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平成29(行ウ)35 損害賠償請求事件

裁判所

令和2年9月7日 京都地方裁判所

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39,384 文字

主文 1 本件訴えのうち,C及びEに対する損害賠償請求を求める部分をいずれも却下する。2 被告は,株式会社Dに対し,501万0890円を福知山市に支払うよう請求せよ。3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。4 訴訟費用は,これを5分し,その1を被告の負担とし,その余を原告の負担とする。事実 及び理由第1 請求 1 被告は,A,B,C及び株式会社Dに対し,連帯して501万0890円(うち259万5650円についてはEと連帯)を福知山市に支払うよう請求せよ。2 被告は,Eに対し,259万5650円をA,B,C及び株式会社Dと連帯して福知山市に支払うよう請求せよ。第2 事案の概要等 1 事案の概要本件は,福知山市(以下「市」という。)の住民である原告が,市の執行機関である被告に対し,一般廃棄物処理許可事業者(以下,単に「許可業者」ともいう。)である株式会社D(以下「本件事業者」という。)が,平成27年度及び平成28年度に,市が運営する廃棄物処理施設である環境パーク(以下「本件施 設」という。)に廃棄物を持ち込む際,事業系一般廃棄物を家庭系一般廃棄物であると虚偽の申告をし,これにより市に手数料差額分の損害を与えたにもかかわらず,被告が本件事業者に対する損害賠償請求権を行使しないことは違法に財産の管理を怠るものであると主張し,市の市民人権環境部環境政策室室長A(以下「A室長」という。),同室次長B(以下「B次長」という。),同室参事 C(以下「C参事」という。)及び同室次長補佐E(以下「E次長補佐」といい, A室長,B次長,C参事及びE次長補佐を合わせて「本件職員ら」という。)は,本件事業者が事業系一般廃棄物を C(以下「C参事」という。)及び同室次長補佐E(以下「E次長補佐」といい, A室長,B次長,C参事及びE次長補佐を合わせて「本件職員ら」という。)は,本件事業者が事業系一般廃棄物を家庭系一般廃棄物と偽って持ち込んでいることを知りながら又はこれを容易に知り得たのに,自主申告に基づき家庭系一般廃棄物として取り扱い,事業系一般廃棄物として得られるはずの手数料の徴収を違法に怠ったと主張して,いずれも地方自治法242条の2第1項4号に基づき, 長補佐E(以下「E次長補佐」といい, A室長,B次長,C参事及びE次長補佐を合わせて「本件職員ら」という。)は,本件事業者が事業系一般廃棄物を家庭系一般廃棄物と偽って持ち込んでいることを知りながら又はこれを容易に知り得たのに,自主申告に基づき家庭系一般廃棄物として取り扱い,事業系一般廃棄物として得られるはずの手数料の徴収を違法に怠ったと主張して,いずれも地方自治法242条の2第1項4号に基づき, 本件事業者及び本件職員らに対して,事業系一般廃棄物と家庭系一般廃棄物の手数料差額2年分501万0890円(ただし,E次長補佐については259万5650円)の損害を連帯して支払うよう請求することを求める住民訴訟である。2 前提事実(争いのない事実並びに証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実) 当事者及び関係者ア原告は,市に居住する住民である。イ被告は,市の執行機関である。ウ原告が被告に対し損害賠償請求を求める相手方 A室長は,平成27年度及び平成28年度に市の市民人権環境部環境政 策室の室長であった者である。B次長は,平成27年度及び平成28年度に同室次長であった者である。C参事は,平成27年度に同室循環推進係の次長補佐で平成28年度に参事であった者である。E次長補佐は,平成28年度に同室循環推進係の次長補佐であった者で ある。本件事業者は,一般廃棄物処理許可事業者(以下「許可業者」という。)として,市に許可を受け廃棄物の収集運搬業を行っている者である。(甲3)エ F(以下「F」という。)は,平成20年11月から平成29年3月まで 本件施設で計量を担当していた職員である(甲15)。許可を受け廃棄物の収集運搬業を行っている者である。(甲3)エ F(以下「F」という。)は,平成20年11月から平成29年3月まで 本件施設で計量を担当していた職員である(甲15)。市における廃棄物の取扱いア廃棄物の区分福知山市廃棄物の処理及び清掃に関する条例(以下「本件条例」という。)によれば,事業系一般廃棄物(以下「事業ごみ」という。)は,事業者がその事業活動に伴って生じた一般廃棄物を,家庭系一般廃棄物(以下「家庭ごみ」 という。)は,家庭の日常生活によって生じた一般廃棄物をそれぞれ意味する(甲5・2条6,7号)。イ本件条例による手数料の定め等本件施設は,市が運営する廃棄物処理施設である。 取扱いア廃棄物の区分福知山市廃棄物の処理及び清掃に関する条例(以下「本件条例」という。)によれば,事業系一般廃棄物(以下「事業ごみ」という。)は,事業者がその事業活動に伴って生じた一般廃棄物を,家庭系一般廃棄物(以下「家庭ごみ」 という。)は,家庭の日常生活によって生じた一般廃棄物をそれぞれ意味する(甲5・2条6,7号)。イ本件条例による手数料の定め等本件施設は,市が運営する廃棄物処理施設である。家庭ごみを本件施設に搬入し,処分を委託するときは,1回20キログラ ムまでごとに200円の手数料が必要とされている。(甲5・9条1項,別表第1)事業ごみを本件施設に搬入し,処分を委託するときは,1回20キログラムまでごとに410円の手数料が必要とされている。(甲5・9条1項,別表第1) ウ家庭ごみの搬出方法市民は,自ら処分しない家庭ごみについては,市が指定する袋(以下「指定ごみ袋」という。)に収納し,「ごみステーション」と呼ばれる地域のごみ集積場に搬出することとされている。また,上記の方法によらずに,家庭ごみを本件施設に直接持ち込むことも 可能とされており,その場合には,指定ごみ袋に収納して搬出する場合を除き,上記イに定める家庭ごみの手数料を徴収することとされている。(甲4,5・8条の2,9条1項,別表第1)エ本件事業者による本件施設へのごみの搬入本件事業者が平成27年度及び平成2 イに定める家庭ごみの手数料を徴収することとされている。(甲4,5・8条の2,9条1項,別表第1)エ本件事業者による本件施設へのごみの搬入本件事業者が平成27年度及び平成28年度に本件施設に家庭ごみ又は 事業ごみとして持ち込んだごみ(以下「本件搬入ごみ」という。)の重量及び 市に支払った手数料は,以下のとおりである(以下におけるごみの区分は,いずれも本件事業者の申告によるものである。)。家庭ごみと事業ごみの割合は,平成27年度には家庭ごみが91.3パーセント(小数点2位以下四捨五入。以下同じ。),事業ごみが8.7パーセントであり,平成28年度には家庭ごみが97.5パーセント,事業ごみが2.5パーセントであった。(甲 7の1,2)(平成27年度)家庭ごみ可燃物 19万4100キログラム(195万2600円)不燃物 3万7220キログラム (37万8000円) 粗大ごみ 360キログラム (3600円)事業ごみ可燃物 2万1240キログラム (44万0340円)不燃物 890キログラム (1万9680円)(平成28年度) 平成28年度には家庭ごみが97.5パーセント,事業ごみが2.5パーセントであった。(甲 7の1,2)(平成27年度)家庭ごみ可燃物 19万4100キログラム(195万2600円)不燃物 3万7220キログラム (37万8000円) 粗大ごみ 360キログラム (3600円)事業ごみ可燃物 2万1240キログラム (44万0340円)不燃物 890キログラム (1万9680円)(平成28年度) 家庭ごみ可燃物 21万6810キログラム(218万1200円)不燃物 3万2090キログラム (32万5600円)粗大ごみなし事業ごみ 可燃物 5400キログラム (11万2340円)不燃物 980キログラム (2万0910円)監査請求原告は,平成29年8月24日付けで,市の監査委員に対し,職員措置請求書を提出し,本件事業者が事業ごみを家庭ごみと偽って本件施設に持ち込んで ム (2万0910円)監査請求原告は,平成29年8月24日付けで,市の監査委員に対し,職員措置請求書を提出し,本件事業者が事業ごみを家庭ごみと偽って本件施設に持ち込んで いる事実を把握しながら,黙認,放置し,事業ごみとして得られるはずの手数 料を徴収しない懈怠があったとして,職員4名(環境政策室長,同室次長,同室参事,同室次長補佐)に対する損害賠償請求又はその他必要な措置を求める旨の監査請求を行った(甲1)。これに対し,市の監査委員は,同年10月20日付けで,本件事業者の行為の違法性については判断の対象外とした上,「居住系社会福祉施設が委託した 一般廃棄物収集運搬許可業者(一般廃棄物処理業者)が入居者の生活ごみを家庭系一般廃棄物として搬入し,それを受け入れていることに違法性は認められない」などと判断し,職員の行為に違法性は認められず,職員4名は賠償責任を負わないとして,請求を棄却した(甲2)。本件訴えの提起 原告は,平成29年11月17日,本件訴えを提起した(顕著な事実)。市による本件事業者への不当利得返還請求市は,本件事業者との間で,市が運営する保育園,幼稚園,小・中学校等(以下「市営事業所」という。)から排出される廃棄物の収集運搬及び処理を委託する契約を締結していたところ,同契約に基づいて本件事業者に対し,事業ごみ として処分するために必要な手数料相当額を支払っていたにもかかわらず,本件事業者は,市営事業所から収集した廃棄物を全て家庭ごみと申告して処分し,市から支払を受けた委託費用の一部につき不当に利得を得ていたと主張して,本件事業者に対し,過去10年の損失分に利息を加えた688万5513円の返還請求をし,平成30年1月22日,これに応じた本件事業者 ていたところ,同契約に基づいて本件事業者に対し,事業ごみ として処分するために必要な手数料相当額を支払っていたにもかかわらず,本件事業者は,市営事業所から収集した廃棄物を全て家庭ごみと申告して処分し,市から支払を受けた委託費用の一部につき不当に利得を得ていたと主張して,本件事業者に対し,過去10年の損失分に利息を加えた688万5513円の返還請求をし,平成30年1月22日,これに応じた本件事業者 から支払を受けた委託費用の一部につき不当に利得を得ていたと主張して,本件事業者に対し,過去10年の損失分に利息を加えた688万5513円の返還請求をし,平成30年1月22日,これに応じた本件事業者から同額の支 払を受けた。このうち,平成27年度及び平成28年度の分は103万6980円である。(甲9,乙2,6,10,11) 3 関係法令別紙関係法令のとおり 4 争点及び争点に関する当事者の主張 本件の争点は,(1) C参事(平成27年度)及びE次長補佐が地方自治法24 2条の2第1項4号の「当該職員」に該当するか(争点1-本案前の争点-),(2) 本件事業者が,事業ごみを家庭ごみと偽り虚偽申告をして手数料差額の支払を違法に免れたか(争点2),(3) 本件職員らが,本件事業者から事業ごみとしての手数料徴収を違法に怠ったか(争点3),(4) 市に生じた損害額(争点4)であり,これらに関する当事者の主張は以下のとおりである。