【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理 由 弁護人高野康彦の上告趣意のうち、公職選挙法二五二条の規定の違憲をい
主文 本件上告を棄却する。 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 弁護人高野康彦の上告趣意のうち、公職選挙法二五二条の規定の違憲をいう点は、右規定が憲法一四条、四四条に違反しないことは、当裁判所の判例(昭和二九年(あ)第四三九号同三〇年二月九日大法廷判決・刑集九巻二号二一七頁)とするところであるから、所論は理由がなく、その余は、憲法三一条違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。 なお、職権をもつて調査するに、公職選挙法二二一条三項一号にいう「公職の候補者」とは、同法の規定による正式の立候補届出又は推薦届出により候補者としての地位を有するに至つた者をいい、立候補を予定しているが、いまだ正式の届出をしていない者を含まないと解すべきであつて、このことはすでに当裁判所の判例(昭和三四年(あ)第一一九〇号同三五年二月二三日第三小法廷判決・刑集一四巻二号一七〇頁、昭和三五年(あ)第一四三二号同年一二月二三日第二小法廷判決・刑集一四巻一四号二二二一頁、昭和四四年(あ)第一〇七七号同年一〇月二日第一小法廷決定・裁判集刑事一七三号一八五頁等参照)とするところである。しかるに、第一審判決は、被告人が同判示選挙について正式の立候補届出をする以前であることの明らかな本件各所為につき、公職選挙法二二一条一項一号、五号のほか誤つて同条三項一号をも適用し、第一審判決を破棄して自判した原判決もまた第一審判決の挙示した法条を引用したため同じ誤りを犯しているのである。そして、その結果、処断刑の範囲にも差異をきたしているのであるが、原判決の被告人に対する懲役一年二月、執行猶予四年の科刑は、もとより正当な処断刑の範囲内にあるものであり、 じ誤りを犯しているのである。そして、その結果、処断刑の範囲にも差異をきたしているのであるが、原判決の被告人に対する懲役一年二月、執行猶予四年の科刑は、もとより正当な処断刑の範囲内にあるものであり、- 1 -かつ、被告人の本件犯罪事実および記録にあらわれたその情状等本件事案の具体的事情に照らせば、いまだ原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるには至らない。 よつて、刑訴法四〇八条、一八一条一項本文により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 昭和六〇年三月一九日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官安岡滿彦裁判官伊藤正己裁判官木戸口久治裁判官長島敦- 2 -
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