平成14(ワ)28330 損害賠償請求,通信料金等反訴請求事件

裁判年月日・裁判所
平成17年9月21日 東京地方裁判所
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判決文本文34,910 文字)

平成17年9月21日判決言平成14年(ワ)第28330号損害賠償請求事件平成15年(ワ)第6577号通信料金等反訴請求事件判決 主文 1 被告(反訴原告)は、原告(反訴被告)に対し、1億円及びこれに対する平成15年1月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告(反訴原告)の反訴請求を棄却する。 3 訴訟費用は、本訴反訴を通じて、被告(反訴原告)の負担とする。 4 この判決は第1項に限り仮に執行することができる。ただし、被告(反訴原告)が8000万円の担保を供するときは、その仮執行を免れることができる。 事実及び理由 第1 請求 1 本訴請求主文第1項と同旨 2 反訴請求原告(反訴被告)は、被告(反訴原告)に対し、478万3713円、及び、(1) うち12万4072円については平成14年6月1日から、(2) うち52万5000円については平成14年6月13日から、(3) うち17万4369円については平成14年7月2日から、(4) うち52万5000円については平成14年7月12日から、(5) うち17万1162円については平成14年8月1日から、(6) うち52万5000円については平成14年8月9日から、(7) うち69万5697円については平成14年9月3日から、(8) うち69万5697円については平成14年10月1日から、(9) うち122万5914円については平成14年11月1日から、(10) うち12万1802円については平成14年12月3日から 万5697円については平成14年10月1日から、(9) うち122万5914円については平成14年11月1日から、(10) うち12万1802円については平成14年12月3日からそれぞれ支払日の前日まで、年14.5パーセントの割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件本訴請求は、再入金が可能な国際電話用のプリペイドカードシステム(以下「本件システム」という。)を開発した原告が、同システムの採用をすると約した被告がこれを採用せず、同システムの利用可能なカードを発行しないなど同カードを用いた国際電話サービス(以下「本件カードサービス」という。)を開始しなかったことにより、開発費用等の損害を被ったとして、被告に対し、原被告間におけるシステム採用契約上の債務不履行又は不法行為に基づき、全損害の一部の損害賠償、及び、これに対する訴状送達の日の翌日である平成15年1月7日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を請求している事案である。 本件反訴請求は、本件カードサービスに関連し、被告が原告に対してネットワークサービス等を提供する旨の契約を締結していたところ、原告が対価を支払わないとして、被告が原告に対し、同契約に基づき、代金及びこれに対する契約に基づく年14.5パーセントの割合による遅延損害金を請求している事案である。 1 前提となる事実(認定の根拠となった証拠等を()内に示す。直前に示した証拠の丁数ないし頁数等を〔〕内に示す。)(1) 当事者ア原告(反訴被告)関係(ア) 原告(反訴被告)(以下「原告」といい、必要に応じて「反訴被告」の語を用いる。)は、平成11年6月4日に設立され、リチャージャブルプリペイドカード等のシステムの開発及び運用を (ア) 原告(反訴被告)(以下「原告」といい、必要に応じて「反訴被告」の語を用いる。)は、平成11年6月4日に設立され、リチャージャブルプリペイドカード等のシステムの開発及び運用を目的とする株式会社である(争いのない事実、乙9の9)。 (イ) Aは原告の社長職、Bは原告の副社長職にそれぞれあって、かつ、両名はいずれも原告の代表取締役である(甲18、乙9の9、弁論の全趣旨)。 イ被告(反訴原告)関係(ア) 被告(反訴原告)(以下「被告」と言い、必要に応じて「反訴原告」の語を用いる。)は、電気通信事業を主たる業務とする株式会社である(争いのない事実)。 (イ) Cは平成11年ころから平成12年11月ころにかけて被告の国際電話サービス部における新サービス開発担当部長の職にあり、本件システムの開発導入を担当していた。Dは、平成13年6月から被告の国際電話サービス部におけるカード担当部長の職にあった(甲22の1、証人C〔1〕、証人D〔1〕、弁論の全趣旨)。 (2) 国際電話システムに関する事業と交渉ア Bによる電話プリペイドシステムの研究開発Bは、平成7年2月、国際電話事業を目的に有限会社ビー・アイ・エスを設立し、国際電話プリペイドカードの発行を業とするとともに、いわゆる次世代型電話プリペイドシステムとして本件システムの研究・開発を行っていたところ、Bは、Aとともに、平成11年6月4日、本件システムの事業化を目的として、原告を設立した(乙9の9、9の13、弁論の全趣旨)。 イ本件システムの特徴本件システムの特徴は、次の点にある(争いのない事実)。 (ア) 本件システムで用いるプリペイドカードは の13、弁論の全趣旨)。 イ本件システムの特徴本件システムの特徴は、次の点にある(争いのない事実)。 (ア) 本件システムで用いるプリペイドカードは、通常の金券カードと異なり、入金前には換金性がなく、その発売を行うコンビニエンスストア等に敷設する端末機を通じて購入者の入金情報を管理側の口座に電子的に記録することで初めて利用可能なカードになる。 (イ) カード所持者はカード裏面に記載されたID番号をプッシュホンに入力することによって通話が可能となり、残金不足の時は同一のカードを使用して再入金し、入金情報の更新をすることが可能である(以下、この特徴について、適宜「リチャージャブル」の語を用いる。なお、入金が一度しかできない、いわゆる使い捨て型のカードのことを適宜「シングルチャージ」と呼ぶこととする。)。 ウ被告による国際電話プリペイドカード開発計画被告は、平成12年初頭ころ、国際電話用のプリペイドカードの開発を計画していた(争いのない事実)。 エ原告と被告との接触及び交渉平成11年11月26日、幕張メッセにて「ベンチャーメッセ」が開催された際、被告千葉支店のE副支店長が原告展示ブースを訪れたので、原告が展示していた本件システムの説明をした(甲54〔1〕)。 これをきっかけとして、平成11年12月9日には、原告が、被告の国際電話サービス部において、被告の担当者らに対し、本件システムのプレゼンテーションを行った。 また、原告が被告に対し、平成12年1月21日、プリペイドカード通話に関する特許に関し、他社が使用している課金システムに関して特許が取得されているか否かに関する報告書(甲17)を提出するなど、原告 また、原告が被告に対し、平成12年1月21日、プリペイドカード通話に関する特許に関し、他社が使用している課金システムに関して特許が取得されているか否かに関する報告書(甲17)を提出するなど、原告被告間において交渉が行われ、平成12年3月14日には、少なくとも技術開示に関する守秘義務等を確認した覚書(甲1)を交わすに至った。(甲1、17及び54〔1、2〕)(3) 本件システムのサービス開始通知とその延期その後、原告被告間において交渉等がされた後、被告は、原告に対し、平成13年6月15日、本件システムのサービス開始日を同年7月5日とすることを通知した(甲7)。 しかし、被告は、原告に対し、同年7月4日、本件システムに関するシステム開放作業をしないよう通知し、同月5日の本件カードサービスの開始は中止された(争いのない事実、甲9)。 (4) 本件システムに関する原告・被告間の契約締結原告は、被告との間で、本件システムの運用に関し、被告が原告に対して次のサービスを提供する旨の合意をした(争いのない事実)。 アコロケーションサービス(乙1、2)● 内容被告が、原告の所有する電気通信端末機器及びそれに付帯する設備(以下「通信設備等」という。)を被告の建物内に保管し、通信設備等の運用・維持のために必要な電力及び保守等を提供する。 ● 契約日平成14年2月5日● 支払期日平成14年4月利用料金同年6月12日同年5月利用料金同年7月11日同年6月利用料金同年8月8日 同年5月利用料金同年7月11日同年6月利用料金同年8月8日同年7月利用料金同年9月2日同年8月利用料金同年9月30日● 遅延利息14.5パーセントイ OCNサービス(乙3)● 内容被告が原告に対し、インターネット接続サービスを行う。 ● 契約日平成14年2月7日● 支払期日毎月末日締め、翌月末日支払● 遅延利息14.5パーセントウフレームリレー(乙4の1ないし4)● 内容フレームリレーとは、ネットワークの高速化実現のために開発されたデータ転送技術であり、送信データを複数のフレームに分けて送信する方法をとる(乙61)。 被告が行うデータ通信サービスの一環であり、企業の複数のLAN間を接続するデータ転送サービスを提供する。 原告と被告は、4回線(回線番号3158793、4022531、4022558、4022817)についてデータ伝送サービスを提供し、これに対して、原告は、基本料金、通信料金、手続費用及び工事費を支払う。 ● 支払期日毎月末日締め、翌月末日支払● 遅延利息14.5パーセント(5) 原告の料金不払と被告による上記契約の解除ア被告は、原告に対し、上記(4)記載のサービスを提供した。しかし、原告は、次の料金を支払わない(争いのない事実)。 ト(5) 原告の料金不払と被告による上記契約の解除ア被告は、原告に対し、上記(4)記載のサービスを提供した。しかし、原告は、次の料金を支払わない(争いのない事実)。 (ア) コロケーションサービスに関し、平成14年4月ないし9月の利用料金合計356万0248円(イ) OCNサービスに関し、平成14年5月ないし10月の利用料金合計37万6923円(ウ) フレームリレーに関し、平成14年4月ないし10月の利用料金合計84万6542円イ被告は、原告に対し、コロケーションサービスに関しては平成14年9月25日、OCNサービスに関しては同月26日、フレームリレーに関しては同年10月16日、それぞれの契約を解除するとの意思表示をした(争いのない事実、乙5ないし7)。 (6) 相殺の意思表示原告は、被告に対し、平成15年4月23日の本件口頭弁論期日において、本件本訴請求にかかる損害賠償請求債権を以て上記(5)の料金債務と対当額において相殺するとの意思表示をした(裁判所に顕著な事実)。 2 争点次に示す争点は、本訴請求及び反訴請求において共通である。 (1) 平成13年7月5日に至るまでに、被告が本件システムを採用し本件カードサービスを開始する義務が発生していたか否か(2) 被告は、原告に対し、本件カードサービスの提供義務を履行したか否か(3) 損害額 3 争点についての当事者の主張(1) 争点(1)(平成13年7月5日に至るまでに、被告が本件システムを採用し本件カードサービスを開始する義務が発生していたか否か)について(原告の主張)ア覚書(甲1)の締結 平成13年7月5日に至るまでに、被告が本件システムを採用し本件カードサービスを開始する義務が発生していたか否か)について(原告の主張)ア覚書(甲1)の締結(ア) 平成12年初めころ、国際電話用のプリペイドカードへの参入を計画していた被告は、原告の本件システムの存在を知り、後発のハンディキャップを克服するため、その再入金可能(リチャージャブル)な点に注目し、原告に要請してパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という。)構成による本件システムの実証実験を同年2月24日に行わせた結果、被告担当部はその採用を希望した。また、関係先や重要市場の一つと目される群馬県太田市(ブラジルからの就労者が多く、国際電話需要が大きい)の視察調査に原告と訪れたりした。被告と原告とは、その後の折衝を経て、同年3月14日、原告のシステムを利用した被告の再入金可能カードとして、本件システム利用のサービス開始を平成12年10月を目途とする覚書(甲1)を締結した。この際、被告は、原告に対し、24時間365日稼働可能であることを被告が本システムを採用する条件であるとし、具体的にはシステムの二重化と、パソコン構成ではなくサーバーシステム(ワークステーション)化することが条件とされた。 この覚書の形式は代理店契約を結ぶことを検討するとなっているが、その趣旨は、今後、関係者間で行われる技術会議において技術的問題がないと判断されれば、被告が本件システムを採用することにあった。なお、この覚書には、他の電話会社(Fを除く。)への本件システムのサービスを被告のサービス開始から1年間禁止する条項が盛り込まれ、サービス開始から1年間は被告の独占利用を意図するものであった。 (イ) この覚書締結前から原告と被告と の本件システムのサービスを被告のサービス開始から1年間禁止する条項が盛り込まれ、サービス開始から1年間は被告の独占利用を意図するものであった。 (イ) この覚書締結前から原告と被告とはビジネス面の話を行い、プリペイドカード市場を200億円市場と見込み、被告は市場の10パーセント獲得を目標とし、原告は本件システムによる手数料として取扱高の10パーセントを入手できるという相互理解の下に、原告は被告の条件とする大型かつ24時間365日稼働可能な仕様に対応させるため、被告や被告の関係先と上記技術の打ち合わせの上、多額の追加開発費を増資その他により資本市場から調達して対応した。したがって、覚書(甲1)の締結により、原告と被告とは、技術面で否定されない限り、本件改良システムが完成したときは、それによる本件システムを採用する旨の契約を締結し、それに基づく本件カードサービスを実施することを相互に合意したもののである。 この覚書(甲1)について、被告は、本件システムの採用とは関係ないなどと原被告間の本件システムの条件付採用合意を争い、また原告に対してシステム大型化の改良要求をしたことはないとも主張するが、当時被告の担当部長であったCの証言は一貫して原告の主張と一致し、被告の上記反論を否定するものである。 イ被告の要求に基づく本件システムの大規模化(ア) 覚書(甲1)締結後、被告主導の下に被告の関連会社であるG社やH社、コンピュータメーカーのI社、原告等との定期的な技術問題に関する合同の開発部会が開かれ、被告使用が決定された。原告は被告の求めに応じて本件システムを被告の設定する事業条件に合致させ、かつ、被告の指定する大容量にしてバックアップ機能(24時間365日稼働)のついた改良型システムとす れ、被告使用が決定された。原告は被告の求めに応じて本件システムを被告の設定する事業条件に合致させ、かつ、被告の指定する大容量にしてバックアップ機能(24時間365日稼働)のついた改良型システムとするためにハード、ソフトともに大幅な大規模化を行い、原告の本件システムの一般機能を超える改良システムを完成させた。その開発の手順は、まず、[1]パソコンベースのシステムをワークステーションに切り替えた上、システム開発サーバ、BIS監視システム及びデータベースサーバをおいた実験システムを開発し、[2]次に、実験システムに対してデータ配信システム、TOCサービス等を追加し、システムと銀行及びコンビニエンスストアのOとを接続し、商用サービスへ対応できるようにした商用サービス第1段階へと変更し、[3]最後に、被告関係のシステムと接続した商用サービス第2段階へと変更した。 ところで、本件システムは、原告のパソコン仕様それ自体で十分に稼働するものであったが、このような大型投資は、上記被告の目標として市場規模に対する見通し(200億円市場の10パーセント獲得目標)とそれに伴う被告指定のシステムの大規模化仕様(24時間365日稼働)によって初めて必要になったものであるとともに、原被告間に共通の市場獲得目標があったからこそ投資に結びついたものであり、それなくしてパソコンを前提としていた原告が多額の投資を行う根拠はないのである。 (イ) 被告は、原告は被告以外の多くの業者と本システムを実施する関係にあり、被告はその1社にすぎないという。しかし、原告が本件システムを実施したのは被告を除けばJ社のみであり、その他のカードは被告カードをスタートさせるための予備実証として行ったもので、他の会社のカードではない。したがって、被告のいう、被告は し、原告が本件システムを実施したのは被告を除けばJ社のみであり、その他のカードは被告カードをスタートさせるための予備実証として行ったもので、他の会社のカードではない。したがって、被告のいう、被告は原告のユーザーの一人にすぎない、すなわち本件システムは被告を対象とするものではないとの被告の主張には根拠がなく、本件システムは被告の条件を満足させるために開発されたものである。 ウサービス開始へ向けた準備(ア) 平成13年2月になり、G社の環境情報等により本件システムの商用化が確認され、被告の指示により、原告は、覚書(甲1)に基づきH社と基本代理店契約を締結した。 (イ) 同年5月には、本カードの発売開始が6月1日であると新聞発表され、被告による本改良システムの受入検査が完了し、原被告間で「システム接続に係る覚書」を締結して原被告のシステムを接続した上、被告は本件システムの運用開始を7月5日と決定し、原告に通知した。 (ウ) 原告は、カード発行者である被告の準備した販売用の本カードや宣伝用資料等を、被告の指示に従って、カードの販売を担当するコンビニエンスストア各店舗に配送し、サービス開始日を待つだけになった。 エまとめ上記一連の準備行為が被告主導で行われたことは証拠上明らかであるから、被告が本件システムのサービスを開始予定日のかなり前に社内で具体的に開始する決定をしたことも明らかであるというべきである。そうでなければ、銀行までからんだ決裁手続を立ち上げ、被告製作のカードやパンフレットを被告の指示でコンビニエンスストアに配布して販売開始日を迎えるなどということは考えられない。 被告は、稟議がないと主張し、それを錦の御旗のようにいうが、稟議 作のカードやパンフレットを被告の指示でコンビニエンスストアに配布して販売開始日を迎えるなどということは考えられない。 被告は、稟議がないと主張し、それを錦の御旗のようにいうが、稟議は被告内部の事柄であり、そもそも被告としてゴーサインが出ているからこそ、被告は原告と上記各種契約に入り、被告の準備したカード等をコンビニエンスストアに配布したものというべきであるし、被告は否定するが被告担当部局がサービス開始を決定指示している以上、必要な手続は了していたと見るのが相当である(CもDも、それぞれ、担当部長が本件決裁権限者であることを認める。)。 したがって、本件システムには技術上の問題がない以上、被告は原告に対し、前記サービス開始予定日には本件システムを運用すべき義務(債務)を負っていた。 (被告の主張)ア覚書(甲1)締結に至る経緯と被告の意図(ア) 被告は、原告から、本件システムについてのデモンストレーションや、国際電話プリペイドカードの利用者が多い群馬県太田市のマーケット調査への誘いがあった。 被告としても本件システムには興味があったことから、これらの誘いにつきあいつつ、本件システムを被告の国際電話プリペイドカードシステムとして利用してもらいたいという原告からの提案をこの段階で断るか、あるいは更に検討を進めていく価値があるかを被告担当部署内で協議していた。その結果、技術面を含め更に突っ込んで検討を始めることとした。 この技術検討に当たり、互いに技術を開示しなければならないので、その前に開示される技術について互いに第三者に対して公表・漏洩しないようにする趣旨の下で締結されたのが覚書(甲1)である。そして、この覚書(甲1)には、守秘義務の下、これから原 ければならないので、その前に開示される技術について互いに第三者に対して公表・漏洩しないようにする趣旨の下で締結されたのが覚書(甲1)である。そして、この覚書(甲1)には、守秘義務の下、これから原被告が互いに技術の紹介、開示を行い、各々検討し、もし将来原被告間で販売代理店契約締結に至ることがあれば、そのときは販売代理店契約を調印する、という内容が記されているだけであって、原告がシステムのワークステーション化及び二重化を達成しなければならないととか、被告が原告の完成した技術上問題のないシステムを利用しなければならないといった内容は記載されていない。 (イ) 原告は、システムのワークステーション化及び二重化を要求したと主張する。 確かに、被告は、国際電話プリペイドカードシステムとして採用するに当たっては、国際電話という通信サービスの特質上、24時間365日の無停止安定稼働が最低限の条件であることを伝えた。つまり、被告の提供する国際電話プリペイドカードシステムとなり得るための最低条件を示した。 しかし、この最低条件に応ずるか否かは、ビジネスジャッジとしての原告の自由な選択に任されるのであり、被告としても原告のシステムがこの最低条件を満たさなければ選択肢に入らないだけのことであった。また、原告がこの最低条件を満たしたとしても、被告としても本件システムを採用しなければならないわけではない。 イ 7月5日のセキュリティ検討状況平成13年7月5日までの時点では、被告によるセキュリティに関する検討は、原告システムには立ち入っておらず、被告システムの範疇でしかなされていなかった。 ウ被告は本件システム等に関する一利用者にすぎないこと本件システ リティに関する検討は、原告システムには立ち入っておらず、被告システムの範疇でしかなされていなかった。 ウ被告は本件システム等に関する一利用者にすぎないこと本件システムについて、BIS-NETが存在すること、Fが利用を計画していたこと、原告自身が本件システムをPRしていたこと等の理由からすれば、本件システムは原告独自の事業遂行のために開発されたシステムであって、被告の利用するのは原告の開発したシステムの一部にすぎないのであり、被告は単に本件システムを利用するか否かの判断をするのみの立場である。 したがって、被告として、本件システムを採用する義務が生じることはない。 エサービス開始時期についての関係者の認識そもそも、本件システムを利用したカードについては、サービス開始が平成13年7月5日とされる以前にも、同年6月1日をサービス開始日として準備が進められていた時期もあった。パンフレットやカードの作成、コンビニエンスストアへの手配にいったん着手したものの、カードの作成が間に合わなかったことなどの事情により、同年6月1日の開始は延期された。 このように、本件のプロジェクトにおいては、いったんサービス開始目標を設定したものの、何らかの条件が整わず延期することが一度ならずあったのであり、7月5日のサービス開始延期もこのようなできごとの1つにすぎない。 (2) 争点(2)(被告は、原告に対し、本件カードサービスの提供義務を履行したか否か)について(被告の主張)仮に、被告が原告に対して本件システムのサービスを開始するべき義務を負っていたとしても、被告は、次のとおりこれを履行した。 ア本件システムのサービス延期に関 (被告の主張)仮に、被告が原告に対して本件システムのサービスを開始するべき義務を負っていたとしても、被告は、次のとおりこれを履行した。 ア本件システムのサービス延期に関する合意ないし追認(ア) 被告は、原告に対して、平成13年7月4日、本件システムのサービス開始を延期する旨の通知をしたが、この点に関しては、同日11時より被告本社にて原告に事情説明を行った。 被告は、カードの販売に当たって約款事項についての社内決裁を同日までに通すことができなかった旨を原告に説明するとともに、被告が準備したコンビニエンスストアに対する販売延期についての説明文書の記載について、原告から了承を得た。 原告が、原告システムを利用してBISネット等のカード事業を既にはじめていたことから、販売延期理由を原告のシステムの問題点についての検討のためとコンビニエンスストアに告知すると、既に行われているこれら原告事業に対するコンビニエンスストアからの信頼に傷をつけかねないので、これに影響しないよう配慮して、コンビニエンスストアへの表向きの延期理由としては、被告システムの技術上の問題であると伝えた。 同日、被告と原告はH社とともに各コンビニエンスストアを訪問し、カード販売開始の延期を報告した。 このように、7月5日に予定されていたサービス開始の延期については、同月4日に原告の事前の了承を得ており、しかも被告はサービス開始延期により原告のシステムを利用する既存の原告のカード事業に支障が生じないよう、十分に配慮して対処している。このように、同月5日のサービス開始延期において債務不履行となる事実はない。 (イ) 7月5日以降の原被告間の次のや 原告のカード事業に支障が生じないよう、十分に配慮して対処している。このように、同月5日のサービス開始延期において債務不履行となる事実はない。 (イ) 7月5日以降の原被告間の次のやりとりからすれば、原告は7月5日のサービス開始延期について事後に追認していた。 a 平成13年9月3日に検討状況を報告したこと継続検討事項であるとの決裁所管部の見解が出た後、被告は原告システムを利用したカード販売について、セキュリティ上の問題点を中心に検討した。この際、被告は、原告のシステムのセキュリティ対策についてのヒヤリングを行うなど、原告とも協議を重ねていた。 しかし、検討を重ねるにつれ、セキュリティ上の問題点についての対策が不十分であるとの指摘が社内でされ、サービス開始には相当な時間がかかるという見通しに至った。そこで、平成13年9月3日、被告担当者が原告本社を訪問し、社内での検討状況を報告した。 被告は、原告に対し、原告のシステムを利用したカード販売についてセキュリティ上の危険性が問題となっており、解決策を模索しているものの、販売開始の決裁のための社内説得に難儀していると説明した。これに対し、原告からは、とにもかくにもカード販売を開始してもらいたい、コンビニに対しても悲観的なことは伝えないで欲しい、被告社内で挙がっている問題点については協力して解決するから、との回答を得た。 b 平成13年9月17日のチャージ回数制限の打診コンビニエンスストア店頭でのチャージ回数を1枚のカードにつき1回に制限する方式、すなわちシングルチャージ方式であれば、セキュリティ上の危険性を最大1回のチャージ料金分に限定できる コンビニエンスストア店頭でのチャージ回数を1枚のカードにつき1回に制限する方式、すなわちシングルチャージ方式であれば、セキュリティ上の危険性を最大1回のチャージ料金分に限定できるなどの点から、この方式により原告のシステムを使用したカードの販売を行えないだろうか、との案が被告社内で浮上してきた。 そこで、被告は、原告に対し、平成13年9月17日、1枚のカードで繰り返しチャージできる方式のままでセキュリティ上の課題を解決して社内決裁を通すことは現状を踏まえると見通しが不透明である、しかし1枚のカードでのチャージ回数を1回のみとする方式であればめどが立つ可能性が高いがいかがか、との話をした。 これに対して、A社長は、検討したいので明日まで待って欲しい、とのことであった。 c 平成13年9月18日にシングルチャージ方式におけるカード販売開始について原告が了承したこと平成13年9月18日、A社長から、被告国際電話サービスに関するカードの販売が開始されるのであれば、チャージ回数を制限することに原告に異存はない、被告の方針に任せるとの回答があり、原告からシングルチャージ方式でのカード販売開始について了解を得た。 以後、被告は、シングルチャージ方式を中心としてセキュリティ対策を検討し、社内決裁のための資料作成及び根回しに入ったが、セキュリティ対策は困難を極めた。 この間、同年11月9日に原告から、早期のサービス開始を要望する旨の内容証明郵便が被告宛に送付されてきたことがあった。原告に問い合わせると、原告から、原告株主から要望があったため送付したにすぎず、被告に対して回答を求めるつもりではないと サービス開始を要望する旨の内容証明郵便が被告宛に送付されてきたことがあった。原告に問い合わせると、原告から、原告株主から要望があったため送付したにすぎず、被告に対して回答を求めるつもりではないとの返答があり、原告はサービス開始まで被告の社内手続に時間がかかることについて理解を示していた。 また、セキュリティ対策のほか、同年11月には、従来販売業務の一部を担う予定であったH社から、他のテレホンカード販売代理店会社に変更する案も持ち上がり、他のテレホンカード販売会社との協議も行われた。 d 平成13年12月のセキュリティリスク対策案完成平成13年12月に入り、被告関連部署においてセキュリティ対策案につきほぼ内容が固まった。その骨子は、[1]シングルチャージ方式とする、[2]コンビニエンスストアに配布されるカードのチャージ有効期限をカード製作日から1年間に設定する(ちなみにチャージされてからのカード有効期間は3年とする)、[3]チャージ記録についての体制を整備する、というものであった。これにより、被告は、原告に対して何らの負担をかけず、被告システムのみを変更することによって、セキュリティリスクを解決する方策を立てたのである。 e 平成14年1月24日のカード販売開始につき経営会議の決裁平成14年1月24日の被告経営会議で、原告システムを利用したカードの販売について、上記dの[1]ないし[3]を条件に決裁された。 イ平成13年7月5日にサービスを開始できない正当理由の存在(ア) 本件システムは、コンビニエンスストアの店頭で金額をチャージするまでは金券性がないという点であるところ、本件システムでは、次のよ 7月5日にサービスを開始できない正当理由の存在(ア) 本件システムは、コンビニエンスストアの店頭で金額をチャージするまでは金券性がないという点であるところ、本件システムでは、次のような不正行為等がされるおそれがあり、セキュリティの問題があった。 a コンビニエンスストアの店員がユーザーから支払を受けていないにもかかわらず、カードを端末に通し、管理番号と料金のチャージを登録し、通話可能とする。 また、コンビニエンスストアの店員が入金額未満のチャージしかしないか、入金額を超えるチャージをする。 b コンビニエンスストアの店員が店頭でカードにチャージした後、ユーザーのIDナンバーを利用して通話する。