令和2(ワ)2327 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
令和4年2月24日 名古屋地方裁判所
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判決文本文69,713 文字)

第2 主文 1 被告株式会社Ron,同株式会社Creed,同株式会社SLP,同株式会社Y26,同株式会社Sunshine,同Y35,同Y38,同Y71,同Y79,同Y85及び同Y87は,別紙「請求額一覧表(旧スキーム・保証金)」のそれぞれ対応する「原告」欄記載の原告らに対し,連帯して,同原告らにそれぞれ対応する「合計額」欄記載の金員及びこれに対する別紙「訴状送達日一覧」記載の各被告に対応する「訴状送達日」欄記載の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告株式会社Y2,同株式会社Ron,同株式会社Creed,同株式会社SLP,同株式会社Y26,同株式会社Sunshine,同Y35,同Y38,同Y71,同Y79,同Y85及び同Y87は,別紙「請求額一覧表(新スキーム)」のそれぞれ対応する「原告」欄記載の原告らに対し,連帯して,同原告らにそれぞれ対応する「合計額」欄記載の金員及びこれに対する別紙「訴状送達日一覧」記載の各被告に対応する「訴状送達日」欄記載の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 訴訟費用は被告らの負担とする。 4 この判決は仮に執行することができる。 第3 請求別紙訴状訂正申立書(令和3年12月15日付け)写し「請求の趣旨」及び「請求の原因」欄各記載のとおり(ただし,被告番号2,3,6,20,26,28,35,38,71,79,85及び87の被告に対する請求に限る。)第4 理由の要旨被告株式会社Y2(被告番号2)及び同Y35(被告番号35)は,公示送達による呼出しを受けたが,本件口頭弁論期日に出頭しない。証拠によれば,請求原因事実はすべて認められる。 被告株式会社Ron(被告番号3),同株式会社Creed(被告番号 6) 達による呼出しを受けたが,本件口頭弁論期日に出頭しない。証拠によれば,請求原因事実はすべて認められる。 被告株式会社Ron(被告番号3),同株式会社Creed(被告番号 6),同株式会社SLP(被告番号20),同株式会社Y26(被告番号26),同株式会社Sunshine(被告番号28),同Y38(被告番号38),同Y71(被告番号71),同Y79(被告番号79),同Y85(被告番号85)及び同Y87(被告番号87)は,本件口頭弁論期日に出頭せず,答弁書その他の準備書面を提出しない。したがって,同被告らにおいて請求原因事実を争うことを明らかにしないものとして,これを自白したものとみなす。 (別紙)訴状送達日一覧 被告番号被告名訴状送達日 株式会社Y2令和3年7月30日 株式会社Ron令和2年12月30日 株式会社Creed令和3年5月12日 株式会社SLP令和2年9月24日 株式会社Y26令和2年12月29日 株式会社Sunshine令和2年12月29日 Y35令和3年7月30日 Y38令和2年12月30日 Y71令和3年5月12日 Y79令和2年10月17日 Y85令和2年12月29日 Y87令和2年12月29日訴状訂正申立書(令和3年12月15日付け)(表紙、目次、別紙原告目録及び同被告目録は添付省略) 【請求の趣旨】 1 別紙請求額一覧表(旧スキーム・保証金)の「被告」欄記載の被告らは,同一覧表の対応する「原告」欄記載の原告らに対し,連帯して,それぞれ同一覧表の請求額中の「合計額」欄記載の金員及びこれ 旨】 1 別紙請求額一覧表(旧スキーム・保証金)の「被告」欄記載の被告らは,同一覧表の対応する「原告」欄記載の原告らに対し,連帯して,それぞれ同一覧表の請求額中の「合計額」欄記載の金員及びこれらに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 別紙請求額一覧表(新スキーム)の「被告」欄記載の被告らは,同一覧表の対応する「原告」欄記載の原告らに対し,連帯して,それぞれ同一覧表の請求額中の「合計額」欄記載の金員及びこれらに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 訴訟費用は被告らの負担とするとの判決並びに仮執行の宣言を求める。 【請求の原因】第1 事案の概要 1 はじめに(1)事件の概要ア訴外株式会社Gは,岡山県赤磐市に本店を置き,農作物の生産,販売等を目的とする株式会社である(甲全21)。 イ Gは被告Y34が代表者であり,平成16年4月に岡山の有力企業グループであるHグループの観光農園として創業され,平成27年1月に法人化している(甲全14・最終頁,甲全28)。 実際には,Gの設立当初から,その実質的な経営は,「副社長」という肩書きであった被告Y35が担っていた(甲全76・1頁)ウ Gの資本金は3100万円であり,従業員は289名中正社員89名(平成31年8月31日時点)であり,売上は平成27年約9600万円,平成28年約16億円,平成29年約38億円,平成30年約104億円であった(甲全76・8頁)。 エ被告Y34は,上記Hグループ(有限会社Y8,株式会社I,有限会社Y7,明光観光開発有限会社等)を主宰する被告Y61の養子であり,同じくHグループを統括する被告Y62(被告Y61の長男)の妻である(甲全19,甲 上記Hグループ(有限会社Y8,株式会社I,有限会社Y7,明光観光開発有限会社等)を主宰する被告Y61の養子であり,同じくHグループを統括する被告Y62(被告Y61の長男)の妻である(甲全19,甲全23,甲全26)。 Gは,Hグループの中核をなし,岡山では有名な農園として知られていた(甲全8の2,甲全14・最終頁)。 Hグループは,被告Y61(被告Y62の実父であり,被告Y34の養父である。)を頂点として,被告Y62(被告Y34の夫)が主宰し,被告Y 61,被告Y62及び被告Y34は,Hグループ各社の役員(代表取締役,取締役)を務めていた(甲全19)。 オ被告Y34の実子である被告Y35(甲全29)は,Gの副社長として実権を持ち,不特定多数の一般消費者から多額の資金を集めるマルチまがいの違法な商法を大々的に展開し,上記のように同社の売上を急拡大させるとともに(甲全1~甲全3,甲全8の1・2,甲全51の2,甲全76・8頁),全国約930人から約133億円を集め,10億円以上に上る甚大な被害を生じさせた(甲全79の3)。 尚,被告Y35は,令和元年6月26日,Gの代表取締役に就任したが,Gの商法が社会問題化するや否や,令和2年2月24日に羽田空港から出国し,海外に逃亡したものである(甲全79の1等)。 カ Gの商法は,被告Y35が考案した3つのスキーム(それぞれ,「旧スキーム」,「新スキーム」,「保証金」と呼称されていた。)を用いて不特定多数から多額の資金を集めるもので,名古屋・岡山を中心に多額の被害を発生させて大規模消費者被害事件を引き起こした。 すなわち,Gは,クレジットカードの仕組みを悪用して,不特定多数の一般消費者を騙したものであり,顧客のカード利用代金の全部を負担することなどできないのに,そのことを 費者被害事件を引き起こした。 すなわち,Gは,クレジットカードの仕組みを悪用して,不特定多数の一般消費者を騙したものであり,顧客のカード利用代金の全部を負担することなどできないのに,そのことを隠して,後述する巧妙なスキームを考案し,多数の一般消費者(顧客)を勧誘し,被害を与えたものである。 このようなGの商法は,被告Y40,被告Y37,被告Y67,被告Y66,被告Y72が詐欺容疑で逮捕され,海外にいる被告Y35に詐欺容疑の逮捕状が出されるなど,刑事事件化したこともあり,マスコミによって大々的に報道され,社会問題化したものである(甲全1~甲全3,甲全79の1~甲全84の3)。 キ Gの商法については後述するが,その旧スキーム等の勧誘で謳っていた海外転売事業に実態はなく,顧客が拠出した金銭を他の顧客への返金に流用するという,自転車操業ないしポンジスキーム1にほかならない破綻必至の違法な商法を遂行し,また,元本保証で高利を支払う旨約して保証金を集めて, 1 ポンジスキームとは,「利益の還元」や「配当」等を装い,多数の者から資金を集めるが,実際には,それを運用する事業や運用対象となる物品が存在しないか,形骸化または著しく不足しており,別の者から集めた資金の一部を他の者に分配する構造になっている詐欺的商法のことをいう。これは,新たな資金を獲得し続けなければならず,被害は拡大していくことになるが,新たに獲得できる資金には限界があるため,最終的には破綻すべくして破綻することになる。その有名な被害事案としては,古くは豊田商事事件,少し前にはK&A 社債投資詐欺事件,最近ではジャパンライフ事件やケフィア事業振興会事件等が指摘できるが,このG事件 破綻すべくして破綻することになる。その有名な被害事案としては,古くは豊田商事事件,少し前にはK&A 社債投資詐欺事件,最近ではジャパンライフ事件やケフィア事業振興会事件等が指摘できるが,このG事件も,その本質は,これらポンジスキームの系譜に連なる事件というべきである。 出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律(以下,「出資法」という。)違反の行為を行うとともに,他の顧客から受け入れた保証金を他の顧客への返金に流用するなど,刑法上の詐欺罪や出資法違反に該当する不法行為を行ったものである。 (2)G商法の「旧スキーム」についてア G商法にいう「旧スキーム」とは,顧客がクレジットカードを用いてGから指定された商品をG関連の販売店から購入し(決済代行会社の被告GMOペイメントゲートウェイ株式会社を使用して決済),Gが当該商品代金に利益(3%程度)を上乗せしてクレジット代金の支払日前日に顧客に振り込むというものである(甲全2,甲全60・2頁目)。 イこれは,実質的に空クレジットをGの具体的な指示通り顧客に行わせ,決済日の前日までに利益(販売奨励金と称されていた。)を付して顧客の口座にGが入金し,その振込金で顧客はクレジットカードの決済を行うというスキームであった。 ウこのように,顧客はクレジットカードで決済しているが,いずれの販売店も直接アクワイアラーの加盟店になれないため,決済代行会社として被告GMOペイメントゲートウェイが入っていた(甲全3・2頁,甲全52の2,甲全59,甲全60・2~4頁)。 エ当初はGショップというネットサイトで購入を指示されていたが,その後,Gが作ったペーパーカンパニーのショッピングサイトで購入を指示されるようになった。 オこれは,Gショップでの売り上げが多すぎて, はGショップというネットサイトで購入を指示されていたが,その後,Gが作ったペーパーカンパニーのショッピングサイトで購入を指示されるようになった。 オこれは,Gショップでの売り上げが多すぎて,アクワイアラーの三井住友カードから怪しまれ調査が入ったことがきっかけとされる。 当時の月次売上は1億円ほどであった。そのため,GMOペイメントゲートウェイの担当者である訴外Jからペーパーカンパニーを多数設立し,売り上げを分散することを提案されたとのことである(甲全52の2)。その仕組みは新スキームでも維持された。 (3)G商法の「保証金」についてア G商法にいう「保証金」とは,顧客がGに保証金(現金)を入金することにより顧客に利益(3.3%程度)が配当されるというものである(甲全1,甲全4)。 イこの保証金の多寡に応じて旧スキームの利益(販売奨励金)の利率が変動するものとされていた(甲全3,甲全4,甲全60・2頁下部)。 また,販売店になるために保証金の預託を求められた者もいる。 ウ尚,平成30年夏頃からは,リボキャンペーンと称して,顧客に対し,それまで一括払いで購入させた商品に関するクレジット代金をリボ払いに変更するように働きかけた。 これは,リボ払いに変更した商品代金分の金額を保証金と同様に扱うとして,リボ払いに変更すれば(保証金の金額が増額されるため)販売奨励金の利率が上がるから得である旨申し向けて,リボ払いに変更するよう顧客に勧奨したものである。 このリボキャンペーンを展開したのは,当時,Gの資金繰りが逼迫している状況にあったことが原因と考えられる。すなわち,このリボキャンペーンにより,Gは,商品の買戻代金及び販売奨励金の支払期限について猶予を得ることができた。しかし,その後程なくして,平成31 迫している状況にあったことが原因と考えられる。すなわち,このリボキャンペーンにより,Gは,商品の買戻代金及び販売奨励金の支払期限について猶予を得ることができた。しかし,その後程なくして,平成31年2月末を最後に,Gから顧客に対する買戻代金,販売奨励金,保証金に対する利息等の全ての入金がストップしたものである。 (4)G商法の「新スキーム」についてア G商法にいう「新スキーム」とは,旧スキームと同様に顧客が空クレジットを組まされ,購入したとされる商品をインフルエンサー2として宣伝することで,広告宣伝費として購入代金の3割が支払われ,その後,買取店が商品を引き取った形で購入代金の7割が支払われて,その振込金で顧客はクレジットカード代金の決済をするというものである(甲全3,甲全60・3~4頁)。 イすなわち,顧客は,指定された商品をGの指定サイトである「Roomer(ルーマー)」, 「SmartSpread(スマートスプレッド)」に掲載された販売店から自身のクレジットカードで購入し,届いた商品を自身のインスタグラム(SNS)で写真及びハッシュタグを付けた投稿を行い,投稿完了後に指定買取業者に買取依頼を行う。その後,顧客にはRoomer 等から広告報酬として商品購入費の30.5%の代金及び買取代金として商品購入費の70%が振り込まれ,商品代金がクレジットカード会社から引き落とされる結果,顧客はクレジットカードのポイントが貯まるとともに,商品購入費の0.5%を報酬(利益)として得られるというものである(甲全15,甲全17,甲全18,甲全60・3~4頁)。 ウこれは,旧スキームでは原則として物が届かない仕組みとなっていたため,会員増加に伴い,空クレジットでの多額のカード不正利用を疑われる恐 全60・3~4頁)。 ウこれは,旧スキームでは原則として物が届かない仕組みとなっていたため,会員増加に伴い,空クレジットでの多額のカード不正利用を疑われる恐 2 インフルエンサーとは,一般に,ブログやSNS等において,情報を発信し,消費者の購買意欲に影響を与える者をいう。 れが高くなったことから,Y35や被告Y64及び訴外Jらの発案により,実際に物が届くことを原則とする新スキームに移行するように仕向けていったものである(甲全52の2・5~7頁)。 (5)Gの「旧スキーム」及び「新スキーム」の目的Gが多数の顧客との間で,上記のような旧スキーム及び新スキームに係る取引を継続的に繰り返していた目的は,空クレジット取引による架空売上を計上し,Gの業績が好調であると装って金融機関から融資を得ることにあったと推察される。 事実,Gの売上は,上記のように平成27年は約9600万円,平成28年は約16億円,平成29年は約38億円,平成30年は約102億円にまで急激に拡大している。この点,大阪毎日報道(MBS)の報道では,Gの関係者が,「お金をぐるぐる回していただけで,実体はなく,実際に決算書を用いて融資を受けていた」旨の発言をしている。 そうすると,Gにとって直接的な経済的利益があるわけではない旧スキーム及び新スキームによって不特定多数の一般消費者から資金を募っていた目的は,Gの売上は水増しすることによって,金融機関からの融資を受けることであったと考えられるのである。 (6)G商法の被害額について上記のように,Gは,クレジットカードの仕組みを悪用することにより,不特定多数の一般消費者を騙して,多額 関からの融資を受けることであったと考えられるのである。 (6)G商法の被害額について上記のように,Gは,クレジットカードの仕組みを悪用することにより,不特定多数の一般消費者を騙して,多額の損害を被らせた。概して旧スキームの被害者の実被害額が多く,一人当たり数百万円~1000万円超に上る。 新スキームの被害者は,一人当たり数十万円~数百万円の者が多い。 (7)Gの会員状況等についてア Gは,旧スキーム等の空クレジットの空売上で出来た決算書(粉飾)で金融機関から融資を受けて,岡山,名古屋,東京,大阪等に店舗展開をし,急激に会員を増大してきた。 イ尚,ペーパーカンパニー(販売店)を間に挟むことでペーパーカンパニーも売上が上がり,それらペーパーカンパニーも金融機関から融資を受けて,その融資金をGに預けていたとされている。 ウこの点,ペーパーカンパニー設立者は,会社の設立に係る資本金も出していないし,司法書士とも面談していない。ECサイトを構築もしていないし,そのノウハウもない。すべてGの担当者の指示通りに行動していただけである。収入としては月に数百万~1000万円ほどあったが,その95%~1 00%が即日Gに流れており,ペーパーカンパニーの通帳(銀行印・キャッシュカードのパスワードを含む)はGが管理していて,ペーパーカンパニー設立者が自由にできないようになっていた。 (8)G商法の実情についてア G商法は,いずれも紹介者が紹介する形(マルチまがい)であったところ,被告Y35は名古屋に友人・知人が多かったこともあり(被告Y35は学生時代を名古屋で過ごしていたとのことである。),名古屋・岐阜においてマルチ形式で会員が急拡大した(同じ会社,同じ高校の友人・知人などのネットワークを通じた紹介が多い。)。 ともあり(被告Y35は学生時代を名古屋で過ごしていたとのことである。),名古屋・岐阜においてマルチ形式で会員が急拡大した(同じ会社,同じ高校の友人・知人などのネットワークを通じた紹介が多い。)。 イ被告Y35が最初に勧誘したのが被告Y69,被告Y68,被告Y72の3名とのことであり,旧スキーム被害者の間では,これらの者のネットワークを称して苗字を冠し「○○村」などと呼ばれていた(甲64の1,甲全53,甲全79の2,甲全79の3参照)。 また,名古屋には幹部がおり,上記3名に加えて,被告Y66,被告Y37,被告Y67らがそのメンバーであった(甲全53)。 そのうち,被告Y66,被告Y37,被告Y67,被告Y72は,「四天王」と呼ばれており(甲全79の2,甲全79の3参照),ウ Gは,全国約930人から約133億円を集め,被害総額は10億円以上に上る(甲全79の3参照)。 エ被害者の中には多額のクレジット代金の支払いに困窮し,自己破産等の法的整理を選択した者もいる。原告らも,多額のクレジット代金の支払いと現金保証金の被害を受けており,比較的若年層が多いところ(20代~30代),経済的に破綻する恐れがある者も少なくない。 2 刑事事件について(1)愛知県警は,令和元年5月28日,高配当をうたって現金を集めた出資法違反(預かり金禁止)の疑いでGの関係先を家宅捜索した(甲全1,甲全2)。 同日付の新聞各紙の報道によれば,Gは,平成28年頃から,指定の商品をクレジットカードで買うだけで報酬を上乗せして返金すると謳って顧客を勧誘したものであり,果物やジャムをカード決済で大量に購入すれば,代金に数%を上乗せした額を返金すると約束し,「商品を海外に転売して利益が出ている」と説明していたものである。そして,SNS(交流サイト)で宣 ものであり,果物やジャムをカード決済で大量に購入すれば,代金に数%を上乗せした額を返金すると約束し,「商品を海外に転売して利益が出ている」と説明していたものである。そして,SNS(交流サイト)で宣伝すれば手軽に稼げると説明し,若者を中心に被害が広がったとのことである(甲全1,甲全2)。 (2)令和3年10月17日,被告Y40(被告番号40),被告Y37(被告 番号37),被告Y66(被告番号66),被告Y67(被告番号67),被告Y72(被告番号72)の5名は,Gの本件商法に関する詐欺容疑で愛知県警に逮捕された。 また,海外にいるとみられる元副社長の被告Y35(被告番号35)についても,同じく詐欺容疑で逮捕状が出された。 