昭和48(行コ)10 建築確認処分無効確認等請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
昭和50年9月17日 広島高等裁判所 警察関係
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判決文本文14,885 文字)

○ 主文本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。○ 事実一双方の申立 1 控訴人は「原判決を取消す。被控訴人広島市建築主事が昭和四二年広島市建築確認第二四六号をもつて参加人株式会社長崎屋に対してなした建築確認処分は無効であることを確認する。被控訴人広島市は控訴人に対し、金五〇万円およびこれに対する昭和四六年七月二二日から完済にいたるまで年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は一、二審とも被控訴人らの負担とする。」との判決を求めた。2 被控訴人らおよび参加人は主文同旨の判決を求めた。二双方の主張と証拠関係当事者双方の主張および証拠関係は、左記に付加するほか原判決事実摘示のとおりである(ただし、原判決八枚目裏三行目に「被告」とあるのを「被害」と、一〇枚目表五行目に「A」とあるのを「A」と訂正する。)から、これを引用する。控訴人の主張被控訴人広島市建築主事は、本件建築確認処分をするに際しては、当該建築物の敷地の現況、或いは同土地に対し第三者が使用権を有するか否かの点などを調査すべきであるのに、これをなさず、たんに建築確認申請者が提出した書面上の審査のみで、本件建築確認処分をしたのは違法である。○ 理由一本案前の主張についてまず、控訴人の訴えの利益について検討するに、建築基準法(昭和四三年法第一〇一号による改正前のもの、以下たんに法と呼ぶ)六条一項は、建築主が同項第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合には、当該工事に着手する前に、当該工事の計画が当該建築物の敷地、構造および建築設備に関する法律並びにこれに基く命令および条例の規定に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受けなければならない旨を規定し、その具体的基準については、同法および同法施行令などに定められてい れに基く命令および条例の規定に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受けなければならない旨を規定し、その具体的基準については、同法および同法施行令などに定められている。 これに基く命令および条例の規定に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受けなければならない旨を規定し、その具体的基準については、同法および同法施行令などに定められてい れに基く命令および条例の規定に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受けなければならない旨を規定し、その具体的基準については、同法および同法施行令などに定められている。しかして、法が右規制を設けている趣旨は、直接には、健全な建築秩序を確保し、一般的な火災危険の防止、生活環境の保全等という公共の利益の維持増進にその目的があることは同法一条の規定により明らかであるが、この場合における公共の利益は、具体的には、建築主または近隣居住者の採光、通風、住居の静ひつという生活環境の保全または火災における安全の保護ということを離れては考えられず、近隣居住者の生命、健康を保護し、火災等の危険から守ることが、とりもなおさず公共の利益に合致するものということができる。そして、右建築規制法規は、これが右近隣居住者の採光、通風、生活環境の保全、防火に寄与する限度において、公共の利益と同時に近隣居住者の右個人的利益をも保障する趣旨と解すべきである。してみれば、本来建築確認を受けられない筈の違法建築により、生活環境上の悪影響あるいは火災の危険等を感ずる近隣居住者は、個人の法的利益を害されたものとして、右建築確認処分の無効確認を求めうる法律上の利益を有するものというべきである。