同一のカードを繰り返してチャージする方式の場合、最初にユーザーが購入した時点でカードに記載されているID番号がカード上視認される状態になってしまうため、より危険性が高まる。 cBIS端末が盗まれたり、BIS端末の偽造やなりすましが行われる。 d 本件システムのカードは実際のチャージ残数にかかわらずカード上に一定の金額(3000円、5000円、7000円)が記載されているため、実際のチャージ金額ではなく、カード上に記載された金額分だけサービスを利用できると偽って、カードが売買される。 e 原告のシステム、被告のシステムへのハッキングが行われる。 (イ) 上記の問題に関し、被告において対策法が検討されたが、上記aは最終的にはコンビニエンスストアの店員の資質の問題で、システム技術面から防ぐことは困難であり、上記bはID番号以外にパスワードを要求するなどの対策措置を設けることは費用倒れになり、上記cについては 最終的にはコンビニエンスストアの店員の資質の問題で、システム技術面から防ぐことは困難であり、上記bはID番号以外にパスワードを要求するなどの対策措置を設けることは費用倒れになり、上記cについては、BIS端末の電源が切られた場合において端末を再度立ち上げるには専用カードが必要な仕様になっているものの、専用カードごと盗まれることも考えられる上、カードがなくても再起動できることは技術的に困難なことではないと考えられた。 そのため、技術面及びコスト面で有効な対策が見つけられなかった。 (ウ) 当時、原告からは、セキュリティ対策は万全であるとの説明を受けていた。しかし、セキュリティに十分配意して製作されたはずのテレホンカード等でさえ、そのセキュリティを解除され偽造されていた事実に鑑みると、被告としては原告からの説明を鵜呑みにするわけにはいかず、機械的・客観的に裏付けのあるセキュリティ対策を検討する必要があった。 また、公共サービスを行う被告にとっては、仮に被害金額が少額であったとしても、利用者からの信頼を大きく損ないかねず、また、大企業としての社会的責任の観点からも、このような不正が起こり得るカードの発行には慎重にならざるを得なかった。 (エ) したがって、上記のようなセキュリティ対策は重要で、その対策が不完全な状態でサービスを開始することはできなかったのであって、平成13年7月5日のサービス開始を延期したことには正当な理由がある。 ウ本件システムをシングルチャージシステムとすることの合意被告は、原告に対し、平成13年9月17日、1枚のカードで繰り返しチャージできる方式のままでセキュリティ上の課題を解決して社内決裁を通すことは現状を踏まえると見 ムとすることの合意被告は、原告に対し、平成13年9月17日、1枚のカードで繰り返しチャージできる方式のままでセキュリティ上の課題を解決して社内決裁を通すことは現状を踏まえると見通しが不透明である、しかし1枚のカードでのチャージ回数を1回のみとする方式であればめどが立つ可能性が高いがいかがか、との話をした。 平成13年9月18日、A社長から、被告国際電話サービスに関するカードの販売が開始されるのであれば、チャージ回数を制限することに原告に異存はない、被告の方針に任せるとの回答があり、原告からシングルチャージ方式でのカード販売開始について了解を得た。 エ本件システムのサービス開始平成14年1月に被告経営会議で決裁された後、必要なシステム変更のための設計・開発を行うとともに、マニュアルの作成などの周辺作業がすべて終了し、試験運用も完了した。そして、平成14年7月22日、カードの販売が開始された。 (原告の主張)ア平成13年7月4日の一方的なサービス開始中止サービス開始前日の平成13年7月4日に、被告は、突然、原告に対し、サービス開始の中止を一方的に通告し、本カードに対する本件システムのサービス開始は被告の都合で中止された。中止指示に関する被告の説明は、原告のシステムの問題ではないというものであった。 この被告による一方的なサービス開始中止指示以降、本件システムの運用が始まらないため、本件システムの実現を被告に賭けていた原告は、被告に対して早急なサービス開始を再々請求したが、被告は不透明な社内事情を理由にサービス開始決定を先延ばしした。これは、当初の覚書(甲1)締結時の合意に明確に反する履行遅滞である。 、被告に対して早急なサービス開始を再々請求したが、被告は不透明な社内事情を理由にサービス開始決定を先延ばしした。これは、当初の覚書(甲1)締結時の合意に明確に反する履行遅滞である。 イ被告による債務の本旨履行がないこと(ア) シングルチャージ発売までの被告の行動状況被告は、サービスの中止について、その開始時期を、「次の経営会議に付議する」と繰り返すのみで先延ばしした。原告は、平成13年7月のサービス開始中止指示から半年間、被告の言に従い、人員を配し、即時にサービスを開始できるよう備えた。そして、原告は、平成13年9月と11月には被告の依頼に基づき「リチャージャブルカード中止の影響」と題する書面を提出し、被告の対応による影響の大きさを示した。被告の原告に対する先延ばしの理由は、全く合理性を欠くもので、延期の理由にはならない。 ところが、平成14年春になって、被告は、再入金のできない使い捨て形式(シングルチャージ)のカードならば社内の同意が得られる可能性があるとの態度に出た。被告仕様に合わせるための多額の資金需要を業界最大手の被告によるサービス開始を根拠に銀行やベンチャーキャピタルから集めていた原告は、この被告の態度に非常に困惑したが、通ればすぐにリチャージャブルに変更できるとの被告担当者の言を受け入れざるを得ない経営状況にあった。 その結果、本カードは、一度、被告のいう使い捨て型と決まったが、それでもなお事態は改善されず、更に半年後の平成14年7月下旬になってやっと運用を開始したものの、その実体は全く形ばかりのもので、単に回線を繋いでいるのみで、被告がカード発行者であるにもかかわらず、僅かな数のカードを配布したのみで全く何らの宣伝活動も行わず、 なってやっと運用を開始したものの、その実体は全く形ばかりのもので、単に回線を繋いでいるのみで、被告がカード発行者であるにもかかわらず、僅かな数のカードを配布したのみで全く何らの宣伝活動も行わず、原告やカードの販売窓口であるコンビニエンスストアからの広告実施要請にも応えることなく、自己のカードの発売に対する努力を全くしないままであった。 以上から、原告は、被告の平成13年7月4日のサービス開始中止通知以来、被告が本件システムをその本旨に基づいて用いる意思が全くないことを実感するに至った。 (イ) シングルチャージカードも販売する意図が被告になかったこと平成14年8月以降、ベンチャー企業である原告が被告用の本件システムへの多大な投資と、被告のカード発売開始の理由なき中止と遅れによる支出増による資金難から、ついに事実上の支払停止に追い込まれるや、被告は、自己の販売するカードの販売停止を招来するにもかかわらず、直ちに、原告の月額負担費用の不払を理由に本件システムの運用に用いる被告所有の通信回線を切断し、かつ、本件システムに不可欠な原告所有のサーバーへの電源供給を止めて本件システムの運用を停止した。 被告のこの行動は、被告自らが本カードを販売している中で、サービスの回線を止めるということは自己のカードも売らない、すなわち自らの事業の放棄を意味する。換言すれば、被告は、シングルチャージのカードも販売する意図はなく、原告の破綻を待っていたというしかないのである。原告は、自衛のため、被告に対し、本件システムの被告仕様化費用並びに被告の社内事情による運用開始の遅れによる原告の損害について損害賠償請求権を有し、それにより滞納料金を相殺するので、料金滞納は存在しない旨を通告したが 被告に対し、本件システムの被告仕様化費用並びに被告の社内事情による運用開始の遅れによる原告の損害について損害賠償請求権を有し、それにより滞納料金を相殺するので、料金滞納は存在しない旨を通告したが、被告は平成14年9月26日に回線を切断したので、原告の本件システムは中断に追い込まれ、現在に至っている。 (3) 争点(3)(損害額)について(原告の主張)ア本件システムの開発構築に基づく損害 2億1770万5636円(ア) 原告は、平成12年4月以降、被告の要求に従い被告の要求する仕様に合致させるために本件システムを改良したのに、被告は理由のない自らの都合で本件システムを、その改良の本旨に従った使用をしない。原告は、被告が大型化及び二重化を採用条件としたのであって、このような仕様変更の要求がなければ、原告が本件システムを拡大構築することはなかった。 したがって、原告は、上記開発構築費用と同額の損害を負った。 (イ) 被告は、本件システムが他に流用できると主張する。確かに、技術的には他に流用することは可能である。しかし、実際上は、現行の本件システムはワークステーションとしての種々の機能が組み込まれ、被告のみが過不足なく接続できるシステムとなっており、被告と同じシステムを持たない他の事業者は自己のシステムの変更が必要となるため、システム変更費用や維持経費に鑑みると、経済的な観点からは流用できない。 イ平成13年7月4日に運用開始の中止が決定されたことに基づく損害 357万0497円平成13年7月4日に通告されたサービスの中止は、被告の一方的な通告によるもので、それに基づき、原告は、原告の従業員を 定されたことに基づく損害 357万0497円平成13年7月4日に通告されたサービスの中止は、被告の一方的な通告によるもので、それに基づき、原告は、原告の従業員を動員して、事態の説明のため、本件システムの端末が設置されているコンビニエンスストア本部及びその店舗を回った。また、原告は、被告からの指示に従い、カードと宣伝用パンフレットの回収等の手配をし、回収ごとに枚数確認の作業を行った。上記費用は、被告の中止指令に基づく原告の出費であって、被告が負担すべき損害である。 ウ端末機在庫6442万7000円平成12年3月14日の覚書(甲1)締結以降、原被告は他の関係会社と開発部会を定期的に開催していたところ、同年7月の時点では、原被告及び関係会社は、同年10月の開始をするという認識で仕様の細部打合わせを行い、原告は被告の営業計画に合わせてまず3000台の端末機を訴外K株式会社に対して発注し、600台が一部のコンビニエンスストア店舗に設置された。