平成15(わ)1416 殺人,窃盗被告事件

裁判年月日・裁判所
平成15年10月9日 名古屋地方裁判所
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判決文本文1,638 文字)

主文 被告人を懲役12年に処する。 未決勾留日数中70日を上記の刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,第1 平成15年5月28日午後零時23分ころ,かねて伝言ダイヤルを通じて知り合ったA(当時41歳)とともに名古屋市a区b町c番地所在のホテル「B」201号室に入り,同女と情交後,支払うべき売春代金の持ち合わせがない旨告げたところ,同女にこれを責められて口論となり,憤激の余り同女を殺害しようと決意して,同日午後2時45分ころ,同室において,殺意をもって,同女の体をベッドの上に仰向けに突き倒した上,同女の体の上に馬乗りになって両手で同女の頸部を強く絞め付け,よって,そのころ,同所において,同女を頸部圧迫による窒息により死亡させて殺害し,第2 同日午後3時ころ,同室において,同女所有の現金120円及び携帯電話1個ほか17点在中のショルダーバッグ1個(時価合計約1万100円相当)を窃取した。 (証拠の標目)(省略)(法令の適用) 1 罰条判示第1について刑法199条判示第2について刑法235条 2 刑種の選択判示第1について有期懲役刑を選択 3 併合罪の加重刑法45条前段,47条本文,10条(重い判示第1の罪の刑に同法14条の制限内で法定の加重) 4 未決勾留日数の算入刑法21条 5 訴訟費用刑事訴訟法181条1項ただし書(負担させない。)(量刑の理由)本件は,被告人が伝言ダイヤルを通じて知り合った売春目的の被害者と情交した後,被害者に所持金が乏しいので代金は後で払う旨言ったところ,すぐ払わなければ被告人宅まで行って家族に話すなどと強く非難されたことから,憤激の余り,被害者の頸部を絞めて窒息死させたという殺人と,その直後に被害者の所持品を しいので代金は後で払う旨言ったところ,すぐ払わなければ被告人宅まで行って家族に話すなどと強く非難されたことから,憤激の余り,被害者の頸部を絞めて窒息死させたという殺人と,その直後に被害者の所持品を窃取したという窃盗の事案である。 殺人の契機が,被害者に激しく罵られるなどしたことにあったとしても,被告人は,所持金が売春代金に満たないことを十分認識しながら被害者と情交したのであるから,このような事態は被告人自ら招いたというべきで,犯行動機は身勝手かつ短絡的といわざるを得ず,酌量の余地に乏しい。その態様も,確定的殺意に基づいて,被害者の頸部を両手で絞めて窒息死させるという残忍なもので,殺害後の行動も,指紋を拭き取り罪証隠滅を図った上,被害者のショルダーバッグを窃取しており,相当悪質である。被害者に被告人から殺害されるまでの落ち度があったとは認められず,突然突き倒されて首を絞められた苦痛や恐怖感,内縁の夫や子供を残して非業の死を遂げなければならなかった無念さは察するに余りあり,被害者の内縁の夫は被告人の厳重処罰を求めている。被告人から被害者の実父に対して示談金として支払われた50万円は慰謝のための金額としては到底不十分である。 そうすると,被告人の刑事責任は重いといわなければならないから,犯行に計画性はなく,被害者にも不用意な言動により被告人の憤激を招いたという面があったこと,窃盗については被害品が全て発見されていること,被告人は,自己の犯した罪の重大さを自覚して反省の態度を示していること,前科前歴がないこと,上記のとおり被害者の実父との間では示談が成立し約定の金額が支払われていること等の酌むべき事情も認められるが,これらの事情を考慮しても,主文の刑に処するのが相当である。 (求刑懲役16年)平成15年10月9日名古屋地方裁判所 談が成立し約定の金額が支払われていること等の酌むべき事情も認められるが,これらの事情を考慮しても,主文の刑に処するのが相当である。 (求刑懲役16年)平成15年10月9日名古屋地方裁判所刑事第5部裁判長裁判官伊藤新一郎裁判官後藤眞知子裁判官高橋信幸

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