- 1 -平成22年11月26日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成20年(ワ)第1157号水道料金等請求事件口頭弁論終結日平成22年10月6日判決主文 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由第1 請求被告は、原告Aに対し、39万5660円を、同Bに対し、31万6210円を、同Cに対し、30万8210円、同Dに対し、32万2890円を、同Eに対し、34万3210円をそれぞれ支払え。 第2 事案の概要 1 事案の要旨本件は、a市大字bのc部落(以下「c部落」という。)の住民が、水利組合を構成し、入会権たる性質を有する慣行水利権(以下単に「水利権」という。)を有しており、同組合が被告との間で、同水利権を補償する趣旨で、被告が水利権者に対して潅漑用水を含む生活用水を供給する合意をしていたところ、被告が、a市の上水道整備により生活用水の供給義務を免れておきながら、水道料金を負担していないと主張して、上記水利権者であると主張する原告らが、被告に対し、上記合意に基づき、原告らの水道料金の支払を請求するとともに、被告が原告らの水利権を否定することは不法行為であると主張し、不法行為に基づき、損害賠償を請求している事案である。 2 前提となる事実(根拠を()に示す。)(1) 当事者原告Dを除く原告らは、いずれも、c部落に居住している世帯主である- 2 -(争いのない事実)。原告Cは、d県a市大字bxxxx番地所在の同人所有の土地家屋に居住しているFの弟であり、Fの夫はGである(甲23、24、弁論の全趣旨)。 被告は、石灰石の採掘及び販売を業とする株式会社であり、昭和30年前後ころから、e山を鉱山の区域に含む石灰石鉱山における石灰石 いるFの弟であり、Fの夫はGである(甲23、24、弁論の全趣旨)。 被告は、石灰石の採掘及び販売を業とする株式会社であり、昭和30年前後ころから、e山を鉱山の区域に含む石灰石鉱山における石灰石採掘業務を開始し、現在に至っている(争いのない事実)。 (2) 被告による給水開始被告は、昭和43年より前ころ、被告が使用していたタンクに配水管を追加し、原告らを含むa市大字bf地区(以下「f地区」という。)の住民に対し、給水を開始した(争いのない事実)。 (3) 上水道の整備と被告による給水廃止 原告らを含むf地区の住民は、平成19年1月以降、a市から、上水道により水の供給を受けるようになった。その後、被告は、f地区への給水を廃止した。(争いのない事実) 3 争点(1) 被告がc部落の住民の利用に係る水道料金を負担するか否か(2) 被告らが水利権を否定することが不法行為を構成するか否か 4 争点についての当事者の主張(1) 争点(1)(被告がc部落の住民の利用に係る水道料金を負担するか否か)について(原告らの主張)ア c部落の住民は、c部落及びg部落に流下する3本の谷川のうち2本(中の川及び上の川)の流水について、入会権たる性質を有する水利権を有していたものであるところ、被告とc部落の住民とは、鉱山開発に関する協議をした上、昭和30年前後ころ、上記水利権に対する補償措置として、被告が存在する限り、水利権者に対して灌漑用水を含む生活用水を供- 3 -給する旨合意した(以下「本件補償合意」という。)。 そして、平成19年1月以降、a市が上水道を供給するようになったことにより、本件補償合意に基づき、被告は、原告らの水道料金を負担する義務を負うことになった。 イ f地区住民と被告やH株式会社(以下「H」とい 成19年1月以降、a市が上水道を供給するようになったことにより、本件補償合意に基づき、被告は、原告らの水道料金を負担する義務を負うことになった。 イ f地区住民と被告やH株式会社(以下「H」という。)との間の交渉の結果、f地区住民は、Hとの間で、昭和50年12月29日、Hが同地区住民に対して給水を行う旨の協定書を取り交わし(以下「昭和50年協定」という。)、被告は、Hとの間で、昭和51年8月1日、f地区に対する給水措置等に関する協定書を締結し(以下「昭和51年協定」という。)、さらに、f地区住民、H及び被告は、昭和52年11月1日、同地区に対する給水措置について合意した(以下「昭和52年協定」という。)。 