(4)右のとおり、原審原告P19外三名が副参事昇格試験を受験していた時期にほぼ符合して、補助参加人について」とそれぞれ改める。 17 原判決二三三頁三行目の「弁論の全趣旨」を「芝労組が結成される前後から今日に至るまで被控訴人組合と補助参加人の対立及びこれに起因する実に多数の争訟が存在していること等」と改め、同行目の「補助参加人は、」の次に「本件和解協定成立後今日に至るまで引き続き」を、同四行目末尾の次に「そうすると、補助参加人による原審原告P19外三名に対する前記のような人事考課における低い査定は、被控訴人組合に対する右不当労働行為意思に基づくものと認めるのが相当である。」をそれぞれ加え、同五行目の「(4)」を「(三)」と、同六行目の「ア」を「(1)」とそれぞれ改める。 18 原判決二三五頁二行目の「イ」を「(2)」と、同一一行目の「ウ 」を「(3)前記争いのない事実等並びに」とそれぞれ改める。 19 原判決二三六頁一行目の「によれば」から同二行目から同三行目にかけての「あったため」までを「及び弁論の全趣旨によれば、被控訴人組合と補助参加人間には昭和四三年九月の芝労組結成前後から労使対立があり、その過程の昭和四九年 「によれば」から同二行目から同三行目にかけての「あったため」までを「及び弁論の全趣旨によれば、被控訴人組合と補助参加人間には昭和四三年九月の芝労組結成前後から労使対立があり、その過程の昭和四九年一二月から昭和五二年二月までの間に原審原告P19外三名を含む一七名の被控訴人組合の組合員が懲戒解雇の処分を受け、同人らは、いずれも昭和五五年一〇月に成立した本件和解協定により職場復帰を果たしたものであるが、右事情から」と改め、同行目の「薄れ」の次に「、また、その間に進められていた業務のOA化と新規金融商品に関する技術知識の習得に遅れたため」を加え、同四行目から同五行目にかけての「能力には相当格差があったこと」を「間には、業務に関する能力及び知識に相当程度の格差が生じていたこと、しかし」と改める。 20 原判決二三七頁五行目の「上向いており」の次に「、これは」を加え、同六行目の「成績」から同七行目末尾までを「成績が次第に向上していったことを示すものと考えられる。」と、同八行目の「しかしながら、ア」を「しかし、それでも、(1)」とそれぞれ改める。 21 原判決二三八頁五行目の「なっている」から同八行目の「向上よりも」までを「なっていて、芝労組の組合員との比較において被控訴人組合の組合員が人事考課においてより」と、同一〇行目の「エ①」を「(4)ア」とそれぞれ改める。 22 原判決二三九頁七行目から同一〇行目までを削り、同一一行目の「  乙第二三五号証」を「イ乙第二三五号証」と改める。 23 原判決二四〇頁三行目の「)」の次に「並びに弁論の全趣旨」を加え、同七行目の「が得意先係」から同八行目の「設定され」までを「は、同人を含む全得意先係員の平均目標値の三割程度で一番低い目標値に設定されていたが、同人は、右目標値の四五パーセント程度しか目標を達成できなかっ 目の「が得意先係」から同八行目の「設定され」までを「は、同人を含む全得意先係員の平均目標値の三割程度で一番低い目標値に設定されていたが、同人は、右目標値の四五パーセント程度しか目標を達成できなかったこと」と、同九行目の「が得意先係」から同二四三頁七行目末尾までを「は、同人を含む全得意先係員の平均目標値の六割程度に設定されていたが、同人は、右目標値を達成できなかったこと、右各地域は、従来から取引先の少ない地域であり、したがって、そのような地域では、満期継続額が少なく、必然的に増口若しくは新規の取引又は顧客の獲得が要求されること、そのため、補助参加人は、そのような地域では、右のような実情に応じて目標値を設定して不利益が生じないように配慮していたことが認められる。