令和2年6月11日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成31年(ワ)第7178号損害賠償請求事件口頭弁論終結日令和2年2月20日判決 原告有限会社PXZ 同訴訟代理人弁護士佐藤治隆鷹見雅和同訴訟代理人弁理士森 哲也 同補佐人弁理士田中秀喆 被告東日本高速道路株式会社 同訴訟代理人弁護士山上芳和 藤井圭子笹岡優隆同訴訟代理人弁理士齋藤晴男同補佐人弁理士齋藤貴広 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求被告は,原告に対し,1000万円及びこれに対する平成31年4月2日か ら支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,車両誘導システムの各特許に係る特許権者である原告が,被告の使用に係る各システムは,いずれも上記特許に係る特許請求の範囲に記載された構成を充足するものであり,その特許発明の技術的範囲に属するものであるから上記特許権を侵害するものである旨主張して,被告に対し,不法行為による 損害賠償請求として,民法709条及び特許法102条3項に基づき,又は不当利得返還請求として,民法703条に基づき,損害賠償金又は不当利得金とし のである旨主張して,被告に対し,不法行為による 損害賠償請求として,民法709条及び特許法102条3項に基づき,又は不当利得返還請求として,民法703条に基づき,損害賠償金又は不当利得金として1000万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成31年4月2日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 1 前提事実(証拠等を掲げた事実以外は,当事者間に争いがない。なお,以下,枝番号の記載を省略したものは,枝番号を含む。)(1) 本件特許ア原告は,発明の名称を「車両誘導システム」とする特許権(特許第6159845号。請求項の数は2である。以下,この特許を「本件特許1」 という。)の特許権者である。訴外甲(以下「甲」という。)は,本件特許1につき,平成28年4月4日に特許出願をし(原出願日は平成16年9月13日である。),平成29年6月16日にその設定登録を受けたところ,上記特許権については,平成30年3月14日を受付日として,原告に対し,特定承継による本権の移転を原因とする特許権移転登録がされた。 イまた,原告は,発明の名称を「車両誘導システム」とする特許権(特許第5769141号。請求項の数は2である。以下,この特許を「本件特許2」という。)の特許権者である。甲は,本件特許2につき,平成26年4月23日に特許出願をし(原出願日は平成16年9月13日である。),平成27年7月3日にその設定登録を受けたところ,上記特許権について は,平成30年3月14日を受付日として,原告に対し,特定承継による 本権の移転を原因とする特許権移転登録がされた。 (2) 本件各発明ア本件特許1に係る特許請求の範囲の請求項1及び2の記載は,別紙特 受付日として,原告に対し,特定承継による 本権の移転を原因とする特許権移転登録がされた。 (2) 本件各発明ア本件特許1に係る特許請求の範囲の請求項1及び2の記載は,別紙特許公報(特許第6159845号)の該当部分に記載されたとおりである(そのうち請求項1の記載を,以下「本件特許請求の範囲1-1」といい,こ れに係る発明を「本件発明1-1」といい,請求項2の記載を,「本件特許請求の範囲1-2」といい,これに係る発明を「本件発明1-2」という。)。 イ本件特許2に係る特許請求の範囲の請求項1及び2の記載は,別紙特許公報(特許第5769141号)の該当部分に記載されたとおりである(そのうち請求項1の記載を,以下「本件特許請求の範囲2-1」といい,こ れに係る発明を「本件発明2-1」といい,請求項2の記載を,「本件特許請求の範囲2-2」といい,これに係る発明を「本件発明2-2」という。 なお,ア,イの各請求項の記載を,併せて「本件各特許請求の範囲」といい,これに係る発明を,併せて「本件各発明」という。)。 (3) 構成要件の分説 ア本件発明1-1,1-2を構成要件に分説すると,次のとおりである(以下,分説した構成要件をそれぞれの符号に従い「構成要件A1」などのようにいう。本件発明1-1(請求項1)は,構成要件A1ないしJ1であり,本件発明1-2(請求項2)は,構成要件K1である。)。 A1 有料道路料金所,サービスエリア又はパーキングエリアに設置され ている,ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステムであって,B1 前記有料道路料金所,サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両を検知する第1の検知手段と,C1 前記 出入口から出入りをする車両を誘導するシステムであって,B1 前記有料道路料金所,サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両を検知する第1の検知手段と,C1 前記第1の検知手段に対応して設置された第1の遮断機と, D1 車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段と, E1 前記通信手段によって受信したデータを認識して,ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段と,F1 前記判定手段により判定した結果に従って,ETCによる料金徴収が可能な車両を,ETCゲートを通って前記有料道路料金所,サービスエリア又はパーキングエリアに入る,または前記有料道路料金所,サー