平成27(行ウ)14 処分取消等請求事件,未払水道料金支払請求反訴事件

裁判年月日・裁判所
平成30年6月1日 神戸地方裁判所
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判決文本文50,437 文字)

平成30年6月1日判決言渡し・同日原本領収裁判所書記官平成27年(行ウ)第14号処分取消等請求事件,平成28年(行ウ)第6号未払水道料金支払請求反訴事件口頭弁論終結日平成30年2月2日判決主文 1 原告の被告に対する別紙加入分担金目録記載の加入分担金支払債務が存在しないことの確認を求める訴えをいずれも却下する。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 原告は,被告に対し,別紙「下水道料金納入通知処分等一覧表」の「上水道」欄の「残額」欄記載の金員及びこれに対する各「上水道料金の弁済期」欄記載の日の翌日から各支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 4 訴訟費用は,本訴,反訴を通じ,原告の負担とする。 5 この判決は,第3項に限り,仮に執行することができる。 第1 請求の趣旨 本訴処分行政庁が原告に対してした,別紙「下水道料金納入通知処分等一覧表」の「下水道料金納入通知処分の日付け」,「使用棟」,「下水道料金」の各欄の記載に対応する下水道料金の賦課処分を取り消す。 原告と被告との間で,被告の原告に対する別紙加入分担金目録記載の加入分担金支払債務が存在しないことを確認する。 2 反訴主文3項同旨第2 事案の概要 1 事案の要旨水道事業者・公共下水道管理者である兵庫県加東市(被告。平成18年3月 20日の市町村合併前の社町を含む。以下同じ。)ないし加東市長(処分行政庁。以下,単に「市長」ということがある。)は,同市内において職員宿舎を管理・運営する原告に対し,平成26年6月分以降,それまでとは異なる算定方法に基づき,同宿舎に係る上水道料金の請求をすると共に,下水道料金の賦課処分をした。 本件は,①被告が,原告に対し,前記上水道料金及びこれらに対する所定の弁済期の翌日から支 れまでとは異なる算定方法に基づき,同宿舎に係る上水道料金の請求をすると共に,下水道料金の賦課処分をした。 本件は,①被告が,原告に対し,前記上水道料金及びこれらに対する所定の弁済期の翌日から支払済みまで民法所定の年5%の割合による遅延損害金の支払を求める(以下「本件上水道料金請求」という。)のに対し,②原告が,前記下水道料金の賦課処分は,上水道給水契約の当事者及び下水道の使用者ではない原告に対してされたものであり,かつ,原被告間の合意に反する算定方法に基づくものであるから違法であるなどと主張し,加東市を被告として,同処分の取消しを求め(以下「本件取消請求」という。),また,③原告が,被告に対し,被告の条例所定の加入分担金支払債務がないことの確認を求める(以下「本件確認請求」という。)事案である。 2 関係法令の定め(本件と関連性の低い条項の省略,現代仮名遣いへの改訂,必要に応じた〔 〕内への注記をした。)水道法1条(この法律の目的)この法律は,水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに,水道を計画的に整備し,及び水道事業を保護育成することによつて,清浄にして豊富低廉な水の供給を図り,もつて公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的とする。 2条(責務)1項国及び地方公共団体は,水道が国民の日常生活に直結し,その健康を守るために欠くことのできないものであり,かつ,水が貴重な資源であることにかんがみ,水源及び水道施設並びにこれらの周辺の清潔保持 並びに水の適正かつ合理的な使用に関し必要な施策を講じなければならない。 2項国民は,前項の国及び地方公共団体の施策に協力するとともに,自らも,水源及び水道施設並びにこれらの周辺の清潔保持並びに水の適正かつ合理的な使用に努めなければならない。 ければならない。 2項国民は,前項の国及び地方公共団体の施策に協力するとともに,自らも,水源及び水道施設並びにこれらの周辺の清潔保持並びに水の適正かつ合理的な使用に努めなければならない。 2条の2地方公共団体は,当該地域の自然的社会的諸条件に応じて,水道の計画的整備に関する施策を策定し,及びこれを実施するとともに,水道事業及び水道用水供給事業を経営するに当たつては,その適正かつ能率的な運営に努めなければならない。 3条(用語の定義)1項この法律において「水道」とは,導管及びその他の工作物により,水を人の飲用に適する水として供給する施設の総体をいう。ただし,臨時に施設されたものを除く。〔以下,水道のことを,下水道と区別して特に「上水道」ということがある。〕2項この法律において「水道事業」とは,一般の需要に応じて,水道により水を供給する事業をいう。ただし,給水人口が百人以下である水道によるものを除く。 5項この法律において「水道事業者」とは,第6条第1項の規定による認可を受けて水道事業を経営する者をい(中略)う。 8項この法律において「水道施設」とは,水道のための取水施設,貯水施設,導水施設,浄水施設,送水施設及び配水施設(専用水道にあつては,給水の施設を含むものとし,建築物に設けられたものを除く。以下同じ。)であつて,当該水道事業者,水道用水供給事業者又は専用水道の設置者の管理に属するものをいう。 9項この法律において「給水装置」とは,需要者に水を供給するために 水道事業者の施設した配水管から分岐して設けられた給水管及びこれに直結する給水用具をいう。 6条(事業の認可及び経営主体)1項水道事業を経営しようとする者は,厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 2項水道事業は,原則として市 れた給水管及びこれに直結する給水用具をいう。 6条(事業の認可及び経営主体)1項水道事業を経営しようとする者は,厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 2項水道事業は,原則として市町村が経営するものと(中略)する。 14条(供給規程)1項水道事業者は,料金,給水装置工事の費用の負担区分その他の供給条件について,供給規程を定めなければならない。 2項前項の供給規程は,次の各号に掲げる要件に適合するものでなければならない。 一料金が,能率的な経営の下における適正な原価に照らし公正妥当なものであること。 二料金が,定率又は定額をもつて明確に定められていること。 三水道事業者及び水道の需要者の責任に関する事項並びに給水装置工事の費用の負担区分及びその額の算出方法が,適正かつ明確に定められていること。 四特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。 15条(給水義務)1項水道事業者は,事業計画に定める給水区域内の需要者から給水契約の申込みを受けたときは,正当の理由がなければ,これを拒んではならない。 2項水道事業者は,当該水道により給水を受ける者に対し,常時水を供給しなければならない。〔ただし書略〕加東市給水条例(平成18年条例第173号。以下「給水条例」という。)(甲1) 3条(定義)この条例において「給水装置」とは,需要者に水を供給するために水道事業管理者の施設した配水管から分岐して設けられた給水管及びこれに直結する給水用具をいう。 4条(給水装置の種類)給水装置は,以下の3種とする。 専用給水装置 1戸(世帯)又は1箇所で専用するもの共用給水装置 2戸(世帯)又は2箇所以上で共用するもの15条(給水契約の申込み)水道を使用しようとする者は,管理 以下の3種とする。 専用給水装置 1戸(世帯)又は1箇所で専用するもの共用給水装置 2戸(世帯)又は2箇所以上で共用するもの15条(給水契約の申込み)水道を使用しようとする者は,管理者が定めるところにより,あらかじめ,管理者に申し込み,その承認を受けなければならない。 18条(水道メーターの設置)1項給水量は,市の水道メーター〔中略〕により計量する。ただし,管理者がその必要がないと認めたときは,この限りでない。〔以下,本項所定の市の水道メーターのことを「公設メーター」といい,私設メーターと区別する。〕24条(料金の支払義務)1項水道料金〔中略〕は,水道の使用者から徴収する。 2項共用給水装置によって水道を使用する者は,料金の納入について連帯責任を負うものとする。 25条(料金)料金は,1箇月につき,別表第1により算定した,基本料金と従量料金との合計額に100分の108を乗じて得た額とする。この場合において,1円未満の端数が生じたときは,その端数金額を切り捨てるものとする。 26条(料金の算定)1項料金は,料金算定の基準日として,あらかじめ管理者が定めた日(以 下「定例日」という。)にメーターの点検を行い,その計量した使用水量をもって定例日の属する月分として算定する。 2項前項の規定にかかわらず,管理者が必要と認めたときは,隔月の定例日にメーターの点検を行い,2箇月分の料金を算定することができる。 (後段略)27条(使用水量の認定)管理者は,次の各号のいずれかに該当するときは,使用水量を認定する。 共用給水装置により,水道を使用するとき。 31条(料金の徴収方法)1項料金は,納入通知書により毎月徴収する。ただし,第26条第2項の規定による場合は,2箇月分をまとめて徴収するこ する。 共用給水装置により,水道を使用するとき。 31条(料金の徴収方法)1項料金は,納入通知書により毎月徴収する。ただし,第26条第2項の規定による場合は,2箇月分をまとめて徴収することができる。 34条(加入分担金)1項給水装置の新設又は改造工事(メーターの口径を増す場合に限る。 以下同じ。)の申込者は,次に定める金額に100分の108を乗じて得た額を加入分担金として納入しなければならない。 新設工事メーターの口径に応じ別表第2に掲げる金額2項共同住宅に設置する給水装置の新設工事,改造工事及び増設工事(共同住宅の戸数が増加したため必要となったものに限る。)の申込者は,前項の規定にかかわらず,次に定める額に100分の108を乗じて得た額を加入分担金として納入しなければならない。 新設工事当該共同住宅の戸数にメーターの口径に応じた別表第2に掲げる金額を乗じて得た額3項受水槽及びこれに直結する給水用具から新たに給水を受けようとする者は,前2項の規定を準用して得た額を加入分担金として納入しなければならない。 4項加入分担金は,給水装置工事申込みの際又は前項の規定により新た に給水を受ける際納入しなければならない。 別表第1〔別紙の「本件上水道条例別表第1(抄)」)のとおり,口径に応じた定額の基本料金と,口径に応じた基本水量を超える使用水量(1㎥ごと)によって算定される従量料金によって成り,基本料金は,口径が大きいほど増額し,従量料金は,基本水量を超える使用水量が多いほど単価が増額する料金体系となっている。〕別表第2〔別紙の「本件上水道条例別表第2(抄)」のとおり。〕下水道法1条(この法律の目的)この法律は,流域別下水道整備総合計画の策定に関する事項並びに公共下水道,流域下水道及 。〕別表第2〔別紙の「本件上水道条例別表第2(抄)」のとおり。〕下水道法1条(この法律の目的)この法律は,流域別下水道整備総合計画の策定に関する事項並びに公共下水道,流域下水道及び都市下水路の設置その他の管理の基準等を定めて,下水道の整備を図り,もつて都市の健全な発達及び公衆衛生の向上に寄与し,あわせて公共用水域の水質の保全に資することを目的とする。 2条(用語の定義)この法律において次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。 一下水生活若しくは事業(耕作の事業を除く。)に起因し,若しくは付随する廃水(以下「汚水」という。)又は雨水をいう。 二下水道下水を排除するために設けられる排水管,排水渠きょその他の排水施設(かんがい排水施設を除く。),これに接続して下水を処理するために設けられる処理施設(屎し尿浄化槽を除く。)又はこれらの施設を補完するために設けられるポンプ施設,貯留施設その他の施設の総体をいう。 3条(管理)1項公共下水道の設置,改築,修繕,維持その他の管理は,市町村が行うものとする。 20条(使用料)1項公共下水道管理者〔3条の規定により公共下水道を管理する者のこと。〕は,条例で定めるところにより,公共下水道を使用する者から使用料を徴収することができる。 2項使用料は,次の原則によつて定めなければならない。 一下水の量及び水質その他使用者の使用の態様に応じて妥当なものであること。 二能率的な管理の下における適正な原価をこえないものであること。 三定率又は定額をもつて明確に定められていること。 四特定の使用者に対し不当な差別的取扱をするものでないこと。 加東市下水道条例(平成18年条例第162号。以下「下水道条例」という。 と。 三定率又は定額をもつて明確に定められていること。 四特定の使用者に対し不当な差別的取扱をするものでないこと。 加東市下水道条例(平成18年条例第162号。以下「下水道条例」という。)(甲2)2条(定義)この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。 給水装置水道法第3条第9項に規定する給水装置をいう。 19条(使用料の徴収)1項市長は,公共下水道の使用について,使用者から使用料を徴収する。 2項使用料は,規則で定める方法により使用者から徴収する。 20条(使用料の算定方法)1項使用料の額は,毎使用月において使用者が排除した汚水の量に応じ,別表に定めるところにより算定した月額に100分の108を乗じて得た額とする。この場合において,1円未満の端数が生じたときは,その端数金額を切り捨てるものとする。 2項使用者が排除した汚水の量の算定は,次に定めるところによる。 水道水を使用した場合は,水道の使用水量とする。ただし,2以上 の使用者が給水装置を共同で使用している場合等においてそれぞれの使用者の使用水量を確知することができないときは,それぞれの使用者の使用態様を勘案して市長が認定する。 別表〔別紙の「下水道条例別表(抄)」)のとおりであり,定額の基本料金と,汚水排除量が5㎥を超えた部分(1㎥ごと)によって算定される従量料金によって成り,従量料金は,汚水排除料が多いほど単価が増額する料金体系となっている。