平成14(行ウ)19 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成15年9月24日 大阪地方裁判所 住民訴訟
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判決文本文28,504 文字)

主文 1 被告Y1は,茨木市に対し,金81万7800円並びに内金3万0800円に対する平成13年3月24日から支払済みまで年5分の割合による金員,内金41万4000円に対する平成13年7月14日から支払済みまで年5分の割合による金員及び内金37万3000円に対する平成13年7月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告の被告Y1に対するその余の請求及びその余の被告らに対する請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は,原告に生じた費用の3分の1と被告Y1に生じた費用の3分の2を被告Y1の負担とし,原告及び被告Y1に生じたその余の費用並びに被告Y2,被告Y3,被告Y4,被告Y5及び被告Y6に生じた費用を原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告Y1,被告Y2及び被告Y3は,茨木市に対し,連帯して金25万5215円及びこれに対する平成13年3月24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告Y1,被告Y2及び被告Y4は,茨木市に対し,連帯して金41万4000円及びこれに対する平成13年7月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 被告Y1,被告Y2及び被告Y5は,茨木市に対し,連帯して金37万3000円及びこれに対する平成13年7月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被告Y1,被告Y2及び被告Y6は,茨木市に対し,連帯して金28万3045円及びこれに対する平成13年10月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,茨木市の住民である原告が,茨木市長が必要性がないにもかかわらず茨木市職員らをA協会(以下「協会」という。)主催の外国旅行(以下「本件各旅行」という。)に随行させた上,同市職員らの旅費を公金から支出したことによ である原告が,茨木市長が必要性がないにもかかわらず茨木市職員らをA協会(以下「協会」という。)主催の外国旅行(以下「本件各旅行」という。)に随行させた上,同市職員らの旅費を公金から支出したことにより同市が損害を被ったとして,支出負担行為(以下「本件各支出負担行為」という。)を決裁した同市長Y1及び公金支出命令(以下「本件各公金支出命令」という。)を専決した同市主務課長Y2に対し,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前の地方自治法。以下「法」という。)242条の2第1項4号前段に基づき,同市に代位して,不法行為に基づく損害賠償を請求するとともに,本件各旅行に随行した同市職員であるY3,Y4,Y5及びY6がそれぞれ不当に利得を得たことにより同市が損失を被ったとして,同市職員らに対し,同号後段に基づき,同市に代位して,不当利得返還を請求した住民訴訟である。 1 前提事実(争いのない事実及び証拠より容易に認定できる事実)(1) 当事者ア原告は,茨木市の住民である(争いがない)。 イ被告ら(ア) 被告Y1は,茨木市の市長の地位にある者である(争いがない)。 (イ) 被告Y2は,平成13年3月当時茨木市の自治振興課長の地位に,同年4月以降市民活動推進課長の地位にある者であり(甲1),主務課長として,本件各公金支出命令をいずれも専決し,資金前渡職員として前渡受取金(以下「本件各旅費」という。)を受け取り,本件各旅費を被告Y3,被告Y4,被告Y5及び被告Y6に交付した者である(争いがない)。 (ウ) 被告Y3,被告Y4,被告Y5及び被告Y6(以下4名をまとめて「被告市職員ら」という。)は,いずれもそれぞれ本件各旅費を受領して本件各旅行に随行した茨木市職員である(争いがない)。本件各旅行時,被告Y3は,茨木市教育委員会社会教育部社会体育課指 名をまとめて「被告市職員ら」という。)は,いずれもそれぞれ本件各旅費を受領して本件各旅行に随行した茨木市職員である(争いがない)。本件各旅行時,被告Y3は,茨木市教育委員会社会教育部社会体育課指導主事兼茨木市立市民プール兼務,茨木市立市民体育館長兼茨木市立中条市民プール場長(在任期間平成11年4月1日~平成13年3月31日(丙11)),被告Y4は,茨木市教育委員会生涯学習部スポーツ振興課主事(在任期間平成13年4月1日~平成14年3月31日(丙12)),被告Y5は,市民生活部市民活動推進課主事(在任期間平成13年4月1日~現在(丙13)),被告Y6は,市民生活部市民活動推進課主査(在任期間平成13年4月1日~現在(丙10))の地位にあった。 (2) 茨木市の国際施策ア姉妹・友好都市提携茨木市は,昭和55年にアメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリス市(以下「ミネアポリス市」という。)と姉妹都市提携し,昭和60年には,中華人民共和国安徽省安慶市(以下「安慶市」という。)と友好都市提携を行った(丙1)。 イ茨木市総合計画(第3次)茨木市は,茨木市総合計画(第3次)(丙1)を策定している。茨木市は,同計画の中で,国際交流や国際協調の波を受けて,国レベルの交流に加えて自治体間の交流や地域レベル,市民レベルの生活に密着した交流を進め,相互理解を深めるとともに国際的感覚を養うために,交流活動の推進のみならず,交流活動の体制づくり,交流活動拠点の形成などの施策を充実していくことを宣言している(丙1)。 ウ茨木市平成12年度施政方針茨木市は,平成12年度施政方針の中で,ミネアポリス市と提携20周年,安慶市とは提携15周年を迎えたことから,協会との連携を図りながら記念事業等を実施し,両市との友好親善をさらに深めていくことを宣言している(丙2) 2年度施政方針の中で,ミネアポリス市と提携20周年,安慶市とは提携15周年を迎えたことから,協会との連携を図りながら記念事業等を実施し,両市との友好親善をさらに深めていくことを宣言している(丙2)。 エ茨木市平成13年度施政方針茨木市は,平成13年度施政方針の中で,姉妹・友好都市との友好親善を深めていくこと及び協会との連携を深めて諸事業を開催することを宣言している(丙3)。 (3) 本件各旅行の予定等についてア本件各旅行の主催者本件各旅行を主催したのは,いずれも茨木市ではなく,協会である(争いがない)。 イ本件各旅行の予定日程及び参加予定者等(ア) 茨木市スポーツ親善訪中団(以下「スポーツ訪中団」という。)別紙茨木市スポーツ親善訪中団日程及び別紙茨木市スポーツ親善訪中団名簿のとおりである(争いがない)。 (イ) 茨木市少年サッカーチーム(以下「少年サッカーチーム」という。)別紙茨木市少年サッカーチーム日程及び別紙茨木市少年サッカーチーム名簿のとおりである(争いがない)。 (ウ) 茨木市キャンプ交流訪問団(以下「キャンプ訪問団」という。)別紙茨木市キャンプ交流訪問団日程及び別紙茨木市キャンプ交流訪問団名簿のとおりである(争いがない)。 (エ) 茨木市民親善訪中団(以下「親善訪中団」という。)別紙茨木市民親善訪中団日程及び別紙茨木市民親善訪中団名簿1のとおりである(争いがない)。 参加人と安慶市人民政府副市長は,平成12年(2000年)11月25日,安慶市が親善訪中団を受け入れること及び親善訪中団滞在中安慶市ができるだけ便宜を図ること等を内容とする議定書を作成した(丙14)。 ウ本件各旅行の目的(ア) スポーツ訪中団スポーツ訪中団は,「中国の国技である卓球と活躍著しい水泳のスポーツ交流によって,安慶市の中学生と を図ること等を内容とする議定書を作成した(丙14)。 ウ本件各旅行の目的(ア) スポーツ訪中団スポーツ訪中団は,「中国の国技である卓球と活躍著しい水泳のスポーツ交流によって,安慶市の中学生と親善試合を行うとともに,今日の中国を実地に見聞して,日中の友好を深めること」を目的とする(甲1)。 (イ) 少年サッカーチーム少年サッカーチームは,「ミネアポリス市で行われる国際青少年サッカー大会『2001年USA杯』に参加し,世界の仲間との交流を深め」,「全員がホームステイを経験し,両市(裁判所注:ミネアポリス市及び茨木市を指す)市民の交流をより深めること」を目的とする(甲1)。 (ウ) キャンプ訪問団キャンプ訪問団は,「姉妹都市・ミネアポリス市でサマーキャンプに参加し,アメリカの青少年と交流を深め,両市(裁判所注:ミネアポリス市及び茨木市を指す)市民の交流をより深めること」を目的とする(甲1)。 (エ) 親善訪中団親善訪中団は,「友好都市・安慶市及び中国の諸都市を訪問し,表敬訪問や市内施設の見学等を通じて,両市(裁判所注:安慶市及び茨木市を指す)の交流を深めること」を目的とする(甲1)。 (4) 本件各旅費の支出アスポーツ訪中団派遣随行旅費スポーツ訪中団派遣随行旅費25万5215円について,被告Y1は,平成13年3月9日,市長としてこれにかかる支出負担行為を決裁し,被告Y2は,同月19日までに,自治振興課長としてこれにかかる支出命令を専決するとともに,同日ころ,被告Y3に対し,資金前渡職員として同旅費を支給した(甲1)。 イ少年サッカーチーム派遣随行旅費少年サッカーチーム派遣随行旅費41万4000円について,被告Y1は,平成13年6月22日,市長としてこれにかかる支出負担行為を決裁し,被告Y2は,同年7月6日までに,市民活 ーチーム派遣随行旅費少年サッカーチーム派遣随行旅費41万4000円について,被告Y1は,平成13年6月22日,市長としてこれにかかる支出負担行為を決裁し,被告Y2は,同年7月6日までに,市民活動推進課長としてこれにかかる支出命令を専決するとともに,同日ころ,被告Y4に対し,資金前渡職員として同旅費を支給した(甲1)。 ウキャンプ訪問団随行旅費キャンプ訪問団随行旅費37万3000円について,被告Y1は,平成13年7月5日,市長としてこれにかかる支出負担行為を決裁し,被告Y2は,同月12日までに,市民活動推進課長としてこれにかかる支出命令を専決するとともに,同日ころ,被告Y5に対し,資金前渡職員として同旅費を支給した(甲1)。 エ親善訪中団派遣随行旅費親善訪中団随行旅費28万3045円について,被告Y1は,平成13年10月2日,市長としてこれにかかる支出負担行為を決裁し,被告Y2は,同月9日までに,市民活動推進課長としてこれにかかる支出命令を専決するとともに,同日ころ,被告Y6に対し,資金前渡職員として同旅費を支給した(甲1)。 (5) 監査請求原告ほか2名が,平成13年12月25日,茨木市監査委員に対し,本訴請求の趣旨と同旨の措置を求めて監査請求をしたところ,同委員は,平成14年2月12日,同請求を棄却した(争いがない)。 2 争点本件の争点は,以下の2点である。 (1) 随行の不必要性及び非公務性(2) 費用額の不適正 3 争点についての当事者の主張(1) 随行の不必要性及び非公務性ア随行の不必要性(原告の主張)(ア) 本件各旅行には,旅行会社の担当者等が随行するところ,これらの者がいれば旅行は円滑に進むことからすれば,あえて被告市職員らが参加者に随行し案内しなければならない必要性はない。 (イ) 本件各旅行に 本件各旅行には,旅行会社の担当者等が随行するところ,これらの者がいれば旅行は円滑に進むことからすれば,あえて被告市職員らが参加者に随行し案内しなければならない必要性はない。 (イ) 本件各旅行において,その見学先の大半は公共施設ではなく,観光地中心であるところ,被告市職員らがこれらの観光地にまで随行する必要性は全くない。 (被告ら及び被告ら参加人の主張)(ア) 被告市職員らが,本件各旅行の訪問先において,先方の担当者と活動内容の調整等を行う必要があるから,被告市職員らには本件各旅行に随行するべき必要性が認められる。 (イ) 派遣先である姉妹都市・友好都市において先方から種々の便宜が図られたり,先方の行政関係者との交流が予定されているところ,被告市職員らがこれらに対応する必要がある。そこでは,単に当該派遣に関する事項について打ち合わせをするのみならず,従前の交流活動や今後の交流のあり方等についても協議を行っているのである。 (ウ) 本件各旅行のうち,参加者が未成年や,高齢者である場合には,参加者の安全に特に配慮する必要があり,そのためには被告市職員らが随行する必要がある。 イ随行の非公務性(原告の主張)(ア) 本件各旅行は,いずれも,茨木市ではなく任意団体たる協会が民間交流,スポーツ交流を名目に主催した旅行であり,協会が自らの目的意思に従いその日程を任意に設定したものであるから,これに被告市職員らが随行することは公務ではない。 (イ) 本件各旅行は,茨木市の姉妹都市との交流を名目にしているものの,その本質は民間団体たる協会の私的目的のためになされる外国旅行,スポーツ試合観光が中心であって,これに随行することは公務とはいえない。 (ウ) 国際交流は,地方自治上必要な事務ではないから,被告市職員らが国際交流を目的とした本件各旅行に随行する される外国旅行,スポーツ試合観光が中心であって,これに随行することは公務とはいえない。 (ウ) 国際交流は,地方自治上必要な事務ではないから,被告市職員らが国際交流を目的とした本件各旅行に随行することは公務ではない。 (エ) 市の財政危機を考えると,本件各旅行への随行については,茨木市の公務としての不可欠性が必要であると考えられるところ,本件各旅行は,協会が主催した茨木市民の任意の旅行にすぎないことからすれば,そのような不可欠性は存在しない。 (被告ら及び被告ら参加人の主張)(ア) 協会は,茨木市や各種団体が中心となって設立されたものであり,その目的は他の都市との交流などにある。社会全般にわたって国際化が進展する現状に鑑みれば,市民が外国諸都市に訪問する機会を市が与えることは,市の施策として何ら不合理ではない。したがって,本件各旅行への随行は,茨木市の施策である国際交流推進の一環としてなされたものであって公務といえる。 (イ) 本件各旅行の目的地である茨木市の姉妹都市・友好都市においては,先方の担当者から種々の便宜を受けることがあり,また先方の行政関係者との交流も予定されていることから,被告市職員らがこれに対応する必要がある。 (ウ) 被告市職員らが公共施設や都市景観などを視察することにより,国際理解を広めるなど被告市職員らの資質を向上させることができ,今後の事務,市行政に活かすことができる。かかる市職員の研鑽・研修は地方公共団体が当然行うべき事項であるから,被告市職員らが本件各旅行に随行することも研鑽・研修という公務の一環である。 (エ) 被告市職員が,本件各旅行に随行することにより,市民がより積極的に姉妹都市等への派遣事業の募集に応募するようになるという効果もあり,ひいては地域の国際化を促進できるものであるから,被告市職員の随行は国際 市職員が,本件各旅行に随行することにより,市民がより積極的に姉妹都市等への派遣事業の募集に応募するようになるという効果もあり,ひいては地域の国際化を促進できるものであるから,被告市職員の随行は国際交流促進事務としての公務である。 (2) 費用額の不適正(原告の主張)本件各旅行は,いずれも旅行会社が関与して旅費などを設定しているところ,茨木市が市職員に対して支給した本件各旅費は,その旅行内容に照らしてみれば不必要な支度料が計上されているなど過大であって,支出の適正さを欠いている。 (被告ら及び被告ら参加人の主張)本件各旅費は,いずれも茨木市職員旅費条例18条に基づき,国家公務員等の旅費に関する法律に準じて計算され,交付されたものであり,何ら違法不当な点はない。 第3 当裁判所の判断 1 事実認定(1) 協会についてア設立等協会は,昭和55年に市や各種団体が中心となってB協会という名称で設立されたものであり,昭和61年にその名称を現在の名称に変更した(弁論の全趣旨)。 イ目的及び事業内容協会は,茨木市と姉妹及び友好都市並びにその他の都市との交流を通じて,都市相互間における市民文化の向上につとめ,市民相互の理解と連帯を密にし,友好・親善の促進をはかり,市民福祉の向上と世界平和に寄与することを目的とし,都市相互間の経済,文化,教育,福祉,スポーツ,観光,都市建設等の交流事業並びに都市相互間の青少年及び市民団体等の人的交流事業を行う(丙4)。 