ところが、被告側の開発の遅れが発生したため、原告は端末機の発注を解約しようとしたが、製造委託先のK株式会社では、2400台の発注残のうち500台が仕掛品となり、更に一定の部品が調達済であったため、その費用が端末機メーカーであるK株式会社から原告に請求された(甲15)。この費用は、被告による開発の遅れがなければ発生しなかったものであるだけでなく、結局被告が当初の原被告の合意に基づく本件システムの運用をしなかったことから発生しているものであるから、上記金額は、被告が負担すべき損害である。 エシステム維持費用3120万1702円平成13年7月4日以降は、偏に被告の理由にならないサービス開始の一寸延ばしによる遅延に基 金額は、被告が負担すべき損害である。 エシステム維持費用3120万1702円平成13年7月4日以降は、偏に被告の理由にならないサービス開始の一寸延ばしによる遅延に基づき、原告はサービス開始を前提とした本件システムの維持費用として平成14年7月までの13か月間で上記額を負担した。これは、被告のサービス開始の遅れに基づき原告が負担した原告の損害である。 オ合計3億1690万4835円原告は、上記合計額のうち1億円を請求するものである。 (被告の主張)否認する。 ア本件システムは原告事業のために開発されたものであること原告は、平成11年11月にはシステムの実用化にめどをつけ平成12年6月にはコンビニエンスストア100店舗に端末を設置してフィールドテストを行う等の計画を立てていること等からすると、原告は、本件システムを原告独自の事業の遂行のために開発したものであって、このことは、コンビニエンスストア4万店舗への端末設置などの計画を立てていたことや、各種PRがされていることなどから明らかである。 また、二重化等のシステム拡張も、コンビニエンスストアを対象とするのであれば、コンビニエンスストアは一般に24時間365日営業しているのであるから、システムの停止など許されないのであって、その観点からいって、もともと原告独自の事業遂行のために必要であった。 イ本件システムには汎用性があること本件システムは、技術的にいえば、被告のシステム以外のシステムと接続することも可能であるし、パソコンベースに戻すことも可能である。経済的流用性については、もともと、原告は、原告の事業計画に基づいて二重化等 ステムは、技術的にいえば、被告のシステム以外のシステムと接続することも可能であるし、パソコンベースに戻すことも可能である。経済的流用性については、もともと、原告は、原告の事業計画に基づいて二重化等の拡張を行ったのであって、事後的に採算が合わなくなったから問って、経済的な流用ができないと主張することは失当である。 ウカードリーダーの発注についてカードリーダーの発注についても、原告は被告に何ら相談することなく行っているのであって、被告がかかわっていない以上、原告は被告カードの販売のために上記発注を行ったのではない。したがって、これを被告が負担する必要はない。 第3 当裁判所の判断 1 事実関係証拠等(認定の根拠となった証拠等を()内に示す。直前に示した証拠の丁数ないし頁数等を〔〕内に示す。)によれば、次の事実が認められる。 (1) 原被告間の交渉の経緯と覚書の締結ア被告の計画及び原告との接触平成11年ころから、被告は、国際電話事業におけるプリペイドカードを用いたサービス事業を開始することを計画し、これを所管する国際電話サービス部内の担当部長であったCは、プリペイドカードシステムに関する検討を行っていた(証人C〔1ないし4〕)。 他方、被告千葉支店の営業マンが原告と接触した際、原告の本件システムの話を原告が話したため、同営業マンがCの部下の者に原告を紹介し、同部下の者がCに報告をしたことがきっかけとなり、Cは、原告と接触することとなった。(甲54〔1〕、証人C〔5、6〕)イ原告によるパソコンベースのプレゼンテーション開催(ア) 平成12年2月24日、原告は、被告のC、担当者のL及び技術担当のM課長の立会いの下 〕、証人C〔5、6〕)イ原告によるパソコンベースのプレゼンテーション開催(ア) 平成12年2月24日、原告は、被告のC、担当者のL及び技術担当のM課長の立会いの下、パソコンベースの本件システムの実験を行った(甲54〔2〕、証人C〔11〕)。 その席上、M課長の進言に基づき、Cが、原告に対し、システムが365日24時間安定稼働することが公共性の高いNTTがシステムを採用するための最低条件であり、システムをワークステーションを用いたものとすべきである旨を伝えた。Cは、電気通信事業法(昭和59年法律第86号。なお、C証人は「電気事業通信法」と供述しているが、「電気通信事業法」の言い誤りであると認める。)上、2時間以上通信が途絶えた場合には総務大臣に対する報告義務が生ずるため(電気通信事業法28条、同法施行規則58条1号ロ)、この点を重く見て、原告に対して強く説得を行った(甲22の1〔2〕、54〔2〕、55〔1〕、68〔1〕、証人C〔12、13、29〕、裁判所に顕著な事実)。 なお、Cは、上記の問題点に先立ってカードを販売するコンビニエンスストア店員による不正行為が気にかかったため、その点を原告に質したが、1日1回データベースをチェックすることによって不正を防ぎたいとの回答を得て、一応仕組みを採用し得るものと考え、不正対策はひとまず措いて、双方のシステムが接続可能で安定稼働し、二重化し得るか否かといった根本的な問題を解決しようと考えて、上記のような説得を行い、上記の不正行為への対策はこの根本問題が解決した後に具体的なチェック方法を詰めれば足りると考えていた(証人C〔6、30、31、37、38〕)。 (イ) 二重化とは、ワークステーション本体を複数設置し、CP 策はこの根本問題が解決した後に具体的なチェック方法を詰めれば足りると考えていた(証人C〔6、30、31、37、38〕)。 (イ) 二重化とは、ワークステーション本体を複数設置し、CPU(中央演算装置)が複数になることで、CPUに負荷がかかった場合には複数のCPUで負荷を分散し、システムが異常停止することを防ぐことであり、これにより、異常が発生した場合は自動的に常用システム以外のほかのシステム(バックアップ・システム)に運転を切り替えることが可能となる。また、データベースを記録するディスクに異常が発生してもデータが消滅しないように常時2つのディスク装置に同じ方法を書き込む機能(ミラーリング)もある。(甲26〔1〕)ウ覚書案の作成と覚書(甲1)の締結(ア) 平成12年2月ころ、被告は、原告との間において、本件システムに関して、これを採用してサービスを開始するに当たって技術的検討を行うために覚書を交わすこととした。これに呼応して、原告は、被告に対し、同月14日、覚書の案が提出された。(甲18〔4〕、証人C〔15〕)(イ) 被告は、平成12年3月14日、決裁担当の決裁を経た上で、原告との間で、同日、覚書を交わし、守秘義務のもとで両者において技術検討等を行うこととした(甲1、54〔2〕、乙40、証人C〔14ないし18〕、原告代表者〔第1回2〕)。 その際、被告のCは、原告に対し、本件システムに技術的な問題がなければ実行されるという趣旨の説明をした(甲22の1〔3〕、54〔2〕、証人C〔14、15〕)。 (ウ) 覚書(甲1)には、次の旨の記載がある。 ● 本覚書をもとに、原告及び被告は技術検討等を行い、両者で代理店契約に合意した場合に 〕、証人C〔14、15〕)。 (ウ) 覚書(甲1)には、次の旨の記載がある。 ● 本覚書をもとに、原告及び被告は技術検討等を行い、両者で代理店契約に合意した場合に別に定める販売代理店契約を調印するものとする(甲1〔第1項〕)。 ● 原告は、本件システムの運用サービスを被告以外の電話会社に対して被告の了解なくして被告の運用開始日から起算して1年間行わない。ただし、Fへのサービスを除く。なお、1年間経過後においても、原告が被告及びF以外の電話会社に対して本件システムの運用をする場合は、事前に被告へ通知するものとする。(甲1〔第2.2項〕)● 原被告が代理店契約に合意した場合は、平成12年10月を目途として被告は、被告のシステムの準備が完了次第速やかに本件システムを利用したサービスを開始する(甲1〔第2.3項〕)。 ● 原告及び被告は、本覚書に基づき開示される事項に関して、各守秘義務を遵守し、原告及び被告の合意なしで、第三者に公表し、又は漏らしてはならないものとする。ただし、本件に関する守秘義務は本覚書終了後、1年間継続するものとする。(甲1〔第4項〕)(2) 原告による本件システムの改良と販売の準備ア本件システムの改良(ア) 原告は、平成12年2月25日から、二重化のための作業を開始した(甲16〔2〕)。 (イ) 同作業は、次の4段階に分けられて実行され、具体的には、商用サービスの開始に併せて、端末生産計画を手作りから量産タイプへの設計変更し、量産可能なメーカーの選定を行い、サービス開始の3ないし4か月前から実験サービスをコンビニエンスストアで稼働させ、被告サービスをスムースに開始することとし、実 画を手作りから量産タイプへの設計変更し、量産可能なメーカーの選定を行い、サービス開始の3ないし4か月前から実験サービスをコンビニエンスストアで稼働させ、被告サービスをスムースに開始することとし、実験サービス開始の1か月ほど前には、システムをハウジングルーム内に設置し、実験の試験を開始させ、実験サービス開始までには、ソフトウェア開発を終了させ、同ソフトウェア開発用にワークステーションサーバを導入することになっていた(甲29の2、55〔1〕)。 ● 第1段階パソコンベースのシステム構成で売上処理を実現し、ワークステーションベースのシステムの試作端末の設計を行う● 第2段階試作端末を製造し、ワークステーションベースのシステム構成で必要な機能の実現と試験を行う● 第3段階端末を100台試作し、フィールドテストを行い、運用設計をし、拡張アプリケーションの設計及び製造を行う● 第4段階量産体制、メンテナンス体制、検査体制、物流体制を確立するイ本件システムの改良に関する原被告間の協議等平成12年8月16日、被告担当者であるNは、原告のB副社長から本件システムの端末の不正防止に関し、BISホスト側ですべての規制ができる、発信場所の特定もできるという対策が施されていることを通知された。