平成20(行ウ)46 都市計画変更決定取消等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成20年12月19日 東京地方裁判所 公用負担・公用収用など
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判決文本文9,466 文字)

主文 本件訴えをいずれも却下する。 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由第1請求 主位的請求被告が平成19年8月2日に告示した東京都市計画地区計画α地区地区計画の変更(港区告示第○号)及び東京都市計画第1種市街地再開発事業β地区第1種市街地再開発事業の決定(港区告示第○号)をいずれも取り消す。 予備的請求前項の変更及び決定がいずれも違法であることを確認する。 第2事案の概要本件は,原告らが被告に対し,被告がした地区計画を変更する決定及び第1種市街地再開発事業に関する都市計画の決定について,主位的にこれらの取消しを,予備的にこれらの違法確認をそれぞれ求める事案である。 前提事実本件の前提となる事実は,次のとおりである。いずれも当事者間に争いがない事実であるか,証拠等により容易に認めることのできる事実であるが,括弧内に認定根拠を付記している。 (1)被告は,平成19年8月2日,次のとおりの概要で,地区計画(都市計画法12条の4第1項1号及び2項,平成18年法律第46号による改正前の都市計画法12条の5)の変更決定(以下「本件変更決定」という。)をし, これを港区告示第○号として告示した。なお,原告らは,本件変更決定に係る地区計画の区域内に不動産を所有する者である。(甲1の1及び2)ア種類東京都市計画地区計画イ名称α地区地区計画ウ位置及び区域東京都港区γ,同δ,同区ε,同ζ及び同区η各地内エ面積約11.6ha(2)被告は,平成19年8月2日,次のとおりの概要で,第1種市街地再開発事業に関する都市計画(都市計画法12条1項4号)の決定(以下「本件計画決定」という。)をし,これを港区告示第○号として告示した。なお,原告らは,本件計画決定に係る市街地開発事業の施行区 街地再開発事業に関する都市計画(都市計画法12条1項4号)の決定(以下「本件計画決定」という。)をし,これを港区告示第○号として告示した。なお,原告らは,本件計画決定に係る市街地開発事業の施行区域内に不動産を所有する者ではない。(甲2の1及び2)ア種類東京都市計画第1種市街地再開発事業イ名称β地区第1種市街地再開発事業ウ位置及び区域東京都港区γ及び同区θ各地内エ施行区域面積約2.0ha(3)なお,被告は,平成19年8月2日,本件変更決定及び本件計画決定(以下,併せて「本件各決定」という。)と共に,東京都港区θ地内の第3種高度地区を削除する旨の,及び同地内の準防火地域を削除し,防火地域を追加する旨の各地域地区(都市計画法8条1項3号及び5号)の変更決定(以下,本件各決定と併せて「本件各決定等」という。)をした。(甲3及び4の各1及び2) 争点 (本案前の争点)(1)本件各決定は,抗告訴訟の対象である「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に当たるか(行政事件訴訟法3条2項)。 (2)原告らは,本件各決定の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者であるか(行政事件訴訟法9条1項)。 (3)予備的請求である本件各決定の違法確認の訴え(実質的当事者訴訟)について,原告らが確認の利益を有するか(行政事件訴訟法4条)。 (本案の争点)(4)本件各決定は違法であるか。 争点に関する当事者の主張の要旨(原告らの主張)(1)争点(1)(本件各決定の処分性)についてア本件各決定等は,第1種市街地再開発事業の手法により,その施行地区内に,高さ200mを超える複合棟等(以下,総称して「本件建築物」という。)を建築するためにされた一連の操作である。その第1種市街地再開発事業は,市街地再開発組合の施 事業の手法により,その施行地区内に,高さ200mを超える複合棟等(以下,総称して「本件建築物」という。)を建築するためにされた一連の操作である。その第1種市街地再開発事業は,市街地再開発組合の施行によることが予定されているが,平成20年6月にされる予定である同組合の設立認可(都市再開発法11条1項)は,当然経なければならない過程以上の意味合いを有するものではなく,本件各決定がされることにより,本件建築物が建築される結果になるのであるから,その建築により甚大な影響を受ける原告らの法律上の地位の変更は,本件各決定によってもたらされるものである。 