平成22(行ウ)23 損害賠償金等代位請求事件

裁判年月日・裁判所
平成23年11月30日 前橋地方裁判所 住民訴訟
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判決文本文8,810 文字)

主文 1 本件訴えのうち,被告に対し,株式会社Aに6億4859万1000円及びこれに対する平成10年5月30日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を請求するよう求める部分を却下する。 2 原告らのその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は,原告らの負担とする。 事実 及び理由第1 請求被告は,株式会社Aに対し,13億2545万7000円及びこれに対する平成7年6月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 第2 事案の概要 1 本件は,群馬県安中市(以下「市」という。)の住民である原告らが,B組合(以下「本件組合」という。)が発注したごみ処理施設の建設工事の指名競争入札において,入札参加業者の株式会社A(以下「A」という。)らがAを受注予定者とする談合をした結果,不当に高い金額で落札されたため,本件組合が損害を被ったにもかかわらず,本件組合を承継した市の市長である被告がAに対する私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)25条に基づく損害賠償請求権の行使を違法に怠っていると主張して,被告に対し,地方自治法242条の2第1項4号本文に基づき,怠る事実に係る相手方であるAに対して,損害賠償として入札予定価格の20%に相当する金額に消費税を加算した13億2545万7000円及びこれに対する入札実施日である平成7年6月22日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求するよう求めた住民訴訟である。 2 前提事実(当事者間に争いのない事実及び後掲証拠により容易に認められる事実) (1) 談合行為及び請負契約の締結市と群馬県碓氷郡α町が一部事務組合として設立した本件組合(本件組合は,平成18年3月18日,市が群馬県碓氷郡α町と合 より容易に認められる事実) (1) 談合行為及び請負契約の締結市と群馬県碓氷郡α町が一部事務組合として設立した本件組合(本件組合は,平成18年3月18日,市が群馬県碓氷郡α町と合併したことにより解散し,市が本件組合の事務を引き継いだ。)は,ごみ処理施設(准連続燃焼式ストーカ炉及び粗大ごみ処理施設)の建設工事(以下「本件工事」という。)を入札予定価格63億1170万円(消費税抜き。なお,当時の消費税率は3%であり,税込価格は65億0105万1000円である。),指名競争入札の方法により発注することとし,Aらを入札参加者として指定していた。 A,C株式会社,D株式会社(当時の商号はE株式会社),F株式会社及びG株式会社の5社は,入札に先立ち,受注予定者をAに決定し,Aが本件工事を受注することができるよう入札価格を相互に調整し(以下「本件談合行為」という。),H株式会社,株式会社I,J株式会社及び株式会社Kの4社にも協力を要請した。 本件組合は,平成7年6月22日,指名競争入札を実施したところ,上記9社が入札をし,開札の結果,Aが税抜き62億9700万円で落札した。 この落札価格の入札予定価格に対する割合(落札率)は,約99.76%であった。 本件組合は,同月26日,市議会の議決を得て,Aとの間で,代金を64億8591万円(落札価格62億9700万円と3%の消費税1億8891万円との合計額)として,本件工事に係る請負契約を締結した。 (甲1)(2) 請負代金の支払Aは,平成10年5月29日までに,本件工事を完成させて本件組合に引き渡し,本件組合から本件工事の代金全額を受領した。 (3) 公正取引委員会の審決及びその後の経過 公正取引委員会は,平成18年6月27日,A,C株式会社,D株式会 成させて本件組合に引き渡し,本件組合から本件工事の代金全額を受領した。 (3) 公正取引委員会の審決及びその後の経過 公正取引委員会は,平成18年6月27日,A,C株式会社,D株式会社,F株式会社及びG株式会社の5社が,遅くとも平成6年4月以降平成10年9月17日まで,地方公共団体が発注するストーカ炉の新設等の工事について談合を行っていたと認定し(ただし,本件工事は含まれていない。),上記5社に対する排除措置を命ずる審決(以下「別件審決」という。)をした。 上記5社は,同年7月27日,別件審決の取消訴訟を東京高等裁判所に提起したところ,平成20年9月26日,請求が棄却されたため,上告及び上告受理を申し立てたが,平成21年10月6日,最高裁判所は上告棄却及び上告不受理を決定し,別件審決が確定した。 被告は,平成22年2月19日,Aに対し,本件工事に関して弁明書の提出を求めたところ,Aが本件談合行為の存在を否認したことから,同年10月20日付けで,Aに対し,本件談合行為により市が損害を被ったとして,請負代金の10%に相当する6億4859万1000円及びこれに対する代金完済日の翌日である平成10年5月30日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求した。