C参事(平成27年度)及びE次長補佐の「当該職員」該当性(争点1)(原告の主張)福知山市職員職名規則では,管理の職にある者を規定し,また,給与に関しても市の一般職員の給与に関する条例7条の2において管理又は監督の地位にある職員のうち市長が指定する者は超過勤務手当等の適用を除外するとし ているところ,課長補佐はこれらに含まれる。次長補佐は,課長補佐級であるから,管理職員として本件損害賠償の責任を負うべき者に該当する。課長補佐については専決権等に関する規程はないが,課長補佐は,室長及び次長の配下の者として,現場における問題等に対する改善要望を受けた場合に,室長及び次長に対し進言等を行い解決しなければならない立場にある。また, 参事についても,管理職 ,課長補佐は,室長及び次長の配下の者として,現場における問題等に対する改善要望を受けた場合に,室長及び次長に対し進言等を行い解決しなければならない立場にある。 する。課長補佐については専決権等に関する規程はないが,課長補佐は,室長及び次長の配下の者として,現場における問題等に対する改善要望を受けた場合に,室長及び次長に対し進言等を行い解決しなければならない立場にある。また, 参事についても,管理職 ,課長補佐は,室長及び次長の配下の者として,現場における問題等に対する改善要望を受けた場合に,室長及び次長に対し進言等を行い解決しなければならない立場にある。また, 参事についても,管理職に該当する以上,現場における改善要望を受けた場合に,室長及び次長に進言し改善を求めること及び運用の範囲内において違法状態を解消すべき義務があったといえる。以上より,C参事及びE次長補佐は,いずれも管理職員であるから,地方自治法242条の2第1項4号の「当該職員」に該当する。(被告の主張)原告の主張は争う。原告がその主張の根拠とする給料に関する条例及び規則は,飽くまで給料の特別調整がされる者の範囲について規定しているにすぎず,管理職であるか否かや,権限及び義務の範囲とは関係がない。市の管理職員等の範囲を決める規則の第2条及び別表によれば,次長補佐は 管理職員に該当しないし,次長補佐については,市の決裁権限規程上,権限の 定めがなく,決裁権限がない。実質的に見ても,次長補佐は,次長を補佐する職責を負うにすぎず,自身が裁量で決定することのできる権限を有しない。したがって,C参事(平成27年度)及びE次長補佐は,原告が主張する違法状態を解消すべき権限及び義務を負う立場になく,「当該職員」に該当しない。本件事業者が事業ごみを家庭ごみと偽り虚偽申告をして手数料差額の支払を違法に免れたか(争点2)(原告の主張)ア本件事業者が平成27年度,平成28年度に家庭ごみとして搬入した廃棄物は,以下のとおり,全て事業ごみである。本件事業者が本件施設に搬入していた廃棄物は,①一般廃棄物処理契約先名簿記載の事業所から収集した廃棄物及び②市との間の契約により市営事業所から収集した廃棄物とか おり,全て事業ごみである。本件事業者が本件施設に搬入していた廃棄物は,①一般廃棄物処理契約先名簿記載の事業所から収集した廃棄物及び②市との間の契約により市営事業所から収集した廃棄物とから成るが,いずれも事業ごみとして扱われるべきものである。そもそも,本件事業者のような許可業者が,家庭ごみを収集して本件施設に搬入することは,それを許容する規定がなく,認められてい り市営事業所から収集した廃棄物とか おり,全て事業ごみである。本件事業者が本件施設に搬入していた廃棄物は,①一般廃棄物処理契約先名簿記載の事業所から収集した廃棄物及び②市との間の契約により市営事業所から収集した廃棄物とから成るが,いずれも事業ごみとして扱われるべきものである。そもそも,本件事業者のような許可業者が,家庭ごみを収集して本件施設に搬入することは,それを許容する規定がなく,認められてい なかった。本件事業者が居住系福祉施設である社会福祉法人福知山学園(以下「福知山学園」という。)及び市との間で締結した委託契約の内容をみても,いずれも事業ごみの収集運搬であることが前提となっていた。また,平成27年,平成28年当時,居住系福祉施設から委託を受けてごみを収集している許可業者は複数あったが,本件事業者以外はいずれも事業ごみとして 搬入しており,家庭ごみを本件施設に搬入している許可業者は本件事業者のみであった。イ被告は,一般廃棄物処理業者が居住系福祉施設の居住者が出すごみを家庭ごみとして収集運搬することも許容されていたと主張するが,争う。被告が主張する平成13年以降の運用(居住系福祉施設から出る生活ごみ を家庭ごみとして取り扱うことを認める運用)というのは,指定ごみ袋の運 用開始に伴い,居住系福祉施設から出る生活ごみを有料の指定ごみ袋に入れて家庭ごみとしてごみステーションに搬出することを認めるというものにすぎず,居住系福祉施設が許可業者に委託して生活ごみ(家庭ごみ)を搬出することは想定されていなかった。居住系福祉施設が家庭ごみとしてごみステーションに廃棄できるものをわざわざ許可業者に委託料を支払って廃棄 する意味はない。平成28年4月18日に民間社会福祉施設各施設長との間で行われた会議において配布 設が家庭ごみとしてごみステーションに廃棄できるものをわざわざ許可業者に委託料を支払って廃棄 する意味はない。平成28年4月18日に民間社会福祉施設各施設長との間で行われた会議において配布された通知文を見ても,社会福祉施設から排出されるごみは全て事業ごみとして扱われることが前提とされ,例外的に家庭ごみとして処理することを申請する場合でも,許可業者による搬入は予定されていない。被告は,許可業者が家庭ごみを搬入することを認める運用について定めた福知山市一般廃棄物処理基本計画中間見直しについても述べるが,そのような運用は本件施設に勤める職員らには周知されていなかった。 れた会議において配布された通知文を見ても,社会福祉施設から排出されるごみは全て事業ごみとして扱われることが前提とされ,例外的に家庭ごみとして処理することを申請する場合でも,許可業者による搬入は予定されていない。被告は,許可業者が家庭ごみを搬入することを認める運用について定めた福知山市一般廃棄物処理基本計画中間見直しについても述べるが,そのような運用は本件施設に勤める職員らには周知されていなかった。同見直しがされたのは平成28年3月であるところ,時期からすれば,被告がFから本件事業者に対する運用がおかしいという指摘を受けて,正当化するために付け 加えたものと推測される。ウ仮に,居住系福祉施設から出た生活ごみを家庭ごみとして搬入する扱いが許容されていたとしても,福知山学園が本件事業者に委託していたのは,障がい者入所施設又は特別養護老人ホームのいずれかの施設を対象とするものであり,これらの施設から出されるごみは,生活ごみの範疇に含まれない というべきである。また,本件事業者の契約先(委託者)は,居住系福祉施設のほか,旅館業や公衆浴場等があり,これらの施設から大量に出される廃棄物の量に比較すれば,居住系福祉施設から出る廃棄物の量はわずかなものであった。ところが,本件事業者が本件施設に家庭ごみとして搬入していた量は,平成27年 度で総搬入量の91.2パーセント,平成28年度で97.5パーセントを 占めていた。このことに照らすと,本件事業者が家庭ごみとして本件施設に搬入したごみの中に,福知山学園から出される生活ごみ以外の事業 91.2パーセント,平成28年度で97.5パーセントを 占めていた。このことに照らすと,本件事業者が家庭ごみとして本件施設に搬入したごみの中に,福知山学園から出される生活ごみ以外の事業ごみや,他の施設等から出される事業ごみが含まれていたことは明らかである。エこれらの事実に照らすと,本件事業者は,事業ごみとして申告し,手数料を支払わなければならないことを認識しながら,家庭ごみであるとの虚偽の 申告をしていたものであり,その結果,市に対し,手数料差額相当額の損害を被らせたから,故意による不法行為が成立する。(被告の主張)ア本件事業者が,福知山学園から委託を受けて収集した廃棄物について,事業ごみであるのに家庭ごみと偽って本件施設に搬入したとの原告主張の事 実は否認する。 照らすと,本件事業者は,事業ごみとして申告し,手数料を支払わなければならないことを認識しながら,家庭ごみであるとの虚偽の 申告をしていたものであり,その結果,市に対し,手数料差額相当額の損害を被らせたから,故意による不法行為が成立する。(被告の主張)ア本件事業者が,福知山学園から委託を受けて収集した廃棄物について,事業ごみであるのに家庭ごみと偽って本件施設に搬入したとの原告主張の事 実は否認する。原告の主張を裏付ける客観的な証拠はない。被告が本件事業者から聴取した結果等によれば,本件事業者は,福知山学園が運営する居住系福祉施設の居住者が排出する生活ごみを収集する機会と,福知山学園が排出する生活ごみ以外の事業ごみと他の施設が排出する事業ごみとを併せて収集する機会を分けていたから,家庭ごみと事業ごみを混入させて搬入する ことはなかった。イ許可業者が家庭ごみを収集して本件施設に搬入すること自体が許容されていなかったとの原告の主張は,争う。市においては,平成13年2月以降,平成31年4月に後記の経緯で運用を改めるまでの間,居住系福祉施設の居住者が出す生活ごみについても,家 庭ごみとして処理することを認める取扱い(以下「平成13年運用」という。)をしており,その際,生活ごみを指定ごみ袋に入れてごみステーションに出す方法のほか,許可業者に委託して本件施設に搬入する方法も許容していた。なお,平成13年運用が実施され 平成13年運用」という。)をしており,その際,生活ごみを指定ごみ袋に入れてごみステーションに出す方法のほか,許可業者に委託して本件施設に搬入する方法も許容していた。なお,平成13年運用が実施されていた当時,「生活ごみ」の範囲は,個別利用者の要介護度等とは関係がなく,広い意味で用いられており,福知山学園 から本件事業者に委託されるごみのほとんどは生活ごみで占められていた。原告は,許可業者が家庭ごみを本件施設に搬入することを認める規定がないと主張するが,誤りである。廃棄物処理法7条1項は,許可を受けた一般廃棄物収集運搬業者について,「一般廃棄物」の収集運搬を認めているのであるから,本件事業者が同項に基づき「一般廃棄物」の収集運搬についての許可を受けた場合には,当然に排出者から家庭ごみの収集運搬委託を受けて 本件施設に搬入することも認められる。本件条例にも,一般廃棄物収集運搬業者に対して,家庭ごみの収集運搬を禁止する規定や,事業ごみについてのみ収集運搬を認める規定は存在しない。 項は,許可を受けた一般廃棄物収集運搬業者について,「一般廃棄物」の収集運搬を認めているのであるから,本件事業者が同項に基づき「一般廃棄物」の収集運搬についての許可を受けた場合には,当然に排出者から家庭ごみの収集運搬委託を受けて 本件施設に搬入することも認められる。本件条例にも,一般廃棄物収集運搬業者に対して,家庭ごみの収集運搬を禁止する規定や,事業ごみについてのみ収集運搬を認める規定は存在しない。平成28年3月に定めた福知山市一般廃棄物処理基本計画中間見直しにおいても,生活系ごみの収集・運搬の方法に関して,「排出者自身もしくは排 出者から廃棄物の収集・運搬の委託を受けた福知山市一般廃棄物収集運搬許可業者が,廃棄物を環境パークに搬入することも可能とします。」と記載している。原告は,民間社会福祉施設各施設長との会議で配布された書面に,許可業者が家庭ごみを本件施設に搬入する方法について記載がないことを指摘す るが,廃棄物処理法上,許可業者であれば当然に居住系福祉施設から委託を受けて本件施設に家庭ごみを搬入できると定められており,この定めに変更を加えるわけでもないことから,記載がないにすぎない。