昭和26(オ)256 所有権確認妨害排除請求

裁判年月日・裁判所
昭和28年9月11日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 広島高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人清瀬一郎、同島内龍起の各上告理由は本判決末尾添付の別紙記載のと おり

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判決文本文3,399 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人清瀬一郎、同島内龍起の各上告理由は本判決末尾添付の別紙記載のとおりであり、これに対する当裁判所の判断は次のとおりである。 上告代理人清瀬一郎上告理由第一点について。 権利の発生消滅等具体的法律効果を判断するにつき直接必要な事実(いわゆる直接事実又は主要事実)は、たとえ裁判所に顕著であつても、当事者の主張がない限り、判決の基礎とすることを得ないのは勿論であるけれども、主要事実につき主張がある以上、該事実の存否を推測させるに足る間接的な事実(いわゆる間接事実又は補助事実)の如きは、当事者の陳述がないに拘らず、裁判所においてこれを顕著な事実と認め、主要事実存否判断の資料とすることを妨げないものと解するのが相当である。 本件についてこれを見ると、訴外Dが本件立木の処分或はその他の事項につき被上告人を代理すべき権限を与えられていたか否かが当事者間に争われている主要事実であつて、原審はこの事実の存否を判断するにあたり、被上告人先代Eの没後間もなくDと被上告人等との間に遺産の管理処分権をめぐつて深刻な争を生じ、現に原裁判所にこれに関する訴訟が十数件係属中であること、即ち前述のいわゆる間接事実にあたる事実を原審に顕著な事実であるとした上、これを資料として訴外Dは前記の代理権を与えられた事実がないと判断したものであることは原判文上明かであるから、右間接事実につき当事者が何等陳述をしていなくても、原判決には所論のような違法があるものではない。論旨引用の各判例はいずれも本件には適切でない。 - 1 -なお、論旨は、原審が前記事実を顕著な事実と認めたのは錯誤にもとづく旨主張するが、たとえ前記係属事件がすべて昭和二二年四月一八 ではない。論旨引用の各判例はいずれも本件には適切でない。 - 1 -なお、論旨は、原審が前記事実を顕著な事実と認めたのは錯誤にもとづく旨主張するが、たとえ前記係属事件がすべて昭和二二年四月一八日(Dと訴外F農業会間の本件立木譲渡契約の日)以後提起されたものであるとしても、原審がこれ等事件の審理により、右契約当時における原判示のような事実を職務上知得することはあり得ないことではなく、所論は結局原審の事実認定を非難するに帰着するから、この点に関する論旨も採用し難い。 同第二点について。 民訴二五七条にいわゆる「顕著ナル事実」には、いわゆる公知の事実のほか、当該裁判所にとつて職務上顕著な事実をも含むものであつて、後者は必ずしも一般に了知されていることを要しないと解するのが相当である。 そして、原審が「顕著な事実」と判示したのは、「原審にとつて職務上顕著な事実」の意味であることは判文を通読して容易に了解し得るところであるから、論旨は理由がない。論旨引用の各判例はいずれもいわゆる公知の事実に関するもので、本件には適切でない。 同第三点及び上告代理人島内龍起上告理由第二点について。 民事判決には主文に影響あるべき当事者の主張事実を摘示し、これに対する判断を示すべきは勿論であるが、右事実の摘示は必ずしも当事者の主張するところを逐一掲記しなければならぬものではなく、その要領を摘記すれば足るものと解すべきである。 ところで、所論第一審における上告人の主張と原審におけるそれとは全く同一とは云えないが、Dが(一)財産税課税価格等の申告(二)財産税物納手続(三)一般公租公課の納付につき夫々被上告人を適法に代理した事実があるという点においては同一に帰着するのであるから、原審が上告人のこの点に関する主張事実を摘記するに当り、第一審判決の事実摘示を引用 (三)一般公租公課の納付につき夫々被上告人を適法に代理した事実があるという点においては同一に帰着するのであるから、原審が上告人のこの点に関する主張事実を摘記するに当り、第一審判決の事実摘示を引用しても敢て違法とは云い難く、而も原審- 2 -は右各事実を認め得ないと判断した趣旨であることは原判文に徴しこれを了解するに難くないから、原判決には所論のような違法はない。 