上記被告ら5名は,平成30年12月から平成31年2月にかけて,横浜市の女性(30歳)に対し,「指定した通販サイトで果物などをクレジット払いで購入してくれれば,転売した上で,購入代金に最大3%を上乗せして返金する」,「500万円の保証金を預ければ,これにも月3.3%の配当がつく」と虚偽を述べ,計786万円を騙し取ったとされている。 愛知県警は,Gの取引には実態がなく,集めた金を顧客への支払いに回す「自転車操業」だったとみている(甲全79の1)。 そして,Gは,全国約930人から約133億円を集め,被害総額は10億円以上に上るとされている(甲全79の3)。 (3)また,令和3年11月6日,愛知県警は,被告Y40(被告番号40),被告Y37(被告番号37),被告Y66(被告番号66),被告Y67(被告番号67),被告Y72(被告番号72)の5名を詐欺容疑で再逮捕した。 上記被告ら5名は,共謀して,平成30年11月から12月にかけて,愛知県小牧市の30代女 被告番号66),被告Y67(被告番号67),被告Y72(被告番号72)の5名を詐欺容疑で再逮捕した。 上記被告ら5名は,共謀して,平成30年11月から12月にかけて,愛知県小牧市の30代女性に「配当は毎月必ず支払われる」などと虚偽の説明をして,商品購入資金名目の約99万円と保証金名目の200万円の計約299万円を騙し取ったとされている。 被告Y40(被告番号40)は資金管理を担当し,被告Y72(被告番号72)ら4名は出資者を募る立場であり,被告Y72ら4名は,自らが勧誘した出資者の投資総額に応じて0.2~1.3%の紹介料を獲得し,最も多い月で1人約460万円を得ており,報酬の総額は上記4人で約1億6000万円に上るとされている(甲全83の4)。 (4)上記被告ら4名の逮捕は,「G投資詐欺事件」として,全国で広く報道されている(甲全79の1ないし甲全84の3参照)。 その中では,「G投資詐欺事件」においては,20~30代の若い世代を中心に被害が広がっており,「元本保証で絶対にもうかる」と,SNSなどを通じて友人らに誘われ,ごく普通の会社員が複数のクレジットカードで数百万円に上る決済を繰り返した結果,多額の債務を抱え,自己破産した人もいるなど,深刻な被害が発生しているとして,ごく一般の消費者が巻き込まれた副業投資詐欺である旨指摘されている(甲全79の5,甲全79の4)。 また,被告Y40(被告番号40)らは,平成27年ころからGの投資商法を展開し,出資者に指定の通販サイトで高額な果物や化粧品などをクレジ ットカードで購入させ,Gがその商品を買い取り,海外に高値で転売するとし,元金と購入代金の3%程度を上乗せした額を現金するとうたっていたが,実際には海外で販売した形跡がなかったことが指摘されている(甲全7 で購入させ,Gがその商品を買い取り,海外に高値で転売するとし,元金と購入代金の3%程度を上乗せした額を現金するとうたっていたが,実際には海外で販売した形跡がなかったことが指摘されている(甲全79の3)。 このように,G側が顧客に説明していた「商品を買い戻して,海外で転売する」という取引自体が虚偽で,実態は自転車操業だったとみられるとして,その実態はポンジスキームであり,元本保証と高額配当を謳った嘘の投資話で金を騙し取った,悪質な投資詐欺事件である旨指摘されている(甲全79の5,甲全79の3)。 (5)このように,Gの元幹部や勧誘者らが逮捕され,刑事事件化したことによって,Gの本件商法は,海外への転売事業などの嘘の投資話を謳って一般消費者から金を騙し取るという副業投資詐欺であり,Gの取引の実態は,自転車操業ないしポンジスキームであったことが明るみになった。 3 破産事件について岡山地方裁判所は,令和元年10月10日,Gについて破産手続開始決定を行い(令和元年(フ)第392号破産手続開始申立事件),岡山県弁護士会所属のK弁護士が破産管財人に選任された(甲全3,甲全60)。 第1回債権者集会は令和2年2月12日に行われているが(甲全60,甲全76,甲全77),その後,令和3年7月13日に第5回債権者集会(甲全78),令和3年11月16日に第6回債権者集会が行われた。 この点,被告Y34に対する役員責任査定申立事件決定書においても,訴外Gの商法の実態について,以下の認定がなされている(甲全67の3頁)。 「破産会社は,これら業務のための資金調達手段として,インターネット上の商品販売サイトで協力者がクレジットカード決済の方法で商品を購入し,クレジットカード利用料支払日までに購入金額に利益を上乗せした金額で破産会社が商 業務のための資金調達手段として,インターネット上の商品販売サイトで協力者がクレジットカード決済の方法で商品を購入し,クレジットカード利用料支払日までに購入金額に利益を上乗せした金額で破産会社が商品を買い戻し,協力者に同金額を支払うスキームや保証金名目で協力者から現金を預かる方法等による資金調達を行っていたが,これら売買の中には決済上の売買価格より相当廉価な対象商品や対象商品が実在しない架空売買も含まれており,実質的には,協力者による新たなクレジットカードの決済代金を買戻費用等に充てる自転車操業に近い状態にあった。」 このように,破産管財人の調査においても,Gの本件各スキームは,自転車操業ないしポンジスキームであったことが指摘されているものである。 4 民事事件について(1)Gに対してはこれまで顧客から民事訴訟が提起され,賠償責任が認められたものがある。 (2)すなわち,令和元年9月13日,名古屋地裁は,愛知県在住の8名がGの違法な勧誘で被害に遭ったとして,同社に預け入れた合計約7800万円の返還を求めた訴訟で(平成31年(ワ)第1748号保証金返還請求事件),名古屋地裁民事第7部は,原告らの請求を認める判決を言い渡している(甲全4,甲全5)。 (3)尚,大阪でGに関する被害弁護団を結成しており,他地域において集団訴訟の動きもある(甲全3,甲全57,甲全58)。 現在,少なくとも,名古屋地裁,岡山地裁,大阪地裁堺支部に本件同様のG関連事件が係属している。 第2 当事者 1 原告ら別紙1「原告目録」(添付省略)記載のとおりである。 また,各原告の請求額や請求対象とする被告については,別紙3「請求額一覧表」(旧スキーム・保証金)及び別紙4「請求額一覧表」(新スキーム)記載のと 紙1「原告目録」(添付省略)記載のとおりである。 また,各原告の請求額や請求対象とする被告については,別紙3「請求額一覧表」(旧スキーム・保証金)及び別紙4「請求額一覧表」(新スキーム)記載のとおりである。 2 被告ら別紙2「被告目録」(添付省略)記載のとおりである。 以下,補足して説明する。 (1)訴外株式会社G・同役員(被告Y34・被告Y35)ア概要創業は平成16年4月,法人設立は平成27年1月である。 事業内容は,果物・農産物の生産,販売,卸売,加工,観光農園運営とされている(甲全21)。 同社の代表取締役は被告Y34であり,被告Y35は取締役副社長(経理部長兼任)とされていた(甲全20)。 イ被告Y35は,G内で「副社長」と呼ばれ,G商法における旧スキーム,新スキーム及び保証金の仕組みを考案し,これらを主宰・実行した首班である。 令和元年6月26日には被告Y34が退任し,被告Y35が代表取締役 に就任している。 ウ Gの会社案内によれば,Gの会社概要は次のとおりである(甲全14・最終頁)。 ① 所在地【本社】(郵便番号省略) 岡山県赤磐市(住所省略)【岡山オフィス】(郵便番号省略) 岡山県岡山市(住所省略)【大阪オフィス】(郵便番号省略) 大阪府大阪市(住所省略)【名古屋オフィス】(郵便番号省略) 愛知県名古屋市(住所省略)【東京オフィス】(郵便番号省略) 東京都港区(住所省略) ② 創業平成16年4月設立平成27年1月資本金 3,100万円事業内容果実・農作物の生産,販売,卸小売,加工,観光農園運営従業員数 95名関連会社株式会社IHグルー 4月設立平成27年1月資本金 3,100万円事業内容果実・農作物の生産,販売,卸小売,加工,観光農園運営従業員数 95名関連会社株式会社IHグループ(菊ヶ峠店,湯郷店,赤坂店,美作店),おかやま果物市場取引銀行中国銀行,三井住友銀行,三菱UFJ銀行 ③ 沿革昭和44年7月 H菊ヶ峠店開店昭和54年9月 H湯郷店営業開始昭和58年10月 H美作店営業開始平成3年1月菊ヶ峠ゴルフパーク(ショートコース)営業開始平成8年12月 H赤坂店営業開始平成16年4月 G営業開始(Hグループの観光農園として)平成18年6月 H湯郷店「S温泉」営業開始平成19年6月おかやま果物市場営業開始平成27年1月株式会社Gとして組織変更(Gの運営,青果物の販 売)平成29年3月岡山オフィス開設平成29年11月大阪オフィス解説平成30年1月名古屋オフィス開設平成30年3月東京オフィス開設現地法人Q設立 (2)被告株式会社Y2・同役員被告株式会社Y2は,平成30年6月に設立されたGの関連会社である。 同社は,Gの新スキームにおける広告代理店業務を行っていた。 また,同社の代表取締役は,被告Y35であった。 そして,被告Y36は,被告Y35と共に同社の運営に関与していた。 さらに,同社総務部員であった被告Y37は,顧客に対しGの新スキームに関する説明ないし勧誘を行っていた。 (3)被告株式会社RON・同役員被告株式会社RON(以下,「被告RON」という。)は,平成29年4月に設立されたGの関連会社である。 同社は,Gの新スキームにおける副業サイトで 。 (3)被告株式会社RON・同役員被告株式会社RON(以下,「被告RON」という。)は,平成29年4月に設立されたGの関連会社である。 同社は,Gの新スキームにおける副業サイトであるRoomer(ルーマー)を運営していた。 同社の代表取締役は被告Y38であったが,同人はG商法の問題が顕在化した後に,被告RONの資金を持って失踪したとされている(甲全35・2頁)。 (4)訴外株式会社SEN・同役員訴外株式会社SEN(以下,「訴外SEN」という。)は,平成30年1月に設立されたGの関連会社である。 同社は,Gの新スキームにおける副業サイトであるSmartspread(スマートスプレッド)を運営していた。 同社の代表取締役は,訴外Lであった。 (5)商品買取業者・同役員以下の商品買取業者が,Gのスキームにおける顧客からの商品買取業務を行っていた。 ア被告株式会社Creed・同役員 被告株式会社Creed(以下,「被告Creed」という。)は,「COSMESTATION 買取係」という名称で,名古屋市(住所省略)において,顧客からの商品買取業務を行っていた(電話番号省略)。 同社の代表取締役は,被告Y71であった。 イ被告株式会社ニュービレッジ・同役員被告株式会社ニュービレッジ(以下,「被告ニュービレッジ」という。)は,化粧品の販売等を業としていたが,Gの関連会社として,新スキームにおける商品買取業務を行っていた。 同社の代表取締役は,被告Y69であった。 (6)被告株式会社Y12・同役員被告株式会社Y12は,平成30年1月11日設立されたGの関連会社であり,障害福祉サービス事業(A型事業所の運営)等を業とし 役は,被告Y69であった。 (6)被告株式会社Y12・同役員被告株式会社Y12は,平成30年1月11日設立されたGの関連会社であり,障害福祉サービス事業(A型事業所の運営)等を業としていた(G破産管財人Kの令和元年12月24日付報告書参照)。 同社の代表取締役は,被告Y36であった。 (7)被告株式会社Y26・同役員被告株式会社Y26は,平成26年7月11日に設立されたGの関連会社であり,障害福祉サービス事業(A型事業所の運営)等を業としていた(G破産管財人Kの令和元年12月24日付報告書参照)。 同社の代表取締役は,被告Y85であった。尚,被告株式会社Y26という会社の名称は,被告Y85の名前に由来するものと推察される。 (8)被告株式会社友縁会・同役員被告株式会社友縁会(以下,「被告友縁会」という。)は,平成27年9月11日に設立されたGの関連会社であり,障害福祉サービス事業(A型事業所利用者のためのグループホームの運営)等を業としていた(G破産管財人Kの令和元年12月24日付報告書参照)。 同社の代表取締役は,被告Y84であった。 (9)被告株式会社ビューティーファーム・同役員被告株式会社ビューティーファーム(以下,「被告ビューティーファーム」という。)は,平成30年6月12日に設立されたGの関連会社であり,美容用品の企画及び販売等を業としていた(G破産管財人Kの令和元年12月24日付報告書参照)。 同社の代表取締役は,被告Y68であった。 (10)G幹部・従業員Gの主要な幹部や役職付の従業員等は,以下のとおりである(甲全20参照)。 ア被告Y36岡山オフィス担当部長であった。 Gの商法を遂行する上で岡山オフィスが中枢 幹部・従業員Gの主要な幹部や役職付の従業員等は,以下のとおりである(甲全20参照)。 ア被告Y36岡山オフィス担当部長であった。 Gの商法を遂行する上で岡山オフィスが中枢となっており,被告Y40と共に,首謀者Y35の右腕のような立場にあった。 また,Gの関連会社であり,障害福祉サービス事業等(A型事業所の運営)を業とする株式会社Y12の代表取締役でもあった(甲全22)。 イ被告Y40MD統括本部長,代理店管理部長,販売推進部長であった。 Gの資金管理を行っていた。 ウ被告Y46名古屋オフィスの従業員であった。 Gの沖縄セミナー(開催場所:沖縄県(住所省略))の講師も務めていた。 エ被告Y47副社長同行との肩書であり,副社長の被告Y35に同行していた。 オ被告Y48財務戦略副室長であり,名古屋オフィスで勤務していた(甲全12)。 カ被告Y49名古屋オフィス及び大阪オフィスの担当部長であった。 顧客に対し新スキームの説明ないし勧誘をするなどしていた。 キ被告Y50名古屋オフィスの担当課長であった(甲全33参照)。 ク被告Y51名古屋オフィスの担当課長であり,MD統括本部代理店管理部の担当課長であった(甲全13,甲全31及び甲全33参照)。 ケ被告Y52MD統括本部代理店管理部に所属しており,名古屋オフィスで勤務していた(甲全9)。 顧客と名古屋オフィスにて面談し,副業の説明・勧誘を行っていた。名古屋セミナー(開催場所:名古屋市(住所省略))の講師を務めていた。また,顧客に指示をして,Gのスキームについて「投資とは関係ない」「他言しな い」ことなどを確認させる内容の念書(甲全62の添付資料5参照)を書かせていた。 コ被告Y54MD ,顧客に指示をして,Gのスキームについて「投資とは関係ない」「他言しな い」ことなどを確認させる内容の念書(甲全62の添付資料5参照)を書かせていた。 コ被告Y54MD統括本部代理店管理部に所属しており,名古屋オフィスで勤務していた(甲全11)。 新スキームを担当して顧客に説明ないし勧誘を行っていた。 また,被告株式会社Y2に出向していたこともあった。 東京セミナー(場所:東京都港区(住所省略))の講師を務めたこともあった。 サ被告Y55MD統括本部代理店管理部の所属であり,名古屋オフィスで勤務していた。 新スキームの説明ないし勧誘のため,名古屋オフィスにて顧客と面談していた。また,顧客に指示をして,Gのスキームについて,「投資の類ではなく,リスクのある商取引であるとお互いに確認する」,「関係者に他言したりインターネット等に書き込みをすることを禁止する」などの内容の念書(甲全62の添付資料5参照)を書かせていたものである。 シ被告Y56フード事業部長であった(甲全32参照)。 ス被告Y57調達部課長代理であった。 セ被告Y58障害者福祉事業本部担当部長であった。 ソ被告Y59情報システム本部長であった。 また,Gの関連会社であり,農業関連の新事業を立ち上げるためのシステムの開発等を業とする訴外株式会社NATURETECHの代表取締役でもあった(G破産管財人Kの令和元年12月24日付報告書参照)。 同社は,Gの会社パンフレットにおいて,株式会社IやHグループと並び,Gの「関連会社」として紹介されている(甲全30,甲全28)。 同社は,Gの関連会社であり,農業関連の新事業を立ち上げるためのシステムの開発等を業としていた。 タ被告Y60Gの関連会社 「関連会社」として紹介されている(甲全30,甲全28)。 同社は,Gの関連会社であり,農業関連の新事業を立ち上げるためのシステムの開発等を業としていた。 タ被告Y60Gの関連会社であり,青果物卸・販売を業とするG香港(Q)のGMであった(G破産管財人Kの令和元年12月24日付報告書参照)。 (11)Gの親会社・グループ会社及び同役員ア概要① Gは,Hグループの中核をなす会社であった。 ② Hグループは,同グループ各社を創業した被告Y61(被告Y34の養父)を「会長」,被告Y62(被告Y34の夫)を「社長」として,これら両名を頂点する同族経営のグループ会社であった(甲全19)。 被告Y34の息子である被告Y35は,Hグループの同族会社(Gや株式会社M)の役員を務めていた(甲全24)。 ③ Gは,もともとHグループの観光農園であった。 もともとはHグループの有限会社Y7が観光農園Gを運営していたものである。その後,Gが同観光農園Gを運営することになった。 ④ Gの会社パンフレットには沿革の記載があり,創業平成16年4月,「地域に根付いて14年」とされていて,Hグループは関連会社として明記されている(甲全14)。 また,同パンフレットには,同社の「関連会社」として,株式会社I,Hグループ及び株式会社NATURETECHが紹介されている(甲全14)。 ⑤ さらに,Gには,株式会社Mや株式会社Y12等の従業員が出向して働いており(甲全20「株式会社Gグループ組織図」),Hグループ内での人事異動もあった。 ⑥ そして,被告Y35は,「Hグループ」,「有限会社Y7」,「Nグループ」,「H」の肩書が入った名刺を使用し,顧客への自己紹介の際に配布していた(甲全8の1・2)。 すなわ 事異動もあった。 ⑥ そして,被告Y35は,「Hグループ」,「有限会社Y7」,「Nグループ」,「H」の肩書が入った名刺を使用し,顧客への自己紹介の際に配布していた(甲全8の1・2)。 すなわち,被告Y35は,Hグループ・Nグループの看板を用い,Hグループの一員として活動していた。 このように,被告Y35は,対外的にHグループ・Nグループとして活動していたものである。 イ訴外株式会社I昭和40年12月8日に設立された,土木工事・建築工事,造園の設計及び施工等を目的とする株式会社である。 同社代表取締役は,被告Y62であった。 尚,同社代表取締役は,長きにわたり被告Y61が務めていたが,令和元年8月26日に被告Y62らに交代したものである。 ウ被告有限会社Y7昭和50年2月27日に設立された,一般土木建築,野菜・桃・いちご・ぶどう等の観光農園の経営等を目的とする有限会社である。 同社代表取締役は,被告Y62であった。 被告有限会社Y7は,Gの運営会社とされていた(甲全19,甲全64参照)。 エ被告有限会社Y8昭和54年9月26日に設立された,食堂の経営,植林並びに山林経営等を目的とする有限会社である。 同社代表取締役は,被告Y62であった。 尚,被告Y61は,同社取締役であった。 オ被告明光観光開発有限会社昭和44年7月1日に設立された,観光資源の開発,植林並びに山林経営等を目的とする有限会社である。 同社代表取締役は,被告Y62であった。 また,被告Y61は同社取締役であった。 そして,「Hグループ」のHPによれば,「H」の社名は,「明光観光開発有限会社」とされており,同社の代表取締役は,被告Y62であった(甲63)。 カ訴外株式 ,被告Y61は同社取締役であった。 そして,「Hグループ」のHPによれば,「H」の社名は,「明光観光開発有限会社」とされており,同社の代表取締役は,被告Y62であった(甲63)。 カ訴外株式会社NATURETECH平成30年9月3日に設立された,システムの開発,設計等(農業関連の新事業を立ち上げるためのシステムの開発)を目的とする株式会社である。 同社代表取締役は,被告Y59であった。 (12)訴外O本件被害が社会問題化した直後に,Gが名称変更した会社である。 その所在地は,「岡山県赤磐市(住所省略)」であり,Gと同一である(甲全64)。 訴外Oは,G同様,Hグループの被告有限会社Y7が運営している(甲全64)。 (13)決済代行会社及び同執行役員・同従業員ア被告GMOペイメントゲートウェイ株式会社被告GMOペイメントゲートウェイ株式会社(以下,「被告GMOペイメントゲートウェイ」という。)は,いわゆる決済代行業者であり,クレジット契約の仕組みにおいて,アクワイアラーとの関係では包括代理店契約を締結し,G及びその販売店との間では決済代行契約を締結していた。 イ訴外J訴外Jは,被告GMOペイメントゲートウェイの従業員であった。 Gのスキームは被告Y35が考案したものであるが,訴外Jもその構築・運営に密接に関与していた。 ウ被告Y64被告Y64は,被告GMOペイメントゲートウェイの執行役員であった。 被告Y64は,訴外J同様,Gのスキームの構築・運営に密接に関与していた。 (14)Gの主要な営業代行ないしマルチ上位者ア G商法における主要な営業代行ないしマルチ状の勧誘組織における上位者(名字をとって「〇〇村」等と呼称されていた者)は,以下のとおりであ 。 (14)Gの主要な営業代行ないしマルチ上位者ア G商法における主要な営業代行ないしマルチ状の勧誘組織における上位者(名字をとって「〇〇村」等と呼称されていた者)は,以下のとおりである。 尚,Gは,一般の出資者についても,別の人を勧誘すれば,「紹介料」として新規の出資者の決済額の1%程度を受け取れる仕組みを導入しており,口コミや会員制交流サイト(SNS)を通じてGの副業ビジネスが広がっていった(甲全81の1)。 イそして,上記のように,被告Y35が最初に勧誘したのが,名古屋の被告Y69,被告Y68,被告Y72の3名であった。上記3名は被告Y35と親密な関係にあって,Gの事実上の幹部として,自らの傘下にネットワークを構築し,その名字をとって「〇〇村」と称されていた(甲64の1,甲全53,甲全79の2,甲全79の3)。また,これら3名に加えて,同じく名古屋の被告Y66,被告Y37,被告Y67も有力な幹部とされていた(甲全53)。 ウなかでも,被告Y37,被告Y66,被告Y67,被告Y72ら4人は,「四天王」と呼ばれる主要な勧誘役とされ,それぞれ「村」と名付けた自分のグループをつくっていた。村はそれぞれ150~500人程度の出資者を抱え,Y72らは,「村長」として投資に参加するように呼びかけていた。 Gからは一定額の報酬が支払われていたほか,勧誘した人数や決済額に応じた報酬もあった。被告Y72ら4人は,それぞれ約2000万~5000万円程度の報酬を受け取っており,報酬として計1億5000万円以上を受け取っていた(甲全81の1参照)。 ① 被告Y66少なくとも営業代行利益4013万8625円,パートナー利益239万7344円,利益合計4253万5969円を得ていた(甲全53)。 ② 被告Y72少なく 参照)。 ① 被告Y66少なくとも営業代行利益4013万8625円,パートナー利益239万7344円,利益合計4253万5969円を得ていた(甲全53)。 ② 被告Y72少なくとも営業代行利益3324万5514円,パートナー利益604万8256円,利益合計3929万3770円を得ていた(甲全53)。 また,被告株式会社Y13の代表取締役であり,訴外株式会社エムズコミュニティの従業員でもあった(甲10の1・2)。 Gの広報業務も行っていた。 ③ 被告Y67少なくとも営業代行利益5662万9928円,パートナー利益5万円,利益合計5667万9928円を得ていた(甲全53)。 Gの広報業務も行っていた。 ④ 被告Y68少なくとも営業代行利益1148万7509円,パートナー利益59万9276円,利益合計1208万6785円を得ていた(甲全53)。 Gの関連会社であり,美容用品の企画及び販売を業とする被告株式会社ビューティーファームの代表取締役だった。 Gの商法の三河地区の担当者だった。リボ払いキャンペーンの説明を行うなどしていた。 ⑤ 被告Y37少なくとも営業代行利益2359万9861円,パートナー利益598万3498円,利益合計2958万3359円を得ていた(甲全53)。 また,被告株式会社Y2の総務部員でもあり,顧客に対し,新スキームに関する説明ないし勧誘を行っていた。 ⑥ 被告Y69少なくとも営業代行利益3490万8828円,パートナー利益614万2957円,利益合計4105万1785円を得ていた(甲全53)。 また,平成29年7月26日に設立されたGの関連会社であり,化粧品の販売等(Gの新スキームにおける商品買取業務)を業とする被告株式会社ニュ ,利益合計4105万1785円を得ていた(甲全53)。 また,平成29年7月26日に設立されたGの関連会社であり,化粧品の販売等(Gの新スキームにおける商品買取業務)を業とする被告株式会社ニュービレッジの代表取締役であった(G破産管財人Kの令和元年12月24日付報告書参照)。 ⑦ 被告Y85少なくとも営業代行利益2783万7348円,パートナー利益136万1250円,利益合計2919万8598円を得ていた(甲全53)。 また,Gの関連会社であり,障害福祉サービス事業等(A型事業所の運営)を業とする株式会社Y26の代表取締役であった。 (15)被告販売店の法人・役員別紙2「被告目録」(添付省略)及び別紙3「請求額一覧表」の被告欄のうち「勧誘者・販売店等」記載のとおりである。 尚,別紙3「請求額一覧表」中の「勧誘者・販売店等」の法人名は販売店 であり,法人名に続くカッコ書きは当該法人の代表取締役である。 第3 原告らの取引経緯等 1 原告らの個別の属性や取引の具体的経緯等は,準備書面で主張する。 (尚,旧スキーム及び新スキームの各取引経緯の具体例として,甲全61,甲全62を参照されたい。) 2 尚,原告らの各スキームによる被害額,Gの取引の勧誘者や販売店(及びその代表者)は,別紙3「請求額一覧表」記載のとおりである。 第4 違法性 1 旧スキームについて(1)Gの旧スキームについては,クレジットカードを用いた投資案件として,「Gの指定する果物販売サイトで,クレジットカードで決済すれば,翌月に決済額の103%の振込みがあり,必ず利益を得られる。」等と組織的に説明・勧誘を行い,不特定多数の者に多額のクレジット決済を行わせた。 顧客は,これを海外への転売利 ジットカードで決済すれば,翌月に決済額の103%の振込みがあり,必ず利益を得られる。」等と組織的に説明・勧誘を行い,不特定多数の者に多額のクレジット決済を行わせた。 顧客は,これを海外への転売利益で収益が得られる元本保証の副業と信用して参加した。 Gでは,顧客に対し組織的にLINEグループに入らせ,LINE(SNS)を通じて取引のやりとり・指示を行った。 (2)上記のように,旧スキームでは,「転売して収益が出るので,3パーセント上乗せして支払う」旨の高利を謳う勧誘文言を用いている。しかし,Gでは,転売により恒常的に3パーセントもの収益を上げる運用の実体に乏しかった。そうすると,上記勧誘文言は,詐欺的・欺瞞的なものであったというべきである。 この点,Gは,クレジットカード会社に支払いを止められて,程なくして破綻したものである。このことからも,転売の収益ではなく,クレジット会社からの立替金を他の顧客への支払いに充てる自転車操業が行われていたものと推認される(いわゆるポンジスキーム)。 そもそも,Gの商法は,物の受け取りをしない空クレジット前提とするものであり(架空取引),これ自体,公序良俗に反する違法な商法であったというべきである。 (3)Gが指定する青果物等の商品(例:春野菜詰め合わせセット(4人家族分)等)を原告らに何十セットもクレジット決済にて購入させた上,当該購入代金に月利3%,年利換算で36%ものプレミアム(利息)を付けて金銭償還 すること等を謳うものである。 Gがそのような破格の高利を多数の顧客に支払い続けるには,それ以上の利益を恒常的に確保する必要があるところ,Gがこれら大量の商品を転売することにより,上記のような異常な高利を恒常的に生み出す収益構造が確立されていたものとは認め難く,その実現可能 るには,それ以上の利益を恒常的に確保する必要があるところ,Gがこれら大量の商品を転売することにより,上記のような異常な高利を恒常的に生み出す収益構造が確立されていたものとは認め難く,その実現可能性は極めて乏しいといわざるを得ない。 そうすると,Gの上記商法は,そもそもビジネスモデルとしての経済合理性を有せず,多数の顧客に対し反復継続的に破格の高利を支払い続けるには,結局,顧客からの商品販売代金として支払われた金員をもって,既存の顧客に対する元利金の支払いに充てるという,自転車操業ないしポンジスキームであった疑念が高いといわざるを得ず,いずれ資金繰りに行き詰って破綻することは必至であったというほかない。Gの旧スキームは,クレジット会社に怪しまれ,立替払いをストップされたことから,ほどなくして顧客への支払い不能に陥り,破綻した。 現在,原告らを含む多数の顧客に対し,Gからの支払いは全てストップしている状況にある。そして,Gは,令和元年10月10日,岡山地裁において破産開始決定を受けたものである。 Gの上記商法は,破格の高利を継続的に支払う能力もないのに,元本保証及び高利の支払いを確約して,原告らをして誤信させ,毎月のように多額のクレジット決済を行わせたものである。 (4)上記のように旧スキームが破綻必至であることを隠し,顧客が指定サイトにおいてクレジットカードを利用して商品を購入しても,商品代金相当額が利息を付してGから振り込まれるので,確実に利益が得られるかのように勧誘することによって,顧客にクレジットカード契約を締結させ,クレジットカード決済によりGの商品を購入させた。ところが,勧誘時に約束したカード利用代金の振込みをせず,以て,顧客をしてカード利用代金と同額の損害を被らせたものである。 (5)このように,旧スキームが破綻 カード決済によりGの商品を購入させた。ところが,勧誘時に約束したカード利用代金の振込みをせず,以て,顧客をしてカード利用代金と同額の損害を被らせたものである。 (5)このように,旧スキームが破綻必至であることを隠して,あたかも確実に利益が得られるかのように勧誘し,顧客をして誤解させ,クレジットカード決済をさせた結果,損害を被らせることは,一般消費者との間で行う取引として明らかに社会的相当性を逸脱するものであり,詐欺的な違法行為というべきである。 (6)そもそも,物の受け取りを前提としない架空取引で空クレジットを切らせるスキームであり,これ自体,公序良俗に反する違法なものといえるのである。 (7)また,旧スキームは,空クレジットを切ることで,商品は届かない前提で あり,実質的には金銭を預かった上で,その金銭に利回りを付して返還することを契約の内容としていた。 これは,出資法2条1項違反に該当するものである。 (8)そして,勧誘者は,一般消費者である顧客に対して,クレジットカードを利用して商品を販売するにあたり,旧スキームのような特殊な内容の契約を締結させる場合には,顧客が誤解して契約を締結することがないよう,信義則上,その仕組みやリスクについて正しい情報を提供し,顧客に対してわかりやすく説明すべき義務を負っていた。 しかし,勧誘者は,Gのスキームの内容について,真実は破綻必至であるにもかかわらず,そのことを隠して,Gからカード利用代金相当額について支払期限の前に振り込むから,顧客が損失を被ることはなく,あたかも確実に3パーセントの利益が得られるかのような説明をしており,明らかに事実に反することを述べて勧誘しているから,消費者契約法上の不利益事実の不告知,不実告知,断定的判断の提供等にあたるほか,少なくとも に3パーセントの利益が得られるかのような説明をしており,明らかに事実に反することを述べて勧誘しているから,消費者契約法上の不利益事実の不告知,不実告知,断定的判断の提供等にあたるほか,少なくとも信義則上の情報提供義務違反ないし説明義務違反の違法がある。 (9)これら顧客に対する旧スキームの勧誘行為は違法というべきであって,不法行為に該当する。 2 保証金について(1)Gは,「現金を預けることで預入額の3.3%の利息が毎月得られる。」等と説明・勧誘を行い,「保証金」と称して,不特定多数の者から多額の資金を集めた。 これは,金銭を預かった上で,その金銭に利回りを付して返還することを契約の内容としていたものに他ならず,「出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律」(「出資法」)第2条第1項の禁止する「預り金」に該当する。 そうすると,Gが保証金を集めた行為は,不特定多数の顧客から,業として預り金をしていたものに他ならず,明らかに出資法第2条第1項に違反し,強度の違法性を有する不法行為というべきである。 (2)この点,愛知県警は,Gに対し,保証金についての出資法違反の疑いで家宅捜索を行っており,現在も捜査は継続している(甲全1,甲全2)。 また,上記のように名古屋地裁令和元年9月13日判決でも,保証金全額について顧客に対する損害賠償責任が当然に認められている(甲全4,甲全5)。 3 新スキームについて (1)Gの「Roomer(ルーマー)」と称するスキームは,顧客がクレジットカードでGの商品を購入し,その商品の写真をSNS(インスタグラム)にアップすれば広告・宣伝の手数料としてGが商品代金の30.5%を支払い,商品はGの関連会社が70%の値段で下取りし,カード利用代金の支払期限までに,あわ ,その商品の写真をSNS(インスタグラム)にアップすれば広告・宣伝の手数料としてGが商品代金の30.5%を支払い,商品はGの関連会社が70%の値段で下取りし,カード利用代金の支払期限までに,あわせて商品代金の100.5%を振り込むという内容であった。そして,これらの手続きは,商品を受け取ったり,返送したりしなければならず,面倒であることから,0.5%の手数料を支払うことによって代行業者が商品の写真を送るので顧客はその写真をアップすればよいとのことであった。そうすると,ちょうど商品代金と同額(100%)が顧客の口座に振り込まれることになるから,顧客にはカード利用代金について実質的な負担はなく,利用ポイントが貯まるだけという内容であった(甲全16の1等)。 (2)また,Gの「SmartSpread」と称するスキームは,上記Roomer とほぼ同様の仕組みであるが,インフルエンサー代行サービスがなく,実際に商品が送られてきて,写真を撮ってSNSにアップして,商品を使った感想を書き込む必要があり,書き込みについてはGの従業員がチェックするというスキームであった。商品の返送は不要であり,SNSに写真をアップして感想を書き込めば,商品代金の100%が振り込まれるという内容であった。 (3)上記Roomer 及びSmartSpread のいずれのスキームについても,Gが商品代金の100%を顧客に還元するという取引であり,一部のインフルエンサーないしモニターとの関係だけでそのようなスキームの契約を締結するのであればともかく,Gでは大半の顧客に同じような内容の契約を勧誘しており,そうであれば,そのような取引は破綻必至であることは明らかといわざるを得ない。 また,Roomer に関しては,そもそも,一般消費者(顧客)が購入した商品それ自体をイン 内容の契約を勧誘しており,そうであれば,そのような取引は破綻必至であることは明らかといわざるを得ない。 また,Roomer に関しては,そもそも,一般消費者(顧客)が購入した商品それ自体をインフルエンサー代行業者が撮影し,その商品の写真を,その顧客に送ってきているとは到底考えられない。 さらに,SmartSpread に関しては,商品はカード利用代金に比して全く価値のないものであって,かかるカード利用代金を顧客が負担しなければならないのであれば,暴利行為ともいうべき取引であった。 (4)このように,Gの新スキームは,破綻必至であることを隠して,あたかもSNSで広告・宣伝すればGがカード利用代金の全額を負担するかのような虚偽を述べて勧誘し,クレジットカードでGの商品を購入させる一方,顧客に商品を送付せず,あるいは,ほとんど価値のない商品を送付することによって,金員を詐取することを企図とした取引というべきである。 (5)「指定された商品をクレジットカードで購入し,商品をSNSに投稿(広告)した後,Gから商品の購入費が振り込まれる。副業として,費用をかけ ずにクレジットカードのポイントを得ることができる。」,「リスクは特にない。」,「実際に商品が流通するシステムなので,カードの不正利用に該当しない。」等と説明・勧誘を行い,不特定多数の者に多額のクレジット決済を行わせた。 (6)上記のように,新スキームが破綻必至であることを隠し,Roomer ないしSmartSpread のサイトにおいてクレジットカードを利用して商品を購入しても,商品代金相当額がGから振り込まれるので,結果的にクレジットカード利用によるポイントが貯まるだけであるかのように勧誘することによって,顧客にクレジットカード契約を締結させ,クレジットカー 入しても,商品代金相当額がGから振り込まれるので,結果的にクレジットカード利用によるポイントが貯まるだけであるかのように勧誘することによって,顧客にクレジットカード契約を締結させ,クレジットカード決済によりGの商品を購入させた。ところが,勧誘時に約束したカード利用代金の振込みをせず,以て,顧客をしてカード利用代金と同額の損害を被らせた。 (7)このように,新スキームが破綻必至であることを隠して,あたかも確実に利益が得られるかのように勧誘し,顧客をして誤解させ,クレジットカード決済をさせた結果,損害を被らせることは,一般消費者との間で行う取引として明らかに社会的相当性を逸脱するものであり,詐欺的な違法行為というべきである。 (8)また,新スキームは,空クレジットを切ることで,商品は届かない前提であり,実質的には金銭を預かった上で,その金銭に利回りを付して返還することを契約の内容としていた。 これは,出資法2条1項違反といえる。 (9)そして,勧誘者は,一般消費者である顧客に対して,クレジットカードを利用して商品を販売するにあたり,新スキームのような特殊な内容の契約を締結させる場合には,顧客が誤解して契約を締結することがないよう,信義則上,その仕組みやリスクについて正しい情報を提供し,顧客に対してわかりやすく説明すべき義務を負っていた。 しかし,勧誘者は,Gのスキームの内容について,真実は破綻必至であるにもかかわらず,そのことを隠して,Gからカード利用代金相当額について支払期限の前に振り込むから,顧客が損失を被ることはなく,あたかも確実にクレジットカードのポイントだけが貯まるかのような説明をするなどしており,明らかに事実に反することを述べて勧誘しているから,消費者契約法上の不利益事実の不告知,不実告知,断定的判断の提供等にあたる にクレジットカードのポイントだけが貯まるかのような説明をするなどしており,明らかに事実に反することを述べて勧誘しているから,消費者契約法上の不利益事実の不告知,不実告知,断定的判断の提供等にあたるほか,少なくとも信義則上の情報提供義務違反ないし説明義務違反の違法がある。 (10)これら顧客に対する新スキームの勧誘行為は違法というべきであり,不法行為に該当する。 第5 責任 1 G及びその関連会社(1)共同不法行為責任ア Gは,その旧スキーム等の勧誘で謳っていた海外転売事業に実態はなく,顧客が拠出した金銭を他の顧客への返金に流用するという,自転車操業ないしポンジスキームにほかならない破綻必至の違法な商法を遂行し,また,元本保証で高利を支払う旨約して保証金を集めて,出資法(出資金の受入れの制限や預り金の禁止)違反の行為を行うとともに,他の顧客から受け入れた保証金を他の顧客への返金に流用するなど,刑法上の詐欺罪や出資法違反に該当する不法行為を行った。 イまた,Gの各関連会社(被告株式会社Y2,被告株式会社RON,被告株式会社ビューティーファーム,被告株式会社Creed,被告株式会社ニュービレッジ,被告株式会社Y12,被告株式会社Y26,被告株式会社友縁会)は,Gが破綻必至の違法な商法を遂行するために必要不可欠な役割を分担して行い,Gの本件商法に直接的に関与して,これを組織的に実行した。 よって,上記被告らは,共同不法行為責任を負う(民法719条1項)。 (2)不法行為の幇助責任Gの上記各関連会社(被告株式会社Y2,被告株式会社RON,被告株式会社ビューティーファーム,被告株式会社Creed,被告株式会社ニュービレッジ,被告株式会社Y12,被告株式会社Y26,被告株式会社友縁会)は,Gのポ 被告株式会社Y2,被告株式会社RON,被告株式会社ビューティーファーム,被告株式会社Creed,被告株式会社ニュービレッジ,被告株式会社Y12,被告株式会社Y26,被告株式会社友縁会)は,Gのポンジスキームないし詐欺・出資法違反に該当する違法な商法が,第三者に対して損害を与える恐れのある違法・危険な取引であったにもかかわらず,これを援助・助長し,加担する一方,Gのスキームの適法性について適時かつ適切な調査・確認を行うなどの注意義務を尽くすこともなく,自ら積極的かつ継続的にGの違法・危険な商法を幇助したものである(民法719条2項)。 (3)使用者責任Gのスキームは,上記のように転売事業に実体がなく,ある顧客が拠出した資金を他の顧客への返金に流用するというポンジスキームにほかならず,破綻必至の違法・危険なものであったところ,G及びその各関連会社の役員及び従業員は,その業務の執行につき違法行為を行ったものといえるから,G及びその各関連会社らは使用者責任を免れないものというべきである(民法715条1項)。 2 G及びその関連会社の役員(1)共同不法行為責任 ア被告Y35は,Gにおいて副社長と呼ばれ,Gの実質的な経営者であった。 被告Y35がGの違法・危険なスキームを考案した。 イ上記のように,Gの旧スキーム等の勧誘で謳っていた海外転売事業に実態はなかったところ,被告Y35は,Gの幹部ら(被告Y40ら)及び主要な勧誘者ら(被告Y37,被告Y72,被告Y67,被告Y66ら)と共同して,顧客が拠出した金銭を他の顧客への返金に流用するという,自転車操業ないしポンジスキームにほかならない破綻必至の違法な商法を遂行し,また,元本保証で高利を支払う旨約して保証金を集めて,出資法違反の行為を自ら率先して勧誘し(甲全 への返金に流用するという,自転車操業ないしポンジスキームにほかならない破綻必至の違法な商法を遂行し,また,元本保証で高利を支払う旨約して保証金を集めて,出資法違反の行為を自ら率先して勧誘し(甲全85,甲全92等参照),他の顧客から受け入れた保証金を他の顧客への返金に流用するなど,刑法上の詐欺罪や出資法違反に該当する不法行為を行ったものである(甲全79の2,甲全79の3等参照)。 ウそして,被告Y35は,Gの関連会社(被告株式会社Y2,被告RON,被告Creed,被告ニュービレッジ,被告株式会社Y12,被告株式会社Y26,被告友縁会)の役員(被告Y34,被告Y35,被告Y38,被告Y71,被告Y69,被告Y36,被告Y85,被告Y84)と共同して,組織的にGのスキームを実行した。 このように,被告Y35を中心として,上記被告らは刑法上の詐欺罪や出資法違反に該当する組織的な不法行為を実行し,又はこれに関与・助長していた。 また,上記被告らは,第三者に対して不測の損害を与える恐れのあるGの違法・危険な商法につき役割分担をして組織的に行い,原告ら不特定多数の一般消費者を勧誘して行わせたものである。 (2)会社法429条1項の任務懈怠責任ア被告Y34について① 被告Y34は,Gの代表取締役として,会社の事業が適法なものとなるように業務執行を行う義務を負っていた。3すなわち,被告Y34は,訴外G設立時から令和元年6月26日に退任するまでの在任中,同社において正式に選任された唯一の取締役であり,かつ,代表権を有し,業務に関する一切の権限を有する唯一の代表取締役であったものであるから,その職務遂行に関しては,善良な管理者の注意をもって会 する一切の権限を有する唯一の代表取締役であったものであるから,その職務遂行に関しては,善良な管理者の注意をもって会 3 この点,代表取締役その他の業務執行取締役は,自らが適正に会社の業務を執行するように善管注意義務を尽くさなければならず,その内容として,他の取締役や従業員が法令違反行為等の不適正な業務執行しないように監視する義務を負う。 社のため忠実にその職務を遂行し,ひろく会社業務の全般にわたって意を用いて,会社の事業が適法なものとなるようにすべき義務を負っており,訴外Gが違法な事業を行っている場合にはこれを監督是正すべき義務を負っていた。 しかし,被告Y34は,訴外Gの設立当初から,訴外Gの実質的な経営については,被告Y35に任せきりにし,被告Y35が訴外Gの違法な商法を大々的に展開することを放任したものである。 この点,被告Y34に対する役員責任査定申立事件決定書においても,訴外Gの商法の実態について,以下の認定がなされている(甲全67 3頁)。 「破産会社は,これら業務のための資金調達手段として,インターネット上の商品販売サイトで協力者がクレジットカード決済の方法で商品を購入し,クレジットカード利用料支払日までに購入金額に利益を上乗せした金額で破産会社が商品を買い戻し,協力者に同金額を支払うスキームや保証金名目で協力者から現金を預かる方法等による資金調達を行っていたが,これら売買の中には決済上の売買価格より相当廉価な対象商品や対象商品が実在しない架空売買も含まれており,実質的には,協力者による新たなクレジットカードの決済代金を買戻費用等に充てる自転車操業に近い状態にあった。」 このよう 格より相当廉価な対象商品や対象商品が実在しない架空売買も含まれており,実質的には,協力者による新たなクレジットカードの決済代金を買戻費用等に充てる自転車操業に近い状態にあった。」 このように,Gの本件商法は,転売事業に実体はなく,顧客の出捐した金銭を他の顧客への返金に充てる自転車操業であり,いずれ破綻必至のポンジスキームであった。 ところが,本件において,被告Y34は,自らが代表取締役を務めるGにおいて,被告Y35をはじめとする使用人らが違法な業務執行を行わないように監視することを怠り,また,訴外Gにおいて違法な業務執行が行われないように内部管理体制を適正に整備・運営することを怠ったものである。 ② 仮に被告Y34が,訴外Gの名目的な代表取締役であったとしても,名目的な代表取締役であることを理由として,その責任を免れるものではない。4 4 この点,東京地裁平成22年4月19日判決も,以下のように,代表取締役は,名目的な代表取締役であることを理由として,その責任を免れるものではないと判示している(先物取引裁判例集59巻261頁以下)。 この点,被告Y34に対する役員責任査定申立事件(岡山地裁令和2年(モ)第3001号)においても,以下の判示の下,被告Y34に対する損害賠償請求権の額が決定されている(甲全67 6頁以下)。 「(2)相手方5の善管注意義務義務・忠実義務違反の有無相手方は,破産会社6設立時から令和元年6月26日に退任するまでの在任中,破産会社において正式に選任された唯一の取締役であり,かつ,代表権を有し,業務に関する一切の権限を有する唯一の代表取締役であったもので, 産会社6設立時から令和元年6月26日に退任するまでの在任中,破産会社において正式に選任された唯一の取締役であり,かつ,代表権を有し,業務に関する一切の権限を有する唯一の代表取締役であったもので,その職務遂行に関しては,善良な管理者の注意をもって会社のため忠実にその職務を遂行し,ひろく会社業務の全般にわたって意を用いるべき義務を負っており,私的利用目的による会社財産の不当な支出がある場合にはこれを監督是正すべき義務を負っているといえる(最高裁昭和39年(オ)第1175号同44年11月26日大法廷判決・民集23巻11号2150頁参照)。 前記の車両購入処分行為やクレジットカードの契約手続はいずれも破産会社の代表権を有する相手方の関与が必要な手続であるところ,仮に相手方がこれら契約手続等に自らは直接関与せず,Y35らに任せきりにしていたとしても,前記車両購入処分行為は破産会社の会計帳簿等から容易に把握でき,また,前記クレジットカードの利用履歴も相手方宛てに送付される利用代金明細書により容易に確認できるものであって,相 「被告a は,グラン・ディの設立時から平成18年7月10日までグラン・ディの代表取締役であったのであり,善良な管理者の注意をもって会社のため忠実にその職務を執行し,ひろく会社業務の全般にわたって意を用いるべき義務を負っていたのであって,このことは,被告a が名目的な代表取締役であったとしても(前記認定事実⑹)同様である。」「被告b は,名目的な代表取締役であったといえる。もっとも,名目的代表取締役であっても業務全般について善管注意義務を負うべきことは前述のとおりである。前記認定事実⑺のとおり,被告b は,c による 「被告b は,名目的な代表取締役であったといえる。もっとも,名目的代表取締役であっても業務全般について善管注意義務を負うべきことは前述のとおりである。前記認定事実⑺のとおり,被告b は,c によるグラン・ディの証拠金不足の取引について知らなかったといえる。しかしながら,被告b は,グラン・ディの代表取締役として,同社に損失を与える可能性のある行為が行われていないか絶えず注意する義務を負っていたのであり,被告b は当該義務を怠ったものといわざるを得ない。そして,被告b は,同社の計算書類を見たり,c や監査役の被告d 等に聞くことにより,c による取引を容易に知ることができたはずである。したがって,被告b には,代表取締役としての任務懈怠があり,これについて重大な過失があったというべきである。」被告Y34 6 株式会社G 手方はこれらを確認することにより,Y35らによる前記の不当な支出行為を把握し,破産会社の財務状況を悪化させないようこれらを是正する機会は十分にあったといえる。しかるに相手方は,破産会社の唯一の取締役兼代表取締役としてY35らによる不当な支出行為を監督是正すべき立場にありながら,これを怠り,前記各支出行為を看過ないし放置したもので,破産会社の唯一の取締役兼代表取締役としての善管注意義務及び忠実義務に違反したものというべきである。なお,相手方はその在任期間中,破産会社の唯一の取締役兼代表取締役であったことを踏まえれば,仮に相手方が名目的に代表取締役に就任していたにすぎないとしても,前記認定判断は左右されない。 (3)以上によれば,相手方が代表取締役在任中の前記任務懈怠行為により,破産会社は合計7080万5554円の損害を受けたと認められる。」 ③ そして,被告Y34は,Gの代表取 右されない。 (3)以上によれば,相手方が代表取締役在任中の前記任務懈怠行為により,破産会社は合計7080万5554円の損害を受けたと認められる。」 ③ そして,被告Y34は,Gの代表取締役として,同社の売上高が急激に伸びていたことを認識していたものであり,同社を実質的に経営していた被告Y35が,訴外Gにおいて違法な事業を行うことで売上高を急激に伸ばしていることについて,認識し又は容易に認識し得たものというべきである。 それにもかかわらず,被告Y34は,被告Y35に訴外Gの事業を任せきりにし,自らが訴外Gの代表取締役として負うべき上記職責を放棄したものといわざるを得ない。 よって,被告Y34は,Gの代表取締役として,善良な管理者の注意をもって会社のため忠実にその職務を遂行し,ひろく会社業務の全般にわたって意を用いて,会社の事業が適法なものとなるようにすべき義務に違反したものというべきである。 そして,被告Y34の上記任務懈怠には,重過失があったものといえ,その重過失と原告らが被った損害との間には,相当因果関係が認められる。 したがって,被告Y34は,原告らに対し,会社法429条1項に基づく損害賠償責任を負う。 イ Gの関連会社の被告役員らについて① 被告RON(代表取締役:被告Y38),被告Creed(代表取締役:被告Y71),被告ニュービレッジ(代表取締役:被告Y69),被告株式会社Y12(代表取締役:被告Y36),被告株式会社Y2(代表取締役:被告Y35),被告株式会社Y26(代表取締役:被告Y85),被告友縁会(代表取締役:被告Y84)は,Gによる違法行為に関与し,又はこれを助長し,若しくはこれを幇助したものである。 ② また,上記各被告は,Gの関連会社の代表取締役として,会社 縁会(代表取締役:被告Y84)は,Gによる違法行為に関与し,又はこれを助長し,若しくはこれを幇助したものである。 ② また,上記各被告は,Gの関連会社の代表取締役として,会社の事業が適法なものとなるように業務執行を行う義務を負っていた。 この点,Gの商法は,上記のように転売事業の実体に乏しく,自転車操業であって,いずれ破綻する可能性が高いポンジスキームであったものである。 そうすると,上記各被告は,自らが代表取締役を務める法人がGの違法な取引に利用されることのないようにすべき注意義務があった。 すなわち,上記各被告は,Gの関連会社の代表取締役として,自らが代表取締役を務める法人がGの不適法な行為に加担していないかについて,注意する義務を負っていた。 この点,上記各被告は,Gの売上が短期間に急激に増大していることを認識し又は容易に認識し得たものであり,Gの計算書類等を見たり,被告Y35をはじめとするG関係者に質問したり,決済代行会社である被告GMO ペイメントゲートウェイや実際にGの取引決済をしている原告ら顧客に聴取することなどで,Gのスキームが物の引き渡しを前提としない違法な空クレジット取引であることを認識し又は容易に認識し得たものというべきである。 ところが,上記各被告は,Gのスキームが不適法なものではないかについて何ら調査・確認をすることもなく,自らが代表取締役を務める法人をGのなすがままにし,不適法な行為を行わないように注意すべき義務を怠ったものである。 ③ よって,上記各被告は,Gの関連会社の代表取締役として,当該法人の業務を適正・適法に行わせるように監督し,Gの空クレジットスキームに加担するなどの違法行為を行うことを防止すべきであったにもかかわらず,これを敢えてせず,あるいは少なくとも重過 役として,当該法人の業務を適正・適法に行わせるように監督し,Gの空クレジットスキームに加担するなどの違法行為を行うことを防止すべきであったにもかかわらず,これを敢えてせず,あるいは少なくとも重過失によりこれを怠ったものといえるから,原告らに対し,会社法429条1項に基づく損害賠償責任を負うものである。 3 Gの幹部・従業員(1)共同不法行為責任ア Gの幹部従業員としてGの運営を取り仕切っていたのは,副社長の被告Y35を頂点として,被告Y36,被告Y40らであった。 被告Y35及びGの上記幹部らは,Gの違法・危険な商法を主宰し実行して,甚大な被害を発生させたものである。 イまた,その下に役職付きの主要な従業員として,被告Y47,被告Y48,被告Y49,被告Y50,被告Y51,被告Y56,被告Y57,被告Y58,被告Y59,被告Y60らがおり,Gの各部課の責任者として,その運営を切り盛りしていた。 Gの上記従業員らは,Gの違法・危険な商法を遂行するために不可欠な役割を分担して行ったものであり,Gの違法行為を積極的に援助・助長し,加担したものである。 ウさらに,Gの従業員であった被告Y46,被告Y54,被告Y55,被告Y52らは,自ら積極的に顧客(原告)に対し勧誘行為を行い,勧誘した顧客を担当し,実際に詐欺的不法行為,情報提供義務違反(説明義務違反)の違法行為を行うなど,Gの違法な商法に直接的に関与したものである。 (2)不法行為の幇助責任(過失による幇助)ア Gの上記従業員ら(上記(1)イ及びウ記載の従業員ら)は,第三者に対して損害を与える恐れのある違法・危険なGの取引について,適時かつ適切な調査・確認を行わず,注意義務を尽くさないまま,漫然とGの業務に従事し,原告らに対し勧誘して行わせ 載の従業員ら)は,第三者に対して損害を与える恐れのある違法・危険なGの取引について,適時かつ適切な調査・確認を行わず,注意義務を尽くさないまま,漫然とGの業務に従事し,原告らに対し勧誘して行わせるなどした。7イこの点,Gの上記従業員らは,Gの売上が短期間に急激に増大していることを認識し又は容易に認識し得たものであり,Gの計算書類等を見たり,被告Y35をはじめとする幹部らに質問したり,決済代行会社である被告GMOペイメントゲートウェイや実際にGの取引決済をしている原告ら顧客に質問したりすることなどで,Gのスキームが物の引き渡しを前提としない違法な空クレジット取引であることを認識し又は容易に認識し得たものというべきである。 ウそもそも,Gの上記従業員らは,旧スキームや新スキーム,保証金スキームというGの商法を遂行する上での業務を担っていたものである。 そうすると,Gの上記従業員らは,Gの業務に従事する中で,本来,Gは,商品を扱う会社であるはずが,商品の動きが見えてこないということもあったはずであり,急激に増大していた売上高に見合うだけの商品の動きを感じることもできず,不審に思うこともあったはずである。 加えて,Gの上記従業員らは,Gの各スキームに関する業務に従事していた他の従業員らに質問したり確認したりすることなどで,Gの業務の異常性ないし違法な商法に関する事情を知ることが可能であったものというべきである。 エそして,本件において,Gの上記従業員らは,Gの商法が,「旧スキーム」「保証金」「新スキーム」といった聞きなれない方法をもって,商品代金の 7 この点,投資詐欺会社の従業員につき幇助を理由とする不法行為責任を認 をもって,商品代金の 7 この点,投資詐欺会社の従業員につき幇助を理由とする不法行為責任を認めた裁判例として,東京高裁平成23年12月7日判決/判例タイムズ381号174頁等がある。 3パーセントもの通常ありえない程の高利を約束するものであること,Gの商法が空クレジットを組ませる違法な取引であることを認識していたものといえる。 そもそも,投資では一般にハイリスク・ハイリターンという言葉があるように,投資におけるリスクとリターンは見合っているのであるから,Gの上記従業員らは,Gの本件商法を第三者に対し勧誘等するに当たっては,原告らに不測の損害を被らせないように配慮すべき注意義務を負っていた。 オところが,Gの上記従業員らは,Gの本件商法が適法なものであるか,第三者である原告らに対し不測の損害を与える恐れがないかにつき,何ら配慮することもなく,適切な調査・確認も行わなかったものである。 すなわち,上記のように,Gの計算書類等を見たり,被告Y35をはじめとする幹部らに質問したり,決済代行会社である被告GMO ペイメントゲートウェイや実際にGの取引決済をしている原告ら顧客に質問したりすることはもとより,消費生活センターや行政機関,弁護士等の専門家にGの本件商法の適法性に関して問い合せや相談の電話をすれば,Gの商法に関する情報や助言を得られた可能性が高い。またインターネットで「G」に関して検索すれば,Gの違法な商法についての情報(マルチ商法や空クレジット等)が容易に得られたであろう。 このように,Gの上記従業員らは,上記の各方法等によりGの本件商法の信頼性について疑念を抱き,その危険性を認識して,少なくともこれを他 情報(マルチ商法や空クレジット等)が容易に得られたであろう。 このように,Gの上記従業員らは,上記の各方法等によりGの本件商法の信頼性について疑念を抱き,その危険性を認識して,少なくともこれを他人に勧めるに当たっては慎重に配慮をもって行動することは可能であった。 カところが,Gの上記従業員らが,本件において,適時かつ適切な調査・確認を行った事実は何ら認められず,漫然とGの業務に従事して,原告ら不特定の第三者に対しGの本件商法の勧誘等を行うなどしたものである。 キそうすると,本件において,Gの上記従業員らは,Gの構成員として役割を分担して互いに補い合い,Gの違法なスキーム実行において不可欠な役割を果たしつつ,その違法・危険な商法を行うことを容易にしたものであり,Gの違法行為を幇助していたものというべきである。 クよって,Gの上記従業員らは,少なくとも,過失による不法行為の幇助責任を負うものである。 4 主要な営業代行・マルチ上位者(1)共同不法行為責任ア主要な営業代行やマルチ上位者であった被告Y66,被告Y72,被告Y67,被告Y68,被告Y37,被告Y69,被告Y85は,Gから報酬を受け取る目的で,事実に反することなどを述べて顧客を勧誘し,Gのスキー ムに参加させた上,顧客が誤解した状態を放置するなど,自ら積極的に顧客に対し勧誘行為を行い,Gによる違法な商法に直接的に関与した。 