ウ以上より, 法上,許可業者であれば当然に居住系福祉施設から委託を受けて本件施設に家庭ごみを搬入できると定められており,この定めに変更を加えるわけでもないことから,記載がないにすぎない。ウ以上より,本件事業者が本件施設に搬入した廃棄物が全て事業ごみであり,虚偽申告によって手数料差額の支払を免れたとはいえないから,不法行為は 成立しない。本件職員らが,本件事業者から事業ごみとしての手数料徴収を違法に怠ったか(争点3)(原告の主張)ア本件職員らは,以下のとおり,本件事業者が家庭ごみと偽って事業ごみを 搬入していることを知りながら,あえて事業ごみとしての手数料徴収を行わ ず,これを違法に怠った。許可業者のうち,家庭ごみを本件施設に搬入しているのは本件事業者のみであった。また,本件施設の職員らは,上司から,本件事業者が搬入する廃棄物についてのみ家庭ごみとして受け入れるよう指示を受けていた。そして,本件職員らは,本件施設で計量を担当していたFから,再三にわ たり,本件事業者についてのみ家庭ごみとしての申告を受け入れる対応が本件条例に違反する旨を指摘され,改善するよう求められていた。これらに照らすと,本件職員らは,本件事業者が家庭ごみと偽って事業ごみを搬入している事実を認識していたといえる。 ,上司から,本件事業者が搬入する廃棄物についてのみ家庭ごみとして受け入れるよう指示を受けていた。そして,本件職員らは,本件施設で計量を担当していたFから,再三にわ たり,本件事業者についてのみ家庭ごみとしての申告を受け入れる対応が本件条例に違反する旨を指摘され,改善するよう求められていた。これらに照らすと,本件職員らは,本件事業者が家庭ごみと偽って事業ごみを搬入している事実を認識していたといえる。それにもかかわらず,本件職員らは,何らの対策もとらずに虚偽申告の状態を放置した。イ仮に,本件職員らが本件事業者の虚偽申告を認識していなかったとしても,本件職員らは,以下のとおり,本件事業者が家庭ごみと偽って事業ごみを搬入していることを容易に知り得たはずであるにもかかわらず,是正することなく自主申告に基づく処理を継続し,事業ごみとしての手数料徴収を違法に怠った。のとおり,本件事業者が家庭ごみと偽って事業ごみを搬入していることを容易に知り得たはずであるにもかかわらず,是正することなく自主申告に基づく処理を継続し,事業ごみとしての手数料徴収を違法に怠った。本件職員らは,本件事業者が居住系福祉施設以外の事業所とも委託契約を締結していることを把握し,本件事業者が搬入している家庭ごみの割合についても把握できていたから,本件事業者が事業ごみを家庭ごみとして搬入している可能性が高いことは容易に知り得た。本件職員らには,本件条例に基づき,定められた手数料を徴収しなければならない義務があった のであるから,家庭ごみと申告された廃棄物の中に事業ごみが混入していないかどうかを確かめるべき義務もあった。それにもかかわらず,本件事業者が家庭ごみとして搬入してきた際に,何らの確認をすることなく受け入れることは本件条例に違反する行為である。仮に,居住系福祉施設から排出されるごみを家庭ごみとして許可業者に 搬入させる取扱いを行うにしても,これと他の事業者からの事業ごみとは 分離させるべきであり,これらを混在させて搬入させること自体が本件条例9条1項及び別表第1に違反している。家庭ごみと事業ごみを混入させ,区別ができない状態で搬入されたのであれば,全てを事業ごみとして扱うべきであった。被告は,本件施設に廃棄物を搬入する許可業者の自主申告により家庭ご みと事業ごみを区別するほかないと主張する。しかしながら,被告の上記主張は,一般廃棄物処理業者が委託を受けて家庭ごみを収集し,本件施設に運搬する方法が認められていることを前提とするものであるところ,被告が上記のような運用を許可していたという事実はない。 せ,区別ができない状態で搬入されたのであれば,全てを事業ごみとして扱うべきであった。被告は,本件施設に廃棄物を搬入する許可業者の自主申告により家庭ご みと事業ごみを区別するほかないと主張する。しかしながら,被告の上記主張は,一般廃棄物処理業者が委託を受けて家庭ごみを収集し,本件施設に運搬する方法が認められていることを前提とするものであるところ,被告が上記のような運用を許可していたという事実はない。このような運用を認めた規定もなく,許可を受けた事業者も 存在しな 件施設に運搬する方法が認められていることを前提とするものであるところ,被告が上記のような運用を許可していたという事実はない。このような運用を認めた規定もなく,許可を受けた事業者も 存在しない。自主申告によって事業ごみと家庭ごみを区別する取扱いは,本件事業者以外にとられていなかったところ,事業ごみか家庭ごみかは一見して明らかな違いがなく,かつ,手数料が異なる以上,家庭ごみとして申告があった場合には不正がないか厳格に確認する必要があった。したがって,本件 職員らが,自主申告に基づいて事業ごみと家庭ごみとを区別する取扱いをしていたこと自体,本件条例9条1項,別表第1に違反し,違法である。被告は,本件施設に搬入されるごみの確認を行うことは煩雑となり,業務を阻害するなどと主張するが,委託を受けて家庭ごみを収集運搬していた許可業者は本件事業者以外になかったのであるから,契約先を確認し合 理的説明を求めることは容易であった。本件事業者がパッカー車を用いるほど大量の家庭ごみを搬入していたのであれば,このような大量の家庭ごみが排出されることに不審を抱き,契約先,契約件数等を明らかにさせるべきであった。仮に,居住系福祉施設から出た家庭ごみであるとの申告があったとしても,契約書の内容を確認したり,契約先である福知山学園に 問い合わせたりすることも可能であったから,確認を行うことが困難であ ったとはいえない。また,被告は,Fからの指摘を受けた後も本件事業者に対する取扱いを変えることができなかった理由として,平成26年以降,居住系福祉施設から排出されるごみの取扱いの変更について協議していたことを挙げる。しかし,居住系福祉施設から排出されるごみについて問題となっていたの は,ごみステーションに排出されるごみ 以降,居住系福祉施設から排出されるごみの取扱いの変更について協議していたことを挙げる。 はいえない。また,被告は,Fからの指摘を受けた後も本件事業者に対する取扱いを変えることができなかった理由として,平成26年以降,居住系福祉施設から排出されるごみの取扱いの変更について協議していたことを挙げる。しかし,居住系福祉施設から排出されるごみについて問題となっていたの は,ごみステーションに排出されるごみ 以降,居住系福祉施設から排出されるごみの取扱いの変更について協議していたことを挙げる。しかし,居住系福祉施設から排出されるごみについて問題となっていたの は,ごみステーションに排出されるごみが大量になっていたことが原因であり,このことと収集・運搬を許可業者に委託して排出することとは全く関係がない。本件事業者については,Fから不正の疑いがあると進言されていたのであるから,遅くともその時点以降,本件職員らは,本件事業者につき適正 な運用がされているかを確認すべき義務があった。ウ手数料のような収入金に関する債権について,客観的に存在する債権を理由もなく放置したり免除したりすることは許されず,原則として,地方公共団体の長にその行使又は不行使についての裁量はない。本件条例においても,減免に関する規定はなく,また,本件事業者のみを特別扱いする理由もない のであるから,他の処理業者と異なる取扱いをすることは許されない。エ以上のとおり,本件職員らは,本件事業者による家庭ごみとの申告が虚偽であることを認識していながら,又は,容易に認識し得たにもかかわらず,これを是正する措置をとることなく自主申告による取り扱いを継続してきたものであるから,故意又は過失により,本件条例9条1項,別表第1に反 して違法に公金の徴収を怠ったものとして,市に対する損害賠償責任を負う。被告は,本件職員らが不法行為責任を負うのは,故意又は重過失がある場合に限られると主張するが,単なる過失で足りると解すべきである。(被告の主張)ア本件職員らが本件事業者による虚偽申告を認識しながらこれを放置した という事実はない。原告は,Fが上司らに本件事業者につき不正の疑いがある旨を具申したと主張するが, ア本件職員らが本件事業者による虚偽申告を認識しながらこれを放置した という事実はない。原告は,Fが上司らに本件事業者につき不正の疑いがある旨を具申したと主張するが,平成27年6月の申入れの時点では,本件事業者が搬入するごみの量等から直ちに虚偽申告が判明するような状況にはなかった。 ながらこれを放置した という事実はない。原告は,Fが上司らに本件事業者につき不正の疑いがある旨を具申したと主張するが, ア本件職員らが本件事業者による虚偽申告を認識しながらこれを放置した という事実はない。原告は,Fが上司らに本件事業者につき不正の疑いがある旨を具申したと主張するが,平成27年6月の申入れの時点では,本件事業者が搬入するごみの量等から直ちに虚偽申告が判明するような状況にはなかった。同年10月の申入れ時には居住系福祉施設から出るごみの扱いについて協議中でありその時点では対応が困難であることを回答しており,申入れを 放置した事実はない。居住系福祉施設の居住者が出す生活ごみの扱いについて協議中であった以上,Fからの申入れに対しても即座に対応できる状況ではなかったのであり,本件職員らが本件事業者の違法行為を認識しながらこれを放置した事実はない。また,原告は,被告が本件事業者を特別扱いしたと主張するが,そのよ うな事実はない。被告は,平成13年運用の実施に伴い,居住系福祉施設から排出されるごみでごみステーションがあふれるという問題が懸念された際,市内の許可業者に対し,許可業者であれば,従来どおり居住系福祉施設から排出される生活ごみと事業系のごみと双方の収集を受けることができることを説明しており,本件事業者のみを特別扱いしたことはな い。イ市が許可業者の自主申告に基づいて事業ごみと家庭ごみとを区別する取扱いをしていたことは,以下の理由によるものであって合理性があり,本件職員らがこの取扱いを改めなかったことに違法はない。本件施設には,許可業者により,事業ごみのほか,家庭ごみも搬入され る。許可業者は,本件施設において,①計量職員に「搬入カード」を渡し,②計量職員が許可業者から事業ごみか家庭ごみかの種類を聞き取り,ごみを積んだ状態の収集車の重量を計測し,③許可業者らが本件 る。許可業者は,本件施設において,①計量職員に「搬入カード」を渡し,②計量職員が許可業者から事業ごみか家庭ごみかの種類を聞き取り,ごみを積んだ状態の収集車の重量を計測し,③許可業者らが本件施設内でごみを降ろし,④出口計量場で空荷となった車の重さを計り,ごみの重量を算 定して,ごみの種類に応じた処理手数料を徴収するという流れでごみの処 理を行う。このように,事業ごみと家庭ごみとの区別につき許可業者による自主申告制をとっているのは,大量のごみが搬入されるため,搬入の都度,職員がごみの内容を確認することが人員上も困難であること,トラックによって搬入されたごみについて,外部から事業ごみか家庭ごみかを区別するこ ④出口計量場で空荷となった車の重さを計り,ごみの重量を算 定して,ごみの種類に応じた処理手数料を徴収するという流れでごみの処 理を行う。