〕 3 前提事実(当事者間に争いがないか,掲記の証拠等により,容易に認められる事実)当事者等ア加東市(被告)は,水道法,地方公営企業法及び加東市給水条例に基づく水道事業者かつ下水道法,下水道条例に基づく公共下水道管理者として,同市内に公共上下水 容易に認められる事実)当事者等ア加東市(被告)は,水道法,地方公営企業法及び加東市給水条例に基づく水道事業者かつ下水道法,下水道条例に基づく公共下水道管理者として,同市内に公共上下水道を提供している普通地方公共団体である(争いがない。)。 市長は,被告の水道事業の管理者である(甲3,4)。 イ原告は,昭和53年に国立大学として開学し,加東市内の「山国地区」と「下久米地区」と称する地区において,大学,付属幼稚園・小中学校,職員宿舎などを設置・運営している国立大学法人である(争いがない。以下,原告の下久米地区の施設を「下久米施設」といい,山国地区の施設を「山国施設」といい,山国施設のうち職員宿舎1号棟ないし9号等を「本件宿舎」といい,それ以外を「大学施設」という。)。 ウ本件宿舎は,各棟16戸ないし32戸(合計184戸)の独立した居室を備え,原告の職員等の住居として用いられている(甲6の2及び弁論の全趣旨。以下,本件宿舎の居住者を「宿舎居住者」という。)。 本件宿舎における上下水道の利用の概要ア被告は,昭和53年の原告開学以降,本件宿舎に上水道の提供を開始し, 以後,所定の量の給水をしている(争いがない。以下,本件宿舎に係る給水契約を「本件給水契約」という。なお,本件給水契約の当事者(使用者)が原告か宿舎居住者のいずれかは争点となっている。)。 イ原告ないし宿舎居住者は,平成5年頃,山国地区ないし本件宿舎の公共下水道の使用を開始し,以後,公共下水道へ汚水を排出している(乙17及び弁論の全趣旨。なお,本件宿舎に係る汚水の排出者(公共下水道の使用者)が原告か宿舎居住者のいずれかは争点となっている)。 本件宿舎の上下水道設備の概要ア被告の給水管から本件各宿舎までの給水管の分岐系統図は,別紙「山国地 係る汚水の排出者(公共下水道の使用者)が原告か宿舎居住者のいずれかは争点となっている)。 本件宿舎の上下水道設備の概要ア被告の給水管から本件各宿舎までの給水管の分岐系統図は,別紙「山国地区給水系統図」(甲6の2)のとおりである。同図によれば,山国施設には市の給水管が2本あり,それぞれに市が設置した75㎜口径のメーター(以下,「本件公設メーター」という。)が設置されている。そして,各給水管が更に分岐し,本件宿舎その他の山国施設(その受水槽)に接続されている。(甲6の1ないし3及び弁論の全趣旨)イ本件宿舎には,戸別に水栓・排水等の装置が設置され,前記アのとおり給水管が接続された受水槽の先(各戸側)に,戸別に20㎜以下の口径の私設メーター(以下「本件個別メーター」という。)が設置されている(甲6の2,甲7及び弁論の全趣旨)。 本件宿舎における上下水道の利用状況,料金支払状況ア原告ないし宿舎居住者は,上水道については昭和62年以降,下水道については平成5年以降,平成26年3月まで,本件宿舎に係る上下水道を利用・排水し,被告に対し,以下の算定・徴収方法(以下「旧算定方法」という。)により,各利用料金を支払った(なお,昭和53年の原告開学後の上水道の給水開始以降昭和62年までは,後記ウの新算定方法と同一の算定・徴収方法であった。)。 被告が,山国地区の原告の施設で使用された総水量を本件公設メーター で検針し,本件宿舎の自治会に報告する。 本件宿舎の自治会が,各住戸の使用量を本件個別メーターで検針し,前記た上,以下のとおり,各住戸の上下水道料金に係る数値を算定し,被告に報告する。 a 水道料金については,配分された水量を給水条例の定める料金表のうち20㎜以下口径メーターの区分の料金体系で算定した数値b 下 おり,各住戸の上下水道料金に係る数値を算定し,被告に報告する。 a 水道料金については,配分された水量を給水条例の定める料金表のうち20㎜以下口径メーターの区分の料金体系で算定した数値b 下水道料金については,配分された水量を基に基本使用料と従量使用料を算定した数値被告が,前記治会長」という。)に対し,上下水道料金の納入通知書を送付する。 自治会長が,前記納入通知書に基づく上下水道料金を本件宿舎の居住者から回収し,被告が自治会長名義の口座から各料金相当額を引き落して徴収する。 (争いがない。)なお,被告は,山国施設に係る上下水道料金について,本件宿舎分と大学施設分とを分けて納入通知書を発行し,大学施設分は原告(法人)を名宛人として発行し,原告の総務部財務課宛てに送付していた(甲38の1,2,甲49の1ないし3)。 イ被告は,平成23年以降平成26年3月まで,本件宿舎を含む山国地区の上下水道料金について,旧算定方法が給水条例及び下水道条例に基づかない特殊な算定方法であり,これを条例に適合させたいとして,原告に対の方針を採り得る旨の意向を伝えた。 75㎜口径メーターの区分の料金体系を適用した算定方法(後記ウの新算定方法)を用いる(この場合,旧算定方法よりも上下水道料金が増加することとなる。)。 上下水道料金を旧算定方法と同額にするため,本件給水契約の当事者(使用者)及び下水道使用者を宿舎居住者とすることとし,給水条例34条1項所定の加入分担金(試算額約3570万円)を支払う。 前記本件給水契約の当事者(使用者)及び下水道使用者を宿舎居住者とすることとし,上下水道料金を旧算定方法と同額にしつつ,原告が支払うべき加入分担金の額を,戸数とメーター口径の観点から軽減する。 ウ被告は,平成2 者(使用者)及び下水道使用者を宿舎居住者とすることとし,上下水道料金を旧算定方法と同額にしつつ,原告が支払うべき加入分担金の額を,戸数とメーター口径の観点から軽減する。 ウ被告は,平成26年6月,同年3月31日から5月30日まで利用分の本件宿舎に係る上下水道料金について,以下の算定方法(以下「新算定方法」という。)により算定した納入通知書を送付して上水道料金を請求し,同様の下水道使用料を賦課する旨の納入通知処分をし,以後,別紙「下水道料金納入通知処分等一覧表」に記載のとおり,同様の上水道料金の請求及び下水道使用料の納入通知処分を行った。 (新算定方法) 本件公設メーターで検針した使用水量を基に,給水条例の75㎜口径メーターの区分の料金体系により,本件宿舎に係る上下水道料金を算定する方法(争いがない。以下,平成26年3月31日から平成27年11月30日までの期間を「本件水道利用期間」といい,同期間に使用した分に係る上水道料金を「本件上水道料金」といい,同様の下水道使用料を「本件下水道料金」といい,両者を合わせて「本件上下水道料金」という。また,本件下水道料金に係る各納入通知処分を「本件納入通知処分」という。)原告は,被告に対し,旧算定方法によって算定した本件上下水道料金(別紙「下水道料金納入通知処分等一覧表」の「原告支払額充当額」欄に記載の金額の合計額)を支払った(争いがない。)。 被告は,別紙「下水道料金納入通知処分等一覧表」の「原告支払額充 当額」欄に記載のとおり,原告から支払を受けた前記定方法によって算定した本件下水道料金に充当し,残額を同様の本件上水道料金に充当したと主張し,原告に対し,充当後の本件上水道料金残金及びこれに対する遅延損害金の請求(本件上水道料金請求)をしている(当裁判所に顕著な事実 本件下水道料金に充当し,残額を同様の本件上水道料金に充当したと主張し,原告に対し,充当後の本件上水道料金残金及びこれに対する遅延損害金の請求(本件上水道料金請求)をしている(当裁判所に顕著な事実)。 原告の審査請求及び訴えの提起ア原告は,平成26年7月9日以降,本件各納入通知処分につき,審査請求を行ったのに対し,被告は,各審査請求を棄却する旨の決定をした(争いがない。)。 イ原告は,平成27年3月20日,本件納入通知処分の取消請求等に係る訴えを提起した(当裁判所に顕著な事実)。 4 争点本件上水道料金請求に関する争点ア争点1(本件給水契約の当事者)イ争点2(本件合意の有無)ウ争点3(本件合意の効力)エ争点4(共用給水装置により給水が行われる場合の使用水量の認定)オ争点5(地方自治法及び水道法違反の有無)カ争点6(権利濫用の有無)本件取消請求(下水道料金)に関する争点ア争点1(原告の下水道使用料の納入義務)イ争点2(下水道料金の算定方法)ウ争点3(下水道条例20条2項1号ただし書の適用該当性及びその効果内容(本件宿舎の下水道使用料につき,「それぞれの使用者の使用水量を確知することができないとき」で,各使用者の使用水量を「市長が認定する」場合(下水道条例20条2項1号ただし書)に当たり,旧算定方法に より市長が認定すべきか。))エ争点4(地方自治法及び下水道法違反の有無)オ争点5(裁量逸脱,裁量権濫用の有無)本件確認請求(加入分担金)に関する争点ア争点1(確認の利益の有無)イ争点2(加入分担金の発生原因事実の有無1(給水条例34条3項))ウ争点3(加入分担金の発生原因事実の有無2(給水条例34条2項柱書)) 5 争点に関する当事者の 1(確認の利益の有無)イ争点2(加入分担金の発生原因事実の有無1(給水条例34条3項))ウ争点3(加入分担金の発生原因事実の有無2(給水条例34条2項柱書)) 5 争点に関する当事者の主張本件上水道料金請求に関する争点ア争点1(本件給水契約の当事者)について(被告の主張)水道料金は,水道の「使用者」から徴収すべきところ(給水条例24条1項),本件では,水道料金を原告から徴収している(宿舎居住者から徴収しているわけではない)以上,水道の「使用者」は原告である。 また,本件のように,公設メーターが,各戸には存在せず,受水槽の手前に1個だけ存在する場合は,契約者(使用者)は,原告となる。 よって,上水道の「使用者」及び「契約者」は,原告である。 この点,原告の主張対する反論は,以下のとおりである。 すなわち,納入通知書(甲38,甲49)における「兵庫教育大学職員宿舎自治会長」との記載は,あくまで「大学施設分」とは区別された「職員宿舎分」という意味合いでしかなく,個々の居住者を意味するものではない。 かかる納入通知書を分けて発行することは,事務処理上原告からの要望によるものであり,宛名についても原告の指定に基づいて作成さ れている。同様に,原告の「下久米地区」の施設においては,原告からの要望により,納入通知書の「使用者」として,「国立大学法人兵庫教育大学様」,「兵庫教育大学教育研究支援部学生支援課長(学生寄宿舎)様」,「兵庫教育大学教育研究支援部学生支援課長(国際交流会館)様」の3つに区別して発行しているが(乙24の1~3),75㎜口径の基準により一括で算定している。 また,振替口座は,使用者が指定するものであり,振替口座と水道料金の算定方法とは,何ら関係ない。 b括弧書について 行しているが(乙24の1~3),75㎜口径の基準により一括で算定している。 また,振替口座は,使用者が指定するものであり,振替口座と水道料金の算定方法とは,何ら関係ない。 b括弧書については,そもそも本件給水契約は原告による単独使用の契約であるため,複数使用者の存在を前提とする「共用給水装置によって水道を使用する」場合についての給水条例24条2項の適用はない。 なお,上水道の「契約者」が原告であることは,原告自身が当初認めていた(甲17の1・1頁,2頁,4頁)。また,原告は,契約者がいずれであるかといった議論は,本件における適法な料金算定の方法の問題とは関係がないなどとの主張もしており,原告の主張は一貫しない。 (原告の主張)法令の定め全国の給水条例において,水道使用料の支払義務者とされる「使用者」とは,現実に水道を使用する者をいう。 給水条例も,水道料金の支払義務者を「使用者」とし,もって,現実に水道を使用する者が水道料金の支払義務を負うものと定める(同条例24条1項)。 本件宿舎の水道使用の実態等a 本件宿舎における水道の使用は,大学施設における水道の使用とは 全く別個に,宿舎居住者らによって,その各戸ごとに完全に独立して行われており,宿舎居住者が現実に水道を使用している。 したがって,本件宿舎における水道の「使用者」は,宿舎居住者であり,原告は本件宿舎における水道の「使用者」に該当しない。 b 従前から平成26年4月までの山国地区の上下水道料金の賦課請の事実から,本件宿舎における水道の「使用者」及び本件給水契約の当事者は原告ではなく,宿舎居住者であり,加東市もその旨を明確に認識していたこと,本件給水契約の合理的解釈としても,本件給水契約の当事者は原告ではなく,宿舎居住者であると解釈され 及び本件給水契約の当事者は原告ではなく,宿舎居住者であり,加東市もその旨を明確に認識していたこと,本件給水契約の合理的解釈としても,本件給水契約の当事者は原告ではなく,宿舎居住者であると解釈されるべきであることが明らかである。 被告が,山国地区の上下水道料金のうち,大学施設分の納入通知書と本件宿舎分の納入通知書を,それぞれ別に発行していたこと(甲38の1ないし2,甲49の1ないし3)。 前記の納入通知書上,水道の契約者を示す「使用者」の記載について,市が大学施設分については「国立大学法人兵庫教育大学(以下略)」との法人名称を記載し,「使用者」を国立大学法人である原告と特定して記載していたのに対し,本件宿舎分については,前記法人名の記載をせず,「使用者」が原告ではないことを明確にしていたこと(前記同証拠)。 かかる事実から,山国地区における上下水道の「使用者」を特定する市の関係書類,及び電子計算機上のデータ等にも,本件宿舎における上下水道の「使用者」が原告ではないことが明記されていたことが明らかであること。 被告が,大学施設分については前記の納入通知書を原告(総務部財務課)に送付し,上下水道料金を原告から徴収していたのに対し,本件宿舎分についてはこれと別途,前記の納入通知書を本件宿 舎に送付し,職員宿舎自治会が本件宿舎の各戸から当該戸の上下水道料金として集金した金員が入金された,職員宿舎自治会名義の銀行預金口座からの引落により徴収していたこと(甲39の1,2)。したがって,被告は本件宿舎の上下水道料金を,原告ではなく,本件宿舎の各戸の居住者らから徴収しており,各戸の居住者が自らの負担において上下水道料金を支払っていたこと。 なお,原告は,現在までに行った事実関係の詳細の調査及びこれに基づく法的評価の精査の結果に 件宿舎の各戸の居住者らから徴収しており,各戸の居住者が自らの負担において上下水道料金を支払っていたこと。 なお,原告は,現在までに行った事実関係の詳細の調査及びこれに基づく法的評価の精査の結果に基づき,前記のとおり主張するものである。 結論 よって,原告は本件宿舎における水道の「使用者」及び「契約者」に該当しない以上,原則として,原告は被告に対し,本件宿舎の水道料金の支払義務を負わない。 (ただし,給水条例24条2項は,「共用給水装置によって水道を使用する者は,料金の納入について連帯債務を負う」と規定する。 