したがって、原審原告P19及び同P18について、補助参加人が同人らの勤務実績を低く査定するため、殊更、勤務実績の上がらない地域を担当地域に指定し、同人らの人事考課の査定を低くしたものとは認め難い。」とそれぞれ改める。 24 原判決二四三頁八行目の「③」を「ウ」と、同一〇行目の「原告P19が」を「原審原告P19については、」と、同一一行目の「原告P17が」を「原審原告P17については、」とそれぞれ改める。 25 原判決二四四頁一行目の「復職後」を「本件和解協定に基づく復職後」と、同五行目の「原告P20が」を「原審原告P20については、」とそれぞれ改め、同七行目から同八行目にかけての「原告P20が」及び同一一行目から同二四七頁二行目までをそれぞれ削る。 26 原判決二四七頁三行目の「オ」を「(5)」と改め、同六行目の「)」の次に「、第二六三号証(同前四六丁)」を、同一一行目の「)」の次に「及び係長等の職位」をそれぞれ加える。 27 原判決二四八頁一行目の「副参事」の次に「及び主事等の資格」 」と改め、同六行目の「)」の次に「、第二六三号証(同前四六丁)」を、同一一行目の「)」の次に「及び係長等の職位」をそれぞれ加える。 27 原判決二四八頁一行目の「副参事」の次に「及び主事等の資格」を、同二行目の「)」の次に「及び係長等」をそれぞれ加え、同三行目の「と所属長の意見に基づいて判断して」を「の査定と店舗長等所属長のその旨の進言を受けて理事会で審議した上、人格、識見、統率力等を含む能力等を総合的に判断して理事長がこれを決定して」と、同四行目の「カ」を「(6)」とそれぞれ改める。 28 原判決二四九頁六行目の「キ」を「(7)」と改める。 29 原判決二五一頁三行目の「ク」を「(8)」と改め、同一一行目の「もっとも、」を削る。 30 原判決二五二頁一行目の「変更した」から同六行目末尾までを「変更したが、被控訴人組合の組合員でラインとしての係長に昇進した者はなく、推進役に昇進した者はいるが、ラインとしての店舗長代理(新人事制度における課長)に昇進した者はいない。」と改め、同一一行目から同二五六頁九行目までを削る。 31 原判決二五六頁一〇行目の「  乙第二一二号証」を「(四) 乙第二一二号証」と改める。 32 原判決二五七頁八行目の「ア」を「(1)」と、同九行目の「①」を「ア」とそれぞれ改める。 33 原判決二五八頁三行目の「②」を「イ」と改める。 34 原判決二五九頁一一行目の「③」を「ウ」と改める。 35 原判決二六〇頁七行目の「④」を「エ」と改める。 36 原判決二六二頁五行目の「イ」を「(2)」と改める。 37 原判決二六五頁六行目の「ウ」を「(3)」と改める。 38 原判決二六七頁四行目の「エ」を「(4)」と改める。 39 原判決二六八頁四行目から同二七一頁二行目までを次のとおり改める。 「(五) 以上(一)ないし(四)の各事実によれば、 (3)」と改める。 38 原判決二六七頁四行目の「エ」を「(4)」と改める。 39 原判決二六八頁四行目から同二七一頁二行目までを次のとおり改める。 「(五) 以上(一)ないし(四)の各事実によれば、補助参加人が被控訴人組合を嫌悪していること、原審原告P19外三名を含む被控訴人組合の組合員が人事考課において芝労組の組合員よりも低い査定を受けていることが認められるところ、被控訴人組合の組合員と芝労組の組合員との間に存する右のような人事考課の査定における格差の原因については、右のとおり補助参加人が被控訴人組合を嫌悪している事実からすれば、補助参加人の被控訴人組合に対する不当労働行為意思によるものとみる余地がないわけではない。しかし、もともと、被控訴人組合と補助参加人との間には前記長期にわたる労使紛争とこれに起因する原審原告P19外三名を含む被控訴人組合の組合員一七名に対する懲戒解雇があり、これらの者は本件和解協定により職場復帰したものであるが、その間、被控訴人組合の組合員は、能力開発の意欲が薄れ、また、新たな技術知識の習得に遅れたため、業務に関する能力及び知識が芝労組の組合員のそれと比較して相当程度の格差を生ずるに至っていたものであるから、右労使紛争の責任の所在がいずれにあるにせよ、この事実を反映して、被控訴人組合の組合員が人事考課において低い査定を受けることがあることはやむを得ないところといわなければならない。