ところで、本件においてに、控訴人が本件建築物に隣接する家屋に居住していることは被控訴人らにおいて明らかに争わないところであり、原審における証人Aの証言により真正に成立したものと認められる乙第一号証、同号証の二によれば、本件建築確認処分の対象となる建築物は、増築後の一階面積四七七・六五平方メートルの木造二階建店舗および事務所であることが認められるので、違法な建築確認によつて右建築物が施工完成された場合には、控訴人はこれにより日常の生活環境上の悪影響をうけ、ある 面積四七七・六五平方メートルの木造二階建店舗および事務所であることが認められるので、違法な建築確認によつて右建築物が施工完成された場合には、控訴人はこれにより日常の生活環境上の悪影響をうけ、あるいは火災等の不測の危険にさらされるおそれがないとはいい得ないというべきである。 認められるので、違法な建築確認によつて右建築物が施工完成された場合には、控訴人はこれにより日常の生活環境上の悪影響をうけ、ある 面積四七七・六五平方メートルの木造二階建店舗および事務所であることが認められるので、違法な建築確認によつて右建築物が施工完成された場合には、控訴人はこれにより日常の生活環境上の悪影響をうけ、あるいは火災等の不測の危険にさらされるおそれがないとはいい得ないというべきである。そして、この危険の排除は、その性質上、当該処分の存否またはその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴によつてその目的を達し得ないものと解されるので、控訴人は、本訴につき行政事件訴訟法三六条に定める当事者適格を有するものと認めるのが相当である。二本案について当裁判所も控訴人の被控訴人らに対する本訴請求をいずれも失当として棄却すべきものとするが、その理由は左記に付加、訂正するほか、原判決一二枚目表二行目から一八枚目表八行目までに説示するとおりであるから、これを引用する。1 原判決一二枚目表五行目に「前記乙第一号証の一」とあるのを「原審における証人Aの証言により真正に成立したものと認められる乙第一号証、同号証の二」と、一五枚目表一〇行目と一六枚目表九行目に「A」とあるのを「A」と、一五枚目裏七行目に「残存させる」とあるのを「一部除去した残部の六二・七平方メートルを存置する」と、それぞれ訂正する。2 原判決一三枚目裏六行目の末尾に、左記のとおり付加する。即ち、建築主事の確認は、確認申請書に明示されている事項について、申請建築物の計画が建築基準法などの法令が定める客観的基準に適合するかどうかを判断するものであつて、右建築確認に際し、建築主事は、申請建築物の敷地を現地調査したり、また同土地に対する所有権、使用権の有無を調査することは要件ではなく、申請書の記載と現地の状況または真実の権利関係が合致していなかつたとしても、これにより建築確認の処分自体が直ちに違法とな したり、また同土地に対する所有権、使用権の有無を調査することは要件ではなく、申請書の記載と現地の状況または真実の権利関係が合致していなかつたとしても、これにより建築確認の処分自体が直ちに違法となるものではない。3 原判決一七枚目表九行目の次に、左記のとおり挿入する。仮に、控訴人主張のように建ぺい率算定の基準となる敷地面積は、登記簿謄本の記載の地積によるとしても、本件建築物の敷地、即ち、別紙(一)の(1)ないし(6)の各土地の合計地積は控訴人主張の計九三三・八四平方メートルとなるところ、本件建築確認申請において、申請建築物の面積は四七七・六五平方メートル、残存倉庫(別紙(二)記載の建物)の面積が六二・七平方メートル、以上合計五四〇・三五平方米として、確認申請がなされていることは前認定のとおりであるから、これによつて建ぺい率の合否を算出すると建築可能面積(933.84-30)×0.6=540.040542.3040-540.35=1.9540となり、建ぺい率に違反しないこと明らかである。 築確認申請において、申請建築物の面積は四七七・六五平方メートル、残存倉庫(別紙(二)記載の建物)の面積が六二・七平方メートル、以上合計五四〇・三五平方米として、確認申請がなされていることは前認定のとおりであるから、これによつて建ぺい率の合否を算出すると建築可能面積(933.84-30)×0.6=540.040542.3040-540.35=1.9540となり、建ぺい率に違反しないこと明らかである。もつとも、成立に争いがない甲第三号証の二によれば、後日完成した本件建築物の登記簿上の一階床面積は四八三・三〇平方メートルと記載され、前記確認申請の際の申請建築物面積より五・六五平方メートル広いことが認められるので、右事実から別個の問題が生ずる余地が存するとしても、本件建築確認処分自体を重大かつ明白な瑕疵により無効ならしめるものではない。