しかし,Aは,平成22年11月4日付けで,本件談合行為がないことを理由として被告の請求を拒否した。 (甲1,乙1,2)(4) 監査請求及び本件住民訴訟の提起市の市民である原告らは,平成22年10月5日付けで,安中市監査委員に対し,市の執行機関である被告がAに対して有する本件談合行為に係る損害賠償請求権の行使を違法に怠っているとして,被告に対しAに入札予定価格の20%に相当する額の損害賠償請求をするよう勧告することを求めた。 安中 行機関である被告がAに対して有する本件談合行為に係る損害賠償請求権の行使を違法に怠っているとして,被告に対しAに入札予定価格の20%に相当する額の損害賠償請求をするよう勧告することを求めた。 安中市監査委員は,同年11月29日,本件談合行為の存在を認めることができないとして,原告らの監査請求を棄却し,原告らにそのころ監査結果が通知された。 原告らは,同年12月26日,本件住民訴訟を提起した。なお,被告は,地方自治法242条の2第7項に従い,平成23年1月17日付けでAに対し,本件住民訴訟の告知をした。 (5) Aに対する訴えの提起被告は,平成22年11月30日,市議会に対し,Aを被告として,本件談合行為による損害賠償として6億4859万1000円及びこれに対する平成10年5月30日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める訴訟(以下「別件訴訟」という。)を提起することに係る議案を提出した。市議会は,本件住民訴訟係属中の平成23年3月22日,これを可決したため,被告は,市の代表者として,同年4月28日,弁護士2名に対し別件訴訟の提起等を委任した上,同年8月22日,Aを被告として,独占禁止法25条に基づく損害賠償請求として別件訴訟を東京高等裁判所に提起した(東京高等裁判所平成○年(ワ)第○号)。同訴訟は,本件住民訴訟の口頭弁論終結時においても係属中である。 (乙3ないし9) 3 本件における当事者双方の主張(原告らの主張)(1) 原告らは,被告に対し,Aに対して入札予定価格の20%に相当する12億6234万円に5%の消費税を加算した13億2545万7000円を支払うよう請求することを求めているのに対し,被告は,Aに対し,請負代金の10%に相当する6億4859万1000円を請求したにすぎ 2億6234万円に5%の消費税を加算した13億2545万7000円を支払うよう請求することを求めているのに対し,被告は,Aに対し,請負代金の10%に相当する6億4859万1000円を請求したにすぎない。また,被告は,別件訴訟において訴えを取り下げる危険性や,勝訴を目的とせずに形だけの訴訟遂行をする可能性がある。さらに,原告らが本件住民訴訟で勝訴すれば,訴訟告知を受けたAに対しても,その勝訴判決の効力が及ぶ。 したがって,原告らには訴えの利益がある。 (2) 入札において談合がなかった場合の落札率は80%程度であるといわれ ているから,本件談合行為によって市が被った損害の額は,入札予定価格の20%であると推定される。 したがって,市がAに対して有する損害額は,上記のとおり,入札予定価格である63億1170万円の20%に相当する12億6234万円に消費税を加算した13億2545万7000円となるのに,被告は6億4859万1000円の請求しか行っていないから,本件談合行為による損害賠償請求権の行使を違法に怠っているというべきである。 (被告の主張)(1) 被告は,平成22年10月20日付けで,Aに対し,本件談合行為による損害賠償として6億4859万1000円を支払うよう請求し,Aが支払を拒否すると,安中市議会に訴えの提起について議案を提出し,その可決を受けて,弁護士に別件訴訟の提起等を委任し,これを提訴するに至った。もっとも,怠る事実に係る相手方に対する損害賠償の請求として,訴訟の提起まで行うことは必要ではない。 したがって,被告について,違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実はなく,原告らには訴えの利益がない。 (2) 本件談合行為により市が被った損害額 ない。 したがって,被告について,違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実はなく,原告らには訴えの利益がない。 (2) 本件談合行為により市が被った損害額は,6億4859万1000円である。 入札談合が行われず,公正かつ自由な競争を経た場合に形成されたであろう想定落札価格は,現実には存在しなかった価格であるから,具体的にこれを推計することは極めて困難であるが,平成17年の独占禁止法の改正により課徴金算定率が原則として10%まで引き上げられたこと,市は平成18年以降,談合等の不正行為による違約金を請負代金の10%に相当する額と定めていること,談合を不法行為とする損害賠償請求訴訟において,裁判所は損害額を請負代金の5ないし10%で認定した例が多いこと,本件工事の落札率は99.76%であり,地方公共団体が発注したストーカ炉の建設工 事のうち,公正取引委員会の審決で談合を行ったと認定された上記の5社以外の者が受注した工事の平均落札率は89.76%であったこと,以上によれば,市が被った損害額は,本件工事の上記落札率より少なくとも10%下回るものと考えられ,請負代金64億8591万円の10%とするのが合理的である。 そうすると,被告は,Aを被告として,6億4891万円の支払を求めて別件訴訟の提起をしているから,Aに対する損害賠償請求権の行使を怠っていない。 