主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1控訴の趣旨 原判決を取り消す。 被控訴人の請求を棄却する。 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。 第2事案の概要 本件は,被控訴人が,処分行政庁である外務大臣に対し,原判決別紙請求文書目録記載の文書(以下「本件文書」という。)の開示を請求したところ,外務大臣が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」という。)8条に基づき,本件文書の存否を明らかにしないで,開示をしない旨の決定(以下「本件処分」という。)をしたことから,被控訴人がその取消しを求めた事案である。 原審は,本件処分は違法であるとして被控訴人の請求を認容したので,控訴人がこれを不服として控訴した。 前提事実,争点及びこれに関する当事者の主張は,次のとおり付加するほか,原判決の「事実及び理由」第2の1,2及び第3の1に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1)原判決3頁7行目の「同項6号」を「6号」と,11行目の「本件開示請求までの経緯」を「本件開示請求に関連する経緯」とそれぞれ改め,4頁19行目末尾の次に改行して次のとおり加える。 「オ本件議員は,平成12年2月当時,民主党に所属し,平成11年7月23日現在,参議院外交防衛委員会,決算委員会,金融問題及び経済活性化に関する特別委員会並びに日米防衛協力のための指針に関する特別 委員会に所属していたところ,平成12年2月2日から同月6日まで,「NationalPrayerBreakfast」(米国連邦議会主催による恒例の祈祷朝食会)への出席を渡航目的として米国を訪問した(甲3,乙7,8)。 米国訪問中の予定は,次のとおりとされていた(甲3,5)。 2月2日米国到着 reakfast」(米国連邦議会主催による恒例の祈祷朝食会)への出席を渡航目的として米国を訪問した(甲3,乙7,8)。 米国訪問中の予定は,次のとおりとされていた(甲3,5)。 2月2日米国到着3日祈祷朝食会出席,コニー・マック上院議員(共和党所属),トニー・ホール下院議員(民主党所属),P1北朝鮮人権問題担当特別補佐官,外交評議会関係者等と順次会見4日エイジアン・ブレックファストに出席,P2財団中国担当上席政策アナリスト,P3・P4オフィス所長,大学教授,P5P6P7部長等と順次会見,在米日本国大使館P8公使及びP9公使と懇談,P10参事官主催夕食会(本件夕食会)に出席5日予定不明6日帰国」(2)当審における当事者の主張の要旨(控訴人)本件文書は,仮に存在するとすれば,特定の時期及び場所において特定の国会議員と外務省在外公館職員との会合が実際に行われたことを明らかにする支出証明書である。その会合が,公にしないことを前提とする会合であった場合,本件文書の存在を明らかにすると,会合の存在が外交交渉の相手国に知れ,同国との信頼関係が損なわれ,ひいては,国の事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれが生ずる。 原判決は,当該会合が公にしても差し支えないものであった可能性があり,本件文書に含まれる情報を考慮しても,他国との信頼関係が損なわれるおそれなどないと判断したようであるが,情報公開法5条3号のおそれ の判断には,行政機関の長に第1次的な判断権が認められ,本件においても,存否応答拒否をしなければ他国との信頼関係が損なわれるなどのおそれがあると認めた外務大臣の判断は尊重されなければならない。 本件のように特定の者を名指しした特定の時期及び場所における会合の支出関係文書の開示請求がされた場合,仮に当該会合が公にしても るなどのおそれがあると認めた外務大臣の判断は尊重されなければならない。 本件のように特定の者を名指しした特定の時期及び場所における会合の支出関係文書の開示請求がされた場合,仮に当該会合が公にしても差し支えないものならばその存在を認めて開示請求に応じなければならないとすると,そのような開示請求を繰り返すことにより,結局,公にしないことを前提とする会合の存在がいわばあぶり出され,これを明らかにしたも同然となるから,当該会合が公にしないことを前提とするものか否かにかかわらず,上記請求に対しては存否応答拒否をせざるを得ない。 被控訴人は,本件後の平成14年度からは国会議員に対する便宜供与の経費に関する支出決裁文書がすべて開示されるようになったから,国会議員に対する便宜供与情報が国家機密であるはずはないなどと主張するが,国会議員と外務省在外公館職員との公にしないことを前提とする会合については,同年以降,在外公館の経費を支出しない形で実施されることとなったのであり,会合の秘匿性に何ら変わりはないし,その経費が便宜供与として庁費から支出されて開示請求に対して開示されるようになったということではない。 (被控訴人)平成14年度からは国会議員に対する便宜供与の経費に関する支出決裁文書がすべて開示されるようになったが,これは,当該文書の秘匿性の性質やその有無によるものではなく,当該経費の支出科目が報償費から庁費に変わったことによるものである。 控訴人は,国会議員と外務省在外公館職員との会合につき,「公にする公にしない」の2分法を前提とする主張をするが,同主張は,単なる言い抜けであり,別件訴訟でも排斥された無効な主張である。 第3当裁判所の判断 当裁判所も,本件処分は違法であり,被控訴人の請求は理由があると判断する。その理由は,次のとおり付加訂 ,単なる言い抜けであり,別件訴訟でも排斥された無効な主張である。 第3当裁判所の判断 当裁判所も,本件処分は違法であり,被控訴人の請求は理由があると判断する。その理由は,次のとおり付加訂正するほか,原判決の理由説示(「第3争点に対する判断」2)のとおりであるから,これを引用する。 (1)原判決8頁6行目末尾の次に「すなわち,国会議員と在外公館職員との会合には,これに飲食を伴っているか否かにかかわらず,公にすることを前提とするものとそうでないものとが混在しているものと認めることができる。 」を加え,9行目の「回答すること」を「回答し,会合の存在自体が明らかになったとしても,その内容を明らかにしない限り,それが公にすることを前提とするものか否かが明らかになるとは認め難いから,上記の存否を回答すること」と改める。 (2)原判決8頁26行目の「主張するが」の次に「,本件開示請求に係る本件文書のような支出関係文書については,その文書自体から会合の内容が明らかになることは通常は想定し難く(控訴人も,この点については,本件文書の体裁や記載事項等から会合の内容が明らかになる等の具体的な主張立証をしていない。),仮にこれを開示しないこととする場合,その不開示理由は会合の内容ではなくそれ以外の事由によるものと考えられるから,不開示処分の理由中において,当該会合が公にしないことを前提としてされたものであることを具体的に説明せざるを得なくなるとは認め難い。また,控訴人は,本件のように特定の者を名指しした特定の時期及び場所における会合の支出関係文書の開示請求がされた場合,仮に当該会合が公にしても差し支えないものならばその存在を認めて開示請求に応じなければならないとすると,開示請求を繰り返すことにより,結局,公にしないことを前提とする会合の存在がい 求がされた場合,仮に当該会合が公にしても差し支えないものならばその存在を認めて開示請求に応じなければならないとすると,開示請求を繰り返すことにより,結局,公にしないことを前提とする会合の存在がいわばあぶり出され,これを明らかにしたも同然となると主張するが,上記のように,この種の支出関係文書を開示するか不開示とするかは,会合の内容が公にすることを前提とするものか否かとは異なった理由に基づくこ とになると考えられるのであるから,控訴人の上記主張はその前提を欠き,仮に特定の国会議員を名指しした開示請求を繰り返しても,公にしないことを前提とする会合の存在がいわばあぶり出されるとも認め難い。加えて」(3)原判決9頁4行目冒頭から15行目末尾までを削り,23行目末尾の次に改行して次のとおり加える。 「(ウ)前記のとおり,情報公開法上,行政機関の長は,開示請求を拒否するときは,開示請求に係る行政文書の存否を明らかにした上で拒否することが原則であるから,同法8条に基づき開示請求を拒否するときは,当該拒否決定において,必要にして十分な拒否理由を提示しなければならないものと解される。本件処分において提示された理由は,前記のとおり,本件文書の存否を答えるだけで既に公になっているほかの情報と相まって,個別具体的な外交活動及び事務に関する情報で,同法5条3号及び6号に規定する不開示情報を開示することになるというものであって,具体性を欠く不十分な理由であるといわざるを得ず,また,当該理由を根拠付ける事実の立証があったとも認められないから,同条に基づき本件文書の存否を明らかにしないでされた本件処分は,違法といわざるを得ない。」 よって,被控訴人の請求は理由があり原判決は相当であって,本件控訴は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。 東 存否を明らかにしないでされた本件処分は,違法といわざるを得ない。」 よって,被控訴人の請求は理由があり原判決は相当であって,本件控訴は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第10民事部裁判長裁判官吉戒修一裁判官藤山雅行 裁判官野口忠彦
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