三よつて、民事訴訟法三八匹条、九五条、八九条を適用し、主文のとおり判決する。(裁判官胡田勲西内英二高山晨)(原裁判等の表示)○ 主文原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。○ 事実第一、当事者の求めた裁判(請求の趣旨)一、被告広島市建築主事が昭和四二年広島市建築確認第二四六号をもつて 原裁判等の表示)○ 主文原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。○ 事実第一、当事者の求めた裁判(請求の趣旨)一、被告広島市建築主事が昭和四二年広島市建築確認第二四六号をもつて参加人株式会社長崎屋に対してなした建築確認処分は無効であることを確認する。二、被告広島市は原告に対し金五〇万円およびこれに対する昭和四六年七月二二日以降右支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。三、訴訟費用は被告らの負担とする。被告広島市建築主事および参加人長崎屋一、本案前の申立(一) 本件訴を却下する。(二) 訴訟費用は原告の負担とする。二、本案の申立主文と同旨。被告広島市主文と同旨。第二、当事者の主張(請求の原因)一、参加人長崎屋は広島市<以下略>に木造瓦葺二階建建物(床面積四八三・三〇平方メートル、二階面積三五一・九七平方メートル、用途店舗兼倉庫兼寮以下本件建築物という。)を建築するため、被告建築主事に対して建築の確認の申請をしたところ、同被告は昭和四二年広島市建築確認第二四六号をもつて右申請を確認する行政処分をなした。二、しかし、右建築確認処分には以下に述べる如き重大かつ明白な瑕疵があるから無効である。 一、参加人長崎屋は広島市<以下略>に木造瓦葺二階建建物(床面積四八三・三〇平方メートル、二階面積三五一・九七平方メートル、用途店舗兼倉庫兼寮以下本件建築物という。)を建築するため、被告建築主事に対して建築の確認の申請をしたところ、同被告は昭和四二年広島市建築確認第二四六号をもつて右申請を確認する行政処分をなした。二、しかし、右建築確認処分には以下に述べる如き重大かつ明白な瑕疵があるから無効である。(一) 本件建築物は、登記簿上、建築基準法(条文の引用は昭和四三年法律第一〇一号による改正前のもの、以下単に法という。)五五条一項、同法施行令一条一号所定の敷地面積を有しない。まず、本件確認申請においては、本件建築物の敷地として別紙(一)記載の土地が記載されているが、そのうちの番号(1)ないし(3)の土地上には右申請時以前より別紙(二)記載の建物が建つており、この建物は本件建築物の用途上不可分の関係にあるものでないから、両建築物は一団の土地上にある一団の建物ではなく別個の敷地上にある別個の建物とみるべきであ 時以前より別紙(二)記載の建物が建つており、この建物は本件建築物の用途上不可分の関係にあるものでないから、両建築物は一団の土地上にある一団の建物ではなく別個の敷地上にある別個の建物とみるべきである。そうすると本件建築物の敷地は別紙(一)番号(4)ないし(6)となるが、これは別紙(三)計算式(1)のとおり法五五条一項所定の敷地に二三六・一二平方メートル不足することとなる(なお本件建築物の所在地一帯は住居地域である。)。かりに、右と異り、別紙(二)記載の建物と本件建築物とが一体をなす建物であるとしても、別紙(三)計算式(2)のとおり、右所定敷地に六・三三平方メートル不足する。さらに、別紙(一)記載番号(1)ないし(3)の土地のうち一〇〇平方メートルは、昭和四一年八月より昭和月六年七月まで、訴外Bが自己建物の建ぺい地として当時の所有者たる訴外Cより借用していたものであつて、右部分を本件建築物の敷地とすることはできないから、結局本件建築物は合計一〇六・三三平方メートル不足することとなる。(二) 別紙(一)記載番号(1)ないし(3)の土地は、本件建築物が所在する同記載(4)ないし(6)の土地の西南隅のわずか一・四メートル位の出入口と連結されているだけで、本件建築物の敷地たる機能すなわち当該建物についての安全、防火および衛生確保等の機能を果していないから敷地としての実質を有しない。 件建築物の敷地とすることはできないから、結局本件建築物は合計一〇六・三三平方メートル不足することとなる。