よって,被告が,原告は本件宿舎の各戸の居住者との間で「共用給水装置によって水道を使用する者」に該当するとして,専ら同条例の前記規定の適用の結果として,本件宿舎の水道料金について,本件宿舎の各戸の居住者とともに連帯債務を負うと主張する場合は,原告はこれを争うものではない。)イ争点2(本件合意の有無)について(原告の主張)原告,職員宿舎自治会及び宿舎居住者(以下,併せて「原告ら」という。)と市は,昭和62年頃,本件宿舎の水道料金に関し,「各戸のメーターの読みを届け」,「宿舎全員に対して最も安い水道料金表により計算」する方法(甲50の1の7頁ないし11頁),すなわち, 本件宿舎の全戸について,職員宿舎自治会が本件個別メーターを計量したうえ,その結果をとりまとめて被告に報告した本件宿舎の各戸ごとの使用水量に,給水条例上の給水管の最小の口径の料金を適用する方法によって算定することについて協議を行い,同年12月末日までに,山国地区の水道料金を旧算定方法により算定するとの合意(以下「本件合意」という。)をした(甲37の1,甲37の2,甲50の1,甲50の2)。 よって,市は,本件合意に基づき,本件宿舎の上水道 でに,山国地区の水道料金を旧算定方法により算定するとの合意(以下「本件合意」という。)をした(甲37の1,甲37の2,甲50の1,甲50の2)。 よって,市は,本件合意に基づき,本件宿舎の上水道料金を旧算定方法に基づいて算定する義務を負う。 なお,本件合意は,水道課長通知(甲12。以下「本件通達」という。)所定の「当事者間の契約」としての性質のほか,後述する給水条例所定の「共用給水装置により給水が行われる場合の使用水量の認定」に関し,使用水量の認定の具体的方法を定めた合意としての性質を有する。 全国の地方自治体の実務上,本件通達所定の「当事者間の契約」,及び「給水に共用給水装置が使用される場合の使用水量の認定」の手続に関する合意は,水道の使用者ら,ないしその代表とされる者(「総代人」,「管理人」等)が水道事業管理者に対し,簡単な内容の申請を行い,水道事業管理者がこれを事実上受理するといった簡易な方法で締結されており(甲29参照),かかる合意の締結にあたって「合意書」等の作成は必要ない。 本件合意について,その法的効力を排除するような特別な約定は何らされていないことに加えて,本件合意の成立経緯,すなわち被告(旧社町)の幹部職員(町三役),水道事業の責任者(水道事業所長),及び関係部署の担当者らと原告らが行った会議において,同町の首長であったA町長自らが原告らに対し,本件宿舎の水道料金を 各戸毎に戸別計算することを了承する旨を明確に表明した経緯,及び本件合意の成立後,同町ないし市が約30年間にわたり,本件宿舎の水道料金を,本件合意所定の手続及び内容で請求し,徴収してきた事実(前記)からも,本件合意が,市がこれを遵守する義務を負うことを前提として正式に締結された法的合意であることは明らかである。 (被告の主張) 件合意所定の手続及び内容で請求し,徴収してきた事実(前記)からも,本件合意が,市がこれを遵守する義務を負うことを前提として正式に締結された法的合意であることは明らかである。 (被告の主張)厳格な手続が要求される地方公共団体である被告が合意書等を作成せずに水道料金について条例の例外措置としての特別な合意を結ぶことは考えられないため,本件合意は存在しない。 この点,旧滝野町長とa区長との間で,自衛隊宿舎に関し,平成13年に,上下水道料金の算定方法につき条例の例外措置としての特別な合意を結んだ際には,覚書を締結している(乙25)。 職員宿舎役員会議事録(甲50の1)及び会員宛通知文書(甲50の2)記載の内容の正確性は何ら担保されておらず,一方当事者による内部的な記録をもって,対外的に本件合意が成立したということはできない。 また,仮に,これら職員宿舎役員会議事録等に記載されている内容が事実であったとしても,同内容は,職員宿舎からの要望を受けて,水道料金低減の手法として,旧社町が提案した事実上の措置がとられることが示されているにすぎず,本件合意が成立したことを立証するものではない。 ウ争点3(本件合意の効力)について(被告の主張)給水契約は付合契約であるところ(乙19・239頁),条例に反して無制限に当事者が合意内容を決められるわけではない。仮に本件 合意が成立していたとしても,条例(給水条例18条1項,24条1項,26条1項,下水道条例19条1項,20条2項1号)に反する本件合意は当然に無効である。 また,本件合意が無期限に存続するという解釈は明らかに不合理な解釈と言わざるを得ない。すなわち,給水契約が付合契約又は付従契約である以上,その合意の存続期間については,社会情勢等に応じて,水道事業者側におい 合意が無期限に存続するという解釈は明らかに不合理な解釈と言わざるを得ない。すなわち,給水契約が付合契約又は付従契約である以上,その合意の存続期間については,社会情勢等に応じて,水道事業者側においてコントロールできてしかるべきである。この点,旧滝野町長とa区長との間の,自衛隊宿舎に関する平成13年の合意においても,「期間」について,「甲(滝野町水道事業管理者)が必要と認める期間」と規定されており(乙25・第3条),合意の存続期間について,水道事業者側でコントロールできる内容となっている。 なお,水道課長通知(甲12)は,共同住宅に関し,旧算定方法と同様の水道料金の戸別計算を行うことが適法かつ可能であることを明らかにしているものではない。同通知は,共同住宅の場合で,「共同住宅の設置者または,管理者から要望があった場合」,個別に公設子メーターを設置して,個別契約をすべきことを内容としている。この点,営業業務マニュアル(乙7)においても,共同住宅各戸に子メーターを設置して同子メーターを基準に水道料金を算定する場合,それが管理者(加東市)が設置する市の公設メーターであることを前提としている(乙7・8頁,150頁,151頁)。 (原告の主張)水道契約がその一面において「付合契約」としての性質を有するとの講学上の解釈は,水道の供給条件のうち料金体系などの定型的事項の一部については,供給規程すなわち給水条例の定めるところによるべきであるとするものにとどまり,かかる供給規程の下での具体的 な水道料金の算定方法等については,民事法の一般原則に基づき,水道事業者と水道使用者等との間の「当事者間の契約」によって決定することが可能である。 水道法の主務官庁である厚生労働省(旧厚生省)が発出した本件通達も,給水条例と同様の全国の地方自 に基づき,水道事業者と水道使用者等との間の「当事者間の契約」によって決定することが可能である。 水道法の主務官庁である厚生労働省(旧厚生省)が発出した本件通達も,給水条例と同様の全国の地方自治体の一般的な給水条例の規定を前提に,共同住宅について「当事者間の契約」を締結する方法で旧算定方法と同様の水道料金の戸別計算を行うべきであることを,全国の水道事業者たる地方自治体に周知指導し,もって,共同住宅に関し,本件合意と同様の「当事者間の契約」を締結し,旧算定方法と同様の水道料金の戸別計算を行うことが適法かつ可能であることを明らかにしている。 よって,水道事業者が,共同住宅における水道使用者,ないし給水に共用給水装置が使用される住宅等における水道使用者との間で,本件合意のような水道料金の戸別計算及び個別徴収に関する合意を締結し,もってこれらの住宅における水道料金をその各戸ごとに計算し,徴収することは,給水契約がその一面において付合契約としての性質を有すると否とを問わず,何ら差し支えなく,適法である。 給水条例は,水道料金の算定にあたり,使用水量を私設メーターによって計量することを認める(同条例18条1項ただし書)ほか,同条例の「共用給水装置」及び「給水に共用給水装置が用いられる場合の使用水量の認定」に関する規定(同条例4条1項2号,27条1項3号)は,給水に共用給水装置が使用される住宅等において水道料金を各戸毎に算定し徴収することを認めていることから,本件合意は何ら給水条例に違反しない。 なお,そもそも付合契約(附合契約)とは,契約の締結にあたり,契約内容は原則として一方当事者が定める約款等の内容により定め るものとされる契約であるが,当該当事者が具体的事情に鑑み,これと別異の内容の契約に応じて契約を締結することは 約の締結にあたり,契約内容は原則として一方当事者が定める約款等の内容により定め るものとされる契約であるが,当該当事者が具体的事情に鑑み,これと別異の内容の契約に応じて契約を締結することは何ら差し支えなく,その場合,当該当事者も自ら締結に応じた契約の内容に拘束され,当該当事者がこれを一方的に破棄するようなことは許されない。 付合契約とは,当該契約の約款の定型的事項の規定に一定の拘束力が認められる契約類型であり,付合契約の内容の変更にあたっては,少なくとも正当な手続による有効な約款の改正が必要であるところ,本件における被告による本件合意の適用の停止は,給水契約の約款に相当する給水条例の改正によるものでさえない以上,これを,有効な付合契約の内容の変更によるものと解する余地はない。 被告は,付合契約とは,一方当事者が約款の改正等さえ必要とせず,その内容をその恣意により,何時にても,またどのような内容にでも変更することが可能な契約であるかのように主張するものであるが,そのような付合契約の解釈は全くの誤りである。 したがって,本件合意は適法であり,有効である。 エ争点4(共用給水装置により給水が行われる場合の使用水量の認定)について(被告の主張)本件給水契約の当事者は原告であり,使用者が原告単独である以上,上水道料金の算定については,「市の水道メーター」(給水条例18条1項)により計量した使用水量をもって算定すれば足りるのであって(同26条1項),複数の使用者が存在することを想定した同27条3号の適用の余地はない。 (原告の主張)給水条例の定め給水条例27条1項3号は,「共用給水装置により,水道を使用す るとき」には,水道事業管理者(市長)は,共用給水装置により水道を使用する各戸(世帯)の使用水量を の主張)給水条例の定め給水条例27条1項3号は,「共用給水装置により,水道を使用す るとき」には,水道事業管理者(市長)は,共用給水装置により水道を使用する各戸(世帯)の使用水量を認定するものと定める。 山国地区の給水装置について本件における山国地区の給水装置は,大学施設と本件宿舎の各戸が共用する給水装置であり(甲6の2),「給水装置」のうち「2戸(世帯)又は2箇所以上で共用するもの」,すなわち「共用給水装置」(給水条例4条1項2号)に該当する。 使用水量の認定義務よって,被告は,山国地区の水道料金の算定にあたり,大学施設及び本件宿舎の各戸の使用水量を認定する義務を負う。 使用水量の認定の方法本件合意の一環として,原告らと被告は,職員宿舎自治会が被告に「各戸のメータの読みを届け」ることによって「計算」する方法(甲50の1の7頁~11頁),すなわち,職員宿舎自治会が本件個別メーターを計量した結果を被告に報告し,かかる報告の内容に基づき,被告が大学施設及び本件宿舎の各戸の使用水量を認定する方法で,給水条例27条1項3号所定の使用水量の認定を行うことを約した。 結論 よって,本件において被告は,大学施設及び本件宿舎の各戸の使用水量をそれぞれ認定したうえ,認定した使用水量に基づき,それぞれの水道料金を算定する義務,すなわち,山国地区の上下水道料金を旧算定方法に基づいて算定する義務を負う。 オ争点5(地方自治法及び水道法違反の有無)について(原告の主張)関係法令の定め 地方自治法244条3項は,地方自治体が公の施設の利用等に関し,住民等に対して不当な差別的取扱いを行うことを禁止し,これを受けて,水道法14条1項及び2項は,水道事業者である地方自治体がその住民等に請求する水道料金が 項は,地方自治体が公の施設の利用等に関し,住民等に対して不当な差別的取扱いを行うことを禁止し,これを受けて,水道法14条1項及び2項は,水道事業者である地方自治体がその住民等に請求する水道料金が「公正妥当」なものであることを求め,かつ,地方自治体が水道料金に関し,「特定の者に対して不当な差別的取扱い」を行うことを禁止する。 新算定方法が法令に反すること新算定方法は,共同住宅及び共用給水装置により給水が行われる住宅における水道料金の算定方法として,本質的に合理性を欠き,かつ料金逓増法の趣旨に反するものである。 新算定方法の前記の本質的な不合理性及び料金逓増法への背反に加えて,かかる料金算定方法の不当性を是正することを目的とする規定である本件通達及び同通達に基づく本件合意に基づき,また同じ目的の規定である「共用給水装置により給水が行われる場合の使用水量の認定」に関する規定に基づき,旧算定方法が適用されてきた状況の下で,被告が平成26年6月以降,一方的に新算定方法を適用したことは,不当な水道料金の請求及び水道料金に関する不当な差別的取扱いに該当し,地方自治法及び水道法の前記規定に反し,違法である。 旧算定方法が「特定の使用者に対する不当な差別的取扱い」に該当しないことa 旧算定方法は給水条例に合致し,適法かつ正当な水道料金の算定方法であって,何ら「特定の使用者に対する不当な差別的取扱い」に該当しない(前記アないしエの各原告の主張)。 b 被告が平成23年ころ,「料金の適正化」のために自衛隊宿舎の上下水道料金の算定方法を旧算定方法と同一の算定方法に変更し た経緯,及び,被告がこれに関し,陸上自衛隊ないし自衛隊宿舎側から加入分担金を徴収しなかった経緯からも,旧算定方法は給水条例に合致し,適法かつ正当であって,何ら「 法と同一の算定方法に変更し た経緯,及び,被告がこれに関し,陸上自衛隊ないし自衛隊宿舎側から加入分担金を徴収しなかった経緯からも,旧算定方法は給水条例に合致し,適法かつ正当であって,何ら「特定の使用者に対する不当な差別的取扱い」に該当する違法なものではないことは明らかである。 (被告の主張)本件給水契約の契約者は原告であるところ,被告が原告に対して給水義務を負っているのは,職員宿舎の受水槽までであるから,受水槽手前に設置した75㎜口径の公設メーターを基に算出する新算定方法が,地方自治法,水道法及び給水条例(給水条例18条1項,24条1項,26条1項)に適う。むしろ,旧算定方法は,公設メーターではない私設メーターを基に各戸ごとに算出を行う方法であり,条例の根拠に基づかずに特定の住民のみ特別の内容(実質減額)で水道契約を締結することとなり,「特定の使用者に対する不当な差別的取扱い」(水道法14条2項4号)に該当し,違法である。 平成23年に変更した自衛隊宿舎の水道料金算定方法は,公設子メーターを設置した条例に基づく個別請求であり,公設子メーターを設置せず,条例に基づかない旧算定方法とは決定的に異なる。 