令和4(う)235 覚醒剤取締法違反、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律違反被告事件

裁判年月日・裁判所
令和5年3月14日 名古屋高等裁判所 棄却 名古屋地方裁判所
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判決文本文1,452 文字)

主文 本件控訴を棄却する。 理由 1 本件事案の概要と控訴の趣意本件は、被告人が、令和4年1月30日に名古屋市内のホテル客室において覚醒剤約0.164グラムを所持した(原判示第1)、同年2月24日頃に名古屋市内の別のホテル客室において覚醒剤を自己使用した(同第2)、同日に覚醒剤約0. 009グラム及び指定薬物2本(液体合計約4.407グラム)を所持した(同第3)、という事案である。 弁護人の控訴趣意は量刑不当の主張であり、被告人を懲役1年8月(3年間執行猶予)の刑に処した原判決の量刑は重過ぎて不当であるという。 2 原判決の量刑判断の概要原判決は、被告人は仕事に集中したいなどという動機で違法薬物の所持・使用に及ぶなどしており、違法薬物に対する抵抗感に乏しく、また、ホテルに覚醒剤を置き忘れ、自身に捜査が及ぶ可能性も理解したはずであるのに、更に覚醒剤を入手・使用するに至っており、違法薬物に対する依存性の高さがうかがわれ、今後、違法薬物との関係を簡単に断ち切れるかどうかについて不安がないわけではないとした。 一方、被告人が事実を認めていること、周囲の者を傷つけたことを後悔する態度を示していること、父親が家族ぐるみで支援すると約束していること、被告人に罰金前科しかないことを考慮すると、社会内で更生する機会を与えるのが相当であるとして、上記刑に処し、執行猶予を付した。 3 当裁判所の判断上記のような原判決による量刑事情の指摘及び評価並びにこれに基づく量刑判断に誤りはなく、その量刑が重過ぎて不当であるとはいえない。 ⑴ 弁護人は、①本件を受け、芸能活動を行ってきた被告人の社会的信用は大きく低下し、社会復帰後の生活に甚大な影響が生じて れに基づく量刑判断に誤りはなく、その量刑が重過ぎて不当であるとはいえない。 ⑴ 弁護人は、①本件を受け、芸能活動を行ってきた被告人の社会的信用は大きく低下し、社会復帰後の生活に甚大な影響が生じており、自身の落ち度により引き 起こした事態とはいえ、同種犯罪で一般的に処罰された場合と比べて多大な社会的制裁を受けている、②原判決の量刑は同種事案との均衡を失している、と主張する。 しかし、①の事情を社会的制裁とよぶかどうかはともかく、これを被告人にとって有利に考慮するとしても自ずから限度があり、原判決の量刑を左右するものとはいえない。②について、弁護人は、本件とは事実関係や前科関係が異なる実刑判決を1件だけ取り出し、これとの比較をもって原判決の量刑を論難しようとするものであるが、その手法自体相当とはいい難く、これを措いても、原判決の量刑判断が同種事案との刑の均衡ないし衡平を欠くものとはいえない。 以上のとおり、原判決の量刑が重過ぎて不当であるとはいえない。 ⑵ なお、当審における事実取調べの結果によれば、原判決後に、被告人が薬物依存治療を始めたことが認められるが、これを踏まえても、原判決の量刑が重過ぎるに至ったということはできない。 よって、刑訴法396条により、主文のとおり判決する。 (なお、原判決は、法令の適用において指定薬物所持罪所定の罰金刑を併科することができることを示していないが、原判決が懲役刑の選択をしたことは、その後の併合罪の処理等から明らかである。)令和5年3月14日名古屋高等裁判所刑事第2部裁判長裁判官田邊三保子裁判官後藤眞知子裁判官須田 屋高等裁判所刑事第2部裁判長裁判官田邊三保子裁判官後藤眞知子裁判官須田健嗣

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