(二) 別紙(一)記載番号(1)ないし(3)の土地は、本件建築物が所在する同記載(4)ないし(6)の土地の西南隅のわずか一・四メートル位の出入口と連結されているだけで、本件建築物の敷地たる機能すなわち当該建物についての安全、防火および衛生確保等の機能を果していないから敷地としての実質を有しない。(三) 参加人は、本件建築物に一三・五キロワツトの電力を導入し、六台のモーターを使用して冷凍加工業を営み、約九時間その加工品を販売している。すなわち、本件建築物は住居地域における工業を主体とする工場というべきであり、作業の床面積も五〇平方メートルをこえるものであるから法四九条一項、同法別表第二(い)項二、同項三の(七)に違反する建築物である。かりに、本件建築物が における工業を主体とする工場というべきであり、作業の床面積も五〇平方メートルをこえるものであるから法四九条一項、同法別表第二(い)項二、同項三の(七)に違反する建築物である。かりに、本件建築物が法四九条一項ただし書に該当するとしても、被告建築主事において法五一条一項に定める手続を経た事実はない。(四) 法によれば、店舗とは電動設備を有することなく、住居地域内において建築を許可された販売専業の事業を指すと解されるところ、被告建築主事は本件において、単に店舗として用途確認をしながら、前記のような設備を有する冷凍加工業兼営の建造物を認可しているものであつて用途確認違反である。三、よつて右処分の無効確認を求める。四、被告建築主事の違法な右確認処分にもとづぎ本件建築物が建築されたため、これに隣接する家屋に居住する原告は、火災の危険におびえ、また、本件建築物より排出される騒音、悪臭および廃棄物ならびに冷凍機の運転等による振動等により生活環境を害され、特別被爆者たる原告の療養生活に障害を与えている原告の精神的苦痛を慰藉するには金銭に評価して金五〇万円を相当とする。被告建築主事は被告広島市の職員であるから、原告は、国家賠償法一条により、被告広島市に対して右五〇万円およびその履行期後である昭和四六年七月二二日以降右支払ずみに至るまで民事法定利率年五分の割合による金員の支払いを求める。(本案前の主張)被告建築主事および参加人一、建築基準法の定める各種の規制措置は社会全体の利益を図るためのものであつて住民個々の利益の保護を目的とするものでなはない。 円を相当とする。被告建築主事は被告広島市の職員であるから、原告は、国家賠償法一条により、被告広島市に対して右五〇万円およびその履行期後である昭和四六年七月二二日以降右支払ずみに至るまで民事法定利率年五分の割合による金員の支払いを求める。(本案前の主張)被告建築主事および参加人一、建築基準法の定める各種の規制措置は社会全体の利益を図るためのものであつて住民個々の利益の保護を目的とするものでなはない。二、したがつて被告建築主事のなした本件確認処分により隣地に居住する原告が何らかの不利益を受けるとしても、それは単なる事実上のものであつて、原告の法律上の利益が害されるものではない。三、そうすると、原告は がつて被告建築主事のなした本件確認処分により隣地に居住する原告が何らかの不利益を受けるとしても、それは単なる事実上のものであつて、原告の法律上の利益が害されるものではない。三、そうすると、原告は、本件確認処分につき抗告訴訟を提起する適格を有するものではないから、本件訴は不適法として却下さるべきである。(請求原因に対する答弁)被告らおよび参加人一、請求原因一項のうち、本件建築物の用途およびその建築面積を否認し、その余は認める。右の用途は店舗および事務所でありり、建築面積は四七七・六五平方メートルである。二、請求原因二項の本件処分に重大かつ明白な瑕疵があるとの主張は争う。同項(一)において、原告は、建ぺい率を登記簿上の敷地面積から算出している。しかし、建築確認申請の際に必要とされる書類には建築基準法施行規則一条一項所定のとおり登記簿謄本は含まれていない。従つて建築主事が確認を行う際には申請書記載の数値により所定の計算を行い、建ぺい率の適否を認定すれば足る。本件においては別紙(三)計算式(3)のとおり(なお本件建築物の敷地面積は、当初、九五一・九〇平方メートルとして申請されたが、後九三四・七一平方メートルと変更された。)適法と認められ確認されたものである(本件建築物の所在地が住居地域であることは認める。)。本件確認申請において、本件建築物の敷地として別紙(一)記載の土地が掲げられていること、そのうち(1)ないし(3)の土地に別紙(二)記載の建物が所在していることは認めるが、本件建築物と別紙(二)記載の建物とが用途上不可分の関係にないとの事実は否認する。