【DRY-RUN】主 文 本件特別抗告を却下する。 抗告費用は抗告人の負担とする。 理 由 抗告理由第二点は要するに、「就業規則の改正は労働組合との協議によつて行」
主文 本件特別抗告を却下する。 抗告費用は抗告人の負担とする。 理由 抗告理由第二点は要するに、「就業規則の改正は労働組合との協議によつて行」旨定めた労使間の協定に違反してこれを改正しても、その改正は有効であるという原決定は、結局団体交渉権を無視したものであつて、憲法二八条に違反するというに帰する。しかし就業規則は本来使用者の経営権の作用としてその一方的に定めうるところであつて、このことはその変更についても異るところがない(労働基準法九〇条参照)。勿論労使間の合意により、その変更を労使双方の協議により行う旨定めることは何等差支えなく、本件も恰もかかる定めがある場合に該ることは明であるけれども、その定めは単に労使双方の協議により作成された就業規則中においてなされたものであつて、労働協約またはこれに基く経営協議会規則等における定めではなく、しかも労使間の協議調わざる場合の措置等について何等考慮を払つた形跡がないというのであつて、この事実と上記の如く就業規則の制定権が元来使用者側にあるという事実とに鑑みれば、前記就業規則中の定めは、単に使用者が就業規則を改正するについては労働組合と協議すべき義務を負担するという趣旨たるに止まり、これが協議を経なかつたとしても、それは右義務の違反たるは格別(原審の認定によれば五日間の回答期間を附しており、従つて使用者の独断専行による改正ではないと認められる)、これをもつては規則改正の効力を左右する趣旨のものではないと解するのを相当とする。そして右就業規則を以上の如く解釈することは、何等団体交渉権を否定したことにはならない。蓋し団体交渉による就業規則中の定めを常に抗告人主張の如く、解釈しなければならぬ何等の根拠もないからである。 しからば抗告人の右主張は畢竟 解釈することは、何等団体交渉権を否定したことにはならない。蓋し団体交渉による就業規則中の定めを常に抗告人主張の如く、解釈しなければならぬ何等の根拠もないからである。 しからば抗告人の右主張は畢竟独自の見解に立脚し、名を憲法違反に籍りるだけ- 1 -のものであつて適法なる抗告理由たり得ないものといわなければならない。そしてその余の抗告理由は憲法違反を主張するものでないから結局本件抗告は不適法として却下を免れない。よつて、抗告費用は抗告人の負担とすべきものとし、主文のとおり決定する。 昭和二七年七月四日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官霜山精一裁判官栗山茂裁判官小谷勝重裁判官谷村唯一郎- 2 -
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