イ本件変更決定 本件変更決定は,本件建築物,道路,緑地及び公園の配置等の細部を確定させた上でされたものであり,事業の実施計画そのものということができ,本件建築物の建築が都市計画法その他の法令に違反していないかどうかを審理し,判断することが可能であるから,行政処分として十分に成熟したものである。他方,後に市街地再開発組合の設立認可がされた段階では,既に多くの諸手続や事実上の行為が積み重ねられており,同認可を取り消す場合には,事業全体に著しい混乱をもたらすことになりかねず,同認可が違法であっても,事情判決(行政事件訴訟法31条1項)がされる可能性もある。したがって,原告らの権利救済のためには,いまだ都市計画が決定的に具体的な段階には進んでおらず,かなりの程度,机上におけるプランの段階にとどまっている本件変更決定がされた段階でこれを対象とする取消訴訟の提起を認めるべきである。 また,本件変更決定がされたことにより,その区域内において開発行為をするには,あらかじめ東京都港区長の許可を受けなければならなくなったところ(都市計画法29条1項),このことからしても,本件変更決定は,抗告訴訟の対象となる ことにより,その区域内において開発行為をするには,あらかじめ東京都港区長の許可を受けなければならなくなったところ(都市計画法29条1項),このことからしても,本件変更決定は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。 ウ本件計画決定最高裁平成17年(行ヒ)第397号同20年9月10日大法廷判決・判例時報2020号18頁は,最高裁昭和37年(オ)第122号同41年2月23日大法廷判決・民集20巻2号271頁を変更し,市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定が抗告訴訟の対象となる行政処分に当たると判断したところ,その論旨は,そのまま本件計画決定にも 当てはまる。 すなわち,第1種市街地再開発事業に関する都市計画の施行区域内の宅地所有者等は,同計画の決定がされることによって,都道府県知事による建築の許可(都市計画法53条),事業予定地における建築の禁止と土地の買取り(同法55条,56条),土地の先買い等(同法57条)及びこれらの違反に対する是正命令又は懲役,罰金若しくは過料の制裁(同法81条1項,91条,95条)というような規制を伴う第1種市街地再開発事業の手続に従って換地処分を受ける地位に立たされるものということができ,その意味で,その法的地位に直接的な影響を生ずるものというべきであり,同計画の決定に伴う法的効果が一般的,抽象的なものにすぎないということはできない。権利変換を受ける宅地所有者等は,本件のような市街地再開発組合施行の事業にあっては,同組合の設立認可を対象として取消訴訟を提起することができるが,その時点で都市計画の違法を理由として当該認可を取り消した場合には,相当程度進行した事業がすべて覆滅する結果となり,事業全体に著しい混乱をもたらすことになりかねない。 それゆえ,市街地再開発組合の設立認可の取消訴訟において, 理由として当該認可を取り消した場合には,相当程度進行した事業がすべて覆滅する結果となり,事業全体に著しい混乱をもたらすことになりかねない。 それゆえ,市街地再開発組合の設立認可の取消訴訟において,宅地所有者等が都市計画決定の違法を主張し,その主張が認められたとしても,当該認可を取り消すことは公共の福祉に適合しないとして事情判決(行政事件訴訟法31条1項)がされる可能性も否定できない。そうすると,第1種市街地再開発事業に関する都市計画の適否が争われる場合,実効的な権利救済を図るためには,その計画の決定がされた段階で,これを対象とする取消訴訟の提起を認めるべきである。 したがって,本件計画決定は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。 (2)争点(2)(原告適格)についてア原告らは,本件変更決定に係る地区計画の区域内に不動産を所有する者であり,また,本件建築物の建築により,騒音,日照被害,風害及び大気汚染等を原因とする健康又は生活環境に対する著しい被害を直接的に受けるおそれがある者である。 したがって,原告らは,本件変更決定の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者である。 イ原告らは,本件計画決定に係る市街地開発事業の施行区域内に不動産を所有する者ではないが,本件建築物の建築により,騒音,日照被害,風害及び大気汚染等を原因とする健康又は生活環境に対する著しい被害を直接的に受けるおそれがある者であり,また,原告A株式会社は,本件計画決定に係る第1種市街地再開発事業が施行される過程でその所有建物の地下を掘削し,地下式自動車通路を完成させなければならない義務を負うこととなる。 