ビスエリア又はパーキングエリアから出るルートへ通じる第1のレーンへ誘導し,ETCによる料金徴収が不可能な車両を,再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する誘導手段と,を備え,G1 前記誘導手段は,前記第1のレーンに設けられた第2の遮断機と, 前記第2のレーンに設けられた第3の遮断機と,を含み,H1 さらに,前記第2の遮断機を通過した車両を検知する第2の検知手段と,前記第3の遮断機を通過した車両を検知する第3の検知手段と,を備え,I1 前記第1の検知手段により車両の進入が検知された場合,前記車両 が通過した後に,前記第1の遮断機を下ろし,前記第2の検知手段により車両の通過が検知された場合,前記車両が通過した後に,前記第2の遮断機を下ろすことを特徴とするJ1 車両誘導システム。 K1 請求項1のシステムにおいて,さらに,前記第3の検知手段により 車両の通過が検知された場合,前記車両が通過した後に,前記第3の遮断機を下ろ J1 車両誘導システム。 K1 請求項1のシステムにおいて,さらに,前記第3の検知手段により 車両の通過が検知された場合,前記車両が通過した後に,前記第3の遮断機を下ろすことを特徴とする車両誘導システム。 イ本件発明2-1,2-2を構成要件に分説すると,次のとおりである(以下,分説した構成要件をそれぞれの符号に従い「構成要件A2」などのようにいう。本件発明2-1(請求項1)は,構成要件A1ないしK2であ り,本件発明2-2(請求項2)は,構成要件L2である。)。 A2 有料道路料金所,サービスエリア又はパーキングエリアに設置されている,ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステムであって,B2 前記有料道路料金所,サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両を検知する第1の検知手段と, C2 前記第1の検知手段に対応して設置された第1の遮断機と,D2 車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段と,E2 前記通信手段によって受信したデータを認識して,ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段と,F2 前記判定手段により判定した結果に従って,ETCによる料金徴収 が可能な車両を,ETCゲートを通って前記有料道路料金所,サービスエリア又はパーキングエリアに入る,または前記有料道路料金所,サービスエリア又はパーキングエリアから出るルートへ通じる第1のレーンへ誘導し,ETCによる料金徴収が不可能な車両を,再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーン へ誘導する誘導手段と,を備え,G2 前記誘導手段は,前記第1のレーンに設けられた第2の遮断機と,前記第2のレーンに設 車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーン へ誘導する誘導手段と,を備え,G2 前記誘導手段は,前記第1のレーンに設けられた第2の遮断機と,前記第2のレーンに設けられた第3の遮断機と,を含み,H2 さらに,前記第2の遮断機を通過した車両を検知する第2の検知手段と,前記第3の遮断機を通過した車両を検知する第3の検知手段と, を備え,I2 さらに,前記ETCゲートを通って前記有料道路料金所,サービスエリア又はパーキングエリアに入った位置または前記有料道路料金所,サービスエリア又はパーキングエリアから出た位置に第4の遮断機と車両を検知する第4の検知手段とを設け,それにより,前記第2の遮断機 と前記第4の遮断機との間に閉鎖空間を形成し, J2 前記第1の検知手段により車両の進入が検知された場合,前記車両が通過した後に,前記第1の遮断機を下ろし,前記第2の検知手段により車両の通過が検知された場合,前記車両が通過した後に,第2の遮断機を下ろし,前記第4の検知手段により車両の通過が検知された場合,該車両が通過した後に,前記第4の遮断機を下ろすことを特徴とする K2 車両誘導システム。 L2 請求項1のシステムにおいて,さらに,前記第3の検知手段により車両の通過が検知された場合,前記車両が通過した後に,第3の遮断機を下ろすことを特徴とする車両誘導システム。 (4) 被告の行為 被告は,平成23年4月28日以降,東北自動車道に設けられた乙サービスエリアにおいてスマートインターチェンジの運用を開始したところ(以下,これを「乙SAスマートIC」という。),乙SAスマートICには,別紙被告システム目録記載の4つのシステムが設けられている(以下,「被 アにおいてスマートインターチェンジの運用を開始したところ(以下,これを「乙SAスマートIC」という。),乙SAスマートICには,別紙被告システム目録記載の4つのシステムが設けられている(以下,「被告システム1」のようにいい,併せて「被告各システム」という。)(弁論の全趣旨)。 2 主な争点(1) 被告システム1ないし4の本件発明1-1,1-2の技術的範囲への属否,被告システム4の本件発明2-1,2-2の技術的範囲への属否(争点1)ア構成要件A1,A2の「車両を誘導するシステム」,構成要件J1,K2 の「車両誘導システム」との文言への充足性(争点1-ア)イ 「第1の検知手段」及び「第1の遮断機」と,「通信手段」との位置関係に関する,構成要件B1,C1,D1,B2,C2,D2への充足性(争点1-イ)ウ構成要件F1,F2の「第2のレーンへ誘導する誘導手段」との文言へ の充足性(争点1-ウ) エ 「遮断機を下ろす」と共に「第1の遮断機」を開く構成に関する,構成要件I1,K1,J2,L2への充足性(争点1-エ)オ構成要件I2の「前記第2の遮断機と前記第4の遮断機との間に閉鎖空間を形成し」との文言への充足性(争点1-オ)(2) 無効理由1(本件各発明の,第1の検知手段,第1の遮断機,通信手段な どに関する明確性要件違反)の有無(争点2)(3) 無効理由2(実開平2-104469号公報(乙35)記載の発明(以下「乙35発明」という。)