これらの協定は、平成18年9月1日に破棄されている。しかし、昭和50年協定及び昭和52年協定は、いずれもf部落に代々居住する本戸のみが有する水利権を補償する趣旨ではなく、f地区住民との間で取り交わされた別個の協定にすぎないから、これらのことは、本件補償合意に基づく被告の上記義務の存在に消長をきたさない。 (被告の主張)ア被告は、原告らを含むf地区住民全員との間で、e山区域での鉱山開発を開始するに当たり、灌漑用水等の給水確保に関する協議をしたが、その際、f地区住民においても被告においても、水利権を補償する認識はなかった。したがって、昭和30年前後ころに本件補償合意をしたことはないのであって、f地区住民と被告やHとの間の交渉の結果として結ばれた協定は、f地区住民とHとの間の昭和50年協定、被告とHとの間の昭和51年協定書、及びf地区住民、H及び被告間の昭和52年協定のみである。 仮に本件補償合意がされていたとしても、上記各協定により同合意は各協定に昇華された。 - 4 -そして、その後、a市による上水道を同地区に整備 区住民、H及び被告間の昭和52年協定のみである。 仮に本件補償合意がされていたとしても、上記各協定により同合意は各協定に昇華された。 - 4 -そして、その後、a市による上水道を同地区に整備するに当たり、被告及びHとf地区住民との協議の結果、平成18年9月1日、上水道施設敷設工事負担金420万円を被告及びHが助成することで合意に至り、かつ、昭和50年協定及び昭和52年協定をいずれも破棄した(以下「平成18年合意」という。)。 イ以上のとおり、被告は、原告らを含むf地区住民に対する給水措置をとる義務はすでに消滅しているし、a市上水道の水道料金を被告が負担するとの合意もしていない。 (2) 争点(2)(被告らが水利権を否定することが不法行為を構成するか否か及び損害額)について(原告らの主張)ア被告らが、e山の鉱山開発予定地を所有しているf部落の地権者や、本件水利権を有する者の同意を得るために、同水利権者に対する補償措置を約束し、これに対して原告らは、水利権者として被告に協力してきたにもかかわらず、被告がこれを否定することは、原告らに対する重大な背信行為であり、原告らの人格権をも毀損するから、不法行為を構成する。 イ上記不法行為によって、原告らは、精神的苦痛を受けたほか、本件訴訟の提起を余儀なくされた。したがって、原告ら各自につき、慰謝料20万円及び弁護士費用10万円の損害を負った。 (被告の主張)ア被告は、平成18年合意によって、f地区住民に対する給水措置を行う義務がなくなったのであるから、原告らの主張する水利権補償についての合意を否定したからといって、これが権利侵害となるものでなく、不法行為を構成しない。 イ原告らの損害に関する主張は争う。 第3 当裁判所の判断- 5 - 1 事実関係 証拠 についての合意を否定したからといって、これが権利侵害となるものでなく、不法行為を構成しない。 イ原告らの損害に関する主張は争う。 第3 当裁判所の判断- 5 - 1 事実関係証拠等によれば、次の事実が認められる(争いのない事実等も適宜示す。根拠を()内に、直前に示した根拠につき原則として頁番号を〔〕内に示す。以下同じ。)。 (1) 原告らによる生活用水の確保f部落は、c部落とg部落とに分かれており、昭和30年代ころまでは、c部落の住民は12戸で、いずれも先祖代々同部落に住んでいる本戸と呼ばれる者たちであったし、上記各部落以外の者が同各部落に移動してくることはなかった(甲14〔1〕、15〔1〕)。 f部落の住民は、同部落に流下する谷川から生活用水を得ていたところ、各戸から出資を募り、c部落及びg部落について各別に給水用タンクを設置し、これらから各部落に所属する各戸まで配水管を敷設して、飲用水及び灌漑用水を得ていた(甲14〔3〕、原告A〔9~11〕、弁論の全趣旨)。 (2) 鉱山開発とこれに関する交渉、給水状況等ア I株式会社は、昭和29年ころから、e山に鉱山を開発することを計画し、他社とともに被告を設立の上(甲14〔4〕)、c部落及びg部落との交渉を行ってきた。被告は、遅くとも昭和30年代後半ころから、被告が工場散水用等として使用していたタンクと上記(1)の各タンクとをつなぐ配水管を敷設し、上記各部落に対する給水を始めた。