また,自衛隊宿舎における平成23年の変更は,条例に基づく個別請求への変更及び条例に基づく加入分担金の免除措置(給水条例36条)であって,条例に基づく適法・正当な変更・減免措置であるが,かかる減免措置から,旧算定方法の条例適合性などは導かれない。 また,原告と被告との間で,本件宿舎のほか,「下久米地区」(大学の校舎,関連施設,学生宿舎)に関して,本件と同様に,旧算定方法から新算定方法に変更する協議を行っていたところ,「下久米地区」については,原告が平成24年4月使用分から新算定方法に変更 することにつき了承し ,学生宿舎)に関して,本件と同様に,旧算定方法から新算定方法に変更する協議を行っていたところ,「下久米地区」については,原告が平成24年4月使用分から新算定方法に変更 することにつき了承したのであり(乙3),原告の態度は,宿舎間で一貫しない。 原告は,他の住宅との間の水道料金の負担の公平化,住宅間での水道料金の格差の解消を持ち出して旧算定方法の不当性を主張するが,被告内において,給水契約に基づき公設親メーターを設置し,かつ,集合住宅管理者が私設子メーターを設置している共同住宅の水道料金の算定については,給水契約に基づき公設親メーターを基準として計量算定しており,旧算定方法のように私設子メーターを基準として計量算定している請求実態は存在しない(乙27)のであり,前記原告の主張が妥当でないことは明らかである。 カ争点6(権利濫用の有無)について(原告の主張)以下の理由により,被告の原告に対する平成26年6月以降の水道料金の請求は,権利濫用(民法1条3項)に該当し,違法かつ無効である。 前提事情a 本件合意の成立,旧算定方法の適用,及びその目的,効果本件宿舎の上下水道料金の算定方法に関し,被告は,地方自治法,上下水道法,給水条例,下水道条例及び本件通達に基づき,被告の給水区域内における本件宿舎と他の住宅(戸建住宅等)との間の上下水道料金の負担の公平化,及びこれらの住宅間での上下水道料金の負担の格差の解消を目的として,原告らとの間で,旧算定方法を適用することを約する内容の合意,すなわち本件合意を成立させた(前記イ,ウの各原告の主張)。 以後,被告は本件宿舎の上下水道料金の算定方法として,本件合意に基づく確立された正式な制度的運用として,約30年弱の長期にわたり,旧算定方法を適用してきた(同上)。 の各原告の主張)。 以後,被告は本件宿舎の上下水道料金の算定方法として,本件合意に基づく確立された正式な制度的運用として,約30年弱の長期にわたり,旧算定方法を適用してきた(同上)。 本件合意及び旧算定方法の適用の結果は,前記の本件合意の目的のとおり,被告の給水区域内における本件宿舎と他の住宅との間の上下水道料金の負担の公平化,及びこれらの住宅間での上下水道料金の負担の格差の解消を帰結するものであり,これによって本件宿舎に賦課請求される上下水道料金の金額は,全く公正かつ妥当なものである(前記オの原告の主張)。 b 新算定方法の問題これに対し,新算定方法は,共同住宅の上下水道料金の算定方法として本質的に合理性を欠き,料金逓増制の趣旨に反する内容の不合理な算定方法である(前記オの原告の主張)。 よって,被告の給水区域内の共同住宅の上下水道料金の算定にあたり,新算定方法を適用する場合,必然的に,当該共同住宅の上下水道料金について,加東市内の他の住宅との公平を欠いた著しく高額な上下水道料金の賦課請求がなされる結果が帰結される(同上)。 c 自衛隊宿舎に関する被告の対応前記の新算定方法の問題に鑑み,被告(旧滝野町)は従前,自衛隊宿舎の上下水道料金の算定方法に関し,被告の給水区域内における自衛隊宿舎と他の住宅との間の上下水道料金の負担の公平化,及びこれらの住宅間での上下水道料金の格差の解消の目的の下で,a区長との間で覚書を締結する方法により,新算定方法を適用せず,旧算定方法に類似する内容の算定方法を適用してきた(前記第オの原告の主張,甲55,甲56,乙25)。 さらに,被告は平成23年,かかる算定方法により算定される自衛隊宿舎の従前の上下水道料金も,必然的に自衛隊宿舎の各戸の使用水量に見合った額を大きく上回る 原告の主張,甲55,甲56,乙25)。 さらに,被告は平成23年,かかる算定方法により算定される自衛隊宿舎の従前の上下水道料金も,必然的に自衛隊宿舎の各戸の使用水量に見合った額を大きく上回る結果となることに鑑み,前記と同一の目的の下で,被告が自衛隊宿舎の各戸に公設メーター を設置し,以後,かかる公設メーターの検針及びメーターの設置・交換等の業務を被告が行うものとしたうえ,被告と自衛隊宿舎の各戸との間で「個別契約」を締結するとの手続を実施する方法による上下水道料金の戸別計算・個別徴収の手続を開始し,もって,自衛隊宿舎の上下水道料金の算定に関し,旧算定方法と同一の算定方法の適用を開始した(同上)。 前記の自衛隊宿舎の水道料金の算定方法の変更に関し,被告は,自衛隊宿舎の居住者ら,及び自衛隊宿舎を設置する防衛省陸上自衛隊などの自衛隊宿舎側に対し,加入分担金の請求をしなかった(同上)。 d 本件宿舎に関する被告の対応本件宿舎の上下水道料金の算定について,被告は,本来,自衛隊宿舎と同一の取扱い(前記)を実施するべきであり,これが可能であることを認めつつ,かかる自衛隊宿舎と同一の取扱いへの変更にあたっては加入分担金の支払が条件となるなどとして,原告に対して加入分担金の支払を要求し(甲26),かかる要求に原告が応じないことを理由に,一方的に旧算定方法の適用を中止し,新算定方法の適用を開始した。 これに関し,被告は,原告が旧算定方法による特殊料金の維持に固執していたのに対し,被告は新算定方法による賦課以外の解決案を示したり,和解による解決の道を探したりするなどの努力をしてきたと主張するが,争う。確かに,被告は,平成23年から平成26年3月までに,原告に対し,加入分担金の額の減額の可能性があるなどという提案をしてきたことは よる解決の道を探したりするなどの努力をしてきたと主張するが,争う。確かに,被告は,平成23年から平成26年3月までに,原告に対し,加入分担金の額の減額の可能性があるなどという提案をしてきたことはあるが,そもそも,原告には加入分担金を支払う義務はないし,加入分担金に関する被告の条例解釈が誤っていたからそのような提案がされたというべきであって, 前記提案をもって,「解決案」,「和解案」などと評価することはできないというべきである。 評価a 本件において,本件合意の目的である本件宿舎と他の住宅との間の上下水道料金の負担の公平化,及びこれらの住宅間の負担の格差の解消等の必要性は,従前と何ら変わりなく,継続して認められる。 b 被告が平成26年6月以降,本件宿舎に新算定方法を適用したことによって,本件宿舎に関し,他の住宅との間での上下水道料金の負担の公平化,及びこれらの住宅間の負担の格差の解消等の必要性に反する内容の不当に高額な上下水道料金の賦課請求が行われている。 c 被告が本件宿舎の上下水道料金の算定に関し,本件合意を一方的に破棄するかたちで旧算定方法の適用を中止するにあたり,ほかに,本件合意の目的である本件宿舎と他の住宅との間の上下水道料金の負担の公平化,及びこれらの住宅間での上下水道料金の料金の格差の解消のための適切な措置を講じた事実もない(同上)。 d 旧算定方法の適用を中止して新算定方法の適用を開始した被告の行為は,加入分担金の納入義務の発生要件に関する給水条例の規定の誤った解釈に基づくものであり,かかる行為には正当な理由が欠如する。 e 本件宿舎の上下水道料金の算定に関する被告の前記の対応,及びこれと,上下水道の使用及び上下水道料金の算定に関する利益状況が本件宿舎と全く同一である自衛隊宿舎との間での被告の 理由が欠如する。 e 本件宿舎の上下水道料金の算定に関する被告の前記の対応,及びこれと,上下水道の使用及び上下水道料金の算定に関する利益状況が本件宿舎と全く同一である自衛隊宿舎との間での被告の対応の相違(前記)に関し,共同住宅の居住者に対する公正かつ妥当な上下水道料金の算定及び賦課請求(地方自治法244条3項,水道法14条1項及び2項,下水道法20条2項)の観点で斟酌可 能な合理的区別は全く存在せず,被告からも,かかる合理的区別の理由に該当する事情の主張立証はない。 よって,かかる対応の相違は,地方自治体を含む行政機関の行政上の行為一般を規律する規範である平等原則(憲法14条,地方自治法225条以下,行政事件訴訟法30条等)への違反に該当し,地方自治体の住民に対する恣意的な差別に該当する。 結論 したがって,本件宿舎の上下水道料金の算定にあたり,旧算定方法の適用を一方的に中止し,新算定方法の適用を開始した被告の行為は,本件契約の一方当事者であり,地方自治体の水道事業者である被告による権利濫用に該当する(民法1条3項)。 (被告の主張)新算定方法は,公設メーターによる料金算定・徴収を行うという給水契約・条例に基づいた正当な算定方法であり,むしろ他の住宅との公平が実現される。この点,被告内において,給水契約に基づき公設親メーターを設置し,かつ,集合住宅管理者が私設子メーターを設置している共同住宅の水道料金については,公設親メーターを基準として計量算定しており,私設子メーターを基準として計量算定している請求実態は存在しないことは前述のとおりである。 また,被告と原告は,平成23年10月から上下水道料金の賦課内容につき原告と協議を重ね,下久米施設の上水道料金については,平成24年4月から,給水条例に基づく算定 ないことは前述のとおりである。 また,被告と原告は,平成23年10月から上下水道料金の賦課内容につき原告と協議を重ね,下久米施設の上水道料金については,平成24年4月から,給水条例に基づく算定,請求を行うことについて合意に至った。また,被告は,平成26年3月までは,旧算定方法による特殊料金の維持に固執する原告に対し,和解案として,各戸に公設子メーターを設置することによって,旧算定方法と同様の料金を維持するという,原告の要望に沿う解決案を提示していた。また,平成 26年3月以降は,公設子メーターを設置した際にかかる加入分担金の金額についても,戸数とメーター口径の観点から軽減の余地がある旨の解決案を提示し,和解による解決の道を探す努力をしてきたものである。 しかし,山国施設の上下水道料金については,協議を始めた平成23年から3年を経過してもなお結論が出なかった。そこで,被告は,原告に対し,平成26年3月27日付け予告文書を手渡した上で,平成26年6月以降の請求をしたものである。 したがって,原告は,被告の請求内容を従前より承知していたものであって,被告が一方的に算定方法を変更したものではない。 原告は,被告が平成23年10月から平成26年3月までの協議において提示した案は,加入分担金に関する誤った条例解釈を前提としたものであるから,「和解案」,「解決案」とは評価できないなどと主張するが,否認ないし争う。 自衛隊宿舎については,平成23年に,各戸に公設子メーターを設置し,個別契約に基づく,20㎜以下口径を基準とした個別請求(条例,本件通達(甲12)に従った請求)に切り替えたのであり,この点で本件宿舎の場合と決定的に異なる。また,自衛隊宿舎の個別請求移行にかかる加入分担金については,個別請求移行までの納付総額,まちづ 条例,本件通達(甲12)に従った請求)に切り替えたのであり,この点で本件宿舎の場合と決定的に異なる。また,自衛隊宿舎の個別請求移行にかかる加入分担金については,個別請求移行までの納付総額,まちづくりへの貢献度,災害対策支援等を総合的に政策判断し,給水条例36条に基づいて,免除したものである。 よって,合理的区別の十分な理由が存する。 本件取消請求(下水道料金)に関する争点ア争点1(原告の下水道使用料の納入義務)について(被告の主張) 下水道使用料についても宿舎居住者からではなく,原告から徴収している以上,原告が使用者であることは,上水道の場合と同様である。 (原告の主張)下水道条例の定め全国の下水道条例において,下水道使用料の賦課の相手方及び納入義務者とされる「使用者」とは,現実に下水道に下水を排出して下水道を使用する者をいう。 下水道条例も,下水道使用料の賦課の相手方及び納入義務者を「使用者」とし,現実に下水道に下水を排出して下水道を使用する者を,下水道使用料の賦課の相手方及び納入義務者とすると定める(同条例2条1項13号)。 本件宿舎の下水道使用の実態等a 本件宿舎における被告の公共下水道の使用は,大学施設における被告の公共下水道の使用とは全く別個に,宿舎居住者らによって,その各戸ごとに完全に独立して行われており,宿舎居住者らが現実に下水道に下水を排出して,被告の公共下水道を利用している。 よって,本件において原告は,本件宿舎における下水道の「使用者」に該当しない。 b また,前記の事実から,本件宿舎における下水道の「使用者」は原告ではなく,本件宿舎の各戸の居住者であり,被告もその旨を明確に認識していたことが明らかである。 c さらに,水道料金と異なり,下水道使用料については,下水 ,本件宿舎における下水道の「使用者」は原告ではなく,本件宿舎の各戸の居住者であり,被告もその旨を明確に認識していたことが明らかである。 c さらに,水道料金と異なり,下水道使用料については,下水道条例上,下水道の「使用者」以外の者が,下水道の「使用者」との間で下水道使用料の納入について連帯責任を負う旨を定める規定はない。 結論 よって,原告は,被告に対し,本件宿舎の下水道使用料の納入義務を 負わない。 イ争点2(下水道料金の算定方法)について(被告の主張)後記原告の主張のうち,下水道使用料の算定は「水道の使用水量」を基準に計算されるという一般論の限りで争いはないが,2段落目以降のあてはめ部分については,下水道使用料が,各戸ごとに算定されるという原告の主張を前提としているので争う。 下水道料金の条例に基づいた正しい算定方法は,新算定方法である。 (原告の主張)下水道条例は,下水道使用料を汚水の排除量に応じて算定するものと定める(20条1項)ところ,同条例は,給水に水道が使用される場合には,汚水の排除量は「水道の使用水量とする」として,給水条例所定の「水道の使用水量」を汚水の排除量とみなすことを定める(同条2項1号本文)。 よって,給水に水道が使用され,給水条例上,水道の使用水量が各戸ごとに計量ないし認定される場合,下水道条例上も,当然,これによって計量ないし認定された各戸ごとの水道の使用水量が,汚水の排除量とみなされる。 したがって,本件宿舎の下水道使用料は,当然,前記のとおり計量ないし認定された各戸の水道の使用水量を汚水の排除量とみなし,これに下水道条例別表記載の使用料を各戸ごとに適用して算定される。 ウ争点3(下水道条例20条2項1号ただし書の適用該当性及びその効果内容(本件宿舎の下水道使用料につ 水量を汚水の排除量とみなし,これに下水道条例別表記載の使用料を各戸ごとに適用して算定される。 