令和4(わ)438 過失運転致死傷

裁判年月日・裁判所
令和5年1月27日 大阪地方裁判所 堺支部
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判決文本文1,764 文字)

令和4年(わ)第438号過失運転致死傷被告事件主文被告人を禁錮3年に処する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、令和3年11月17日午後0時12分頃、普通乗用自動車を運転し、大阪府大阪狭山市ab丁目c番d号付近道路を西から東に向かい進行し、同所先の道路左側端に自車先頭を東に向けて停止させ、エンジンを掛けた状態の自車運転席から降車するに当たり、不用意に自車が動き出すことがないようサイドブレーキ等の操作を確実にし、適切な停止措置を講じて降車するはもとより、不用意に自車が動き出したときは、確実にブレーキペダルを踏み込んで自車を安全に停止させるべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り、サイドブレーキ等の操作を確実にせず、適切な停止措置を講じないまま、漫然運転席から降車した上、自車が低速で動き出したことから自車に乗り込んでブレーキペダルを踏み込もうとしたものの、確実にブレーキペダルを踏み込まず、不用意にアクセルペダルを踏み込んだ過失により、自車を時速約28kmで東方向(前方)に暴走させて同所先のスーパーマーケット敷地内に進入させ、同敷地内を歩行していたA(当時87歳)に自車前部を衝突、転倒させて轢過し、自車を同敷地内設置の玩具自動販売機に衝突させるなどして同機をAの東側に立っていたB(当時77歳)に衝突させ、転倒したBを自車で轢過し、上記スーパーマーケット店舗内に自車を突入させて停止したものの、狼狽して自車を時速約17kmで西方向(後方)に後退させ、転倒中のAを轢過した上、自車後方に立っていた被告人の妻であるC(当時90歳。以下「妻」)に自車後部を衝突させて転倒させ、よって、Aに全身多発骨折の傷害を負わせ、同日午後0時49分頃、同市内の病院で、同傷害による出血性ショックにより死亡させるとともに、Bに入 (当時90歳。以下「妻」)に自車後部を衝突させて転倒させ、よって、Aに全身多発骨折の傷害を負わせ、同日午後0時49分頃、同市内の病院で、同傷害による出血性ショックにより死亡させるとともに、Bに入院加療約206日間を要し、呼吸機能障害等の後遺症が残る左肺裂傷(左肺全摘)等の傷害を、妻に回復見込みのない遷延性意識障害の後遺症が残る 右硬膜下血腫等の傷害を、それぞれ負わせた。 (量刑の理由)Aの生命が失われたことはもちろん、一命をとりとめたBと妻も、医療措置や介護がなければ生存すら困難な寝たきりの状態に陥り、回復も見込めないという結果は、重大というほかない。Bの夫がBの介護に追われる生活を余儀なくされたことを始め、各被害者の家族の生活への悪影響も、見過ごせない。 被告人は、エンジンを掛けっぱなしにして車両を降りるのであれば、車両を確実に停止させておくべきであったのに、そのための措置を十分しないまま、車両の誤発進を招き、これに気付いて車内に戻ってからも、致命的な運転操作の誤りを犯し、車両を暴走させ、前述の結果を招いた。各被害者が死傷の危険を高めた事情もない。 被告人がかなりの高齢であり、若年者に比べて機敏で的確な判断や動作が容易でなかったと見られることを考慮しても、過失の程度は相当大きい。 以上の犯情に鑑みると、本件は、1名の死者を含む複数の被害者を出した過失運転致死傷の事案の中でも、重い部類に属する。 その他の事情を見ると、被告人は、相当古い交通人身事故による罰金前科があるほかは、犯罪や交通違反と縁遠い生活を送ってきた。両親が加害者でも被害者でもある被告人の娘は、複雑な心情を抱きながらも、他の被害者への保険による賠償が全うされるために今後も誠実に対応し、重い病に冒されている被告人を見守っていくと述べた。被告人も、罪を認め、 でも被害者でもある被告人の娘は、複雑な心情を抱きながらも、他の被害者への保険による賠償が全うされるために今後も誠実に対応し、重い病に冒されている被告人を見守っていくと述べた。被告人も、罪を認め、妻を含め各被害者に謝罪し、反省を続けていくと述べた。これらの他にも、被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても、被告人の刑事責任は重く、主文の実刑はやむを得ないと判断した。 (求刑-禁錮5年)令和5年1月27日大阪地方裁判所堺支部第2刑事部裁判官蜷川省吾

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