昭和53(オ)255 貸金

裁判年月日・裁判所
昭和53年7月17日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 仙台高等裁判所 昭和51(ネ)313
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【DRY-RUN】主    文      原判決中上告人敗訴部分を破棄する。      右部分につき本件を仙台高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告人の上告理由一及び三について  所論の点に関す

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判決文本文1,636 文字)

主    文      原判決中上告人敗訴部分を破棄する。      右部分につき本件を仙台高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告人の上告理由一及び三について  所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当とし て是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、原審 の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用するこ とができない。  同二について  原審は、上告人の主張にかかる相殺の抗弁を判断するにあたり、上告人は、昭和 四三年一二月に被上告人がa町から請負つたa町b地区の農業用水路の災害復旧工 事に従事して、土木関係については事実上指揮をする立場にあつたところ、工事現 場にある古い橋台を取り除く作業をするについてその費用として、原判示のとおり 石屋職人賃金一二万五〇〇〇円、ブルドーザー使用料八万円、ワイヤー購入代六万 五〇〇〇円、人夫賃一万円合計二八万円の支出を余儀なくされたが、右費用は被上 告人において負担すべきものであり、したがつて、上告人は被上告人に対し二八万 円の債権を有すること及び上告人によつて昭和四七年九月五日に右二八万円の債権 を自働債権とし、被上告人の本件貸金債権を受働債権とする相殺の意思表示がされ たことを確定したうえ、同日現在における被上告人の本件貸金債権の額は、残元本 が三六万一八二五円、遅延損害金が昭和四四年六月一〇日から同四七年九月五日ま での分として二一万一一六六円合計五七万二九九一円であるとし、これと上告人の 被上告人に対する債権二八万円とが対当額において相殺されるものと解し、その結 果、被上告人の本件貸金債権の残額は二九万二九九一円となる旨の判断を示してい - 1 - る。  しかしながら、民法五〇六条二項の規定によれば、相殺の意思表示は双方の債務 て相殺されるものと解し、その結 果、被上告人の本件貸金債権の残額は二九万二九九一円となる旨の判断を示してい - 1 - る。  しかしながら、民法五〇六条二項の規定によれば、相殺の意思表示は双方の債務 が互いに相殺をするに適するに至つた時点に遡つて効力を生ずるものとされている から、相殺の計算をするにあたつては、双方の債権につき弁済期が到来し、相殺適 状となつた時期を標準として双方の債権額を定め、その対当額において差引計算を すべきものである。したがつて、原審としては、相対立する上告人の債権と被上告 人の債権とが何時相殺適状となつたかを確定し、その時点における債権の額を定め て対当額による差引計算をしなければならない筋合であつたのである。しかるに原 審は、漫然と相殺の意思表示がされた時点における双方の債権額を計算したうえ差 引計算をして上告人の残債権額を算出しているのであつて、右は相殺の効力に関す る規定の適用を誤つたものというべく、損害金の算定の違法をいう論旨は結局理由 があり、右違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかであるから、原判決中 上告人の敗訴部分は破棄を免れない。そして、本件においては前示の相殺適状を生 じた時期につきなお審理を尽くさせる必要があるから、右破棄部分につき本件を原 審に差戻すこととする。  よつて、民訴法四〇七条一項に従い、裁判官の全員一致の意見で、主文のとおり 判決する。      最高裁判所第二小法廷          裁判長裁判官    吉   田       豊             裁判官    大   塚   喜 一 郎             裁判官    本   林       讓             裁判官    栗   本   一   夫 - 2 -        裁判官    本   林       讓             裁判官    栗   本   一   夫 - 2 -

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