一般に、二以上の建築物を共存させ一体として利用することが社会的経済的に有用であれば、安全上、防火上、衛生上および交通上特に支障のない限り、これらの建築物は用途上不可分の関係にあるものと 地として別紙(一)記載の土地が掲げられていること、そのうち(1)ないし(3)の土地に別紙(二)記載の建物が所在していることは認めるが、本件建築物と別紙(二)記載の建物とが用途上不可分の関係にないとの事実は否認する。一般に、二以上の建築物を共存させ一体として利用することが社会的経済的に有用であれば、安全上、防火上、衛生上および交通上特に支障のない限り、これらの建築物は用途上不可分の関係にあるものと は否認する。一般に、二以上の建築物を共存させ一体として利用することが社会的経済的に有用であれば、安全上、防火上、衛生上および交通上特に支障のない限り、これらの建築物は用途上不可分の関係にあるものとし、それらの敷地を一つのものとして取扱うべきものとされている。別紙(二)記載の建物は倉庫として使用されており、店舗である本件建築物において販売される商品の貯蔵に使用されているのであるから、本件建築物と用途上不可分の関係にあり、さらに、前記の支障もない以上、その敷地は建築基準法施行令一条一号に規定する敷地である。訴外Bが原告主張の土地を原告主張のように賃借していたことは認める。しかし、建築主事としては、建築確認申請があつた場合、当該敷地についての私法上の権利関係などについて審査することは要求されていないし、その権限もない。また、右土地は、昭和四二年八月二三百、訴外Cより参加人に売却されたもので、本件建築物の適法な敷地である。同項(二)のうち別紙(一)の(1)ないし(3)の土地と同(4)ないし(6)の土地の連結部分が少いことは認めるが、建ぺい率を設けた法の趣旨および本件建築物の別紙(二)記載の建物とが用途上不可分の関係にあることからすると、別紙(一)記載(1)ないし(3)の土地は本件建築物の有効な敷地である。同項(三)・(四)主張の事実は否認する。本件建築用の用途は工場ではない。被告広島市請求原因四項のうち、被告建築主事が被告広島市の職員であることは認めるが被告広島市に損害賠償責任があるとの主張は争う。本件確認処分は違法なものではなく、また、右処分と原告主張の被告との間には相当因果関係がない。参加人建築主事の行う建築確認は高度の専門的技術的判断を伴う行政処分である。この特質から考えると、原告主張の瑕疵の如きは、たとえあるとしても、未だ、本 と原告主張の被告との間には相当因果関係がない。 原因四項のうち、被告建築主事が被告広島市の職員であることは認めるが被告広島市に損害賠償責任があるとの主張は争う。本件確認処分は違法なものではなく、また、右処分と原告主張の被告との間には相当因果関係がない。参加人建築主事の行う建築確認は高度の専門的技術的判断を伴う行政処分である。この特質から考えると、原告主張の瑕疵の如きは、たとえあるとしても、未だ、本 と原告主張の被告との間には相当因果関係がない。参加人建築主事の行う建築確認は高度の専門的技術的判断を伴う行政処分である。この特質から考えると、原告主張の瑕疵の如きは、たとえあるとしても、未だ、本件処分をして当然無効ならしめる程度に重大かつ明白なものではない。かりに、本件処分が無効とされ、本件建築物を除却することとなれば、そこでスーパーマーヶツトを経営する参加人は甚大な損害を蒙ることになる。これに比して原告の主張する被害は他の方策によつて回復することが可能である。かかる観点からしても本訴請求は棄却さるべきである。(本案前の主張に対する原告の答弁)争う。(被告らおよび参加人の本案についての主張に対する原告の反論)一、敷地面積の算定について登記簿は私法上の権利や事実の存在を広く公示する制度であり、建築確認もかかる登記簿記載の事実を根拠としてなされなければならないのは当然である。二、B借用の土地について本件処分時、Bの右賃借契約は継続しており、同人所有の建築物も存在していたのであるから、参加人が右土地を取得しても、同人は、法八条により右B所有建物の敷地としてこれを維持保全すべき責任を負つていた。すなわち、右土地は本件建築物の敷地とはなりえないものである。第三、証拠関係(省略)○ 理由一、本案前の申立について建築基準法(以下単に法といい、条文の引用は昭和四三年法第一〇一号による改正前の同法による。)六条一項各号に該当する建築物を建てる場合には同条により当該工事の計画が当該建築物の敷地、構造および建築設備に関する法律並びにこれに基く命令および条例の規定に適合することについて建築主事の確認を受けることが要求されている。