平成27(ネ)974 損害賠償請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
平成29年5月25日 名古屋高等裁判所 名古屋地方裁判所 平成27(ワ)1154
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判決文本文15,886 文字)

平成29年5月25日判決言渡名古屋高等裁判所平成27年(ネ)第974号損害賠償請求控訴事件(原審・名古屋地方裁判所平成27年(ワ)第1154号)主文 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人は,控訴人に対し,8万円及びうち1万円に対する平成26年3月31日から,うち1万円に対する同年4月21日から,うち1万円に対する同年5月30日から,うち1万円に対する平成27年4月23日から,うち4万円に対する同年5月19日から,それぞれ支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 3 控訴人のその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを8分し,その1を被控訴人の負担とし,その余は控訴人の負担とする。 5 この判決の主文第2項は,本判決が被控訴人に送達された日から14日を経過したときは,仮に執行することができる。ただし,被控訴人が8万円の担保を供するときは,その仮執行を免れることができる。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人は,控訴人に対し,60万円及びうち5万円に対する平成26年3月31日から,うち5万円に対する同年4月21日から,うち10万円に対する同年5月20日から,うち5万円に対する同年4月30日から,うち5万円に対する同年12月11日から,うち30万円に対する平成27年4月23日から,それぞれ支払済みまで年5%の割合に よる金員を支払え。 3 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。 4 仮執行宣言第2 事案の概要 1 本件は,死刑確定者として名古屋拘置所に収容されている控訴人が,名古屋拘置所職員または名古屋拘置所長から,①吸取紙に書込みをしたところ,不正書込に当たるとして廃棄を求められたこと,②切手を収納するため切断し 刑確定者として名古屋拘置所に収容されている控訴人が,名古屋拘置所職員または名古屋拘置所長から,①吸取紙に書込みをしたところ,不正書込に当たるとして廃棄を求められたこと,②切手を収納するため切断した封筒を所持していたところ,不正加工に当たるとして廃棄を求められ,懲罰を受けたこと,③弁護人から受け取った封筒に書込みをしたところ,不正書込に当たるとして廃棄を求められたこと,④訴訟書面に書込みをしたところ,不正書込に当たるとして書き写しを求められたこと,⑤便せんの台紙等に書込みをしたところ,不正書込に当たるとして廃棄を求められ,懲罰を受けたこと等が,それぞれ刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(以下「刑事収容施設法」という。)に違反した違法行為であるなどと主張し,被控訴人に対し,国家賠償法1項1号に基づき,上記①の書込制限による慰謝料5万円及びこれに対する平成26年3月31日から,上記②の加工制限による慰謝料5万円及びこれに対する同年4月21日から,上記②の懲罰及び処分による慰謝料10万円及びこれに対する同年5月20日から,上記③の書込制限による慰謝料5万円及びこれに対する同年4月30日から,上記④の書込制限による慰謝料5万円及びこれに対する同年12月11日から,上記⑤の書込制限による慰謝料30万円及びこれに対する平成27年4月23日から,いずれも支払済みまで民法所定の年5%の割合による遅延損害金の各支払を求めた事案である。 原審は,控訴人の請求をいずれも棄却したところ,控訴人が控訴した。 2 前提となる事実等,争点,控訴人の主張は,以下のとおり付加,訂正 するほか,原判決「事実及び理由」第2の2ないし4に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決5頁11行目の「吸取紙に」の後に「領置金の使用金額と残金 下のとおり付加,訂正 するほか,原判決「事実及び理由」第2の2ないし4に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決5頁11行目の「吸取紙に」の後に「領置金の使用金額と残金を」を付加する。 (2) 原判決7頁5行目の「原告は,」から同行目の「所持していたが」までを「名古屋拘置所では信書発信に使用することができる封筒は拘置所内で販売されているものに限定されているため,控訴人は,信書発信に使用することができない差し入れられた封筒を,切手の収納のために半分に切断して所持していたが」と改める。 (3) 原判決8頁21行目の「表紙と台紙に」の後に「購買品価格,有名事件の発生年及び有名な言葉を」を付加する。 3 被控訴人の主張(1) 名古屋拘置所職員及び名古屋拘置所長の行為が違法である旨の控訴人の主張は,いずれも争う。 (2) 名古屋拘置所長は,刑事収容施設法を受けて,名拘遵守事項を設け,便せんやノートその他認書を許可された用紙以外の物に許可なく書込みをしてはならないこと,許可なく物品を製作し,加工し,所持し,隠匿し,壊し,若しくは投棄し,又はこれらの行為を企ててはならないこと,職員に対し,抗弁,無視その他の不当な方法で反抗してはならないこと等を定め,また,名古屋拘置所懲罰手続規程を設け,規定に違反したときの懲罰に関する事項を定めている。国庫帰属はこれらに伴う処分である。 (3) 吸取紙,封筒,訴訟書面,便せんの台紙等への書込みを禁止する理由は,以下のとおりである。 ア本来の使用用途として書込みを予定していない物品に対する書込みは,不正連絡や不正な情報収集の手段として用いられ,実際に多 数の事例が発覚しており,控訴人自身も平成16年3月9日に茶封筒から切り取った紙片に連絡事項を記載した上,同紙片を石 対する書込みは,不正連絡や不正な情報収集の手段として用いられ,実際に多 数の事例が発覚しており,控訴人自身も平成16年3月9日に茶封筒から切り取った紙片に連絡事項を記載した上,同紙片を石けん箱の中に入れて入浴の際に持ち出し,浴室内に置いて他の被収容者に拾わせる方法で不正に連絡を取ったことがあった。 イ刑事施設においては,被収容者が不正に入手した情報を記録していないか等を確認するため,あるいは被収容者の心情を把握するために,居室の検査を行うほか,雑記帳等の書込みをすることが認められた物品について,定期・不定期に検査を行っているが,多数の被収容者を少数の職員で収容し処遇している刑事施設において,限られた職員で,限られた時間の中,そのように広範な範囲について確実に検査を行うことは到底不可能である。 したがって,被収容者による不正な行為を防止し,刑事施設の規律及び秩序を適正に維持するためには,被収容者が書き込むことを可能とする物品を制限せざるを得ない。 ウ刑事収容施設法41条2項は,受刑者以外の被収容者に対し,一定の範囲の物品(同条1項各号に記載の物品及び寝具)について,刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれのある場合などを除き,自弁のものの使用・摂取を認めているが,一定の範囲に物品に限定しているのは,刑事施設の事務負担を考慮すれば,生活条件の保障として十分であるといえる範囲で自弁の物品の使用・摂取を許す以上に,いかなる種類の物品の使用・摂取も許すことは,必要でなく,適当でもないためである。 (4) 不正製作等を禁止する理由は,以下のとおりである。 ア封筒,便せん等を切り取った紙片を用いて不正連絡が行われた事例や,ちり紙を用いて賭博の道具となり得るサイコロを製作した事例等,刑事施設の規律及び 正製作等を禁止する理由は,以下のとおりである。 ア封筒,便せん等を切り取った紙片を用いて不正連絡が行われた事例や,ちり紙を用いて賭博の道具となり得るサイコロを製作した事例等,刑事施設の規律及び秩序の適正な維持の観点から許されない 不正製作等の事例が多数発覚している。 イ不正製作等の行為は,ちり紙,封筒,歯磨き粉,ジャンパー内の葉くず,裁判書類等,様々な物品を材料にして行われる上,その製作等の態様は様々であることから,禁止される製作等を具体的に定めることは,現実には不可能か,極めて困難である。 また,拘置所長の許可を得ることで,物品の製作等を行うことは可能となるのであるから,許可を受けない限り一切の物品の製作等を禁じるという方法で物品の製作等を禁じたとしても,被収容者の受ける制限は,それほど大きいものとは認められない。 ウさらに,原則として,一切の物品の製作や加工を禁止した場合,特に刑事施設の規律及び秩序の適正な維持に支障を生じないような態様の製作等でも名拘遵守事項違反に該当することになるが,このような場合には,当該行為自体は厳正に取り締まるとしても,懲罰を科さず,注意指導をするにとどめるなどとすることで,被収容者が過度に不利益を被ることを防止している。 (5) 控訴人は,書込みが許されていない吸取紙,来信封筒,訴訟書面,便せんの台紙等に書込みをしたり,許可なく封筒を切断して所持した。 