すなわち,上記被告らは,Gの違法行為を積極的に援助・助長し,加担したものといえ,共同して違法行為を行ったものといえる。 イそして,上記被告らは,Gの商法が空クレジットを組ませる違法な取引であることを認識しながら,多数の顧客に対し,積極的に勧誘行為を行い,クレジット契約を締結させた。 ウこ ったものといえる。 イそして,上記被告らは,Gの商法が空クレジットを組ませる違法な取引であることを認識しながら,多数の顧客に対し,積極的に勧誘行為を行い,クレジット契約を締結させた。 ウこのように,自ら積極的に顧客を勧誘する際,実際に詐欺の不法行為を行うなど,Gの違法な商法に直接的に関与したものであるエこの点,上記のように,令和3年10月17日,被告Y40,被告Y37,被告Y66,被告Y67,被告Y72は,Gの本件商法に関する詐欺容疑で愛知県警に逮捕された。 上記被告ら5名は,平成30年12月から平成31年2月にかけて,横浜市の女性(30歳)に対し,「指定した通販サイトで果物などをクレジット払いで購入してくれれば,転売した上で,購入代金に最大3%を上乗せして返金する」,「500万円の保証金を預ければ,これにも月3.3%の配当がつく」と虚偽を述べ,計786万円を騙し取ったとされている。 オまた,上記のように,令和3年11月6日,被告Y40,被告Y37,被告Y66,被告Y67,被告Y72は,Gの本件商法に関する詐欺容疑で愛知県警に再逮捕された。 上記被告ら5名は,共謀して,平成30年11月から12月にかけて,愛知県小牧市の30代女性に「配当は毎月必ず支払われる」などと虚偽の説明をして,商品購入資金名目の約99万円と保証金名目の200万円の計約299万円を騙し取ったとされている。 カこれら刑事事件からも,上記被告らは,Gの主要な勧誘者として,Gによる詐欺の不法行為を実行したことが認められるものである。 (2)不法行為の幇助責任ア上記被告らは,第三者に対して損害を与える恐れのあるGの違法・危険な取引について,適時かつ適切な調査・確認を行わず,注意義務を尽くさないまま,原告らに勧誘して行わせた。 すなわち, 幇助責任ア上記被告らは,第三者に対して損害を与える恐れのあるGの違法・危険な取引について,適時かつ適切な調査・確認を行わず,注意義務を尽くさないまま,原告らに勧誘して行わせた。 すなわち,上記被告らは,Gの商法が,「旧スキーム」「保証金」「新スキーム」といった聞きなれない方法をもって,商品代金の3パーセントもの通常ありえない程の高利を約束するものであること,Gの商法が空クレジットを組ませる違法な取引であることを認識していたことは明らかである。 イそもそも,投資では一般にハイリスク・ハイリターンという言葉があるよ うに,投資におけるリスクとリターンは見合っているのであるから,本件商法を第三者に対し勧誘等するに当たっては,原告らに不測の損害を被らせないように配慮すべき注意義務を負っていた。 ところが,Gの主要な営業代行・マルチ上位者らは,本件商法が適法なものであるか,第三者の原告らに対し不測の損害を与える恐れがないかにつき,何ら配慮することもなく,適切な調査・確認も行わなかったものである。 例えば,消費生活センターや金融庁に本件商法の適法性に関して問い合せ・相談の電話をしたり,会社の登記を取得したり,財務状況や取引実績等について資料を取得して上記高利回りの裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の収集に努めたり,インターネットで検索したりするなどの方法で自ら調査・確認することは,可能であったといえる。このように,不特定の第三者に対し,上記のように眉唾物で聞き慣れない破格の利益を謳う本件商法を勧誘するのであれば,少なくとも適時かつ適切な調査・確認を行うべきであった。 ウ本件において,上記被告らは,上記の各方法等により本件商法の信頼性について疑念を抱き,その危険性を認識して,少なくともこれを他人に勧めるに当たって 時かつ適切な調査・確認を行うべきであった。 ウ本件において,上記被告らは,上記の各方法等により本件商法の信頼性について疑念を抱き,その危険性を認識して,少なくともこれを他人に勧めるに当たっては慎重に配慮をもって行動することは可能であった。 ところが,Gの主要な営業代行・マルチ上位者らが,本件において,適時かつ適切な調査・確認を行った事実は何ら認められず,漫然と原告ら不特定の第三者に対し本件商法の勧誘等を行ったものである。 エそして,上記被告らは,Gの構成員として互いに役割を分担して補い合い,本件商法において不可欠な役割を果たしつつ,違法な商法を行うことを容易にしたものであり,Gの違法行為を幇助していたものと認められる。 オよって,上記被告らは,少なくとも,過失による不法行為の幇助責任を負うものである。 5 被告GMOペイメントゲートウェイ・同執行役員(1)共同不法行為責任ア被告GMOペイメントゲートウェイは,決済代行会社として,上記のように被告Y40ら5名が詐欺の被疑事実で逮捕され,被告Y35に詐欺の逮捕状が出されるなど,重大な犯罪行為を行い,巨額の投資詐欺を行って,各地で多数の被害者を発生させたG関連のクレジットカード決済を一手に担い,その違法な取引の遂行を可能ならしめた(甲全87参照)。 イこの点,被告GMOペイメントゲートウェイの役職員であった被告Y64及び訴外Jが,Gの空クレジット取引に関与していたことは,以下のLI NEの各やりとりからも推認できる(尚,下線は注意喚起のため,原告ら代理人が付した。)。 【LINEのログ(甲52の3)】 被告Y35の部下と訴外Jの間においてなされた下記LINEのログからす 注意喚起のため,原告ら代理人が付した。)。 【LINEのログ(甲52の3)】 被告Y35の部下と訴外Jの間においてなされた下記LINEのログからすれば,訴外J及び被告Y64は被告Y35が主宰するG商法のスキームの構築や維持に関与しており,両者が密接な関係にあったことが推認できる。 「2018/6/11(月)18:04 ■■■■(注:被告Y35の部下) お世話になります。 Y64さん,Jさんに今回の件もお世話になりましたので,Y35より東京で一席設けたいとのことです。 来月の金,土あたりでご都合よろしい日がありましたら,また連絡ください。 よろしくお願いいたします。 18:12 Jさん承知いたしました。 Y64のスケジュールを確認しご連絡させていただきます。 よろしくお願いいたします。」(甲全52の3 1頁目) 上記のように,被告Y64と訴外Jに今回もお世話になったので,被告Y35が東京で一席設けたいとしており,被告Y64及び訴外JがGの決済代行の件で被告Y35に協力をしたこと,及び,両名と被告Y35が緊密な関係にあった事実が推認できる。 「2018/11/8(木)09:55■■■■ 仕向け先から,Gとどんな関係ですか?とか直接販売法人に連絡って入りますか? 10:51 Jさんもし今回の匿名の会員が特定されたら三井住友カードからカード会員にそのような連絡が入る可能性は大です。 11:01 ■■■■ 販売店に連絡する可能性もありますよね? その場合,Gとの関係は商品を卸してもらってるやお客様さんを紹介してもらってるとかでいいのかなと。 11:51 Jさん販売店(加盟店)には基本的には代行会社のうちからしか連絡はしない すよね? その場合,Gとの関係は商品を卸してもらってるやお客様さんを紹介してもらってるとかでいいのかなと。 11:51 Jさん販売店(加盟店)には基本的には代行会社のうちからしか連絡はしないルールになってますが,場合によっては例外はあるかもしれま せん。 11:52 Jさん御社と加盟店さんとの認識合わせも必要かもしれないですね。 11:55 ■■■■ 了解です。 お客様を紹介してもらってるか商品を卸してもらってるなどで統一しておきます。」(甲全52の3 8頁目) 上記のように,訴外Jは,被告Y35の部下から,仕向け先よりGとその関連販売店との取引等に関する質問が来た場合にどうしたらよいか尋ねられて,その対応策を指南している。 【被告Y35とP弁護士と新聞記者との通話録音(甲52の2,甲65)】 被告Y35とP弁護士及び新聞記者との間のやりとりの録音テープ(甲65)によれば,被告GMOペイメントゲートウェイ,訴外J及び被告Y64が,被告Y35らに協力して,Gの違法な商法に関与していた事実が推認できる。 そこで,以下では,当該録音テープの反訳文(甲52の2)の該当箇所を引用することとする。 「新聞記者(以下,「記者」という。):月の売り上げ3億 被告Y35:はい。3億ぐらいになってったときに,さすがにその調査が多かったんですね。伝票出してください,どうのこうのって,三井さんからの依頼が多かったんんですよ。これって何とか個人のカードでやってるから,やっぱりビジネスカードでやれないんですかねとか,もういろんな要望があったんです,三井さんのほうから。GMO,1社だけでやって,もしこれで取引を停止されたら僕困るなと思ったので ードでやってるから,やっぱりビジネスカードでやれないんですかねとか,もういろんな要望があったんです,三井さんのほうから。GMO,1社だけでやって,もしこれで取引を停止されたら僕困るなと思ったので,リスクヘッジしたくてヤマトフィナンシャルっていうところも同業で代行会社であったので,ヤマトも入れたんです。ヤマトさんにもう何千万かばーんって出したら,やっぱり調査じゃないですけど,ちょっと顧客情報3人分ぐらいくださいって言われたときがあって,ヤマトに。要はその辺にあった顧客情報をぽんと送ったんですよ。 記者:任意にというか,あるものを送ったってことですね。 被告Y35:そうです。何の悪気もなく。それがたまたまうちの従業員だった んですよ。うちで働いてる人間も決済をしてたんですね。それが自店決済,己の店の決済って書いて,自店決済,自らの店の決済は駄目だと。従業員が決済しちゃ駄目だっていうルールがあったみたいで。それでヤマトさんに怒られて,要は取引停止になっちゃったんですよ,ヤマトさんと。それは仕方ないなと思って,結局それが三井さんにも伝わってGMOとの取引も停止になっちゃったんですよ,そこで。なんで,そこでカード会社的にはGは加盟店契約の違反をしたってレッテルが貼られたわけです。駄目な会社になったわけです,われわれは。原因は自店決済です。その従業員が自分の所で,Gの従業員がGで決済をしたから駄目だっていうことです,それは。 記者:それは三井側に伝わっていくっていうのは,どういった。分からないですけど,なんらかの方法でそっちに伝わっていったってこと。 被告Y35:ヤマトと中のカード会社,横のつながりがあるみたいで,そういう情報機関みたいなのが。 記者:なるほど。 被告Y35:それでGは,要 そっちに伝わっていったってこと。 被告Y35:ヤマトと中のカード会社,横のつながりがあるみたいで,そういう情報機関みたいなのが。 記者:なるほど。 被告Y35:それでGは,要はカード会社的にはもうそこで駄目になるわけじゃないですか。そこでGMOに提案されたのが,もうペーパーカンパニーでも何でもいいから,会社の名前を変えましょうってことを提案されて,当時3億円ぐらいあったので,これを10社ぐらいに分けてくださいと。3000万が10個になればそんなに目立ちませんと。商品もフルーツを変えてくださいって言われました,そのときに。 記者:フルーツから変えるっていうことですね。 被告Y35:はい。便宜的に何でもいいから商品を変えてくれって言われました。 記者:それが地方品とかっていうふうな物になっていくってことになるんですかね。それがフルーツでない物に,そっから変わっていって。 被告Y35:そうです。ここの時点で,もうGMOとの癒着というか。GMOっていうのは管理するのが仕事なので,こういう不正を防ぐ役目なんですね,カード。GMOが審査をしてOKだから,カード会社は与信を下ろすっていう仕組 みなんですよ。例えば,楽天カードはいちいちGの審査してからお客さまにOKなんて出してられないじゃないですか,電子決済で。」 記者:そうですね。 被告Y35:なので,カード会社っていうのはカード会員さんしか管理してないんですよ。カード会員がきちんとした人がどうかっていう管理しかしてないんです,カード会社は。 お店の管理っていうのは仕向け先,アクワイアラーがするっていうのがルールなんですよ。ただ,アクワイアラーがOKっていってるから不正利用じゃないっていうリコールなんです いんです,カード会社は。 お店の管理っていうのは仕向け先,アクワイアラーがするっていうのがルールなんですよ。ただ,アクワイアラーがOKっていってるから不正利用じゃないっていうリコールなんです。 今回,Gは駄目だっていうのに,けど,3億円も月売り上げがあったわけですから,要はGMOとしてはおいしいですよね,はっきり言って。 記者:失いたくないですよね,これは。 被告Y35:失いたくないということで,なので,そういうふうにGMOに指示を受けて,まず10社つくりました。それが,あれよあれよというふうに増えて行って。30社ぐらいになりました。それ,GMOさんといちいち,私の会社の■■っていう人間を窓口にして,GMOの担当者にもう1社増やしたほうがいいですねとか,商材何にしましょうみたいな。そんなやりとりの中で増やしていって,例えば売り上げ,ここちょっと多いからここ減らしましょうとか,そんなやりとりをしながら売り上げを決済してたので,結局GMOさんの協力がなかったらできないあれでした。 記者:まさにGMOが,本来的にはそこまでやってはいけないんだけど,いわゆる事業自体をデザインしてるっていうようなイメージなんですかね。その,スキーム自体。 被告Y35:誘導されたというか。 記者:誘導されている,それは,いわゆる一般的にいうパートナーシップでしたかね。 被告Y35:旧スキームで。 記者:そうですね。旧スキームから新スキームに移行していくのは,そのまさに今おっしゃっていただいたものが背景にあるっていうことなんでしょうか。 被告Y35:旧スキームから新スキームに移行するときはもっと明確で,僕はもうやりたくないってことを言ってて,こういう旧スキームみたいなことも含め ものが背景にあるっていうことなんでしょうか。 被告Y35:旧スキームから新スキームに移行するときはもっと明確で,僕はもうやりたくないってことを言ってて,こういう旧スキームみたいなことも含めて。Gとしてもこういうことをやるべきではないっていうふうに私は思ってたので,新スキームに移行したいと。新スキームに移行するときにGMOの担当者も,要は物が動いてれば問題ないみたいなことを再三言われてたんです,僕らは。そういういろんな調査だとか,カード会社からの何とかとか,いろいろあったので。僕らも,留保っていってカード会社に疑われると入金を止められてしまうんですよ。それされると資金繰り回らなくなるので,売り上げがないのにお客さんには請求が立つって状態になるので,そうしたらみんな金もうけ目的でやってるので,金が回らなくなるので,留保だけは困ると。 留保が困るってことだし,やっぱりGとしては会社が大きくなってきて目指していくところも志が高くなってたので,社会的な部分で。なので,やりたくない,Gとしてはカード決済に関わりたくないと。なので,新スキームっていうものを提案して,もう物を普通に流す,広告料としてお客さんには払うと。物はきちんと動かすからこれでいいですよねってことでOKをもらって,新スキームに移行してったという経緯があります。GMOさんに全て了解を取らないと,当然できないので。 なので,結局,今そんなことは知らなかったみたいな,GMOは。合計で,新スキームと旧スキームと合わせると60社ぐらいの代理店の数になるんです,販売店の数に。それを1人のうちの担当者と,1人のGMOの担当者と,1人の役員が全部把握してたわけですよ。 P弁護士:GMOの担当者がJさんだよね。 被告Y35:担当がJで,担当のその役員がY64っていうのがいるん うちの担当者と,1人のGMOの担当者と,1人の役員が全部把握してたわけですよ。 P弁護士:GMOの担当者がJさんだよね。 被告Y35:担当がJで,担当のその役員がY64っていうのがいるんですけど,それともしゃべってました。 P弁護士:Y64。 記者:これ,役員になるんですね。 被告Y35:役員です。 記者:そうすると。 被告Y35:なので,僕はよく分からないですけど,架空の取引だって分かってた部分が絶対にあるんですよ,GMOは。となると,GMOの粉飾決算みたいなもんですよね,これ。 記者:積極的に関わっているっていうことですよね。いわゆる今,問題・・・。 被告Y35:ちょっと知らない,客観的に見て,もうその60社をGが束ねてるっていうことがもうおかしいですよね,だって。60社全てG,私のところに問い合わせをしてくるわけです,GMOは。 P弁護士:正確にいうと,新スキームに移行するときにY2つくってGと切り離しかけてるから,だから旧スキームで30社ほどGが束ねていて,Y2が30社ほど束ねていて,結局Gについては副社長として事実上,Y35さんが実権を持っていて,Y2は代表取締役社長だからY35さんが実権を持っていたから,そういう意味でいうと,より正確にいうとGを通じて30社,Y2を通じて30社をY35さんが束ねているというところをGMOが知ってたっていうことですよね。 被告Y35:知ってたというか,もう。 P弁護士:むしろ主導してた。 被告Y35:主導してた。 記者:なるほど。 被告Y35:何回も聞いたんですよ。もう切るのやめたほうがよくないですかっていうふうに。留保かかったら困るし,大丈夫ですかってよく担当者に聞いてたんですよ,G た。 記者:なるほど。 被告Y35:何回も聞いたんですよ。もう切るのやめたほうがよくないですかっていうふうに。留保かかったら困るし,大丈夫ですかってよく担当者に聞いてたんですよ,GMOの。留保かかったら,もうとんでもないことになると。 記者:そうですね。 被告Y35:広告料払わなくちゃいけないのに広告料払えなくなるからってことで,留保かかったら困るよっていうこと言ってたんですけど,留保は大丈夫 ですって言って,結局留保がかかったんですよ。 記者:要するに,もともとは通常の決済代行として関りを持ち始めたGMOが,言ってしまえば既に得ている既得の利益でいいお客さんを失いたくないがために,そのスキームというのを積極的にデザインをしながらアドバイス,言ってしまえば主導的に今回の問題になっているかのようなスキームというのを構築に関わったというふうなことだということですかね。 被告Y35:はい。そうですね。それは当然,私も意見はしてますし,向こうの提案をそうしますっていうふうに,まるっと受け入れたわけではなくて,ディスカッションですよね。こうしたらどう,J君,みたいな。こういうのはいいのみたいな。こういうのは全然大丈夫です,Y35さん,こうしてください。どちらかというとそんな感じです。 記者:しかもGMOも,おっしゃったとおり,役員の方が関わってるっていうところを見れば,かなり会社的な関わりがあるっていう。これですね,Y64ですね,これ。 被告Y35:だし,普通に考えて,うち絡みで去年だけで100億以上あるはずなんですよ。100億って西日本で多分,一番多いと思うんです。 記者:なるほど。 被告Y35:年ベース,年間。月間数億円掛ける12で。 記者:そうですね,なる けで100億以上あるはずなんですよ。100億って西日本で多分,一番多いと思うんです。 記者:なるほど。 被告Y35:年ベース,年間。月間数億円掛ける12で。 記者:そうですね,なるほど。 被告Y35:なので,普通に考えてGMOさんの組織ぐるみのあれがないと絶対にできないんじゃないのかなと,客観的に見ても。分かんないです,その,今,そう。 客観的に見ても知りませんでしたみたいな。その1店舗,30社,1社ずつの存在で,Gさんが単純に物を卸してちゃんとやってると思ってました,なんつうの,通用しないと思います。 記者:今,まだGMO側と連絡は取れるんですか。 被告Y35:取ってないですけど,分かんないです。 記者:今回こういったある種,警察の動きっていうのが出てくる中で,それに対して何か向こう側からっていうのは特にアプローチはないわけですよね。向こう側からのアプローチというのは。 被告Y35:何もないですね,特に。