ウ事務所の所在等協会の事務所は,茨木市役所内に置いており,事務局は茨木市役所市民生活部に置いている(丙4)。 エ市との人的関係協会の会則(丙4)によれば,協会の顧問は,茨木市議会議長及び茨木市選出の大阪府議会議員が就任し,参与は,茨木市議会副議長,茨木市助役,茨木市教育委員会委 置いている(丙4)。 エ市との人的関係協会の会則(丙4)によれば,協会の顧問は,茨木市議会議長及び茨木市選出の大阪府議会議員が就任し,参与は,茨木市議会副議長,茨木市助役,茨木市教育委員会委員長及び茨木市農業委員会会長が就任することとされている(丙4)。 オ経営協会は,会員から徴収した会費及び茨木市からの補助金を財源として活動している(丙4,被告Y6)。 (2) 本件各旅行の訪問内容等についてアスポーツ訪中団(ア) スポーツ訪中団の訪問内容は以下のとおりである(丙5,丙11)。 a 平成13年3月24日スポーツ訪中団は,関西国際空港を出発し,上海国際空港に到着し,同空港では,安慶市対外友好合作服務中心主任等の出迎えを受けた。その後,一行は,上海テレビ塔等上海市内を見学した。 b 平成13年3月25日スポーツ訪中団は,安慶迎賓館で昼食を取った後,迎江寺を見学し,安慶市体育館等において下見及び練習を行った。その後,一行は,安慶市長を表敬訪問し,安慶市迎賓館において,安慶市長,副市長等の臨席のもと,安慶市政府の歓迎宴会を受けた。歓送迎会の後,就寝時間が過ぎても廊下で騒いだり等する生徒がいたため,大友スポーツ訪中団団長が注意した。 c 平成13年3月26日スポーツ訪中団は,午前から夕刻に至るまで,安慶市体育館等において,親善試合を行った。その後,一行は,安慶・茨木友好交流センターを見学した。 d 平成13年3月27日スポーツ訪中団は,午前中,安慶市体育館等において親善試合を,安慶市内において見学,買い物を行い,午後には,安慶市第一中学校との交流,閉幕式を行い,夜には,安慶市人大常委会主任等の臨席のもと歓送会に参加した。 e 平成13年3月28日スポーツ訪中団は,南京に移動し,南京大虐殺記念館,中山陵,明孝陵を見 慶市第一中学校との交流,閉幕式を行い,夜には,安慶市人大常委会主任等の臨席のもと歓送会に参加した。 e 平成13年3月28日スポーツ訪中団は,南京に移動し,南京大虐殺記念館,中山陵,明孝陵を見学した。 f 平成13年3月29日スポーツ訪中団は,蘇州に移動し,虎丘,寒山寺,シルク研究所,拙政園を見学し,続いて上海市内に移動して土産物等を購入した。 g 平成13年3月30日スポーツ訪中団は,上海国際空港を出発し,関西国際空港に到着,その後,茨木市役所来庁者駐車場にて解散した。同市役所では,教育長等の出迎えを受けた。 (イ) その際,被告Y3が行った事務は以下のとおりである(丙5,丙11)。 a 被告Y3は,安慶市外事弁公室C副主任,外事弁公室D主任,E副主任らと日程等について,打ち合わせをした。 b 被告Y3は,安慶・茨木友好交流センター見学の際には人民対外友好協会F副会長と交流のあり方等について,安慶市体育館見学の際には同体育館長らと体育館のあり方や選手の育成方法等について,意見交換をした。 c 被告Y3は,安慶市長表敬訪問及び安慶市第一中学校訪問の際,茨木市側の司会進行を務めた。 d 被告Y3は,夜間に選手が騒いだ件につき,安慶市政府関係者等に茨木市としてお詫びをした。 e 被告Y3は,選手らが練習,試合を行っている間に,安慶市体育館,安慶市遊泳学校のプールを見学した。 f 被告Y3は,選手らに対し,列車乗車時に注意事項を説明し,夜間に騒いだ選手らに対しては,厳しく注意をした。また,南京大虐殺について選手らに指導を行った。 g 被告Y3は,訪中の間,随時,団員の健康状態等を茨木市に報告した。 h 被告Y3は,交流の様子や各公共施設等につき写真撮影を行った。 (ウ) スポーツ訪中団の中国側の主催者は,安慶市体育運動委員 g 被告Y3は,訪中の間,随時,団員の健康状態等を茨木市に報告した。 h 被告Y3は,交流の様子や各公共施設等につき写真撮影を行った。 (ウ) スポーツ訪中団の中国側の主催者は,安慶市体育運動委員会,安慶市人民政府外事弁公室であり,「秩序冊」と題する書面には「中国安慶市日本茨木市青少年体育友好比賽」との記載がある(丙5)。 安慶市外事弁公室は,安慶市における国際関係事務を取り扱う部署であり,安慶市の一機関である(被告Y6)。 (エ) スポーツ訪中団として,訪中した構成員は,別紙茨木市スポーツ親善訪中団名簿のとおりである(丙5)。 イ少年サッカーチーム(ア) 少年サッカーチームの訪問内容は,別紙茨木市少年サッカーチーム派遣団報告書のとおりである(丙6,丙12)。 (イ) その際,被告Y4が行った事務は以下のとおりである(丙6,丙12)。 a 被告Y4は,ミネアポリス姉妹都市協会第一副会長G,USA杯事務局ホームステイコーディネーターのH,USA杯大会事務局I,少年サッカーチーム監督,コーチらと,USA杯の進行等について打ち合わせを行った。 b 被告Y4は,G副会長,以前コーチをしていたJ及びKと交流のあり方等について意見交換をした。 c 被告Y4は,体調が悪いという選手のホームステイ先を添乗員と共に訪問し,様子をうかがった。 d 被告Y4は,随時,選手らの健康状態や安全に配慮し,茨木市に連絡を取っていた。 e 被告Y4は,交流の様子や各公共施設等につき写真撮影を行った。 (ウ) ミネアポリス姉妹都市協会は,ミネアポリス市と茨木市の姉妹都市提携をきっかけに,両市間の交流活動を推進するために設立された民間の団体である(丙10)(エ) 少年サッカーチームとして,訪米した構成員は,別紙茨木市少年サッカーチーム名簿のとおりである(丙6)。 携をきっかけに,両市間の交流活動を推進するために設立された民間の団体である(丙10)(エ) 少年サッカーチームとして,訪米した構成員は,別紙茨木市少年サッカーチーム名簿のとおりである(丙6)。 ウキャンプ訪問団(ア) キャンプ訪問団の訪問内容は以下のとおりである(丙7,丙13)。 a 平成13年7月20日キャンプ訪問団は,茨木市市民会館前に集合し,関西国際空港からシアトルを経由して空路ミネアポリス国際空港に到着した。一行は,リンデイルピースガーデンにおいて,ホストファミリーと対面し,ホストファミリーらと共に,メトロドームへメジャーリーグ観戦に出かけた。 一行は,ミネアポリス国際空港では,ミネアポリス姉妹都市協会の関係者であるL,リンデイルピースガーデンでは,同協会会長のMの出迎えを受けた。一行のうち,子供をメトロドームへ引率したのは,L,M及びホストファミリーであり,被告Y5及び添乗員のNは,ミネアポリス市内のマーケットホテルに宿泊した。 b 平成13年7月21日キャンプ訪問団の子供たちは,終日ホストファミリーと交流していた。 c 平成13年7月22日キャンプ訪問団は,午前中にリンデイルピースガーデンに集合し,午後,キャンプ場であるロングレイク自然保護センターへ到着し,その後アメリカの子供らと共にキャンプ活動を行った。 d 平成13年7月23日ないし同月26日キャンプ訪問団は,アメリカの子供らと共に終日キャンプ活動を行った。 e 平成13年7月27日キャンプ訪問団は,午前中にキャンプ終了式を行って,ロングレイク自然保護センターを出発し,夕刻,マーケットホテルにおいて,フェアウエルパーティーを行った。同パーティーには,ホストファミリー及びMのほか,ミネアポリス姉妹都市協会第一副会長G及び同協会理事のOが同席した センターを出発し,夕刻,マーケットホテルにおいて,フェアウエルパーティーを行った。同パーティーには,ホストファミリー及びMのほか,ミネアポリス姉妹都市協会第一副会長G及び同協会理事のOが同席した。 f 平成13年7月28日キャンプ訪問団は,午前中にロサンゼルスに移動し,午後からディズニーランド観光を行った。 g 平成13年7月29日キャンプ訪問団は,午前中にロサンゼルス国際空港を出発し,関西国際空港へ向かった。 h 平成13年7月30日キャンプ訪問団は,午後,関西国際空港に到着し,夕刻茨木市役所に到着し,同所において解散した。 (イ) その際,被告Y5が行った事務は以下のとおりである(丙7,丙13)。 a 被告Y5は,随時,日程進行等につき,L,M,O及びキャンプ場責任者であるPらと打ち合わせをした。 b 被告Y5は,ミネアポリス姉妹都市協会副会長であるQと,平成15年実施予定のテニス交流訪問団派遣等について,意見交換を行った。 