ウ争点3(下水道条例20条2項1号ただし書の適用該当性及びその効果内容(本件宿舎の下水道使用料につき,「それぞれの使用者の使用水量を確知することができないとき」で,各使用者の使用水量を「市長が認定する」場合(下水道条例20条2項1号ただし書)に当たり,旧算定方法により市長が認定すべきか。))について(原告の主張) 下水道条例20条2項1号ただし書の適用該当性下水道条例は,給水に共用給水装置が使用される場合で,使用水量を確知できないときは,被告の下水道事業管理者である市長が「使用水量」を「認定する」と定める(同条例20条2項1号ただし書)。 前記規定の「使用水量を確知することができないとき」とは,市長が各戸の使用水量を直接に公設メーターにより計量する場合以外を指す。 本件宿舎における給水には共用給水装置が使用され,かつ,本件宿舎の各戸の使用水量が私設メーター(本件個別メーター)により計量されることから,市長が本件宿舎の各戸の使用水量を直接に公設メーターにより計量する場合以外に該当する。 よって,本件宿舎の下水道使用料については,下水道条例の前記規定が適用される場合に当たる(甲14の1,2参照)。 使用水量の認定は旧算定方法によることa 下水道条例20条2項1号ただし書は,各使用者の使用水量を確知できない場合に,被告市長が「使用水量」を「認定する」と定める。 よって,本件において市長は,同条例の前記規定に基づき,本件宿舎の使用水量を各戸ごとに認定することを要する。 そして,同条例の前記規定は,かかる使用水量の認定の実施について,市長に裁量の余地を認めていない。 そうすると,本件宿舎の下水道使用料の算定にあたり,市 使用水量を各戸ごとに認定することを要する。 そして,同条例の前記規定は,かかる使用水量の認定の実施について,市長に裁量の余地を認めていない。 そうすると,本件宿舎の下水道使用料の算定にあたり,市長は,本件宿舎の各戸ごとに認定された使用水量を汚水の排除量として,これに同条例別表記載の使用料を適用し,もって,下水道使用料を本件宿舎の各戸ごとに算定する義務を負う。 b 平成5年頃,山国地区の下水道が被告の公共下水道に接続され,山国地区の各施設において被告の公共下水道の使用が開始された。その際,原告らと被告との間で,山国地区の下水道使用料を旧算定方法に 基づいて算定するとの明示又は黙示の合意(以下「本件下水道合意」という。)が成立した。 本件下水道合意が成立した事実は,山国地区において被告の公共下水道の使用が開始された以後,被告が下水道使用料についても,新算定方法のような算定方法を適用することなく,水道料金と全く同様に,当初から旧算定方法に基づいて算定してきた事実(甲37の2,甲38の1ないし2,甲39の1ないし2,甲49の1ないし3)から,明らかである。 (被告の主張)上水道の場合と同様,「使用者」は原告単独であるところ,下水道使用料の算定については,下水道条例20条2項1号柱書が適用されるのみで,複数の使用者が存在することを想定した同号ただし書の適用の余地はない。 エ争点4(地方自治法及び下水道法違反の有無)について(原告の主張)地方自治法244条3項は,地方自治体が公の施設の利用等に関し,住民等に対して不当な差別的取扱いを行うことを禁止し,これを受けて下水道法20条2項は,下水道使用料に関し,下水道管理者が「特定の使用者に対し不当な差別的取扱い」を行うことを禁止する。 新算定方法は,共同住宅及び共用給水装 取扱いを行うことを禁止し,これを受けて下水道法20条2項は,下水道使用料に関し,下水道管理者が「特定の使用者に対し不当な差別的取扱い」を行うことを禁止する。 新算定方法は,共同住宅及び共用給水装置により給水が行われる住宅における下水道使用料の算定方法として,本質的に合理性を欠き,かつ料金逓増法の趣旨に反するものである。 また,かかる料金算定方法の不当性を是正することを目的とする規定である下水道条例の下水の排出量の認定に関する規定,及び共用給水装置により給水が行われる場合の使用水量の認定に関する規定(同条例20条2項1号)に基づき,また,本件下水道合意に基づき,旧算定方法が適用されてきた状況の下で,被告が平成26年6月以降,一方的に新 算定方法を適用したことは,不当な下水道使用料の賦課及び下水道使用料に関する不当な差別的取扱いに該当し,地方自治法及び下水道法の前記規定に違反し,違法である。 旧算定方法は,下水道条例に基づき,適法,合理的かつ正当な料金の算定方法であって,何ら「特定の使用者に対する不当な差別的取扱い」に該当する違法なものではない(ウの各原告の主張)。 (被告の主張)下水道使用料の算定は「水道の使用水量」を基準に計算されるため(下水道条例20条2項1号本文),上水道料金の算定方法が下水道使用料の算定にも反映される。そのため,で述べた点がここでもあてはまり,旧算定方法は,条例の根拠に基づかずに特定の住民のみ特別の内容(実質減額)で下水道使用料を賦課することとなり,「特定の使用者に対する不当な差別的取扱い」(下水道法20条2項4号)に該当し,違法である。 オ争点5(裁量逸脱,裁量権濫用の有無)について(原告の主張)以下の理由により,被告の原告に対する平成26年6月以降の下水道使用料の賦課は, 水道法20条2項4号)に該当し,違法である。 オ争点5(裁量逸脱,裁量権濫用の有無)について(原告の主張)以下の理由により,被告の原告に対する平成26年6月以降の下水道使用料の賦課は,裁量逸脱,裁量権濫用(行政事件訴訟法30条)に該当し,違法かつ無効である。 前提事情前記を引用する。 評価前記を引用する。 結論 よって,被告の原告に対する平成26年6月以降の下水道使用料の 賦課は,地方自治体である被告の行政行為上の裁量逸脱,裁量権濫用に該当する(行政事件訴訟法30条)。 (被告の主張)前記 本件確認請求(加入分担金)に関する争点ア争点1(確認の利益の有無)について(原告の主張)本件における加入分担金債務は未発生の条件付き債務と解されるところ,その債務不存在確認請求は,以下のとおり,確認対象の適格性及び即時確定の利益を有し,確認の利益が認められる。 確認対象の適格性債務不存在確認請求においては,対象となる債権の現在の発生の有無を問わず,「現在の権利又は法律関係」について,確認対象の適格性が認められる(最高裁判所平成11年1月21日第一小法廷判決・民集53巻1号1頁参照)。 被告は,山国地区の上下水道料金について旧算定法を適用する場合,「法的には新たな給水契約を締結したこととなり」,原告が「新たに給水を受けようとする者」に該当することから,原告は加入分担金を支払う義務を負うものであり,原告が加入分担金の支払に応じない以上,山国地区の上下水道料金について旧算定法を適用することはできないとして,原告が山国地区の上下水道料金について旧算定法の適用を申し入れたことに対し,原告の加入分担金の支払義務を抗弁として主張し,もって,原告と被告の間の現在の権利又は法律関係について,原 できないとして,原告が山国地区の上下水道料金について旧算定法の適用を申し入れたことに対し,原告の加入分担金の支払義務を抗弁として主張し,もって,原告と被告の間の現在の権利又は法律関係について,原告と被告との間で争いが生じているものである。 よって,本件における原告の加入分担金の支払義務の有無にかかる争いは「現在の権利又は法律関係」に関する争いであり,かかる争いに 関する原告の債務不存在確認請求は,確認対象の適格性を有する。 即時確定の利益a 未発生の金銭債務などの権利義務関係について当事者間で争いがあり,その不存在が確認されることによって,原告の法律上の地位に生じている不安ないし危険が除去される場合,当該権利義務関係の不存在の確認を求める訴えは,即時確定の利益を有する。 b 被告は,山国地区の上下水道料金に旧算定方法を適用する場合,原告が被告との間で職員宿舎の各戸の水道について個別契約を締結することとなるので,原告が加入分担金を支払う義務を負うと主張し,これについて原告被告間で全面的な争いが生じている。 かかる被告の主張は,加入分担金の支払義務の存否をめぐる原告の法律上の地位に,現に著しい不安及び危険を生じさせているところ,本件訴訟において,本件宿舎の上下水道料金に旧算定法を適用する場合,給水条例所定の加入分担金の徴収事由が発生するとの被告の主張に理由がなく,原告が加入分担金の支払義務を負わないことが判決によって確認されれば,加入分担金の支払義務をめぐって原告の法律上の地位に現に生じている前記の著しい不安及び危険は除去される。 よって,本件における加入分担金債務の不存在確認請求は即時確定の利益を有する。 (被告の主張)現時点では,原告が給水条例34条に規定するいずれの対象者にも該当しないため,そもそも加入 る。 よって,本件における加入分担金債務の不存在確認請求は即時確定の利益を有する。 (被告の主張)現時点では,原告が給水条例34条に規定するいずれの対象者にも該当しないため,そもそも加入分担金が発生しない。 前記最高裁判決は,賃貸借終了後,建物明渡しの際に,被担保債権を控除のうえ残額につき発生するという条件付き権利という性質を有している敷金返還請求権について,特別に現在の権利又は法律関係であると判 断したものである。かかる条件付き権利という性質を持つ敷金返還請求権は,潜在的に将来その存否が争われることが予定されている権利である(賃貸借契約は将来必ず終了する)。これに対し,本件の加入分担金の存否は,将来その存否が争われることが予定された条件付き権利ではない。 すなわち,将来,原告に加入分担金支払義務が発生する場合としては,原告から個別契約の意思表示に基づき,被告が各戸に公設メーターを設置して各戸との個別契約に切り替えた場合であるが,これは「賃貸借契約終了」のように将来自動的に必ず発生する事態ではなく,全くもって不確定な想定である。ましてや,本訴訟において,旧算定方法か新算定方法かどちらが正しい算定方法かが争われているところ,本訴訟の結果がいずれであっても,将来的に加入分担金が問題となる余地はない。よって,本件の加入分担金の存否は,将来その存否が争われることが予定された条件付き権利ではなく,典型的な将来債権であるところ,前記最高裁判決の射程は及ばない。 そもそも,加入分担金については,交渉段階において,原告が旧算定方法から新算定方法への是正を拒否したことから,被告が原告に対し,原告に有利な解決案として,各戸との個別契約への切り替えをして加入分担金を徴収するという案を持ち出したにすぎず,これを殊更取り上げることは許 新算定方法への是正を拒否したことから,被告が原告に対し,原告に有利な解決案として,各戸との個別契約への切り替えをして加入分担金を徴収するという案を持ち出したにすぎず,これを殊更取り上げることは許されない。 以上,原告には,加入分担金支払債務の不存在を求める確認の利益は存しない。 イ争点2(加入分担金の発生原因事実の有無1(給水条例34条3項))について(被告の主張)被告としては,原告において,加入分担金支払債務の不存在を求める 確認の利益が認められないため,これ以上の議論を展開する必要はない(本来,加入分担金の発生原因事実の有無は争点とすべきではない)と考えるが,仮に,被告が,将来的に各戸に公設メーターを設置して各戸との個別契約を締結した場合を想定すると,給水条例34条3項該当性の事実は,以下のとおりである。 すなわち,給水条例第34条第3項は,受水槽を設置している集合住宅等において,新たにその受水槽及びこれに直結する給水用具から給水を受ける者は,加入分担金を支払う必要があることを定めたものである。 同項にいう「直結する給水用具」とは,給水管に容易に取り外しのできない構造として接続し,有圧のまま給水できる給水栓等の用具のことを指し(乙4),本件宿舎については,受水槽が設置されており,同受水槽に直結する給水栓を通して,各戸に給水されていることから,「受水槽及びこれに直結する給水用具から・・・給水を受けようとする」場合に該当する。 そして,被告が本件給水契約によって負っていた給水義務は,75㎜口径メーターを通して受水槽まで給水を行うことに留まっており,本件宿舎各戸にメーターを設置した場合には,これまで75㎜口径メーターを通して給水していたところが,20㎜以下口径のメーターを通した給水に変わることになり,各 水槽まで給水を行うことに留まっており,本件宿舎各戸にメーターを設置した場合には,これまで75㎜口径メーターを通して給水していたところが,20㎜以下口径のメーターを通した給水に変わることになり,各戸個別の給水契約が締結できる環境となる。 そうすると,法的には新たな給水契約を締結したこととなり,新たな契約に基づいて給水を受ける各戸については,「新たに給水を受けようとする者」に該当する。 水道事業の経営は,地方公営企業法第17条の2第2項の規定に基づき,基本的に水道料金などの収入でまかなわれているところ,多額の費用をかけて水道施設の整備・拡充をする必要があり,その費用の負担 を公平にするために徴収されるのが加入分担金である(乙11)。すなわち,加入分担金には,単に水道の新規需要に伴う水量の増加のみならず,水道事業者が行う各種事業の増大にかかる費用の負担も含むものである。本件宿舎が個別契約に切り替わることに伴い,被告は,本件宿舎の各戸からの水道使用に伴う給水の申し込みを受け付け,各戸の水量の認定及び料金算定を行ったうえで,各戸への料金請求を行い,滞納者に対しては,水道料金の回収業務を行う等,事務手続が大幅に増大するなど,その事務手続の増大に伴う負担を当然原告も負担する必要がある。このように加入分担金の趣旨に鑑みても,本件宿舎を個別契約に切り替えることにより,加入分担金が発生する。 この点,共同住宅において,受水槽までに公設メーターを設置した後に,各戸に公設メーターを新設する場合に加入分担金の徴収をしないということになれば,当初から各戸に公設メーターを設置した場合には各戸数の加入分担金を負担しなければならないにもかかわらず,この場合と比較して,不当な差別的取扱い(水道法第14条第2項第4号)を行うこととなり,許されない。 (原 公設メーターを設置した場合には各戸数の加入分担金を負担しなければならないにもかかわらず,この場合と比較して,不当な差別的取扱い(水道法第14条第2項第4号)を行うこととなり,許されない。 (原告の主張)「受水槽及びこれに直結する給水用具」とは「受水槽及びこれに直結する給水用具」とは,給水装置に受水槽が設置されている場合の当該受水槽,並びに当該受水槽の下流に設置され,個々の使用者の住戸(室)に水道水を供給する水道管及び水栓(蛇口)等の用具を指す。 