主文 原決定を破棄する。 理由 本件は、抗告人と相手方との間の大阪高等裁判所平成九年(ネ)第二八六七号退職金請求事件について、同裁判所が平成一〇年七月一〇日に言い渡した判決に対し、抗告人が上告受理の申立てをしたところ、原審が、当該事件が民訴法三一八条一項の事件に当たらないことを理由に、右申立てを却下する旨の決定をしたため、抗告人が右決定に対して抗告をした事件である。 職権で検討すると、上告受理の申立てに係る事件が同項の事件に当たるか否かは、上告裁判所である最高裁判所のみが判断し得る事項であり、原裁判所は、当該事件が同項の事件に当たらないことを理由として、同条五項、同法三一六条一項により、決定で当該上告受理の申立てを却下することはできないと解すべきであるから、右と異なる原審の前記判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、本件については、抗告理由について判断するまでもなく、原決定を破棄するのが相当である。 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。 平成一一年三月九日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官藤井正雄裁判官小野幹雄裁判官遠藤光男裁判官井嶋一友裁判官大出峻郎- 1 -
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