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主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人中村喜一の上告理由第一点について。原判決挙示の証拠を綜合すれば、所論昭和二八年一二月二六日保存登記がなされた当時には、本件家屋はいまだ独立の建物として存在していなかつたし、また所論株式会社D建設が独立の建物として本件家屋を所有したことはない旨の原判決における認定は首肯するに足りる。だから、所論昭和二八年一二月二六日所有者を株式会社D建設としてなされた保存登記。および、これにもとずいて同二九年一月九日上告人のためになされた仮登記は、いずれも無効である旨の原判決における判断は正当であり、原判決には所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、原審の裁量に委ねられた証拠の取捨判断ないし適法になした事実の確定を、独自の見解にもとずいて非難するもので採用できない。同第二点について。所論民訴三二三条一項の規定は、公文書の成立の推定に関する規定にすぎないのであるから、文書が同条によりその成立の真正が推定されたからといつて、ただちに、その記載内容が真正であるとはいいえない。その記載内容の真否の判断は、実質的証拠力の問題として、事実審裁判所の自由心証に委ねられ、事実審裁判所は自由な心証により他の証拠によつてその記載内容と異なる事実を認定するに何らの妨げがない。またこの場合、当事者本人だけの供述によつては記載内容と異なる認定をなしえないとする理由もない。論旨は、独自の見解にもとずいて原審の裁量に委ねられた証拠の取捨判断ないし適法になした事実の確定を非難するもので採用できない。- 1 -よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷 た事実の確定を非難するもので採用できない。- 1 -よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官高橋潔裁判官島保裁判官河村又介裁判官垂水克己裁判官石坂修一- 2 -
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