これらの行為が名拘遵守事項に違反するため,名古屋拘置所職員は,これらを廃棄するように指導し,控訴人がこれに従わなかったため,名古屋拘置所長は,懲罰を科し,国庫帰属処分とした。 したがって,名古屋拘置所職員及び名古屋拘置所長の行為等に違法性はない。 第3 当裁判所の判断 1 名古屋拘置所における遵守事項の定めについて(1) 刑 は,懲罰を科し,国庫帰属処分とした。 したがって,名古屋拘置所職員及び名古屋拘置所長の行為等に違法性はない。 第3 当裁判所の判断 1 名古屋拘置所における遵守事項の定めについて(1) 刑事収容施設法74条1項は,刑事施設の長が被収容者が遵守すべき事項を定める旨規定し,同条2項8号において,物品の不正加工 及び不正書込に係る遵守事項につき「金品について,不正な使用,所持,授受その他の行為をしてはならないこと。」と規定する。 また,刑事収容施設法41条2項は,受刑者以外の被収容者が,日用品,文房具その他刑事施設における日常生活に用いる物品等について自弁のものを使用したい旨の申出をした場合は,刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合などを除きこれを許すものとすると規定しているところからすると,自弁のものであっても管理運営上支障を生ずるおそれがある場合には,その使用態様について一定の制限を加えることが許されると解される。 (2) これを受けて,名古屋拘置所において名拘遵守事項を定めているところ,名拘遵守事項第1の18項は「(自弁物品の破損等)自己の物品を故意に破損し,又は手続きを経ず廃棄してはならない。」と規定し,同第1の20項は「(物品不正製作等)許可なく物品(金銭を含む。以下同じ。)を製作し,加工し,所持し,隠匿し,壊し,若しくは投棄し,又はこれらの行為を企ててはならない。」と規定し,同第1の26項は「(不正書込)便せん,ノートその他認書を許可された用紙以外の物に許可なく書込みをしてはならない。」と規定している。 (3) 刑事収容施設において,実際に物品不正製作等や不正書込がなされ,それによって刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがあるとされた複数の事例が 。」と規定している。 (3) 刑事収容施設において,実際に物品不正製作等や不正書込がなされ,それによって刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがあるとされた複数の事例が存するところ,その概要は次のとおりである。 ア不正連絡の手段として物品不正製作ないし不正書込が行われた事例①封筒の口の部分を切って紙片にした上,連絡事項を書き込み,不正連絡を試みた者,②封筒の切手貼り付け部分に不正な連絡事項 を書き込んだ上,当該部分に切手を貼り付ける方法で書込みを隠匿し,これを宅下げする方法で不正連絡を試みた者,③現金書留封筒の中封筒部分に連絡事項を記載して,これを自弁書籍の表表紙及び裏表紙部分に隠して他人に交付する方法で不正連絡を試みた者,④便せんの余白部分を切り取った上,これに連絡事項を書き込んで不正連絡を試みた者,⑤作業用メモ紙に連絡事項を記載して不正連絡を試みた者,⑥電池式カミソリの説明書に同室者の帰住予定地を記載した者,⑦保管私物である書籍に他の受刑者の氏名,住所,刑期終了日及び生年月日を書き込んだ上,その受刑者と不正に連絡しようと企てた者,⑧私物のちり紙に連絡文を記載して交付する方法で不正連絡を試みた者,⑨封筒の包装袋に添付された紙を小さく破ったものに連絡文を記載して交付する方法で不正連絡を試みた者などの不正連絡事案が発生している(乙56)。 イ不正な情報収集の手段として,不正書込が行われた事例被収容者の処遇に苦慮した拘置所職員が,その処遇負担を軽減するために,当該被収容者の要求に応じて国家公務員法100条に違反し10年以上の長期にわたり情報を漏洩していたことが発覚した際,当該情報は,本来,書込みが認められていない願箋用紙やパンフレット類の裏等に記載されていたため,所持品の検査によって 員法100条に違反し10年以上の長期にわたり情報を漏洩していたことが発覚した際,当該情報は,本来,書込みが認められていない願箋用紙やパンフレット類の裏等に記載されていたため,所持品の検査によって発見できなかった(乙57)。 