そして、その具体的基準については、同法および同法施行令等の規定するところであるが、立法の目的は法一条に掲げるごとく国 よび条例の規定に適合することについて建築主事の確認を受けることが要求されている。そして、その具体的基準については、同法および同法施行令等の規定するところであるが、立法の目的は法一条に掲げるごとく国民の生命、健康及び財産の保護を図りもつて公共の福祉の増進に資するものであつて具体的には保健衛生、火災予防等の必要上独り建築主を保護の対象とするに止まらず建築に関連して利害関係を負担する近隣居住者をも併せて保護の対象とするものと解するのが相当である。 の確認を受けることが要求されている。そして、その具体的基準については、同法および同法施行令等の規定するところであるが、立法の目的は法一条に掲げるごとく国民の生命、健康及び財産の保護を図りもつて公共の福祉の増進に資するものであつて具体的には保健衛生、火災予防等の必要上独り建築主を保護の対象とするに止まらず建築に関連して利害関係を負担する近隣居住者をも併せて保護の対象とするものと解するのが相当である。従つて、法六条による建築確認処分の対象となつた建築物の近隣居住者は右建築により各々の土地利用を妨げられることがないとはいえ、本件建築確認を受けえられないはずの違法建築により保健衛生上の悪影響あるいは火災の危険等日常生活に重大な支障を蒙るおそれがあるときは、右確認処分の無効確認を訴求する法律上の利益を有し当事者適格を有すると解すべきである。これを本件についてみると、本件建築物敷地に隣接する家屋に原告が居住していることは被告らおよび参加人において明らかに争わないので自白したものとみなすべきであり、証人Aの証言により真正に作成されたことが認められる乙第一号証の一によれば本件建築物は総面積四七七・六五平方メートルの木造二階建店舗および事務所であることが認められ、建築基準法の前記立法目的に照らし仮りに本件建築物に関し建築確認をなすべきでない法違反があつた場合、原告の居住環境が悪化し保健衛生上不断の悪影響を受け、あるいは火災等の危険にさらされるおそれがないとはいえないものと認められる。そして、この危難の排除は、性質上、本件処分の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴によつては、その目的を達することができなといわなければならない。従つて、本件確認処分の無効確認を求める訴は適法なものである。、本件処分の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴によつては、その目的を達することができなといわなければならない。従つて、本件確認処分の無効確認を求める訴は適法なものである。二、本案についての判断1、被告建築主事が昭和四二年広島市建築確認第二四六号をもつて本件建築物建築申請を確認する行政処分をなしたことは当事者間に争いがない。そして、前記乙第一号証の一および証人Dの証言により真正に作成されたことが認められる同第二号証並びに弁論の全趣旨によれば、本件建築物の敷地面積は、右申請の当初、九五一・九〇平方メートルとされていたが、その後変更されて九三四・七一平方メートルとなり、本件確認処分は結局右変更後の面積を対象としてなされたものと認められる。 六号をもつて本件建築物建築申請を確認する行政処分をなしたことは当事者間に争いがない。そして、前記乙第一号証の一および証人Dの証言により真正に作成されたことが認められる同第二号証並びに弁論の全趣旨によれば、本件建築物の敷地面積は、右申請の当初、九五一・九〇平方メートルとされていたが、その後変更されて九三四・七一平方メートルとなり、本件確認処分は結局右変更後の面積を対象としてなされたものと認められる。そこで原告主張の本件処分の各瑕疵について判断する。(一) 建ぺい率違反の瑕疵について(1) 建築確認申請に対する審査は法六条に規定するように申請にかかる計画が当該建築物の敷地、構造および建築設備に関する法令の規定に適合するものであるか否かについてなされるものである。しかして法六条八項同法施行規則一条によれば、申請書に記載すべき建築物の敷地についてはその面積、地名地番および指定地域の別を明らかにすることが必要とされ、申請付属図書中に附近見取図および配置図を提出すべきものとされ右のほかに格別当該建築物の敷地の登記簿謄本や地積測量図さらには敷地に関する建築主の私法上の権限を証する書類等の提出は要求されていない。