平成21(ネ)3051 意匠権侵害差止等請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
平成22年5月14日 大阪高等裁判所
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判決文本文1,710 文字)

- 1 -平成22年5月14日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成21年(ネ)第3051号意匠権侵害差止等請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成21年(ワ) 第2726号)口頭弁論終結日平成22年4月16日判決控訴人(原告) 大阪ケミカル工業株式会社訴訟代理人弁護士村林㨯一,井上裕史,原仁志被控訴人(被告) 株式会社クリエイティブ・エナジー被控訴人(被告) 株式会社サルース被控訴人ら訴訟代理人弁護士小切間俊司弁理士東尾正博,中谷弥一郎,田川孝由北川政㨯,鎌田直也 主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1控訴の趣旨 原判決を取り消す。 被控訴人株式会社クリエイティブ・エナジーは,原判決別紙物件目録記載の長靴を輸入し,販売し,販売のために展示してはならない。 被控訴人株式会社サルースは,前項の長靴を販売し,販売のために展示してはならない。 被控訴人らは,控訴人に対し,連帯して3200万円及びこれに対する平成21年3月6日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による- 2 -金銭を支払え。 第2事案の概要 意匠に係る物品を「長靴」とする登録意匠の意匠権者である控訴人が,女性用ブーツを販売などする被控訴人らに対し,販売等の差止めと損害賠償金の支払を求めた。 原審は,被控訴人意匠と本件意匠とは類似しないとして請求を棄却した。 前提事実並びに争点及び争点に対する当事者の主張は,次のとおり,控訴人の当審での補充主張を加えるほか,原判決「事実及び理由」中「第2事案の概要」の1及び2並びに「第3争点に関する 棄却した。 前提事実並びに争点及び争点に対する当事者の主張は,次のとおり,控訴人の当審での補充主張を加えるほか,原判決「事実及び理由」中「第2事案の概要」の1及び2並びに「第3争点に関する当事者の主張」に記載のとおりである。 控訴人の補充主張大小の違いはあるものの,被控訴人意匠にも本件意匠と同じような縦じわとそれに伴うこぶ上のふくらみがあることは否定できない。また,意匠法24条2項の趣旨からすれば,意匠の些末な相違点にとらわれることなく,最終的には需要者が当該意匠を全体としてどのように捉えるのかが決定的な判断要素となるべきである。 禁反言についても,控訴人は,本件意匠が3条1項3号に該当するとの指摘に対して事実を回答しただけであって,禁反言にはあたらない。 第3 判断 当裁判所も,被控訴人意匠と本件意匠とは類似しないと認め,控訴人の請求は理由がないと判断する。その理由は,原判決「事実及び理由」中「第4当裁判所の判断」の1に記載のとおりである。 控訴人の当審における補充主張について本件意匠は筒部の絞りと絞りの間に上下に長い大小のこぶ状の膨らみが多数形成されているのに対し,被控訴人意匠はこぶ状の膨らみはなく,絞りに伴う自然な縦じわがあるにすぎないとの相違点2が中心となって,被控訴人意匠は,需要者の視- 3 -覚を通じて起こさせる美感の相違を本件意匠との間に起こさせている。上記事項などを参酌して本件意匠の要部を把握し,被告意匠がその要部における構成態様と共通するか否かを判断することは,意匠法24条2項の趣旨に沿うものである。本件意匠の出願経過において,胴部の絞りの段数の相違を強調して類似性を否定していたのに,本件訴訟において,胴部の絞りの段数相違は需要者に与える美感に影響を及ぼさないなどとして出願経過と相反する主張をする 意匠の出願経過において,胴部の絞りの段数の相違を強調して類似性を否定していたのに,本件訴訟において,胴部の絞りの段数相違は需要者に与える美感に影響を及ぼさないなどとして出願経過と相反する主張をすることは,禁反言の法理ないし信義則に違反するというべきである。これらの判断は,原判決説示のとおりである。 控訴人の補充主張は理由がない。 以上のとおりであり,本件控訴は理由がないから,主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第8民事部裁判長裁判官塩月秀平裁判官久保田浩史裁判官平井健一郎

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