令和4(わ)741 有印私文書偽造・同行使、詐欺

裁判年月日・裁判所
令和4年12月7日 名古屋地方裁判所
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判決文本文2,726 文字)

- 1 - 主文 被告人を懲役2年に処する。 この裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)第1 被告人は、有効期限が切れた国会議員用鉄道乗車証を使用した上、衆議院議員Aになりすまして、B鉄道株式会社C駅と同社D駅間の国会議員用の新幹線特急券・グリーン券をだまし取ろうと考え、令和4年3月17日、東京都千代田区ab丁目c番d号同社C駅e番窓口において、行使の目的で、国会議員指定席・寝台申込書の氏名欄に「A」と記入するなどし、もって同人作成名義の国会議員指定席・寝台申込書1通を偽造した上、同日午後1時17分頃、同窓口において、同駅駅員Eに対し、前記国会議員用鉄道乗車証を示すとともに、前記偽造に係る国会議員指定席・寝台申込書1通を真正に成立したもののように装って提出して行使し、同人に、被告人が前記Aであり、前記新幹線特急券・グリーン券の交付を受ける正当な権限があるものと誤信させ、よって、その頃、前記窓口において、前記Eから、前記新幹線特急券・グリーン券2枚(販売価格合計1万7160円相当)の交付を受け、もって人を欺いて財物を交付させた。 第2 被告人は、有効期限が切れた国会議員用鉄道乗車証を使用した上、参議院議員Fになりすまして、B鉄道株式会社C駅と同社D駅間の国会議員用の新幹線特急券・グリーン券をだまし取ろうと考え、令和4年4月1日、東京都千代田区ab丁目c番d号同社C駅f番窓口において、行使の目的で、国会議員指定席・寝台申込書の氏名欄に「F」と記入するなどし、もって同人作成名義の国会議員指定席・寝台申込書1通を偽造した上、同日午後零時19分頃、同窓口において、同駅駅員Gに対し、前記国会議員用鉄道乗車証を示すとともに、前記偽造に係る国会 記入するなどし、もって同人作成名義の国会議員指定席・寝台申込書1通を偽造した上、同日午後零時19分頃、同窓口において、同駅駅員Gに対し、前記国会議員用鉄道乗車証を示すとともに、前記偽造に係る国会議員指定席・寝台申込書1通を真正に成立したもののように装って提出して行使し、同人に、被告人が前記Fであり、前記新幹線特急券・グリーン券の交付を - 2 -受ける正当な権限があるものと誤信させ、よって、その頃、前記窓口において、前記Gから、前記新幹線特急券・グリーン券1枚(販売価格合計8580円相当)の交付を受け、もって人を欺いて財物を交付させた。 第3 被告人は、有効期限が切れた国会議員用鉄道乗車証を使用した上、参議院議員Fになりすまして、B鉄道株式会社C駅と同社D駅間の国会議員用の新幹線特急券・グリーン券をだまし取るとともに、同社C駅から同社D駅までの新幹線乗車料金の支払を免れようと考え、令和4年4月27日頃、東京都中央区g町h丁目i番j号k号において、行使の目的で、国会議員指定席・寝台申込書の氏名欄に「F」と記入するなどし、もって同人作成名義の国会議員指定席・寝台申込書1通を偽造した上、同日午前11時頃、東京都千代田区ab丁目c番d号同社C駅l番窓口において、同駅駅員Hに対し、前記国会議員用鉄道乗車証を示すとともに、前記偽造に係る国会議員指定席・寝台申込書1通を真正に成立したもののように装って提出して行使し、同人に、被告人が前記Fであり、前記新幹線特急券・グリーン券の交付を受ける正当な権限があるものと誤信させ、よって、同日午前11時2分頃、前記窓口において、前記Hから、前記新幹線特急券・グリーン券2枚(販売価格合計1万7160円相当)の交付を受けるとともに、同日午前11時3分頃、同駅I改札において、同駅駅員Jに対し、前記国会議員用鉄 前記窓口において、前記Hから、前記新幹線特急券・グリーン券2枚(販売価格合計1万7160円相当)の交付を受けるとともに、同日午前11時3分頃、同駅I改札において、同駅駅員Jに対し、前記国会議員用鉄道乗車証を示し、同人に、被告人が現職の国会議員であり、同駅発の新幹線に乗車する正当な権限があるものと誤信させ、同改札を通過して新幹線に乗車することを許諾させ、同駅発Kに乗車して、同日午後零時45分頃、名古屋市中村区mn丁目o番p号同社D駅まで到達し、もって人を欺いて財物を交付させるとともに同社C駅から同社D駅までの乗車料金6380円に相当する財産上不法の利益を得た。 (量刑の理由)本件は、元国会議員の被告人が、現職の国会議員になりすまして、新幹線特急券・グリーン券を詐取し(第1ないし第3)、乗車料金を支払うことなく新幹線を利 - 3 -用した(第3)事案である。 被告人は、新幹線車内での検札がなくなったことを切っ掛けに、かつて無料で利用できた新幹線代に金をかけるのはもったいないと考え、また、地元国会議員の顔が知られているD駅よりC駅の方が犯行が発覚しないとも考えながら、未返納の国会議員用鉄道乗車証及び未使用の国会議員指定席・寝台申込書を使用して本件各犯行に及んでいる。すなわち、本件は、被告人が国会議員時代に得た知識や経験、支給品を悪用した信義にもとる犯行であるとともに、被告人の発想は身勝手かつ狡猾というほかなく、被告人には国会議員であった自身の行動の重大性や社会的影響についての自覚が著しく欠けている。本件各犯行は2か月足らずの間に3回行われており、常習的犯行であると認められる。そして、合計約4万9000円相当という財産的被害は軽視できない上、氏名を冒用された国会議員2名、被害に遭った鉄道会社関係者の驚きあるいは憤りは容易に推 行われており、常習的犯行であると認められる。そして、合計約4万9000円相当という財産的被害は軽視できない上、氏名を冒用された国会議員2名、被害に遭った鉄道会社関係者の驚きあるいは憤りは容易に推察でき、今後の国会議員用鉄道乗車証の運用方法に与える悪影響も看過できない。 他方、被告人が、本件各犯行を認め、被害弁償に関して鉄道会社からの請求どおり支払う意向を示し、二度と犯罪に及ばない旨述べるなど、反省の態度を示していること、前科前歴がないこと、妻が書面で今後も被告人を支援、監督する旨述べていること、本件により政党県連常任顧問及び会社役員の地位を失うなどの社会的制裁を受けたことなど、被告人にとって酌むべき事情も認められる。そこで、これらの事情も考慮し、今回に限り、刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。 (求刑懲役2年)令和4年12月7日名古屋地方裁判所刑事第2部 裁判長裁判官森島聡 - 4 -裁判官棚村治邦 裁判官吉川この実

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