「新たに給水を受けようとする」場合とは「新たに給水を受けようとする」場合とは,既に給水装置,受水槽及びこれに直結する給水用具が設置され,これらの設備により給水を受ける住戸(室)が存在する敷地内において,建物の新築,ないし既存の建 物の増築,増室等が行われ,かつ,これに伴い,増加した住戸(室)に対し,受水槽以下に新たに給水用具を設置して当該住戸(室)に水道を引き込む工事が行われ,当該住戸(室)への給水が開始され,もって,それまで給水を受けていなかった住戸(室)に対し,新規に給水が開始される場合をさす。 原告の「新たに給水を受けようとする者」の該当性a 本件においては,本件宿舎の上下水道料金について旧算定方法が適用されても,以後も,本件宿舎の既存の給水装置や給水用具を用いて,既存の水道の「使用者」,すなわち本件宿舎の各戸の現在の居住者に対し,従前と全く同様の給水が行われるにすぎない。 これに関し,本件宿舎の敷地内において建物の新築,増築,増室等が行われたり,増加した住戸(室)に対し,受水槽以下に新たに給水用具を設置して当該住戸(室)に水道を引き込む工事が行われ,当該住戸(室)への給水が開始されたりし,もって,それまで給水を受けていなかった住戸(室)に対し,新規に 室)に対し,受水槽以下に新たに給水用具を設置して当該住戸(室)に水道を引き込む工事が行われ,当該住戸(室)への給水が開始されたりし,もって,それまで給水を受けていなかった住戸(室)に対し,新規に給水が開始されるような状況は,およそ生じ得ない。 よって,本件に関し,「新たに給水を受けようとする者」が生じるようなことはあり得ず,これに関し,原告が「新たに給水を受けようとする者」に該当するようなことも,あり得ない。 被告の解釈によれば,マンション等において入居者(使用者)が交代する度に,被告は新たな入居者から加入分担金を徴収できることになるが,そのような解釈が到底採用し得ないことは自明である。 b 被告は,山国地区の上下水道料金について旧算定方法を適用する場合,「法的には新たな給水契約を締結したこととなり」,「原告」が「新たに給水を受けようとする者」に該当することから,原告が加入分担金を支払う義務を負うと主張するが,かかる主張は,明らかに 給水条例の前記規定の解釈(前記)を誤ったものである。 c 我が国の水道事業において,供給規程所定の水道料金(基本料金及び従量使用料)の額の算定にあたり,広く採用され,被告も採用する原価方式(総括原価方式)の下では,水道使用者の各戸の公設メーターの設置・交換の費用,及び検針,水道料金の算定,請求,徴収等の事務費用を総括原価のうち需要家費として,水道料金の原価に含めて水道料金を計算する(乙6の2頁)。 よって,本件宿舎に関し,旧算定方法に基づいて算定され,納付されてきた水道料金には,本件宿舎の各戸の公設メーターの設置・交換の費用のほか,検針,水道料金の算定,請求,徴収等の事務費用が既に含まれているものである。 被告は,本件宿舎について,前記の各戸の公設メーターの設置・交換の費用のほか,検 公設メーターの設置・交換の費用のほか,検針,水道料金の算定,請求,徴収等の事務費用が既に含まれているものである。 被告は,本件宿舎について,前記の各戸の公設メーターの設置・交換の費用のほか,検針,水道料金の算定,請求,徴収等の事務費用の発生を理由に加入分担金の徴収が正当であると主張するものであるが,かかる主張は前記の水道料金の計算方法に矛盾し,水道の原価の二重徴収に該当するものであって,明らかに不合理かつ不当である。 d よって,本件において原告が「新たに給水を受けようとする者」に該当することはない。 ウ争点3(加入分担金の発生原因事実の有無2(給水条例34条2項柱書))(被告の主張)仮に,被告が,将来的に各戸に公設メーターを設置して各戸との個別契約を締結した場合を想定すると,給水条例34条2項該当性の事実は,以下のとおりである。 すなわち,各戸との個別契約となった場合,新たに公設の子メーターを各戸に設置しなければならないところ,公設のメーターは「給水装 置」(給水条例34条1項,2項)に該当することから(乙4・96頁),原告は,「共同住宅に設置する給水装置の新設工事・・・の申込者」(同条2項)に該当する。 (原告の主張)給水条例34条2項の趣旨及び定義a 水道事業に関する加入分担金制度は,地方自治法224条及び同法228条1項の規定に基づき,水道の新規需要が発生した場合には,水道事業者においてこれによる水需要の増大に対応すべく,水道施設の拡張(新規水源の開発,配水施設の拡張整備等)及びそのための設備投資を行う必要があることに鑑み,水道の新規需要の発生及びこれによる水需要の増大を端的に表す特定の事象を,同法所定の分担金の徴収要件である特定の「事件」として,かかる特定の事件を発生させ,これによっ 資を行う必要があることに鑑み,水道の新規需要の発生及びこれによる水需要の増大を端的に表す特定の事象を,同法所定の分担金の徴収要件である特定の「事件」として,かかる特定の事件を発生させ,これによって特に利益を得る水道の新規使用者に対し,一定の金銭的負担を求めるものである(甲16-p272以下参照)。 b 給水条例34条2項は,前記の特定の「事件」として,「給水装置」の「新設工事」を規定する。 c 同条例同条同項の「給水装置」の「新設工事」とは,その規定趣旨(前記a)及び規定文言(前記b)から,水道事業者の配水管(本管)からの導出管から敷地や建物内に引き込まれる配管等に至る給水装置全体を新たに設置する工事が行われ,もって,それまで給水がなされていなかった敷地や建物等に水道が導入され,新規給水が開始される場合を指す。 「給水装置」の「新設工事」非該当性a メーターは,給水装置に専ら計量のために取り付けられる,給水装置とは別個の機器であって(千葉地裁平成19年9月28日判決参照),給水条例34条2項所定の「給水装置」に該当しない。 なお,専ら水道の安全及び衛生の保持の観点から,水道法16条及び同法同条の下位法令所定の給水装置の構造及び材質に関する規制を,メーターの構造および材質についても適用ないし準用すべきであるとの一部の論者による水道法の解釈論は,地方自治法所定の分担金の発生要件に関する経済的な観点からの規定である加入分担金に関する給水条例34条2項の解釈とは何らの関係もない。 b 職員宿舎の各戸のメーターのみを取り替えることが,給水装置の「新設工事」(前記)に該当すると解する余地はない(最高裁判所平成27年5月19日第三小法廷判決参照)うえ,この場合には新規給水は開始されず,水道の新規需要およびこれによる水需要の が,給水装置の「新設工事」(前記)に該当すると解する余地はない(最高裁判所平成27年5月19日第三小法廷判決参照)うえ,この場合には新規給水は開始されず,水道の新規需要およびこれによる水需要の増大は何ら発生しない以上,かかる事由を加入分担金の徴収事由とするような解釈は,地方自治法及び給水条例の規定の前記の規定文言及び規定趣旨(前記イのないし)を完全に逸脱するものであって,およそ採用し得ない。 c よって,本件において,給水条例34条2項所定の加入分担金の徴収事由である「給水装置」の「新設工事」が発生することはない。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実本件通達(「共同住宅における水道について」(昭和38年環水第36号。各都道府県水道主管部(局)長あて厚生省環境衛生局水道課長通知)の内容の要旨「地方公共団体,日本住宅公団等の共同住宅においては,一般に共同住宅の設置者が,水道の施設を設置し,市町村の水道事業者から分水を受けて,共同住宅の各居住者に給水しているが,この場合,市町村の水道事業者の料金徴収については,共同住宅の水道の親メーターの水量に応じた料金を徴収する。 の各方法が行われている。 しかし,これらの共同住宅は,一般の事務所関係のビル等と異なり,実質的には,一般の個別住宅と変わるところがなく,また,水道事業と同一性格の公益事業である電気,ガス事業も同一事業として個別的に供給,料金徴収を行っているので,共同住宅の設置者または,管理者から要望があった場合においては,当事者間の契約により次の便宜的措置をとることが実態に即して望ましいと考えられるので,この旨関係市町村に対し,周知指導を図られたい。 一市町村の水道事業者は,共同住宅の水道についても,その個々の居住者を供給対象とみなして,一般水道 ることが実態に即して望ましいと考えられるので,この旨関係市町村に対し,周知指導を図られたい。 一市町村の水道事業者は,共同住宅の水道についても,その個々の居住者を供給対象とみなして,一般水道事業の受給者に対すると同様の取扱をすること。 すなわち,メーターの検針,料金の徴収は,共同住宅の設置者を対象とせず,個々の居住者を対象とすること。 〔二略〕三一の取扱を行う共同住宅については,共同住宅の設置者がその水道施設および給水装置を施工する際に水道事業者が,設計,施工の監督を行いうるものとするほか,給水装置の立ち入り検査が行いうる等,一般の給水装置に準じた取扱ができるよう当事者間において契約することが望ましい。」(甲12)被告と自衛隊宿舎との間の水道供給契約被告は,平成13年10月1日より前,兵庫県滝野町(現在の被告)滝野町a区にある官舎(陸上自衛隊青野ヶ原駐屯地に隣接するもの。以下「本件自衛隊宿舎」という。)について,a区長との間で,水道供給契約を締結して給水をした。本件自衛隊宿舎の汚水は,公共下水道へ排出さ れていた。本件自衛隊宿舎に設置されていたメーターの口径は75㎜口径であり,当時の被告の条例によれば,水道使用料金は,基本水量を超える使用水量が30㎥までは220円/㎥,31㎥から50㎥までは240円/㎥などと,使用水量に応じて段階的に増加することとなっていた。 しかし,兵庫県内には,小野市にも自衛隊宿舎があり,当時の小野市の条例に基づく水道料金は,被告の条例に基づくそれよりも安価であるため,本件自衛隊宿舎と小野市の自衛隊宿舎との間で,水道料金に差が生じていた。 そこで,被告とa区長は,平成13年10月1日,兵庫県小野市及び一般需要者との料金格差をなくすことを目的として,料金を減免することとし, と小野市の自衛隊宿舎との間で,水道料金に差が生じていた。 そこで,被告とa区長は,平成13年10月1日,兵庫県小野市及び一般需要者との料金格差をなくすことを目的として,料金を減免することとし,基本水量を超える使用水量は一律に1㎥当たり220円(及び消費税相当額)とし,合意の存続期間を被告が必要と認める期間までとする旨の合意をし,合意を証する文書として覚書(以下「本件覚書」という。)を作成した。 (甲54,乙25,26)その後,本件自衛隊宿舎に係る水道料金は,本件覚書に従って算定されていた一方,下水道使用料については,75㎜口径メーターを基準とした料金体系が採用されていたため,個別の居住者が負担する下水道使用料が,著しく高額となる状況となった。そこで,被告は,平成23年頃,本件自衛隊宿舎の個別の居住者との間で水道供給契約を締結することとし,公設の個別メーター(20㎜口径)を新設し,同メーターにより被告の職員が使用水量・排水量を検針し,これを基準に上下水道使用料金を算出し,個別の居住者から料金を徴収することとなった。 このように,本件自衛隊宿舎に係る水道供給契約は,平成23年頃,被告と個別の居住者との間の個別契約に切り替わり,公設の個別メーターが新設されたので,申込者である個別の居住者は,給水条例34条によ り,加入分担金を納入する義務を負うこととなった。しかし,被告は,個別メーター設置前の下水道使用料が,長期に渡り,水道使用量に見合う下水道使用料を大きく上回る状況となっていたことを考慮し,加入分担金納付義務を免除し,その徴収をしなかった。 (甲55,56及び弁論の全趣旨)被告市内の集合住宅における上下水道料金の請求実態被告市内に存在する集合住宅のうち,被告が公設親メーターを設置し,かつ,集合住宅管理者が私設 をしなかった。 (甲55,56及び弁論の全趣旨)被告市内の集合住宅における上下水道料金の請求実態被告市内に存在する集合住宅のうち,被告が公設親メーターを設置し,かつ,集合住宅管理者が私設子メーターを設置している住宅の上下水道料金の請求実態について,被告職員が平成29年6月9日を基準時として調査したところによると,そのような住宅においては,公設親メーターを基準とした使用水量及び汚水の排除量の計量・算定がされ,給水契約者(使用者)である集合住宅管理者に上下水道料金の請求がされており,私設子メーターを基準とした計量・算定がされていることはなかった(乙27)。 2 本件上水道料金請求についての判断請求原因ア請求原因及びこれに対する認否の骨子被告は,本件上水道料金請求に関し,請求原因として,昭和53年の原告開学以降,原告との間で本件給水契約を締結し,本件宿舎に上水道の提供を開始し,以後,別紙「下水道料金納入通知処分等一覧表」の「使用期間」欄記載の期間(本件水道利用期間),所定の量の給水をしたものであり,水道料金の計算方法は新算定方法によるべきものであると主張する。 これに対し,原告は,本件給水契約の当事者が原告であることを否認し(争点1),水道料金についても,水道を使用する本件宿舎の各戸別の使用水量を前提として計算すべきであるなどと主張している(争点4,5)。 イ争点1(本件給水契約の当事者)について 水道事業者と水道の使用者との間の水道使用に関する法律関係は,水道事業者が水道により常時水を供給する義務を負い,使用者がこの給付に対して料金の支払義務を負うことを内容とする,給水契約(水道法15条1項参照)によって規律されるものである。また,同項及び給水条例15条によれば,給水契約は,需要者(使用者)の申込 用者がこの給付に対して料金の支払義務を負うことを内容とする,給水契約(水道法15条1項参照)によって規律されるものである。また,同項及び給水条例15条によれば,給水契約は,需要者(使用者)の申込みと水道事業者の承諾によって締結されるものとされているのであるから,この申込みをした者が,給水契約の当事者(使用者)となるというべきである。 以上の観点から,本件給水契約の当事者(使用者)が誰か検討する。 開始以降昭和62年までは,新算定方法と同一の算定・徴収方法,すなわち,原告を当事者(使用者)とする給水契約が締結されていたことが認められる。 前提事実本件宿舎の上下水道の利用料金は,上水道の供給が開始された昭和62年ないし下水道の使用が開始された平成5年から平成26年3月まで,旧算定方法によることとされ,被告が設置した本件公設メーターの数値によって本件宿舎の使用総水量が把握され,自治会長の報告によって本件宿舎の上下水道の使用料金が算定される方法によっていたものと認められる。