主文 被告人両名をそれぞれ懲役3年に処する。 被告人両名に対し、この裁判が確定した日から5年間、それぞれその刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人両名は、別紙記載のAを逮捕監禁した上、Aから金銭を脅し取ろうと考え、氏名不詳者らと共謀の上、第1 令和6年8月27日午後8時40分頃、さいたま市(住所省略)所在のB公園において、A(当時34歳)に対し、その腕をつかんで引っ張り、その腹部を拳で複数回殴るなどの暴行を加え、Aをさいたま市(住所省略)付近路上に連行し、同所に駐車中の自動車後部座席に押し込み、同日午後8時45分頃から同月28日午前1時6分頃までの間、同車内において、Aの動静を監視するなどし、さらに、同車を発進させ、同所から埼玉県秩父市内等を経由してB公園C駐車場に至るまでの間、同車を疾走させるなどし、その間、Aが同車内から脱出することを著しく困難にし、もってAを不法に逮捕監禁した。 第2 令和6年8月27日午後8時45分頃から同月28日午前1時6分頃までの間に、さいたま市(住所省略)付近路上に駐車中及び埼玉県内を走行中の自動車内において、Aに対し、その腹部を拳で複数回殴る暴行を加えた上、「よその案件やってましたよね」「この責任どうとってくれるんですか」「今日生きて帰れないかもしれませんよ」「じゃあ示談ということにしましょう」「100万円あるんですよね」「それを払ってもらっていいですか」などと言って現金の交付を要求し、もしこの要求に応じなければ、Aの生命、身体等に危害を加えかねない気勢を示してAを怖がらせ、Aから現金を脅し取ろうとしたが、Aの母が警察に届け出たため、その目的を遂げなかった。 (量刑の理由) 本件では、指示役らが、 の生命、身体等に危害を加えかねない気勢を示してAを怖がらせ、Aから現金を脅し取ろうとしたが、Aの母が警察に届け出たため、その目的を遂げなかった。 (量刑の理由) 本件では、指示役らが、立替金や闇バイトの報酬を支払う名目で被害者を呼び出し、犯行車両を調達して被告人らに提供し、被告人らに指示を出したり被害者に脅迫文言を申し向けたりしながら、被告人らも実行行為に及んでいる。指示役、被告人らが役割を分担しながら行った組織的、計画的な犯行である。また、本件犯行は、犯罪組織が、闇バイトに手を染めた者に制裁を加えるなどして実行役を確保し、犯罪組織の維持を図る側面も有している。逮捕監禁した時間は長時間に及ぶ。 本件は違法性の高い犯行である。 判示第1につき、被告人Dは、被害者の腕をつかんで引っ張り、腹部を拳で複数回殴るなどの暴行を加え、被害者を自動車内に押し込み、自動車を運転している。 被告人Eは、被害者の腕をつかむなどしている。判示第2につき、被告人Dは、携帯電話をスピーカーモードにして指示役の脅迫文言を被害者に聞かせている。被告人Eは、被害者の腕をつかみ、腹部を拳で複数回殴るなどの暴行を加えている(手加減をして殴った旨供述しているが、かかる暴行は脅迫文言と相まって被害者を畏怖させるに足りる行為であり、悪質であることに変わりはない。)。被告人らは、いずれも不可欠で重要な役割を果たしている。犯行を止めて被害者と同じ目に遭うことを恐れていた旨供述しているが、警察に相談するなど他の合法的な手段を取らずに違法行為に及んだことに酌量すべき事情は見当たらない。被告人らは、強く非難されなければならず、その刑事責任は軽視できない。 もっとも、被害者が負傷せず、恐喝が未遂に止まり、被告人らがいずれも従属的立場にあったことは、有利に斟酌し得る事情である。 。被告人らは、強く非難されなければならず、その刑事責任は軽視できない。 もっとも、被害者が負傷せず、恐喝が未遂に止まり、被告人らがいずれも従属的立場にあったことは、有利に斟酌し得る事情である。また、被告人らは、当公判廷において、いずれも事実を認めて反省の態度を示し、再犯に及ばず、職に就いて更生する旨誓約している。被告人らには、前科がない。その他の被告人らに有利な諸事情も考慮すると、被告人らをそれぞれ主文のとおりの刑に処した上、今回に限り、それぞれその刑の執行を猶予する余地がある。 (求刑被告人Dにつき懲役3年、被告人Eにつき懲役3年6月)令和6年12月23日 さいたま地方裁判所第4刑事部 裁判官中川卓久
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