主文 本件上告を棄却する。理由 被告人本人の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反の主張であり、弁護人入江五郎、同高野国雄の上告趣意第一のうち、憲法一九条、二一条一項違反をいう点は、いわゆるアイヌ問題に関する第一審判決の説示が被告人の表現の自由を侵害しようとしたものでないことは記録上認められるから、その前提を欠き、憲法三七条一項、二項違反をいう点は、実質は単なる法令違反の主張であり、同第二のうち、憲法一九条、二一条一項違反をいう点は、記録を調べても、本件公訴の提起が被告人の思想表現の自由を封殺する意図でなされたものとは認められないから、その前提を欠き、憲法一四条違反をいう点は、本件において検察官が被告人を起訴した措置は、公訴提起に関する検察官の裁量権の範囲を著しく逸脱し、公訴権を濫用してなされたものとは認められないとした原判決の判断は正当であるから、その前提を欠き、その余は、単なる法令違反の主張であつて、以上すべて刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。よつて、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。昭和五二年二月一八日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官環昌一裁判官天野武一裁判官江里口清雄裁判官高辻正己裁判官服部高顯- 1 - 部高顯
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