主文 1 地方公務員災害補償基金福岡県支部長が原告に対して平成29年4月18日付けでした地方公務員災害補償法に基づく公務外認定処分を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 事実 及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 請求の趣旨(原告)主文同旨 2 請求の趣旨に対する答弁(被告)⑴ 原告の請求を棄却する。 ⑵ 訴訟費用は原告の負担とする。 第2 事案の概要等 1 事案の概要本件は、直方市の職員であった亡Aの遺族である原告が、亡Aの自殺は亡Aが直方市で従事していた公務に起因するとして、地方公務員災害補償基金福岡 県支部長に対し公務災害認定請求をしたが同支部長から公務外認定処分を受けたため、被告を相手に、公務外認定処分の取消しを求める事案である。 2 前提事実(当事者間に争いがない事実並びに各項掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定できる事実)⑴ 当事者等 ア原告は、平成27年10月26日に44歳で自殺した亡Aの妻である。 (争いがない。)イ亡Aは、昭和46年4月生まれの男性であり、平成8年11月に原告と婚姻した。亡Aと原告との間に子供はおらず、アパートで2人暮らしをしていた。(甲4、15、23) ウ直方市は、福岡県の筑豊地区に所在する人口約5万5000人の地方自 治体である。(争いがない。)⑵ 亡Aの直方市職員としての経歴ア亡Aは、福岡県内の高校を卒業後、平成5年4月に直方市職員として採用され、同月から平成10年3月まで同市総務部税務課、同年4月から平成27年6月7日まで同市市民部保険課等に所属し、約22年にわたり税 務又は介護保険に関わる業務を担当していた。(争いがない。 用され、同月から平成10年3月まで同市総務部税務課、同年4月から平成27年6月7日まで同市市民部保険課等に所属し、約22年にわたり税 務又は介護保険に関わる業務を担当していた。(争いがない。)イ亡Aは、平成25年4月1日に直方市市民部保険課介護保険係(以下「介護保険係」という。)の係長に昇任し、同係の業務に従事していたが、平成27年6月8日に同市産業建設部商工観光課工業振興係(以下「工業振興係」という。)の係長に異動した。(甲1の13頁) ⑶ 亡A在籍当時の工業振興係の状況ア工業振興係の所属する直方市産業建設部商工観光課(以下「商工観光課」という。)の課長はB課長であり、工業振興係の係員は、C係員、D係員及びE係員の3名であった。(甲10の448頁、乙4、7)イ工業振興係の分掌事務は、工業の振興育成、直方市中小企業振興条例、 市内立地企業、工業団地及び企業立地促進、中小企業等の情報化、中小企業融資、中小企業大学校、雇用開発、企業誘致、その他工業の振興並びに運輸交通に関することとされており、亡Aは、同係の係長として全ての事務の主担当又は副担当になっていた。(甲10の114~115頁、448頁) ⑷ 亡Aのうつ病の発症及び自殺、本件訴訟に至る経緯(争いがない。)ア亡Aは、うつ病(ICD-10の分類でいうF32うつ病エピソード)を発症し、平成27年10月26日午後11時頃、自身の実家において自殺を図り縊死した。 イ原告は、平成28年3月10日付けで地方公務員災害補償基金福岡県支 部長に対し、亡Aの自殺が公務に起因する精神的又は肉体的負荷によるも のであるとして地方公務員災害補償法に基づく公務災害認定請求をしたが、同支部長は、平成29年4月18日付けで公務外認定処分 に対し、亡Aの自殺が公務に起因する精神的又は肉体的負荷によるも のであるとして地方公務員災害補償法に基づく公務災害認定請求をしたが、同支部長は、平成29年4月18日付けで公務外認定処分をした。 ウ原告は、前記イの公務外認定処分を不服として、平成29年6月30日付けで地方公務員災害補償基金福岡県支部審査会に対して審査請求をしたが、同審査会は、令和2年5月12日付けで同審査請求を棄却する旨の裁 決をした。 エ原告は、前記ウの裁決を不服として、令和2年6月5日付けで地方公務員災害補償基金審査会に対して再審査請求をしたが、同審査会は、令和3年10月11日付けで同再審査請求を棄却する旨の裁決をした。 オ原告は、令和4年5月2日、本件訴訟を提起した。 ⑸ 被告策定の精神疾患等の公務起因性に関する認定基準等ア被告は、地方自治体に所属する職員の精神疾患等の公務起因性の有無(地方公務員災害補償法施行規則別表第1第9号所定の「人の生命にかかわる事故への遭遇その他強度の精神的又は肉体的負荷を与える事象を伴う業務に従事したため生じた精神及び行動の障害並びにこれに付随する疾病」に 該当するか否か)の判断に関し、平成24年3月16日地基補第61号「精神疾患等の公務災害の認定について」(令和6年3月22日地基補第132号による改正後が最新のもの。甲12、乙5。以下「認定基準」という。)を策定している。 イ認定基準は、職員の精神疾患等の公務起因性が認められる要件として、 ①当該精神疾患がICD-10第Ⅴ章に分類される精神疾患(対象疾病)であること(ただし、器質性のもの及び有害物質に起因するものは除く。)(以下「要件①」ともいう。)、②対象疾病発症前のおおむね6か月の間に、業務により強度の精神的又は肉体的負荷を受 疾患(対象疾病)であること(ただし、器質性のもの及び有害物質に起因するものは除く。)(以下「要件①」ともいう。)、②対象疾病発症前のおおむね6か月の間に、業務により強度の精神的又は肉体的負荷を受けたと認められること(以下「要件②」ともいう。)、③業務以外の負荷及び個体側要因により対象 疾病を発症したとは認められないこと(以下「要件③」ともいう。)を挙 げている。 ウ認定基準は、要件②の認定において、精神疾患の「発症直前の1か月におおむね160時間を超えるような、又は発症直前の3週間におおむね120時間以上の時間外勤務を行ったと認められる場合」「発症直前の連続した2か月間に1月当たりおおむね120時間以上の、又は発症直前の連 続した3か月間に1月当たりおおむね100時間以上の時間外勤務を行ったと認められる場合」「機構・組織等の改革又は人事異動等による、急激かつ著しい職務内容の変化を伴う業務に従事したと認められる場合」「職場でひどい嫌がらせ、いじめ又は暴行を執拗に受けたと認められる場合」「(上記各場合に)準ずるような業務負荷があったと認められる場合」を 強度の精神的又は肉体的負荷を与える事象として挙げている。 エまた、認定基準は、自殺の公務起因性の考え方について、公務に起因して対象疾病(病態としての自殺念慮が出現する蓋然性が高いと認められるICD-10第Ⅴ章の「F0」から「F4」までに分類される精神疾患)を発症した者が自殺を図った場合には、当該精神疾患により正常の認識、 行為選択能力が著しく阻害され、又は自殺行為を思いとどまる精神的な抑制力が著しく阻害されている状態で自殺が行われたものと推定し、原則として自殺についての公務起因性が認められるとしている。 オ被告は、認定基準の具体的運用につい は自殺行為を思いとどまる精神的な抑制力が著しく阻害されている状態で自殺が行われたものと推定し、原則として自殺についての公務起因性が認められるとしている。 