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昭和31(オ)521 違約賠償金請求

裁判所

昭和35年4月5日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 名古屋高等裁判所 金沢支部

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1,397 文字

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人広瀬嘉一の上告理由について。論旨は、被上告人が上告人に対して、所論売買残代金一一〇万円の履行の提供を、現金八〇万円と訴外D振出の小切手三〇万円とでなしたことは、債務の本旨に従つた履行の提供でない旨主張する。しかし、富山県東礪波郡地方には、不動産の売買において多額の代金を支払う場合は、小切手によつて支払う慣習が存在することは、原判決において適法に確定した事実であるのみならず、右小切手の振出人である訴外Dは、被上告人の養子の実家に当る資産家であつて、当時十分に右小切手を支払う能力を有し、もし右小切手の呈示があれば、支払銀行においても小切手金を支払つたものと推認されること、および、またもし当時上告人において小切手による支払いを拒否すれば、被上告人において直ちに現金をもつて支払う用意があつたことも原判決において認定しているところであり、原判決の右認定は、原判決挙示の証拠によれば首肯できる。原判決は以上のごとく、慣習の存することおよび特段の事情の存在したことを適法に認定した上で、右認定にもとづいて、被上告人が所論現金八〇万円と小切手三〇万円とでなした残代金一一〇万円の履行の提供は、債務の本旨に従つた履行の提供であると判断しているのであるから、原判決は相当であり、原判決には所論の違法は認められない。次に、論旨は、原判決が上告人の履行遅滞を認定したことは違法であると主張する。しかし、残代金の支払期日である昭和二八年一〇月二〇日に、被上告人は訴外E、同Fを代理人として、現金八〇万円と訴外D振出の小切手(金額三〇万円)を持参せしめ、残代金一一〇万円の支払いのため上告人方に赴かしめたが、その日は上告人が不在のため遂に同人に会 に、被上告人は訴外E、同Fを代理人として、現金八〇万円と訴外D振出の小切手(金額三〇万円)を持参せしめ、残代金一一〇万円の支払いのため上告人方に赴かしめたが、その日は上告人が不在のため遂に同人に会えなかつた- 1 -ので、翌朝右両名は上告人と会見したが、その際上告人は税金等の関係があるので、実際の売買代金を減額した売買契約書を作成して交付するよう両名に要求したので、Eらがこれを拒絶したところ、上告人は本件売買契約の履行を拒否するに至つた旨の原判示事実に徴すると、上告人の履行遅滞を認めるに十分であつて、原判決には所論の違法は認められない。 に赴かしめたが、その日は上告人が不在のため遂に同人に会えなかつた- 1 -ので、翌朝右両名は上告人と会見したが、その際上告人は税金等の関係があるので、実際の売買代金を減額した売買契約書を作成して交付するよう両名に要求したので、Eらがこれを拒絶したところ、上告人は本件売買契約の履行を拒否するに至つた旨の原判示事実に徴すると、上告人の履行遅滞を認めるに十分であつて、原判決には所論の違法は認められない。またその余の所論は原判決において適法になした事実の確定を非難するに帰し、採用できない。なお原判決は論旨引用の判例と相反するものではない。論旨はすべて理由がない。よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官高橋潔裁判官島保裁判官河村又介裁判官垂水克己裁判官石坂修一- 2 -

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