上告代理人清瀬一郎上告理由第四点について。 所論の追認及び委任の点については、第一審証人Dの証言中これに言及した部分があるので、原審において上告人が申出でた所論各証拠は、これ等の点に関する唯一の証拠とは云い得ない。所論はこれと異なる見解に立脚して原判決を論難するもので採用し得ない。 同第五点について。 原判決中当事者欄に「被控訴人B1」と表示があることは所論のとおりであるが、原判決摘示事実、理由、その他に徴すれば、右表示は「被控訴人B2」の誤記であることが明白であつて、民訴一九四条に従い更正を許さるべき場合に該当する。されば、右誤記は原判決破毀の理由とするに足りない。 論旨引用の各判例はいずれも本件の場合に適切ではない。 同第六点について。。 原審が論旨引用の如く判示したのは、Dに対し黙示の代理権授与があつたものとも認められないとした趣旨であることは判文上明かであつて、所論のように、民法一一〇条は明示の授権にもとづく任意代理の場合でなければ適用がないと解した結果、黙示の授権があつたことを認めながら、上告人の抗弁を排斥したものとは到底解し難い。 所論は原判決の趣旨を誤解して、これを非難するものであるから採用し得ない。 上告代理人島内龍起上告理由第一点について。 他人が本人のなすべき公租公課の支払、財産税に関する財産の価格算定申告、財産税の物納等をなし、本人又はその 、これを非難するものであるから採用し得ない。 上告代理人島内龍起上告理由第一点について。 他人が本人のなすべき公租公課の支払、財産税に関する財産の価格算定申告、財産税の物納等をなし、本人又はその法定代理人がこれを黙視し、異議を述べなかつたからといつて、常に必ずしもその他人に対し暗黙のうちに代理権を授与したもの- 3 -と認めなければならないものではないから、原審が論旨引用のような事情を認定し、右事情のもとでは仮に所論のような黙認又は異議を述べない事実があつたとしても、代理権の授与があつたものと認め得ない旨判示しても、所論のような違法があるものとはいい得ない。 同第三点について。 所論財産税に関する財産の価格算定申告委託の事実につき、原審は「前記各証拠を外にしては之を認むるに足る証拠がない」旨判示しているのであつて、右にいわゆる「前記各証拠」とは、原判決が先に措信できない旨を判示した一審証人D(第一、二回)、G、Hの各証言並に甲第十号証、第十一号証の二、三、四、第十二号証、第十六、十七号証の各記載を指すものであること判文上明かである。されば原判決には所論のような判断遺脱はなく、論旨は理由がない。 同第四点について。 原判決は「Eの没後間もなくDと被控訴人(被上告人)等との間に遺産につき各自分にその管理処分権があると主張し深刻な争を生じ、現に当裁判所にこれに関する訴訟が十数件係属している」事案が職務上顕著であるとしたものであつて、単に訴訟係属の事実から判示の如き争を推認したものではない。そして、原審が現に係属する訴訟の審理により、該訴訟係属前から右のような争のあつた事実を職務上知得することはあり得ないことではないから、所論の各時期において既に訴訟が係属していたかどうかを明かにしなくても、何等理由に不備があるものではない。 されば 属前から右のような争のあつた事実を職務上知得することはあり得ないことではないから、所論の各時期において既に訴訟が係属していたかどうかを明かにしなくても、何等理由に不備があるものではない。 されば、論旨はいずれも理由がない。 同第五点について。 所論(三)のような経験則があるとは認められないから、これを前提とする論旨は採用し難い。 同第六点について。 - 4 -論旨は結局原審が適法になした事実の認定を非難するに帰着するから採用し得ない。 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官霜山精一裁判官栗山茂裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎裁判官谷村唯一郎- 5 -

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