このように,事業ごみと家庭ごみとの区別につき許可業者による自主申告制をとっているのは,大量のごみが搬入されるため,搬入の都度,職員がごみの内容を確認することが人員上も困難であること,トラックによって搬入されたごみについて,外部から事業ごみか家庭ごみかを区別するこ とはできないこと(とりわけ,許可業者が用いる車両は専用の収集車両(パッカー車)であることが多く,外観からごみの確認をすることもできない。),仮に内部を確認したとしても,外見から事業ごみと家庭ごみを区別することは困難であることなどの理由によるものである。また,許可業者の場合,市は,許可等の申請に際し,適正に業務を遂行する業者であるこ とを確認しているし,当該業者が法令等に違反してごみを搬入した場合には,事後的に事業の停止等の行政処分をすることもできるので,自主申告によることに合理性がある。本件条例には,事業ごみと家庭ごみを区別する際の確認方法等についての定めはなく,迅速かつ円滑な処理等の観点から市の自由裁量に委ねられ ている。本件のように,居住系福祉施設のごみのうち,居住者が出す生活ごみを許可業者が家庭ごみとして搬入する場合に,許可業者の自主申告によってごみの種別を確認することとしても,裁量の範囲内の合理的な実務運用である。このように,自主申告によって事業ごみか家庭ごみかを区別 可業者が家庭ごみとして搬入する場合に,許可業者の自主申告によってごみの種別を確認することとしても,裁量の範囲内の合理的な実務運用である。このように,自主申告によって事業ごみか家庭ごみかを区別しており, このような取扱いに合理性がある以上,事業ごみとして手数料を徴収すべき義務を違法に怠った事実はない。ウ上記に主張したとおり,本件職員らが,本件事業者の虚偽申告を知りながらこれを放置したとの事実はなく,自主申告によって家庭ごみと事業ごみを区別する取扱いをしていたことを含め,本件職員らが漫然とその職務に違反 して市に損害を与えたとはいえない。本件職員らに原告の主張するような故 意・過失はなく,不法行為は成立しない。万一,市の運用等に違法な点があったとしても,本件訴訟において本件職員らが個別に不法行為責任を負うためには,故意又は重過失が必要となるところ,故意又は重過失があったとはいえない。 実はなく,自主申告によって家庭ごみと事業ごみを区別する取扱いをしていたことを含め,本件職員らが漫然とその職務に違反 して市に損害を与えたとはいえない。本件職員らに原告の主張するような故 意・過失はなく,不法行為は成立しない。万一,市の運用等に違法な点があったとしても,本件訴訟において本件職員らが個別に不法行為責任を負うためには,故意又は重過失が必要となるところ,故意又は重過失があったとはいえない。市が被った損害額(争点4) (原告の主張)ア本件事業者が家庭ごみとして持ち込んだごみの量は平成27年度に23万1680キログラム,平成28年度に24万8900キログラムであり,これを事業ごみの手数料で計算すると,平成27年度は474万9440円,平成28年度は510万2450円となる。これに対し,本件事業者が実際 に支払った金額は,平成27年度は233万4200円,平成28年度は250万6800円であり,差額(平成27年度241万5240円,平成28年度259万5650円)は市が被った損害である。イ被告は,本件事業者に対し,不当利得の返還を求め,回収したと主張するが,これは,本件事業者が事業ごみを家庭ごみとして搬入したこと自体を是 正するものではなく,市として結果的に ある。イ被告は,本件事業者に対し,不当利得の返還を求め,回収したと主張するが,これは,本件事業者が事業ごみを家庭ごみとして搬入したこと自体を是 正するものではなく,市として結果的に払い過ぎた委託料を回収したにすぎないから,損害から控除することはできない。(被告の主張)ア市に損害は発生していない。イ被告は,本件事業者に対し,業務委託契約に基づく廃棄物の処分費として, 平成27年度は98万2360円,平成28年度は104万2220円を支払っていたが,本件事業者は,業務委託契約の定めに反し,家庭ごみとして本件施設に搬入したため,上記処分費と家庭ごみの手数料との差額103万6980円を法律上の原因なく利得していたことが判明した。そのため,被告は,本件事業者に同額の不当利得返還を求め,実際に返還を得たので,仮 に損害の発生が認められるとしても,損害額から上記金額を控除すべきであ る。第3 当裁判所の判断 1 認定事実前記前提事実に証拠(後掲各証拠のほか,甲15,乙33,34,証人G,証人F,証人H,証人E。ただし,いずれも後記認定に反する部分を除く。 料との差額103万6980円を法律上の原因なく利得していたことが判明した。そのため,被告は,本件事業者に同額の不当利得返還を求め,実際に返還を得たので,仮 に損害の発生が認められるとしても,損害額から上記金額を控除すべきであ る。第3 当裁判所の判断 1 認定事実前記前提事実に証拠(後掲各証拠のほか,甲15,乙33,34,証人G,証人F,証人H,証人E。ただし,いずれも後記認定に反する部分を除く。)及び弁 論の全趣旨を総合すれば,以下の事実が認められる。市における廃棄物処理の運用市は,廃棄物処理法6条1 項及び同法施行規則1条の3に基づき,長期的な基本計画及び単年度の実施計画として年度ごとの福知山市一般廃棄物の処理計画を策定している(甲2,乙8の1,乙8の2)。ア平成23年3月に定められた基本計画においては,家庭ごみの処理に関し,民間業者に委託し,決められた日程で排出された廃棄物を収集し,本件施設に運搬する旨が定められており,事業ごみの処理については,直接持ち込み又は許可業者に た基本計画においては,家庭ごみの処理に関し,民間業者に委託し,決められた日程で排出された廃棄物を収集し,本件施設に運搬する旨が定められており,事業ごみの処理については,直接持ち込み又は許可業者による収集が定められていた(乙8の1《22頁》)。平成28年3月に定められた基本計画の中間見直しにおいては,家庭ごみの処理に関 し,民間業者に委託し,本件施設に収集・運搬する方法のほか,排出者自身又は排出者から廃棄物の収集・運搬の委託を受けた許可業者が,廃棄物を本件施設に持ち込むことも可能とする旨定められ,事業ごみの処理については,直接持ち込み又は許可業者による収集が定められていた(乙8の2《67頁》)。イ単年度計画においては,平成27年度及び平成28年度の収集・運搬方法について,家庭ごみについては,市の委託によるごみステーションからの収集又は排出者による本件施設への直接持ち込みが定められ,事業ごみについては,排出者又は許可業者による直接持ち込みが定められていた(乙9の1,9の2)。本件施設における廃棄物搬入の手順(乙22,34) 許可業者が個別に契約している者(委託者)から収集した廃棄物を本件施設に搬入する場合,以下の手順で処理される。ア許可業者は,入口の計量窓口で,緑色のカードを職員に渡し,廃棄物の種類を申告する(ただし,事業ごみの場合は申告が不要であるため,実際に廃棄物の種類を申告していた事実が認められる許可業者は,事業ごみとともに 定められていた(乙9の1,9の2)。本件施設における廃棄物搬入の手順(乙22,34) 許可業者が個別に契約している者(委託者)から収集した廃棄物を本件施設に搬入する場合,以下の手順で処理される。ア許可業者は,入口の計量窓口で,緑色のカードを職員に渡し,廃棄物の種類を申告する(ただし,事業ごみの場合は申告が不要であるため,実際に廃棄物の種類を申告していた事実が認められる許可業者は,事業ごみとともに 家庭ごみを搬入していた本件事業者のみである。)。この際,計量職員がごみの内容を目視するなどして確認することはない。イ計量職員は,申告とカード情報とに基づいて廃棄物の種類をシステムに入力し,許可業者にカードを返却する。ウ許可業者は,本件施設 ,計量職員がごみの内容を目視するなどして確認することはない。イ計量職員は,申告とカード情報とに基づいて廃棄物の種類をシステムに入力し,許可業者にカードを返却する。ウ許可業者は,本件施設に入り,指定の場所で廃棄物を降ろし,出口の計量 窓口で計量器に乗り,重量を計測する。エ計量職員は,廃棄物の種類及び重量から算出され,システムに表示された処理手数料を許可業者から徴収する。居住系福祉施設から排出される廃棄物の取扱いの経緯ア市では,平成13年2月から,有料の指定ごみ袋による家庭ごみの回収を 開始した。その際,居住系福祉施設の居住者が出す生活ごみについて,一般家庭から出る生活ごみと同様に家庭ごみとして排出することを認めるか否かについて議論がされたが,これを認めることとした(平成13年運用)。一般的には,居住系福祉施設が生活ごみを指定ごみ袋入れてごみステーションに出す方法がとられていたが,居住系福祉施設が生活ごみの収集運搬を許可 業者等に委託して本件施設に搬入させる方法も,明示的に排除されてはいなかった。イ市では,平成26年頃,居住系福祉施設から排出されるごみでごみステーションがあふれ,住民から苦情が発生するという問題の発生を受け,同年8月頃から,平成13年運用の見直しについて協議を進めていた(乙26)。市は,平成28年4月18日,福祉施設の施設長らに対し,居住系福祉施 設から排出されるごみについて,平成13年運用を変更し,全て事業ごみとして扱うこととする方針を説明した(甲10の1,乙1,乙26~28)。同日,市が各施設長に対する説明の際に配布した文書(甲10の1)には,社会福祉施設から排出されるごみは,全て事業ごみとして取り扱われること,施設の利用形態により「家庭 て協議を進めていた(乙26)。市は,平成28年4月18日,福祉施設の施設長らに対し,居住系福祉施 設から排出されるごみについて,平成13年運用を変更し,全て事業ごみとして扱うこととする方針を説明した(甲10の1,乙1,乙26~28)。同日,市が各施設長に対する説明の際に配布した文書(甲10の1)には,社会福祉施設から排出されるごみは,全て事業ごみとして取り扱われること,施設の利用形態により「家庭 0の1,乙1,乙26~28)。同日,市が各施設長に対する説明の際に配布した文書(甲10の1)には,社会福祉施設から排出されるごみは,全て事業ごみとして取り扱われること,施設の利用形態により「家庭ごみ」としての取扱いが適当と思われるケース については,別紙申請書を本件施設に提出してほしいことが記載され,別紙申請書には,排出の方法として,「環境パークへ直接搬入」又は「ごみステーション(自治会の承認有・無)」という2つの選択肢が設けられていた。(甲10の2)ウ平成30年5月,市において,社会福祉施設から排出されるごみを全て事 業ごみとして取り扱うこと,居住系福祉施設において,利用者が施設に持ち込んだ生活用品が施設のサービスを伴わない状況でごみとなり,分別から集積所への排出まで利用者により行われたものは,申請して承認を受けた上で家庭ごみとして取り扱うことができること,これらの運用は平成31年4月1日から施行することとして,各社会福祉施設に周知することが決定された。その後,民間社会福祉施設連絡協議会施設長会議においてもかかる運用変更が承認され,新たな運用は平成31年4月1日から施行されることとなった。(乙26~28)本件事業者の契約先等本件事業者が平成27年3月12日時点で廃棄物の委託収集に係る契約を 締結していた相手方は,①福知山学園のほか,②京都三菱自動車販売株式会社福知山支店,③喫茶モンブラン,④ホテルロイヤルヒル福知山&スパ,⑤福知山温泉であった。このうち,福知山学園の収集間隔は「毎日」(月曜日から金曜日までを意味する),その他の施設からの収集間隔は「その他」(毎日及び隔日以外を意味する)であった。また,上記①~⑤の業種は,①が福祉事業,②が自動車販売業,③が飲食店 日までを意味する),その他の施設からの収集間隔は「その他」(毎日及び隔日以外を意味する)であった。