第3 当裁判所の判断 1 訴えの利益について(1) 地方自治法242条の2第1項4号本文は,普通地方公共団体の執行機関が,怠る事実の相手方に対する損害賠償請求権を行使しない場合に,住民において,怠る事実に係る相手方に損害賠償の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関に対して義務付ける訴えを提起することができ が,怠る事実の相手方に対する損害賠償請求権を行使しない場合に,住民において,怠る事実に係る相手方に損害賠償の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関に対して義務付ける訴えを提起することができる旨定めている。これは,地方自治の本旨に基づく住民参政の一環として,住民に対し,普通地方公共団体の執行機関による財務会計上の違法な怠る事実を是正することを裁判所に請求する権能を与え,もって地方財務行政の適正な運営を確保することを目的としたものであって,執行機関の財務会計上の怠る事実の適否ないし是正の要否について,地方公共団体の判断と住民の判断とが相反し対立する場合に,住民が自らの手により違法の是正を図ることができる点に,制度の本来の意義がある。そして,同号本文の規定による住民訴訟で損害賠償の請求を命ずる判決が確定した場合には,普通地方公共団体の長は,一定の期間内に請求ないし提訴をしなければならない(同法242条の3第1項,2項)が,これは違法行為の早期是正を図るために,普通地方公共団体又はその長について定められた義務であるところ,上記住民訴訟の提起前はもとより,係属中においても,当該訴訟で求められている損害賠償 の請求をすることを妨げる規定は存在しない。 したがって,普通地方公共団体の執行機関が,上記住民訴訟の提起前又は係属中に,怠る事実の相手方に対し損害賠償の請求をした場合には,住民の求めている内容が実現したものとして,当該損害賠償請求権の行使を怠ることが違法であることを理由とする住民訴訟は,訴えの利益を欠くことになるというべきである。もっとも,執行機関が請求した損害賠償の額が,住民の求める金額よりも低額な場合には,執行機関は損害賠償請求権を分割して行使することが可能であることに照らし,執行機関が請求した金額の部分につい ある。もっとも,執行機関が請求した損害賠償の額が,住民の求める金額よりも低額な場合には,執行機関は損害賠償請求権を分割して行使することが可能であることに照らし,執行機関が請求した金額の部分については住民の求める是正行為が実現されたといえるから,その部分についてのみ訴えの利益が消滅すると解される。 (2) 本件において,原告らは,被告に対し,怠る事実に係る相手方であるAに対して独占禁止法25条に基づく損害賠償として13億2545万7000円及びこれに対する平成7年6月22日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を請求するよう求めているが,一方で,被告は,本件住民訴訟の提起前に,Aに対して独占禁止法25条に基づく損害賠償として6億4859万1000円及びこれに対する平成10年5月30日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を請求し,さらに本件住民訴訟の係属中に,Aに対しその支払を求める別件訴訟を提起しているのであるから,市のAに対する本件談合行為に係る損害賠償請求権のうち,上記被告の請求分ないし別件訴訟の提起分については,本件住民訴訟の訴えの利益を認めることができない。 (3) 原告らは,被告が別件訴訟を取り下げるおそれや形だけの訴訟遂行をするおそれがあるから,本件住民訴訟全体について訴えの利益がある旨主張する。 しかし,市はAに対する損害賠償請求権について管理処分する権能を有するから,別件訴訟の訴えを取り下げることが特に禁止されているわけではな く,仮に別件訴訟の遂行に当たって,適正な財務会計行為という観点から不適切不合理な処理を行ったといえる場合には,それが別途に住民訴訟の対象として問題とされるにすぎない。また,本件住民訴訟において,Aに訴訟告知をした上で,被告に対し損害賠償の支払 行為という観点から不適切不合理な処理を行ったといえる場合には,それが別途に住民訴訟の対象として問題とされるにすぎない。また,本件住民訴訟において,Aに訴訟告知をした上で,被告に対し損害賠償の支払を請求するよう命ずる判決が確定したとしても,Aは参加的効力を受けるだけであって,Aの損害賠償義務が確定するものではないから,参加的効力の付与を目的とすることのみでは,本件住民訴訟の訴えの利益を肯定することはできない。 2 市の損害について(1) 市のAに対する本件談合行為による損害賠償請求権は,金銭給付を目的とする市の権利であるから,地方自治法240条1項にいう債権に当たるところ,普通地方公共団体が有する債権の管理について定める同条及び地方自治法施行令171条ないし171条の7の規定によれば,普通地方公共団体の長は,客観的に存在する債権を理由もなく放置したり免除したりすることは許されず,原則として,その行使又は不行使についての裁量はない。 もっとも,普通地方公共団体の長が債権の存在をおよそ認識し得ない場合にまでその行使を義務付けることはできない上,不法行為に基づく損害賠償請求権は,債権の存否及びその範囲が必ずしも明らかでないことが多い。