c 被告Y5は,茨木市議会視察団と一緒にアメリカ最大級のショッピングモールであるモール・オブ・アメリカにでかけ,夜には,同視察団らとともに,ミシシッピ川に花火を見に出かけた。 d キャンプ訪問団がディズニーランド観光をした際,6名の子供が集合時刻に遅刻したため,被告Y5は,既に集合している子供らを添乗員のNに任せ,自らは,遅刻した子供らに注意を与えた上で宿泊先のホテルまで同行した。 e キャンプ訪問団がロサンゼルス国際空港から飛行機に乗った際,被告Y5は,騒いでる子供らに対し,他の客の迷惑にならないように注意をしたほか,随時,子供らに対し注意事項を告げていた。 f 被告Y5は,アメリカ人の子供からの連絡で,キャンプ訪問団の子供が泣いているのを発見し,同人を被告Y5の部屋に泊めることとしたり ように注意をしたほか,随時,子供らに対し注意事項を告げていた。 f 被告Y5は,アメリカ人の子供からの連絡で,キャンプ訪問団の子供が泣いているのを発見し,同人を被告Y5の部屋に泊めることとしたり,体調が悪いキャンプ訪問団の子供を,リバーウッド・ヘルスケアセンターという24時間体制の病院に連れて行くなど,随時,キャンプ訪問団の安全に配慮し,また子供らの健康状態を市に報告した。 なお,被告Y5は,アメリカ人の子供が緊急要件を伝えに来た際,何を言っているのか状況がよく分かっていなかった。 g 被告Y5は,随時,交流の様子や,施設内部等の写真撮影を行った。 (ウ) キャンプ訪問団の企画は,ロングレイクコンサーべーションセンタ-の主催するコンサーべーションリーダーシップスクールのうち,ジュニアナチュラリストセッションのセッション2に参加したものである(甲1)。 (エ) キャンプ訪問団として,訪米した構成員は,別紙茨木市キャンプ交流訪問団名簿のとおりである(丙7)。 エ親善訪中団(ア) 親善訪中団の訪問内容は別紙茨木市民親善訪中団報告書のとおりである(丙8,丙10,被告Y6)。 (イ) その際,被告Y6が行った事務は以下のとおりである(丙8,丙10,丙15,被告Y6)。 a 被告Y6は,その中国語会話能力を活かし,親善訪中団の参加者が減ったことを安慶市側に詫びるなど,日程及びその変更並びに次回以降の訪問等について,安慶市外事弁公室のF副主任,R副主任らと打ち合わせをした。 b 被告Y6は,安慶市副市長,黄梅劇学校長,副秘書長,体育委員会副主任,教育委員会主任らと,教育制度や学校経営,外国資本の誘致等について意見を交換した。 c 被告Y6は,安慶市政府への表敬訪問の際,訪問団員の紹介,茨木市からの贈り物等をした。 d 被告Y6は,安慶市立 委員会主任らと,教育制度や学校経営,外国資本の誘致等について意見を交換した。 c 被告Y6は,安慶市政府への表敬訪問の際,訪問団員の紹介,茨木市からの贈り物等をした。 d 被告Y6は,安慶市立安慶茨木友好天象館,安慶市体育館,安慶迎賓館,友好交流センター,歩行街(安慶市内の繁華街)等を視察した。 e 被告Y6は,中山陵において,階段を上りきれなかったS及びTの2名を安全な場所に引率し一緒に待機するなど構成員の健康や安全管理に配慮し,また構成員の健康状態等を市役所に報告した。 f 被告Y6は,交流の様子や各公共施設等につき写真撮影を行った。 g 被告Y6は,帰国後,親善訪中団に随行した経験を活かして,茨木市作成の安慶市パンフレットを改訂した。 オ親善訪中団の中国滞在中には,安慶市外事弁公室管轄下の安慶市中国旅行社が安慶市政府の一機関として手配を行い,安慶市外事弁公室職員が,随行した(被告Y6)。 カ親善訪中団として,訪中した構成員は,別紙茨木市民親善訪中団名簿2のとおりであり,当初の予定よりも減っていた(甲1,丙8,被告Y6)。 (3) 市長に対する復命被告市職員らは,それぞれ,参加人茨木市長あてに,本件各旅行について,旅行の内容,見聞した知識,先方との交流活動の内容等を復命した(丙5ないし丙8)。 2 争点に対する判断2の1 争点(1) 随行の不必要性及び非公務性について(1) 判断基準ア普通地方公共団体の事務について現代においては,通信・交通手段の発達により,人・物・情報・金融等の国際化が飛躍的に進展しており,国と国,企業と企業,住民と住民の相互依存関係が深まる中で,我が国にも,学術・文化・スポーツ・経済など様々な分野で諸外国との交流を進め,信頼関係を強めるとともに国際社会の一員として世界に貢献していくことが求め と企業,住民と住民の相互依存関係が深まる中で,我が国にも,学術・文化・スポーツ・経済など様々な分野で諸外国との交流を進め,信頼関係を強めるとともに国際社会の一員として世界に貢献していくことが求められている。 この点,国際社会における国家としての存立に関わる外交事務は,国,就中内閣の専権であって地方自治体がこれを行う権限を有しないことはいうまでもないが(憲法73条2号3号参照),普通地方公共団体が,資金面,人材面,その他の方法で住民の国際交流を援助することは,上記のように国際化の進展している現状においては,住民の福祉を増進する住民に身近な事務といえるから(法1条の2参照),「自治事務」(法2条8項)に該当するというべきである。 そして,普通地方公共団体が住民の国際交流を援助する場合,その目的を適切に達成・実現するためには,目まぐるしく変化する国際情勢,さらには住民の国際化レベル等諸般の事情をしん酌して有効かつ適切な具体的判断を下す必要があるから,普通地方公共団体には,国際交流援助の方法選択等につき合理的な裁量の権限があるというべきであり,普通地方公共団体自らが住民参加の国際交流行事を主催することはもちろん,住民の国際交流を目的とした他団体が主催する住民参加の旅行について職員を随行させることも,合理的必要がある場合には公務として許される場合があるというべきである。 そして,他団体が主催する住民参加の旅行に職員を派遣随行させる合理的必要があるか否かは,普通地方公共団体の施策方針,旅行の主催者の性質等を踏まえつつ,判断するべきである。 イ市の施策方針,旅行の主催者の性質等の検討(ア) 市の施策方針前記第2の1(2)で認定したように,茨木市は,本件各旅行の派遣先であるミネアポリス市と姉妹都市提携し,安慶市と友好都市提携を行い,両市等国 策方針,旅行の主催者の性質等の検討(ア) 市の施策方針前記第2の1(2)で認定したように,茨木市は,本件各旅行の派遣先であるミネアポリス市と姉妹都市提携し,安慶市と友好都市提携を行い,両市等国外諸都市と自治体レベル,市民レベルでの国際交流を行うことをその施策方針としている。 (イ) 旅行の主催者の性質前記第2の1(3)ア,第3の1(1)で認定したように,本件各旅行を主催したのは協会である。協会は,茨木市が中心になって設立されたものであって,茨木市から補助金を受け,その事務所等も茨木市役所内に置かれ,茨木市との人的関係も密接であるとは認められるものの,茨木市が市同士ではなく市民同士の交流推進のために協会を設立したという経緯に照らしてみれば,あくまで茨木市とは別個の任意団体であるものと認められる。 (ウ) 規範以上によれば,茨木市は市民レベルでの海外交流を推進する施策を採っており,しかも,協会は茨木市と密接な関係をもちながらも茨木市民の国際交流を推進する任意団体であることが認められる。 そして,このように,国際施策を推進する普通地方公共団体が普通地方公共団体と密接な関係をもった国際交流目的の任意団体主催の住民参加旅行にその職員を随行させるすることは,住民の国際感覚を養成したり,国際的視点に立った施策を行い,ひいては住民の福祉を増進させる効果を有する場合もあることから,一律に違法であると解するべきではなく,旅行の趣旨,目的及び内容にかんがみて想定される相手方の対応に照らし,儀礼等の観点から職員の随行が必要と認められるときには,職員の随行も公務性を有するものといえ,これに要する費用の支出も適法というべきである。そして,旅行の趣旨,目的及び内容を検討するに当たっては,実際の旅行内容,随行職員が実際に果たした役割等客観的事情も重要な間接 公務性を有するものといえ,これに要する費用の支出も適法というべきである。そして,旅行の趣旨,目的及び内容を検討するに当たっては,実際の旅行内容,随行職員が実際に果たした役割等客観的事情も重要な間接事実になるというべきである。 