昭和45(あ)2580 尊属殺人

裁判年月日・裁判所
昭和48年4月4日 最高裁判所大法廷 判決 破棄自判 大阪高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      被告人を懲役二年六月に処する。      押収してある腰紐(大阪高等裁判所昭和四五年押一一七号の六)は、こ れを没収する。          理 

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判決文本文3,652 文字)

主文原判決を破棄する。 被告人を懲役二年六月に処する。 押収してある腰紐(大阪高等裁判所昭和四五年押一一七号の六)は、これを没収する。 理由弁護人上辻敏夫の上告趣意第一点について。 所論は、刑法二〇〇条は憲法一四条に違反して無効であるから、被告人の本件所為に対し刑法二〇〇条を適用した原判決は、憲法の解釈を誤つたものであるというのである。 よつて案ずるに、刑法二〇〇条は、尊属殺を普通殺と区別してこれにつき別異の刑を規定している点ではいまだ不合理な差別的取扱いをするものとはいえないけれども、その法定刑を死刑または無期懲役刑のみに限つている点において、立法目的達成のため必要な限度を遥かに超え、普通殺に関する刑法一九九条の法定刑に比し著しく不合理な差別的取扱いをするものと認められ、憲法一四条一項に違反して無効であるとしなければならず、したがつて尊属殺にも刑法一九九条を適用するのほかはないことは、当裁判所昭和四五年(あ)第一三一〇号同四八年四月四日大法廷判決の示すとおりである。これと見解を異にし、刑法二〇〇条は憲法に違反しないとして、被告人の本件所為に同条を適用している原判決は、憲法の解釈を誤つたものにほかならず、かつ、この誤りが判決に影響を及ぼすことは明らかであるから、所論は理由があることに帰する。 同第二点および第三点について。 所論は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。 - 1 -よつて、刑訴法四〇五条一号後段、四一〇条一項本文により原判決を破棄し、同法四一三条但書により被告事件についてさらに判決することとする。 原判決の確定した事実に法律を適用すると、被告人の所為は刑法一九九条に該当するので、所定刑中有期懲役刑を選択し、右は心神 を破棄し、同法四一三条但書により被告事件についてさらに判決することとする。 原判決の確定した事実に法律を適用すると、被告人の所為は刑法一九九条に該当するので、所定刑中有期懲役刑を選択し、右は心神耗弱中の犯行であるから、同法三九条二項、六八条三号により法律上の減軽をし、その刑期範囲内で被告人を処断すべきである。ところで、本件は、幼いころから不遇ながらも被害者である養父の手で養育された被告人が、自己の夫のした若い他の女性との不始末に心を痛め、ついに自殺を考えるようになり、当時たまたま勤め先を解雇された一人暮しの養父の身を案じた結果、自殺の道連れにしようとして、これを殺害するにいたつたものである。養父は、日ごろから酒癖がよくなく、また年令もすでに六〇歳をこえており、被告人が自殺したのちには、どのように他人に迷惑をかけるかも知れないと深く憂慮していた被告人の心境は、十分察せられるけれども、夫の不始末には養父に何らの責任がないばかりでなく、犯行の際、被告人が養父に嘘をいつて睡眠薬をのませて無抵抗にしたうえ、所在の腰紐でこれを窒息死させていること、その他被告人の本件犯行後の心境、家庭の状況等諸般の情状にかんがみると、被告人を前記刑期範囲内で懲役二年六月に処するのを相当とする。よつて、押収してある腰紐(大阪高等裁判所昭和四五年押一一七号の六)は、刑法一九条一項二号、二項本文によりこれを没収し、第一審における訴訟費用は刑訴法一八一条一項但書を適用して被告人に負担させないこととして主文のとおり判決する。 この判決は、裁判官岡原昌男の補足意見、裁判官田中二郎、同下村三郎、同色川幸太郎、同大隅健一郎、同小川信雄、同坂本吉勝の各意見および裁判官下田武三の反対意見があるほか、裁判官全員一致の意見によるものである。 裁判官岡原昌男の補足意見は、次のとおりであ 同下村三郎、同色川幸太郎、同大隅健一郎、同小川信雄、同坂本吉勝の各意見および裁判官下田武三の反対意見があるほか、裁判官全員一致の意見によるものである。 裁判官岡原昌男の補足意見は、次のとおりである。 