(甲24、73)平成12年10月26日、原告、被告及び関連会社は、本件システムに関して、技術上の問題を協議した(甲56)。 平成13年3月28日及び同年4月2日、原告、被告及び関連会社は、本件システムに関して、技術上の問題を協議した(甲19、57)。 ウ本件カードサービス開始の準備平成12年5 3年3月28日及び同年4月2日、原告、被告及び関連会社は、本件システムに関して、技術上の問題を協議した(甲19、57)。 ウ本件カードサービス開始の準備平成12年5月18日、被告(首都圏営業支店)と原告は、被告が提供する電気通信回線に接続する原告の電気通信端末機器及びそれに付帯する設備の保守を被告に委託するとの合意をした(甲20)。 平成12年6月26日、原告は、実際に店舗でリチャージャブルカードを販売し、本件システム上の技術的な不備やカード販売上の問題点を発見するために、商用実験として「@bisカード」を作成、販売を開始した(甲54〔2、3〕)。 エ本件カードサービス開始の延期と代替事業被告は、国際電話用カードとしてリチャージャブルカードに先立って金券式のものを発売することとし、平成12年後半ころ、原告に対し、本件システムを用いた国際電話プリペイドサービスの開始時期を同年10月から平成13年3ないし4月ころに延期すると伝えた(甲54〔3〕、原告代表者〔第1回3〕)。 これに対し、平成12年10月からの運用開始を予定していたコンビニエンスストア側から苦情が出て、延期期間中のつなぎとして他のカードを販売するようにとの要求があったため、同年11月、原告は、被告から許可を得た上、韓国系二種事業者であるJ社のリチャージャブルカードを販売し始めたが、採算に合わないものであった。同月28日、被告は、原告に対し、覚書(甲1〔第2.1項〕)により被告の許可なく本件システムによる運用を提供できる先として特例として認めていた「F」の替わりに、「韓国系二種事業者」を特例として認めたことを確認した(甲21、54〔3〕、原告代表者〔第1回3〕)。 オ本件シ テムによる運用を提供できる先として特例として認めていた「F」の替わりに、「韓国系二種事業者」を特例として認めたことを確認した(甲21、54〔3〕、原告代表者〔第1回3〕)。 オ本件システムの被告による受入れ平成13年5月15日、被告担当者は、原告担当者及び関連会社の担当者に対し、国際カードコールシステムのプログラムの受入検査について、その結果が合格である旨を電子メールで通知した(甲5、54〔3〕)。 (3) サービス開始の通知とその中止アサービス開始目標とその変更原告と被告とは、本件カードサービスの開始について、これを平成13年6月1日とすることを目標として準備を進めていたが(争いのない事実、甲4)、被告は、カードの作成が間に合わなかったことから、これを延期することとした(甲8の1、弁論の全趣旨)。 イサービス開始予定日の通知と変更原告のB副社長が、被告の担当者に対し、平成13年6月7日午後0時17分、コンビニエンスストアのOにおける本件カードサービスの開始が同年7月9日で調整に入ったとしつつ、パンフレットがコンビニエンスストアに到着する日が同月11及び12日、カードがコンビニエンスストアに到着するのが同月12日となっている旨の報告をした。これに対して、被告の担当者は、原告のBに対し(なお、そのコピーが被告の担当部長であるD等の担当者へ送信されている。)、平成13年6月7日午後0時52分、「リチャージャブルカードのサービス開始日は社内外に対して7月9日(月)としております。従いまして7月9日には店頭でお客様がお買い上げできるようにお願いします。」として、本件カードサービスの開始が同年7月9日であるから、同日にカードを購入できる状態にす て7月9日(月)としております。従いまして7月9日には店頭でお客様がお買い上げできるようにお願いします。」として、本件カードサービスの開始が同年7月9日であるから、同日にカードを購入できる状態にするよう、電子メールにより通知した。(甲60)しかし、同日午後1時31分には、上記担当者が原告のBに対し、「リチャージャブルカードの店頭販売開始日7月5日(木)で調整方よろしく願います。」とし、店頭販売開始日を同月5日に変更する旨を通知した(甲61)。 ウサービス開始決定の通知被告の担当者は、原告のBに対し(なお、そのコピーが被告の担当課長へ送信されている。)、平成13年6月15日「リチャージャブルカードのサービスインは7月5日の午前0時決定です」として、本件システムを用いたサービスの開始が同年7月5日午前0時である旨を電子メールにより通知した(甲7、54〔3〕)。 エシステム接続に係る覚書(甲6)の締結原告と被告は、平成13年6月21日、被告のプリペイドカード通話サービスに係るシステムと原告の本件システムとを接続するに当たり、接続形態等について定めた覚書を交わした(甲6、54〔3〕、原告代表者〔第1回5、6〕)。同覚書においては、覚書の有効期間は同年7月5日から平成14年3月31日までとし、更新され得ることが規定されている(甲6)。 オプリペイドカードに関する契約の締結原告は、平成13年6月下旬ころ、本件カードサービスにおいて用いるリチャージャブルカードについて、株式会社H及び株式会社O、P(いずれもコンビニエンスストア)との三者間で業務内容を定める契約書の送付を受け、代表者が記名押印して返送した(甲62の2、甲69〔2〕)。 ャブルカードについて、株式会社H及び株式会社O、P(いずれもコンビニエンスストア)との三者間で業務内容を定める契約書の送付を受け、代表者が記名押印して返送した(甲62の2、甲69〔2〕)。 カプリペイドカード及びパンフレットの発送被告は、原告に対し、平成13年6月30日、本件カードサービスにおいて用いるプリペイドカード(リチャージャブルカード)(甲8の1)及びパンフレット(甲8の2)を発送した(甲52の1及び2)。 キ被告による決裁がおりなかったこと(ア) 被告においては、担当部内での決定事項に関し、当該事項に関係する社内各部に稟議を回して決裁を経ることになっている。他方、一定の重要な案件については経営会議にかけて承諾を経ないと会社として事業を進めることはできないことになっており、経営会議に付議すべきか否かの判断は、経営企画部が行っている。(乙45、証人D〔7〕)(イ) 被告において本件システムを所管する国際電話サービス部においては、平成13年6月ころには既に本件システムを採用することに技術的な問題はなく、新規サービスの開始を監督官庁へ届け出るため、この種の約款変更届出事務を主管する経営企画部の担当部長の決裁を得れば内部の決裁も完了すると認識しており、既に同部の担当課長からは決裁につき了解を得ていた。そして、同年7月3日、国際電話サービス部から、経営企画部に対し、契約約款変更届出についての決裁の申請があった。これに対し、経営企画部の担当部長は、自らの判断では決裁ができず、上司である経営企画部長の判断を仰ぐこととした。そのため、同月5日の運用開始までに決裁を得ることはできなくなった(証人D〔1ないし3〕)。 クシステム開放作業の中止連絡 きず、上司である経営企画部長の判断を仰ぐこととした。そのため、同月5日の運用開始までに決裁を得ることはできなくなった(証人D〔1ないし3〕)。 クシステム開放作業の中止連絡被告担当者は、原告側担当者に対し、平成13年7月4日、電子メールにより、被告の営業担当からシステム開放を一旦中止にするようにとの指示が来ていることを理由として、同日のシステム開放作業に関しては一旦中止するよう通知した(甲9)。 ケ被告は、本件システムを用いた国際電話プリペイドサービスのリチャージャブルカードを納入した先であるコンビニエンスストアに対し、平成13年7月4日付けで、同月5日に予定されていた販売開始を延期し、配送されたカードを回収する旨の文書を作成、通知した(甲23)。 (4) サービス開始中止通知以降の経緯ア被告の決裁状況(ア) 被告の経営企画部長は、本件システムを利用した国際電話プリペイドサービスについては、セキュリティ対策上の問題があることから、経営会議に付することを相当とし、平成13年7月23日の経営会議に付議された。同会議の席上、出席役員からセキュリティ問題について質問が出されたが、それらについてはそれまでほとんど検討がされておらず、国際電話サービス部の出席者がこれに十分な回答ができなかったため、同問題を検討の上、経営会議において再審議することとなった。(乙45〔2、3〕、証人D〔8ないし11〕)(イ) 同会議における指摘及び上記決定を受けて、被告担当部署(国際電話サービス部、法務考査部)内においてセキュリティ問題が検討され、本件システムには、次の問題があるとされた(乙41、45〔3〕)。 a コンビニエンスストアの店員がユーザー 国際電話サービス部、法務考査部)内においてセキュリティ問題が検討され、本件システムには、次の問題があるとされた(乙41、45〔3〕)。 a コンビニエンスストアの店員がユーザーから支払を受けていないにもかかわらず、カードを端末に通し、管理番号と料金のチャージを登録し、通話可能とする可能性がある。 また、コンビニエンスストアの店員が入金額未満のチャージしかしないか、入金額を超えるチャージをする可能性がある。 b コンビニエンスストアの店員が店頭でカードにチャージした後、ユーザーのIDナンバーを利用して通話する可能性がある。この点は、同一のカードを繰り返してチャージする方式の場合、最初にユーザーが購入した時点でカードに記載されているID番号がカード上視認される状態になってしまうため、より危険性が高まる。 cBIS端末が盗まれたり、BIS端末の偽造やなりすましが行われる可能性がある。 d 本件システムのカードは実際のチャージ残数にかかわらずカード上に一定の金額(3000円、5000円、7000円)が記載されているため、実際のチャージ金額ではなく、カード上に記載された金額分だけサービスを利用できると偽って、カードが売買される可能性がある。 e 原被告いずれかのシステムへのハッキングが行われる可能性がある。 (ウ) 被告内においては、上記セキュリティ上の問題について協議がされたが、その後も、経営会議に付議できない状況が平成13年末まで続き、平成14年1月24日の経営会議に付議することとなり、上記経営会議において、本件システムを利用した国際電話プリペイドサービス(シングルチャージ方式)の開始について決裁を得た(乙4 成13年末まで続き、平成14年1月24日の経営会議に付議することとなり、上記経営会議において、本件システムを利用した国際電話プリペイドサービス(シングルチャージ方式)の開始について決裁を得た(乙42、証人D〔23、24〕)。 イ原被告間における交渉(ア) 原告のB副社長は、被告担当部長であるD部長に対し、再三にわたって、コンビニエンスストアの役員からサービス開始時期について催促されたことや株主に対する説明ができかねることを理由として、同開始時期について電子メールで問い合わせた。 これに対し、D部長は、経営企画部と打ち合わせている、経営会議への付議準備を進めている等と回答し、平成13年1月まで、サービス開始時期に関する明確な回答はなかった。(甲10の1ないし9、証人D〔23、24〕)(イ) 被告のD部長は、原告に対し、リチャージャブル方式では社内の決裁がとれないが、シングルチャージ方式であれば決裁がとれるし、将来、リチャージャブル方式に変更する可能性もあると説明をし、これに対して、原告は、D部長に対し、シングルチャージ方式による本件カードサービスの開始を承諾した(甲66〔1、2〕、乙62、証人D〔13、14〕)。 (ウ) 被告は、原告に対し、平成14年1月28日になって、本件システムを利用した国際電話プリペイドカードサービス(シングルチャージ方式)の販売再開について、当初の計画を一部修正した上で、めどが立った旨の連絡をした。(甲11)ウシングルチャージ方式の進行(甲12)被告は、原告に対し、平成14年6月15日、シングルチャージカードのインストールが同日に完了し、最終判定会議において、同年7月22日のサービス開始に向けて準備を進めることとなったた 被告は、原告に対し、平成14年6月15日、シングルチャージカードのインストールが同日に完了し、最終判定会議において、同年7月22日のサービス開始に向けて準備を進めることとなったため、コンビニエンスストアに対してカードを発送するよう依頼する旨を電子メールで通知した。(甲12)(5) シングルチャージ方式カードによるサービス開始アシングルチャージ方式カードの発行に関し、原告担当者が被告担当者に対し、平成14年5月17日、1券種当たり1万2000枚であるかとの問い合わせをし、これに対して、同被告担当者は、同原告担当者に対し、同月20日、1券種当たり4000枚であり、3券種の合計で1万2000枚であるとの回答をした(甲69〔16、17〕)。 イ被告は、平成14年7月22日、シングルチャージ方式カードによる本件システムの運用を開始し、同日、上記カードの販売が開始された(弁論の全趣旨)。 ウシングルチャージ方式カードの発行に関し、原告のBは、被告担当者に対し、平成14年8月1日、O向けのカード在庫が減っており、同月中には欠品状態となると予測されることから、至急の納品を要請した(甲69〔21〕)。しかし、これに対して、特段の納品はされなかった(弁論の全趣旨)。 2 争点(1)(平成13年7月5日に至るまでに、被告が本件システムを採用し本件カードサービスを開始する義務が発生していたか否か)について(1) 上記認定事実に対する評価ア前記1(1)ないし(3)において認定したところを総合すると、原告と被告の担当部である国際電話サービス部においては、本件システムについて、技術的検討をして問題がなければ採用するという認識で覚書(甲1)を締結したものであり、国際電話サービス部 ころを総合すると、原告と被告の担当部である国際電話サービス部においては、本件システムについて、技術的検討をして問題がなければ採用するという認識で覚書(甲1)を締結したものであり、国際電話サービス部(長)が、本件システムを採用する契約を締結する権限はもとより、上記のような将来契約締結の義務を発生させる覚書の締結権限を有することについては、被告も特に争っていない。そして、覚書締結当時、被告の国際電話サービス部としては、原告が本件システムを同業他社へ持ち込まないよう規制をする必要があると認識し、基本的には本件システムを採用するという方針であったこと、原告のシステムが被告のそれと接続可能で、二重化の上、24時間365日安定稼働するシステムとなることが本件システムを採用するための条件であって、これを実現する必要があると原告に伝えたことが認められる。そうすると、本件覚書締結の際、原被告双方は、技術的検討を経て上記条件が満たされれば、本件システムを採用する契約を締結する旨合意していたと認められる。 その後、原告が、システムの24時間365日安定稼働を達成するべく、ワークステーションシステムへの変更により二重化等を達成し、被告と技術的問題について協議を重ね、技術的問題の解消を行い、原告及び被告担当部署が技術的問題は解消されたとの認識に至ったことが認められ、被告担当部署が、このような認識に立って、平成13年6月15日、同年7月5日に本件カードサービスを開始する旨の決定をし、原告に対してこれを通知して、本件カードサービスにおいて用いるプリペイドカード及びパンフレット等のコンビニエンスストアに対する発送等、本件カードサービスの開始に関する準備を指示したものと認められる。 イ以上に照らすと、契約締結権限を有する被告国際電話サービス ド及びパンフレット等のコンビニエンスストアに対する発送等、本件カードサービスの開始に関する準備を指示したものと認められる。 イ以上に照らすと、契約締結権限を有する被告国際電話サービス部において、覚書(甲1)の記載ないし覚書締結の趣旨に従い、本件カードサービスの開始に当たっての障害たる技術的問題が解消されたとの認識の下で本件カードサービスの開始決定を対外的に明らかにしたのであるから、遅くとも平成13年6月15日に本件カードサービスの開始を通知し、準備を指示した時点で、被告において平成13年7月5日に本件カードサービスを開始するとの合意が原被告間でなされ、同債務が被告に生じたというべきである。 (2) 被告の主張に対する判断アこれに対して、被告は、被告が本件システムを利用させてもらう立場であり、したがって被告は本件システムを採用するか否かを決定するのみであり、これを採用する義務はないと主張する。しかし、上記の通り、覚書(甲1)の締結の趣旨は、技術的問題がなければ本件システムを採用するという前提であったのであるから、かかる経緯に照らすと、被告の主張は事実に反し、採用できない。 イまた、被告は、平成13年7月5日以前にも、サービス開始時期を同年6月1日と定めておきながらこれを延期したことがあったのであるから、平成13年7月5日の開始決定のみを捉えて特別視することができない旨をも主張する。 しかしながら、同日のサービス開始決定においては、パンフレット及びプリペイドカードの発送等も行い、被告が原告に対してサービス開示日には顧客がカードを購入できる状態にするよう要請もしていて、被告の意思以外にサービス開始を妨げる事情は見当たらなかったのに対し、従前の延期は、前記1(3)アにおいて認定し が原告に対してサービス開示日には顧客がカードを購入できる状態にするよう要請もしていて、被告の意思以外にサービス開始を妨げる事情は見当たらなかったのに対し、従前の延期は、前記1(3)アにおいて認定したとおり、サービスを開始するために必要な物品等の準備が整わなかったことによるものと認められるのであって、両者は性質を異にしているというべきである。 したがって、被告のこの主張も採用できない。 ウさらに、被告は、平成13年7月5日の時点においてもセキュリティ上の問題が存在したとの主張もしている。 確かに、被告においては、上記1(1)イ、(4)ア(イ)において認定したとおり、覚書締結前にもセキュリティ上の問題を指摘し、その後の本件システム改良段階においても、この点が検討されたことは認められる。しかし、これらは根本的な技術的問題が解決した後に、運用開始に当たって具体的な対策を詰めれば足りるものと認識していたことが認められるし、経営会議において指摘されたセキュリティ上の問題点について、契約締結権限を有する国際電話サービス部ではそれまでほとんど検討していなかったことからしても、そのような問題点は契約締結の前提問題ではなかったことが認められる。また、被告指摘の問題点は、いずれもリチャージャブルカードシステムには不可避的に伴うものであって、完全な防止策がないことは当初から想定可能な問題であるといわざるを得ず(例えば、上記1(4)ア(イ)a及びbは、人間を用いて販売する以上避けられないものであるし、同c及びeは、どのようなシステムを採用しても完全に防止することは不可能といってよい。)、これらを完全に解決することは覚書にいう技術的問題であるとはいい難いのであって、被告はこれらが完全に解決していないことを理由に契約の締 システムを採用しても完全に防止することは不可能といってよい。)、これらを完全に解決することは覚書にいう技術的問題であるとはいい難いのであって、被告はこれらが完全に解決していないことを理由に契約の締結を拒むことはできない。 したがって、被告の上記主張も採用できない。 3 争点(2)(被告は、原告に対し、本件カードサービスの提供義務を履行したか否か)について(1) 前記1において認定したところを総合し、かつ、上記2(2)において説示したところに鑑みると、平成13年7月5日のサービス開始について、セキュリティ上の問題があることを理由としてこれを延期したことは、債務不履行に該当すると認められる。 また、同様に、同日のサービス開始を延期したことについて、原告がこれを承諾する旨を述べたことは認められるが、前記1(4)イ(ア)において認定したとおり、原告は本件カードサービスの開始を再三にわたって被告に促していることからすると、原告は、本件カードサービスの開始の延期を無条件に承諾したものではなく、単に決裁の遅れから開始時期が遅れたにすぎず、開始の延期後速やかに本件カードサービスの開始がなされるとの認識の下で延期を承諾したものと認められる。 