1令和3年(け)第39号,同第40号 窃盗,住居侵入未遂被告事件についての控訴棄却決定に対する異議申立て事件令和3年7月20日 東京高等裁判所第2刑事部決定 主 文本件各異議の申立てを棄却する。 理 由1 本件各異議の申立ての趣意は,被告人作成の即時抗告申立書及び第1審補佐人作成の「異議申立て」と題する書面に記載されたとおりであって,要するに,本件控訴を棄却した原決定の判断は誤ったものであるから,原決定を取り消すことを求める,というものと解される。 そこで,記録を調査して検討する(なお,本件各異議の申立てのうち,第1審補佐人からの申立てについては,上訴権を有しない者からの不適法な申立てであるかが問題となるが,その点はひとまず措いて検討する。)。 2 一件記録によれば,被告人は,令和3年2月22日,窃盗,住居侵入未遂の事件で起訴され,第1審裁判所は,同年5月24日,起訴事実と同旨の事実を認定した上で,被告人を懲役2年に処したところ,同月26日,第1審補佐人である被告人の兄が第1審裁判所に控訴申立書を提出し,本件控訴の申立てをしたことが認められる。 原裁判所は,前記の事実関係を前提に,被告人のため上訴をすることができる者は,第1審における代理人又は弁護人及び被告人の法定代理人又は保佐人(刑訴法355条,353条)に限られているから,これらに該当しない第1審補佐人からの本件控訴の申立てが不適法であることは明らかであるとして,本件控訴を棄却する決定をした。 原裁判所の前記判断は正当であって,当裁判所としても是認できる。 23 所論は,被告人は上訴をすることができ(刑訴法351条1項),補佐人は被告人がすることのできる訴訟行為をすることができる(同法42条3項)のである であって,当裁判所としても是認できる。 23 所論は,被告人は上訴をすることができ(刑訴法351条1項),補佐人は被告人がすることのできる訴訟行為をすることができる(同法42条3項)のであるから,補佐人も被告人のために上訴ができるというべきである,という。 しかし,補佐人は,被告人がすることのできる訴訟行為をすることができるものであるが,刑訴法42条3項において,「補佐人は,被告人の明示した意思に反しない限り,被告人がすることのできる訴訟行為をすることができる。但し,この法律に特別の定のある場合は,この限りでない。」と規定されており,特別の定めにより,被告人がすることのできる訴訟行為のうち補佐人がなし得る訴訟行為が制限されていることもある。そして,同法の上訴権者に関する規定を見ると,補佐人を上訴権者と明記する規定はなく,むしろ,補佐人となることのできる者の中で被告人の法定代理人又は保佐人のみを上訴権者と規定している(同法42条1項,353条)ことからすると,同法353条は,補佐人のうち被告人の法定代理人又は保佐人のみを上訴権者と限定したものであり,被告人がすることのできる訴訟行為のうち補佐人がなし得る訴訟行為を制限する特別の定めと理解するのが相当である。そうすると,第1審における代理人又は弁護人ではなく,被告人の法定代理人又は保佐人にも該当しない第1審補佐人からの本件控訴申立ては,上訴権を有しない者からの申立てというべきであるから,不適法である。 所論は採用できない。 4 よって,本件各異議の申立ては理由がないから,刑訴法428条3項,426条1項により棄却することとし,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官 大善文男 裁判官 寺澤真由美 裁判官 中尾佳久) 26条1項により棄却することとし,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官 大善文男 裁判官 寺澤真由美 裁判官 中尾佳久)
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