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主文 原判決を取り消す。被控訴人の各請求を棄却する。訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。事実 控訴人らは、主文同旨の判決を求め、被控訴人は、控訴棄却の判決を求めた。当事者双方の事実上の主張および証拠関係は、つぎに附加するほか原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。一、 当事者の事実上の主張。別紙のとおり。二、 証拠関係。書証。被控訴人提出。甲第二号証の一、二(成立を認める)、甲第三号証(原告の存在並に成立を認める)。控訴人支払基金提出。乙第一三号証ないし二四号証、乙第二五号証の一、二、乙第二六号証の一ないし五、乙第二七号証の一ないし四、乙第二八号証の一ないし五、乙第二九号証の一ないし三、乙第三〇ないし三六号証、乙第三七ないし四〇号証の各一、二(いずれも成立を認める)。人証。控訴人支払基金申出。証人Aの証言。控訴人連合会申出。証人Bの証言。理由 被控訴人の主張する本訴請求原因は、被控訴人は、訴外医師Cに対し貸金債権を有するところ、Cが保険診療に従事した結果控訴人らに対し有する診療報酬債権を差押え、これに対し取立命令を得たから、控訴人らは、被控訴人に対し、それぞれ本件請求金額の支払義務があるというのである。しかしながら、Cは、保険者に対し診療報酬債権を有するとしても、控訴人らに対し直接右債権を有す<要旨>ることを認めるに足りない。けだし、被控訴人の主張するところによれば、医師Cの保険診療により生じた</要旨>診療報酬支払義務を負担した保険者は、その支払を控訴人らに委託したというのであるから、保険者より右支払委託を受けた控訴人らは、保険者から委託された委任事務の処理としてCに対し診療報酬金の支 /要旨>診療報酬支払義務を負担した保険者は、その支払を控訴人らに委託したというのであるから、保険者より右支払委託を受けた控訴人らは、保険者から委託された委任事務の処理としてCに対し診療報酬金の支払を為すべきではあるが、それは保険者に対する義務の履行にすぎず、Cに対し直接義務を負担し、その義務の履行としてなすものではないといわなければならないからである。 た委任事務の処理としてCに対し診療報酬金の支 /要旨>診療報酬支払義務を負担した保険者は、その支払を控訴人らに委託したというのであるから、保険者より右支払委託を受けた控訴人らは、保険者から委託された委任事務の処理としてCに対し診療報酬金の支払を為すべきではあるが、それは保険者に対する義務の履行にすぎず、Cに対し直接義務を負担し、その義務の履行としてなすものではないといわなければならないからである。被控訴人は、Cが控訴人らに対し直接権利を取得する根拠として、第三者のためにする契約と右第三者の受益の意思表示の存在をいうものではない。なお、被控訴人は、「控訴人らは制度上当然にみずから診療担当者に対し直接診療報酬の支払をなす義務を負担する。」と論ずるけれども、もし被控訴人所論のとおりであるとすれば、控訴人らは、診療報酬の支払につき、保険者の資力如何にかかわらず、診療担当者に対し連帯保証をなしたと同じことになるが、被控訴人挙示の諸理由をもつてしても制度上控訴人らにそのような義務があると認めるにはなお十分でないといわなければならない。むしろ健康保険法第四三条の九第五項もしくは国民健康保険法第四五条第五項により保険者から診療報酬に関する事務の委託を受けた控訴人らが診療担当者に対する診療報酬支払を担当する制度の主たる目的は、保険者の診療報酬任意支払の窓口を一本化し、診療担当者が受診者によつて異なる保険者毎に各別の診療報酬請求をする煩を省くためにあるのであつて、進んでこれら支払担当者に実体法上診療担当者に対する右報酬支払義務を直接負担させるようなことは、全く右制度の企図するところではないと解するのが相当である。右診療報酬債権の差押手続において実務上前記支払担当者を第三債務者として表示するのは、単に債権差押手続において実体上の支払義務者である各保険者毎に支払差止を命ずることに代え、現実に診療報酬支 である。右診療報酬債権の差押手続において実務上前記支払担当者を第三債務者として表示するのは、単に債権差押手続において実体上の支払義務者である各保険者毎に支払差止を命ずることに代え、現実に診療報酬支払事務を担当する者に対し支払差止を命ずることにより事実上債権差押の実効を収めようとしたものであつて、支払担当者を実体法上の債務者と認めるからではない。さらに、被控訴人は、「診療担当者、保険者、基金および連合会(控訴人らをいう)の三者間には、右基金および連合会が保険者から支払委託を受け、診療担当者は基金および連合会に診療報酬請求書を提出し、基金および連合会では右請求書を審査してから診療担当者に診療報酬を支払うという内容の明示または黙示の契約がある。 事実上債権差押の実効を収めようとしたものであつて、支払担当者を実体法上の債務者と認めるからではない。さらに、被控訴人は、「診療担当者、保険者、基金および連合会(控訴人らをいう)の三者間には、右基金および連合会が保険者から支払委託を受け、診療担当者は基金および連合会に診療報酬請求書を提出し、基金および連合会では右請求書を審査してから診療担当者に診療報酬を支払うという内容の明示または黙示の契約がある。」と論ずるが、そのような明示の契約を認めるに足る証拠がなく、また、制度上控訴人らが診療担当者に対し診療報酬の支払を保証する趣旨が認められないこと前記のとおりであることに徴し、そのような黙示の契約の成立も認めることができない。以上の次第であるから、Cが控訴人らに対し直接診療報酬債権を有することを前提とする本訴請求は、その余の争点について判断するまでもなく失当として排斥を免れない。よつて、これに反する原判決を取り消し、被控訴人の控訴人らに対する各請求を棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九六条に従い、主文のとおり判決する。(裁判長裁判官川添利起裁判官坂井芳雄裁判官蕪山厳)別紙一<記載内容は末尾1添付>別紙二<記載内容は末尾2添付>別紙三<記載内容は末尾3添付>別紙四<記載内容は末尾4添付>別紙五<記載内容は末尾5添付> 添付>別紙四<記載内容は末尾4添付>別紙五<記載内容は末尾5添付>
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