他方で,宿舎居住者は,原告の職員であるから,本件水道利用期間中,その変動があったことを容易に推認することができるところ,そのような変動があった際はもちろん,上下水道の供給ないし使用が開始された当初においても,被告と本件宿舎の職員との間で,上水道利用契約の申込みが個別にされた形跡は見当たらない。 これらの事実関係によれば,本件給水契約の当事者(使用者)は,本件宿舎の管理者である原告と認めることができ,被告と職員宿舎の居 住者との間で戸別に給水契約が締結されていたと認めることはできない。 原告は,水道使用料の支払義務者とされる「使用者」とは,現実に)。 しかし,本件給水契約のように,独立した複数の居室を備えた建築物に関する給水契約の場合,契約の いたと認めることはできない。 原告は,水道使用料の支払義務者とされる「使用者」とは,現実に)。 しかし,本件給水契約のように,独立した複数の居室を備えた建築物に関する給水契約の場合,契約の当事者(使用者)は,当該居室の居住者(ないし世帯)別とすることも,当該建築物の管理者等1名とすることも考えられるものであるし,建築物の用途ないし性質によっては,現実に水道を使用する者が不特定多数となる場合もあるところ,そのような場合に不特定多数の者との間に当然に契約関係が成立するのは不合理というべきであり,契約の成立に「申込み」を要求する法の趣旨にも合致しないというべきである。 b また,原告は,①被告が,山国地区の上下水道料金のうち,大学施設分の納入通知書と本件宿舎分の納入通知書を,それぞれ別に発行していたこと,②前記納入通知書上,水道の契約者を示す「使用者」の記載について,被告が大学施設分については「国立大学法人兵庫教育大学(以下略)」との法人名称を記載し,「使用者」を国立大学法人である原告と特定して記載していたのに対し,本件宿舎分については,前記法人名の記載をせず,「使用者」が原告ではないことを明確にしていたこと,③被告が,大学施設分については前記の納入通知書を原告(総務部財務課)に送付し,上下水道料金を原告から徴収していたのに対し,本件宿舎分についてはこれと別途,前記の納入通知書を本件宿舎に送付し,職員宿舎自治会が本件宿舎の各戸から当該戸の上下水道料金として集金した金員が入金された,職員宿舎自治会名義の銀行預金口座からの引落により徴収していたことから,本件給水契約の当事者は,宿舎居住者であると主張する b)。 しかし,被告が,大学施設分の上下水道料金については,使用者を原告とする納入通知書を発行して原告に送付していたの ていたことから,本件給水契約の当事者は,宿舎居住者であると主張する b)。 しかし,被告が,大学施設分の上下水道料金については,使用者を原告とする納入通知書を発行して原告に送付していたのに対し,本件宿舎分のそれについては異なる取扱いをしていたとしても,原被告間の便宜のためにそのような取扱いをしたとも考えられるのであるから,その事実のみをもって,本件宿舎の居住者が本件宿舎の当事者であると直ちに認定することはできない。 c 原告の前記主張は,いずれも採用することができない。 ウ争点4(共用給水装置により給水が行われる場合の使用水量の認定)について 本件給水契約の当事者(使用者)は原告と認められる。したがって,その上水道料金の算定は,本件条例25条,26条1項により,被告が設置した本件公設メーターを定例日に検針して計量した使用水量に従い,本件条例別表第1により算定した基本料金と従量料金との合計額に100分の108を乗じて得た額となる。 本件宿舎に上水道の提供を開始し,以後,所定の量の給水をしているところ,この給水量に従い,本件条例別表第1によって算定した本件水道利用期間の本件宿舎に係る上水道料金が,別紙「下水道料金納入通知処分等一覧表」の「上水道料金」の欄に各記載のとおりであることについては,当事者間に争いがない。 これに対し,原告は,山国地区の給水装置は「共用給水装置」(給水条例4条1項2号)に該当するので,被告は,給水条例27条3号により,山国地区の水道料金の算定にあたり,大学施設及び本件宿舎の各戸の使用水量を認定する義務を負うから,本件合意の一環として,本件個別メーターの計量結果に係る本件宿舎の自治会の報告に基づき, 本件宿舎の各戸の使用水量を認定するべきであると主張する。 しかし,給水条例によれば る義務を負うから,本件合意の一環として,本件個別メーターの計量結果に係る本件宿舎の自治会の報告に基づき, 本件宿舎の各戸の使用水量を認定するべきであると主張する。 しかし,給水条例によれば,「共用給水装置」とは,2戸(世帯)又は2箇所以上で共用する給水装置のことをいい(4条2号),「給水装置」とは,需要者に水を供給するために水道事業管理者の施設した配水管から分岐して設けられた給水管及びこれに直結する給水用具をいう,本件給水契約の当事者(使用者)は原告と認められるから,本件宿舎に関する給水装置も,原告が単独で専用するものと評価するべきである。 よって,原告の前記主張は,前提を欠き,採用することができない。 抗弁(本件合意)ア抗弁の骨子原告は,原被告は,昭和62年12月末日までに,山国地区の水道料金を旧算定方法により算定するとの合意(本件合意)をしたから,新算定方法に基づいてする本件水道料金請求には理由がないと主張し,被告は,本件合意の存在を否認している(争点2)。 イ争点2(本件合意の有無)についての判断 した昭和53年頃,給水契約を締結し,水道使用料について,同年から昭和62年までは,新算定方法と同一の算定・徴収方法(被告の主張によれば,給水条例に従った算定・徴収方法である。)によることとしていたが,本件宿舎に上水道の供給が開始された昭和62年ないし下水道の使用が開始された平成5年から平成26年3月までは,旧算定方法による算定・徴収方法によることとしていたものと認められる。このように,被告は,従来は給水条例に従って水道使用料を算定・徴収していたのに,昭和62年から,給水条例とは異なる旧算定方法による取扱いへと変更し,以後,平成26年までの25年間以上にわたり,その取扱い を継続したものである。し って水道使用料を算定・徴収していたのに,昭和62年から,給水条例とは異なる旧算定方法による取扱いへと変更し,以後,平成26年までの25年間以上にわたり,その取扱い を継続したものである。しかし,水道事業者と使用者との間の水道使用に関する法律関係は,給水契約によって規律されるものであり,使用量及び料金の算定方法は給水条例に規定されているところ,行政機関である被告が,前記のような取扱いの変更を事実上の措置としていたとは考え難く,何らかの合意があったと考えるのが自然である。 また,被告は,本件自衛隊宿舎については,a区長との間で本件覚書による合意を締結することにより,旧算定方法に類似する内容の算定方)。 これに対し,被告は,厳格な手続が要求される地方公共団体である被告が合意書等の文書を作成せずに条例と異なる取扱いをするとは考えられないから,本件合意は存在しないと主張する。 しかし,被告の主張は,給水契約に関して条例と異なる取扱いをする場合,受給者との合意によるときには必ず文書を作成しなければならないが,事実上そのような取扱いをするときには文書によらないことがあるかのごとくいうものであり,一方で地方公共団体においては厳格な手続が要求されるとしながら,他方で合意をしないまま事実上の措置として水道使用料の減額を認めるという法的な説明のできないルーズな扱いはありうるということに帰し,容易に首肯することができない。 したがって,原被告が,昭和62年12月末日までに,本件宿舎を含む山国施設の水道料金を旧算定方法により算定するとの合意(本件合意)をしたことを認定することができる。 再抗弁1(本件合意の無効)ア再抗弁1(本件合意の無効)の骨子被告は,一般に,給水契約は付合契約であるから,条例に反して無制限に合意内容を決め 合意)をしたことを認定することができる。 再抗弁1(本件合意の無効)ア再抗弁1(本件合意の無効)の骨子被告は,一般に,給水契約は付合契約であるから,条例に反して無制限に合意内容を決められるものではなく,本件条例は,給水条例ないし下水 道条例はこれを争っている。 イについての判断水道法14条は,1項において,水道事業者に対し,水道の供給条件について供給規程を定めなければならないと規定し,2項において,供給規程の内容が同項各号の要件に適合するものでなければならないと規定する。この趣旨は,との間の水道使用に関する法律関係が契約によって規律されるものであるところ,給水契約は,不特定多数の者を相手方として行う取引であり,その内容を画一的に定めることが,契約当事者双方にとって合理的であるため,水道事業者において,給水契約の内容とすることを目的として,供給規程を定めておくこととしたものと解される。この趣旨からすれば,供給規程は,いわゆる普通取引約款と類似の効力を有し,これが条例として公布され,施行された場合には,当然に給水契約の内容となると解するのが相当である。 そして,供給規程である給水条例は,前記のように普通取引約款と類似の効力を有するものに過ぎず,強行法規となると解することまではできないから,契約当事者間において,給水条例と異なる合意をした場合,その合意が直ちに無効となると解することはできない。 被告は,給水契約は付合契約であるから,当事者が条例に反して無制限に合意内容を決められるものではないと主張する。 しかし,給水契約の当事者間において,条例(供給規程)と異なる内容の合意がされた場合であっても,その内容が公序良俗に反するなどの事情がある場合はともかく,当該合意が直ちに無効になるということはでき しかし,給水契約の当事者間において,条例(供給規程)と異なる内容の合意がされた場合であっても,その内容が公序良俗に反するなどの事情がある場合はともかく,当該合意が直ちに無効になるということはできないというべきである。被告の前記主張を採用することはできない。 再抗弁2(本件合意の終了)ア再抗弁2(本件合意の終了)の骨子被告は,給水契約に関する合意の存続期間については,社会情勢等に応じて,水道事業者側においてコントロールできるというべきところ,水道事業者である被告は,本件水道利用期間の前までに,本件合意を終了さ原告はこれを争っている。 イ 当事者間において,供給規程と異なる内容の合意がされた場合であっても,当該合意が直ちに無効となるということはできないというべきであるから,一方当事者である地方公共団体が,合意成立後に,合意の存続期間を無制限にコントロールすることができると解し,何らの予告期間等を置くことなく合意の終了ができるとすることは,契約の相手方(使用者)に不測の損害を与えるものであり,相当でないというべきである。 しかし,水道法は,清浄にして豊富低廉な水の供給を図り,もって公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することをも目的とし,国及び地方公共団体に対し,水道が国民の日常生活に直結し,その健康を守るために欠くことのできないものであり,かつ,水が貴重な資源であることにかんがみ,水道施設等の清潔保持並びに水の適正かつ合理的な使用に関し必要な施策を講じるべき義務を課すとともに,国民に対し,この施策に協力し,自らも,水道施設等の清潔保持並びに水の適正かつ合理的な使用に努めるべき義務を課し(1条,2条),その上で,水道事業の経営を認可制かつ原則として市町村によるものとし(6条),水道事業者において,供給 らも,水道施設等の清潔保持並びに水の適正かつ合理的な使用に努めるべき義務を課し(1条,2条),その上で,水道事業の経営を認可制かつ原則として市町村によるものとし(6条),水道事業者において,供給規程として,料金が水道事業者の能率的な経営の下における適正な原価に照らし公正妥当かつ明確に定められ,水道事業者及び需要者 の責任に関する事項並びに給水装置工事の費用の負担区分及びその額の算出方法が適正かつ明確に定められ,特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないものを定めなければならないとしている(同法14条)。このように,水が貴重な資源であり,公衆衛生,生活環境及び国民の日常生活などの公共の利益に直結するものであること,これを前提として,市町村が水道事業を経営し,供給規程を定めるべきものとされていることからすると,法は,供給規定と相まって,水道事業者に対し,前記の必要な施策を講じるべき義務を課すとともに,水道利用者に対しても,公正妥当かつ明確な水道料金等を平等に負担させることによって,水道事業者の能率的な経営を維持させることとし,もって,前記の公共の利益を維持する趣旨に出たものと解することができる。このような法及び供給規定の趣旨からすると,給水契約の当事者間において,供給規程(条例)と異なる内容の合意がされた場合,水の適正かつ合理的な使用に支障が生じ,ひいては前記の公共の利益が損なわれることとなるおそれがあるから,当該合意の効力が無制限に存続し,水道事業者において,給水契約の内容を供給規定に適合するように変更することがおよそできないと解するのは相当でないというべきである。 また,給水契約の使用者(水道利用者)にとっても,給水契約の原則的な条件は供給規程に定められているものであるところ,給水契約の内容を供給規程に適合するよ と解するのは相当でないというべきである。 また,給水契約の使用者(水道利用者)にとっても,給水契約の原則的な条件は供給規程に定められているものであるところ,給水契約の内容を供給規程に適合するように変更することは,これを原則的な条件に戻すことに過ぎない。さらに,供給規程は,水道法14条各号所定の要件を満たした条例として公布・施行されているものであるから,変更後の内容には予測可能性が有るということができる。 以上検討したところによれば,水道事業者は,給水契約において供給規程と異なる内容の合意がされていた場合,相手方に対し,討するような特段の事情がない限り,当該合意を終了させる意思表示をするこ とができるというべきである。 そして,被告は,遅くとも,本件上水道料金請求に係る上水道の使用期間の始期である平成26年3月31日までに,原告に対し,本件合意を終了させる意思表示をしたものと認められる。 再々抗弁(権利濫用等)-再抗弁2に対しア再々抗弁及びこれに対する認否の骨子原告は,①地方自治法244条3項並びに水道法14条1項及び2項によれば,地方公共団体が請求する水道料金は,公正妥当なものでなければならず,かつ,不当な差別的取扱いとなるようなものであってはならないというべきところ,②被告が本件合意に基づき旧算定方法によって上下水道料金を算定・請求してきたことは,これらの要請に適い,原被告間で確立された正式な制度的運用として,約30年弱の長期にわたって適用されてきたものであるのに,③被告が新算定方法によって水道料金を算定・請求することは,前記法令に反して不合理であり,また,本件自衛隊宿舎については旧算定方法と同旨の計算方法による水道料金の計算を認めるのに,本件宿舎についてはこれを認めない点で不当な差別的取扱いに当たり, ることは,前記法令に反して不合理であり,また,本件自衛隊宿舎については旧算定方法と同旨の計算方法による水道料金の計算を認めるのに,本件宿舎についてはこれを認めない点で不当な差別的取扱いに当たり,違法であり,また,権利濫用に当たると主張する(争点4,5)。 