オ被告は、認定基準の具体的運用について、平成24年3月16日地基補第62号「「精神疾患等の公務災害の認定について」の実施について」(令 和6年3月22日地基補第133号による改正後が最新のもの。甲13)に基づき行っている。そのうち本件に関係する部分は、別紙のとおりである。 カ亡Aが平成27年9月末頃にうつ病(ICD-10第Ⅴ章F32に分類されるうつ病エピソード)を発症したこと並びにそれが業務以外の負荷及 び個体側要因によるものではないこと(認定基準の要件①及び要件③を満 たすこと)については当事者間に争いがない。 ⑹ 被告の調査した亡Aのうつ病発症前の時間外勤務等の状況等ア亡Aの勤務時間は平日7時間45分(8時30分~17時)、休憩時間45分(12時15分~13時)であり、土曜日及び日曜日は休日となっていた。(争いがない。) イ被告が直方市を通じて調査した上記アを超える亡Aの時間外勤務時間数は、うつ病発症1か月前(平成27年9月1日~同月30日)が2時間15分、発症2か月前(同年8月1日~同月31日)が1時間15分、発症3か月前(同年7月1日~同月31日)が19時間30分、発症4か月前(同年6月1日~同月30日)が1時間00分、発症5か月前(同年5月 1日~同月31日)が7時間15分、発症6か月前(同年4月1日~同月30日)が3時間30分である。(甲1の14頁)ウ被告が直方市を通じて調査した亡Aの休暇取得状況は、平成27年4月が年次休暇1日4時間、同年5月が年次休暇1日5時間、同年6月が年次休暇4時間、同年7月が0時間 0分である。(甲1の14頁)ウ被告が直方市を通じて調査した亡Aの休暇取得状況は、平成27年4月が年次休暇1日4時間、同年5月が年次休暇1日5時間、同年6月が年次休暇4時間、同年7月が0時間及び夏季休暇1日、同年8月が年次休暇2 時間及び夏季休暇4日、同年9月が年次休暇4時間、同年10月が年次休暇1時間及び病気休暇13日である。(甲1の15頁) 3 争点本件の争点は、亡Aのうつ病発症及び発症後の自殺の公務起因性の有無であるが、亡Aが平成27年9月末頃にうつ病を発症したこと及びそれが業務以外 の負荷及び個体側要因によるものではないこと(認定基準の要件①及び要件③を満たすこと)については争いがなく(前記2⑸カ)、亡Aがうつ病発症前のおおむね6か月の間の業務により強度の精神的又は肉体的負荷を受けたと認められるか否か(認定基準の要件②を満たすか否か)が主に争われている。 4 主たる争点に関する当事者の主張 ⑴ 原告の主張 ア亡Aは、工業振興係長に就任した後、同係での業務に必要な知識の取得や事前準備のために、平日は午前6時頃から自宅を出るまで及び帰宅から翌日午前2時頃まで、日曜日の夜も翌日午前2時頃までの間、職場から持ち帰った資料の読み込みや私物パソコンを用いた作業に従事することが常態化していた。それらの作業時間を職場での勤務時間に合算すると、亡 Aの時間外勤務時間数は、うつ病発症1か月前132時間00分、発症2か月前95時間00分、発症3か月前119時間44分、発症4か月前98時間02分となり、認定基準上、業務により強度の精神的又肉体的負荷を受けたと認め得る水準とされている「1月当たりおおむね100時間以上」を優に超えていた。 イ亡Aは、工業振興係長に就任する前の約22年間は 定基準上、業務により強度の精神的又肉体的負荷を受けたと認め得る水準とされている「1月当たりおおむね100時間以上」を優に超えていた。 イ亡Aは、工業振興係長に就任する前の約22年間は一貫して税務や介護保険に関する比較的定型的な業務に従事してきたにもかかわらず、商工観光課という想定外の部署への異動により、未経験の分野で非定型かつ他律的な業務に従事することとなった上、当時直方市で重大な懸案事項であったADOX福岡(直方市の整備した産業振興拠点である「直鞍産業振興セ ンター」)の赤字解消に向けた業務を遂行するために、前記アのとおり深夜まで自宅での資料の読み込みや私物パソコンを用いた作業を余儀なくされるなどしていたもので、認定基準上、業務により強度の精神的負荷を与える場合として例示されている「人事異動等による急激かつ著しい職務内容の変化を伴う業務に従事したと認められる場合」に該当する。 ウ亡Aは、工業振興係長就任後、未経験の分野において想定外の重責を担わされ、直属の上司や部下からの支援や協力が不可欠な状態であったにもかかわらず、上司であるB課長からは、同僚の面前で「お前はそんなことも分からないのか」などと叱責されたり、突き放すような態度をとられていた。また、部下であり工業振興係での経験が豊富なC係員からも「それ は係長の仕事でしょう」、「係長はどう考えているんですか」と言われるな ど非協力的な態度をとられ、必要な支援や協力を受けられないまま職場で孤立していき、疎外感を強めていったもので、認定基準上、業務により強度の精神的負荷を与える場合として例示されている「職場でひどい嫌がらせ又はいじめを執拗に受けたと認められる場合」に該当する。 エ前記アないしウのいずれもが単体で認定基準の要件②(業務 業務により強度の精神的負荷を与える場合として例示されている「職場でひどい嫌がらせ又はいじめを執拗に受けたと認められる場合」に該当する。 エ前記アないしウのいずれもが単体で認定基準の要件②(業務により強度 の精神的又は肉体的負荷を受けたと認められること)を満たすものであり、仮に、それぞれ単体では要件②を満たさないとしても、これらは亡Aが工業振興係長に就任後僅か約4か月という短期間のうちに同時並行的に生じた事象であり、相互に関連し合い相乗効果により亡Aの業務による負荷を高めたものといえるから、総合的にみれば認定基準の要件②を満たすもの というべきである。 ⑵ 被告の主張ア亡Aの工業振興係長就任以降の職場での時間外勤務時間数は最大でも1月当たり19時間30分にとどまっており、恒常的な長時間勤務は認められない。亡Aの時間外勤務命令票をみても、プレミアム商品券の販売や夏 祭り等の特別なイベントのための早出及び残業、休日出勤があった7月を除けば時間外勤務は1月当たり数時間程度であるし、職場で使用していたパソコンの起動・終了時刻に関する記録をみても、始業時刻前に十数分程度早めに出勤したり、長いときで2時間程度残業をしていることがうかがえる程度であり、亡Aが自宅に資料を持ち帰るなどして長時間の作業に従 事していたことを裏付けるものは原告本人の供述のみである。したがって、亡Aの時間外勤務時間数は、認定基準上の「1月当たりおおむね100時間以上の時間外勤務を行ったと認められる場合」に該当しない。 イ亡Aが介護保険係長から工業振興係長に異動し専ら税務や介護保険に関する業務から離れて商工観光課の業務に従事するようになったことは、行 政職の公務員として通常想定される範囲内の職務内容の変化にとどまる し 業振興係長に異動し専ら税務や介護保険に関する業務から離れて商工観光課の業務に従事するようになったことは、行 政職の公務員として通常想定される範囲内の職務内容の変化にとどまる し、異動の際には上司や部下から十分な引継ぎを受け、その後も適時に必要な支援や協力を受けていたのであるから、亡Aが認定基準上の「人事異動等による急激かつ著しい職務内容の変化を伴う業務に従事したと認められる場合」に該当するとはいえない。 