また,上記①~⑤の業種は,①が福祉事業,②が自動車販売業,③が飲食店 あった。このうち,福知山学園の収集間隔は「毎日」(月曜日から金曜日までを意味する),その他の施設からの収集間隔は「その他」(毎日及び隔日以外を意味する)であった。また,上記①~⑤の業種は,①が福祉事業,②が自動車販売業,③が飲食店 日までを意味する),その他の施設からの収集間隔は「その他」(毎日及び隔日以外を意味する)であった。また,上記①~⑤の業種は,①が福祉事業,②が自動車販売業,③が飲食店 業,④が旅館業,⑤が公衆浴場であった。(甲6) 市からの委託ア本件事業者は,平成27年度及び平成28年度,市から委託を受けて,市営事業所(福知山保育園・幼稚園・小学校・中学校・児童館・人権ふれあいセンター・教育集会所)で排出される事業ごみを収集し,本件施設に運搬す ることを内容とする廃棄物収集運搬業務委託契約を締結した。同契約においては,処理の対象が事業ごみであることを前提に,処理手数料について,①一般廃棄物処分費を1回5キログラムを超え20キログラムまで410円,20キログラムを超えるものは20キログラムごとに410円で計算すること,②市が市営事業所から排出される事業系一般廃棄物を計 量して月末に本件事業者に通知し,通知を受けた本件事業者が市に①に基づき請求し,③市が一般廃棄物収集運搬完了検査後,適法な請求書を受領してから30日以内に支払うことなどが定められていた。(乙2~5)イ本件事業者は,上記アの契約に基づき,市から,平成27年度は98万2360円,平成28年度は104万2220円受領したが,市から委託を受 けて市営事業所から収集運搬した廃棄物を全て家庭ごみと申告して本件施設に搬入していた(証人G)。ウ原告は,平成29年9月,本件事業者と市との間の廃棄物収集運搬業務委託契約に基づく委託料の算出根拠や本件施設へのごみの持込みの根拠となる資料について開示請求を行った。この開示請求を受けて,市は,本件事業 者への収集運搬を委託している市営事業所に対し,排出された事業ごみの量を照会した。や本件施設へのごみの持込みの根拠となる資料について開示請求を行った。この開示請求を受けて,市は,本件事業 者への収集運搬を委託している市営事業所に対し,排出された事業ごみの量を照会した。市は,照会の結果,本件事業者による平成27年度及び平成28年度の事業ごみの搬入量(平成27年度は2万2130キログラム,平成28年度は6380キログラム)が市の委託に係る上記事業所から計量していた量(平 照会した。や本件施設へのごみの持込みの根拠となる資料について開示請求を行った。この開示請求を受けて,市は,本件事業 者への収集運搬を委託している市営事業所に対し,排出された事業ごみの量を照会した。市は,照会の結果,本件事業者による平成27年度及び平成28年度の事業ごみの搬入量(平成27年度は2万2130キログラム,平成28年度は6380キログラム)が市の委託に係る上記事業所から計量していた量(平 成27年度は4万5511キログラム,平成28年度は4万8399キログ ラム)よりも少ないことが判明し,また,上記委託契約に基づいて本件事業者に対し,事業ごみとして処分するために必要な手数料相当額を支払っていたにもかかわらず,本件事業者は,市営事業所から収集した廃棄物を全て家庭ごみと申告して処分し,市から支払を受けた委託費用の一部につき不当に利得を得ていたことが判明したなどとして,本件事業者に対し,過去10年 の手数料差額分に利息を加えた688万5513円の返還請求をし,平成30年1月22日,これに応じた本件事業者から同額の支払を受けた。このうち,平成27年度及び平成28年度の分は103万6980円である。(甲9,乙2,6,10,11)本件事業者と福知山学園との契約内容等 ア本件事業者は,平成5年4月頃から,福知山学園と契約し,廃棄物の収集運搬を行っていた。イ本件事業者は,福知山学園との間で,平成26年4月1日付けで,事業系一般廃棄物等の収集・運搬に関して,福知山学園が運営する5つの施設からの廃棄物を収集・運搬し,本件施設で処分することを内容とする契約を締結 した。同契約において,収集・運搬料金は,月額(定額)で定められていた。(乙29)ウ本件事業者は,福知山学園との上記契約に基づき ・運搬し,本件施設で処分することを内容とする契約を締結 した。同契約において,収集・運搬料金は,月額(定額)で定められていた。(乙29)ウ本件事業者は,福知山学園との上記契約に基づき,平成27年度及び平成28年度に,同法人が運営する5か所の施設において,月曜日から金曜日までの週5日,1施設あたり1日90リットルごみ袋で平均5袋程度のごみを 収集していた(甲19の1,19の2)。エ福知山学園は,原告代理人の申出により京都弁護士会においてなされた弁護士法23条の2第1項に基づく照会に対し,平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間における本件事業者との間の廃棄物の処理に関する委託契約について,事業ごみについての処理契約と認識している旨回答 ,月曜日から金曜日までの週5日,1施設あたり1日90リットルごみ袋で平均5袋程度のごみを 収集していた(甲19の1,19の2)。エ福知山学園は,原告代理人の申出により京都弁護士会においてなされた弁護士法23条の2第1項に基づく照会に対し,平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間における本件事業者との間の廃棄物の処理に関する委託契約について,事業ごみについての処理契約と認識している旨回答 した。福知山学園は,居住系福祉施設の利用者から排出される生活ごみをどのように処理しているかという照会事項に対し,同法人が運営する居住系福祉施設の利用者から排出される生活ごみで,本件事業者により収集・処理されているものは,全て事業ごみであると認識している旨回答した上で,一部のグループホームにおいては,地元自治会に加入の上で,地域のごみステーショ ンに排出している旨回答した。(甲18の1,18の2)居住系福祉施設からの廃棄物の収集委託について平成27年度及び平成28年度に市内で居住系福祉施設から委託を受けて廃棄物を収集運搬している事業者は,本件事業者以外にも複数存在したが,本件施設に搬入する際に家庭ごみであるとの申告を行っていた事業者は,本件事 業者のみであった。(甲23~29)Fによる指摘等ア平成27年2月に本件施設における計量システム全体の更新がされ,同月以降,事業者ごとの一覧等,データ収集が可能になった(甲15) 業者のみであった。(甲23~29)Fによる指摘等ア平成27年2月に本件施設における計量システム全体の更新がされ,同月以降,事業者ごとの一覧等,データ収集が可能になった(甲15)。イ Fは,本件事業者による本件施設への廃棄物の搬入に関し,家庭ごみの搬 入量が多いことにかねて不審を抱いていたところ,上記アの新システム導入後,データを収集して,本件事業者以外に本件施設に家庭ごみを搬入している許可業者がないことを知り,本件事業者による不正を疑うようになった。Fは,平成27年2月にB次長及びC参事に対し,平成29年3月にB次長及びE次長補佐に対し,本件事業者が本件施設に搬入するごみを家庭ごみ として処理することがおかしいのではないかと指摘し,事業ごみとして扱うよう具申した。(甲2,15,16,証人F)ウ Fは,その後も本件事業者に対する取扱いに変化がなかったことから,平成29年3月2日,公平委員会事務局に電話をかけ,本件事業者について取扱いを改善するよう要請した。 7年2月にB次長及びC参事に対し,平成29年3月にB次長及びE次長補佐に対し,本件事業者が本件施設に搬入するごみを家庭ごみ として処理することがおかしいのではないかと指摘し,事業ごみとして扱うよう具申した。(甲2,15,16,証人F)ウ Fは,その後も本件事業者に対する取扱いに変化がなかったことから,平成29年3月2日,公平委員会事務局に電話をかけ,本件事業者について取扱いを改善するよう要請した。同月3日,Fは,B次長から,Fが指摘している本件事業者が事業所から 収集したごみを家庭ごみとして本件施設に搬入している件については,過去の関係者らに聞き取りをする必要があり,それらの調査をしなければわからないとの説明を受けた。(甲15,16)エ Fは,平成29年3月16日付けで,「福知山市環境政策室に於ける内部告発について」と題する書面を作成し,本件を含む4点の問題について,内 部告発を行う準備をした(甲17)。オ Fは,本件を取り上げてもらうため,市議会議員である原告に連絡をとった(甲15)。市議会における質疑(甲1,7の1,7の2)原告は,平成29年6月14日に開催された市議会において,本件事業者が は,本件を取り上げてもらうため,市議会議員である原告に連絡をとった(甲15)。市議会における質疑(甲1,7の1,7の2)原告は,平成29年6月14日に開催された市議会において,本件事業者が 平成27年度,平成28年度に本件施設に搬入した事業ごみと家庭ごみの搬入重量及び金額等について質問した。A室長は,原告の質問に応じて,「一般廃棄物処理業者が収集してきましたごみについて,事業所ごみとして処理手数料を徴収すべきところを家庭ごみとして取り扱っている業者はございます。」と回答した上で,本件事業者を特定 する会社名は出さずに,事業ごみと家庭ごみの搬入重量及び金額について回答した。2 認定事実の補足上記1(1)に認定した事実に関し,原告は,平成13年運用を開始した際も,指定ごみ袋に入れてごみステーションに搬出することが認められたのみであり, 居住系福祉施設が許可業者に委託して家庭ごみを搬出することは想定されておらず,許容されていなかったと主張する。そこで検討するに,り,市において,居住系福祉施設が許可業者に委託して本件施設に搬入することを明示的に認め,積極的に周知等していたとの被告主張の事実については,これ した事実に関し,原告は,平成13年運用を開始した際も,指定ごみ袋に入れてごみステーションに搬出することが認められたのみであり, 居住系福祉施設が許可業者に委託して家庭ごみを搬出することは想定されておらず,許容されていなかったと主張する。そこで検討するに,り,市において,居住系福祉施設が許可業者に委託して本件施設に搬入することを明示的に認め,積極的に周知等していたとの被告主張の事実については,これ を認めるに足りる証拠がない(証人Hは,被告の上記主張に沿う供述をするが, 同供述を裏付ける平成13年当時の資料その他の証拠はなく,採用できない。)。しかしながら他方,平成13年運用を開始するに際し,居住系福祉施設が許可業者に委託して家庭ごみを搬出することを禁止するとか,そのような場合は平成13年運用の適用除外とするとかいった議論がされた形跡はない。また,廃棄物処理法や本件条例その他の法令上,許可業者が委託を受けて家庭ごみを収集・運 搬することを禁止する規定はなく うな場合は平成13年運用の適用除外とするとかいった議論がされた形跡はない。また,廃棄物処理法や本件条例その他の法令上,許可業者が委託を受けて家庭ごみを収集・運 搬することを禁止する規定はなく,本件条例の規定や市の基本計画上,市民が家庭ごみを直接本件施設に持ち込むことも認められていたことに照らすと,市民が許可業者に委託して家庭ごみを本件施設に搬入することも許容されていたと考えられる。このことは,平成28年3月に定められた基本計画の中間見直しにおいて,家庭ごみを許可業者に委託して本件施設に持ち込むこ とができると明記されていることからも裏付けられる。