に基づく進歩性欠如)の有無(争点3)(4) 損害の有無及び額(争点4) 3 争点に関する当事者の主張 (1) 争点1-ア(構成要件A1,A2の「車両を誘導するシステム」,構成要件J1,K2の「車両誘導システム」との (4) 損害の有無及び額(争点4) 3 争点に関する当事者の主張 (1) 争点1-ア(構成要件A1,A2の「車両を誘導するシステム」,構成要件J1,K2の「車両誘導システム」との文言への充足性)【原告の主張】被告各システムは,スマートインターチェンジにおいて,サービスエリアを出入りする車両について,ETCにより料金徴収が可能か否かによって異 なるレーンに誘導するというものであるから,構成要件A1,A2の「車両を誘導するシステム」,構成要件J1,K2の「車両誘導システム」との文言を充足する。 【被告の主張】被告各システムは,実質的には,車種に応じて適正な料金を徴収するため の料金徴収システムであるから,上記各構成要件の文言を充足しない。 (2) 争点1-イ(「第1の検知手段」及び「第1の遮断機」と,「通信手段」との位置関係に関する,構成要件B1,C1,D1,B2,C2,D2への充足性)【原告の主張】 本件各発明においては,「第1の検知手段」及び「第1の遮断機」と「通信 手段」との間には必然的な位置関係が存在するわけではなく,本件各発明の課題は「第2のレーン」を備えていれば解決することができる。また,本件各発明は,第1の遮断機手前で車両が一旦停止するか否かについては何ら特定しておらず,一旦停止する車両の態様を何ら排除するものではない。 【被告の主張】 本件各発明においては,ゲート前アンテナ3は車両検知装置2aと誘導手段との間,すなわち,第1の遮断機1及び車両検知装置2aよりも先に配置されて,第1の遮断機1を通過した走行中の車両に対して,走行状態のまま無線通信を行うものである。これに対し,被告各システムの路側無線装置③は,本件各発明のゲート前アンテナ 検知装置2aよりも先に配置されて,第1の遮断機1を通過した走行中の車両に対して,走行状態のまま無線通信を行うものである。これに対し,被告各システムの路側無線装置③は,本件各発明のゲート前アンテナ3と同様にETCの通信の可否を判定す る機能を有してはいるが,発信制御機①(「第1の遮断機」に相当)の手前に配置されて,発信制御機①の手前に停止している車両に対して無線通信を行うものである。そうすると,本件発明と被告各システムとはその構成や作用を異にしているというべきである。 (3) 争点1-ウ(構成要件F1,F2の「第2のレーンへ誘導する誘導手段」 との文言への充足性)【原告の主張】本件各発明は,全ての作用が人の手を介さずに全自動で行われることに限定しているものではなく,正常通信ができない場合の問題は,再進入レーンを設けることで解決したものであり,人が介在しない全自動化を行っ たことにより解決したものではない。そして,被告各システムは,全てレーンdという再進入レーン(「第2のレーン」に相当)に該当する構成を有しているから,本件発明の課題を解決する手段を構成として有しているといえ,構成要件F1,F2の「第2のレーンへ誘導する誘導手段」との文言を充足する。 【被告の主張】 被告各システムにおいては,無線通信が不能又は不可の場合,レーンd手前の発信制御機⑤の開閉バーは,現場に駐在する係員が操作して開いて車両を退出ルートdに誘導するという方法を採用しており,車両は退出ルートdに自動誘導されるわけではない。すなわち,被告各システムの場合は,再進入レーンがあるにもかかわらず,係員の手を煩わせることとなり, ETCの本来の目的が達成できない状態となる。このように,被告各システムの技術 わけではない。すなわち,被告各システムの場合は,再進入レーンがあるにもかかわらず,係員の手を煩わせることとなり, ETCの本来の目的が達成できない状態となる。このように,被告各システムの技術思想は,本件各発明の技術思想と乖離しており,構成要件F1,F2の「第2のレーンへ誘導する誘導手段」との文言を充足しないこととなる。 (4) 争点1-エ(「遮断機を下ろす」と共に「第1の遮断機」を開く構成に関 する,構成要件I1,K1,J2,L2への充足性)【原告の主張】本件各発明は,第2又は第3の「遮断機を下ろす」と共に「第1の遮断機」を開く構成に限定されるものではない。請求項で何らの特定もしていない事項について,明細書中の実施例の記載をもって不当に限定解釈する ことはできない。 【被告の主張】本件各発明においては,第2の検知手段(車両検知装置2c)により車両の通過が検知された場合や,第3の検知手段(車両検知装置2d)により車両の通過が検知された場合に,第1の遮断機(遮断機1)が開かれる ものであり(段落【0042】),第2又は第3の「遮断機を下ろす」と共に「第1の遮断機」を開く構成を採るものである。他方,被告各システムにおいては,そのような場合であっても,発信制御機①(「第1の遮断機」に相当)の開閉バー等は閉じたままで待機するものである。このような被告各システムは,構成要件I1,K1,J2,L2を充足しない。 (5) 争点1-オ(構成要件I2の「前記第2の遮断機と前記第4の遮断機と の間に閉鎖空間を形成し」との文言への充足性)【原告の主張】被告システム4においても,1台の車両が通過する場合,発進制御機④と発進制御機⑨とで閉鎖空間を形成 断機と の間に閉鎖空間を形成し」との文言への充足性)【原告の主張】被告システム4においても,1台の車両が通過する場合,発進制御機④と発進制御機⑨とで閉鎖空間を形成することは明らかである(甲10,11)。そうすると,被告システム4は,構成要件I2の「前記第2の遮断機 と前記第4の遮断機との間に閉鎖空間を形成し」との文言を充足する。なお,構成要件I2においては,閉鎖空間に1台の車両のみが存在するという構成の特定をしておらず,複数車両の存在に関する被告の指摘等は,同構成要件非充足の理由にはならない。 【被告の主張】 構成要件I2においては,その間に車両1台のみが存在するようにして,追突を防止するところに意味がある。しかるに,被告システム4の場合は,発進制御機④と発進制御機⑨の間の区間は,車両の軸数及び車長等を計測するための区間であるとともに,車両が路側無線装置⑬との間でETC通信を行うために必ず一旦停止する区間であり,また,発信制御機④と発信 制御機⑨の間に車両が存在する場合でも,路側無線装置③で正常な通信が終了した場合は発進制御機④は開くことから,複数車両が存在し得るものであって,追突する可能性がある。このような被告システム4の場合は,構成要件I2における閉鎖空間とは全く技術的意味合いを異にするから,構成要件I2を充足しない。 (6) 争点2(無効理由1(本件各発明の,第1の検知手段,第1の遮断機,通信手段などに関する明確性要件違反)の有無)【被告の主張】本件各発明は,いかなる状況(形状)のレーンに配置されるシステムなのか,また,第1の検知手段,第1の遮断機,通信手段,誘導手段,第2 の検知手段,第3の検知手段,第3の遮断機,第1の遮断機 本件各発明は,いかなる状況(形状)のレーンに配置されるシステムなのか,また,第1の検知手段,第1の遮断機,通信手段,誘導手段,第2 の検知手段,第3の検知手段,第3の遮断機,第1の遮断機を下ろす手段, 第2の遮断機を下ろす手段,第3の遮断機を下ろす手段がそれぞれどの位置に配置され,どのような位置関係にあるのか,さらに,誘導手段がいかなる構成のもので,どのようにして車両を誘導するのかが明確でなく,特許法36条6項2号に規定する明確性の要件を満たしていないものであり,無効なものである。 【原告の主張】被告の上記主張は,争う。本件各発明の,第1の検知手段,第1の遮断機,通信手段などに関しては,請求項の文言自体で明確であり,本件明細書の図3,4,6,7,9,11からも,いかなる状況(形状)のレーンに配置されるシステムであるかは明確であるといえる。なお,そもそも通 信手段と第1の遮断機との間には,必然的な位置関係は存在しない。 (7) 争点3(無効理由2(乙35発明に基づく進歩性欠如)の有無)【被告の主張】本件各発明は,乙35発明に基づいて当業者が容易に想到することができるから,進歩性を欠き無効なものである(特許法29条2項)。 すなわち,本件各発明と乙35発明とは,乙35発明が,本件各発明における,第1の検知手段(車両検知装置2a)に対応して設置される第1の遮断機1に相当する遮断機を備えていない点,第1の検知手段(車両検知装置2a)により車両の進入が検知された場合に,車両が通過した後に,第1の遮断機1を下ろす手段を備えていない点,第2の検知手段(車両検知装置2 c)により車両の進入が検知された場合に,車両が通過した後に,第2の遮断機4-1を下ろす手段を備えてい 過した後に,第1の遮断機1を下ろす手段を備えていない点,第2の検知手段(車両検知装置2 c)により車両の進入が検知された場合に,車両が通過した後に,第2の遮断機4-1を下ろす手段を備えていない点,第2のレーンに設けられる第3の遮断機4-2に相当する遮断機を備えていない点,第3の遮断機4-2を通過した車両を検知する第3の検知手段(車両検知装置2d)に相当する車両検知手段を備えていない点,第3の検知手段(車両検知装置2d)により 車両の通過が検知された場合に,車両が通過した後に,第3の遮断機4-2 を下ろす手段を備えていない点,本件発明2における閉鎖空間に関する構成を備えてない点等において相違するが,これらの点は,当業者においては,乙35発明と課題を共通にする周知技術(乙20,22,36等)を適用することなどにより容易に想到することができるものである。なお,原告は,乙35発明において遮断機17が常時開であることを指摘するが,予め開い ていて適正車両はそのまま通すゲートと,閉じていて適正車両が到来したときに開いて通行を許容するゲートとの間には,格別の差異はないといえる。 【原告の主張】被告の上記主張は,争う。乙35発明において遮断機17を常時開とすることは,他の構成に置換することが不可能な必須の構成であり,逆走車を防 止するという目的を有していないため,当業者が本件各発明の構成に想到するためには,阻害要因が存在するといえる。 (8) 損害の有無及び額(争点4)【原告の主張】被告は,被告システム1ないし3につき平成29年6月16日以降,被 告システム4につき平成27年7月3日以降,これらを使用して通過車両からターミナルチャージ(利用距離に関係なく固定的に徴収される,高速 告システム1ないし3につき平成29年6月16日以降,被 告システム4につき平成27年7月3日以降,これらを使用して通過車両からターミナルチャージ(利用距離に関係なく固定的に徴収される,高速道路の利用1回当たりの利用料)を徴収しており,その合計金額は少なくとも1億円を下らない。そして,被告の本件各発明の実施に対し原告が受けるべき金銭の額は,上記の10%を下らない。そうすると,原告は,被 告に対し,民法709条及び特許法102条3項又は民法703条に基づき,損害賠償又は不当利得金として,少なくとも1000万円を請求できるというべきである。 