ウ B課長が亡Aに対して過度に厳しい叱責をしたり、突き放すような態度 をとっていたことはなく、C係員からの「それは係長の仕事でしょう」、「係長はどう考えているんですか」などの発言も、亡Aに対して積極的な業務への関与や、自発的な意見の提示を求める趣旨での一度きりの発言にすぎず、嫌がらせやいじめを意図したものとは評価できないから、亡Aが認定基準上の「職場でひどい嫌がらせ又はいじめを執拗に受けたと認められる」 場合に該当するとはいえない。 エ前記アないしウのとおり、原告の主張する亡Aの工業振興係長としての業務による負荷は、いずれも認定基準の要件②(業務により強度の精神的又は肉体的負荷を受けたと認められること)を満たさないし、これらを総合的に評価しても、亡Aが恒常的に長時間の時間外勤務を要するほど多忙 ではなかったことや、上司や部下から必要な支援や協力を受けられていたことからすると、同種の平均的な職員を基準として客観的にみた場合に亡Aが工業振興係長の業務により強度の精神的又は肉体的負荷を受けたとまでは認め難く、認定基準の要件②を満たさないというべきである。 第3 当裁判所の判断 1 公務起因性の判断枠組み⑴ 地方公務員災害補償法に基づく補償は、地方自治体等の職員に公務上の疾病、死亡 難く、認定基準の要件②を満たさないというべきである。 第3 当裁判所の判断 1 公務起因性の判断枠組み⑴ 地方公務員災害補償法に基づく補償は、地方自治体等の職員に公務上の疾病、死亡等の事由が生じた場合に実施されるところ(同法24条1項)、職員の疾病等が公務上のものと認められるためには、公務と疾病等との間に法的にみて上記補償を認めるのを相当とする関係(相当因果関係)が認められる ことが必要であるものと解される。そして、地方公務員災害補償制度が、公 務に内在する危険の現実化として職員に疾病等の結果がもたらされた場合には、当該職員の属する地方公共団体等に過失がなくともその危険を負担させ、地方公共団体等の費用負担により運営される被告(同法49条1項)に当該職員への補償を代行させる(同法1条)という危険責任の法理に基づく制度であることに鑑みると、上記公務と疾病等との間の相当因果関係の有無は、 当該疾病等が公務に内在する危険の現実化として発症したと医学的経験則に照らして評価し得るか否かによって決することが相当である。 ⑵ そして、認定基準は、被告の内部基準であり、裁判所の判断を拘束するものではないが、その内容は、当時の最新の医学的・専門的知見を集積した「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会報告書(令和2年5月)」(甲1 6)の内容等を踏まえ、その後も適時に改正されている労働者災害補償保険法上の業務起因性の有無の判断に関する厚生労働省策定の通達の内容に準じたものであり、精神的又は肉体的負荷による精神疾患等の発症機序や公務との関連性に関する標準的な医学的知見・経験則が反映された相応の合理性を有するものであるといえるから、地方公共団体等に属する職員の精神疾患等 の公務起因性の法的判断においても、 発症機序や公務との関連性に関する標準的な医学的知見・経験則が反映された相応の合理性を有するものであるといえるから、地方公共団体等に属する職員の精神疾患等 の公務起因性の法的判断においても、まずは認定基準の内容を参考としつつ、当該職員が精神疾患等を発症し死亡に至るまでの個別具体的な事情を総合的に考慮して、それらの公務起因性を判断するのが相当であるものと解される。 ⑶ 前記第2の3のとおり、亡Aの平成27年9月末頃のうつ病の発症及び自殺について認定基準の要件①及び③を満たすことは当事者間に争いがないの で、以下、本件の主たる争点(認定基準の要件②を満たすか否か)について、前記第2の2⑸ウの分析手法に基づき、発症前のおおむね6か月の間の量的過重性(時間外勤務時間数)及び質的過重性に分けて検討する。 2 量的過重性(時間外勤務時間数)について⑴ 直方市は、亡Aの工業振興係長在任当時、時間外勤務等命令票(甲10の 455~460頁)により職員の時間外勤務を管理し、同票に記載されたも の以外の時間外勤務命令は出されていなかった(甲10の164頁参照)一方、亡Aが職場で使用していたパソコンの作動時間は、被告が直方市を通じて調査した「PC起動・終了時間」と題する表(甲10の461~462頁)のとおりであることが認められる。 ⑵ そして、上記時間外勤務等命令票に記載された亡Aの退勤時刻は、上記「P C起動・終了時間」と題する表の終了時刻とおおむね整合することから、前記第2の2⑹イの被告が直方市を通じて調査した亡Aの時間外勤務勤務時間数がうつ病発症1か月前(平成27年9月分)2時間15分、発症2か月前(同年8月分)1時間15分、発症3か月前(同年7月分)19時間30分、発症4か月前(同年6月分)1時間00 の時間外勤務勤務時間数がうつ病発症1か月前(平成27年9月分)2時間15分、発症2か月前(同年8月分)1時間15分、発症3か月前(同年7月分)19時間30分、発症4か月前(同年6月分)1時間00分、発症5か月前(同年5月分)7 時間15分、発症6か月前(同年4月分)3時間30分であるとの認定は、相応の正確性・合理性を有するものと認められる。 ⑶ その上で、亡Aの工業振興係長在任当時、上記時間外勤務等命令票において時間外勤務の記載がない日にも、亡Aが職場で使用していたパソコンが所定終業時刻(午後5時)以降も長時間にわたり起動されていた日が複数存在 することに加え、亡Aが日常的に業務上の予定等を書き留めていた手帳には「9/26(土)9:30」との記載及びその付近に後記アンテナの手配業務を行っていたことを推認させる記載があり(甲1の20頁、甲11の12頁)、これらの記載が、上記「PC起動・終了時間」と題する表において同日の亡Aのパソコンの起動時刻が10時57分、終了時刻が11時57分と されていることと整合していることに照らすと、上記時間外勤務等命令票に記載のない残業や休日勤務が一定程度存在したことが推認される。 そこで、当裁判所は、亡Aの工業振興係長就任以降の平成27年6月8日から同年9月30日までの時間外勤務時間数について、下記のとおり、パソコンの終了時刻が所定終業時刻から1時間以上乖離しているにもかかわらず 時間外勤務命令が出されていない平日の同月7日、8日、14日、15日及 び30日の各日並びに同月26日について、上記⑵の被告の認定した時間外勤務時間数を15分単位で修正して認定することとした。 ア平成27年6月分 1時間00分(修正なし)イ同年7月分 19時間30分(修正なし。なお、 26日について、上記⑵の被告の認定した時間外勤務時間数を15分単位で修正して認定することとした。 ア平成27年6月分 1時間00分(修正なし)イ同年7月分 19時間30分(修正なし。なお、時間外勤務の内容は、プレミアム商品券販売、夏祭り等パソコンを使用しないものであった。) ウ同年8月分 1時間15分(修正なし)エ同年9月分 12時間30分(同月中に時間外勤務命令が出されたのは同月17日の2時間15分のみである。