したがって,原告らは,本件計画決定の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者である。 (3)争点(3)(実質的当事者訴訟の確認の利益)について仮に本件 なければならない義務を負うこととなる。 したがって,原告らは,本件計画決定の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者である。 (3)争点(3)(実質的当事者訴訟の確認の利益)について仮に本件各決定が抗告訴訟の対象となる行政処分でないとしても,原告らは,本件各決定に基づく第1種市街地再開発事業の施行によってその住環境に大きな影響及び損害を被るから,少なくとも適法にされる決定によらずにそのような被害を甘受すべき理由はない。そして,原告らには,本件各決定 が違法であることを裁判上確定させて,これに基づく事業の進行を阻止する法律上の利益があるから,公法上の当事者訴訟として,本件各決定が違法であることの確認を求めることができるというべきである。 (4)争点(4)(本件各決定の違法性)についてア本件各決定がされるに当たっては,都市計画法16条1項及び2項の規定する公聴会の開催等の手続を実質的に遵守しておらず,違法である。 イ本件各決定は,都市計画法19条1項の規定する都市計画審議会の議決を実質的に経ておらず,違法である。 ウ本件各決定がされた結果,本件建築物が建築されると,日照妨害,風害,電波障害,眺望阻害,圧迫感,道路交通の輻輳激化,大気汚染,騒音及びそう振動等の回復し難い被害を周囲にもたらすことになるので,本件各決定は違法である。 エその他,本件変更計画において定められた地下式自動車通路の建設が極めて困難なこと,その建設に当たり必要とされる東京都港区の保護樹林の移植が不可能であることなどに照らすと,本件各決定は実現不能であるから,違法である。 (被告の主張)(1)争点(1)(本件各決定の処分性)について地区計画の変更決定及び第1種市街地再開発事業に関する都市計画の決定がいずれも抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないこと 法である。 (被告の主張)(1)争点(1)(本件各決定の処分性)について地区計画の変更決定及び第1種市街地再開発事業に関する都市計画の決定がいずれも抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないことは,これまでの最高裁判例から明らかである。 (2)争点(2)(原告適格)について ア原告らは,本件変更決定に係る地区計画の区域内に不動産を所有する者であるが,その主たる変更部分である再開発等促進区域の区域部分には不動産を所有していない。したがって,原告らには,本件変更決定の取消しを求める訴えの原告適格がない。 イ原告らは,本件計画決定に係る市街地開発事業の施行区域内に不動産を所有する者ではない。したがって,原告らには,本件計画決定の取消しを求める訴えの原告適格がない。 (3)争点(3)(実質的当事者訴訟の確認の利益)について本件各決定は,そもそも不特定多数の者に対する一般的,抽象的な制約を課すものであって,個人の権利義務に対して具体的な変動を与えるという法律上の効果を伴うものではなく,しかも,原告らには,上記の制約を超える建築物の建築をしようとする具体的な事情もない。また,本件計画決定についていえば,原告らはその施行区域内に不動産を所有していないのであって,上記の制約すら受けていない。 したがって,本件各決定の違法確認の訴えにはその利益がなく,不適法である。 (4)争点(4)(本件各決定の違法性)について本件各決定は,いずれも適法にされたものである。 第3争点に対する判断 争点(1)(本件各決定の処分性)について(1)本件変更決定の処分性ア抗告訴訟の対象となる行政庁の処分とは,行政庁の法令に基づく行為の すべてを意味するものではなく,公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち,その行為によって,直接国民の権利義務 の処分性ア抗告訴訟の対象となる行政庁の処分とは,行政庁の法令に基づく行為の すべてを意味するものではなく,公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち,その行為によって,直接国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう(最高裁昭和37年(オ)第296号同39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁参照)。 