これらを総合勘案すると,平成13年運用において,居住系福祉施設が生活ごみを家庭ごみとして出そうとする場合,指定ごみ袋に入れてごみステーションに搬出する方法による以外に,ごみの収集・運搬を許可業者に委託し,許可業者が家庭ごみとして本件施設に搬入する方法によることも,排除されておらず,許容されていた と認めるのが相当である。3 争点1(当該職員該当性)について地方自治法242条の2第1項4号に定める「当該職員」とは,当該訴訟においてその適否が問題とされている財務会計上の行為を行う権限を法令上本来的に有するとされている者及びこれらの者から権限の委任を受けるなどし て同権限を有するに至った者を広く意味し,その反面およそ上記のような権限を有する地位ないし職にあるとは認められない者はこれに該当しないと解される(最高裁昭和55年(行ツ)第157号同62年4月10日第二小法廷判決・民集41巻3号239頁参照)。 員」とは,当該訴訟においてその適否が問題とされている財務会計上の行為を行う権限を法令上本来的に有するとされている者及びこれらの者から権限の委任を受けるなどし て同権限を有するに至った者を広く意味し,その反面およそ上記のような権限を有する地位ないし職にあるとは認められない者はこれに該当しないと解される(最高裁昭和55年(行ツ)第157号同62年4月10日第二小法廷判決・民集41巻3号239頁参照)。本件において,原告が違法であると主張する本件職員らの財務会計上の行為 は,本件事業者が本件施設に持ち込んだ廃棄物を自主申告に基づき家庭ごみと 決・民集41巻3号239頁参照)。本件において,原告が違法であると主張する本件職員らの財務会計上の行為 は,本件事業者が本件施設に持ち込んだ廃棄物を自主申告に基づき家庭ごみと して処理する取扱いを是正せず,事業ごみとしての手数料の徴収を怠ったというもの(以下,かかる怠る行為を「本件徴収懈怠」という。)である。そうすると,地方自治法242条の2第1項4号に定める「当該職員」に該当するといえるためには,自主申告によるか否かを含めて廃棄物処理に関する取扱いを決定し,又は変更する権限を有する者であることが必要であると解される。福知山市事務決裁規程(甲14)によれば,市の環境政策室長は,一般廃棄物の計画決定に関する専決権(16条の2第2号),廃棄物の搬入許可に関する専決権(16条の2第4号)を有していると認められ,また,環境政策室次長は,一般廃棄物の処理に関する専決権(31条の3第2号)を有していると認められるから,これらの者は,上記のような廃棄物処理に関する取扱いを決 定し,又は変更する権限を有していたものと認められる。これに対し,参事や次長補佐は,同規程上,廃棄物の処理に関し,取扱いの決定や変更をする権限を有していたとは認められない。これに対し,原告は,参事や次長補佐が管理職員の地位にあることや,市の一般職員超過勤務手当等の適用を除外される地位にあることを根拠として,同 項に基づき損害賠償責任を負うべき者に該当すると主張するが,上記に判示したところに照らし,採用できない。したがって,C参事及びE次長補佐が,原告が違法であると主張する財務会計上の行為に関して「当該職員」に該当するとはいえないから,本件訴えのうち,C参事及びE次長補佐に対する損害賠償請求を求める部分は,不適法であ あることや,市の一般職員超過勤務手当等の適用を除外される地位にあることを根拠として,同 項に基づき損害賠償責任を負うべき者に該当すると主張するが,上記に判示したところに照らし,採用できない。したがって,C参事及びE次長補佐が,原告が違法であると主張する財務会計上の行為に関して「当該職員」に該当するとはいえないから,本件訴えのうち,C参事及びE次長補佐に対する損害賠償請求を求める部分は,不適法であ びE次長補佐が,原告が違法であると主張する財務会計上の行為に関して「当該職員」に該当するとはいえないから,本件訴えのうち,C参事及びE次長補佐に対する損害賠償請求を求める部分は,不適法であ る。4 争点2(本件事業者による不法行為の成否-虚偽申告の有無)について本件搬入ごみが事業ごみに当たるかア本件搬入ごみのうち,本件事業者が市の委託を受けて市営事業所から収集した廃棄物は,いずれも事業ごみであったと認められ(認定事実イ),その 他の契約先から収集した廃棄物のうち,福知山学園以外の契約先から収集し た廃棄物は,契約先がいずれも「事業者」(本件条例2条5号)に当たり,G自身も全て事業ごみであったと述べている(証人G)ことから,事業ごみであったと認められる。イこれに対し,本件事業者が福知山学園から収集した廃棄物については,市において,平成13年2月以降,居住系福祉施設の居住者が出す生活ごみを 家庭ごみとして排出することを認める運用(平成13年運用)がされており,許可業者に生活ごみの収集運搬を委託して本件施設に家庭ごみとして搬入する方法も許容されていたと認められることから(認定事実ア),本件事業者が居住系福祉施設である福知山学園から生活ごみの収集・運搬の委託を受けていたとすれば,全てが事業ごみであったとはいえないこととなる。そこで,本件事業者が福知山学園から生活ごみの収集・運搬の委託を受けていたか否かについて検討する。本件事業者と福知山学園との委託関係に関する契約書(乙29)の記載を見ると,本件事業者が福知山学園から委託されていたのは,「事業系一般廃棄物等の収集・運搬」であり,収集・運搬を委託する廃棄物の種類に ついては,「可燃物(生ごみ等),不燃物 (乙29)の記載を見ると,本件事業者が福知山学園から委託されていたのは,「事業系一般廃棄物等の収集・運搬」であり,収集・運搬を委託する廃棄物の種類に て検討する。本件事業者と福知山学園との委託関係に関する契約書(乙29)の記載を見ると,本件事業者が福知山学園から委託されていたのは,「事業系一般廃棄物等の収集・運搬」であり,収集・運搬を委託する廃棄物の種類に ついては,「可燃物(生ごみ等),不燃物 (乙29)の記載を見ると,本件事業者が福知山学園から委託されていたのは,「事業系一般廃棄物等の収集・運搬」であり,収集・運搬を委託する廃棄物の種類に ついては,「可燃物(生ごみ等),不燃物(プラスチック類等),資源ごみ(ペット,ビン等)」のほか,粗大ごみとされており,家庭ごみとして廃棄可能な生活ごみを含めることについては記載がない。上記廃棄物の種類の例示に照らしても,生活ごみが大部分を占めているとは解されず,契約書の記載からは,居住者が出す生活ごみ以外のごみ(事業ごみ)を収集・運搬の 対象としていたものと考えるのが自然である。なお,証拠として提出されている契約書(乙29)は平成26年度のものであるが,平成27年度及び平成28年度に内容が変更されたなどの事情は窺われず,基本的に同内容で更新されていたと推認される。また,福知山学園は,平成27年度及び平成28年度における本件事業 者との間の廃棄物の処理に関する委託契約について,事業ごみを対象とす る処理委託契約と認識していたことが認められる(認定事実ウ)。さらに,福知山学園においては,運営する施設のうち,一部のグループホームから出る生活ごみについては,地元自治会に加入の上,地域のごみステーションに排出する取扱いをしていたと認められるところ(甲18の2),生活ごみの収集・運搬を許可業者に委託していたとすれば,生活ごみ の一部についてのみ上記のような取扱いをすることは考え難く,福知山学園では,事業ごみについては許可業者に委託し,生活ごみについてはごみステーションに排出する方法をとっていたと考えるのが自然である。加えて,仮に,福知山学園が生活ごみと事業ごみの双方の収集・運搬を本件事業者に委託していたとすれば,それぞれについて適正な手数 はごみステーションに排出する方法をとっていたと考えるのが自然である。加えて,仮に,福知山学園が生活ごみと事業ごみの双方の収集・運搬を本件事業者に委託していたとすれば,それぞれについて適正な手数料を支 払って処分してもらえるよう(乙29・契約書4条参照),分別して排出するなど,本件事業者において生活ごみと事業ごみとを区別できるようにするはずであるが,福知山学園においてそのような処置がとられていた事実も認められない。 ンに排出する方法をとっていたと考えるのが自然である。加えて,仮に,福知山学園が生活ごみと事業ごみの双方の収集・運搬を本件事業者に委託していたとすれば,それぞれについて適正な手数料を支 払って処分してもらえるよう(乙29・契約書4条参照),分別して排出するなど,本件事業者において生活ごみと事業ごみとを区別できるようにするはずであるが,福知山学園においてそのような処置がとられていた事実も認められない。これらの事実に照らすと,本件事業者と福知山学園との間の廃棄物処理 委託契約においても,居住者の出す生活ごみはその対象に含まれておらず,専ら事業ごみの収集・運搬が委託の内容であったと認めるのが相当である。これに対し,被告は,本件事業者が福知山学園から生活ごみの収集運搬を委託され,事業ごみと家庭ごみとを区別した上で搬入していたと主張し,Gは,その証人尋問において,これに沿う趣旨の供述をする。しかしながら,Gの供述は,福知山学園から生活ごみの収集・運搬を委託された経緯について,平成13年2月に,居住系福祉施設の居住者が出す生活ごみを家庭ごみとして処理できるという運用を福知山学園の職員から立ち話程度に聞いた,市の担当者からも,許可業者であれば福祉施設の利用者が出す生活ごみを家庭ごみとして処理できるとの説明を受けた, 福知山学園の理事長に平成13年運用のことを話したところ,引き続きご みの収集をやってくれと言われたなどと述べるにとどまり,福知山学園から,居住者の出す生活ごみの収集・運搬について事業ごみと区別して委託を受けたという事実を明確に供述するものではなく,生活ごみの収集・運搬の委託を受けるに当たり,事業ごみとの区別について協議したとか,事業ごみとは別に生活ごみの収集・ 搬について事業ごみと区別して委託を受けたという事実を明確に供述するものではなく,生活ごみの収集・運搬の委託を受けるに当たり,事業ごみとの区別について協議したとか,事業ごみとは別に生活ごみの収集・運搬の委託を受けることを踏まえて委託 料の額を見直したとかいった事実に関する言及もないなど,具体性に欠ける。また,Gは,福知山学園から出されるごみを外観から見分けるなどして生活ごみと事業ごみとに分けて収集していたなどと述べるが,上記のとおり,福知山学園は,本件事業者に処理を委託しているのは事業ごみである と認識しており,生活ごみと事業ごみとを分別して排出していたとの事実は認められないし,生ごみやペットボトル,紙ごみ等を想定しても,居住者が生活の中で出したごみと,施設の職員が事務作業や介護サービス等の中で出したごみとを外観から区別することは困難であると考えられ,外観で見分けて分別していたという上記供述は不自然である。 るが,上記のとおり,福知山学園は,本件事業者に処理を委託しているのは事業ごみである と認識しており,生活ごみと事業ごみとを分別して排出していたとの事実は認められないし,生ごみやペットボトル,紙ごみ等を想定しても,居住者が生活の中で出したごみと,施設の職員が事務作業や介護サービス等の中で出したごみとを外観から区別することは困難であると考えられ,外観で見分けて分別していたという上記供述は不自然である。以上より,本件事業者が福知山学園から生活ごみの収集・運搬の委託を受けていたとのGの供述は,曖昧かつ不自然であって,そのとおりに信用することができない。なお,被告は,福知山学園が,弁護士法23条の2第1項に基づく照会に対し,本件事業者に収集・運搬を委託しているごみの種類を事業ごみで エ)について,居住系福祉施設からのごみを全て事業ごみとして取り扱う現在の運用を前提に回答したもので,平成13年運用を前提とする平成27年度及び平成28年度当時の認識ではなく,回答結果も信用できないと主張する。