多分,もう知らぬ存ぜぬで通そう。一応,通知書みたいのは違う弁護士から送ってるんですよ。P先生じゃない所から。知らんみたいな感じでは言ってますね。けど,客観的に見て知らないわけないよねっていう。 P弁護士:今,■■さんとJさんのLINEのログをRさんが保存しとってくれたので,それを僕,送ってもらってプリントして,ちょっとそれを見てていろいろ話をしてたんだけど,もう,これY35さんに連絡したほうが早いんじゃないっつって,かけるわっつって,かけてみたんです。ログだけ見とってもよく分かんないから,あれだけど。それと合わせて見ると,すごくログが理解できるわけですよ,LINEの。」(以上,甲52の2の2~10頁) 以上のやりとりは,実 たんです。ログだけ見とってもよく分かんないから,あれだけど。それと合わせて見ると,すごくログが理解できるわけですよ,LINEの。」(以上,甲52の2の2~10頁) 以上のやりとりは,実際に録音を聴くと,自然な流れになっていて,その内容についても,不自然・不合理な点は見受けられない。 そうすると,上記各やりとりを総合的に考慮すれば,被告Y64及び訴外Jは,被告Y35が主宰するGの旧スキーム及び新スキームが空クレジットないし違法・不当な取引であることを知りながら,被告GMOペイメントゲートウェイの決済代行サービスを提供することを提案し,少なくとも,これを被告Y35らに提供することに関与したことは明らかというべきである。 さらに,上述のように,Gの旧スキームについては,自店売りを行ったとして三井住友カードの調査が入って,同社による取引停止措置が執られるとともに,被告GMOペイメントゲートウェイによるPG決済サービスの提供も停止措置が執られていた。また,Gによる旧スキームの決済金額・売上が短期間のうちに急激に増大するなど,不自然な事情が見受けられた。 それにもかかわらず,被告GMOペイメントゲートウェイは,Gの取引に問題がないかについて,十分な調査・確認を行うこともなく,Gの新スキームを行う株式会社RON及び株式会社SENとの取引についても,決済代行業者として積極的に加担した。 その後も,被告GMOペイメントゲートウェイは,Gの新スキームによる売 上が短期間で急激に増大するなど不自然な点はあったにもかかわらず,十分な調査を行うこともなく,漫然とG関連販売店との取引に応じて,Gの違法な新スキームに加担し,これを全面的に支援したものである。 このように,Gの違法な商法は,被告GMOペ あったにもかかわらず,十分な調査を行うこともなく,漫然とG関連販売店との取引に応じて,Gの違法な新スキームに加担し,これを全面的に支援したものである。 このように,Gの違法な商法は,被告GMOペイメントゲートウェイの関与なしには,成しえなかったものである。 以上のことから,被告GMOペイメントゲートウェイ,被告Y64及び訴外Jは,原告らに対し,共同不法行為責任(民法709条,同法719条1項)に基づき,連帯して損害賠償義務を負う。 (2)使用者責任既に述べたように,Gのスキームは破綻必至のポンジスキームであったというべきところ,上記のように被告GMOペイメントゲートウェイの執行役員であった被告Y64及び担当従業員であった訴外Jも深く関与していたものであり,被告Y64及び訴外Jは,被告GMOペイメントゲートウェイの業務の執行につき被告Y35らとともに違法行為を行ったものといえるから,被告GMOペイメントゲートウェイは使用者責任を負う(民法715条1項)。 (3)不法行為の幇助責任ア被告GMOペイメントゲートウェイは,Gの違法な詐欺的商法に関与していた多数の被告販売店について,アクワイアラーであるクレジットカード会社から委託を受けて,加盟店契約の取次や決済の代行を行っていた。 被告GMOペイメントゲートウェイは,Gの違法な商法を遂行するために,Gの旧スキームや新スキームを実現する上で必要不可欠な役割を一手に担い,Gが不特定多数の消費者に対して違法行為を行うことを容易にし,これを援助・助長したものであるから,少なくとも,Gの不法行為を幇助したものといえる(民法719条2項)。 イそもそも,被告GMOペイメントゲートウェイによるGに対する 為を行うことを容易にし,これを援助・助長したものであるから,少なくとも,Gの不法行為を幇助したものといえる(民法719条2項)。 イそもそも,被告GMOペイメントゲートウェイによるGに対する全面的な決済代行サービスの提供がなければ,Gないし被告Y35を首班とする上記被告らが,本件副業投資詐欺という犯罪を遂行することもできなかったのである。 このように,本件では,結果として,被告GMOペイメントゲートウェイは,決済代行会社として,Gの旧スキームや新スキームの根幹であるクレジットカード決済を一手に担い,Gによる本件副業投資詐欺を幇助することになったことは否定しがたい事実である。 ウところが,被告GMOペイメントゲートウェイらは,Gの取引ないし各ス キームについて,問題がないかにつき十分な調査・確認を行うこともなく,その取引の実態につき調査することも把握することもないまま,Gに対し全面的に決済代行サービスを提供した結果,Gによる副業投資詐欺を容易ならしめることとなり,原告ら一般消費者に甚大な被害を発生させたものである。 エ被告GMOペイメントゲートウェイらは,最大手の決済代行会社として,このような社会的影響の大きい重大な犯罪行為を看過し,これを幇助した責任は重いといわざるを得ない。 (4)被告販売店の調査義務違反ないし管理義務違反ア被告GMOペイメントゲートウェイのような決済代行業者は,カード会社(アクワイアラー)の加盟店資格を有しない販売業者の代金決済について,アクワイアラーの包括加盟店となってクレジット決済を取り次ぐ業者である。 本件G商法において,被告販売店らは空クレジットを目的とするペーパーカンパニーであり,当然,アクワイアラーの加盟店資格を有しなかったこと 括加盟店となってクレジット決済を取り次ぐ業者である。 本件G商法において,被告販売店らは空クレジットを目的とするペーパーカンパニーであり,当然,アクワイアラーの加盟店資格を有しなかったことから,被告GMOペイメントゲートウェイが被告販売店らの決済代行を一手に担い,空クレジット決済を可能としたのである。 すなわち,被告GMOペイメントゲートウェイの存在なくして,空クレジットを肝とする本件G商法は成り立ちえなかったものである。 この点,被告GMOペイメントゲートウェイは,決済代行業者として,本件G商法における被告販売店らのクレジット取引を一手に担い,それら決済金額の著しい増大により,短期間のうちに多額の手数料収入を獲得していたのであるから,条理上,少なくとも,被告販売店らについて決済代行取引の審査を行う際に,不正な空クレジットを行っていないかなどについて,調査・確認すべき注意義務があったものというべきである。 イこの点,改正割賦販売法では,アクワイアラー等のクレジットカード番号等取扱契約締結事業者(決済代行業者を含む。以下,「アクワイアラー等」という。)に対し,加盟店調査義務(割賦販売法35条の17の8)が課されている。 以下,その概要を述べる。 (ア)アクワイアラー等に加盟店調査義務が発生する場面は,①加盟店契約を締結しようとするとき,②加盟店契約締結後,定期的に,③加盟店の販売方法に関する消費者の苦情が寄せられたときの,三段階である(甲全69)。 (イ)アクワイアラー等が,販売業者と加盟店契約を締結しようとするときは,これに先立って,販売業者に関する調査を行う義務を負い(割販法35条の17の8第1項),調査の結果,不適合の販売業者については,加盟店契約の締結が禁止される(同条2項) 約を締結しようとするときは,これに先立って,販売業者に関する調査を行う義務を負い(割販法35条の17の8第1項),調査の結果,不適合の販売業者については,加盟店契約の締結が禁止される(同条2項)。 (ウ)アクワイアラー等による加盟店契約締結の際の調査事項としては,以下の内容が定められている(甲全69 1頁目~3頁目)。 ⑴ 基本的事項① 加盟店等の基本的事項として,取引の種類,氏名・生年月日・住所・電話番号・法人番号を確認すること(省令133 条の5第1号,133 条の6第2項)。 ② 加盟店等が販売しようとする商品・役務種類を確認すること(同5 第2号,同6第3項)。 ⑵ セキュリティ対策事項③ 加盟店等のカード番号適切管理措置・不正利用防止措置が法令に適合することを調査すること(同5第3号,同6第4項)。 ④ その他カード番号等の適切な管理を図るために必要な事項を調査すること(同5第8号, 同6第9項)。 ⑶ 不適正取引防止に関する事項⑤ 加盟店等のカード利用販売契約に関し,特定商取引法(以下,特商法)の禁止行為や取消事由該当行為(割販法 35 条の3の7各号に定める不実告知や困惑行為)の有無および内容を調査すること(同5第4号,同6第5項)。 ⑥ 加盟店等のカード利用販売契約に関し,禁止行為・取消事由該当行為が存在した場合は,その防止体制および苦情処理体制を調査すること(同5第5号,同6第6項)。 ⑦ 加盟店等のカード利用販売契約に関し,禁止行為・取消事由該当行為以外の消費者保護に欠ける行為の発生状況を,認定割賦販売協会である一般社団法人日本クレジット協会の加盟店情報の確認等により調査すること(同5第6号,同6第7項)。 ⑧ 加盟店等が他の加盟店に比べ消費者保護に欠ける行為が著しい場合( を,認定割賦販売協会である一般社団法人日本クレジット協会の加盟店情報の確認等により調査すること(同5第6号,同6第7項)。 ⑧ 加盟店等が他の加盟店に比べ消費者保護に欠ける行為が著しい場合(苦情多発状態),その防止体制・苦情処理体制を調査すること(同5第7号,同 6第8項)。 (ア)加盟店契約を締結した加盟店に対する定期的調査については,以下のような調査義務の内容が定められている(割販法 35 条の 17 の8第3項, 省令 133 条の7)。 ① 加盟店の基礎的な事項の調査は,適切な頻度で行うこと(省令133 条の7第1項)。但し,カード利用取引を常時監視する方法等の措置も可能とされている(同項但書)。 そして,経済産業省「割賦販売法(後払分野)に基づく監督の基本方針」によれば,定期的な調査は「1年に1度を目途として」行うこととされている(基本方針Ⅱ- 2 - 2 - 5 - 2 2.(5))。 ② 加盟店の基本的事項である主体・商品の種類については,変更があった事項を調査すること(同条2項)。 ③ カード番号適切管理措置・不正利用防止措置(セキュリティ対策)に関する事項については,加盟店の措置が法令に適合するか否かを調査すること(同条3項)。 ④ 加盟店における消費者保護に欠ける行為に関する苦情発生状況は,加盟店情報交換制度の情報確認等により調査すること(同条4項)。 ⑤ カード番号の適切管理措置に関し,漏えい事故・不正利用の発生状況を加盟店情報により調査すること(同条5項)。 (イ)加盟店に関して消費者からの苦情発生時または漏えい事故発生時には,以下の事項の調査義務が規定さている(省令 133 条の8)。 ① 消費者から申し出を受けた苦情(イシュアーを通じて (イ)加盟店に関して消費者からの苦情発生時または漏えい事故発生時には,以下の事項の調査義務が規定さている(省令 133 条の8)。 ① 消費者から申し出を受けた苦情(イシュアーを通じて受けたものを含む)の内容等から見て,特商法の禁止行為または取消事由該当行為と認める場合は,1件の苦情でも調査する義務が発生し,当該加盟店における他の禁止行為・取消事由該当行為の有無・内容,苦情の防止体制,苦情の処理体制等を調査する(同条1号)。 ② 消費者からの苦情(イシュアーを通じて受けたものを含む)の内容またはクレジット協会の加盟店情報の確認等により苦情の発生状況が,他の加盟店に比して多発している時には,同種苦情の内容,違反行為防止体制や苦情の処理体制などを調査する(同条2号)。 ③ 加盟店からの連絡等により,当該加盟店による漏えい事故が発生したおそれがあると認める場合は,直ちに,加盟店が行った漏えい事故の発生原因調査の結果を確認する義務を負う(同条3号)。 ④ イシュアーからの連絡等により,加盟店による不正利用防止に支障があると認める場合は,不正利用の内容,その防止措置の実施状況等の調査義務を負う(同条4号) ウ以上のように,アクワイアラー等のクレジットカード番号等取扱契約締 結事業者(決済代行業者を含む。)は,割賦販売法上,厳格に加盟店の調査義務が課されていることに鑑みれば,決済代行会社である被告GMOPGには,自らが決済代行サービスを提供する加盟店に対する調査義務があったものというべきである。 仮に上記割賦販売法が定める加盟店の調査義務が被告GMOペイメントゲートウェイに直接適用されない場合でも,被告GMOペイメントゲートウェイのような があったものというべきである。 仮に上記割賦販売法が定める加盟店の調査義務が被告GMOペイメントゲートウェイに直接適用されない場合でも,被告GMOペイメントゲートウェイのような決済代行業者が,アクワイアラーと被告加盟店らの間に立って被告販売店らの決済を取りまとめることで多額の手数料を得ておきながら,何らの加盟店調査義務も負わないと解することは,上記割賦販売法の趣旨に反するものであり,同法が厳格に定めた加盟店調査義務の脱法的行為を許容することにもなってしまい,正義・公平に悖るものであるから,条理上ないし信義則上,決済代行業者である被告GMOペイメントゲートウェイは,上記割賦販売法の規定に準じた加盟店調査義務を負うものというべきである。 本件において,被告GMOペイメントゲートウェイは,本件G商法において,空クレジットを行うために設立されたペーパーカンパニーである被告販売店らについて,加盟店契約締結時,及び,加盟店契約締結後定期的に,上記のような調査・確認を尽くすこともなく,甘い審査の下,被告販売店らに決済代行サービスを提供し続けることで,空クレジットのスキームを中核とするGの旧スキームや新スキームといった違法な商法を遂行することを可能とし,これを幇助したことは,客観的に明らかというべきである。 エ尚,被告GMOペイメントゲートウェイの「PGマルチペイメントサービス利用規約」においても,以下の定めがある(甲全75 7頁)。 第34条(調査,改善等)「第2項 GMOPGは,甲が本クレジットカード加盟店契約,本利用契約,本規則等若しくは法令に違反している疑いがあると判断した場合又は本クレジットカード会社から要請を受けた場合には,甲に対し,必要な事項について調査若しくは回答を要求し, カード加盟店契約,本利用契約,本規則等若しくは法令に違反している疑いがあると判断した場合又は本クレジットカード会社から要請を受けた場合には,甲に対し,必要な事項について調査若しくは回答を要求し,又は甲の信用販売の態様,宣伝広告,取扱商品等について相当な方法によってGMOPG自ら調査することができるものとする。この場合,甲は,当該請求を受け又はGMOPG自身による調査開始を通知された後直ちに,当該請求に応じ又はGMOPによる調査に協力するものとする。 第3項 GMOPGは,前二項の甲からの報告若しくは回答又はGMOPGの調査により取得した情報,資料等を,本クレジットカード会社へ提出することができる。 第4項 GMOPGは,以下の各号のいずれか一つに該当する事由が生じた場合には,当該事由に関連する甲の信用販売の態様,宣伝広告又は取扱商品について,改善又は停止を請求することができるものとし,甲は自己の費用負担によってその請求に従うものとする。 1 甲の信用販売の態様,宣伝広告又は取扱商品が本クレジットカード加盟店契約,本利用契約,本規則又は法令に違反し又は違反するおそれがあると相当の根拠をもってGMOPGが認める場合」 このように,被告GMOペイメントゲートウェイは,「PGマルチペイメントサービス利用規約」上,本クレジットカード加盟店契約,本利用契約,本規則等若しくは法令に違反している疑いがあると判断した場合又は本クレジットカードから要請を受けた場合には,被告販売店らに対し,必要な事項について調査若しくは回答を要求し,被告販売店らの信用販売の態様,宣伝広告,取扱商品等について,相当な方法によって自ら調査することとされていた。 しかし,本件において 必要な事項について調査若しくは回答を要求し,被告販売店らの信用販売の態様,宣伝広告,取扱商品等について,相当な方法によって自ら調査することとされていた。 しかし,本件において,被告GMOペイメントゲートウェイが,被告販売店らについて,当該調査を行ったものとも認められない。 オそもそも,被告GMOペイメントゲートウェイは,決済代行業者として,訴外Gの数十社にも上る販売店の決済代行を一手に担い,当該決済代行サービスの提供により,多額の収益を上げたものである。 このように,被告GMOペイメントゲートウェイは,決済代行業者として,訴外Gの販売店の決済代行を一手に担い,多額の収益を上げておきながら,被告GMOペイメントゲートウェイが縷々述べるように,加盟店管理義務が一切なく,本件について何の責任も負わないというのは,結論として,あまりにも据わりが悪く,正義・公平に悖るものである。 被告GMOペイメントゲートウェイは,大手の決済代行業者として,訴外Gの販売店の決済代行を一手に担い,多額の利益を得ていたのであるから,条理上もしくは信義則上,少なくとも違法行為に加担しないように,適正な加盟店調査や加盟店管理をすべきといえるのである。 カそして,被告GMOペイメントゲートウェイは,上記のように甘い加盟店審査ないし加盟店管理により,訴外G販売店らの違法な空クレジット行為を見抜けず,また,十分な加盟店審査ないし加盟店管理を行っていれば,これ ら数十社に上るペーパーカンパニーの空クレジット行為を認識し又は認識し得たにもかかわらず,これを怠り放置した結果,事実上,訴外Gの違法な詐欺的商法を野放しにし,原告ら一般消費者が騙されて多額の損失を被ることとなったものである。 キ以上からすれば,被 認識し得たにもかかわらず,これを怠り放置した結果,事実上,訴外Gの違法な詐欺的商法を野放しにし,原告ら一般消費者が騙されて多額の損失を被ることとなったものである。 キ以上からすれば,被告GMOペイメントゲートウェイには,少なくとも,過失による被告販売店の調査義務違反ないし管理義務違反が認められる。 (5)被告Y64の会社法429条1項の任務懈怠責任ア被告Y64は,被告GMOPGの役員であるところ,訴外Gの60社にも上る販売店(ペーパーカンパニー)との間の決済代行契約全てについて,担当従業員の訴外Jと共に,契約締結交渉の段階から関与していた。 被告Y64は,訴外Jと共に,被告Y35と接触し,訴外Gの多数の販売店との間の決済代行契約について協議の上,契約締結に関する交渉ないし審査を行い,これを可として審査を通していた。 イこの点,訴外Jは,被告Y35の部下から,訴外Gと販売店との取引に関して仕向け先から質問をされた場合にどのように答えたらよいかについて質問されたのに対して,その回答内容を指示していたことからも(甲全52の3 8頁目),被告GMOペイメントゲートウェイの担当従業員である訴外J及びその上司の担当役員である被告Y64は,Gの販売店らの取引の実情(決済上の売買価格より相当廉価な対象商品や対象商品が実在しない架空売買であって,空クレジット取引であること等)について知り,又は,容易に知り得たものといえる。 ウそして,上述のように,被告GMOペイメントゲートウェイは,加盟店調査義務を負っていた。 被告GMOペイメントゲートウェイが加盟店調査義務を負っていた場面としては,①加盟店契約を締結しようとするとき,②加盟店契約締結後,定期的に,③加盟店の販売方法に関する消費者の苦情が寄せられたときの 被告GMOペイメントゲートウェイが加盟店調査義務を負っていた場面としては,①加盟店契約を締結しようとするとき,②加盟店契約締結後,定期的に,③加盟店の販売方法に関する消費者の苦情が寄せられたときの三段階であった。 この点,被告GMOペイメントゲートウェイは,①販売業者と加盟店契約を締結しようとするときは,これに先立って,販売業者に関する調査を行う義務を負っていたものであり(割販法35条の17の8第1項),調査の結果,不適合の販売業者については,加盟店契約の締結が禁止されていたものである(同条2項)。 