そして、本件和解協定の成立により被控訴人組合の組合員が職場復帰を果たした後、被控訴人組合の組合員の業務能力及び技術知識の習得がある程度進み、これにより、被控訴人組合の組合員に対する人事考課と芝労組の組合員に対する人事考課との格差が年を追って縮小傾向を示していることは前記のとおりであるが、少なくとも原審原告P19外三名が副参事への昇格 これにより、被控訴人組合の組合員に対する人事考課と芝労組の組合員に対する人事考課との格差が年を追って縮小傾向を示していることは前記のとおりであるが、少なくとも原審原告P19外三名が副参事への昇格を求める時期までに、これらについて、同人らを含めて被控訴人組合の組合員が芝労組の組合員と比較して、同等、同量又は大差がない程度に達していたものと認めるに足りる証拠は存しない。また、前記のとおり、平成元年一二月時点における組合員数は被控訴人組合の組合員数がわずか三二名であるのに対し、芝労組の組合員数は七二六名と圧倒的に多数なのである。したがって、このように、組合員の業務能力等に格差があり、かつ、組合員数についても圧倒的な差異の存する被控訴人組合の組合員と芝労組の組合員とを集団として比較するいわゆる大量観察方法により、その間に存する格差の原因が補助参加人の被控訴人組合に対する不当労働行為意思に基づく差別的取扱いによるものであるかどうかを論ずることは、比較の前提条件を欠くものとして、適当ではないものといわなければならない。 なお、前記のとおり、原審原告P19外三名に対する人事考課の評定者は、被控訴人組合を嫌悪しこれと敵対関係にある芝労組の組合員又はかつてそうであった者が大半であり、殊に第一次評定者は、係長の地位にある原審原告P19外三名の直属の上司であったから、これらの者が対立する労働組合の組合員である原審原告P19外三名に対する人事考課の査定において、芝労組ないしその路線を支持する補助参加人の影響を完全に排除して公正な評定をなし得るものかについては、被控訴人組合が主張するように懸念がないわけではない。しかしながら、補助参加人の職場においては、被控訴人組合の組合員に比して芝労組の組合員が圧倒的多数を占めているのであり、このようにある企業内に対立す 訴人組合が主張するように懸念がないわけではない。しかしながら、補助参加人の職場においては、被控訴人組合の組合員に比して芝労組の組合員が圧倒的多数を占めているのであり、このようにある企業内に対立する複数の労働組合が併存し、一方の組合員数が圧倒的多数を占めている場合には、勢い少数組合所属の組合員に対する人事考課の評定を多数組合所属の組合員である役職者が行わざるを得ないことになるのであり、これは組織上やむを得ないものであるから、このような場合、当該評定者が対立する労働組合の組合員であることのみをもってその者の人事考課の評定が不公正・不公平であるとすることは、人事考課の評定制度自体を否定することになるから、このような立論は、採用することができない。問題は、当該人事考課の評定が公正・公平に行われたかにかかることになる。 また、原審原告P19外三名が副参事昇格試験を受験した昭和五八年度、昭和五九年度、昭和六二年度及び平成元年度における合格者の最低点、同人らの人事考課の合計評点並びに学科試験及び論文試験の各得点は前記((一)(2))のとおりであるところ、同人らの人事考課の得点を受験者中の最高得点に置き換えても、学科試験及び論文試験(これらについて公正・公平に欠けるところがなかったことは、前示のとおりである。)の各得点との合計得点はいずれも合格者の最低点に達しないというのである。