ウあてはめ(本件各旅行の検討)(ア) スポーツ訪中団a 旅行の趣旨,目的及び内容等(a)旅行の趣旨,目的前記第2の1(3)ウ(ア)のとおり,スポーツ訪中団は,卓球と水泳のスポーツ交流によって,安慶市の中学生と親善試合を行うとともに,今日の中国を見聞して,もって日中の友好を深めることを目的としていた。 (b)旅行の内容前記1(2)アのとおり,スポーツ訪中団は,安慶市において3日間ほど滞在し,中国安慶市日本茨木市青少年体育友好比賽に参加して水泳,卓球の競技を行ったほか,迎江寺,安慶・茨木友好交流センター等安慶市内を見学した。また,その後南京において1日間,南京大虐殺記念館,中山陵,明孝陵等を見学し,蘇州において1日間,虎丘,寒山寺,シルク研究所,拙政園を見学し,また,本邦出国日及び帰国日には,上海市内も見学した。 (c)随行市職員の果たした役割前記1(2)ア記載のとおり,被告Y3は,安慶市外事弁公室担当者と打ち合わせを行うとともに,人民対外友好協会副会長,体育館長等と意見交換を行い,選手らの管理に配慮し,交流の様子や施設を写真撮影していたものである。 b 相手方の実際の対応前記(2)アのとおり,スポーツ訪中団が行ったスポーツ交流の親善試合の安慶市側の主催者は,安慶市の機関である安慶市人民政府外事弁公室であって,安慶市側では,市長,副市長及び安慶市人大常委会主任等が表敬訪問及び歓送迎会に臨席してスポーツ訪中団をもてなし,安慶市外事弁公室職員がスポーツ訪中団の日程調整等に参加するなど,安慶市政府の職員がス 安慶市側では,市長,副市長及び安慶市人大常委会主任等が表敬訪問及び歓送迎会に臨席してスポーツ訪中団をもてなし,安慶市外事弁公室職員がスポーツ訪中団の日程調整等に参加するなど,安慶市政府の職員がスポーツ訪中団に対応していた。 ただし,平成13年3月28日の午前7時の安慶迎賓館出発のために,同日安慶市外事弁公室E副主任らと被告Y3が打ち合わせをした以降,スポーツ訪中団の南京市内見学,蘇州市内見学に安慶市政府の職員が対応した事実は認められない(丙5,丙11参照)。 c 検討(a)以上のとおり,スポーツ訪中団は,安慶市政府機関主催のスポーツ交流として親善試合を行うほか,安慶市政府への表敬訪問や,安慶市と茨木市の友好親善の証として安慶茨木友好交流センターの訪問を行っており,スポーツ訪中団の安慶市滞在中は,市長を始めとする安慶市政府の職員が同行,応対している。そして,上記のような安慶市政府の対応は,スポーツ訪中団の趣旨,目的及び内容からみて,スポーツ訪中団の計画時から想定されていたものであったことは明らかである。 このように,安慶市滞在中に,市長を始めとする安慶市政府の職員の同行,応対が想定される以上,安慶市と友好都市提携を行っている茨木市としては,儀礼上の観点から,同市職員が随行して安慶市政府職員に対応することが必要と判断することには一定の合理性があるから,被告Y3が,スポーツ訪中団の安慶市滞在中に随行したことは公務性を有するものというべきである。 また,スポーツ訪中団は,本邦出国日及び帰国日に上海市内を見学している。しかし,上記上海市内見学2日間は,中国への入国後あるいは中国からの出国前の航空機ないし列車の乗り継ぎの時間を利用してされたものとみることもでき,本邦出国日及び帰国日に上海市内を見学したことをもって,同出国日及び帰国日に,被告 間は,中国への入国後あるいは中国からの出国前の航空機ないし列車の乗り継ぎの時間を利用してされたものとみることもでき,本邦出国日及び帰国日に上海市内を見学したことをもって,同出国日及び帰国日に,被告Y3がスポーツ訪中団に随行したことについて公務性を否定することはできない。 一方,南京市内を見学した平成13年3月28日と蘇州市内を見学した同月29日の両日については,その訪問先は中山陵,虎丘等旧跡観光地であって,安慶市とは関連性を有していないものであるし,また,安慶市政府等の職員がスポーツ訪中団の世話をしたという事実もうかがわれない。また,スポーツ訪中団について,安慶市の職員が安慶市以外の都市まで同行,応対するという対応が想定されていたとも認められない。そうである以上,茨木市職員である被告Y3において安慶市政府等の職員に対応するために随行する必要を認めることはできない。 したがって,被告Y3のスポーツ訪中団への随行中,南京市内見学と蘇州市内見学については,旅行の趣旨,目的及び内容にかんがみて想定される相手方の対応に照らし,儀礼等の観点から随行が必要とは認められず,公務性を有するということはできない。 (b)原告は,スポーツ訪中団が安慶市以外の都市を観光しており観光目的であること,旅行会社の添乗員等が随行するから,あえて被告Y3がスポーツ訪中団に随行することはおよそ必要ではなく,全行程について公務に当たらないと主張する。 しかし,スポーツ訪中団において安慶市を出発した後に同市以外の都市を観光したとしても,そのことにより,同団の目的が全部観光であることになったり,安慶市滞在中に被告Y3が随行する必要がなくなったりするものではない。 また,スポーツ訪中団には,茨木市体育協会副会長,茨木市水泳連盟理事及び添乗員が同行しており,スポーツ訪中団参加者 になったり,安慶市滞在中に被告Y3が随行する必要がなくなったりするものではない。 また,スポーツ訪中団には,茨木市体育協会副会長,茨木市水泳連盟理事及び添乗員が同行しており,スポーツ訪中団参加者に対する注意,管理等はこれらの者でも十分にまかなえるということもできる。しかし,スポーツ訪中団の安慶市滞在中,安慶市政府の職員が同行,応対している以上,これに対する対応は,儀礼上の観点からみて,添乗員はもちろん,茨木市体育協会副会長や茨木市水泳連盟理事という民間団体の役員では不足であって,茨木市の職員であることが必要と考えることにも合理性があることは前示のとおりである。 (c)他方,被告ら及び被告ら参加人は,被告Y3がスポーツ訪中団に随行することにより,資質を向上させ,今後の市行政に活かすことができ,また市職員が随行することで姉妹都市等への派遣事業に市民が多数参加しやすくなるとの主張をし,全行程について被告Y3による随行は公務として必要であるという。 しかし,被告Y3が,体育館長等を担当している事実は認められるものの,本件全証拠によっても,被告Y3がスポーツ訪中団に随行したことにより市行政に具体的貢献があったとか市民が参加しやすくなったということを具体的に認めることはできず,被告ら及び被告ら参加人の主張は,抽象的に一般論を言うに過ぎない。 また,被告ら及び被告ら参加人は,目的地である安慶市においては,先方の担当者から種々の便宜を受けることがあり,また先方の行政関係者との交流も予定されていることから,市職員である被告Y3がこれに対応する必要があると主張する。 しかし,南京市内見学1日及び蘇州市内見学1日について,安慶市の職員が応対したのであれば安慶市と茨木市の友好関係にかんがみれば当然市長への復命がなされてしかるべきところ,そのような記載は全くな る。 しかし,南京市内見学1日及び蘇州市内見学1日について,安慶市の職員が応対したのであれば安慶市と茨木市の友好関係にかんがみれば当然市長への復命がなされてしかるべきところ,そのような記載は全くなく,さらに自らの旅行の正当性を立証するために裁判所に提出された陳述書にもそのような言及が全くない。したがって,スポーツ訪中団が安慶市を出発した後には安慶市の職員等が応対していたとは認め難いから,この点に関する被告ら及び被告ら参加人の主張は,南京市内見学及び蘇州市内見学の各行程についてはその前提を欠き失当である。 (イ) 少年サッカーチームa 旅行の趣旨,目的及び内容等(a)旅行の趣旨,目的前記第2の1(3)ウ(イ)のとおり,少年サッカーチームは,国際青少年サッカー大会2001年USA杯に参加し,世界の仲間との交流を深め,全員がホームステイを経験し,ミネアポリス市及び茨木市市民の交流をより深めることを目的としていた。 (b)旅行の内容前記1(2)イのとおり,少年サッカーチームの日程は,ミネアポリス市において,USA杯及び交流試合が5日間,ホームステイ泊が7日間,ロサンゼルスにおいてディズニーランド観光が1日間というものであった。なお,平成7月19日には,ミネアポリス市庁舎において,表敬訪問が行われた。 (c)随行市職員の果たした役割前記1(2)イのとおり,被告Y4は,ミネアポリス姉妹都市協会関係者,USA杯大会事務局関係者と打ち合わせ,意見交換をし,また,選手らの健康状態等に配慮した。 