また,被告GMOペイメントゲートウェイは,②加盟店契約を締結した加盟店に対しても,定期的に,調査義務を負っていた(割販法 35 条の 17 の8第3項, 省令 133 条の7)さらに,被告GMOペイメントゲートウェイは,加盟店に関して消費者からの苦情発生時または漏えい事故発生時には,調査義務を負っていた(省令 133 条の8)。 この点,被告GMOペイメントゲートウェイは決済代行業者として,アクワイアラーと被告加盟店らの間に立って被告販売店らの多数の決済を一括して取りまとめることで多額の手数料を得ており,上記のように割賦販売法が厳格に定めた加盟店調査義務の規定の趣旨に鑑みれば,少なくとも条理上ないし信義則上,被告GMOペイメントゲートウェイが,Gの販売店らとの決済代行契約に際して,加盟店調査義務を負っていたことは明らかというべきである。 エ本件において,訴外Gは,多数の販売店を一括して被告GMOペイメントゲートウェイの決済代行サービスを利用させて,空クレジットを行わせ,旧スキームや新スキームといった違法な詐欺的商法を遂行していた。 このような訴外Gの販売店らの担当者として,被告Y64及び訴外Jは ゲートウェイの決済代行サービスを利用させて,空クレジットを行わせ,旧スキームや新スキームといった違法な詐欺的商法を遂行していた。 このような訴外Gの販売店らの担当者として,被告Y64及び訴外Jは,訴外Gの販売店らと被告GMOペイメントゲートウェイとの間の決済代行契約に関与し,数十社に上る訴外G販売店らとの間の決済代行契約について,十分な調査・確認を行うこともなく,安易な審査の下で契約可として通し,被告GMOペイメントゲートウェイが訴外Gの販売店の決済代行を一手に担うことになった結果,訴外Gの空クレジットによる違法な商法を可能としたものである。 オとくに被告Y64は,訴外Gに関する取引を管理担当し,訴外Gの販売店らとの間の決済代行契約の決裁権限を有する役員として,被告GMOペイメントゲートウェイが違法な空クレジットを行う訴外Gの販売店らとの間で決済代行取引を締結した上,継続的に決済代行サービスを提供することのないように,十分に注意すべき義務があった。 カところが,本件において,被告Y64及び訴外Jは,被告GMOペイメントゲートウェイの担当役員及び従業員として,訴外Gの数十社にも上る販売店との間の決済代行契約について一括して担当しておきながら,訴外Gの旧スキームや新スキームにおいて,空クレジットスキームを実行するために設立されたペーパーカンパニーである被告販売店らにつき,加盟店契約締結 時,及び,加盟店契約締結後定期的に,上記のような調査・確認を尽くすこともなく,不十分かつ甘い審査の下,被告GMOペイメントゲートウェイをして漫然と被告販売店らに対し決済代行サービスを提供し続けさせたものである。 被告Y64及び訴外Jは,上記のような加盟店調査義務違反ないし善管注意義務違反により,空クレジットスキームを トウェイをして漫然と被告販売店らに対し決済代行サービスを提供し続けさせたものである。 被告Y64及び訴外Jは,上記のような加盟店調査義務違反ないし善管注意義務違反により,空クレジットスキームを根幹とするGの違法な詐欺的商法を遂行することを援助・助長し,もしくはこれを幇助したものというべきである。 キさらに,被告Y64は,被告GMOペイメントゲートウェイの役員として,被告GMOペイメントゲートウェイの従業員による不適正な業務執行を防止するように監視監督する義務があった。 すなわち,本件において,被告Y64は,被告GMOペイメントゲートウェイと訴外G販売店らとの決済代行取引を担当する役員として,同担当従業員である訴外Jが,被告販売店らとの間で決済代行契約を締結する際などに,上記加盟店調査義務ないし善管注意義務を怠り,漫然と決済代行契約を締結することなどにより,訴外Gの販売店らによる違法な空クレジットスキームの実行を可能とし,結果として被告GMOペイメントゲートウェイが訴外Gの違法な詐欺的商法に関与・助長し,これを幇助することとなることを防止すべき義務があったものである。 ところが,被告Y64は,訴外Jに対する上記監視義務を怠り,自ら訴外Jと共に漫然と,空クレジットスキームを行う訴外G販売店らとの数十件にも上る決済代行契約を締結させるなどしたものであるから,被告GMOペイメントゲートウェイの役員としての任務懈怠があるといえる。 ク上記のように,被告Y64及び訴外Jは,訴外Gの販売店らとの間で決済代行契約を締結する際などに上記加盟店調査義務を尽くさず,漫然と訴外Gの販売店らに決済代行サービスを提供し続けたことにより,被告販売店らの空クレジットによる違法な旧スキームや新スキームの遂行を可能としたものである。 どに上記加盟店調査義務を尽くさず,漫然と訴外Gの販売店らに決済代行サービスを提供し続けたことにより,被告販売店らの空クレジットによる違法な旧スキームや新スキームの遂行を可能としたものである。 仮に,被告Y64が上記調査義務を尽くしていれば,訴外Gの販売店らが同社の違法な空クレジットスキームを行うペーパーカンパニーにすぎず,それら違法行為を行うペーパーカンパニーから商品を購入したことにして多額の空クレジットを組まされていた一般消費者である原告らが,早晩Gからクレジット決済代金の入金を得られなくなって損害を被るであろうことは,容易に予見し得たものといえる。 そして,被告Y64が上記調査義務を尽くし,訴外Gの販売店らが違法な空クレジットスキームを行うペーパーカンパニーにすぎないことを把握していれば,被告Y64は被告GMOペイメントゲートウェイの担当役員として,訴外Gの販売店らとの間で決済代行契約を締結することを拒絶し,また,訴外Gの販売店らとの間の全ての決済代行取引を中止したはずであるから,原告らが訴外Gの空クレジットスキームにより上記損害を被ることを回避し得たものといえる。 本件で,被告Y64は,被告GMOペイメントゲートウェイにおいて訴外G販売店らの取引を担当する役員であり,訴外Gの販売店と被告GMOペイメントゲートウェイとの全決済代行取引について掌握し,同社従業員の訴外Jと共にこれを担当していたのであるから,被告販売店らについて容易に上記加盟店調査を行うことが可能であったにもかかわらず,これを怠ったものといえる。 すなわち,被告Y64は,訴外Jと共に訴外Gの販売店らの取引を担当し,被告GMOPGと被告販売店らの決済代行契約に関する業務執行権限を有していた者であるから,訴外Jによる具体的な加盟店調査の内容や すなわち,被告Y64は,訴外Jと共に訴外Gの販売店らの取引を担当し,被告GMOPGと被告販売店らの決済代行契約に関する業務執行権限を有していた者であるから,訴外Jによる具体的な加盟店調査の内容や,その結果はどうであったかなどについて同人に直接聴取することなどにより,被告販売店らに対する加盟店調査義務を尽くしたか否かについて確認することは容易であったといえるにもかかわらず,これを怠ったものであるから,被告Y64には,訴外Jに対する上記監視義務を怠ったことについて,重過失が認められる。 ケよって,被告Y64は,会社法429条1項に基づき,原告らに対し損害賠償責任を負う。 6 被告販売店(1)共同不法行為責任Gの販売店であった被告株式会社Y13(被告番号13),被告株式会社アミアンティム(被告番号14),被告株式会社百恵(被告番号15),被告株式会社ジョイルーツ(被告番号17),被告株式会社courir(被告番号18),被告株式会社beau(被告番号19),被告株式会社SLP(被告番号20),被告株式会社Y21(被告番号21),被告株式会社Y22(被告番号22),被告株式会社らむ(被告番号23),被告株式会社mmカンパニー(被告番号24),被告株式会社ZEAL(被告番号27),被告株式会社Sunshine(被告番号28),被告株式会社Y29(被告番号29),被告株式 会社AJICK(被告番号30),被告株式会社Alluge(被告番号31),被告株式会社t-prime(被告番号32)は,Gの違法な商法を遂行するため,顧客に空クレジットを組ませるペーパーカンパニーとして,Gのスキームにおいて不可欠な役割を果たしつつ,その代表取締役を通じて,原告らに対し,Gの違法なスキームの勧誘ないし取引を直接 を遂行するため,顧客に空クレジットを組ませるペーパーカンパニーとして,Gのスキームにおいて不可欠な役割を果たしつつ,その代表取締役を通じて,原告らに対し,Gの違法なスキームの勧誘ないし取引を直接行ったものであるから,Gの違法行為を積極的に援助・助長し,これに加担したものとして,その代表取締役らと共に原告らに対し,共同不法行為責任を負う(民法709条,同法719条1項)。 (2)不法行為の幇助責任ア上記被告株式会社Y13(被告番号13),被告株式会社被告株式会社アミアンティム(被告番号14),被告株式会社百恵(被告番号15),株式会社SAKURA(被告番号16),被告株式会社ジョイルーツ(被告番号17),被告株式会社courir(被告番号18),被告株式会社beau(被告番号19),被告株式会社SLP(被告番号20),被告株式会社Y21(被告番号21),被告株式会社Y22(被告番号22),被告株式会社らむ(被告番号23),被告株式会社mmカンパニー(被告番号24),被告株式会社ZEAL(被告番号27),被告株式会社Sunshine(被告番号28),被告株式会社Y29(被告番号29),被告株式会社AJICK(被告番号30),被告株式会社Alluge(被告番号31),被告株式会社t-prime(被告番号32)は,その代表取締役らを通じ,原告ら第三者に対して,Gの違法・危険な取引につき注意義務を尽くさず勧誘して行わせた。 この点,上記被告販売店らは,各被告代表取締役らの一人会社であったところ,Gの商法が,「旧スキーム」「保証金」「新スキーム」といった聞きなれない方法をもって,商品代金の3パーセントもの通常ありえない程の高利を約束するものであること,Gの商法が空クレジットを組ませる違法な取引であることを認識していたことは明らか キーム」といった聞きなれない方法をもって,商品代金の3パーセントもの通常ありえない程の高利を約束するものであること,Gの商法が空クレジットを組ませる違法な取引であることを認識していたことは明らかである。 イそもそも,投資では一般にハイリスク・ハイリターンという言葉があるように,投資におけるリスクとリターンは見合っているのであるから,本件商法を一般消費者である第三者に対し勧誘するに当たっては,第三者に不測の損害を被らせないように配慮すべき注意義務を負っていた。 ところが,上記被告販売店らは,本件商法が適法なものであるか,第三者の原告らに対し不測の損害を与える恐れがないかにつき,何ら配慮することもなく,適切な調査・確認も行わなかったものである。 例えば,消費生活センターや金融庁に本件商法の適法性に関して問い合せ・相談の電話をしたり,会社の登記を取得したり,財務状況や取引実績等 について資料を取得して上記高利回りの裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の収集に努めたり,インターネットで検索したりするなどの方法で自ら調査・確認することは,可能であったといえる。このように,不特定の第三者に対し,上記のように眉唾物で聞き慣れない破格の利益を謳う本件商法を勧誘するのであれば,少なくとも適時かつ適切な調査・確認を行うべきであった。 ウ上記被告販売店らは,上記のような各方法により本件商法の信頼性について疑念を抱き,その危険性を認識して,少なくともこれを他人に勧めるに当たっては慎重に配慮をもって行動することは可能であった。 ところが,上記被告販売店らが,本件において,適時かつ適切な調査・確認を行った事実は何ら認められず,漫然と原告ら不特定の第三者に対し本件商法の勧誘等を行ったものである。 エそして,上記被告販売店らは,Gの商 記被告販売店らが,本件において,適時かつ適切な調査・確認を行った事実は何ら認められず,漫然と原告ら不特定の第三者に対し本件商法の勧誘等を行ったものである。 エそして,上記被告販売店らは,Gの商法を遂行する上で中核となる役割を担当し,Gのスキーム実行において不可欠な役割を果たしつつ,Gが違法な商法を行うことを容易にし,これに関与・助長したものであって,少なくとも過失により,Gの違法行為を幇助したものと認められるから,不法行為の幇助責任を負う(民法719条2項)。 7 被告販売店の代表取締役(1)共同不法行為責任ア共同不法行為責任上記被告販売店らの代表取締役であった被告Y72(被告番号72),被告Y73(被告番号73),被告Y74(被告番号74),被告Y76(被告番号76),被告Y77(被告番号77),被告Y78(被告番号78),被告Y79(被告番号79),被告Y80(被告番号80),被告Y81(被告番号81),被告Y82(被告番号82),被告Y83(被告番号83),被告Y86(被告番号86),被告Y87(被告番号87),被告Y88(被告番号88),被告Y89(被告番号89),被告Y90(被告番号90),被告Y91(被告番号91),被告Y92(被告番号92)8,被告Y93(被告番号93)9,被告Y94(被告番号94)10は,Gの違法な商法を遂行するため,顧客に空クレジットを組ませるペーパーカンパニーを設立した上,自ら代表取締役を務める法人を通じて,Gのスキームにおいて不可欠な役 8 Gの販売店である株式会社Atlasの代表取締役であった者である。 9 同じくGの販売店である株式会社TODAYの代表取締役 8 Gの販売店である株式会社Atlasの代表取締役であった者である。 9 同じくGの販売店である株式会社TODAYの代表取締役であった者である。 同じくGの販売店である株式会社iworksの代表取締役であった者である。 割を果たしつつ,原告らに対し,Gの違法なスキームの勧誘ないし取引を直接行ったものであるから,Gの違法行為を積極的に援助・助長し,これに加担したものとして,自らが代表取締役を務める法人らと共に原告らに対し,共同不法行為責任を負う(民法709条,同法719条1項)。 イ不法行為の幇助責任上記被告代表取締役らは,上記6(2)(被告販売店による不法行為の幇助責任)で述べたように,被告販売店らの代表取締役として,Gの商法を遂行する上で中核となる役割を担当し,Gのスキーム実行において不可欠な役割を果たしつつ,Gが違法な商法を行うことを容易にし,これに関与・助長したものであって,少なくとも過失により,Gの違法行為を幇助したものと認められるから,不法行為の幇助責任を負う(民法719条2項)。 (2)会社法429条1項の任務懈怠責任ア上記被告販売店らの代表取締役であった被告Y72(被告番号72),被告Y73(被告番号73),被告Y74(被告番号74),被告Y76(被告番号76),被告Y77(被告番号77),被告Y78(被告番号78),被告Y79(被告番号79),被告Y80(被告番号80),被告Y81(被告番号81),被告Y82(被告番号82),被告Y83(被告番号83),被告Y86(被告番号86),被告Y87(被告番号87),被告Y88(被告番号88),被告Y89(被告番号89),被告Y90(被告番号90),被告Y 2(被告番号82),被告Y83(被告番号83),被告Y86(被告番号86),被告Y87(被告番号87),被告Y88(被告番号88),被告Y89(被告番号89),被告Y90(被告番号90),被告Y91(被告番号91),被告Y92(被告番号92),被告Y93(被告番号93),被告Y94(被告番号94)は,Gの商法が空クレジットを組ませる違法な取引であることを認識しながら,自らペーパーカンパニーを設立して,多数の顧客に対し,積極的に勧誘・販売行為を行い,クレジット契約を締結させたものである。 イ上記被告販売店の代表取締役らは,被告販売店らの業務を適法かつ適正に遂行すべきであり,違法行為を防止すべき地位にあったにもかかわらず,敢えてこれをせず,あるいはこれを怠って,違法なGの商法を遂行したものであるから,会社法429条1項に基づく責任を負う。 ウこの点,仮に上記被告販売店の代表取締役らが,G側の指示を受けて法人をつくり,法人名義の銀行口座の通帳や印鑑はG側が管理するなどしていたとしても(甲全80の1),その責任を免れるわけではない。 ① そもそも,上記被告販売店の代表取締役らは,上記被告販売店の代表取締役に就任する際に,就任承諾書や印鑑証明書,登記申請の委任状等を提出しているはずであり,自らの代表取締役就任承諾のもとで,法人が設立されて いるものである。 ② そして,仮に上記被告販売店の代表取締役らが,いわゆる名目的取締役であったとしても,そのことを理由として責任を免れるものではない。 最高裁判例は,名目的取締役の責任を肯定しているものである。 すなわち,最高裁判所昭和55年3月18日第3小法廷判決・民集第129号331頁は,「被上告人B1は,D(第一審被告)が代表取締役を勤めていた訴外E株式会社(以 役の責任を肯定しているものである。 すなわち,最高裁判所昭和55年3月18日第3小法廷判決・民集第129号331頁は,「被上告人B1は,D(第一審被告)が代表取締役を勤めていた訴外E株式会社(以下「訴外会社」という。)の取引先であるF株式会社の代表取締役であったが,Dの要請によって,訴外会社が新株一万株(一株500円)発行した際(これによりその資本の額は1000万円となる。),そのうち4000株(200万円)を引き受けるとともに,訴外会社の取締役に就任したものの,右就任は,同被上告人において訴外会社に常勤せずにその経営内容にも深く関与しないことを前提とするいわゆる社外重役として名目的にしたものであり,実際にも同被上告人は訴外会社に一度も出社したことがなく,その業務の執行はDの独断専行に任せこれにつき何ら監視することもなく,Dに対し取締役会を招集することを求めたり,自らそれを招集することもなかったところ,その間,Dは,代金支払の見込みもないのに訴外会社を代表して上告会社から液体アルゴン等を買い受け,その代金を支払うことができなかったため,上告会社に損害を与えた,というのである。 ところで,株式会社の代表取締役は,会社に対し,取締役会に上程された事項についてのみならず,代表取締役の業務執行の全般についてこれを監視し,必要があれば代表取締役に対し取締役会を招集することを求め,又は自らこれを招集し,取締役会を通じて業務の執行が適正に行われるようにするべき職責を有するものである(最高裁昭和46年(オ)第673号同48年5月22日第三小法廷判決・民集27巻5号655頁)が,このことは,前記被上告人B1につき原審が認定したような会社の内部的事情ないし経緯によっていわゆる社外重役として名目的に就任した取締役についても同様であると解するのが相当であ 7巻5号655頁)が,このことは,前記被上告人B1につき原審が認定したような会社の内部的事情ないし経緯によっていわゆる社外重役として名目的に就任した取締役についても同様であると解するのが相当である。そうすると,前記のように同被上告人が取締役として訴外会社の業務執行を監視するにつき何らなすところがなかったことはその職責を尽くさなかったものといわなければならないから,これと見解を異にし,同被上告人にはDの業務執行につきこれを監視する義務はないとしたものと解される原判決は,法令の解釈適用を誤ったものであり,その誤りは判決に影響を及ぼすことが明らかであるから,論旨はこの点において理由がある。」と判示して,名目的取締役の責任を肯定しているものである。 また,下級審裁判例においても,後述のように,投資詐欺事件の事案に ついて,名目的取締役の責任を肯定する判決が多数出されている。11③ 本件において,上記被告販売店らで原告らがGの各スキームの取引決済を行った結果,実際に原告らの多額の損害の発生につながっていることから,上記被告販売店の代表取締役らは,名目的取締役であることを理由として自らの責任を免れることはできない。 ④加えて,上記被告販売店の代表取締役らは,Gに自らを代表取締役とする会社設立のために名義貸しをしたのであれば尚更,自身が代表取締役を務める被告販売店が違法な取引に利用されることのないようにすべき注意義務があったものというべきである。 