【被告の主張】原告の上記主張は,争う。 第3 当裁判所の判断 1 本件各発明について(1) 本件各特許請求の範囲は,前記第2の1のとおりであるところ,本件特許の特許出願の願書に添付した各明細書(以下「本件明細書」という。)には,発明の詳細な説明として,次の記載がある(甲2,4)。 ア技術分野 【0001】本発明は車両誘導システムに関し,更に具体的には有料道路の出入口に設置されたETC車用出入口に利用される車両を安全に誘導する車両誘導システムに関する。 【0002】近年,有料道路の料金所にETCシステム(ElectronicTollCollectionSystem:ノンストップ料金自動支払いシステム)が設置される ようになってきた。図1に示すように,ETCシステムは,料金所ゲートに設置した路側アンテナ3,5と,車両14に装着した車載器20との間で無線通信を用いて自動的に通行料金の決済を行ない,料金所をノンストップで通行することができるシステムである。 イ発明が解決しようとする課題 【00 に装着した車載器20との間で無線通信を用いて自動的に通行料金の決済を行ない,料金所をノンストップで通行することができるシステムである。 イ発明が解決しようとする課題 【0006】(中略)現時点では全車両がETCシステム対応車ではないので,有料道路の料金所のレーンには,「ETC専用」と表示されたETC車専用レーンと,「ETC一般」と表示されたETC車も一般車も混在して通れるレーンと,「一般」と表示されたETCシステムを利用出来ないレーンとが混在している。このため,一般車が誤ってETC車専用レーンに進入 する場合が起こり得る。(以下略)【0007】更に,ETC車であっても,その車載器が路側アンテナと正常通信が出来ない場合も起こり得る。例えば,車載器に対するETCカードの未挿入,不完全挿入,直前挿入等の場合である。 【0008】このような場合,開閉バーが下りて進行出来なくなるので, 車両を止めてインターホンで係員を呼び出す必要がある。これにより,料 金所の渋滞が助長され,ETCの本来の目的に沿わなくなる。また,開閉バーが下りて通行を止められた車両が,レーンからバック走行をして出ようとすると,後続の車両と衝突するおそれもあり,非常に危険である。 ウ課題を解決するための手段【0010】従って,本発明は、一般車がETC車用出入口に進入した場 合又はETC車に対してETCシステムが正常に動作しない場合(路側アンテナと車載器の間で通信不能・不可)であっても,車両を安全に誘導する車両誘導システムを提供することを目的とする。 【0011】更に本発明は,ETCシステムを利用した車両誘導システムにおいて,例えば,逆走車の走行を許さず,或いは先行車と後続車の衝突 を回 る車両誘導システムを提供することを目的とする。 【0011】更に本発明は,ETCシステムを利用した車両誘導システムにおいて,例えば,逆走車の走行を許さず,或いは先行車と後続車の衝突 を回避し得る,安全な車両誘導システムを提供することを目的とする。 【0012】上記目的に鑑みて,本発明に係る車両誘導システムは,一般道路と有料道路との間の料金所にETC車用レーンを有するインターチェンジに利用される車両誘導システムであって,路側アンテナと車載器と(ママ)間で通信不能又は通信不可が発生したとき,車両が前記ETC車 用レーンから離脱しえる手段を設けたことを特徴とする。 (判決注:本件特許2の特許出願の願書に添付した明細書には,上記【0012】の記載はないが,これに相当するものとして,同明細書には次の記載がある。)「【0012】(中略)ETCによる料金徴収が不可能な車両を,再度 前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する誘導手段と,を備え,(以下略)」【0013】更に,上述の車両誘導システムにおいて,前記ETC車用レーンから離脱しえる手段は,前記ETC車用レーンから分岐して前記車両が前記料金所へ再進入するレーン又は一般車用レーンへ誘導されるレー ンとすることができる。 【0017】(中略)前記検知手段により車両の進入が検知された場合,遮断機を下ろすことにより,進入した車両のバック走行と後続の車両の進入を防ぐことを特徴とする。 エ発明の効果【0027】本発明によれば,一般車がETC車用出入口に進入した場合 又はETC車に対してETCシステムが正常に動作しない場合であっても,車両を安全に誘導する車両誘導システムを提供することが出来る。 【0 本発明によれば,一般車がETC車用出入口に進入した場合 又はETC車に対してETCシステムが正常に動作しない場合であっても,車両を安全に誘導する車両誘導システムを提供することが出来る。 【0028】更に本発明によれば,ETCシステムを利用した車両誘導システムにおいて,例えば,逆走車の走行を許さず,或いは先行車と後続車の衝突を回避し得る,安全な車両誘導システムを提供することが出来 る。 オ発明を実施するための最良の形態【0035】(中略)従来,再進入レーンEが存在しなかったので,開閉バー4-1が下りて進行出来なくなると,車両を止めてインターホン等で係員を呼び出す必要があった。これにより,料金所9の渋滞が助長され, ETCの本来の目的が達成できない状態となる。また,開閉バー4-1が下りて通行を止められた車両が,レーンDからバック走行をしてレーンAから出ようとすると,後続の車両と衝突するおそれもあり,非常に危険であった。しかし,再進入レーンEを設けることで,このような不具合,危険をシステム的に解決することができる。 【0040】図4に示す複数個の車両検知装置2a,2b,2c,2dの機能について着目しながら,図5に示すフローを使って,図3,4の車両誘導システムの誘導方法を簡単に説明する。