【DRY-RUN】主 文 本件控訴を棄却する。 当審における未決勾留日数中六拾日を本刑に算入する。 当番における訴訟費用は被告人の負担とする。 理 由 本件
主文本件控訴を棄却する。 当審における未決勾留日数中六拾日を本刑に算入する。 当番における訴訟費用は被告人の負担とする。 理由本件控訴の趣意は、未尾添付の被告人作成名義の控訴趣意書及び弁護人田口俊夫竹成名義の追加控訴趣意書と各題する書面に記載してあるとおりであるが、これに対し当裁判所は次のとおり判断をする。 弁護人田口俊夫の追加控訴趣意書における論点について。 論旨第一点の一、家庭裁判所は、少年の保護事件につき専属的に裁判権を有するも、少年の刑事被告事件については、その裁判権を有しないところ、少年法第二十条によれば、家庭裁判所が、少年を保護事件として調査の結果、死刑、懲役又は禁錮にあたる罪の事件についてその罪質及び情状に照して刑事処分を相当と認めるときは、一定の例外の場合を除き、決定をもつてこれを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならないのであるが、その管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならないとした所以のものは、地方裁判所は、簡易裁判所が、一定の制限の下に第一審としての裁判権を有する刑事事件について、同じく第一審としての裁判権を有するばかりでなく、罰金以下の刑にあたる罪及び刑法第七十七条乃至第七十九条の罰にかかる事件のほか広く刑事事件につき第一審としての裁判権を有するところから(裁判所法第二十四条、第三十三条参照)検察官をして適正に公訴を行わしむるためには、一応広く裁判管轄を有する地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致するをもつて適当とするに出でたものと解すべく、その規定あるの故をもつて、その<要旨>送致を受けた事件の公訴を行うには必ず地方裁判所に行わねばならないいわれはない。これを要するに、少年</要旨>法第二十条は、特 適当とするに出でたものと解すべく、その規定あるの故をもつて、その<要旨>送致を受けた事件の公訴を行うには必ず地方裁判所に行わねばならないいわれはない。これを要するに、少年</要旨>法第二十条は、特別の規定として、家庭裁判所が、検察官に公訴を行わしむべく送致した事件の事物の管轄裁判所を定めたものということはできないのであるから、家庭裁判所から送致のあつた窃盗の非にあたる事件につき、検察官が裁判所法上もともと第一審としての裁判権を有する簡易裁判所にした本件公訴提起の手続には何等違法とすべ唇ものはない。なるほど、少年法第五十五条には、裁判所は、事実審理の結果、少年の被告人を保護処分に付するのが相当であると認めるときは、決定をもつて、事件を家庭裁判所に移送しなければならないとあつて、簡易裁判所と雖も、一旦家庭裁判所から送致された事件を更に同裁判所に移送する決定をすべき場合もあろうけれども、元来少年は、その性格、環境等の矯正によつてする善良な社会人たり得べき契機に富むところなるをもつて、できるだけ社会防衛の保安処分を兼ねながら寧ろ少年の育成、教化を主眼とする少年法所定の保護処分の処遇に研づるをもつて相当とするから、刑事被告事件として事実審理の結果、少年を保護処分に付するを相当とする事情あるときは、簡易裁判所と雖も事件を家庭裁判所に移送すべき決定ができるとするも、実質的に何等不都合とすべきものはないばかりでなく、家庭裁判所と簡易裁判所との間には、審理管轄の上でも、訴訟法上豪も上級、下級の関係はないのであるから、簡易裁判所が、右移送の決定に出づるも、下級審の判断が上級審の判断を拘束すろというが如き、裁判所法第四条の定むるところに違背するの結果を生ずるの余地はない。少年法第五十五条の規定を前提として本件公訴提起の手続をその規定に違反した無効のもので の判断が上級審の判断を拘束すろというが如き、裁判所法第四条の定むるところに違背するの結果を生ずるの余地はない。少年法第五十五条の規定を前提として本件公訴提起の手続をその規定に違反した無効のものであるとする所論もまた採用するに由がない。論旨はすべて理由がない。 論旨第一点の二、少年法第四十五条第五号の規定によるときは、検察官は、家庭裁判所から送致を受けた事件について、公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑があると思料するときは、公訴を提起しなければならないことは、洵に所論のとおりであるが、家庭裁判所から送致された事件は、無条件にこれを起訴しなければならないものでないことは右規定自体によつて明白であると共に、送致された事件の一部についても、起訴、不起訴についての裁量の余地の有すべきことは、同号但し書の明定しているところてあるから、検察官は、その一部につき、公訴を提起するところはなく、爾余の部分についてだけ起訴することができるばかりでなく、その不起訴部分についての不起訴裁量の判断に相当を欠くものがあつたからといつて、検察官において、その不起訴の措置につき国法上非難さるべきものはあるにしても、訴訟法上これがため他の部分の公訴提起の手続に訴訟条件を欠くものがあるとしてこれを公訴提起の規定に違反する無効のものとするいわれはない。されば、本件において、検察官は、家庭裁判所から事件の送致を受けたがら、その事件の一部につき、公訴を提起するところのたかつたことは、洵に所論のとおりであるが、そのために本件公訴提起の手続が無効であるとすることはできない。所論は、要するに、独自の見解をもつて、少年法第四十五条第五号及び刑事訴訟法第三百三十八条第四号の規定を解釈して本件控訴提起の手続に瑕疵ありとするものであつて採用するに由がない。論旨もまたその理由がない。 るに、独自の見解をもつて、少年法第四十五条第五号及び刑事訴訟法第三百三十八条第四号の規定を解釈して本件控訴提起の手続に瑕疵ありとするものであつて採用するに由がない。論旨もまたその理由がない。 (その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事大塚今比古判事三宅富士郎判事河原徳治)
▼ クリックして全文を表示