(証人J〔3、11~12〕、原告A〔12〕、弁論の全趣旨)。 イその後、被告は、昭和47年3月ころ、工場散水用として新たに10tタンクを設置し、同タンクから、上記アの各タンクへ給水するようになり、昭和49年11月ころには、f地区との合意に基づき、f地区の農地に対する給水を始めた。また 3月ころ、工場散水用として新たに10tタンクを設置し、同タンクから、上記アの各タンクへ給水するようになり、昭和49年11月ころには、f地区との合意に基づき、f地区の農地に対する給水を始めた。また、被告は、昭和50年6月、別に10tタンクを設置し、このタンクからc地区及びg地区へ給水するようになった。同時期ころまでに、c部落において給水を受けていたのは10戸であり、g部- 6 -落のそれは6戸であった。(甲3、証人J〔3〕、弁論の全趣旨)ウ上記の期間中、昭和31年5月から昭和36年2月まではK、同月から昭和42年5月まではLが、同月から昭和58年6月まではMがそれぞれ代表取締役社長を務めた。なお、Mは、昭和31年5月から昭和33年4月まで被告において勤務したが、同月から早くとも昭和42年4月までは、出向元会社に勤務した。(乙4~8)エ他方、c部落とg部落は、原告Aがc部落長を務めていた昭和45年から47年までの間に合併し、f部落となった(甲14〔5〕、原告A〔8、25、26〕)。 (3) 昭和50年代の各協定ア f部落とHは、遅くとも昭和49年6月ころには、鉱山開発に関する公害防止に関して協議を継続的に行っており、その際、Hにおいて散水用の水源を確保したいとの要請があったところ、f部落から、深井戸を掘る方法がよいのではないかと提案した(甲11、12。この点に関し、原告Bは、上記深井戸を掘る際の条件として、いわゆる本戸以外のf部落の住民に対しても水を供給することを提示したと供述している(原告B〔8〕)。)。 イ f部落とHは、昭和50年12月29日、Hが使用する上記アの深井戸を掘るに当たっての条件として、Hが、同年12月末日当時存在する民家(原告A、同B、N、原告Cが1班に、原告Cが2班に、それぞれ含まれている(乙 、昭和50年12月29日、Hが使用する上記アの深井戸を掘るに当たっての条件として、Hが、同年12月末日当時存在する民家(原告A、同B、N、原告Cが1班に、原告Cが2班に、それぞれ含まれている(乙3〔別紙(1)〕)。)に対し、給水設備を早急に完備して給水に万全を期すこと、この設備は消防設備を兼ねたものとして、Hが負担して設置することを合意し、協定書を作成した(前出の昭和50年協定を指す。 甲4、乙3)。 ウ被告とHは、昭和51年8月1日、f部落の要望により、既に被告が施行した区域以外のf部落全域に給水設備を、両社が共同で設置し、その設置工事が昭和50年12月末に完成したことを確認した上、工事費及び維- 7 -持管理に関する取決めをし、協定書を作成した(前出の昭和51年協定を指す。甲5)。 エ f部落、H及び被告は、昭和52年11月1日、昭和50年協定及び昭和51年協定に基づき、給水設備の日常点検及び保守管理を被告らにおいて行うこと、被告らは原則として給水制限をしないこと、被告らが事業を閉鎖した場合は存続企業が給水設備の維持管理を承継すること、この協定に定めのない事項については、三者が誠意を持って協議することとすることなどを合意し、協定書を作成した(前出の昭和52年協定を指す。甲6、弁論の全趣旨)。 (4) 平成18年の協定及びその前後の経緯ア h地区を初めとするf地区の住民らは、平成17年ころから、a市の上水道設備を設置することについて、水道委員会を設置して、検討し始めた。 原告Bは、同委員会の構成員であった。 同委員会は、検討の結果、この機会に同市の上水道を引くとの結論に至った。その際、同委員会においては、被告に工事費を負担させるなどの補償をさせることも検討されており、その際、原告Bは、被告が存在する限り給水をすべき の結果、この機会に同市の上水道を引くとの結論に至った。その際、同委員会においては、被告に工事費を負担させるなどの補償をさせることも検討されており、その際、原告Bは、被告が存在する限り給水をすべきであるから、上水道が設置された後にも被告に責任があるとの趣旨の意見を述べていた。 (乙1、2〔1〕、原告B〔9、10〕)イ h地区(O地区長)、被告及びHの地位を承継したP株式会社は、平成18年9月1日、h地区上水道設備工事に関し、次の合意(前出の平成18年協定を指す。)をし、覚書を作成した(甲7)。 ○ h地区(対象民家28戸)が負担する工事費420万円を被告らが全額助成すること。 ○ 昭和50年協定及び昭和52年協定を、同年12月31日をもって破棄すること。 - 8 -○ 昭和51年協定において確認されたとおり被告らが完成させたh地区の給水設備は、被告らが協議の上、被告らが費用を負担して撤去すること。 ○ 被告らは、h地区の給水に関して、この合意以外には、各種費用の負担を含むすべてについて一切関与しないものとすること。 ウまた、f地区(O地区長)と被告は、同日、被告がf地区に対し、同地区上水道設備工事費負担分210万円を支払うが、昭和52年協定を、平成18年12月31日をもって破棄すること、被告が爾後f地区の給水に関するすべてについて関与しないことを合意し、覚書を作成した(甲7)。 エ原告A、同B、同C、同Eの夫であるNらは、平成18年協定の後、被告に対し、f水利組合名義で、被告による給水はもともと原告ら水利組合員に対する補償の趣旨であったのであり、そうでない住民に対する給水は別の問題であるって、水道料金の一部を被告が負担することで給水を終了することは、当初の約束とは全く別の結果であって意外であること、他の地域の住民 の趣旨であったのであり、そうでない住民に対する給水は別の問題であるって、水道料金の一部を被告が負担することで給水を終了することは、当初の約束とは全く別の結果であって意外であること、他の地域の住民には水利権うんぬんの理由によりa市の水道料金を負担していることを指摘し、同組合の意のあるところを酌んで欲しいことを記載した書面を送付した(甲2、21の1)。 2 争点(1)(被告がc部落の住民の利用に係る水道料金を負担するか否か)について(1) 原告らは、昭和30年前後ころ、上記水利権に対する補償措置として、被告が存在する限り、水利権者に対して灌漑用水を含む生活用水を供給する旨合意した(本件補償合意)と主張する。 (2) そこで検討するに、原告Aは、昭和33年11月の少し前ころに上記合意をした旨陳述及び供述する(甲14〔4~5〕、原告A〔15、16〕)。 しかしながら、同人は、本件補償合意を締結したのは被告の社長であるM氏であるとも陳述及び供述するところ(甲14〔5〕、原告A〔22〕)、前- 9 -記1(2)ウにおいて認定したとおり、昭和33年11月においては、上記Mは被告の代表取締役社長の地位になかったばかりか、被告の所属でなく、Iの所属であったから、同月における補償合意に関与することはできなかったものといわざるを得ず、これに反する証拠はない上、上記Mが被告の代表取締役社長であった時期に照らすと、原告Aの供述は、昭和52年合意と混同していることも窺われるのであって、これらの事情に照らせば、同人の上記供述はたやすく信用できない。 (3)ア次に、原告Bは、昭和33年ころ、被告が責任をもって水を確保する約束をし、協定書も交わしたと供述するところ(甲15〔2〕、原告B〔3、4〕)、前記1(2)イのとおり、被告は遅くとも昭和30年代後 ア次に、原告Bは、昭和33年ころ、被告が責任をもって水を確保する約束をし、協定書も交わしたと供述するところ(甲15〔2〕、原告B〔3、4〕)、前記1(2)イのとおり、被告は遅くとも昭和30年代後半ころからc部落及びg部落に対する給水を始めていることからすれば、この給水を始めた時期までには、給水を受けた住民と被告との間で、給水に関する何らかの合意(以下「当初合意」という。)がされたものと推認し得る。 イもっとも、仮に当初合意の際、被告が責任を持って水を確保すると述べたとしても、その趣旨は、直ちに明らかとはいい難い。その上、当初合意がされた時期には、いわゆる本戸以外の住民はいなかったのであるところ(前記1(1)、(2))、仮に原告らの主張する水利権を本戸の住民が有していたとしても、給水に関する合意は、水利権のような権利を前提としてされることが通常であるとまではいい難く、このような権利を前提とすることなく行うことが可能であるから、f部落を構成していた住民との間で給水に関する当初合意がされたことから、原告の主張する水利権を補償する趣旨の給水合意(本件補償合意)がされたと推認することはできない。 