ウ物品の不正製作等により,刑事施設の管理運営上支障を生ずるおそれがあるとされた事例①ちり紙を固めてサイコロを製作した,②自弁封筒の一部をネームラベルの大きさにちぎり,別の被収容者の呼称番号を記載した上,歯磨き粉やセロテープを用いるなどしてラベルを製作した,③所持していた革ジャンパーのポケット内の葉くずを集め,裁判書類の余 白部分を破った紙片の上に乗せて丸め,たばこ様の物品を製作した,④筒状に丸めた紙片内に,乾燥させたオレンジの皮を詰めて,たばこ様の物品を製作した,⑤ちり紙を折り畳んで湿らせた上,1cm 四方大にちぎり,数字を書き込んでいた,⑥雑誌の製本用ホッチキス3本を外した,⑦正規の手続では発信許可がされない信書を,自分の書類の中に隠して郵送宅下げしようと考え,給与された主食(米麦飯)をのりの代わりに用いて当該書籍に貼り付けて,これを当該書籍とともに外部の者に交付しようとしたなどの不正製作の事案が発生している(乙56)。 (4) 以上のように,多数の事例で,許可を受けないでされた物品製作等ないし書込みが不正連絡ないし不正情報収集の手段等として用いられ,その態様も様々であることや,予期せぬ場所への書込みを許容すれば,刑事施設職員が行う被収容者の居室内の所持品検査,書込検査の範囲が無限定となってしまうことからすると,不正連絡,不正情報収集その他不正の目的であることが明らかであるか否かにかかわらず,名古屋拘置所が名拘遵守事項を定めて,許可を受けないでされた物品製作等ないし書込み自体を,一般社会 ことからすると,不正連絡,不正情報収集その他不正の目的であることが明らかであるか否かにかかわらず,名古屋拘置所が名拘遵守事項を定めて,許可を受けないでされた物品製作等ないし書込み自体を,一般社会において些細なものと評価される場合を含めて一律に禁止することが直ちに不合理であるということはできない。 しかしながら,刑事収容施設法74条2項は,遵守事項として定め得る項目を列挙しているところ,物品の加工や書込みに関しては,「金品について,不正な使用,所持,授受その他の行為をしてはならないこと。」(8号)として,不正と評価し得る行為の禁止のみを容認していることが明らかであるから,同項に基づいて定められた名拘遵守事項18号,20号及び26号についても,その文言に関わらず,当該行為が不正なものと評価し得るもののみを禁止しているものと解 釈すべきである。すなわち,被収容者が行った物品の加工や書込みが,当該物品の本来的な使用用途から若干逸脱するものであっても,一般社会においても通常行われる態様のものであり,不正連絡,不正情報収集その他不正の目的に繋がるおそれがないことが明らかであるような場合においてまで一律に禁止することは,刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれを排除するという目的を逸脱し,被収容者に対して所持品の使用方法につき過度な制約を科すものであって,刑事収容施設法74条2項に反し国家賠償法上も違法と解すべきである。 なお,控訴人は,過去に茶封筒から切り取った紙片を不正連絡の手段として用いたことがあったが(乙55),そのことから直ちに不正の目的に繋がるおそれのない行為までを一律に制限することが正当化されるものとはいえない。 また,被控訴人は,許可を受けないでされた物品製作等ないし書込みを一律に制限する ),そのことから直ちに不正の目的に繋がるおそれのない行為までを一律に制限することが正当化されるものとはいえない。 また,被控訴人は,許可を受けないでされた物品製作等ないし書込みを一律に制限する根拠として,刑事施設職員が行う被収容者の居室内の所持品検査,書込検査を限られた職員で確実に行うために必要であるなどと主張するが,当該物品の本来的な使用用途から若干逸脱する程度の加工や書込みがされたにすぎず,一般社会においても通常行われる態様のものであれば,それが直ちに検査担当職員の見落としに繋がるものとも考え難い。 以下,上記観点から名古屋拘置所職員及び名古屋拘置所長の控訴人に対する対応,懲罰が国家賠償法上違法か否かについて検討する。 2 吸取紙への書込みについて(1) 認定事実名古屋拘置所職員は,平成26年3月31日,控訴人が収容されている居室内の検査を実施したところ,便せん綴りに添付された吸取紙 に控訴人による書込みがされているのを見つけ(控訴人の主張によれば,領置金の使用金額と残金を書き込んだとされる。),いったんこれを引き取ったが,控訴人に対し,書込みが容認されている物品以外への書込みが許されておらず,書込みが容認されているノート等に書き写して,必要なければ吸取紙を廃棄するように指導し,吸取紙を返還した(乙1)。 控訴人は,同年4月1日,上記指導に関し,教示を願い出たが,担当主任(主任矯正処遇官)は,同月3日,不服申立相当である旨を告知した。控訴人は,同月4日,上記教示願いに対する回答に関し,教示を願い出たが,担当主任は,同月10日,同月3日に回答したとおりである旨を告知した(乙2,3)。 控訴人は,同年4月18日,上記指導に関し,書面により,名古屋拘置所長に対する苦情の申出をした。これに対し,第2統括(統括 は,同月10日,同月3日に回答したとおりである旨を告知した(乙2,3)。 