殊に,入札談合を不法行為とする損害賠償請求権において発注者が被った損害の額は,現実の落札価格と談合行為がなかった場合に想定される落札価格(想定落札価格)との差額であるというべきところ,想定落札価格は現実に存在しない価格であり,当該工事の種類,規模,場所,内容,入札に参加する業者の数,入札当時の経済情勢,各社の財務状況及び受注意欲,地域性等の複雑多様な要因が絡み合って形成されるものであって,これを推計することは極めて困難である。したがって,普通地方公共団体の長が談合行為に基づく損害賠償請求権 勢,各社の財務状況及び受注意欲,地域性等の複雑多様な要因が絡み合って形成されるものであって,これを推計することは極めて困難である。したがって,普通地方公共団体の長が談合行為に基づく損害賠償請求権を一定の額を超えて行使しないことが違法であるというためには,損害額がその一定の額を超えることが相当の根拠をもって認めら れることを要すると解すべきである。 (2) 原告らは,本件談合行為がなかった場合の落札率は80%であると推定されるから,想定落札価格は入札予定価格である63億1170万円の20%に相当する12億6234万円であると主張する。 日本弁護士連合会が作成した入札制度改革に関する調査報告書(甲2)には,長野県と宮城県が指名競争入札から制限付一般競争入札に制度改革をしたところ,平均落札率が長野県において20%以上,宮城県において15%以上低下したことをもって,100社以上の業者が入札に参加することが可能になると談合が困難になって,落札率は15%ないし20%程度下がるものと推定されると記載されている。しかし,本件工事の入札はあくまで指名競争入札の方法によって行われたのであり,制限付一般競争入札に制度改革をした状況下で行われた上記事例における落札率の低下を,本件に当てはめることはできない。また,上記事例はわずか2つの県の事例を抽出したにすぎないし,入札の対象となる事業の規模や内容,更には参加業者数等の入札価格を形成する条件が本件工事に係る入札と近似するかどうかは,全く明らかでない。したがって,これをもって本件談合行為がなかった場合の落札率が80%であり,本件談合行為による市の損害額が入札予定価格の20%に相当する額であると認めることは到底できない。 その他,市の損害額に関する原告らの主張を根拠付ける資料は,全 場合の落札率が80%であり,本件談合行為による市の損害額が入札予定価格の20%に相当する額であると認めることは到底できない。 その他,市の損害額に関する原告らの主張を根拠付ける資料は,全く見当たらない。 したがって,原告らの主張は採用することができない。 (3) 他方で,別件審決においては,平成6年4月1日から平成10年9月17日までの間に(本件工事の入札は,その間の平成7年6月22日に行われた。)地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注したストーカ炉の建設工事のうち,入札予定価格が判明している84件の平均落札率について,談合をしたと認定されたAを含む5社が落札した場合は96.6%であるの に対し,それ以外の業者が落札した場合は89.8%であると認定されている(甲1)。本件工事の入札は,別件審決で認定されたものと主体となった業者,対象時期,入札の方式,工事の種類において共通しているから,そこで認定された落札率は,本件談合行為に係る損害額を算定する上で相当な根拠となり得るものである。 そうすると,Aを含む5社以外の業者が落札した場合の平均落札率が89. 8%であり,本件談合行為の結果としての落札率が99.76%であったことに照らせば,市の損害額を請負代金額の10%に相当する金額であると推定することは,それなりに根拠のある試算であるといえ,少なくともその金額を市の損害として請求することについて,財務会計行為を違法に怠ったものと評価することはできない。 (4) なお,原告らは,Aに請求すべき賠償金に対する付帯請求の起算日を入札実施日である平成7年6月22日としているが,市に損害が発生するのは本件工事の請負代金をAに支払ったときであって,本件談合行為が行われたとき又は入札実施日に損害が発生す 対する付帯請求の起算日を入札実施日である平成7年6月22日としているが,市に損害が発生するのは本件工事の請負代金をAに支払ったときであって,本件談合行為が行われたとき又は入札実施日に損害が発生するものではない。したがって,被告のAに対する請求及び別件訴訟において,賠償金に対する付帯請求の起算日を請負代金完済日の翌日である平成10年5月30日としたことについて,財務会計行為を違法に怠ったものと認めることはできない。 第4 結論よって,原告らの本件訴えのうち,被告に対し,Aに6億4859万1000円及びこれに対する平成10年5月30日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を請求するよう求める部分については,訴えの利益を欠いて不適法であるから,これを却下することとし,その余の請求は理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。 前橋地方裁判所民事第1部 裁判長裁判官内藤正之 裁判官城内和昭 裁判官秋田智子

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