昭和22(れ)39 強盗

裁判年月日・裁判所
昭和22年11月19日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人井崎富之助提出の上告趣意書は原審弁護人新妻幸宜は昭和二十二年五月十 二日Aより被告人Bの母C及兄Dに宛てた書翰一通

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判決文本文1,724 文字)

主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人井崎富之助提出の上告趣意書は原審弁護人新妻幸宜は昭和二十二年五月十 二日Aより被告人Bの母C及兄Dに宛てた書翰一通を証拠書類として提出してゐる。 それは記録二五四乃至二五七に綴られてある。提出の日附は五月十二日となつてゐ る。ところが公判期日も亦五月十二日であるから、この書面による証拠提出が期日 前になされたものか期日後になされたものか一応疑はしいと言へば言へるであらう が、この証拠書類の提出が公判廷に於いてなされたものでないことは公判調書に其 の旨の記載がないことによつて明らかであり、公判開始前になされたものか公判終 了後になされたものか何れかである。しかし少くとも公判終了後に為されたものと する材料はなく、公判終了後に於ては最早訴訟行為としては意味をなさぬ行為であ るから弁護人に於いて其んな事をなす筈もなく又裁判長に於いても受つける筈もな いと思ふからこの証拠書類の提出は五月十二日の時間的に見て公判開廷前と見るの 外なく即ち公判期日前になされたものであると見るべきものである。又結局不明瞭 であると言ふのであつて見れば裁判所側の責に帰すべき事由によつて生じた不明瞭 であるから被告人側の不利益になる様に解決してはならないと思ふ。さてこの証拠 書類が公判廷に於いて取調べられてゐないことは公判調書に其の旨の記載のないこ とによつて明らかである。この事は刑事訴訟法第三百四十二条に違反するから同法 第四百十条十三に規定された上告の理由となるものである。と云うにある。  然しながら記録によると所論の証拠書類は原審第一回公判期日と同日である昭和 二十二年五月十二日に訴訟関係人から原審裁判所に提出せられてゐることが明かで、 その提出の時刻と公判期日の開始せられた時刻との間の時間的前後の関係は他に拠 るべ 書類は原審第一回公判期日と同日である昭和 二十二年五月十二日に訴訟関係人から原審裁判所に提出せられてゐることが明かで、 その提出の時刻と公判期日の開始せられた時刻との間の時間的前後の関係は他に拠 るべき何等の資料もないから、特段の反対の証拠の認められてゐない本件では、所 - 1 - 論の証拠書類は公判期日に於ける公判廷に於いて提出せられたものと認めるのが相 当である。蓋し所論の証拠書類は本件犯罪事実の成否に関する第三者間の書翰であ るから、これを訴訟関係人たる弁護人が裁判所の公判期日と同じ日に提出する意義 は公判期日に於ける公判廷に提出して始めて其の本来の目的を遂げ得るものと認め るのが相当であるからである。論旨は此の点に関して原審公判調書に提出の有無に 関する記載がないから、公判期日に提出せられたものでなく、その以前であると論 じてゐるけれども、公判期日に提出せられた証拠書類はそのすべてに亘り証拠調を なし其の旨を公判調書に記載しなければならぬものではないから、公判調書に記載 がないからと云つて、公判期日に提出せられたものではないとの反証は成立たない。 刑事訴訟法第六十四条は公判手続が適法に履践せられたことの証明力を公判調書に 附与したものに外ならぬから、所論の証拠書類が公判期日前に提出せられたことを 前提とする本論旨は理由がない。  以上の理由により刑事訴訟法第四百四十六条に則り主文の通り判決する。  この判決は裁判官全員の一致した意見によるものである。  検察官小幡勇三郎関与   昭和二十二年十一月十九日      最高裁判所第二小法廷          裁判長裁判官    塚   崎   直   義             裁判官    霜   山   精   一             裁判官    栗   山       茂             裁判官      塚   崎   直   義             裁判官    霜   山   精   一             裁判官    栗   山       茂             裁判官    藤   田   八   郎 - 2 -

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