そして,地区計画は,「建築物の建築形態,公共施設その他の施設の配置等からみて,一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区を整備し,開発し,及び保全するための計画」(都市計画法12条の5第1項柱書き)であり,同法12条の4第1項1号の規定に基づく地区計画の決定及び同法21条の規定に基づくその変更決定は,区域内の個人の権利義務に対して具体的な変動を与えるという法律上の効果を伴うものではなく,抗告訴訟の対象となる処分には当たらないと解するのが相当である(最高裁平成5年(行ツ)第48号同6年4月22日第二小法廷判決・裁判集民事172号445頁参照)。 したがって,本件訴えのうち,本件変更決定の取消しを求める部分は不適法である。 イこれに対し,原告らは,本件変更決定がされたことにより,本件変更決定に係る地区計画の区域内において開発行為ができなくなる(都市計画法29条1項)と主張するが,同項の規定する開発行為の許可は,都市計画区域(同法5条)又は準都市計画区域(同法5条の2)の指定がされた区域内の開発行為を対象とするもので,本件変更決定がされたことに伴ってその許可を要することになるものではないから,原告らの上記主張は採用 することができない。 (2)本件計画決定の処分性ア第1種市街地再開発事業に関する都市計画は,市街地開発事業の種類,名称,施 許可を要することになるものではないから,原告らの上記主張は採用 することができない。 (2)本件計画決定の処分性ア第1種市街地再開発事業に関する都市計画は,市街地開発事業の種類,名称,施行区域,施行区域の面積,公共施設の配置及び規模並びに建築物及び建築敷地の整備に関する計画を定めるものであり(都市計画法12条2項,都市計画法施行令7条,都市再開発法4条1項),都市計画は,総括図,計画図及び計画書によって表示されるものである(都市計画法14条1項)ところ,同法12条1項4号の規定に基づく第1種市街地再開発事業に関する都市計画の決定は,個人の権利義務に対して具体的な変動を与えるという法律上の効果を伴うものではなく,抗告訴訟の対象となる処分には当たらないと解するのが相当である(最高裁昭和59年(行ツ)第34号同年7月16日第二小法廷判決・判例地方自治9号53頁参照)。 したがって,本件訴えのうち,本件計画決定の取消しを求める部分は不適法である。 イこれに対し,原告らは,最高裁平成17年(行ヒ)第397号同20年9月10日大法廷判決・判例時報2020号18頁を援用して,本件計画決定に処分性があると主張するが,そもそも,上記大法廷判決は,市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定につき,その施行地区内の宅地所有者等は,同決定がされることによって各種の規制を伴う土地区画整理事業の手続に従って換地処分を受けるべき地位に立たされることなどを理由として,同決定が抗告訴訟の対象となる処分に当たると判断したもので,本件とは事案を異にするものである。 のみならず,①上記大法廷判決は,土地区画整理事業の事業計画において定める設計の概要の内容(設計説明書及び説明図)からすると,事業計画の決定により,当該土地区画整理事業の施行によって施行 る。 のみならず,①上記大法廷判決は,土地区画整理事業の事業計画において定める設計の概要の内容(設計説明書及び説明図)からすると,事業計画の決定により,当該土地区画整理事業の施行によって施行地区内の宅地所有者等の権利にいかなる影響が及ぶかについて,一定の限度で具体的に予測することが可能になる旨判示するが,第1種市街地再開発事業にあって設計説明書及び設計図が作成されるのは,本件に即していうならば,市街地再開発組合の設立認可の段階であり(都市再開発法11条,12条1項及び7条の11,都市再開発法施行規則4条),本件計画決定の段階では前記ア記載の各文書が存在するにすぎない。また,②同大法廷判決は,いったん事業計画が決定されると,特段の事情のない限り,その事業計画に定められたところに従って具体的な事業がそのまま進められ,その後の手続として,施行地区内の宅地について換地処分が当然に行われることになる旨判示するが,本件計画決定がされた段階では,いまだ施行者が決まっておらず,本件に即していうならば,公共施設の管理者等の同意(都市再開発法12条1項及び7条の12),施行地区となるべき区域内の所有権者等の3分の2以上の同意(同法14条)等を得た上で市街地再開発組合の設立認可がされるか否かも未定であるのであるから,特段の事情のない限り,本件計画決定の定めるところに従って具体的な事業がそのまま進められるという関係にはない。