本判決の多数意見は、刑法二〇〇条が普通殺のほかに尊属殺という特別の罪を設- 2 -け、その刑を加重すること自体はただちに違憲とはいえないけれども、その加重の程度があまりにも厳しい点において同条は憲法一四条一項に違反するというのであるが、これに対し、(一)刑法二〇〇条が尊属殺という特別の罪を設けていることがそもそも違憲であるとする意見、および(二)刑法二〇〇条は、尊属殺という罪を設けている点においても、刑の加重の程度においても、なんら憲法一四条一項に違反するものではないとする反対意見も付されているので、わたくしは、多数意見に加わる者のひとりとして、これらの点につき若干の所信を述べておきたい。その内容は、当裁判所昭和四五年(あ)第一三一〇号同四八年四月四日大法廷判決において述べたわたくしの意見と同趣旨であるから、ここにこれを引用する。 裁判官田中二郎の意見は、次のとおりである。 私は、刑法二〇〇条の規定が憲法一四条に違反して無効であるとする本判決の結論には賛成であるが、その判決の理由には同調することができない。その理由は、当裁判所昭和四五年(あ)第一三一〇号、同四八年四月四日大法廷判決において述べた私の意見と同趣旨であるから、それをここに引用する。 裁判官小川信雄、同坂本吉勝は、裁判官田中二郎の右意見に同調する。 裁判官下村三郎の意見は、次のとおりである。 わたくしは、本判決が、原判決を破棄し、刑法一九九条を適用して、被告人を懲役二年六月に処した結論には賛成であるが、多数意見が原判決を破棄すべきものとした事由には同調し難いものがある。 おりである。 わたくしは、本判決が、原判決を破棄し、刑法一九九条を適用して、被告人を懲役二年六月に処した結論には賛成であるが、多数意見が原判決を破棄すべきものとした事由には同調し難いものがある。その理由は、当裁判所昭和四五年(あ)第一三一〇号同四八年四月四日大法廷判決において述べたわたくしの意見と同趣旨であるから、ここにこれを引用する。 裁判官色川幸太郎の意見は、次のとおりである。 私は、多数意見の説示のうち、刑法二〇〇条が身分による差別的取扱いの規定であるとする点、および、これが憲法一四条一項に違反するとの結論には賛成である- 3 -が、尊属殺人につき普通殺人と異なる特別の罪を規定することが、憲法上許容された範囲の合理的差別であるという見解には、同調することができないのである。その理由は、当裁判所昭和四五年(あ)第一三一〇号同四八年四月四日大法廷判決において述べた私の意見と同趣旨であるから、ここにこれを引用する。 裁判官大隅健一郎の意見は、次のとおりである。 私は、刑法二〇〇条の規定が憲法一四条一項に違反して無効であるとする本判決の結論には賛成であるが、その判決の理由には同調することができない。その理由は、当裁判所昭和四五年(あ)第一三一〇号同四八年四月四日大法廷判決において述べた私の意見と同趣旨であるから、それをここに引用する。 裁判官下田武三の反対意見は、次のとおりである。 わたくしは、憲法一四条一項の規定する法の下における平等の原則を生んだ歴史的背景にかんがみ、そもそも尊属・卑尊のごとき親族的の身分関係は、同条にいう社会的身分には該当しないものであり、したがつて、これに基づいて刑法上の差別を設けることの当否は、もともと同条項の関知するところではないと考えるものである。しかし、本判決の多数意見は、尊属・卑属の身分関係に基 には該当しないものであり、したがつて、これに基づいて刑法上の差別を設けることの当否は、もともと同条項の関知するところではないと考えるものである。しかし、本判決の多数意見は、尊属・卑属の身分関係に基づく刑法上の差別も同条項の意味における差別的取扱いにあたるとの前提に立つて、尊属殺に関する刑法二〇〇条の規定の合憲性につき判断を加えているので、いまわたくしも、右の点についての詳論はしばらくおき、かりに多数意見の右の前提に立つこととしても、なおかつ、安易に同条の合憲性を否定した同意見の結論に賛成することができないのである。その理由は、当裁判所昭和四五年(あ)第一三一〇号同四八年四月四日大法廷判決において述べたわたくしの意見と同趣旨であるから、それをここに引用する。 検察官横井大三、同横溝準之助、同山室章公判出席昭和四八年四月四日- 4 -最高裁判所大法廷裁判長裁判官石田和外裁判官大隅健一郎裁判官村上朝一裁判官関根小郷裁判官藤林益三裁判官岡原昌男裁判官小川信雄裁判官下田武三裁判官岸盛一裁判官天野武一裁判官坂本吉勝裁判官田中二郎、同岩田誠、同下村三郎、同色川幸太郎は、退官のため署名押印 裁判官天野武一裁判官坂本吉勝裁判官田中二郎、同岩田誠、同下村三郎、同色川幸太郎は、退官のため署名押印することができない。 裁判長裁判官石田和外- 5 -

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