ところが、時間外勤務命令が出されていない日について、同月7日はパソコンの終了時刻が19時02分であることから2時間、同月8日はパソコンの終了時刻が19時34分であ ることから2時間30分、同月14日はパソコンの終了時刻が18時38分であることから1時間30分、同月15日はパソコンの終了時刻が18時14分であることから1時間、同月26日(土)はパソコンの起動時刻が10時57分、終了時刻が11時57分であることから1時間、同月30日はパソコンの終了時刻が19時23分であることから2時間15分を 加算した。)⑷ 前記⑶の亡Aの工業振興係長就任以降の時間外勤務時間数は、最大でも20時間を下回り、認定基準上、業務により強度の精神的又は肉体的負荷を受けたと認め得る水準とされている「1月当たりおおむね100時間以上」には及ばないことになる。(前記第2の2⑹イの被告の認定によれば尚更及ば ないことになる。)⑸ そうすると、亡Aが工業振興係長に異動後、出勤前や帰宅後、休日に自宅で業務に関連する資料の読み込みや私物パソコンを用いた作業をしていたこと(甲15、原告本人)や、年次休暇を時間単位でしか取得していないこと(前記第2の2⑹ウ)を考慮しても(なお、原告の主張する自宅での時間外 勤務時間数 みや私物パソコンを用いた作業をしていたこと(甲15、原告本人)や、年次休暇を時間単位でしか取得していないこと(前記第2の2⑹ウ)を考慮しても(なお、原告の主張する自宅での時間外 勤務時間数が認められないことは、後記5⑴のとおりである。)、認定基準上、 業務により強度の精神的又は肉体的負荷を受けたと認め得る水準とされている「1月当たりおおむね100時間以上の時間外勤務」に匹敵するほどの量的過重性を有していたとは認め難い。 3 質的過重性について⑴ 認定事実 前提事実(前記第2の2)並びに各項掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の各事実が認められる。 ア亡Aは、平成27年6月1日、介護保険係長から工業振興係長への異動の内示を受け、同月8日付けで工業振興係長に異動した際、亡Aの前任者及びB課長が連名で作成した引継書を受領したが、その記載内容は、工業 振興係の各分掌事務の予算額に関する説明が中心であり、当該事務の課題等を解決するための具体的な業務の進め方や内容等を説明するものではなかった。また、当時の工業振興係では、平成25年4月に作成された「事務引継書」と題する文書のデータファイルが自由に閲覧できる状態で共有されていたが、その記載内容も工業振興係の各分掌事務について、それぞ れの沿革や経緯、課題等を概括的に説明する程度のものであったため、亡Aは、介護保険係長であったときと異なり、自宅に工業振興係の業務に関する資料を持ち帰り勉強するようになった。(甲1の20頁、甲8の16~81頁、105~115頁、甲15、原告本人)イ亡Aは、平成27年6月18日午前中、外部有識者との打合せに担当の C係員(亡Aが加入していた直方市の職員で構成されるテニス部の後輩でもあった。甲1の1 5~115頁、甲15、原告本人)イ亡Aは、平成27年6月18日午前中、外部有識者との打合せに担当の C係員(亡Aが加入していた直方市の職員で構成されるテニス部の後輩でもあった。甲1の17頁)とともに参加した際、C係員が離席を渋ったため、午後の市長との待ち合わせに遅れたことがあった。(甲1の26頁、甲17)ウ亡Aは、酒を嗜まなかったが、工業振興係長としての付き合いとして、 退勤後や休日に、外部団体や企業経営者等との会食(平成27年6月20 日ADOX福岡のセンター長送別会、同年7月21日及び同年8月20日直鞍産業振興世界戦略研究会、同年10月2日メカトロタウン〔直方市が整備した工業団地〕の入居企業懇談会等)に参加しており、商工観光課の他の職員に対し「またあるんだ」などと発言することもあった。(甲1の25頁) エ亡Aは、工業振興係長への異動後、C係員に業務についての相談や質問をした際、「それは係長の仕事でしょう」、「自分で考えてください」、「係長はどう考えるんですか」、「それは係長が考えてください」などと強い口調で回答されることや、「今ですか」と言って席を立ち休憩に行かれることが複数回あり、それらの場に他の係員が居合わせることもあった。亡Aは、 商工観光課の他の職員に対し「Cから毎日やり込められるが、悔しいけれど、こちらが知らないので今は我慢するしかない」などと愚痴を述べることがあった。(甲1の17~18頁、29頁)オ C係員は、工業振興係で亡AとC係員が主担当となっていた「中小企業振興事業」の一環である「直方市産業振興アクションプラン」策定に向け たワーキンググループにおける発表や質疑応答について、亡Aの異動直後の平成27年6月の会は段取りを整えたが、同年7月終わり頃以 興事業」の一環である「直方市産業振興アクションプラン」策定に向け たワーキンググループにおける発表や質疑応答について、亡Aの異動直後の平成27年6月の会は段取りを整えたが、同年7月終わり頃以降は亡Aに自身で発表や質疑応答の対応をするよう指示した。また、C係員は、D係員及びE係員と、平成27年7月下旬頃、亡Aが不在の場で、亡Aに任せるべき業務はできる限り任せ、手伝いすぎないよう少し距離を置く旨の 方針を確認した。(甲1の14頁、16~17頁、21~22頁、37頁)カ B課長は、商工観光課の課員に対しぶっきらぼうな態度をとったり、都合が悪くなると「俺は聞いてねえぞ」などと責任回避的な言動をしたりすることがあり、課内の係長が部下のことを相談しても自分の部下は自分で教育するように言っていた。B課長は、亡Aに対しても、他の職員にも聞 こえるような大声で「お前はそんなことも分からないのか」、「もう2か月 経ったからできるだろう」、「係長も勉強が必要だ」などと言っていたほか、係長である亡Aを介さずC係員に直接業務上の指示を出したり、C係員から直接業務上の指示を求められた場合にはそれに応じたりするなど、亡Aを介さず業務を進めることがあった。(甲1の18頁、28~32頁)キ亡Aは、平成27年9月14日の早朝、C係員からメールで同日に終日 休暇を取得する旨の連絡を受け、原告に対して連絡方法について愚痴を述べた。(甲1の26頁、甲15)ク亡Aは、平成27年9月26日(土曜日)に工業団地のアンテナが故障したとの通知を受け、急遽出勤した後、独力での市内の登録業者への手配に難渋し、結局他の専門業者を手配することになった後、C係員から「そ うなると思ってました。」と言われた。(甲1の20頁、22~23頁、甲 を受け、急遽出勤した後、独力での市内の登録業者への手配に難渋し、結局他の専門業者を手配することになった後、C係員から「そ うなると思ってました。」と言われた。(甲1の20頁、22~23頁、甲17、証人D、原告本人)ケ亡Aは、平成27年9月末頃には、職場内でも家庭内でも元気がなく、ぼんやりしたり、落ち込んだ様子を見せるなど、うつ病の症状を呈するようになり、原告に仕事を辞めたいと漏らしたり、おどおどしたり、自分の 臭いを気にするようになった。(甲17、原告本人)コ亡Aは、平成27年10月5日、産業振興アクションプランの見直しの方向性等を庁内で協議し、その協議は無事終了したが、同月29日に予定された市長への報告を気にしていた。(甲17、原告本人)サ亡Aは、平成27年10月12日、実家の階段で転倒し、腰椎捻挫、背 部痛、胸骨骨折の疑い、全身打撲の傷害を負った。