これに対し,被告は,①については争わず,②については,旧算定方法は,公設メーターではない私設メーターを基に各戸ごとに算出を行う方法であり,条例の根拠に基づかずに特定の住民のみ特別の内容(実質減額)で水道契約を締結することとなり,「特定の使用者に対する不当な差別的取扱い」(水道法14条2項4号)に該当し,違法であると主張し,③については,本件自衛隊宿舎について旧算定方法と同旨の計算方法による水道料金の請求を認めていることは,本件宿舎とは事情が異なるからであると主張し,さらに,④被告は,新算定方法を適用するに当たって は,原告との間で協議を重ね,原告の希望に沿うような和解案や解決案を提示してきたものであるから,被告が新算定方法によって水道料金を算定・請求することは,適法・妥当であり,権利濫用にも当たらないと主張している。 イ争点4,5についての判断旧算定方法の相当性についてる内容の合意がされていた場合,原則として,相手方に対し,当該合意を終了させることを求めることができるというべきであるから,旧算定方法が相当なものであるか否かも,供給規程(給水条例)との適合性の有無を基準として検討すべきである。 そこで,本件宿舎に係る水道料金の算定方法について検討する。前記本件宿舎に係る給水契約の当事者は本件宿舎の設置者である原告であって,戸別の居住者ではないから,給水条例によれば,本件公設メーター(75㎜口径)で検針した使用水量を基に,給水条例別表第1の75㎜口径メーターの る給水契約の当事者は本件宿舎の設置者である原告であって,戸別の居住者ではないから,給水条例によれば,本件公設メーター(75㎜口径)で検針した使用水量を基に,給水条例別表第1の75㎜口径メーターの区分の料金体系により,料金を算定する方法(新算定方法)によるべきこととなる。 したがって,これと異なる旧算定方法は,給水条例と適合しないものというべきである。旧算定方法の方が相当である旨の原告の主張は,採用することができない。 て,私設メーターを基準として使用水量及び汚水の排除量が計量され,これに基づき上下水道料金が算定されていた集合住宅はなかったことが認められ,平成26年3月31日当時においても,被告市内において原告のように旧算定方法を採用することによる有利な取扱いを受けていた者は,原告のみ又は原告を含む相当少数の者のみであったことが窺 われる。このことからすると,被告が同日までに原告に対して本件合意を終了させる意思表示をしたことは,被告市内における上下水道料金の取扱いの差異を是正し,給水条例に沿った算定・請求をすることを目的としたものであって,合理性を有するものと評価することができる。 本件自衛隊宿舎と本件宿舎との取扱いの差異について認定事実,被告は,平成23年頃以降,本件自衛隊宿舎に関し,公設の個別メーター(20㎜口径)を新設し,同メーターにより被告の職員が使用水量・排水量を検針し,これを基準に上下水道使用料金を算出し,個別の居住者から料金を徴収することとしたのに,給水条例所定の加入分担金の支払債務を免除し,その徴収をしなかったものである。確かに,被告は,原告に対し,本件宿舎について,個別契約に切り替える場合には加入分担金の支払を求めていたことが窺われるところ,本件自衛隊宿舎の場合にはその支払をさせていない点で,両 たものである。確かに,被告は,原告に対し,本件宿舎について,個別契約に切り替える場合には加入分担金の支払を求めていたことが窺われるところ,本件自衛隊宿舎の場合にはその支払をさせていない点で,両者の間には差異があるということができる。 しかし,加入分担金は,給水条例34条1項によれば,給水装置の新設等をした場合には原則として発生するものである。また,本件自衛隊宿舎においては,平成23年以前の下水道使用料の算出方法が下水道条例に従ったものであったため,一般の住戸に比べて著しく高額となったために個別の契約に切り替えることとなったという経緯がある一方,本件宿舎については,従前の使用料は旧算定方法に従ったものであって,一般の住戸に比べて高額であったという事情はないのであるから,本件自衛隊宿舎に係る契約を個別契約に切り替えるのと,本件宿舎に係るそれとでは,前提事情が異なるというべきであるから,前記取扱いの差異が不合理であるということもできない。 したがって,本件自衛隊宿舎と本件宿舎との取扱いの差異が不当な差別的取扱いに当たり,違法であるとの原告の主張も,採用することが できない。 新算定方法を適用するに当たっての原被告の協議内容について被告が,平成23年から平成26年3月までに,原告に対し,加入分担金の額の減額の可能性があるなどという提案をしてきたことがあることについて,当事者間に争いはない。これについて,原告は,そもそも,原告には加入分担金を支払う義務はないし,加入分担金に関する被告の条例解釈が誤っていたからそのような提案がされたというべきであって,前記提案をもって,「解決案」,「和解案」などと評価することはできないというべきであると主張する。 しかし,前記のとおり,本件給水契約を個別契約に切り替え,個別の給水装置を新設 いうべきであって,前記提案をもって,「解決案」,「和解案」などと評価することはできないというべきであると主張する。 しかし,前記のとおり,本件給水契約を個別契約に切り替え,個別の給水装置を新設した場合,給水条例34条1項所定の加入分担金支払債務が発生し得るのであるから,この点に関する被告の条例解釈が明らかに誤っていたとはいえない。 ウこのように,旧算定方法の方が相当であるとも,本件自衛隊宿舎と本件宿舎との取扱いの差異が不当な差別的取扱いに当たり,違法であるともいえないこと,被告が,平成23年から平成26年3月まで,原告に対し,加入分担金の額の減額の可能性が有るなどという提案をしてきたことからすると,被告が原告に対して本件合意を終了させる意思表示をしたことが違法・不当であるなどの特段の事情があるということはできないし,新算定方法によって水道料金を算定・請求したことが,違法であり,又は権利濫用に当たると評価することはできない。 小括以上によれば,被告は,原告との間で本件給水契約を締結し,所定の量の給水をしていたところ,本件合意をしたものの,本件合意は被告の意思表示によって,有効に終了したものと認められる。したがって,被告は,原告に対し,本件給水契約に基づき,別紙「下水道料金納入通知処分等一覧表」の 「上水道」欄の「上水道料金」欄記載の額の上水道使用料支払債務を負うと同別紙の「原告支払額充当額」欄記載の合計金額を弁済し,その全部が前記おり,本件納入通知処分は適法なものというべきであり,原告は,前記弁済の当時,同別紙の「下水道料金」欄の下水道料金支払債務を負っていたも別紙の「原告支払額充当額」に記載のとおり,前記上水道使用料支払債務及び前記下水道使用料支払債務に充当され,前記上水道使用料支払債務の残額は,同別紙の「残額 金」欄の下水道料金支払債務を負っていたも別紙の「原告支払額充当額」に記載のとおり,前記上水道使用料支払債務及び前記下水道使用料支払債務に充当され,前記上水道使用料支払債務の残額は,同別紙の「残額」欄記載の額となる。 したがって,被告は,原告に対し,本件給水契約に基づき,別紙「下水道料金納入通知処分等一覧表」の「上水道」欄の「残額」欄記載の額の上水道使用料及びこれらに対する各「上水道料金の弁済期」欄記載の日の翌日から各支払済みまで民法所定の年5%の割合による遅延損害金の支払を求めることができる。 よって,被告の原告に対する本件上水道料金請求は,いずれも理由がある。 3 本件取消請求(下水道料金)についての判断本件納入通知書分の存在等下水道法は,公共下水道管理者は,条例で定めるところにより,公共下水道を使用するものから使用料を徴収することができると規定(20条1項)し,これを受けた下水道条例は,市長が公共下水道の使用者から使用料を徴収することとし(19条1項),使用料の額は,毎使用月において使用者が排除した汚水の量に応じて算定することとし(20条1項),使用者が排除した汚水の量は,使用者が水道水を使用した場合は水道の使用水量とし,2以上の使用者が給水装置を共同で使用している場合等においてそれぞれの使用者の使用水量を確知できないときは,市長において,それぞれの使用量を 被告は,本件水道利用期間,本件宿舎に対して所定の量の水道水を供給し,当該水道水は原告が単独で使用し,これと同量の汚水を排除したものと認定し,下水道使用料について,下水道条例別表に定めるところにより算定した月額に100分の108を乗じて得た額と算定し,本件納入通知処分をしたものと認められる。 本件納入通知処分の適法性についてア下水道条例ついて て,下水道条例別表に定めるところにより算定した月額に100分の108を乗じて得た額と算定し,本件納入通知処分をしたものと認められる。 本件納入通知処分の適法性についてア下水道条例ついて,使用者が水道水を使用した場合は,水道の使用水量とする旨規定した趣旨は,水道の使用水量と汚水の排除量とは近似するのが通常であるところ,水道の使用水量をもって汚水の排除量とみなすこととし,簡易迅速で合理的な処理を可能としたことにあると解される。この趣旨からすれば,公共下水道の使用者ないし使用料の納入義務者(納入通知書分の名宛人)は,上水道給水契約の当事者(使用者)と一致するものと解するのが相当である。 本件給水契約の当事者(使用者)は原告と認められるから,本件宿舎における公共下水道の使用者ないし使用料の納入義務者も,原告となると認められる。 道の使用水量は,被告が設置した本件公設メーターを定例日に検針して計量した使用水量に従うべきものと認められるから,同期間における汚水の排除量も,同様に本件公設メーターを検針して計量した使用水量に従うべきものとなる。 イ原告の主張についての判断原告は,本件宿舎における公共下水道の使用者は宿舎居住者であって原告ではない(争点1に関する原告の主張),したがって,水道の使 用水量も各戸ごとに計量されるべきであるから,汚水の排除量も,それに従うべきこととなる(争点2関する原告の主張),又は,2以上の使用者が給水装置を共同で使用している場合に当たるから,下水道条例20条2項1号ただし書が適用されるべきである(争点3に関する原告の主張)と主張する。 しかし,前記アのとおり,本件宿舎における公共下水道の使用者は原告と認められ,これに反する争点1に関する原告の主張は,採用することができない。したがって, 争点3に関する原告の主張)と主張する。 しかし,前記アのとおり,本件宿舎における公共下水道の使用者は原告と認められ,これに反する争点1に関する原告の主張は,採用することができない。したがって,争点2及び争点3に関する原告の主張も,前提を欠き,採用することができない。 また,原告は,新算定方法は,地方自治体による不当な差別的取扱いを禁止する地方自治法244条3項及び下水道管理者による特定の使用者に対する差別的取扱いを禁止する下水道法20条2項に違反し,また,本質的に不合理で,かつ,料金逓増法の趣旨に反するから,新算定方法を前提とした本件納入通知処分も,地方自治法,下水道法及び下水道条例に違反した違法な処分というべきであると主張する(争点4に関する原告の主張)。 しかし,前記アのとおり,本件納入通知処分は,下水道条例20条2いうことはできない。争点4に関する原告の主張は,採用しない。 さらに,原告は,本件上水道料金請求に関する争点6における原告の主張と同様に,本件納入通知処分は,市長が裁量権の範囲を逸脱し又は濫用してした違法なものであると主張する(争点5に関する原告の主張)が,,争点5に関する原告の主張も,採用することができない。 ウしたがって,原告は,本件水道利用期間,本件宿舎において,所定の量の汚水を排除したことが認められる。そして,原告が単独で汚水を排除し たこと及び新算定方法が適法であることを前提とした場合,下水道法ないし下水道条例所定の計算方法に従った使用料の額が,別紙「下水道料金納入通知処分等一覧表」の「下水道料金」欄に各記載の額となることについて,当事者間に争いはない。 小括よって,本件納入通知処分は,適法なものというべきであり,原告の被告に対する本件取消請求は,いずれも理由がない。 道料金」欄に各記載の額となることについて,当事者間に争いはない。 小括よって,本件納入通知処分は,適法なものというべきであり,原告の被告に対する本件取消請求は,いずれも理由がない。 4 本件確認請求(加入分担金)についての判断原告は,本件確認請求において,原告は新たに上水道の給水を受けようとする者ではないから,給水条例34条1項所定の加入分担金の支払義務を負わないと主張し,被告に対し,同義務が存在しないことの確認を求めている。 しかしながら,被告は,原告に対して加入分担金の支払を求めてはいない。 で,原告に対し,本件給水契約を宿舎居住者との戸別契約に切り替えつつ,原告が支払う加入分担金の額を軽減することを提案していたことが認められ,また,本件訴訟においても,その旨の和解案を提示しようとしていたことは当裁判所に顕著な事実である。しかし,これらの提案の趣旨は,一つの解決策の提示にすぎない。また,以上のような被告の提案を原告が拒絶していること(当裁判所に顕著な事実)からすると,被告が,現在,加入分担金支払義務が当然に原告にあると主張しているとは到底考えられない。 そうすると,原被告間で,加入分担金支払義務の存否を確認する法律上の利益はないというべきであるから,原告の被告に対する本件確認請求に係る訴えは,不適法というべきである。 5 結論以上の次第で,被告の原告に対する本件上水道料金請求は,いずれも理由があるので認容することとし,原告の被告に対する本件取消請求は,いずれ も理由がないので棄却することとし,原告の被告に対する本件確認請求に係る訴えは,不適法というべきであるから却下することとして,主文のとおり判決する。 神戸地方裁判所第2民事部 裁判長裁判官山口浩司 件確認請求に係る訴えは,不適法というべきであるから却下することとして,主文のとおり判決する。 主文 神戸地方裁判所第2民事部 裁判長裁判官山口浩司 裁判官武村重樹 裁判官毛受裕介

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