しかしながら,同照会は,平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間における契約関 係と明記して質問を行っており,福知山学園が回答に当たって時期を勘違 いしたとは考えにくいし,居住系福祉施 は,平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間における契約関 係と明記して質問を行っており,福知山学園が回答に当たって時期を勘違 いしたとは考えにくいし,居住系福祉施設から排出されるごみを全て事業ごみとして扱う運用変更が施行されたのは平成31年4月1日であってウ),照会に対する回答がされたよりも後であるから,やはり被告の指摘するような誤認の可能性は考え難い。したがって,被告の上記主張は,採用できない。以上のとおり,本件事業者が福知山学園から生活ごみの収集運搬について委託を受けていた事実は認められないから,本件事業者が福知山学園から委託を受けて収集・運搬した廃棄物も,全て事業ごみであったと認めるのが相当である。ウ以上より,本件搬入ごみは,いずれも事業ごみであったと認められる。⑵ 本件事業者の認識について上記認定によれば,本件事業者が福知山学園から生活ごみの収集・運搬を委託された事実は認められないから,本件事業者(代表者G)は,福知山学園から委託を受けた廃棄物を含め,本件施設に搬入した廃棄物が全て事業ごみであることを認識していたものと認められる。 搬した廃棄物も,全て事業ごみであったと認めるのが相当である。ウ以上より,本件搬入ごみは,いずれも事業ごみであったと認められる。⑵ 本件事業者の認識について上記認定によれば,本件事業者が福知山学園から生活ごみの収集・運搬を委託された事実は認められないから,本件事業者(代表者G)は,福知山学園から委託を受けた廃棄物を含め,本件施設に搬入した廃棄物が全て事業ごみであることを認識していたものと認められる。同認定に反するGの供述は,採用で きない。Gは,本件事業者が市から委託を受けて市営事業所から収集した事業ごみについても,これらを全て家庭ごみとして申告していたことについて,福祉施設だから家庭ごみとして扱ってよいと勝手に判断した,勘違いしていたなど,許可業者として全く合理性のない弁解をしており,同供述も不自然であって,採用できない。また,本件事業者が持ち込んだ廃棄物のうち,家庭ごみが占める割合(重量)が平成27年度も平成28年度も9割を超え大部分を占めているところ(前提,市から委託を受けて収集運搬した廃棄 きない。また,本件事業者が持ち込んだ廃棄物のうち,家庭ごみが占める割合(重量)が平成27年度も平成28年度も9割を超え大部分を占めているところ(前提,市から委託を受けて収集運搬した廃棄物の量(平成27年度は4万5511キログラム,平成28年度は4万8399キログラム)を差し引いても,福知山学園から委託を受けて収集運搬した廃棄物全体の量(甲19の2) を超える部分を家庭ごみと申告している可能性が高く,かかる事実からも,事 業ごみであることを認識しながら家庭ごみと虚偽の申告をしていた事実が推認される。以上より,本件事業者は,本件搬入ごみが全て事業ごみであったにもかかわらず,家庭ごみであるとの虚偽の申告をして本件施設に搬入し,市に手数料差額相当額の損害を被らせたものであるから,市に対する不法行為が成立し,こ れにより市が被った損害について賠償する責任を負う。5 争点3(本件職員らが,本件事業者から事業ごみとしての手数料徴収を違法に怠ったか)について本件職員ら(C及びEを除く。以下同じ)が,本件事業者が家庭ごみと偽って事業ごみを搬入している事実(以下「本件不正事実」という。)を認識してい たか否かについて原告は,① 許可業者のうち家庭ごみを本件施設に搬入しているのが本件事業者のみであったこと,② 本件施設の職員が,上司から,本件事業者が搬入する廃棄物についてのみ家庭ごみとして受け入れるよう指示を受けていたことなどを根拠として,本件職員らが本件不正事実を認識していたと主張する。 じ)が,本件事業者が家庭ごみと偽って事業ごみを搬入している事実(以下「本件不正事実」という。)を認識してい たか否かについて原告は,① 許可業者のうち家庭ごみを本件施設に搬入しているのが本件事業者のみであったこと,② 本件施設の職員が,上司から,本件事業者が搬入する廃棄物についてのみ家庭ごみとして受け入れるよう指示を受けていたことなどを根拠として,本件職員らが本件不正事実を認識していたと主張する。しかしながら,上記①については,平成13年運用の下では,許可業者が居住系福祉施設から委託を受けた生活ごみを家庭ごみとして本件施設に搬入する可能性も排斥されていなかったから,家庭ごみを本件施設に搬入 しかしながら,上記①については,平成13年運用の下では,許可業者が居住系福祉施設から委託を受けた生活ごみを家庭ごみとして本件施設に搬入する可能性も排斥されていなかったから,家庭ごみを本件施設に搬入していた許可業者が本件事業者のみであることを本件職員らが認識したとしても,そのことから直ちに本件不正事実の認識に結びつくとはいえない。また,上記②につ いては,本件事業者が搬入する廃棄物についてのみ家庭ごみとして受け入れるよう上司から部下に指示がされていた旨のFの供述は,これを裏付ける客観的な証拠がなく,そのとおりに採用することができない。なお,イのとおり,Fが平成27年2月及び平成29年3月に,B次長等に対し,本件事業者に不正の疑いがある旨を指摘した事実は認められ るけれども,明確な証拠が示されていたわけではないから,上記指摘があった ことのみから直ちに,本件職員らが本件不正事実を認識したと認めることはできない。その他,本件職員らが,本件事業者による本件不正事実を認識しながら,あえて事業ごみとしての手数料を徴収せずに放置したとの事実を認めるに足りる証拠はない。本件職員らが本件事業者の自主申告により事業ごみとしての手数料徴収を行わなかったことが違法かについてア庭ごみに当たる場合は,許可業者にその旨を申告させ,その申告に基づいて家庭ごみとして処理する取扱いをしていたものと認められる。本件条例は, 市が徴収すべき手数料について,事業ごみと家庭ごみとに区別して定めていついては具体的な定めがなく,市の裁量に委ねられていたものと解される。そして,一般に,搬入された廃棄物が事業ごみであるか家庭ごみであるかを外観等から判別することは困難であって,搬入者の申告によらざるを得ない る場合は,許可業者にその旨を申告させ,その申告に基づいて家庭ごみとして処理する取扱いをしていたものと認められる。本件条例は, 市が徴収すべき手数料について,事業ごみと家庭ごみとに区別して定めていついては具体的な定めがなく,市の裁量に委ねられていたものと解される。そして,一般に,搬入された廃棄物が事業ごみであるか家庭ごみであるかを外観等から判別することは困難であって,搬入者の申告によらざるを得ない と考えられ 市の裁量に委ねられていたものと解される。そして,一般に,搬入された廃棄物が事業ごみであるか家庭ごみであるかを外観等から判別することは困難であって,搬入者の申告によらざるを得ない と考えられること,日々大量の廃棄物が搬入される本件施設において,家庭ごみと申告された廃棄物が間違いなく家庭ごみに該当するか否かをその都度調査確認しなければならないとすれば,煩に絶えず,かつ,結局は調査自体も申告によらざるを得ないと考えられることなどを勘案すると,本件施設において,許可業者が搬入した廃棄物が事業ごみであるか家庭ごみであるか を自主申告によって区別することには相応の合理性があり,このような取扱いをすることが裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものとして違法であるとはいえない。したがって,本件施設において,市が許可業者からの自主申告によって事業ごみと家庭ごみとを区別する取扱いをしていたことは違法ではないから, 本件職員らが本件事業者の自己申告に基づいて処理したことが違法である とはいえない。イ原告は,本件職員らが本件事業者による本件不正事実を容易に知り得たにもかかわらず,本件事業者が家庭ごみとして申告した際に確認することなく受け入れたことが違法であるとも主張する。しかしながら,本件事業者による本件不正事実は,本件事業者が居住系福 祉施設以外の事業所とも委託契約を締結していることや,各委託契約の内容,本件事業者が搬入している家庭ごみの占める割合といった諸々の情報を総合して初めて認識し得るものであるところ,本件職員らがこれらの情報を全て把握していたとの事実は認められないから,本件職員らにおいて本件事業者による本件不正事実を容易に認識し得たとはいえない。ウ原告は,また,Fによる指摘 ころ,本件職員らがこれらの情報を全て把握していたとの事実は認められないから,本件職員らにおいて本件事業者による本件不正事実を容易に認識し得たとはいえない。 る割合といった諸々の情報を総合して初めて認識し得るものであるところ,本件職員らがこれらの情報を全て把握していたとの事実は認められないから,本件職員らにおいて本件事業者による本件不正事実を容易に認識し得たとはいえない。ウ原告は,また,Fによる指摘 ころ,本件職員らがこれらの情報を全て把握していたとの事実は認められないから,本件職員らにおいて本件事業者による本件不正事実を容易に認識し得たとはいえない。ウ原告は,また,Fによる指摘の後に本件職員らが是正措置を講じなかったことが違法であるとも主張するが,システム更新直後の平成27年2月にFから本件事業者について不正の可能性が指摘されたとしても,明確な証拠が示されていたわけではないから,この時点でB次長が本件不正事実を認識できたとは認められず,直ちに具体的な調査等を行わなかったことが違法であ るとはいえない。また,平成26年8月頃以降,市において居住系福祉施設から排出される廃棄物の取扱いについて平成13年運用の変更を検討しておりが搬入するごみの取扱いもこれと関係することから(平成13年運用が変更され,居住系福祉施設から排出される生活ごみも全て事業ごみとして取り扱われることになれば,本件事業者が居住 系福祉施設から排出されたごみを家庭ごみとして申告すること自体が想定されなくなる。),運用変更の検討を先行させることとし,この時点で直ちに本件事業者による不正の有無の調査等の対応をとらなかったという被告の主張にも相応の理由がある。なお,平成29年3月にFが重ねて指摘したとの主張については,それ以降の本件職員らの対応は平成27年度及び平成2 8年度に発生した損害と関連性がなく,本件で問題となっている不法行為を 構成しない。エ以上より,本件職員らが,本件事業者の自主申告に基づき家庭ごみとして処理したことが違法であるとはいえない。よって,争点3についての原告の主張は,理由がない。6 争点4(市に生じた損害額)について 前記4のとおり,本件事業者の行為は市に対する不法 ことが違法であるとはいえない。よって,争点3についての原告の主張は,理由がない。6 争点4(市に生じた損害額)について 前記4のとおり,本件事業者の行為は市に対する不法行為を構成するところ,同不法行為により,市は,本件事業者が平成27年度及び平成28年度に家庭ごみと申告して本件施設に搬入した廃棄物の分量を基に事業ごみの手数料で計算した金額(平成27年度は474万9440円,平成28年度は510万2450円)と,実際に支払われた金額(平成27年度は233万4200円, がない。