控訴人は,同年4月18日,上記指導に関し,書面により,名古屋拘置所長に対する苦情の申出をした。これに対し,第2統括(統括矯正処遇官)は,同年8月27日,苦情申出を不採択とする旨を通知した(乙4~6)。 なお,その後の控訴人の居室内検査において,上記吸取紙が発見されていないから,控訴人が廃棄したものと認められる(乙6)。 (2) 検討ア便せん綴りは,その全体を見れば筆記するための用紙を綴ったものであり,それに添付された吸取紙に書込みをすることは一般社会においても通常行われる態様のものであって(書込みによってではなく,吸取紙本来の用法で用いた場合でも,インクで書いた文字が吸取紙に転写されることもある。),便せん用紙に書込みをすることと添付された吸取紙に書込みをすることとの間には,刑事施設の管理運営上支障に繋がるか否かという観点から見ても質的な相違はないというべきである。控訴人の書込みの態様を見ても,不正連絡 及び不正情報収集に繋がるおそれがあるとは認められない。 したがって,名古屋拘置所職員が,控訴人に対し,吸取紙に書込みをしたことを捉えて,ノート等に書き写した上吸取紙を廃棄するように指導したことは,刑事施設の管理運営上支障を生ずるおそれを排除するという目的を逸脱し,所持品の使用方法につき過度な制約を科すものとして国家賠償法上違法と解すべきである。 イなお,控訴人は,上記指導を受けて,名古屋拘置所長に対する苦情の申出をし,それが不採択となった後に吸取紙を任意に廃棄しているが,控訴人が任意に廃棄したのは,それに従わなければ強制的な懲罰ないし廃棄処分を受けることになるからであって,一連の経過を見れば,名古屋拘置所職員及び名古屋拘置所長が控訴 吸取紙を任意に廃棄しているが,控訴人が任意に廃棄したのは,それに従わなければ強制的な懲罰ないし廃棄処分を受けることになるからであって,一連の経過を見れば,名古屋拘置所職員及び名古屋拘置所長が控訴人に対して吸取紙の廃棄を強制したと評価することができる。 ウ控訴人が,名古屋拘置所職員及び名古屋拘置所長から受けた上記の違法行為により被った精神的苦痛に対する慰謝料は,上記の廃棄指示に至る経過等の諸事情を考慮すれば1万円と認めるのが相当であるから,被控訴人は,控訴人に対し,1万円及びこれに対する廃棄指示の日である平成26年3月31日から支払済みまで民法所定の年5%の割合による遅延損害金の支払義務を負うというべきである。 3 封筒の切断について(1) 認定事実名古屋拘置所職員は,平成26年4月14日,控訴人が収容されている居室内の検査を実施したところ,差し入れられた未使用の封筒を半分に切断し,2つの袋状になった封筒の中に切手を保管しているのを見つけ,いったん封筒を引き取ったが,控訴人に対し,許可なく封筒を切断して切手の保管に用いることが許されておらず,封筒を廃棄 するように指導し,封筒を返還した(乙7,21)。 名古屋拘置所職員は,同年4月21日,控訴人が収容されている居室内の検査を実施したところ,控訴人が封筒を廃棄しないで所持していたため,いったん封筒を引き取ったが,控訴人に対し,許可なく封筒を切断して切手の保管に用いることが許されておらず,封筒を廃棄するように指導し,封筒を返還した。 控訴人は,同年4月22日,上記各指導に関し,教示を願い出たが,担当主任(主任矯正処遇官)は,同年5月9日,教示しない旨を告知した(乙8,9)。 名古屋拘置所職員は,同年5月15日,控訴人が収容されている居室内の検査を実施したとこ に関し,教示を願い出たが,担当主任(主任矯正処遇官)は,同年5月9日,教示しない旨を告知した(乙8,9)。 名古屋拘置所職員は,同年5月15日,控訴人が収容されている居室内の検査を実施したところ,控訴人が封筒を廃棄しないで所持していたため,いったん封筒を引き取ったが,控訴人に対し,許可なく封筒を切断して切手の保管に用いることが許されておらず,封筒を廃棄するように指導したが,控訴人は,これに応じなかった(乙10)。 これを受けて警備主任(主任矯正処遇官)は,同年5月16日,封筒を廃棄するように指導するとともに,廃棄しないのであれば一時保管するので提出するように指導したが,控訴人は,これに応じなかった。そのため,警備主任は,名古屋拘置所処遇部処遇部門首席矯正処遇官らに報告した上,再度,控訴人に対し,封筒を廃棄するように指導するとともに,廃棄しないのであれば一時保管するので提出するように指導したが,控訴人がこれに応じなかったため,名拘遵守事項第1の45項違反の容疑(反抗)で調査に付す旨を告知した(乙11~13)。 担当主任は,同年5月16日,控訴人に対し,封筒を職権で引き上げる旨を告知し,封筒を引き取って一時保管した。