さらに,③同大法廷判決は,換地処分及び仮換地指定を対象として取消訴訟を提起した場合,実際上,既に工事等も進ちょくし,換地計画も具体的に定められるなどしており,その時点で事業計画の違法を理由として当該換地処分等を取り消すことは公共の福祉に 適合しないとして事情判決(行政事件訴訟法31条1項)がされる可能性が相当程度あるから, 定められるなどしており,その時点で事業計画の違法を理由として当該換地処分等を取り消すことは公共の福祉に 適合しないとして事情判決(行政事件訴訟法31条1項)がされる可能性が相当程度あるから,事業計画の適否が争われる場合,実効的な権利救済を図るためには,事業計画の決定がされた段階で,これを対象とした取消訴訟の提起を認めることに合理性がある旨判示するが,これを本件に即していうならば,もとより原告適格があることを要するものの,市街地再開発組合の設立認可の適否をめぐってその取消訴訟を提起することは可能であり,当該訴訟で第1種市街地再開発事業に関する事業計画及びこれに先行する都市計画等の適否を争う余地があるところ,同認可は第1種市街地再開発事業が施行される発端となるものであり,工事等が開始される前の段階におけるものである。そして,実際,本件においても,原告らの主張によれば,市街地再開発組合の設立認可は平成20年6月にされる予定であり(ただし,実際にされたか否かは証拠上明らかでない。),このように早期の段階でこれを対象とする取消訴訟の提起が認められる余地があるのであるから,同認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者の実効的な権利救済に欠けるおそれもない。 すなわち,原告らは,本件計画決定によって第1種市街地再開発事業の手続に従って権利変換処分を受けるべき地位に立たされるということがない(なお,そもそも原告らは本件計画決定に係る市街地開発事業の施行区域内に不動産を有する者ではない。)のであって,原告らの上記主張は採用することができない。 (3)そして,原告らは,本件各決定等は,施行区域内に本件建築物を建築するためにされた一連の操作であり,本件各決定がされることにより,本件建築 物が建築される結果になる旨主張するが,本件各決定等 3)そして,原告らは,本件各決定等は,施行区域内に本件建築物を建築するためにされた一連の操作であり,本件各決定がされることにより,本件建築 物が建築される結果になる旨主張するが,本件各決定等がされた後に予定される市街地再開発組合の設立認可及び事業計画の決定等が,あらかじめ本件各決定に定められたところに従って進められる手続などといえるものでないことは,これらに関する都市再開発法11条,12条及び7条の12,17条等の規定に照らしても明らかであり,また,このような建築物を建築するためには,建築基準法6条所定の建築確認等を受けることも予定されることなどからすると,原告らの上記主張は採用することができない。 (4)したがって,争点(2)について判断するまでもなく,本件訴えのうち,主位的請求である本件各決定の取消しを求める訴えは不適法である。 争点(3)(実質的当事者訴訟の確認の利益)について(1)前記1のとおり,本件各決定は直ちに第1種市街地再開発事業の手続の現実的かつ具体的な進行を開始させるものではなく,本件各決定によって原告らの権利又は法的地位に具体的な変動を与えるという法律上の効果が生ずるものではなく,原告らの法的地位に係る不安が現に存在するとまではいえないこと,また,本件各決定の違法確認を求める訴えは,過去の法律関係の確認を求めるものであって,原告らの現在の権利又は法的地位の確認を求める訴えではないことなどに照らすと,本件各決定の違法確認の訴えについては,確認の利益を認めることができない(なお,最高裁平成13年(行ツ)第82号同17年9月14日大法廷判決・民集59巻7号2087頁参照)。 (2)したがって,本件訴えのうち,予備的請求である本件各決定の違法確認を求める訴えは不適法である。 結論 よって,本件訴えは 17年9月14日大法廷判決・民集59巻7号2087頁参照)。 (2)したがって,本件訴えのうち,予備的請求である本件各決定の違法確認を求める訴えは不適法である。 結論 よって,本件訴えは不適法な訴えであるからいずれも却下し,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民訴法61条,65条1項本文を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第38部杉原則彦裁判長裁判官品田幸男裁判官島村典男裁判官

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