【DRY-RUN】主 文 原判決中賭博罪に関する部分〔被告人を罰金一万円に処し、右罰金を完 納することができないときは、金五〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に 留置する、現金三〇〇〇円(証第二八
主 文 原判決中賭博罪に関する部分〔被告人を罰金一万円に処し、右罰金を完 納することができないときは、金五〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に 留置する、現金三〇〇〇円(証第二八号)を没収する旨の部分〕を破棄する。 被告人のその余の罪に関する部分の上告を棄却する。 理 由 検察官吉河光貞の上告趣意について。 記録によると、広島地方裁判所が、昭和四二年一一月一六日に、被告人に対し、 第一の一として銃砲刀剣類所持等取締法違反並びに火薬類取締法違反の事実、第一 の二として賭博開張図利の事実、第一の三として賭博の事実を認定し、右第一の一 の銃砲刀剣類所持等取締法違反と火薬類取締法違反とは一個の行為で二個の罪名に 触れる場合であるから、重い前者の刑に従い所定刑中懲役刑を選択し、以上各罪は 刑法四五条前段の併合罪の関係にあるから、同法四七条本文一〇条に則り、最も重 い賭博開張図利の罪の刑に法定の加重をした刑期範囲内で被告人を懲役二年に処し、 併せて刑法四八条一項に従い罰金一万円(罰金五〇〇円を一日に換算して労役場留 置)に処する旨および第一の三の罪の組成物件である現金三〇〇〇円(証第二八号) を没収する旨等の判決を言い渡したのに対し、被告人が、同月一八日に、罰金刑に 処せられた賭博罪に関する部分を除くその余の部分に対して控訴の申立をし、検察 官は控訴の申立をすることなく、その申立期間を経過したことが認められる。した がつて、右第一審判決中賭博罪に関する部分は、同年一二月一日に確定し、控訴審 たる原審には、第一審判決にかかる事件中、銃砲刀剣類所持等取締法違反、火薬類 取締法違反および賭博開張図利罪に関する部分だけが係属していたものというべき である。しかるに、原審は、右第一審判決にかかる事件の全部について審判し、賭 博罪に関する 銃砲刀剣類所持等取締法違反、火薬類 取締法違反および賭博開張図利罪に関する部分だけが係属していたものというべき である。しかるに、原審は、右第一審判決にかかる事件の全部について審判し、賭 博罪に関する部分についても、第一審判決を破棄したうえ、被告人を罰金一万円( - 1 - 五〇〇円を一日に換算して労役場留置)に処する、押収してある現金三〇〇〇円( 証第二八号)を没収する旨の判決をしているのである。そうすると、原審は、右賭 博罪に関する部分について、係属していない事件の審判をしたものというべく、右 違法は判決に影響があり、原判決中右の罪に関する部分は、これを破棄しなければ 著しく正義に反するものといわなければならない。したがつて、原判決中右の罪に 関する部分は、所論判例違反の主張について判断するまでもなく、刑訴法四一一条 一号により破棄を免れない。 弁護人開原真弓の上告趣意は、量刑不当の主張であつて、上告適法の理由にあた らない。 よつて、原判決中賭博罪に関する部分について刑訴法四一一条一号により原判決 を破棄し、被告人の上告中その余の罪に関する部分について同法四一四条、三八六 条一項三号により上告を棄却すべきものとし、裁判官全員一致の意見で、主文のと おり判決する。 検察官斎藤周逸 公判出席 昭和四四年六月二六日 最高裁判所第一小法廷 裁判長裁判官 松 田 二 郎 裁判官 入 江 俊 郎 裁判官 長 部 謹 吾 裁判官 岩 田 誠 裁判官 大 隅 健 一 郎 - 2 - 判官 岩 田 誠 裁判官 大 隅 健 一 郎 - 2 -
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