また法六条四項は審査の方法につき、「建築主事は・・・・・・申請書の記載によつては、(申請にかかる計画が)これらの規定に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、その理由をつけてその旨を文書をもつて・・・・・・当該申請者に通知しなければならない。」と規定 は、(申請にかかる計画が)これらの規定に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、その理由をつけてその旨を文書をもつて・・・・・・当該申請者に通知しなければならない。」と規定し、このほかに建築主事が事実関係を調査するために関係人を審訊しその他申請事項の調査をする権限ないし義務を定めた規定は存しない。右建築基準法の規定の体裁並びに建築確認なる行政処分が公共の福祉の観点から私人の建物建築に対し課した一般的制限を解除するいわゆる警察許可に属する処分であることを考慮すれば、建築確認における審査は原則として申請にあたつて提出される書類を資料として行われる書面審理であり、建築確認は右書類によつて判定しうる範囲において建築工事の概要に対して付せられる許可の認定であるということができる。従つて建築主事は右書面審理の過程において申請の不実過誤を発見しえた場合を除き右提出された書類等につき審理すれば足り建ぺい率合否の判定も右特段の事情ある場合を除いては右書類等に記載された数値を基準としてなされれば充分といわねばならず建築主事が書類等によつて判定しえない事項については設計者ないし申請者の責任にゆだねられているものと解するのが相当である。 して付せられる許可の認定であるということができる。従つて建築主事は右書面審理の過程において申請の不実過誤を発見しえた場合を除き右提出された書類等につき審理すれば足り建ぺい率合否の判定も右特段の事情ある場合を除いては右書類等に記載された数値を基準としてなされれば充分といわねばならず建築主事が書類等によつて判定しえない事項については設計者ないし申請者の責任にゆだねられているものと解するのが相当である。従つてこの点についての原告の主張は接用し難い。本件において右の如き特段の事情があることを認めるに足る証拠はない。(2) 原告は、本件建築物の敷地として申請された土地のうちには訴外Bの賃借地が含まれており、右土地は本件建築物の敷地となしえないと主張するがこの点についても前説示のとおり建築主事がなす建築確認処分の性格に照らし仮りに本件建築物の敷地として申請された部分に訴外人の為賃借権が設定せられていたとしても、申請書並びに添附図面にそのことが顕われない以上、申請書等の記載内容に即して所定の建築基準に適 の性格に照らし仮りに本件建築物の敷地として申請された部分に訴外人の為賃借権が設定せられていたとしても、申請書並びに添附図面にそのことが顕われない以上、申請書等の記載内容に即して所定の建築基準に適合するか否かを判断した確認処分に瑕疵ありとはいえない。(このことは必ずしも建築につき申請者の私法上の権限を認めたことにはならず、私法上の権利救済もしくは義務負担は当事者間において別個に処理されるべき問題となる)従つて右木村の賃借地を看過してなされた本件処分は違法であるとの原告の主張は既にこの点において理由がない。(3) 別紙(一)の(1)ないし(3)の土地上に別紙(二)記載の建物が所在すること、別紙(一)の(1)ないし(3)の土地と本件建築物が所在する同(4)ないし(6)の土地の連結部分か狭小であることは当事者間に争いがなく証人Aの証言により真正に作成されたことが認められる乙第一号証の二によれば、右連結部分は三メートル巾と認められ、これに反する証拠はない。証人Dの証言により真正に作成されたことが認められる乙第二号証、ならびに同証人の証言によれば、別紙(二)記載の建物は、本件建築物の建築に際して除却される予定であつたが、その後、店舗たる本件建築物のための倉庫として使用するため残存させることとして本件確認申請がなされたことが認められる。 り真正に作成されたことが認められる乙第一号証の二によれば、右連結部分は三メートル巾と認められ、これに反する証拠はない。証人Dの証言により真正に作成されたことが認められる乙第二号証、ならびに同証人の証言によれば、別紙(二)記載の建物は、本件建築物の建築に際して除却される予定であつたが、その後、店舗たる本件建築物のための倉庫として使用するため残存させることとして本件確認申請がなされたことが認められる。