亡Aは、整形外科に通院した後、同月13日から25日まで病気休暇を取得し、自宅で療養していた。(甲1の13頁)シ亡Aは、翌日から復職予定であった平成27年10月26日、病院から帰宅し「もう仕事には行かれない」と原告に呟いた後、実家に行き、その 夜、「F(原告の名前)さようなら」とのショートメッセージを作成したが 原告に送信しないまま、実家の階段で首を吊り自殺した。(甲17、27)⑵ 検討ア前記⑴アのとおり、亡Aは、平成27年6月1 日に直方市市民部保険課介護保険係長から同市産業建設部商工観光課工業振興係長への異動の内示を受け、同月8日に工業振興係長に異動したものであるが、工業振興係長 の職務は、中小企業振興事業から公共交通体系見直し事業まで広範かつ多様なものであり、外部機関との交渉、調整等を要する非定型、他律的 け、同月8日に工業振興係長に異動したものであるが、工業振興係長 の職務は、中小企業振興事業から公共交通体系見直し事業まで広範かつ多様なものであり、外部機関との交渉、調整等を要する非定型、他律的な業務も包含しており、市民部から産業建設部へという所属する部自体を異にする大きな職務内容の変化を伴う異動であったといえることに加え、工業振興係長への異動の内示から実際の異動までの準備期間は約1週間と短か ったこと、亡Aが工業振興係への異動の際に用意されていた前任者からの引継書の主な記載内容は予算額の説明であり、工業振興係長の業務を初歩的な部分から説明するものではなかったことを併せ考慮すると、亡Aが異動前に所属していた市民部で既に係長の経験を約2年2か月有していたこと(前記第2の2⑵イ)を踏まえても、長らく従事してきた税務又は介護 保険に関わる業務(同ア)とは異なる専門知識を必要とする工業振興係長の業務に未経験者として従事することになったことによる精神的負荷は相当強度であったと考えられる。 イまた、上記のとおり広範かつ多岐にわたる工業振興係長の担当業務を亡Aが的確に把握するには同係での業務に必要な知識経験を有する先任職 員からの支援や協力が不可欠であったにもかかわらず、亡Aは部下であるC係員の意向に逆らえず市長を待たせる事態に陥ったり(前記⑴イ)、C係員に仕事の相談を依頼しても「それは係長の仕事でしょう」、「今ですか」などと、他の係員も居合わせる場で反抗的・非協力的な発言をされたり(同エ)、突き放すような態度をとられたり(同ク)、社会人としてのマナーを 欠いた欠勤の連絡をされたり(同キ)していたもので(なお、C係員は亡 Aにとって15年来旧知のテニス部の後輩でもあり、工業振興係長就任時には亡AもC )、社会人としてのマナーを 欠いた欠勤の連絡をされたり(同キ)していたもので(なお、C係員は亡 Aにとって15年来旧知のテニス部の後輩でもあり、工業振興係長就任時には亡AもC係員を頼りにしていたはずであるが、C係員は逆に厳しく亡Aに接していた。甲1の42頁参照)、このようなC係員の言動は、工業振興係に相応の期間在籍して同係での業務に関する知識経験や人脈を豊富に有しているC係員の協力が得られなければ工業振興係長としての業務 を円滑に遂行し得ない立場にあった亡Aに対し、非常に強度の精神的負荷を生じさせたと考えられる。 ウさらに、亡Aが工業振興係長に異動してから約1か月強後の平成27年7月下旬頃、C係員と他の係員2名(工業振興係の係員全員)により、亡Aと少し距離を置き業務を手伝わないようにする方針が確認されたこと (前記⑴オ)も、先任の係員らに頼らざるを得ない状況下で亡Aが疎外感・孤立感を深めていった要因になったと考えられる。(なお、証人Dの証言のとおりB課長が係員3名を集めて亡Aと距離を置くようにした可能性はあるが、そうであれば尚更、亡Aが疎外感・孤立感を深めていった要因になったと考えられる。) エそして、B課長が亡Aの置かれた状況や心情を思いやることなく、上司として十分な支援を提供しないばかりか、商工観光課の同僚や部下の面前で亡Aを叱責したり亡Aの係長としての能力不足を揶揄するかのような発言をしていたこと(前記⑴カ)は、仮にB課長にハラスメントの意識がなかったとしても不適切・不相当であり、C係員との関係性が悪化し部下 からの支援や協力が得られない状況にあった亡Aが、上司であるB課長からも十分な支援や協力が得られないと感じて自己否定感・屈辱感を高め自らを追い詰めていく状況を作出する契 の関係性が悪化し部下 からの支援や協力が得られない状況にあった亡Aが、上司であるB課長からも十分な支援や協力が得られないと感じて自己否定感・屈辱感を高め自らを追い詰めていく状況を作出する契機になったと考えられる一方、他にも人間関係上の問題を抱え、必ずしも良好な雰囲気が醸成されていなかった当時の商工観光課(甲1の31頁参照)の他の職員や同課以外の部署の 職員が亡Aを積極的に支援していた形跡も見いだせない。(なお、直方市 が職員の苦情相談に関する規則を定め、メンタルヘルス研修を実施していたことや、「こころの健康相談」といった窓口を設置していたという外形的事実のみをもって職務上の悩みを抱えた職員へのサポート体制が十分であったとは直ちに評価し得ない。)オこのように、亡Aは、平成27年6月8日の介護保険係長から工業振興 係長への異動の前後から同年9月末頃のうつ病発症までの間に、大きく職務内容が変化し、それまで経験したことがなく、分掌事務の範囲も多岐にわたり一様にマニュアル化できない非定型かつ他律的な業務を部下を指導監督する係長の立場で遂行するため寸暇を惜しんで一から勉強せざるを得ない状況に陥ったことに伴う精神的負荷(なお、直方市職員労働組合も、 当該職場での経験がない職員を係長として配置する人事異動については懸念を抱いていたとしている。甲21)を受けるとともに、上司及び部下の両方から認定基準上のパワーハラスメントに完全には該当しないまでも不適切と認められる言動や精神的圧迫を受け、それによる精神的負荷も受けていた一方、所属する部署の周囲の職員や他の部署の職員等からの支援や 協力は受けられていなかった。さらに、工業振興係の業務の一環として外部団体や企業経営者等との懇親会等の酒席の場に列席せざるを ていた一方、所属する部署の周囲の職員や他の部署の職員等からの支援や 協力は受けられていなかった。さらに、工業振興係の業務の一環として外部団体や企業経営者等との懇親会等の酒席の場に列席せざるを得なかったこと(前記⑴ウ)も酒を嗜まない亡Aにとっては負担となり、これら時期的に密接に関連する精神的負荷が積み重なったことにより平成27年9月末頃にうつ病の症状を呈して(同ケ)悩みを深め(同コ)、普段は考え難い ような事故を起こして病気休暇を取得後(同サ)、復職予定日の直前に自殺に至ったこと(同シ)が推認されるのであり、認定基準上の「人事異動等による急激かつ著しい職務内容の変化を伴う業務に従事したと認められる場合」又は「職場でひどい嫌がらせ又はいじめを執拗に受けたと認められる場合」に完全に該当するとまではいえない(なお、「ひどい」、「執拗」と いう評価に完全に該当せずとも精神疾患の発症や自殺に繋がることはあり 得るのであって、これらは因果関係の認定における考慮要素の一つにすぎないというべきである。)