さらに,担当主任は,同年5月20日,控訴人に対し,控訴人が許可なく封筒を切断し たことについて,名拘遵守事項第1の20項違反の容疑(物品不正製作等(物品不正加工))で調査に付す旨を告知した(乙14~16)。 控訴人は,同年5月20日,警備主任が封筒の廃棄又は提出を指導したこと,担当主任が封筒を引き取ったことに関し,書面により,名古屋拘置所長に対する苦情の申出をした(乙17,18)。 名古屋拘置所職員は,同年5月26日,上記各調査として控訴人を取り調べたところ,控訴人は,苦情申出をしており,その結論が出る 書面により,名古屋拘置所長に対する苦情の申出をした(乙17,18)。 名古屋拘置所職員は,同年5月26日,上記各調査として控訴人を取り調べたところ,控訴人は,苦情申出をしており,その結論が出るまで廃棄できないため,反抗にあたらないし,1年以上も放置されていた上に,封筒の切断が不正加工にあたらず,調査が不当である等と供述した(乙19)。 名古屋拘置所長は,同年5月29日,控訴人に対し,弁解の機会を与えるため,弁解すべき日時,懲罰の原因となる容疑事実の要旨等を記載した「懲罰審査会の開催等に関する通知書」を通知した。控訴人は,同年5月30日,懲罰審査会において,同審査会委員から弁解の聴取を受け,支援者から封筒を受け取り,使いやすくするため半分に切断したが,警備主任から20項でなく18項だと言われたし,封筒を返還してほしい等と弁解した(乙20,21)。 名古屋拘置所長は,同年5月30日,控訴人に対し,戒告の懲罰に科すこと,封筒を国庫帰属処分とすることを決定し,処遇首席は,控訴人に対し,その旨を告知した(乙21,22)。 第2統括は,同年8月27日,控訴人に対し,苦情申出について不採択とする旨を通知した(乙23)。 (2) 検討ア封筒を半分に切断してその中に切手を保管する行為は,一般社会においても通常行われる態様のものであり(裁判所が余った郵券を返送する際にも,半分に切断した封筒に入れて郵送することがあり, 名古屋拘置所においても,裁判所から送付された切断した封筒をその形状のまま使用することは許している。乙19,弁論の全趣旨),控訴人は,差し入れられた未使用の封筒を切断してできた袋状部分を2つとも切手保管用に用いていたのであるから,不正連絡の手段として用いられるような小さな紙片が生ずるものでもなく,不正連絡及び不正 ,控訴人は,差し入れられた未使用の封筒を切断してできた袋状部分を2つとも切手保管用に用いていたのであるから,不正連絡の手段として用いられるような小さな紙片が生ずるものでもなく,不正連絡及び不正情報収集に繋がるおそれはないものと認められる。 したがって,名古屋拘置所職員が上記の封筒の廃棄を求めた行為は,刑事施設の管理運営上支障を生ずるおそれを排除するという目的を逸脱し,所持品の使用方法につき過度な制約を科すものとして国家賠償法上違法と解すべきである。 しかも,名古屋拘置所長は,上記の違法な廃棄指示に応じない控訴人に対して,戒告の懲罰に科すとともに封筒を国庫帰属処分とし,控訴人に更なる精神的苦痛を与えたものであって,名古屋拘置所長のした戒告及び国庫帰属処分は国家賠償法上違法と解すべきである。 イ被控訴人は,一切の物品の製作等を禁じるという方法で物品の製作等を禁じたとしても,拘置所長から許可を得ることで物品の製作等を行うことは可能となるから被収容者の受ける制限はそれほど大きいものとは認められないとか,刑事施設の規律及び秩序の適正な維持に支障を生じないような態様の製作等でも名拘遵守事項違反に該当することになるが,このような場合には,当該行為自体は厳正に取り締まるとしても,懲罰を科さず,注意指導をするにとどめるなどとすることで,被収容者が過度に不利益を被ることを防止しているなどと主張するところ,このような被控訴人の主張を前提としても,現に名古屋拘置所職員及び名古屋拘置所長の取った控訴人に対する上記の対応は,過度の不利益を与えるものと評価することができる。 ウ控訴人が,名古屋拘置所職員及び名古屋拘置所長から受けた上記の違法行為により被った精神的苦痛に対する慰謝料は,上記の廃棄指示に至る経過,懲罰や国庫帰属処分の内容等 ことができる。 ウ控訴人が,名古屋拘置所職員及び名古屋拘置所長から受けた上記の違法行為により被った精神的苦痛に対する慰謝料は,上記の廃棄指示に至る経過,懲罰や国庫帰属処分の内容等の諸事情を考慮すれば,違法な廃棄指示につき1万円,その後の戒告及び国庫帰属処分につき1万円と認めるのが相当であるから,被控訴人は,控訴人に対し,2万円及びうち1万円に対する廃棄指示の後の日である平成26年4月21日から,うち1万円に対する懲罰(戒告)等の日である同年5月30日から,それぞれ支払済みまで民法所定の年5%の割合による遅延損害金の支払義務を負うというべきである。 