右事実からすれば、別紙(二)記載の建物は本件建築物と用途上不可分の関係にあると考えるのが相当である。そして、別紙(一)の(1)ないし(3)の土地と同(4)ないし(6)の土地の連結部分が前記のように三メートルであることからすれば両者を一団の土地とみるのもあながち不当とはいえない。そうすると別紙(一)の(1)ないし(6)の土地は、法施行令一条一号にいう「用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地」として すれば両者を一団の土地とみるのもあながち不当とはいえない。そうすると別紙(一)の(1)ないし(6)の土地は、法施行令一条一号にいう「用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地」として本件建築物の敷地とすることができる。右に反する原告の主張は採用しない。さらに原告は右連結された土地は本件建築物の敷地としての実質を有しないと主張するが、前記乙第一号証の二ならびに証人D、同Aの各証言によれば、右土地も災害避難等の点につき本件建築物にとつて有用なものと認められ、これに反する証拠はないから、右原告の主張も理由がない。以上の判断をもとに本件建築物が法五五条所定の建ぺい率に違反するか否かを検討する。本件建築物の敷地として別紙(一)記載の土地があげられていることは当事者間に争いがなく、前記乙第二号証によれば、右の面積は九三四・七一平方メートルとして申請されたものであることが認められ、右申請自体から右の数値に明らかな誤りがあることを看取しえたとの証拠はないから、建ぺい率の算定にあたつては右数値を基礎とすれば足るものである。右土地が住居地域の指定を受けていることは当事者間に争いがないから、法五五条一項により、右土地に建築可能な建築物の面積を算定すると、別紙(三)計算式(3)のとおり五四二・八二六平方メートルとなる。そして、本伴申請においては、本件建築物の面積が四七七・六五平方メートルとされていたことは前記のとおり、前記乙第二号証によれば、別紙(二)記載の建物の面積は六二・七平方メートルとして本件申請がなされたことが認められる。 居地域の指定を受けていることは当事者間に争いがないから、法五五条一項により、右土地に建築可能な建築物の面積を算定すると、別紙(三)計算式(3)のとおり五四二・八二六平方メートルとなる。そして、本伴申請においては、本件建築物の面積が四七七・六五平方メートルとされていたことは前記のとおり、前記乙第二号証によれば、別紙(二)記載の建物の面積は六二・七平方メートルとして本件申請がなされたことが認められる。そうすると右の合計面積は五四〇・三五平方メートルとなる。従つて、本件建築物が建ぺい率に違反するとの原告の主張は理由がない。(二) 電動設備等設置の違反について前記乙第一号証によれば、本件建築物は、用途店舗兼事務所と 積は五四〇・三五平方メートルとなる。従つて、本件建築物が建ぺい率に違反するとの原告の主張は理由がない。(二) 電動設備等設置の違反について前記乙第一号証によれば、本件建築物は、用途店舗兼事務所として申請されたもので、法四九条一項、別表第二(い)項に該当し、あるいは右法条の制限を越える建築物として申請されたものではない。また本件建築物が、右法条に該当し、あるいはその制限を越える建築物であるとの点については原告本人尋問の結果によるも、これを認めるに充分でなく、他にこれを認めるに足る証拠はない。従つて、本件確認処分が法四九条一項、五一条一項に反し、また、用途確認違反であるとの原告の主張は理由がない。よつて、本件確認処分に原告所論の瑕疵はないから、右処分の無効確認を求める原告の請求は失当として棄却を免れない。2、損害賠償請求について原告は、本件確認処分が違法無効であることを前提として右請求をなしているのであるが、右処分に原告所論の瑕疵が認められないことは前判示のとおりであり、さらに、原告が本件建築物における参加人の営業により受認すべき限度を越える被害を蒙つているとしても、右は本件確認処分と相当因果関係があるものとはいえないから、その余の判断をするまでもなく、右請求も理由がないといわざるをえない。3、以上の次第で、原告の請求はすべて理由がないから、これを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九四条を適用して主文のとおり判決する。別紙(省略)

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