そうすると、仮に原審原告P19外三名の人事考課における低い査定が補助参加人の不当労働行為意思に基づく差別的取扱いの結果であるとしても、右不当労働行為意思に基づく人事考課における差別的な低い査定と原審原告P19外三名の副参事昇格試験不合格との間に相当因果関係はないものといわざるを得ない。 被控訴人組合は、補助参加人における昇格が年功序列的に行われていること及び資格試験に合 的な低い査定と原審原告P19外三名の副参事昇格試験不合格との間に相当因果関係はないものといわざるを得ない。 被控訴人組合は、補助参加人における昇格が年功序列的に行われていること及び資格試験に合格しない場合にも昇格させたことがあること(本件和解協定成立後における地労委のアフターケアーによる被控訴人組合の組合員一四名副参事昇格、特別措置・政治的配慮・抜擢人事による副参事昇格)の存在を理由に資格試験は単に名目的なものないし形骸化している旨主張する。しかしながら、昭和五三年一〇月に昇格試験制度が導入される以前においては、年功を加味して昇格が実施されていたことが認められる(甲第五号証(P30証人調書二五三項))が、昇格試験制度が導入された後において、被控訴人が主張するように年功序列的に昇格が実施されてきたことを認めるに足りる的確な証拠はない。もっとも、甲第五号証には、昇格試験制度導入後も年功が加味されているかも知れない旨の記載部分(同二五四項)がある。しかし、昇格に前記内容の資格試験制度を導入したことは、一方において年功序列的な人事運用を排除する趣旨であることは容易に看取されるところであるし、一度では資格試験に合格しない場合には何度も資格試験を受験し合格して行くのであるから、経験年数を積むに従って合格率が高くなっていくのは当然であり、これをとらえて年功序列的というのであれば格別、資格試験制度導入後においても被控訴人組合が主張する態様における年功序列的な昇格が行われていたと認めることは困難である。 また、被控訴人組合が主張する資格試験制度導入後の合格者でない者の昇格という例外的事例をもって、補助参加人における昇格試験が総体として名目的なものないし形骸化されていることの証左とすることは当を得ないものというべきである。したがって、被控訴人組合の右 でない者の昇格という例外的事例をもって、補助参加人における昇格試験が総体として名目的なものないし形骸化されていることの証左とすることは当を得ないものというべきである。したがって、被控訴人組合の右主張は、採用することができない。」 40 原判決二七三頁三行目から同七行目までを次のとおり改める。 「第五結論以上説示してきたところをまとめれば、本件の結論は、次のとおりとなる。 一原判決中本件命令Ⅲ項を取り消した部分について本件命令Ⅲ項は、原判決説示のとおり、原審原告P3、同P1、同P2を店舗長代理又は店舗長代理待遇の推進役に昇進したものとして取り扱うべき時期並びに原審原告P4、同P5、同P6、同P7、同P8、同P9、同P10、同P11、亡P12、原審原告P13、同P14、同P15及び同P16を係長又は係長待遇の推進役に昇進したものとして取り扱うべき時期を昭和六一年四月一日付けとすべきところを同年六月一八日付けとし、その間(同年四月一日から同年六月一七日まで)につき救済申立てを棄却した点において違法であるといわねばならない。したがって、本件命令Ⅲ項は、右各昇進につき右期間の救済申立てを棄却した部分を取り消し、かつ、右各昇進したものとして取り扱うべき時期を「昭和六一年六月一八日付け」とした部分を「昭和六一年四月一日付け」と変更することを要するが、これをもって足り、同項を全部取り消すまでの必要はないところ(同項の右取消し及び変更は、前記のとおり、救済申立ての除斥期間についての判断の相違に伴うものであり、右救済の時期の選択について控訴人の裁量をいれる余地のない問題であるから、控訴人の裁量権を尊重して同項を全部取り消し、同項につき改めて控訴人の判断をまつまでの必要はないものであり、同項を右のとおり一部を取り消し、一部を変更するにとどめても、控 る余地のない問題であるから、控訴人の裁量権を尊重して同項を全部取り消し、同項につき改めて控訴人の判断をまつまでの必要はないものであり、同項を右のとおり一部を取り消し、一部を変更するにとどめても、控訴人の裁量権を侵害するおそれはない。