さらに、本件カードサービスをシングルチャージ方式に変更することについても、原告がこれを承諾したことについては争いがない。しかし、前記1(4)イにおいて認定したとおり、原告が本件カードサービスの開始を再三にわたって被告に促した結果であることに鑑みると、原告としては、速やかに本件カードサービスが開始されることを望んでいたものであり、被告が当面はどうしてもシングルチャージ方式で実施するとの意向であったことから、ともかくサービスの実施を最優先する趣旨でやむを得ずシングルチ 本件カードサービスが開始されることを望んでいたものであり、被告が当面はどうしてもシングルチャージ方式で実施するとの意向であったことから、ともかくサービスの実施を最優先する趣旨でやむを得ずシングルチャージ方式でのサービスを開始したことが認められ、このことをもって本件覚書の趣旨を変更する合意があったとは認められない。 (2) また、前記1において認定したところによれば、シングルチャージ方式の本件カードサービスの開始に当たっては、販売促進を目的としたパンフレットは配布されず、プリペイドカードについても、在庫僅少状態になるほど販売されているにもかかわらずこれを追加発行しなかったこと、システム開始からわずか2か月後にシステム自体の停止に至り、本件カードサービスが終了したことが認められる。何らかの事業が行われる際には、宣伝等により販売の促進を図るのが通常であること、一定数の売上がある場合において在庫僅少状態を放置することはないと考えられること、システム自体の停止を容認すればサービスも遂行できないのであって、サービスの遂行を望むのであればシステムの維持を図ろうとするのが通常であることに鑑みると、シングルチャージ方式によるカードサービス自体は平成14年7月22日に開始されたが、同方式によるサービスを前提としても、被告はその債務をその本旨に従って履行したとは評価できない。 4 争点(3)(損害額)について(1) 開発費用原告は、本件システムをパソコンベースからワークステーションベースに変更し、これによってシステムを二重化し、システムの24時間365日安定稼働を達成した。これこそが被告による本件システム採用の最低条件であって、被告もこれを求めたものであるから、被告が本件システムを採用し、本件カードサービスを開始する債務を履 テムの24時間365日安定稼働を達成した。これこそが被告による本件システム採用の最低条件であって、被告もこれを求めたものであるから、被告が本件システムを採用し、本件カードサービスを開始する債務を履行しなかったことにより、本開発費用のうち、少なくとも被告のための固有の開発費用である二重化作業費用は無価値となったものである。したがって、これら費用は、原告の損害となるというべきである。 したがって、開発費用として原告が主張する額のうち、少なくとも、二重化に要した第1フェーズ及び第2フェーズ費用合計1328万0827円(第1フェーズにつき、請求書(甲36の1)上、他の費用と併せて値引きをしているので、次の計算式6,093,000(値引後の全請求額)5,791,000(費用)× ────────────────×1.05(消費税)7,471,100(請求書上の全請求額)により算出された額である495万8947円(1円未満は切捨て)、第2フェーズにつき、これに要した費用である990万7000円に対し、2割の値引がされたと認められるので、次の計算式9,907,000(費用)×0.8(値引割合)×1.05(消費税)により算出された額である832万1880円)については、損害と認められる(甲36の1、39、弁論の全趣旨)。 (2) 端末の製造、保管費用原告は、本件システムに用いる端末につき、その製作費用及び保管費用を負担しているところ、被告が本件カードサービスを開始、維持しなかったことにより、製作費用が無価値に帰し、かつ、保管費用を要することとなったので 件システムに用いる端末につき、その製作費用及び保管費用を負担しているところ、被告が本件カードサービスを開始、維持しなかったことにより、製作費用が無価値に帰し、かつ、保管費用を要することとなったのであるから、これらの費用については、全額が原告の損害であると認められるところ、原告は本件サービス開始予定日段階で製造途中であった500台分の費用6442万7000円(甲15)のみを請求しているから、少なくとも同額の損害があったものと認められる。 (3) サービス中止に伴う費用、システム維持費用原告は、平成13年7月5日のサービス開始延期に伴い、費用を負担しているところ、同サービス延期による被告の債務不履行がなければ上記費用を負担することはなかったのであるから、これらの費用についても、全額が原告の損害であると認められる。 上記サービス延期については、これを承諾する旨を原告が述べているが、前記説示のとおり、これは速やかに本件カードサービスが開始されることが前提となっているのであるから、上記費用を受忍する旨の意思表示をしたとまでは評価できないのであって、上記費用3477万2199円(うち、サービス中止に伴う費用が357万0497円、システム維持に必要な費用が3120万1702円)についても、原告の損害であると認められる(甲40ないし42、43の1及び2、45ないし52の2)。 (4) 相殺上記(1)ないし(3)により認められる原告の損害は1億1248万0026円である。 これに対して、前記第2・1(4)及び(5)のとおり、原被告においては、コロケーションサービス、OCNサービス及びフレームリレーサービス契約が締結されており、同契約に基づき、被告には料金支払請求権及び遅延損害金の請求権が発 1(4)及び(5)のとおり、原被告においては、コロケーションサービス、OCNサービス及びフレームリレーサービス契約が締結されており、同契約に基づき、被告には料金支払請求権及び遅延損害金の請求権が発生したものと認められるところ、原告は、前記第2・1(6)のとおり、上記(1)ないし(3)による損害賠償請求権と対当額において相殺するとの意思表示をしているので、損害額は相殺の主張額分だけ減ずることとなるが、これを行っても、少なくとも1億円以上、原告に損害が発生しているものと認められ、他方、被告の有する料金支払請求権は相殺により全部消滅したこととなる。 (5) 被告の主張に対する判断ア被告は、本件システムには汎用性があるから、同開発費用に関しては損害として算定されないと主張する。 しかしながら、現に本件システムを利用する者としてはJ社があったものの、同社との取引は被告による採用が遅れたことによるつなぎとして開始されたものであって、採算が合うものではなく、他にこれを利用する者を探すのは困難であり、原告としては、被告による採用を前提として、さらに本件システムの利用の増大をはかろうとしていたにすぎないから、経済的汎用性には乏しいといわざるを得ず、被告の主張は採用できない。 イまた、被告は、本件システムは原告独自の事業遂行に係るシステムであって、被告はその一部を利用したにすぎないから、損害とされた費用を負担する謂われはないとも主張する。 しかしながら、前記認定からすると、被告は最低条件として24時間365日安定稼働を要求しており、これを前提として原被告間において技術的検討が加えられてきた経緯が認められ、これに照らすと、本件システムを原告独自の事業遂行に係るシステムであると断定することは 時間365日安定稼働を要求しており、これを前提として原被告間において技術的検討が加えられてきた経緯が認められ、これに照らすと、本件システムを原告独自の事業遂行に係るシステムであると断定することはできないのであって、被告のこの主張も採用できない。 被告は、本件システムの二重化は原告にとっても必要なものであったとの主張もしているが、二重化することがシステムの安定性の確保等の要請によりよく合致し、より適切であるということはできても、それが直ちに原告にとって必要であるとまでいうことはできないし、原告の事業計画についても、平成11年にシステムの実用化のめどが立ったことのみでは原告の事業計画として独自に二重化まで企図したものと考えることはできないし、それ以後については、被告との接触が既になされていた時期なのであり、平成12年3月14日に覚書(甲1)が締結されていることからすると、その前の時期からはすでに被告との接触に基づき、被告との関係で計画を立てていたとしても不自然ではない。 したがって、被告のこの主張も採用できない。 5 結論以上のとおり、原告の本訴請求に関し、被告には、平成13年7月5日に本件システムを採用した本件カードサービスを開始するべき債務を原告に対して負っていたのであり(争点(1))、被告は、システム変更の上、平成14年7月22日に本件カードサービスを開始しているが、本件覚書による被告の債務がこのように変更されたとは認められず、これは債務の履行とはいえないのである(争点(2))から、被告において債務不履行に基づく損害賠償請求義務があることは明らかである。そして、その損害として、原告は1億円を請求しているところ、少なくとも1億円の損害が存することは明らかであるから(争点(3))、被告には 債務不履行に基づく損害賠償請求義務があることは明らかである。そして、その損害として、原告は1億円を請求しているところ、少なくとも1億円の損害が存することは明らかであるから(争点(3))、被告には、同額の損害賠償義務が存在する。 他方、被告の反訴請求に関し、上記のとおり原告が被告に対して損害賠償請求権を有するところ(争点(1)及び争点(2))、原告は同請求権を以て反訴請求債権と相殺をした結果(争点(3))、反訴請求債権が全額消滅したものである。 よって、原告の本訴請求は理由があるから認容し、被告の反訴請求は理由がないから棄却し、職権により被告に担保を立てさせて仮執行免脱の宣言をすることとし、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第34部裁判長裁判官藤山雅行 裁判官金光秀明 裁判官萩原孝基

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