最初の車両検知装置2aが車両の進入を検知すると(ステップS02),遮断機1を閉じて後続車との間を一定の間隔を空けるようにしている(ステップS03)。遮断機 1は,(中略)車両検知装置2c又は2dが車両を検知しないと開かない ので,先行車と後続車の衝突が回避でき,また先行車がレーンAを逆走するのを阻止できる。2番目の車両検知装置2bが進入車両を検知すると(ステップS05),車両がゲート前アンテナ3 開かない ので,先行車と後続車の衝突が回避でき,また先行車がレーンAを逆走するのを阻止できる。2番目の車両検知装置2bが進入車両を検知すると(ステップS05),車両がゲート前アンテナ3を通過したことを確認し,このタイミングで通信可能又は通信不能・不可のいずれであるかを判定する(ステップS06,S07)。判定時期を確定し,車両が通過し ていない状態と車両の通過したにも拘わらず無線通信が行なわれなかった状態とを識別できるようにしている。 【0046】この実施形態によれば,次のような効果が得られる。 (1)本実施例は,従来のインターチェンジに大幅な変更を加えることなく,新たに再進入レーンEを用意するだけで実現できる。 (2)ETCレーンに進入した後,ETC無線通信が不能・不可であっても再進入レーンEが用意されているので渋滞が発生しない。 (3)車両検知装置2aが進入車両を検知すると遮断機1を閉じ,その後車両検知装置2c,2dが進入車両を検知しないと遮断機1を開けないので,進入車両の不法な逆方向走行を阻止することができる。 (4)更に,遮断機1と車両検知装置2c,2dの間にある車両は1台(ママ)限定されるので,進入車両と後続車両との間で衝突事故が回避できる。 (2) 上記(1)によれば,本件各発明の課題解決原理(技術的思想)としては,料金所ゲートに設置した路側アンテナと,車両に装着した車載器との間で 無線通信を用いて自動的に通行料金の決済を行い,料金所をノンストップで通行することができるETCシステムにおいて,従来技術においては,一般車が誤ってETC車専用レーンに進入する場合や,ETC車であっても,その車載器が路側アンテナと正常通信が出来ない場 ノンストップで通行することができるETCシステムにおいて,従来技術においては,一般車が誤ってETC車専用レーンに進入する場合や,ETC車であっても,その車載器が路側アンテナと正常通信が出来ない場合などに,開閉バーが下りて進行出来なくなるので,車両を止めてインターホンで係員を呼 び出す必要があり,これにより,料金所の渋滞が助長されたり,バーが下 りて通行を止められた車両が,レーンからバック走行をして出ようとすると,後続の車両と衝突するおそれが生じていたなどの技術的課題が存していたところ,これを解決するため,車両がETC車用レーンから離脱しえる手段を設けたほか,検知手段により車両の進入が検知された場合,遮断機を下ろすことにより,進入した車両のバック走行を防ぐ構成を採用した ことにより,逆走車の走行を許さず,或いは先行車と後続車の衝突を回避し得る,安全な車両誘導システムを提供するとの効果を奏することが出来るというものであると解するのが相当である。 2 争点1-イ(「第1の検知手段」及び「第1の遮断機」と,「通信手段」との位置関係に関する,構成要件B1,C1,D1,B2,C2,D2への充足性) について(1) 判断上記1によれば,従来技術を踏まえた本件各発明における技術的課題の1つとして,車両の逆走を許さず後続の車両と衝突するおそれを防止するというものがあり,本件各発明は,これを解決できる構成を採用したものである ことが認められ,そうである以上,少なくともその「第1の遮断機」は,料金所等のETC車用レーンに進入した車両が,「通信手段」とのやりとりの結果ETC車用レーンから離脱させるべき車両と判定される可能性に備えて,「通信手段」よりもETCレーンの入口側に位置して,車両の進入が検知された場合に ンに進入した車両が,「通信手段」とのやりとりの結果ETC車用レーンから離脱させるべき車両と判定される可能性に備えて,「通信手段」よりもETCレーンの入口側に位置して,車両の進入が検知された場合にはこれが下りることにより,進入した車両のバック走行を止める 構成であることが必要というべきである。すなわち,「第1の遮断機」との構成は,本件各発明の課題解決原理(技術的思想)に照らして検討するときは,「通信手段」よりもETCレーンの入口側に位置することが必要というべきであり,料金所等への車両の進入が検知された場合に,その遮断機を下ろすことにより,目標とする進路への通行を止められた車両のバック走行及び後 続車との衝突防止を図ることができる点に,その技術的意義があるものとい うべきである。 しかして,被告各システムにおいては,第1の遮断機(発進制御機①)は,通信手段(路側無線装置③)の先に配置されており,かかる被告各システムの構成によっては,目標とする進路への通行を止められた車両のバック走行及び後続車との衝突防止を図ることはできない。 以上によれば,被告各システムは,本件各発明の「第1の検知手段」及び「第1の遮断機」と,「通信手段」との位置関係に関する,構成要件B1,C1,D1,B2,C2,D2をいずれも充足しないものというほかない。 (2) 原告の主張について原告は,本件各発明においては,「第1の遮断機」と「通信手段」との間に は必然的な位置関係が存在するわけではなく,本件各発明の課題は「第2のレーン」を備えていれば解決することができるなど主張する。 しかし,前記説示のとおり,「第1の遮断機」との構成は,本件各発明の課題解決原理(技術的思想)に照らして検討するときは,「通信手段」よりもETCレーンの入口 れば解決することができるなど主張する。 