6 争点4(市に生じた損害額)について 前記4のとおり,本件事業者の行為は市に対する不法行為を構成するところ,同不法行為により,市は,本件事業者が平成27年度及び平成28年度に家庭ごみと申告して本件施設に搬入した廃棄物の分量を基に事業ごみの手数料で計算した金額(平成27年度は474万9440円,平成28年度は510万2450円)と,実際に支払われた金額(平成27年度は233万4200円, 平成28年度は250万6800円)との差額分の損害を被っており,その額は,平成27年度が241万5240円,平成28年度が259万5650円の合計501万0890円)。被告は,上記損害額から,被告が本件事業者から不当利得として返還を受けた金額を損害の填補として差し引くべきであると主張するため,この点につい て検討する。前記1(5)に認定したとおり,市は,本件事業者との間で廃棄物収集運搬業務委託契約を締結し,本件事業者に対し,事業ごみとして処分するために必要な手数料相当額を支払っていたにもかかわらず,本件事業者が,市から委託を受けて収集・運搬した廃棄物を家庭ごみと申告して処分していたことが判明し たなどとして,市から受領した委託手数料のうち事業ごみとしての手数料と家庭ごみとしての手数料との差額を不当利得として返還請求し,本件事業者からその支払を受けたことが認められる。しかしながら,上記手数料差額の支払は,本件施設を運営する主体としての市が,本件事業者に対し,本件施設において支払われるべきであった事業ごみ としての手数料と虚偽申告による家庭ごみとしての手数料との差額の支払を 請求し 施設を運営する主体としての市が,本件事業者に対し,本件施設において支払われるべきであった事業ごみ としての手数料と虚偽申告による家庭ごみとしての手数料との差額の支払を 請求し,これに応じて支払われたものではなく,市が,本件事業者との間の廃棄物収集運搬業務委託契約の委託者としての立場で,委託手数料が過払であったと主張して差額の支払を本件事業者に請求し,本件事業者がこれに応じて支払ったものであって,たまたま上記委託契約の委託者と本件施設の運営主体がいずれも市であったというにすぎないから,上記手数料差額の支払をもって当 然に,本件事業者の上記不法行為(虚偽申告)により市が被った手数料差額相当額の損害が填補されたとみることはできない。 の廃棄物収集運搬業務委託契約の委託者としての立場で,委託手数料が過払であったと主張して差額の支払を本件事業者に請求し,本件事業者がこれに応じて支払ったものであって,たまたま上記委託契約の委託者と本件施設の運営主体がいずれも市であったというにすぎないから,上記手数料差額の支払をもって当 然に,本件事業者の上記不法行為(虚偽申告)により市が被った手数料差額相当額の損害が填補されたとみることはできない。したがって,争点4についての被告の主張は,理由がない。7 小括(本件事業者に対する損害賠償請求権の不行使について)以上より,本件事業者について市に対する不法行為が成立し,市は,本件事業 者に対して不法行為に基づき501万0890円の損害賠償請求権を有しているところ,前記1に認定した事実経緯に照らせば,市長である被告において,客観的に見て不法行為の成立を認定するに足りる証拠資料を入手し得たものと認められ,上記請求権を行使しないことに合理的な理由があるとはいえないから,被告が本件事業者に対する上記請求権を行使しないことは違法な怠る事実に当 たる。8 まとめ以上によれば,本件訴えのうち,C参事及びE次長補佐に対する損害賠償請求を求める部分は不適法であり,A室長及びB次長に対して損害賠償請求をするよう求める原告の請求は理由がなく,怠る事実に係る相手方である本件事業者に対 して損害賠償請求をするよう求める原告の請求は,501万0890円の損害賠償 長及びB次長に対して損害賠償請求をするよう求める原告の請求は理由がなく,怠る事実に係る相手方である本件事業者に対 して損害賠償請求をするよう求める原告の請求は,501万0890円の損害賠償請求を求める限度で理由があり,その余の請求は理由がない。第4 結語以上の次第で,本件訴えのうち,C参事及びE次長補佐に対する損害賠償請求を求める部分は不適法であるから,これらをいずれも却下することとし,原告の その余の請求は,本件事業者に対して501万0890円の損害賠償を請求する よう求める限度で理由があるから,その限度でこれを認容し,その余の請求は理由がないから,これらをいずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。京都地方裁判所第3民事部 裁判長裁判官増森珠美 裁判官佐藤彩香 裁判官牛島賢 別紙関係法令第1 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。 下することとし,原告の その余の請求は,本件事業者に対して501万0890円の損害賠償を請求する よう求める限度で理由があるから,その限度でこれを認容し,その余の請求は理由がないから,これらをいずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。京都地方裁判所第3民事部 裁判長裁判官増森珠美 裁判官佐藤彩香 裁判官牛島賢 別紙関係法令第1 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。) 1 2条2項この法律において「一般廃棄物」とは,産業廃棄物以外の廃棄物をいう。2 6条1項市町村は,当該市町村の区域内の一般廃棄物の処理に関する計画(以下「一般廃棄物処理計画」という。)を定めなければならない。3 7条1項(一般廃棄物処理業)一般廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は,当該業を行おうと する区域(運搬のみを業として行う場合にあつては,一般廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する市町村長の許可を受けなければならない。ただし,事業者(自らその一般廃棄物を運搬する場合に限る。),専ら再生利用の目的となる一般廃棄物のみの収集又 ,一般廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する市町村長の許可を受けなければならない。ただし,事業者(自らその一般廃棄物を運搬する場合に限る。),専ら再生利用の目的となる一般廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者その他環境省令で定める者については,この限りでない。第2 福知山市廃棄物の処理及び清掃に関する条例 1 2条柱書この条例において次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるとこ ろによる。5号事業者本市において物の生産又はサービスの提供等を事業として行うすべてのものをいう。6号 事業系一般廃棄物事業者がその事業活動に伴って生じた一般廃棄物をいう。7号家庭系一般廃棄物家庭の日常生活によって生じた一般廃棄物をいう。2 8条の2 市民は,自ら処分しない家庭系一般廃棄物をごみ集積場に搬出するときは,分別を徹底し,市長が指定する袋(以下「指定ごみ袋」という。)に収納し,又は市長が指示する方法により,定期の収集日時に所定のごみ集積場に搬出しなければならない。3 9条1項 市長は,一般廃棄物(8条の2の規定により,市長が指示する方法により搬出される家庭系一般廃棄物を除く。)の収集,運搬及び処分に関し手数料を徴収するものとし,その額は,別表第1のとおりとする。 一般廃棄物をごみ集積場に搬出するときは,分別を徹底し,市長が指定する袋(以下「指定ごみ袋」という。)に収納し,又は市長が指示する方法により,定期の収集日時に所定のごみ集積場に搬出しなければならない。3 9条1項 市長は,一般廃棄物(8条の2の規定により,市長が指示する方法により搬出される家庭系一般廃棄物を除く。)の収集,運搬及び処分に関し手数料を徴収するものとし,その額は,別表第1のとおりとする。4 別表第1(抜粋)種別区分手数料その他の一般廃棄物事業系一般廃棄物市の処理施設に搬入し,処分を委託するとき1回につき20キログラムまでごとに410円家庭系一般廃棄物市の処理施設に搬入し,処分を委託するとき(指定ごみ袋で搬入するときを除く。)1回につき20キロ 分を委託するとき1回につき20キログラムまでごとに410円家庭系一般廃棄物市の処理施設に搬入し,処分を委託するとき(指定ごみ袋で搬入するときを除く。)1回につき20キログラムまでごとに200円占有者等が粗大ごみ若しくは一時的多量ごみ又は家庭で飼養されていた動物の死体の収集運搬及び処分を委託するとき1回につき基本料 1020円20キログラムまでごとに 510円 第3 福知山市職員職名規則(甲11) 1 第3条1項部,室,課,支所,所,係又はこれらに準ずる機関の長その他管理の職にあるものについては,別表第1の左欄に掲げる補職名を置き,同表右欄に掲げる職員をもってこれに充てる。2 別表第1(第3条関係)抜粋補職名職名部長職員課長補佐上記に同じ次長補佐上記に同じ 第4 福知山市事務決裁規程(平成4年3月10日訓令甲第8号)(甲14) 1 1条この規定は,別に定めるもののほか,市長の権限に属する事務の決裁区分及 び手続を定めることにより,事務の遂行の責任体制の確立と事務の組織的かつ能率的な処理を図ることを目的とする。2 2条1号(決裁)市長がその権限に属する事務の管理執行について意思を決定し,又は職員が市長から与えられた専決権に基づき,その職務権限に属する事務の管理執行に ついて意思決定をすることをいう。3 2条2号(専決)市長の権限に属する事務について,この規程に定める者が決裁することをいう。4 5条 この規程に基づいてなされた専決及び代決は,市長の決裁と同一の効力を有する。5 16条の2(環境政策室長の専 この規程に定める者が決裁することをいう。 事務の管理執行について意思を決定し,又は職員が市長から与えられた専決権に基づき,その職務権限に属する事務の管理執行に ついて意思決定をすることをいう。3 2条2号(専決)市長の権限に属する事務について,この規程に定める者が決裁することをいう。4 5条 この規程に基づいてなされた専決及び代決は,市長の決裁と同一の効力を有する。5 16条の2(環境政策室長の専 この規程に定める者が決裁することをいう。4 5条 この規程に基づいてなされた専決及び代決は,市長の決裁と同一の効力を有する。5 16条の2(環境政策室長の専決事項)柱書環境政策室長は,次の事項を専決することができる。2号一般廃棄物処理の計画決定に関すること。4号廃棄物の搬入許可に関すること。6号一般廃棄物処理業の許可に関すること。6 31条の3(環境政策室次長の専決事項) 柱書き環境政策室次長は,次の事項を専決することができる。2号一般廃棄物の処理に関すること。第5 管理職員等の範囲を定める規則(乙23) 1 2条管理職員等は,別表左欄に掲げる機関についてそれぞれ同表の右欄に掲げる職を有する者又は当該欄に掲げる職員とする。2 別表(抜粋) 機関職又は職員市長部局部長,理事,室長(部長及び次長相当職),次長(次長及び課長相当職),課長,支所長,副支所長,参事(課長相当職)企画課,秘書課,総務課,職員課及財政課の課長補佐(以下略)以上

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