なお、この点は、以下に説示する本件命命Ⅳ項及びⅧ項についていても、同様である。)、原判決は本件命令Ⅲ項を全部取り消しているので、原判決は、その限度で不当であり、変更を免れない。 二原判決中本件命令Ⅳ項を取り消した部分について本件命令Ⅳ項中原審原告P19外三名の副参事昇格及び店舗長代理昇進を認めなかった部分は、前記説示のとおり正当というべきであり、これを維持すべきである。しかしながら、同項中同人らについて昭和六一年六月一八日付けで係長又は係長待遇の推進役への昇進を命じた部分は、右昇進の時期の点において本件命令Ⅲ項について右一に説示したのと同様の違法があるから、本件命令Ⅳ項は、同人らの右昇進につき同年四月一日から同年六月一七日までの間の救済申立てを棄却した部分を取り消し、右昇進の時期を「昭和六一年六月一八日付け」とした部分を「昭和六一年四月一日付け」と変更すべきところ、原判決は、同項を全部取り消しているので、原判決は、その限度で不当であり、変更を免れない。 三原判決中本件命令Ⅴ項を取り消した部分について本件命令Ⅴ項は、本件命令Ⅳ項について右二に説示したところによれば、相当であり、これを維持すべきである。したがって、原判決中本件命令Ⅴ項を取り消した部分は、不当であり、取消しを免れない。 四原判決中本件命令Ⅵ項を取り消した部分について本件命令Ⅵ項は、既にみてきたところによれば、その変更又は取消しをする必要があるものとは認められない。したがって、原判決中同項を取り消した部分は、不当であり、取消しを免れない り消した部分について本件命令Ⅵ項は、既にみてきたところによれば、その変更又は取消しをする必要があるものとは認められない。したがって、原判決中同項を取り消した部分は、不当であり、取消しを免れない(なお、本件命令Ⅵ項は、初審命令主文10項中の被控訴人組合の代表者の表示「P2」を「P8」と改めているところ、被控訴人組合及び補助参加人の各代表者はその後更に変更しているのであるが、初審命令主文10項における被控訴人組合及び補助参加人の各代表者の表示は、右各代表者が代表者の地位にある間に同項に定めるポストノーティスが履行されることを前提としてこれを表示したものであり、代表者が交替した場合には、当然、交替後の代表者の名においてこれを履行し、履行を受けるべき趣旨と解されるから、本判決においてあえて右各代表者の表示を改めることはしない。)。 五原判決中本件命令Ⅷ項を取り消した部分について本件命令Ⅷ項は、昭和六一年三月三一日以前の昇進に係る救済申立てを却下すれば足りるところ、同年六月一七日以前の救済申立てを却下しており、その点において違法であり、その間(同年四月一日から同年六月一七日まで)の救済申立てを却下した部分は取消しを免れない。しかるに、原判決は、同項を右部分の取消しにとどめず全部取り消しているから、原判決は、この点において不当であり、変更を免れない。」二よって、当裁判所の右判断と一部異なる原判決は不当であるから、これを変更することとし、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第二〇民事部裁判長裁判官石井健吾裁判官櫻井登美雄裁判官加藤謙一 申し訳ありませんが、整形するためのテキストが提供されていません。もう一度テキストを送信してください。

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