b 相手方の実際の対応前記1(2)イのとおり,少年サッカーチームに応対したのは,ミネアポリス姉妹都市協会副会長,USA杯事務局職員,元サッカーコーチなど,先方の任意団体の関係者等民間人である。 c 検討(a)以上のとおり,USA杯自体は,ミネアポ ッカーチームに応対したのは,ミネアポリス姉妹都市協会副会長,USA杯事務局職員,元サッカーコーチなど,先方の任意団体の関係者等民間人である。 c 検討(a)以上のとおり,USA杯自体は,ミネアポリス市によって企画されたものとは認め難く,また,ミネアポリス市において少年サッカーチームに応対したのは,同市の任意団体の関係者等民間人であった。そして,上記のようなミネアポリス市における応対状況は,少年サッカーチームの趣旨,目的及び内容からみて,同チームの計画時から想定されていたものであったと認められる。そうだとすると,いかに茨木市とミネアポリス市が姉妹都市の提携をしているとはいえ,少年サッカーチームは,民間同士の交流として行われ相手側も民間人が応対するのであるから,あえて茨木市側が市職員を随行させなければならない儀礼上の必要があったと認めることはできない。 また,少年サッカーチームにはUサッカークラブ部長(職業は教諭),Uサッカークラブ監督(職業は市職員),旅行会社添乗員が同行しており,被告Y4が果たした役割の中に,これらの者で賄えなかったものがあるとも認めがたい。 したがって,被告Y4による少年サッカーチームへの随行は,ディズニーランド観光に止まらず,旅行の趣旨,目的及び内容にかんがみて想定される相手方の対応に照らし,必要があったとは考えられないから,随行に公務性を認めることはできない。 (b)被告ら及び被告ら参加人は,被告Y4が少年サッカーチームに随行することにより,資質を向上させ,今後の市行政に活かすことができ,また市職員が随行することで姉妹都市等への派遣事業に市民が多数参加しやすくなるとの主張をし,被告Y4による随行は公務として必要であるという。 しかし,被告Y4が被告ら参加人に復命をしたことは認められるものの,本件全証拠によっ 妹都市等への派遣事業に市民が多数参加しやすくなるとの主張をし,被告Y4による随行は公務として必要であるという。 しかし,被告Y4が被告ら参加人に復命をしたことは認められるものの,本件全証拠によっても,被告Y4が少年サッカーチームに随行したことにより市行政に具体的貢献があったことや,市民が参加しやすくなったということを具体的に認めることはできず,被告ら及び被告ら参加人の主張は,抽象的に一般論をいうにすぎない。 (c)また,少年サッカーチームは,平成13年7月19日に,ミネアポリス市を表敬訪問しており,この表敬訪問には,ミネアポリス市長,市議会議長が応対したものと認められる。しかし,この表敬訪問には,茨木市から助役,秘書課参事及びビューティー茨木が,茨木市議会から議員3名及び議会事務局総務課長が参加しており,市の代表団及び市議会の代表団の公的性質と少年サッカーチームの私的性質の相違にかんがみれば,上記表敬訪問の際に,茨木市の代表団や茨木市議会の代表団に随行する他の市職員に加えてさらに被告Y4が少年サッカーチームに随行しなければならない儀礼上の必要があったものとは考えられない。したがって上記表敬訪問の点をもって,直ちに被告Y4の少年サッカーチームへの随行が公務として必要であったとすることはできない。 (ウ) キャンプ訪問団a 旅行の趣旨,目的及び内容等(a)旅行の趣旨,目的前記第2の1(3)ウ(ウ)のとおり,キャンプ訪問団は,サマーキャンプに参加し,アメリカの青少年と交流を深め,ミネアポリス市及び茨木市市民の交流をより深めることを目的ととしていた。 (b)旅行の内容前記1(2)ウのとおり,キャンプ訪問団の旅行内容は,メジャーリーグ観戦,キャンプ活動6日間,ディズニーランド観光である。 (c)随行市職員の果たした役割前記1(2) ていた。 (b)旅行の内容前記1(2)ウのとおり,キャンプ訪問団の旅行内容は,メジャーリーグ観戦,キャンプ活動6日間,ディズニーランド観光である。 (c)随行市職員の果たした役割前記1(2)ウのとおり,被告Y5は,ミネアポリス姉妹都市協会関係者やキャンプ場責任者と打ち合わせや,今後の交流訪問団派遣等について意見交換を行った。また,キャンプ訪問団の子供たちに対し,適宜注意を与えるとともに,健康等の管理を行った。 b 相手方の実際の対応前記1(2)ウのとおり,現地においてキャンプ訪問団が参加するキャンプの企画を立案実行したのは,ロングレイクコンサーべーションセンタ-という組織であり,ミネアポリス市ではない。また,キャンプ訪問団の応対に当たったのは,ミネアポリス都市姉妹都市協会の関係者であって,ミネアポリス市の職員ではない。 c 検討(a)以上のとおり,キャンプ訪問団は,ミネアポリス市ではなくロングレイクコンサーべーションセンタ-の企画したキャンプに参加したものであって,その旅行内容も,キャンプや観光であって公的色彩もない。キャンプ訪問団のミネアポリス市滞在中に応対したのも,ミネアポリス市の職員ではなくミネアポリス姉妹都市協会関係者やキャンプ場責任者という民間人であった。そして,上記のようなミネアポリス市における応対状況は,キャンプ訪問団の趣旨,目的及び内容からみて,同団の計画時から想定されていたものであったと認められる。そうだとすると,いかに茨木市とミネアポリス市が姉妹都市の提携をしているとはいえ,キャンプ訪問団は,民間同士の交流として行われ相手側も民間人が応対するのであるから,あえて茨木市側が市職員を随行させなければならない儀礼上の必要があったと認めることはできない。 また,被告Y5の行った事務は,次回以降の派遣に関する打ち合 われ相手側も民間人が応対するのであるから,あえて茨木市側が市職員を随行させなければならない儀礼上の必要があったと認めることはできない。 また,被告Y5の行った事務は,次回以降の派遣に関する打ち合わせを除き,随行した旅行会社添乗員により賄うことができるものと認められる。そして,次回以降のキャンプ訪問団派遣に関する打ち合わせは,わざわざそのためだけに現地に赴かずとも通信手段を用いればやりとりできるような内容のものというべきである。 したがって,被告Y5によるキャンプ訪問団への随行は,ディズニーランド観光に止まらず,全体として,旅行の趣旨,目的及び内容にかんがみて想定される相手方の対応に照らし,必要があったとは考えられないから,随行に公務性を認めることはできない。 (b)被告ら及び被告ら参加人は,被告Y5がキャンプ訪問団に随行することにより,資質を向上させ,今後の市行政に活かすことができ,また市職員が随行することで姉妹都市等への派遣事業に市民が多数参加しやすくなるとの主張をし,被告Y5による随行は公務として必要であるという。 しかし,被告Y5がミネアポリスとの国際交流を担当している事実及び被告Y5が被告ら参加人に復命をした事実は認められるものの,本件全証拠によっても,被告Y5がキャンプ訪問団に随行したことにより市行政に具体的貢献があったことや,市民がキャンプ訪問団に参加しやすくなったことを具体的に認めることはできず,被告ら及び被告ら参加人の主張は,抽象的に一般論をいうにすぎない。 (エ) 親善訪中団a 旅行の趣旨,目的及び内容等(a)旅行の趣旨,目的前記第2の1(3)ウ(エ)のとおり,親善訪中団は,安慶市及び中国の諸都市を訪問し,表敬訪問や市内施設の見学を通じて,安慶市及び茨木市の交流を深めることを目的としていた。 (b)旅行の内容 ,目的前記第2の1(3)ウ(エ)のとおり,親善訪中団は,安慶市及び中国の諸都市を訪問し,表敬訪問や市内施設の見学を通じて,安慶市及び茨木市の交流を深めることを目的としていた。 (b)旅行の内容前記1(2)エのとおり,親善訪中団の訪問先は,安慶市において友好天象館,体育館,安慶茨木友好交流センターを見学したほか,上海市において豫園,安慶市において菱湖公園,歩行街,迎江寺,黄梅劇学校,天柱山,南京市(1日間)において南京博物館,明孝陵,中山陵,蘇州市(1日間)において虎丘斜塔,寒山寺,シルク博物館,拙政園を見学した。 また,親善訪中団は,安慶市政府代表訪問を行い,副市長らと会見した。 (c)随行市職員の果たした役割前記1(2)エのとおり,被告Y6は,安慶市外事弁公室職員らと打ち合わせをするとともに,安慶市副市長らと意見交換をし,また安慶市政府表敬訪等問の際には,茨木市や協会からの贈り物を届けた。また,被告Y6は,親善訪中団の団員の健康等に配慮した。 