11 例えば,東京地裁平成22年4月19日判決は,外国為替証拠金取引の事案において,次のように判示して,名目的取締役の責任を認めている。 「(ア)株式会社の取締役 11 例えば,東京地裁平成22年4月19日判決は,外国為替証拠金取引の事案において,次のように判示して,名目的取締役の責任を認めている。 「(ア)株式会社の取締役は,代表取締役の業務執行の全般についてこれを監視し,取締役会を通じて業務の執行が適正に行わせるようにするべき職責を有する者であり,このことは名目的な取締役についても同様と解するのが相当である。前記認定事実(3)のとおり,被告e は,取締役としての権限を与えられておらず,取締役に就任した後も従前と同様の従業員としての職務を継続しており,取締役としての報酬も受け取っていなかったことが認められるが,当該事情は,取締役としての監視監督義務を免れさせるものではない。」「被告b は,c から,グラン・ディの代表取締役に就任して会社名義で飲食店を経営することを提案され,同社の代表取締役に就任したものであるが,被告b は,c から,グラン・ディは使用していない会社である旨を告げられたこと,本店所在地には別の会社があり,名前だけで実体はないに等しい会社であったこと,被告b は飲食店を経営していたこと,アルファエフエックスには毎月経費等を受け取りに行くだけであったこと(乙ト1,被告b)からすると,被告b は,名目的な代表取締役であったといえる。もっとも,名目的代表取締役であっても業務全般について善管注意義務を負うべきことは前述のとおりである。前記認定事実(7)のとおり,被告b は,c によるグラン・ディの証拠金不足の取引について知らなかったといえる。しかしながら,被告b は,グラン・ディの代表取締役として,同社に損失を与える可能性のある行為が行われていないか絶えず注意する義務を負っていたのであり,被告b は当該義務を怠ったものといわざるを得ない。そして,被告b は,グラン・ディの代表取締役として,同社に損失を与える可能性のある行為が行われていないか絶えず注意する義務を負っていたのであり,被告b は当該義務を怠ったものといわざるを得ない。そして,被告b は,同社の計算書類を見たり,c や監査役の被告d 等に聞くことにより,c による取引を容易に知ることができたはずである。したがって,被告b には,代表取締役としての任務懈怠があり,これについて重大な過失があったというべきである。」(先物取引裁判例集59巻261頁以下) すなわち,上記被告販売店の代表取締役らは,自らが代表取締役を務める法人が不適法な行為に加担していないかについて,注意する義務を負っていた。 上記被告販売店の代表取締役らは,自らが代表取締役を務める法人の計算書類等を調査・確認したり,被告Y35をはじめとするG関係者に聞いたり,決済代行会社である被告GMO ペイメントゲートウェイや実際にGの取引決済をしている原告ら顧客に質問することなどにより,Gのスキームが物の引き渡しを前提としない違法な空クレジット取引であることを知ることができたものというべきである。 ところが,上記被告販売店の代表取締役らは,自らを代表取締役とする法人をG任せにするばかりで,その法人が関与するGのスキームが不適法なものではないかについて何ら調査・確認をすることもなく,これを放置した結果,原告らは上記被告販売店でGの多額の決済を行わされて損害を被ったものである。 このように,上記被告販売店の代表取締役らは,自らが代表取締役を務める法人をGのなすがままに放置し,同社が不適法な行為を行わないように注意すべき義務を怠った結果,上記被告販売店はGの違法な空クレジットを根幹とする組織的詐欺的商法を遂行するために利用され続け,原告らに多額の のなすがままに放置し,同社が不適法な行為を行わないように注意すべき義務を怠った結果,上記被告販売店はGの違法な空クレジットを根幹とする組織的詐欺的商法を遂行するために利用され続け,原告らに多額の損害を生ぜしめる結果となったのである。 ⑤ よって,上記被告販売店の代表取締役らは,上記被告販売店の代表取締役として,自らが代表取締役を務める法人の業務を適正・適法に行わせるように監督し,その法人がGの空クレジットスキームに加担するなどの違法行為を行うことを防止すべきであったにもかかわらず,これを敢えてせず,あるいは少なくとも重過失によりこれを怠ったものといえるから,原告らに対し,会社法429条1項に基づく損害賠償責任を負う。 8 Gの親会社・グループ会社(1)親会社の子会社に対する内部統制システム整備・運営義務違反ア親会社の取締役会はその企業グループに属する会社の業務執行に関して監督権限を有しており,親会社の取締役会に属する取締役らに対しては,子会社の内部統制システムを整備・運営することがその善管注意義務の内容となる(伊勢田道仁『内部統制と会社役員の法的責任』92頁)。 この点,親会社取締役会が,子会社の業務執行の異常事態を示す事実を把握していたにもかかわらず適切な対策をとることを怠ったような場合には, 善管注意義務違反として責任を問われる可能性が高い(上掲『内部統制と会社役員の法的責任』94頁)。12そして,親会社の取締役会は,その企業グループに属する会社の業務執行の適切さを確保するような内部統制システムの大綱を定めることを要し,取締役会の構成員である取締役,代表取締役,監査役らはそれぞれに,かかる内部統制システムの構築・運営に関して義務を負う(上掲『内部統制と会社役員の法的責任』94~95 テムの大綱を定めることを要し,取締役会の構成員である取締役,代表取締役,監査役らはそれぞれに,かかる内部統制システムの構築・運営に関して義務を負う(上掲『内部統制と会社役員の法的責任』94~95頁)。 イそして,株式会社の取締役会は,いわゆる内部統制システム(会社法362条4項)として,「当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制」(同項6号,同法施行規則100条1項5号)を構築する必要がある。これには,以下に関する体制が含まれる(同号イ~ニ)。 ① 子会社の取締役等の職務執行に係る事項についての親会社への報告(同号イ)② 子会社の損失の危険の管理(同号ロ)③ 子会社の取締役等の職務の執行の効率性確保(同号ハ)④ 子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することの確保(同号ニ) 上記①~③のために構築すべき体制としては,(i)子会社における業務の適正確保のための議決権行使方針の決定,(ii)親会社におけるグループ統括機構の設置,(iii)子会社の業務執行に関する親会社の承認体制の構築,(iv)親会社による内部監査の実施体制の構築,(v)取締役,監査役等の派遣等が挙げられる。 また,上記④の体制としては,(i)法令遵守マニュアルの作成や使用人相互間の適切な監督体制の構築,(ii)コンプライアンスマニュアル,倫理規定の作成・配布,(iii)コンプライアンスに関する教育・研修体制の構築,(iv)内部通報制度の設定等が挙げられる(落合誠一編『会社法コンメンタール8』(商事法務)230頁等参照)。 (2)本件について 12 尚 ンタール8』(商事法務)230頁等参照)。 (2)本件について 12 尚,「最高裁判例の立場に照らすと,直接の契約関係が存在しなくても,ある法律関係に基づいて(当事者間の信頼が基礎にある)特別な社会的接触の関係に入った当事者間では,相手方に損害を被らせないようにする信義則上の作為義務が認められる場合があり得るものと考えられる。」とされている(金融・商事判例1549号25~26頁)。 ア本件において,Hグループを主宰する被告明光観光開発有限会社及び被告有限会社Y8,さらにGの運営会社である被告有限会社Y7は,Hグループにおいて傘下にある子会社であるGが違法行為を行わないようにHグループ(企業集団)における業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)を適切に整備・運営すべき義務があったが,これを怠った結果,原告らに多大な損害を与えたものである。 イそして,被告Y62は,Hグループを主宰する被告明光観光開発有限会社,被告有限会社Y8及び被告有限会社Y7の代表取締役であり,被告Y61は取締役であってHグループの創設者であったところ,上記被告両名は,Hグループを統括する者として,その傘下にある子会社であるGが違法行為を行わないようにHグループ(企業集団)における業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)を適切に整備・運営すべき義務を怠ったものである。 ウしたがって,代表取締役である被告Y62及び被告Y61は,その職務を行うにつき,少なくとも過失により,共同して第三者である原告らに対し損害を与えたものといえるから(民法709条違反,同法719条1項),被告明光観光開発有限会 被告Y62及び被告Y61は,その職務を行うにつき,少なくとも過失により,共同して第三者である原告らに対し損害を与えたものといえるから(民法709条違反,同法719条1項),被告明光観光開発有限会社,被告有限会社Y8及び被告有限会社Y7は,会社法350条に基づき,原告らに対し,連帯して損害賠償責任を負うものである。 9 Gの親会社・グループ会社の役員(1)親会社・グループ会社役員の子会社監視義務ア親会社は子会社の株主であり,親会社の取締役には,会社の重要な資産としての子会社を管理し,親会社に損害を与えないようにする注意義務〔善管注意義務(会社法330条,民法644条)ないし忠実義務(会社法355条)〕がある。 親会社の取締役は,善管注意義務の一内容として,子会社の違法・不当な行為を発見し,又はこれを未然に防止する注意義務(監視・監督義務)を負う。 この点,親会社の取締役会には,子会社の業務執行に対して監督する機能が認められ,親会社の取締役は,それぞれの立場に応じて子会社の業務執行に対する監視・監督義務を負うことになる。 イそして,親会社の取締役会は,子会社の業務執行の適切さを確保するように内部統制システムを整備・運営すべきであり,取締役会の構成員である代表取締役,取締役らはそれぞれに,かかる内部統制システムの整備・運営に関して義務を負う(伊勢田道仁『内部統制と会社役員の法的責任』93~9 5頁)。 ウ尚,実際に子会社に不祥事が生じた場合であって,監視・監督義務の違反が認められない場合であったとしても,不祥事への対応が杜撰であれば,取締役の善管注意義務違反が認められる。その判断枠組みとしては,有事発生の認識後,速やかに損害及び信用失墜を最小限にとどめるための適切な対応 れない場合であったとしても,不祥事への対応が杜撰であれば,取締役の善管注意義務違反が認められる。その判断枠組みとしては,有事発生の認識後,速やかに損害及び信用失墜を最小限にとどめるための適切な対応を講じたかどうかがポイントとなる(大阪高裁平成18年6月9日判決/判例タイムズ1172号271頁参照)。 (2)本件についてア Gを運営するHグループは,被告Y61(被告Y62の実父であり,被告Y34の養父である。)を頂点とする同族経営のグループ企業であり,被告Y61及び被告Y62(被告Y34の夫)はHグループ各社の代表取締役や取締役を務め,被告Y34はGの代表取締役を務めていたものである。 このように,Gを傘下に有するHグループ(その中核は,被告明光観光有限会社及び被告有限会社Y8であった。)を事実上主宰していた被告Y61,及び,Gの運営会社である被告有限会社Y7の代表取締役であった被告Y62においては,自らのグループ会社ないし子会社であったGの違法・不当な行為を発見し,又はこれを未然に防止する注意義務(監視・監督義務)を負っていた。 また,Hグループを率いる被告Y61及び被告Y62は,Hグループ傘下の子会社であるGの業務執行の適切さを確保するように内部統制システムの整備・運営すべき義務があった。 イ本件において,Gが犯罪行為に該当する違法な詐欺的投資商法を全国規模で遂行していたにもかかわらず,被告Y61及び被告Y62は,Hグループ傘下にあるGの上記犯罪行為を発見し,又はこれを防止するために監視・監督義務を何ら果たすことがなかった。 また,被告Y61及び被告Y62は,その経営するグループ傘下にあるGの業務執行の適切さを確保するように内部統制システムを整備・運営すべき義務を怠った。 その結果,被告Y61及び被告Y62は, また,被告Y61及び被告Y62は,その経営するグループ傘下にあるGの業務執行の適切さを確保するように内部統制システムを整備・運営すべき義務を怠った。 その結果,被告Y61及び被告Y62は,自らが代表取締役を務める被告有限会社Y7が運営し,Hグループ傘下の子会社であるGによる詐欺の犯罪行為を見逃し,結果として,Gによる不特定多数人に対する犯罪行為ないし不法行為を長期間にわたり放置したものである。 ウこの点,上記のようにGは,会社ぐるみで旧スキーム,保証金,新スキームといった違法なスキームをつくって,一般消費者を勧誘し,空クレジットよる違法な売上を計上するなどの不法行為を行っていた。この点,Gの売上 は,上記のように平成27年約9600万円,平成28年約16億円,平成29年約38億円,平成30年約102億円と急激に増大しており,株式会社に組織変更して僅か3年後には100倍以上の売上に膨らむという異常な状況にあった。 被告Y61及び被告Y62は,Hグループ傘下において,自らが代表取締役を務める被告有限会社Y7が運営会社であるGの売上の推移を確認し,Gの業務内容を適時かつ適切に把握していれば,明らかに不相当な金額の売上があることを認識し得たものであり,会社ぐるみの違法行為について容易に認識することができたものである。 エしかも,上記のように,Gの代表取締役であった被告Y34は,本件当時,被告Y62の妻であり,被告Y61の養子であった。また,被告Y35は,被告Y34の実子であった。 このように,親族間において,被告Y61及び被告Y62は,Gの状況について,被告Y34や被告Y35に質問したり確認したりするのはもとより,Gの幹部や従業員らに質問したりすることもできたはずであり,Gの業務の異常性 間において,被告Y61及び被告Y62は,Gの状況について,被告Y34や被告Y35に質問したり確認したりするのはもとより,Gの幹部や従業員らに質問したりすることもできたはずであり,Gの業務の異常性ないし違法な商法に関する事情を窺い知ることは可能であったし,適時かつ適切な調査・確認をしなければならなかった。 オところが,Gの違法・危険な商法が社会問題化した後においても,Hグループを統括していた被告Y61及び被告Y62は,同グループ傘下において被告有限会社Y7が運営会社であるGの不祥事に対して徹底した原因究明の下,適時かつ適切に対処して被害の拡大を防止するための対応を執ることもなかったものである。 カそうすると,被告Y61及び被告Y62の上記任務懈怠には,少なくとも重過失があったものといえる。 上記親会社等役員の責任追及権の根拠条文は,会社法429条1項及び同法430条となる。 キ尚,G商法が社会問題化した直後,Gは名称変更し,「O」となった。その運営会社は,Gのときと同じく,Hグループの被告有限会社Y7(代表取締役社長:被告Y62)であった(甲全19,甲全64)。 すなわち,Oは,Gと農園も運営会社もまさに同じであり,その実態はGと同一であって,実質的に両者は同一の農園である。 このように,Hグループは,Gの不祥事を受けて,被害を受けた顧客からの責任追及を回避しながら,事実上Gの農園の営業を継続しているものであり,強制執行免脱,財産隠匿のために名称変更した可能性も否定できない。 第6 損害 1 各原告の損害額について原告らのGの各スキームによる損害額は,別紙3「請求額一覧表」(旧スキーム・保証金)及び別紙4「請求額一覧表」(新スキーム)の各原告欄記載のとおりである。 尚 害 1 各原告の損害額について原告らのGの各スキームによる損害額は,別紙3「請求額一覧表」(旧スキーム・保証金)及び別紙4「請求額一覧表」(新スキーム)の各原告欄記載のとおりである。 尚,訴状別紙3及び4記載の金額について補足するに,当該金額は,各原告が,Gの旧スキーム,新スキーム,保証金スキームという違法な詐欺的商法により被った損害額(訴外Gの旧スキームや新スキームについて,元本保証の副業との認識で,訴外Gの指示どおり,被告販売店らにおいてクレジットカード決済で商品を購入するなどしたが,後日,訴外Gから約束通り当該クレジットカード決済代金が入金されなかったり,高利を約束されて入金した保証金の元本が返金されなかったことにより被った損失)である。 2 弁護士費用について本訴訟に要する弁護士費用は,上記各損害の1割を下ることはない。 各原告の弁護士費用は,別紙3「請求額一覧表」(旧スキーム・保証金)及び別紙4「請求額一覧表」(新スキーム)の原告欄記載の「弁護士費用」記載のとおりである。 3 クレジットカード決済の既払金及び未払金について(1)既払金について既に支払済みであり,損害として確定している。 尚,クレジットカード会社に依頼して,キャンセル処理ないしチャージバックできた契約の返金分については,損害から除外している。 (2)未払金についてクレジットカード会社による立替払いは済んでおり,クレジットカード会社から原告らに対する支払請求がなされている。 よって,未払金も,クレジットカード会社に対する支払債務として確定している。 尚,原告らの多くは,依然としてクレジットカード会社に対する未払金があり,現在も支払を継続している状況にあるが,クレジットカード会社から毎月の多額 社に対する支払債務として確定している。 尚,原告らの多くは,依然としてクレジットカード会社に対する未払金があり,現在も支払を継続している状況にあるが,クレジットカード会社から毎月の多額の支払請求がなされた結果,経済的な苦境に陥り,任意整理や自己破産などの法的整理を選択せざるを得なかった者もいる。 4 損益相殺について (1)Gのスキームでは,原告らが出捐した元本に利益を上乗せして返金していたことがあるため,それら利益を原告らの損害から控除すべきか否かが問題となる。 (2)この点,最高裁判例においては,「社会の倫理,道徳に反する醜悪な行為(以下「反倫理的行為」という。)に該当する不法行為の被害者が,これによって損害を被るとともに,反倫理的行為に係る給付を受けて利益を得た場合には,同利益については,加害者からの不当利得返還請求が許されないだけでなく,被害者からの不法行為に基づく損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として被害者の損害額から控除することも許されないものというべきである。」とされている(最高裁平成19年(受)第569号同20年6月10日第三小法廷判決・民集62巻6号1488頁参照)。 (3)そこで,本件についてみるに,Gの旧スキームや新スキームといった違法な商法は,既に刑事事件化しているように,詐欺に該当する違法な行為であり,反倫理的行為に該当することは明らかである。 そうすると,Gの上記商法により原告らが得た利益(クレジットカード決済による上乗せ分やポイント取得分)は,不法原因給付によって生じたものというべきであるから,本件損害賠償請求訴訟において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として原告らの損害から控除することは許されないものというべきである。 法原因給付によって生じたものというべきであるから,本件損害賠償請求訴訟において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として原告らの損害から控除することは許されないものというべきである。 第7 結語 よって,原告らは,請求の趣旨記載の判決を求め,本訴を提起した次第である。 別紙 1 原告目録(添付省略) 2 被告目録(添付省略) 3 請求額一覧表(旧スキーム・保証金) 4 請求額一覧表(新スキーム) 証拠方法 証拠説明書記載のとおり

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