4 来信封筒への書込みについて(1) 認定事実名古屋拘置所職員は,平成26年4月30日,控訴人が収容されている居室内の検査を実施したところ,弁護人からの来信封筒の裏面に控訴人による書込みがされているのを見つけ(控訴人の主張によれば,購入予定品の旧価格と消費税増税後の新価格を書き込んだとされる。),いったんこれを引き取ったが,警備主任は,控訴人に対し,書込みが容認されている物品以外への書込みが許されておらず,書込みが容認されているノート等に書き写して,封筒を廃棄するように指導し,封筒を返還した。控訴人は,封筒を廃棄した(乙24)。 控訴人は,同年5月20日,上記指導に関し,書面により,名古屋拘置所長に対する苦情の申出をした。これに対し,第2統括は,同年8月27日,苦情申出を不採択とする旨を通知した(乙17,18,23)。 (2) 検討第三者が被収容者に宛てて送付した信書は,刑事収容施設法139条ないし141条の規定によって受信の可否が判断され,被収容者は, 受信が許可された信書を保管私物として保管することができるが(同法48条1項),それは受信信 信書は,刑事収容施設法139条ないし141条の規定によって受信の可否が判断され,被収容者は, 受信が許可された信書を保管私物として保管することができるが(同法48条1項),それは受信信書として保管することが許されるものであって,その裏面に信書の内容とは無関係の事柄を書き込むことは,来信封筒の本来的な保管態様を逸脱するものである。しかも,来信封筒の裏面への書込みが一般社会においても通常行われる態様のものであると直ちに認めることはできないし,来信封筒への書込みを容認すれば検査担当職員の検査範囲がより広範囲に及ばざるを得なくなるから,来信封筒への書込みを制限することについては合理的な理由があるというべきである。 したがって,名古屋拘置所職員の上記対応が国家賠償法上違法であるとまでは認められない。 5 訴訟書面への書込みについて(1) 認定事実名古屋拘置所職員は,平成26年12月11日,控訴人が収容されている居室内の検査を実施したところ,控訴人による書込みがされた訴訟書面を見つけ(控訴人の主張によれば,訴訟書面の裏面に毎月回覧される食事献立予定表12月分の一部を書き写したものとされる。),いったんこれを引き取ったが,警備主任は,控訴人に対し,書込みが容認されている物品以外への書込みが許されておらず,書込みが容認されているノート等に書き写すように指導し,訴訟書面を返還した(乙25)。 控訴人は,同年12月18日,上記指導に関し,書面により,名古屋拘置所長に対する苦情の申出をした。これに対し,第2統括は,平成27年3月12日,苦情申出を不採択とする旨を通知した(乙26~28)。 (2) 検討 訴訟書面は,訴訟準備等の必要のため特に所持が認められているものであるから,その必要に応じた利用又は保管がされるべ 苦情申出を不採択とする旨を通知した(乙26~28)。 (2) 検討 訴訟書面は,訴訟準備等の必要のため特に所持が認められているものであるから,その必要に応じた利用又は保管がされるべきものであって,その裏面に当該訴訟と無関係の内容を書き込むことを予定したものではないし,その裏面に食事献立予定表の一部を書き写す行為は,当該訴訟書面が本来の用途に用いる必要がなくなった場合を除き,一般社会においても通常行われる態様のものであると直ちに認めることはできず,仮に上記のように訴訟書面としての用途に用いる必要がなくなったのであれば,控訴人がこれを所持している根拠もなくなっているというほかない。しかも,訴訟書面の裏面への訴訟と無関係の書込みを容認すれば検査担当職員の検査範囲がより広範囲に及ばざるを得なくなるから,訴訟書面への書込みを制限することについては合理的な理由があるというべきである。 したがって,名古屋拘置所職員の上記対応が国家賠償法上違法であるとまでは認められない。 6 便せん台紙への書込みについて(1) 認定事実名古屋拘置所職員は,平成27年4月23日,控訴人が収容されている居室内の検査を実施したところ,控訴人により「1963」等の多数の数字や,「Tobe,ornottobe;thatisthequestion。」等の文言が書き込まれた便せん綴りの台紙2点を見つけ(控訴人の主張によれば,購買品価格,有名事件の発生年及び有名な言葉を書き込んだとされる。),いったん台紙を引き取ったが,控訴人に対し,書込みが容認されている物品以外への書込みが許されておらず,書込みが容認されているノート等に書き写し,必要なければ台紙を廃棄するように指導したが,控訴人は,これに応じなかった(乙34~37)。 これを受けて第 されている物品以外への書込みが許されておらず,書込みが容認されているノート等に書き写し,必要なければ台紙を廃棄するように指導したが,控訴人は,これに応じなかった(乙34~37)。 