平成20(わ)24 建造物侵入,強盗致傷,窃盗

裁判年月日・裁判所
平成20年7月28日 大分地方裁判所
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判決文本文2,754 文字)

主文 被告人Aを懲役8年に,同Bを懲役5年に処する。 被告人両名に対し,未決勾留日数中各120日をそれぞれその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)第1被告人A及び同Bは,C,D及びEと共謀の上,C,D及びEにおいて,金品を強取する目的で,平成19年12月10日午後5時10分ころ,甲工業株式会社代表取締役F(当時69歳)が看守する大分市大字永興142番地の5所在の甲ビル2階の同会社事務所に無施錠の玄関ドアを開けて侵入し,そのころから同日午後5時20分ころまでの間,同所において,上記Fに対し,こもごも,同人の身体を床に押さえ付け,顔面に布粘着テープを巻き付け,両手両足を結束バンド及び電気コードで緊縛し,胸部を足蹴にするなどの暴行を加えて,その反抗を抑圧した上,同人所有又は管理に係る現金約200万円,財布等4点(時価合計約11万円相当)及び上記事務所前に駐車中の普通乗用自動車に積載されていた同人所有の指輪等3点(時価合計約1000万円相当)を強取し,その際,同人に加療約5日間を要する右胸部打撲,下口唇挫創の傷害を負わせた。 第2被告人Aは,Eと共謀の上, 平成20年1月4日ころ,福岡県春日市内所在のG店東側駐車場に駐車中の普通乗用自動車からH所有のナンバープレート(佐賀○○○ち○○○○号)1枚を窃取し, 同日ころ,福岡市南区所在のI団地南側敷地に駐車中の普通乗用自動車からJ所有のナンバープレート(福岡○○○む○○○○号)2枚を窃取した。 (証拠の標目)省略(被告人Aにつき累犯前科)省略 (量刑の理由) 事案の概要本件は,(1)被告人両名及び共犯者ら3名が,共謀の上,金融業者の事務所に侵入し,同事務所経営者の両手両足を緊縛するなどの暴行を加え,現金及び宝石等を強取し,上記暴行により傷害を負わせたという 概要本件は,(1)被告人両名及び共犯者ら3名が,共謀の上,金融業者の事務所に侵入し,同事務所経営者の両手両足を緊縛するなどの暴行を加え,現金及び宝石等を強取し,上記暴行により傷害を負わせたという建造物侵入,強盗致傷の事案と,(2)被告人Aが,共犯者と共謀の上,2回にわたって普通乗用自動車のナンバープレートを窃取したという窃盗の各事案である。 被告人両名に共通の事情上記(1)につき,被告人両名は,いずれも金欲しさから本件犯行を行ったものであって,利欲的かつ自己中心的な動機に酌量の余地はない。本件は,犯行に先立ち,ガムテープや結束バンド等を準備したり,下見をし,役割分担をした上で犯行に及ぶなど周到に準備された組織的かつ計画的犯行であり,被害者が事務所に一人でいるところを狙って共犯者ら3名が事務所に侵入し,胸部を足蹴にした上,被害者の顔面にガムテープを巻き付け,目と口を塞いだり,結束バンド等で手足を緊縛して金品を強奪したもので,犯行態様は極めて悪質である。被害は合計約1200万円相当と高額である上,被害者が負傷しており,結果は重大であるところ,現金被害約200万円については,費消されており,弁償の目処も立っていない。また,上記のような暴行を受けた被害者の苦痛や恐怖は想像に難くなく,処罰感情が強いのも当然である。 他方,被害者の負傷の程度は幸いにも比較的軽傷にとどまっている。また,指輪等の物品については,捜査官により発見され,押収されている。 被告人Aについて上記(1)の犯行は,被告人Aの一方的な指示に基づく犯行ではないが,被告人Aは,被害者の車への車上狙いを計画して共犯者らを引き込み,結局その流れの中で本件犯行が敢行されていること,犯行準備や実行方法等を指示し,必要な費用等を提供するなどしていること,分け前の合意については,被告人 者の車への車上狙いを計画して共犯者らを引き込み,結局その流れの中で本件犯行が敢行されていること,犯行準備や実行方法等を指示し,必要な費用等を提供するなどしていること,分け前の合意については,被告人の供述と共犯 者らの供述とが齟齬しているが,被告人の公判廷における供述を前提としても,被告人が行うイベント事業のための資金500万円を差し引いてから分配するつもりであったというのであるから,いずれにしても被告人Aが他の共犯者らよりも多額の分け前を得る予定であったことなどからすると,被告人Aが一貫して主導的な立場にあったことが認められる。 しかも,被告人Aは,上記(1)の犯行後,共犯者の一人とともに,新たな強盗事件を行うことを企て,偽造ナンバープレートを作るために上記(2)の犯行に及んだというのであるから,その犯情は悪質である。 また,被告人Aは,累犯前科となる窃盗罪で懲役4年に処せられたにもかかわらず,平成17年10月に出所するや暴力団に加入し,出所から2年余りで本件各犯行に及んでいるのであって,規範意識の欠如が明らかである。 以上によれば,被告人Aの刑事責任は相当に重い。 そうすると,上記(1)の犯行における被告人Aの分け前がコピー商品の時計1個であること,同人が本件各犯行を認め反省の弁を述べていること,内縁の妻が当公判廷において被告人Aの更生を支援する旨述べていることなどの酌むべき事情を考慮しても,被告人Aに対しては,主文の刑を科すのが相当である。 被告人Bについて被告人Bは,上記(1)の犯行において,犯行を主導したものではなく,実行行為も行っていないものの,実行方法や逃走方法について他の共犯者らと協議を行い,犯行当日は見張りと金品の運搬という重要かつ不可欠な役割を担っていたのであるから,関与の程度は決して小さくない。現金の分け前も,他 ていないものの,実行方法や逃走方法について他の共犯者らと協議を行い,犯行当日は見張りと金品の運搬という重要かつ不可欠な役割を担っていたのであるから,関与の程度は決して小さくない。現金の分け前も,他の実行行為者らと異なるところがない。以上によれば,被告人Bの刑事責任も重いというべきである。 しかしながら,犯行を主導せず,実行行為も行っていないということは,被告人Aを除く他の共犯者らと比べてもやはりその犯情は若干軽い。また,被告人Bが犯行を認め反省の弁を述べていること,罰金前科1犯と前歴があるのみである こと,内縁の妻及び知人が被告人Bの更生を支援する旨述べていることなどの酌むべき事情も認められる。 そこで,以上の事情を総合考慮し,被告人Bに対しては,酌量減軽の上,主文の刑を科すこととする。 (求刑被告人Aにつき懲役10年,被告人Bにつき懲役6年)平成20年7月28日大分地方裁判所刑事部裁判長裁判官宮本孝文裁判官中島崇裁判官大黒淳子

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