としても、認定基準の「これらに(上記各場合に)準ずるような業務負荷があったと認められる場合」に該当し、亡Aの平成27年6月8日から9月末頃までの工業振興係長としての業務による精神的負担は、認定基準の要件②「対象疾病発症前のおおむね6か月の間に、 業務により強度の精神的又は肉体的負荷を受けたと認められること」を満たしていたというべきである。 4 小括⑴ 前記2のとおり、亡Aの工業振興係長としての時間外勤務時間数は、平成27年9月末頃のうつ病発症からおおむね6か月前までの期間を通じて毎月 20時間を下回っている(うち4か月は10時間を下回っている)ことが認められるから、その期間中に亡Aが従事していた業務 成27年9月末頃のうつ病発症からおおむね6か月前までの期間を通じて毎月 20時間を下回っている(うち4か月は10時間を下回っている)ことが認められるから、その期間中に亡Aが従事していた業務が量的過重性を有していたとはいえない。 ⑵ しかし、前記3のとおり、亡Aは、直方市職員として採用以来長らく従事してきた税務や介護保険に関する業務を担当する部署から商工観光課という 畑違いの部署に突然異動になった後、上司である商工観光課長及び部下である工業振興係員の両方から精神的圧迫を受け、工業振興係長としての業務を円滑に遂行することが困難な状況に陥り、その他の職員からの支援や協力も得られないまま職場での疎外感や孤独感を深め、強迫観念にかられて工業振興係の業務に関する資料等を職場から自宅に持ち帰り勉強や作業をせざるを 得ないほど精神的に追い詰められていったことが認められるから、亡Aと同種の平均的な職員を基準とした場合にも、亡Aの工業振興係長としての業務の質的過重性は強度であったというべきである。 ⑶ そうすると、亡Aは、工業振興係長の業務により強度の精神的負荷を受けた(認定基準の要件②該当)結果、平成27年9月末頃にうつ病を発症した ものと認められ(認定基準の要件①該当)、かつ、亡Aが業務以外の負荷及び 個体側要因によりうつ病を発症したとは認められない(認定基準の要件③該当)から、亡Aのうつ病発症については公務起因性が認められる。 ⑷ そして、亡Aは、うつ病発症後、正常な認識、行為選択能力が著しく阻害され、又は自殺行為を思いとどまる精神的抑制力が著しく阻害された状態で平成27年10月26日の自殺に至ったものと推定されるから、亡Aの自殺 についても公務起因性が認められる。 ⑸ 以上の次第で、亡Aの自殺の公 為を思いとどまる精神的抑制力が著しく阻害された状態で平成27年10月26日の自殺に至ったものと推定されるから、亡Aの自殺 についても公務起因性が認められる。 ⑸ 以上の次第で、亡Aの自殺の公務起因性を否定して行われた公務外認定処分は、取消しを免れない。 5 原告の主張について⑴ 原告は、亡Aが平日の出勤前には午前6時頃から、平日の帰宅後ないし日 曜日の夜には翌日の午前2時頃まで、職場から持ち帰った資料の読み込みや私物パソコンを用いた作業に従事していたことから、それらの時間を職場での時間外勤務時間数に合算して評価すべきである旨主張し、これに沿う陳述(甲15)・供述(原告本人)をする。 確かに、亡Aが自宅内のキッチン等から見通せるリビング(甲23)にお いて連日資料の読み込み等の作業をする様子を見ていたという原告の供述は、作業中の亡Aとの会話の内容や、亡Aが職場から持ち帰っていた資料の量の変化等について具体性、迫真性を伴っており、上記資料を亡Aの死後に返却を受けた旨のD係員の回答(甲1の20頁、乙7)とも整合しているから、亡Aが自宅で一定の作業に従事していたこと自体を証する限度においては相 応の信用性を有するといえる。 しかし、原告の主張を裏付ける自宅での私物パソコンの起動・終了時刻の記録や自宅での作業に伴う成果物その他の客観的証拠はない。また、亡Aが出勤前ないし帰宅後や休日等に自宅で職場から持ち帰った資料の読み込み等をしていたことを前提としても、自宅での作業は、職場における上司等によ る監督下での時間外勤務と比較して合間に休憩や私用の時間を挟む余地があ るし、緊張、集中の度合いも低いと考えられることに照らすと、自宅での持ち帰り作業による負荷を職場での時間外勤務と同 る監督下での時間外勤務と比較して合間に休憩や私用の時間を挟む余地があ るし、緊張、集中の度合いも低いと考えられることに照らすと、自宅での持ち帰り作業による負荷を職場での時間外勤務と同等に評価することは相当でないと考えられる。よって、原告の上記主張を採用することはできない。 ⑵ 原告は、亡Aが工業振興係長に在籍していた当時、ADOX福岡の赤字解消が急務であったことや、産業振興アクションブランの策定のための業務に より亡Aに過度の精神的負荷が生じていた旨主張する。 しかし、証拠(乙7、証人D)によれば、商工観光課はADOX福岡を収益事業として扱っておらず、課内でADOX福岡の赤字解消が急務の案件であるとは認識されていなかったこと、当時産業振興アクションプランはコンサルタント会社や外部の審議会の決定を経て策定される過程にあり、策定よ りも将来その実現のために見込まれる業務の方が負担が大きいと予測されていたことが認められるから、ADOX福岡関連の業務についての知識経験の不足を自覚していた亡Aが審議会の下部組織であるワーキング部会での発表、質疑と応答や市長への説明等を負担に感じていたとうかがわれること(甲1の21~22頁)を踏まえても、これらの業務のみにより亡Aに過度の精神 的負荷が生じていたとは考え難い。よって、原告の上記主張を採用することはできない。 ⑶ 原告は、地方公務員災害補償基金福岡県支部長が亡Aの精神障害の発症及び自殺について当初は公務災害と認定していたにもかかわらず、その後の同基金理事長との協議の段階で当初の事実認定を強引に捻じ曲げて公務起因 性を否定する公務外認定処分がされた旨主張する。 しかし、認定基準において、公務災害の認定は、医学専門家からの医学的知見を徴した同基金理事 で当初の事実認定を強引に捻じ曲げて公務起因 性を否定する公務外認定処分がされた旨主張する。 しかし、認定基準において、公務災害の認定は、医学専門家からの医学的知見を徴した同基金理事長との協議を経て最終的に判断されるものと規定されており(乙5)、同基金の支部長限りで公務災害を認定することは制度上あり得ないし、そもそも、同基金福岡県支部長が作成した「公務災害の認定に ついて(協議)」と題する文書(甲10の9~37頁)には、「当支部では本 件精神疾患に係る発症機序等について医学的見地に基づく検証を行っていないため、公務上外の最終的な判断については、基金本部に委ねることとする。」と記載されており、同基金福岡県支部長の確たる判断は示されていないのであるから、原告の主張はその前提を欠くというほかない。よって、原告の上記主張を採用することはできない。 6 被告の主張について⑴ 被告は、B課長が亡Aに対し過度に厳しい叱責をしたり、突き放すような態度をとっていたとは認められない旨主張し、D係員はこれに沿う陳述(乙7)・証言(証人D)をする。 しかし、上記D係員の陳述・証言は、亡Aが自殺した平成27年10月か ら9年以上経過した後にされたものであるし、その内容も、B課長にはぶっきらぼうなところがあるが怖いという印象は全くなかったなど、飽くまでも自己の認識し得た範囲での事象を一般的に述べているにすぎない。