これを受けて第1統括は,控訴人に対し,台紙への書込みについて, 名拘遵守事項第1の26項違反の容疑(不正書込)で調査に付す旨を告知し,引き取った台紙について,返却をしないで,一時保管した(乙35,38)。 名古屋拘置所職員は,同年4月30日,上記調査として控訴人を取り調べた(乙39)。 控訴人は,同年5月7日,上記指導に関し,書面により,名古屋拘置所長に対する苦情の申出をした(乙40)。 名古屋拘置所職員は,同年5月13日,上記調査として再度控訴人を取り調べた(乙41)。 名古屋拘置所長は,同年5月18日,控訴人に対し,弁解の機会を与えるため,弁解すべき日時,懲罰の原因となる容疑事実の要旨等を記載した「懲罰審査会の開催等に関する通知書」を通知した。控訴人は,同年5月19日,懲罰審査会において,同審査会委員から弁解の聴取を受けた(乙42,43)。 名古屋拘置所長は,同年5月19日,控訴人に対し,閉居5日の懲罰に科すこと,台紙を国庫帰属処分とすることを決定し,処遇首席は,控訴人に対し,その旨を告知した。名古屋拘置所長は,同日,控訴人に対し,懲罰を開始した(乙43,44)。 第2統括は,同年6月1日,控訴人に対し,苦情申出について不採択とする旨を通知した(乙45)。 (2) 検討ア便せん綴りは,その全体を見れば筆記するための用紙を綴ったものであり,その台紙に書込みをすることは一般社会においても通常行われる態様のものであって,便せん用紙に書込みをすることと台紙に書込みをすることとの間には,刑事施設の管理運営上支障に繋がるか否かという観 あり,その台紙に書込みをすることは一般社会においても通常行われる態様のものであって,便せん用紙に書込みをすることと台紙に書込みをすることとの間には,刑事施設の管理運営上支障に繋がるか否かという観点から見ても質的な相違はないというべきであ る。控訴人の書込みの態様を見ても,不正連絡及び不正情報収集に繋がるおそれがあるとは認められない。 したがって,名古屋拘置所職員が書込みが容認されているノート等に書き写し,必要なければ台紙を廃棄するよう求めた行為は,刑事施設の管理運営上支障を生ずるおそれを排除するという目的を逸脱し,所持品の使用方法につき過度な制約を科すものとして国家賠償法上違法と解すべきである。 しかも,名古屋拘置所長は,上記の違法な廃棄指示に応じない控訴人に対し,閉居5日の懲罰に科すとともに台紙を国庫帰属処分とし,控訴人に更なる精神的苦痛を与えたものであって,名古屋拘置所長のした閉居5日の懲罰及び国庫帰属処分は国家賠償法上違法と解すべきである。 イ控訴人の書込みの趣旨,目的は必ずしも明らかではないが,死刑確定者として自らの内面から吐露された心情を記載する場合もあり得るのであって,そうした書込みに対して,便せん用紙ではなくその台紙に記載した点を捉えて書き写しを命じ,それに応じない場合に懲罰まで科したとするならば,心情の安定に留意すべきとする死刑確定者の処遇の原則(刑事収容施設法32条1項)にも反する対応といわざるを得ない。 ウ控訴人が,名古屋拘置所職員及び名古屋拘置所長から受けた上記の違法行為により被った精神的苦痛に対する慰謝料は,上記の廃棄指示に至る経過,懲罰や国庫帰属処分の内容等の諸事情を考慮すれば,違法な廃棄指示につき1万円,その後の閉居5日の懲罰及び国庫帰属処分につき4万円と認めるのが相当であるから 対する慰謝料は,上記の廃棄指示に至る経過,懲罰や国庫帰属処分の内容等の諸事情を考慮すれば,違法な廃棄指示につき1万円,その後の閉居5日の懲罰及び国庫帰属処分につき4万円と認めるのが相当であるから,被控訴人は,控訴人に対し,5万円及びうち1万円に対する廃棄指示の日である平成27年4月23日から,うち4万円に対する懲罰(閉居5日) 等の日である同年5月19日から,それぞれ支払済みまで民法所定の年5%の割合による遅延損害金の支払義務を負うというべきである。 第4 結論以上によれば,控訴人の請求は,被控訴人に対し,8万円及びうち1万円に対する平成26年3月31日から,うち1万円に対する同年4月21日から,うち1万円に対する同年5月30日から,うち1万円に対する平成27年4月23日から,うち4万円に対する同年5月19日から,それぞれ支払済みまで民法所定の年5%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから認容し,その余は理由がないから棄却すべきであり,これと異なる原判決を取り消すこととして,主文のとおり判決する。 名古屋高等裁判所民事第4部 裁判長裁判官藤山雅行 裁判官前田郁勝 裁判官丹下将克は,転補のため,署名押印することができない。 裁判長裁判官藤山雅行

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