しかし,前記説示のとおり,「第1の遮断機」との構成は,本件各発明の課題解決原理(技術的思想)に照らして検討するときは,「通信手段」よりもETCレーンの入口側に位置することが必要というべきであり,料金所等への 車両の進入が検知された場合に,その遮断機を下ろすことにより,目標とする進路への通行を止められた車両のバック走行及び後続車との衝突防止を図ることができるというその技術的意義は,「第2のレーン」を備えてさえいれば果たされるものということはできない。 以上によれば,原告の上記主張を採用することはできない。原告のその余 の主張も,上記(1)の説示を左右するものではない。 3 争点1-ウ(構成要件F1,F2の「第2のレーンへ誘導する誘導手段」との文言への充足性)について(1) 判断前記1によれば,従来技術を踏まえた本件各発明の技術的課題の1つとし て,開閉バーが下りて進行出来なくなる誤進入の一般車や通信不具合のET C車につきインターホンで係員を呼び出す必要が生じることから料金所の渋滞が助長されていたというものがあり,本件各発明は,これを解決できる構成を採用したものであることが認められ,そうである以上,構成要件F1,F2の「第2のレーンへ誘導する誘導手段」は,上記のような車両であってもインターホンで係員を呼び出すなどの所作を要することなく誘導手段自身 によって第2のレーンへ誘導する構成であることが必要と解するのが相当である。 しかして,証拠(乙28)及び弁論の全趣旨によれば,被告各システムにおいては,ETCによる料金徴収が不可能な車両があった場合,停車した車両(ドライバ)と係員とがインターホンで通話をし,再通信処理が可能な場 合は係員が車 弁論の全趣旨によれば,被告各システムにおいては,ETCによる料金徴収が不可能な車両があった場合,停車した車両(ドライバ)と係員とがインターホンで通話をし,再通信処理が可能な場 合は係員が車線監視制御装置から再通信処理を実施し,再通信処理が不可の場合は係員が車線監視制御装置の開ボタンを押して発進制御機を開くものであり,また,エラー状態が継続の場合は監視員(係員)が現地に出向き対応する場合もあることが認められ,このような被告システムは,インターホンで係員を呼び出すなどの所作を介して初めて第2のレーンに誘導されるとの 構成のものというほかなく,構成要件F1,F2の「第2のレーンへ誘導する誘導手段」のように,誘導手段によって第2のレーンに誘導する構成であるということはできない。 以上によれば,被告各システムは,構成要件F1,F2の「第2のレーンへ誘導する誘導手段」との文言を充足しないものというほかない。 (2) 原告の主張について原告は,本件各発明は,全ての作用が人の手を介さずに全自動で行われることに限定しているものではなく,正常通信ができない場合の問題は,再進入レーンを設けることで解決したものであるところ,被告各システムは,全てレーンdという再進入レーン(「第2のレーン」に相当)に該当す る構成を有しているから,本件発明の課題を解決する手段を構成として有 していると主張する。 しかし,前記説示のとおり,構成要件F1,F2の「第2のレーンへ誘導する誘導手段」との構成は,本件各発明の課題解決原理(技術的思想)に照らして検討するときは,誤進入の一般車等であってもインターホンで係員を呼び出すなどの所作を要することなく誘導手段自身によって第2 のレーンへ誘導する構成であることが必要と解するのが相当であ に照らして検討するときは,誤進入の一般車等であってもインターホンで係員を呼び出すなどの所作を要することなく誘導手段自身によって第2 のレーンへ誘導する構成であることが必要と解するのが相当であり,被告各システムがレーンdという再進入レーンを有していることのみをもって,上記のような構成を充たすものということはできない。 以上によれば,原告の上記主張は採用することができない。 4 結論 以上のとおり,被告各システムは,上記2,3に説示した本件各発明の各構成要件を充足せず,本件各発明の技術的範囲に属しないものというべきである。 原告は,その他縷々主張するが,そのいずれを慎重に検討しても,上記説示を左右するに足りるものはなく,いずれも採用の限りでない。 よって,その余の争点について判断するまでもなく,原告の請求は理由がな いからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第47部 裁判長裁判官田中孝一 裁判官奥俊彦 裁判官本井修平は,てん補のため,署名押印することができない。 裁判長裁判官田中孝一 (別紙)被告システム目録 1 被告システム1(乙SAスマートICの上りレーン入口) ≪被告システム1の構成要素及びその位置関係≫ ≪被告システム1の動作フロー≫(ステップS101)一般道路からレーンaに進入する車両は,車種識別ユニット⑪をノンスト ップで通過することにより,軸数,車長等のデータが取得されて,課金のための車種識別が行われる。 (ステップS102) 車種識別ユニット⑪を通過した車両は,更に車両検知器 ンスト ップで通過することにより,軸数,車長等のデータが取得されて,課金のための車種識別が行われる。 (ステップS102) 車種識別ユニット⑪を通過した車両は,更に車両検知器⑫設置部に至り,黄色と黒の縞模様が付された開閉バーによって構成される発進制御機[開閉バー]①の手前で一旦停車する(その時点で発進制御機[開閉バー]①,④,⑤は閉じている)。 (ステップS103) 車両が車両検知器⑫設置部に進入することにより,路側無線装置③の通信機能が稼動し,路側無線装置③と車両に搭載されたETC車載器との間で無線通信が行われ,車載器情報がチェックされて,課金のための入口情報が書き込まれる。 (ステップS104) 無線通信が可能な場合は,開閉バー①が開くと共に,レーンb前方の発進制御機[開閉バー]④が開き(発進制御機[開閉バー]⑤は閉じたまま),車両は乙SA内へ前進する。 (ステップS105)車両検知器②が車両の通過を検知すると開閉バー①が閉じ,車両検知器⑥ が車両の通過を検知すると開閉バー④が閉じる。 (ステップS106)無線通信が不能又は不可の場合は,運転者に対し,インターホンによる音声でその旨の報知がなされ,レーンd手前の発進制御機[開閉バー]①及び⑤が人的操作によって開かれ,車両は退出ルートdに退出する。 2 被告システム2(乙SAスマートICの上りレーン出口) ≪被告システム2の構成要素及びその位置関係≫ ≪被告システム2の動作フロー≫ (ステップS102)サービスエリア内からレーンaに進入する車両は,車両検知器⑫設置部に至り,黄色と黒の縞模様が付された開閉バーによって構成される発進制御機[開閉バー]①の手前で一旦停車する(その時 テップS102)サービスエリア内からレーンaに進入する車両は,車両検知器⑫設置部に至り,黄色と黒の縞模様が付された開閉バーによって構成される発進制御機[開閉バー]①の手前で一旦停車する(その時点で発進制御機[開閉バー]①,④,⑤は閉じている)。 (ステップS103)車両が車両検知器⑫設置部に進入することにより,路側無線装置③の通信機能が稼動し,路側無線装置③と車両に搭載されたETC車載器との間で無線通信が行われ,車載器情報がチェックされて,課金情報が書き込まれる。 (ステップS104) 無線通信が可能な場合は,開閉バー①が開くと共に,レーンb前方の発進制御機[開閉バー]④が開き(発進制御機[開閉バー]⑤は閉じたまま),車両は一般道へ前進する。 (ステップS105)車両検知器②が車両の通過を検知すると開閉バー①が閉じ,車両検知器⑥ が車両の通過を検知すると開閉バー④が閉じる。 (ステップS106)無線通信が不能又は不可の場合は,運転者に対し,インターホンによる音声でその旨の報知がなされ,レーンd手前の発進制御機[開閉バー]①及び⑤が人的操作によって開かれ,車両は退出ルートdに退出する。 3 被告システム3(乙SAスマートICの下りレーン出口) ≪被告システム3の構成要素及びその位置関係≫ ≪被告システム3の動作フロー≫ (ステップS102)サービスエリア内からレーンaに進入する車両は,車両検知器⑫設置部に至り,黄色と黒の縞模様が付された開閉バーによって構成される発進制御機[開閉バー]①の手前で一旦停車する(その時点で発進制御機[開閉バー]①,④,⑤は閉じている)。 (ステップS103)車両が車両検知器⑫設置部に進入すること によって構成される発進制御機[開閉バー]①の手前で一旦停車する(その時点で発進制御機[開閉バー]①,④,⑤は閉じている)。 (ステップS103)車両が車両検知器⑫設置部に進入することにより,路側無線装置③の通信機能が稼動し,路側無線装置③と車両に搭載されたETC車載器との間で無線通信が行われ,車載器情報がチェックされて,課金情報が書き込まれる。 (ステップS104) 無線通信が可能な場合は,開閉バー①が開くと共に,レーンb前方の発進制御機[開閉バー]④が開き(発進制御機[開閉バー]⑤は閉じたまま),車両は一般道へ前進する。 (ステップS105)車両検知器②が車両の通過を検知すると開閉バー①が閉じ,車両検知器⑥ が車両の通過を検知すると開閉バー④が閉じる。 (ステップS106)無線通信が不能又は不可の場合は,運転者に対し,インターホンによる音声でその旨の報知がなされ,レーンd手前の発進制御機[開閉バー]①及び⑤が人的操作によって開かれ,車両は退出ルートdに退出する。 4 被告システム4(乙SAスマートICの下りレーン入口) ≪被告システム4の構成要素及びその位置関係≫ ≪被告システム4の動作フロー≫ (ステップS201)一般道路からレーンaに進入した車両は,黄色と黒の縞模様が付された開閉バーによって構成される発進制御機[開閉バー]①の手前で一旦停車する(その時点で発進制御機[開閉バー]①,④,⑤,⑨は閉じている)。 (ステップS202) 車両検知器⑭が停止ゾーンに到来した車両を検知すると,路側無線装置③の通信機能が稼動し,路側無線装置③と車両に搭載されたETC車載器との間で1回目の無線通信が行われ,車載器情報がチェックされる。 車両検知器⑭が停止ゾーンに到来した車両を検知すると,路側無線装置③の通信機能が稼動し,路側無線装置③と車両に搭載されたETC車載器との間で1回目の無線通信が行われ,車載器情報がチェックされる。 (ステップS203) 無線通信が可能な場合は発進制御機①が開くと共に,レーンb前方の発進制御機④が開き(発進制御機⑤,⑨は閉じたまま),車両はデータ取得区間(レーンe)へ前進し,車種識別ユニット⑪を経ることにより,軸数,車長等のデータが取得されて,課金のための車種識別が行われる。 (ステップS204) 車両検知器②が車両の通過を検知すると開閉バー①が閉じ,車両検知器⑥が車両の通過を検知すると開閉バー④が閉じる。 (ステップS205)無線通信が不能又は不可の場合は,インターホンによる音声でその旨の報知がなされ,発進制御機①及びレーンd手前の発進制御機⑤が人的操作によ って開かれ,車両は退出ルートdに退出する。 (ステップS206)レーンeに前進した車両は,発進制御機①の場合と同様に発進制御機⑨の手前で一旦停車し,路側無線装置⑬と車両に搭載されたETC車載器との間で2回目の無線通信が行われ,入口情報等の書き込みが行われる。 (ステップS207)2回目の無線通信終了後発進制御機⑨が開き,車両検知器⑩が車両の通過を検知すると発進制御機⑨が閉じる。 (別紙特許公報省略)
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