ウまた、前記1(3)において認定した昭和50年ないし昭和52年の各協定及びその締結に至る経緯に照らすと、仮に当初合意が水利権を前提として、これを補償する趣旨のものであったとすれば、上記各協定によって、被告による給水が水利権者に対する補償の趣旨とそれ以外の世帯に対する- 10 -給水の趣旨とが混同した状態に至ることになるのであるから、上記各協定の際に水利権者とそうでない者の存在について明らかにされるべきともいい得るのに、これがされていない。 のみならず、前記1(4)の認定によれば、平成17年から18年にかけての協議はf地区としての協議し に水利権者とそうでない者の存在について明らかにされるべきともいい得るのに、これがされていない。 のみならず、前記1(4)の認定によれば、平成17年から18年にかけての協議はf地区としての協議しかされていなかったものであるところ、仮に当初合意が水利権補償の趣旨を含むものであったとすれば、上記の協議は、異なる趣旨の混同した同一の給水設備による給水の形態を変更することを意図するものであり、しかも原告らの少なくとも一部はこのことを認識し得たのであるから、f地区としての協議とは別に、水利権者としての協議を被告とするのが通常であるのに、そのような具体的行動に出ることがない上、平成18年協定においてもその区別が何ら明らかにされず、同協定締結後になって、水利権の存在を被告に対して主張し始めるのは、不自然の感を免れない。 エこのことをも併せて考えれば、当初合意が水利権の存在を前提としてこれを補償する趣旨の合意(本件補償合意)であると推認することはなお困難であるというほかなく、他に本件補償合意の存在を認めるに足りる証拠は見当たらない。 (4) この点に関し、原告らは、昭和50年協定に端を発する一連の協定や平成18年協定は、合意に至ったきっかけや当事者が異なると主張した上、水利権者としての本件補償合意とは別個の合意にすぎないと主張するが、合意に至ったきっかけや当事者が異なるからといって、当初合意が水利権を補償する趣旨を含むとは直ちに認め難いし、本件補償合意とは別個の合意であると評価するには、本件補償合意の存在が前提となるところ、上記のとおり、本件補償合意がされたとは認められない以上、前提を欠く。 したがって、原告らの上記主張は採用できない。 (5) 以上のとおり、本件補償合意が認められない以上、これをもとに原告ら- 11 -の水道料金を 意がされたとは認められない以上、前提を欠く。 したがって、原告らの上記主張は採用できない。 (5) 以上のとおり、本件補償合意が認められない以上、これをもとに原告ら- 11 -の水道料金を負担する義務が被告にあるとする原告らの主張は前提を欠き、理由がない(のみならず、仮に本件補償合意があったとしても、原告らが自発的にa市の水道を利用することとした場合の水道料金をも被告が負担する趣旨のものと解することには疑問があるといわざるを得ないから、この点においても、原告らの主張には理由がない。)。 3 争点(2)(被告らが水利権を否定することが不法行為を構成するか否か及び損害額)について原告らは、被告による原告らの水利権を否定する行動をすることが不法行為となると主張する。 しかしながら、仮に原告らが水利権を有するとしても、原告らの主張する行動は水利権自体を侵害するものとは評価し難いから、これを否定する行動が不法行為となるためには、上記行動をとらない義務があるという必要があり、かつ、そのためには、契約等により、被告において水利権を補償する義務があるという必要があるところ、前記2において認定説示したとおり、被告において原告らないしf部落の住民が有するとされる水利権を補償する旨の合意(本件補償合意)があったとは認められず、他に上記の補償義務の発生を認めるに足りる事情は認められない。 したがって、その余の点を検討するまでもなく、原告らの主張する不法行為は成立しない。 4 結論よって、原告らの請求にはいずれも理由がないから、これを棄却することとし、主文のとおり判決する。 大分地方裁判所民事第1部 - 12 -裁判官萩原孝基 主文 ることとし、主文のとおり判決する。 大分地方裁判所民事第1部 裁判官萩原孝基
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