b 相手方の実際の対応前記1(2)エ及び前提事実によれば,親善訪中団は安慶市と茨木市の議定書に基づいて派遣されたものであること,安慶市外事弁公室職員が,親善訪中団の世話をしていたこと,安慶市政府の一機関である安慶市中国旅行者が現地での旅行の手配をしていたことが認められる。 c 検討(a)以上のとおり,親善訪中団は安慶市と茨木市の議定書に基づいて派遣されたものあって,観光地等である豫園等,安菱湖公園,歩行街,迎江寺,黄梅劇学校,天柱山,明孝陵,中山陵,虎丘斜塔,寒山寺,シルク博物館,拙政園を見学するだけでなく,友好天象館,体育館,安慶茨木友好交流センターを見学し,安慶市政府の表敬訪問も行っている。親善訪中団に対しては,安慶市政府の職員が応対し,中国滞在中全期間にわたり同行しており, 見学するだけでなく,友好天象館,体育館,安慶茨木友好交流センターを見学し,安慶市政府の表敬訪問も行っている。親善訪中団に対しては,安慶市政府の職員が応対し,中国滞在中全期間にわたり同行しており,被告Y6は,安慶市外事弁公室職員らと打ち合わせをするとともに安慶市副市長らと意見交換をしている。そして,上記のような安慶市政府の対応は,親善訪中団が安慶市と茨木市の議定書に基づいて派遣されたものであることを始めとする同団の趣旨,目的及び内容からみて,親善訪中団の計画時から想定されていたものであったことは明らかである。 このように,親善訪中団の中国滞在中全期間にわたり,安慶市政府の職員の同行,応対が想定される以上,安慶市と友好都市提携を行い前記議定書を取り交わしている茨木市としては,儀礼上の観点から,同市職員が,その全行程について随行して安慶市政府の職員に対応することが必要と判断することには一定の合理性があるから,被告Y6が親善訪中団に随行したことは公務性を有するものというべきである。 (b)なお,親善訪中団は平成13年10月21日に南京市内見学,同月22日に蘇州市内見学をしており,これは安慶市とは関連性を有しないように思われる。しかし,上記南京市内見学及び蘇州市内見学には,安慶市政府の職員が応対しており(安慶市外事弁公室のVが南京市内見学の際に同行し,蘇州市内見学の際には白酒を差し入れている(丙8)),そうである以上,茨木市側としても儀礼上,市職員を同行させて安慶市政府の職員に対応することが必要と判断することには一定の合理性がある。このように,茨木市職員の随行の必要性に関してみれば,親善訪中団の行程は,安慶市政府の職員の応対なしに安慶市以外の地を見学観光する場合とは全く異なっていたものというべきである。 (c)原告は,親善訪中団が安慶市以外 市職員の随行の必要性に関してみれば,親善訪中団の行程は,安慶市政府の職員の応対なしに安慶市以外の地を見学観光する場合とは全く異なっていたものというべきである。 (c)原告は,親善訪中団が安慶市以外の都市を観光しており観光目的であること,協会の関係者が団長として親善訪中団に参加していることから,あえて被告Y6が親善訪中団に随行することは公務として必要ではないと主張する。 しかし,親善訪中団が安慶市以外の都市を観光したとしても,そのことにより,同団の目的が全部観光になったり,同団に被告Y6が随行する必要がなくなるものではない(同団に対しては,安慶市以外の都市においても安慶市政府の職員が対応しているから,なおさらである。)。 また,協会の関係者が団長として親善訪中団に参加しているとしても,同団の中国滞在中全期間にわたり,安慶市政府の職員の同行,応対がある以上,これに対する応対は,儀礼上の観点からみて,協会の関係者という民間団体の役員では不足であって茨木市の職員であることが必要と考えることにも合理性があることは前示のとおりである。 2の2 争点(2) 費用額の不適正について原告は,本件各旅行は,いずれも旅行会社が関与して旅費などを設定していること,本件各旅費は,その旅行内容に照らしてみれば不必要な支度料が計上されているなど過大であるとして,費用額が不適正であると主張する。 しかし,旅行会社が関与して旅費を設定したことから直ちに費用が不適正に高額であるとすることはできない。そして,支度料を含む本件各旅費は,いずれも茨木市職員旅費条例18条に基づき,国家公務員等の旅費に関する法律に準じて計算され,交付されたものと認められること(甲1)からすれば,この点に関する原告の主張を採用することはできない。 2の3 小括以上より,被告Y3のスポーツ訪 国家公務員等の旅費に関する法律に準じて計算され,交付されたものと認められること(甲1)からすれば,この点に関する原告の主張を採用することはできない。 2の3 小括以上より,被告Y3のスポーツ訪中団への随行のうち南京市内見学及び蘇州市見学にあてられた部分,被告Y4の少年サッカーチームへの随行全体及び被告Y5のキャンプ訪問団への随行全体は公務ではない。したがって,これらにかかる各公金支出は違法であり,その余の支出は適法である。 なお,スポーツ訪中団派遣随行旅費にかかる支出のうち,違法となる南京市内見学及び蘇州市内見学にあてられた部分の額は,宿泊料6万9600円(1万1600円×6泊)及び日当2万6600円(3800円×7日)(甲1)のうち,宿泊2泊分及び日当2日分の合計に相当する3万0800円である。 1万1600円×2+3800円×2=3万0800円 3 被告らの責任(1) 被告Y1被告Y1は,市長として,支出負担行為をなす権限を有するところ(法149条6号,232条の3),上記2で判断したように,被告Y3のスポーツ訪中団への随行のうち南京市内見学及び蘇州市見学にあてられた部分,被告Y4の少年サッカーチームへの随行全体及び被告Y5のキャンプ訪問団への随行全体にかかる各公金支出は違法であるから,これらの公金支出にかかる各支出負担行為もまた違法である。 (2) 被告Y2上記2で判断したように,被告Y3のスポーツ訪中団への随行のうち南京市内見学及び蘇州市見学にあてられた部分,被告Y4の少年サッカーチームへの随行及び被告Y5のキャンプ訪問団への随行にかかる各公金支出は違法であるから,被告Y2が専決した本件各支出命令のうち,スポーツ訪中団派遣随行旅費にかかる支出命令(以下「支出命令1」という。)のうち南京市内見学及び蘇州市見学にあてられ の随行にかかる各公金支出は違法であるから,被告Y2が専決した本件各支出命令のうち,スポーツ訪中団派遣随行旅費にかかる支出命令(以下「支出命令1」という。)のうち南京市内見学及び蘇州市見学にあてられた部分,少年サッカーチーム派遣随行旅費にかかる支出命令(以下「支出命令2」という。)及びキャンプ訪問団随行旅費にかかる支出命令(以下「支出命令3」という。)もまた違法である。もっとも,被告Y2は,支出命令を専決した職員であるから,法243条の2第1項後段により,故意又は重大な過失による法令違反が認められるときに限り責任を負う。そこで以下,スポーツ訪中団派遣随行旅費,少年サッカーチーム派遣随行旅費及びキャンプ訪問団随行旅費にかかる違法な支出命令の専決に際して被告Y2に故意又は重大な過失があるかを検討する。 アスポーツ訪中団派遣随行旅費(ア) 事実認定a 支出命令1の専決に際しては,被告Y2に別紙茨木市スポーツ親善訪中団日程,別紙茨木市スポーツ訪中団名簿,支出負担行為書(負担行為番号0493651),旅行目的等が記載された説明書面,及び支出命令書用紙(支出命令番号010537292)が添付されていた(甲1,弁論の全趣旨)。 b 説明書面には,「1 目的」として,「中国の国技である卓球と活躍著しい水泳のスポーツ交流によって,安慶市の中学生と親善試合を行うとともに,今日の中国を実地に見聞して,日中の友好を深めることを目的とする。」との記載がある(甲1)。 c 支出命令用紙(支出命令番号010537292)には,支出科目として「総務費」「総務管理費」「国際交流費」「国際交流事業」との記載がある(甲1)。 (イ) 判断茨木市は市民レベルでの国際交流を推進していたこと,同市は安慶市と友好都市関係にあったこと,スポーツ少年団は親善試合と実地見学を通じて 交流費」「国際交流事業」との記載がある(甲1)。 (イ) 判断茨木市は市民レベルでの国際交流を推進していたこと,同市は安慶市と友好都市関係にあったこと,スポーツ少年団は親善試合と実地見学を通じて日中の国際交流をはかることを目的として派遣されることが記載された説明書面が被告Y2に供されていたこと,支出命令用紙に支出科目として「総務費」「総務管理費」「国際交流費」「国際交流事業」との記載があったことからすれば,被告Y2において,被告Y3のスポーツ訪中団への派遣随行が違法であり支出命令1が違法となると判断するのは困難であったというべきであるから,被告Y2には,違法な支出命令1を専決するにつき故意も重大な過失も認められない。 なお,この点,被告Y2に供された別紙茨木市スポーツ親善訪中団日程には,旅行内容に「南京市内見学」及び「蘇州市内見学」が含まれる旨の記載がある(甲1)が,上記認定事実のもとでは,旅行先の一部が観光地であることによって,随行派遣の公務性必要性が失われるかどうか等の判断は市職員にとっては必ずしも容易でないことからすれば,かかる事実をもって被告Y2が支出命令1を専決したことにつき直ちに重過失があるとはいえない。 他に,被告Y2が違法な支出命令1を専決するにつき故意又は重大な過失を有していたことを証明するに足りる証拠はない。 イ少年サッカーチーム派遣随行旅費(ア) 事実認定a 支出命令2の専決に際しては,被告Y2に別紙茨木市少年サッカーチーム日程,別紙茨木市少年サッカーチーム名簿,支出負担行為書(負担行為番号0127949),旅行目的等が記載された説明書面,及び支出命令書用紙(支出命令番号010109673)が添付されていた(甲1,弁論の全趣旨)。 b 説明書面には,「1 目的」として,「ミネアポリス市で行われる国際青少年 目的等が記載された説明書面,及び支出命令書用紙(支出命令番号010109673)が添付されていた(甲1,弁論の全趣旨)。 b 説明書面には,「1 目的」として,「ミネアポリス市で行われる国際青少年サッカー大会『2001年USA杯』に参加し,世界の仲間との交流を深めます。 また,全員がホームステイを経験し,両市市民の交流をより深めることを目的とします。」との記載がある(甲1)。 c 支出命令用紙(支出命令番号010109673)には,支出科目として「総務費」「市民活動推進費」「国際交流費」「国際交流事業」との記載がある(甲1)。 (イ) 判断茨木市は市民レベルでの国際交流を推進していたこと,同市はミネアポリス市と姉妹都市関係にあったこと,少年サッカーチームはミネアポリス市において少年市民レベルでの国際交流を目的として派遣されることが記載された説明書面が被告Y2に供されていたこと,支出命令用紙に支出科目として「総務費」「市民活動推進費」「国際交流費」「国際交流事業」との記載があったことからすれば,被告Y2において,被告Y4の少年サッカーチームへの派遣随行が違法であり支出命令2が違法となると判断するのは極めて困難であったというべきであるから,被告Y2には,違法な支出命令2を専決するにつき故意も重大な過失も認められない。 なお,この点,被告Y2に供された別紙茨木市少年サッカーチーム日程には,旅行内容にディズニーランド観光が含まれる旨の記載がある(甲1)が,上記認定事実のもとでは,旅行先の一部が観光地であることによって,随行派遣の公務性必要性が失われるかどうか等の判断は市職員にとっては必ずしも容易でないから,かかる事実をもって被告Y2が支出命令2を専決したことにつき直ちに重過失があるとはいえない。 他に,被告Y2が違法な支出命令2を専決するに かどうか等の判断は市職員にとっては必ずしも容易でないから,かかる事実をもって被告Y2が支出命令2を専決したことにつき直ちに重過失があるとはいえない。 他に,被告Y2が違法な支出命令2を専決するにつき故意又は重大な過失を有していたことを証明するに足りる証拠はない。 ウキャンプ訪問団随行旅費(ア) 事実認定a 支出命令3の専決に際しては,被告Y2に別紙茨木市キャンプ交流訪問団日程,別紙茨木市キャンプ交流訪問団名簿,支出負担行為書(負担行為番号0154482),旅行目的等が記載された説明書面,及び支出命令書用紙(支出命令番号010133396)が添付されていた(甲1,弁論の全趣旨)。 b 説明書面には,「1 目的」として,「姉妹都市・ミネアポリス市でサマーキャンプに参加し,アメリカの青少年と交流を深め,両市市民の交流をより深めることを目的とする。」との記載がある(甲1)。 c 支出命令用紙(支出命令番号010133396)には,支出科目として「総務費」「市民活動推進費」「国際交流費」「国際交流事業」との記載がある(甲1)。 (イ) 判断茨木市は市民レベルでの国際交流を推進していたこと,同市はミネアポリス市と姉妹都市関係にあったこと,キャンプ訪問団はミネアポリス市において少年市民レベルでの国際交流を目的として派遣されることが記載された説明書面が被告Y2に供されていたこと,支出命令用紙に支出科目として「総務費」「市民活動推進費」「国際交流費」「国際交流事業」との記載があったこと,別紙茨木市キャンプ交流訪問団日程にはミネアポリス市表敬訪問との記載があったことからすれば,被告Y2において,被告Y5のキャンプ訪問団への派遣随行が違法であり支出命令3が違法となると判断するのは困難であったというべきであるから,被告Y2には,違法な支出命令2を専決 あったことからすれば,被告Y2において,被告Y5のキャンプ訪問団への派遣随行が違法であり支出命令3が違法となると判断するのは困難であったというべきであるから,被告Y2には,違法な支出命令2を専決するにつき故意も重大な過失も認められない。 なお,この点,被告Y2に供された別紙茨木市キャンプ訪問団日程には,旅行内容にディズニーランド観光が含まれる旨の記載がある(甲1)が,上記認定事実のもとでは,旅行先の一部が観光地であることによって,随行派遣の公務性必要性が失われるかどうか等の判断は市職員にとっては必ずしも容易でないから,かかる事実をもって被告Y2が支出命令3を専決したことにつき直ちに重過失があるとはいえない。 他に,被告Y2が違法な支出命令3を専決するにつき故意又は重大な過失を有していたことを証明するに足りる証拠はない。 (3) 随行職員被告Y3,被告Y4及び被告Y5は,いずれも,職務命令である出張命令を受けて本件各旅行にそれぞれ随行したものと認められる(弁論の全趣旨)。 ところで,地方公務員法の規定によれば,地方公共団体の職員は,上司の職務上の命令に忠実に従わなければならないものとされており(同法32条),上司の職務命令に重大かつ明白な瑕疵がない限り,これに従う義務があるものと解される。 上記服務関係からすれば,地方公共団体の職員が職務命令である出張命令に従って出張した場合には,職員は,出張命令に重大かつ明白な瑕疵がない限り,当該出張に対して旅費の支給を受けることができ,それが不当利得になるものではない(最高裁判所平成15年1月17日第二小法廷判決・民集57巻1号1頁)。 本件では,被告Y3,被告Y4及び被告Y5に対する出張命令は,茨木市と国際交流分野において密接な関係にある協会からの派遣依頼書を受けて(甲1),上記3名を各旅行 小法廷判決・民集57巻1号1頁)。 本件では,被告Y3,被告Y4及び被告Y5に対する出張命令は,茨木市と国際交流分野において密接な関係にある協会からの派遣依頼書を受けて(甲1),上記3名を各旅行に派遣し,現地での連絡調整,構成員の管理等に当たらせるべく発令されたものであると認められ(弁論の全趣旨),上記出張命令に明白かつ重大な瑕疵があったことを基礎づける事実は本件全証拠によっても認められないから,上記出張命令に明白かつ重大な瑕疵があったとはいえない。したがって,被告Y3,被告Y4及び被告Y5に支給された各旅費はいずれも不当利得とはならない。 4 結論以上によれば,原告の請求は,被告Y1に対し,茨木市に対し,金81万7800円並びに内金3万0800円に対する平成13年3月24日から支払済みまで年5分の割合による金員,内金41万4000円に対する平成13年7月14日から支払済みまで年5分の割合による金員及び内金37万3000円に対する平成13年7月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払いを求める限度で理由があるから認容し,その余は理由がないから棄却し,仮執行宣言は相当でないから付さないこととして,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第二民事部裁判長裁判官山田知司裁判官田中健治裁判官小野裕信

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