かえって、B課長及び亡Aが商工観光課に在籍していた当時の同課の複数の職員が、平成28年9月から10月頃にかけて直方市を通じて行われた地方公務員災害 補償基金福岡県支部長の調査に対し、B課長が亡Aに「お前はそんなことも分からないのか」と叱責したり、「もう2か月経ったからできるだろう」などの発言 かけて直方市を通じて行われた地方公務員災害 補償基金福岡県支部長の調査に対し、B課長が亡Aに「お前はそんなことも分からないのか」と叱責したり、「もう2か月経ったからできるだろう」などの発言をしていた旨明確に回答していること(甲1の28~31頁)からすれば、D係員の亡AとB課長の関係に係る陳述・証言の証明力が高度であるとまでは評価し得ない。よって、被告の上記主張を採用することはできない。 ⑵ 被告は、C係員の亡Aに対する「それは係長の仕事でしょう」、「係長はどう考えているんですか」、「今ですか」などの発言はいずれも一度きりの発言であり、業務上の協働を通じて両者の関係性が構築された平成27年8月頃以降には上記のような発言はなくなっていた旨主張し、D係員はこれに沿う陳述(乙7)・証言(証人D)をする。 しかし、工業振興係でC係員と亡Aとの会話をD係員と同様間近で把握し ていたE係員を含む商工観光課の複数の職員が、前記⑴の調査に対し、C係員が亡Aに対し「それは係長が考えてください」、「それは係長の仕事でしょう」などの発言をしていた旨明確に回答していること(甲1の29~31頁)からすれば、前記⑴で述べたところと同様に、亡AとC係員との関係に係るD係員の陳述・証言の証明力が高度であるとは評価し得ない。(なお、仮に平 成27年6月8日の亡Aの工業振興係長就任からしばらく経過した時期からC係員が亡Aに対し上記のような発言をしていなかったとしても、それは亡A及びC係員の関係性が悪化したことにより互いに接触を避けるようになり、会話の機会自体が減少していったためであると考えられる。)よって、被告の上記主張を採用することはできない。 ⑶ 被告は、C係員の亡Aに対する「それは係長の仕事でしょう」、「係長は うになり、会話の機会自体が減少していったためであると考えられる。)よって、被告の上記主張を採用することはできない。 ⑶ 被告は、C係員の亡Aに対する「それは係長の仕事でしょう」、「係長はどう考えているんですか」、「今ですか」などの発言について、嫌がらせやいじめを意図したものとは評価できない旨主張する。 確かに、仮にこれらの発言が既に良好ないし通常の関係性が構築されている上司と部下との間の単発的な発言であった場合には、部下が上司に対して 積極的な業務への関与や自発的な意見の提示、業務の優先度の確認を求める趣旨での業務上必要な発言と評価される余地があるものであるし、C係員が明確に嫌がらせやいじめを意図してこれらの発言をしたことを認めるに足りる証拠はない。 しかし、仮に上記各発言をする際にC係員に明確な嫌がらせやいじめの意 図がなかったとしても、同種業務の経験がないまま工業振興係長に就任し、広範かつ多岐にわたり非定型性、他律性を包含する工業振興係の分掌事務の全てについて主担当又は副担当となり、それらの内容を自ら習得しつつ部下を指導監督しなければならない立場にあった亡Aにとっては、同係での業務を円滑に遂行する上で必要な支援や協力、助言等をテニス部の後輩として旧 知の間柄であったC係員に求めたにもかかわらず突き放され、反抗的・非協 力的な態度を他の職員の前で公然と示されたものと受け止めざるを得ないものであり、それにより亡Aがそれまで積み上げてきた職業人としての自信や自尊心の低下を招いたことは想像に難くない。加えて、C係員の上記各発言により亡AとC係員の関係性が良好になったり、亡Aが工業振興係の業務に積極的に関与したり自発的に意見を述べたりするなどして同係の業務が従前 よりも円滑に進むように い。加えて、C係員の上記各発言により亡AとC係員の関係性が良好になったり、亡Aが工業振興係の業務に積極的に関与したり自発的に意見を述べたりするなどして同係の業務が従前 よりも円滑に進むようになった事実は存在しないことに照らせば、C係員の上記各発言は不適切・不相当なものであったというほかない。よって、被告の上記主張を採用することはできない。 ⑷ 被告は、仮に亡AがC係員の非協力的な言動により一定の精神的負荷を受けていたとしても、C係員以外の部下であるD係員及びE係員からは必要な 支援や協力を得られたことにより、当該負荷は相応に緩和されていた旨主張する。 しかし、工業振興係の分掌事務のうちC係員が主担当、亡Aが副担当とされていた事務については、D係員及びE係員は担当から外れており、少なくともC係員が主担当であった事務について亡AがD係員及びE係員から必要 な支援や協力を得ることは困難であったと考えられる。また、前記3⑴オのとおり、平成27年7月下旬頃にC係員、D係員及びE係員の工業振興係の係員3名全員が亡Aと距離を置く方針を確認していたことに照らせば、D係員及びE係員が亡Aに非協力的なC係員の意に反して亡Aへの積極的な支援や協力を行っていたとは考え難いというほかない。よって、被告の上記主張 を採用することはできない。 ⑸ 被告は、工業振興係の係員3名が平成27年7月下旬頃、亡Aに任せるべき業務はできる限り任せ、手伝いすぎないよう少し距離を置く旨の方針を全員で確認した行為について、亡Aに工業振興係長としての業務を早く覚えさせ、職務分担に沿った適切な業務の遂行を期待する正当な言動にすぎず、嫌 がらせやいじめを意図したものとは評価できない旨主張する。 しかし、上記方針の確認行為の目的が 覚えさせ、職務分担に沿った適切な業務の遂行を期待する正当な言動にすぎず、嫌 がらせやいじめを意図したものとは評価できない旨主張する。 しかし、上記方針の確認行為の目的が亡Aへの嫌がらせやいじめを意図したものでなかったことを前提としても、係長を含め4名の小規模な人員構成の工業振興係において、部下の係員3名全員から距離を置かれる状態になったことは、工業振興係を率いる立場にありながら同係の業務に関する知識経験の不足を自覚していた亡Aにとって衝撃的な出来事であり、上司であるB 課長からの支援が不足していたことも相まって商業観光課内での疎外感・孤立感を深めていく要因となったことが推認される一方、上記方針の確認行為により工業振興係長としての亡Aの業務が円滑に遂行されるようになった事実は何ら認められないのであるから、当該行為が工業振興係の運営に有益でなかったことは明らかであるし、むしろ不適切・不相当な言動であったと評 価すべきであると考えられる。よって、被告の上記主張を採用することはできない。 ⑹ 被告は、亡Aの介護保険係長から工業振興係長への異動による職務内容の変化は、行政職の公務員として通常想定される範囲内の変化にとどまっており、工業振興係長就任時には上司や部下から十分な引継ぎを受けていたし、 その後も特段多忙ではなかったから、亡Aの上記異動による精神的負荷はそれほど強度ではなかった旨主張する。 確かに、行政職の公務員には、職員本人の希望や経験の有無に捉われることなく幅広い人事異動を行うことが想定されており、亡A在職当時の直方市においても分野を異にする係長以上の役付職員間の人事異動が行われ、その 一環として亡Aが前任の工業振興係長との入れ替わりで介護保険係長から工業振興係長に異動したこ ており、亡A在職当時の直方市においても分野を異にする係長以上の役付職員間の人事異動が行われ、その 一環として亡Aが前任の工業振興係長との入れ替わりで介護保険係長から工業振興係長に異動したことが特異な人事異動であったとはいえない(甲8の7~10頁参照)し、亡Aには前任者が作成しB課長が確認した担当業務に関する引継書が用意されていたほか、当時の工業振興係では各分掌事務の概要等を記載した文書のデータファイルが自由に閲覧できる状態で共有されて いたこと(前記3⑴ア)が認められる。 しかし、工業振興係長の業務は、事業の進捗状況に応じて外部機関との交渉、調整等を要するなど非定型的かつ他律的な性質を有するものであった一方、上記引継書(甲8の16~81頁)の内容は予算額の羅列が多く、上記データファイル(甲8の105~115頁)の内容も、工業振興係の各分掌事務の沿革や経緯、課題等を概括的に説明する程度にとどまっていたことか らすると、係長級の職員であっても異動後直ちに工業振興係の分掌事務の全体を詳細に把握することは困難であり、そのような状況で自らの担当事務を習得しつつ係長として部下の指導監督もしなければならない立場にあった亡Aに対しては、商工観光課内の先任の上司、部下等の職員から対面による細やかな指導・目配り等の支援や協力が継続的にされる必要があったと考えら れる。ところが、亡AがB課長やC係員から十分な支援や協力を得られていなかったことは前述のとおりであり、分野を全く異にする職務への異動に伴う精神的負荷を和らげる前提を欠いていたのであるから、亡Aの工業振興係長への異動及びその後の職務により生じた精神的負荷を軽視することは相当でないというべきである。よって、被告の上記主張を採用することはできな い。 前提を欠いていたのであるから、亡Aの工業振興係長への異動及びその後の職務により生じた精神的負荷を軽視することは相当でないというべきである。よって、被告の上記主張を採用することはできな い。 第4 結論よって、原告の請求は理由があるからこれを認容することとして、主文のとおり判決する。 福岡地方裁判所第5民事部 裁判長裁判官中辻󠄀 雄一朗 裁判官森山由孝 裁判官友部一慶は差し支えのため署名押印することができない。 裁判長裁判官中辻󠄀 雄一朗 (別紙)平成24年3月16日地基補第62号「「精神疾患等の公務災害の認定について」の実施について」要旨(抜粋) 1 認定基準の要件②(業務負荷)の判断に際しては、対象疾病発症前おお むね6か月の間における当該疾病の発症に関与したと考えられる出来事(ただし、対人関係のトラブルのように繰り返される出来事については一体のものとして評価できるため、発症の6か月以上前から開始されている場合であっても、発症前6か月以内の期間にも継続していれば、対象の出来事とすることがあり得る。)を把握した上で、当該疾病を発症した職員 と職種、職、業務経験等が同等程度の職員が同じ事態に遭遇した場合に一般的に当該出来事及び出来事後の状況をどう受け止めるかという観点から、当該出来事に対応した適当な着眼事項に基づき分析する。 2 その結果、⑴発症直前の1か月以上の長期間にわたって、繁忙部署への異動その他の質的に過重な業務を行ったこと等により1月当たりおおむね 100時間以上の時間外勤務を 事項に基づき分析する。 2 その結果、⑴発症直前の1か月以上の長期間にわたって、繁忙部署への異動その他の質的に過重な業務を行ったこと等により1月当たりおおむね 100時間以上の時間外勤務を行ったと認められる場合(なお、自宅等での作業は任命権者の支配管理下になく、しかも、任意の時間、方法及びペースで行うことが可能であるため、原則として勤務公署における時間外勤務等と同等に評価されるものではない。)や、⑵人事異動等による急激かつ著しい職務内容の変化を伴う業務に従事したと認められる場合、⑶職場 でひどい嫌がらせ、いじめ又は暴行を執拗に受けたと認められる場合、⑷これらに準ずるような業務負荷があったと認められる場合には、認定基準の要件②を満たすものとする。 3 上記出来事の類型に対応した適当な着眼事項に基づく分析のために、「業務負荷の分析表」を積極的に活用する。また、対象疾病発症前のおおむね 6か月の間において、強度の業務負荷を与える事象には該当しないが相当 程度の負荷があると認められる出来事が複数存在する場合には、それらの出来事の関連性、時間的な近接の程度、数及び各出来事の内容(負荷の強弱)等を総合的に評価することにより、全体として強度の業務負荷を与える事象となる可能性があることに留意する。 4 「業務負荷の分析表」の出来事例・着眼する要素 ⑴ 「役割・地位等の変化」中「異動」に関するものア出来事例①繁忙部署に異動した、②専門知識を必要とする業務に未経験者として従事した等イ着眼する要素 ①職務内容の変化の度(異動前の業務と比較して、職務内容の困難性、業務量が増大したか)、②職務の困難性と適応能力、経験と仕事のギャップ(異動先業務の困難度と本人の能力・経験等との比較)等⑵ ①職務内容の変化の度(異動前の業務と比較して、職務内容の困難性、業務量が増大したか)、②職務の困難性と適応能力、経験と仕事のギャップ(異動先業務の困難度と本人の能力・経験等との比較)等⑵ 「対人関係等の職場環境」中「パワーハラスメント」に関するものア出来事例 上司等(職務上の地位が上位の者のほか、同僚又は部下であっても、業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、その者の協力が得られなければ業務の円滑な遂行を行うことが困難な場合、同僚又は部下からの集団による行為でこれに抵抗又は拒絶することが困難である場合における同僚又は部下を含む。)から身体的攻撃、精神的攻撃等の パワーハラスメントを受けたイ着眼する要素パワーハラスメントの状況(①被災職員と行為者との職務上の関係、②指導・叱責等の言動に至る経緯や状況、③身体的攻撃、精神的攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害等の有 無、内容・程度等、反復・継続など執拗性の状況、④勤務環境を害す る程度、⑤当局の対応の有無・内容、その後の改善状況)⑶ 「対人関係等の職場環境」中「職場でのトラブル」に関するものア出来事例①同僚等からひどい嫌がらせ、いじめ又は暴行を受けた、②上司・同僚又は部下との間でトラブルがあった イ着眼する要素職場での嫌がらせ等又はトラブルの状況(①被災職員と行為者との職務上の関係、②嫌がらせ等の有無、内容・程度等、反復・継続など執拗性の状況又はトラブルの原因、内容・程度等、継続状況、③当局の対応の有無・内容、その後の改善状況等) 5 上記4のいずれの類型においても、職場の支援・協力等は、業務負荷を緩和させる上で重要な役割を果たすと考えられるので、仕事の 等、継続状況、③当局の対応の有無・内容、その後の改善状況等) 5 上記4のいずれの類型においても、職場の支援・協力等は、業務負荷を緩和させる上で重要な役割を果たすと考えられるので、仕事のやり方の見直し改善、応援体制の確立、責任の分散等上司、同僚等による必要な支援、協力がなされていたか等について検討する。 以上
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