平成15年(行ウ)第2号公金不当利得返還等請求事件口頭弁論終結日平成17年6月10日判決(当事者の表示は省略。なお,以下,被告補助参加人を「参加人,被告補助参加」人民主・市民ネットを「参加人民主・市民ネット,被告補助参加人公明党函館市」議団を「参加人公明党」という)。 主文 被告は,参加人公明党に対し,17万5800円及びこれに対する平成15年3月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 被告は,新政21に対し,7万7760円及びこれに対する平成15年3月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 被告は,市民クラブに対し,7万0770円及びこれに対する平成15年3月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,補助参加により生じた費用を含めて,原告らに生じた費用の2分の1,被告に生じた費用の2分の1,参加人民主・市民ネットに生じた費用の全部,参加人公明党に生じた費用の2分の1,参加人甲に生じた費用の2分の1を原告らの負担とし,原告らに生じた費用の4分の1と被告に生じた費用の2分の1を被告の負担とし,原告らに生じた費用の8分の1と参加人公明党に生じた費用の2分の1を参加人公明党の負担とし,原告らに生じた費用の8分の1と参加人甲に生じた費用の2分の1を参加人甲の負担とする。 事実及び理由 第1請求 被告は,参加人民主・市民ネットに対し,76万2370円及びこれに対する平成15年3月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 被告は,参加人公明党に対し,22万4000円及びこれに対する平成15年3月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 被告は,市政クラブに対し,9万50 合による金員を請求せよ。 被告は,参加人公明党に対し,22万4000円及びこれに対する平成15年3月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 被告は,市政クラブに対し,9万5040円及びこれに対する平成15年3月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 被告は,新政21に対し,7万7600円及びこれに対する平成15年3月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 被告は,新緑クラブに対し,9960円及びこれに対する平成15年3月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 被告は,市民クラブに対し,7万0770円及びこれに対する平成15年3月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 第2事案の概要 本件は,函館市の住民である原告らが,函館市議会の6会派が平成13年度に支給された政務調査費について使途基準に違反する違法な支出を行っており,上記各会派は函館市に対して上記支出に係る政務調査費相当額を不当利得として返還すべきであるにもかかわらず,函館市は上記各会派に対する返還請求を違法に怠っているとして,地方自治法(以下「法」という)242条の。 2第1項4号に基づき,函館市長である被告に対し,上記各会派に対して当該支出額に相当する金員及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を請求することを求めた事案である。 争いのない事実等(証拠等の摘示のない事実は当事者間に争いがない)。 (1) 当事者等ア原告らは,いずれも函館市の住民である。 イ平成13年度当時,函館市議会には,参加人民主・市民ネット,参加人公明党,市政クラブ,新政21,新緑クラブ及び市民クラブ(以下「本件各会派」という)を含む10会派が存在した。 館市の住民である。 イ平成13年度当時,函館市議会には,参加人民主・市民ネット,参加人公明党,市政クラブ,新政21,新緑クラブ及び市民クラブ(以下「本件各会派」という)を含む10会派が存在した。なお,市民クラブは,。 A議員(以下「A議員」という)の一人会派であった。 。 ウ参加人甲は,平成13年度当時,函館市議会議員を務めていた者であり,当初は市政クラブに所属していたが,その後,平成13年7月ころまでに,新政21に移籍した(甲7,8,26,証人甲,弁論の全趣旨。 )(2) 法令の定め等,,,ア法100条13項は普通地方公共団体は条例の定めるところによりその議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対し,政務調査費を交付することができる旨を定め,これに基づき,函館市においては,函館市議会政務調査費の交付に関する条例(以下「本件条例」という)及び函館市議会政務調査費の交。 (「」。)。 付に関する条例施行規則以下本件規則というが制定されているイ本件条例には,次のような規定がある。 (ア)この条例は,法100条12項及び13項(平成14年法律第4号による改正前のもの,現在は13項及び14項)の規定に基づき,函館市議会議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,議会における会派に対し政務調査費を交付することに関し必要な事項を定めるものとする(1条。 )(イ)政務調査費は,議長を経由して市長に代表者,経理責任者等を記載した会派結成届を提出した会派(所属議員が1人の場合を含む)に対し。 て交付する(2条。 )(ウ)会派に対する政務調査費は,各月1日における当該会派の所属議員数に月額7万円を乗じて得た額を半期ごとに交付する(3条1項。 )(エ)会 員が1人の場合を含む)に対し。 て交付する(2条。 )(ウ)会派に対する政務調査費は,各月1日における当該会派の所属議員数に月額7万円を乗じて得た額を半期ごとに交付する(3条1項。 )(エ)会派は,政務調査費を本件規則で定める使途基準に従って使用するものとし,市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに充ててはならない(5条。 )(オ)政務調査費の交付を受けた会派の代表者(会派が消滅したときは,代表者であった者)は,当該政務調査費に係る収入及び支出の報告書を作成し,議長に提出しなければならない(6条1項。 )(カ)会派は,政務調査費の交付を受けた年度において,交付を受けた政務調査費の総額から当該会派がその年度において市政に関する調査研究に資するため必要な経費として支出した総額を控除して残余がある場合は,当該残余の額に相当する額の政務調査費を市長からの交付額の確定の通知のあった日から起算して14日以内に返還しなければならない(7条1項。 )市長は,政務調査費の交付を受けた会派が第5条の使途基準に反して政務調査費を支出したと認めるときは,当該支出した額に相当する額の政務調査費の返還を命ずることができる(7条2項。 )ウ本件規則6条は「条例第5条の規則で定める使途基準は,別表のとお,りとする」と定め,別表において,以下のとおり,政務調査費の使途を。 6項目に区分し,内容を記載している(以下,本件規則の別表で定める使途基準を「本件使途基準」という。 。)区分内容研究研修費会派が行う研究会および研修会の実施に要する経費ならびに他の団体が開催する研究会,研修会等への参加に要する経費調査旅費会派が行う調査研究に必要な先進地調査または現地調査に要する経費資料作成費会派が行う調査研究に必要な資料の作成に要す 費ならびに他の団体が開催する研究会,研修会等への参加に要する経費調査旅費会派が行う調査研究に必要な先進地調査または現地調査に要する経費資料作成費会派が行う調査研究に必要な資料の作成に要する経費資料購入費会派が行う調査研究に必要な図書,資料等の購入に要する経費広報広聴費会派が行う調査研究活動,議会活動および市の政策について市民に報告し,および広報するために要する経費ならびに会派が市民からの市政および会派の政策等に対する要望および意見を聴取するための会議の開催等に要する経費事務費会派が行う調査研究活動に係る事務遂行に要する経費エ函館市議会の各会派は,平成13年度当時,本件使途基準の具体的な運用について申合せをした書面を作成しており,それによれば,旅費の算出基準は函館市職員等の旅費に関する条例を準用することとされている甲,(3。そして,同条例(平成16年11月17日条例第65号による改正)前のもの)は,旅費のうち日当(旅行中の昼食代及びこれらに伴う諸雑費並びに目的地を巡回する交通費に充てる費用)は,旅行中の日数に応じ1日当たりの定額により支給し,宿泊料(宿泊料金,夕食代,朝食代及び宿泊に伴う諸雑費に充てる費用)は,旅行中の夜数に応じ1夜当たりの定額により支給する旨定めている(甲26。 )(3)被告は,本件条例に基づき,平成13年度の政務調査費として,参加人民主・市民ネットに対し,合計924万円を,参加人公明党に対し,合計420万円を,市政クラブに対し,合計406万円を,新政21に対し,合計266万円を,新緑クラブに対し,合計336万円を,市民クラブに対し,合計84万円を,それぞれ交付した。 本件各会派は,上記のとおり交付を受けた政務調査費から,別紙政務調査(「」。)「」,費支出一覧表 クラブに対し,合計336万円を,市民クラブに対し,合計84万円を,それぞれ交付した。 本件各会派は,上記のとおり交付を受けた政務調査費から,別紙政務調査(「」。)「」,費支出一覧表以下一覧表というの支出日欄記載の各日付けで各会派に所属していた同表「対象議員」欄記載の函館市議会議員に対し,当該議員が研修会参加,調査旅行,資料購入等の調査研究活動に要した経費として,同表「支出金額」欄記載の各金額を支出した。上記各支出の際に作成された支出伝票には,各支出に係る旅行の目的ないし摘要として,同表「支出目的」欄のとおりの記載がある。 (甲5ないし9,12,13,26)(,「」,以下一覧表の番号1ないし18の各支出を併せて本件各支出といいまた,個別の支出を「番号1の支出「番号2の支出」などという)」,。 (4)原告ら並びにB,C,D,E及びF(以下「監査請求人ら」という)は,平成14年11月21日付け。 で,函館市監査委員に対し,本件条例に基づき函館市議会の各会派に交付された平成13年度の政務調査費のうち合計664万2380円について,本件使途基準を逸脱して違法・不当に支出されているとして,上記相当額664万2380円について函館市に返還させるなどの必要な措置を講ずるよう被告に勧告することを求める旨の住民監査請求を行った(以下「本件監査請求というまた監査請求人らは同年12月12日付けの書面をもっ」。)。 ,,て,違法・不当な支出であるとする政務調査費相当額を合計1235万5550円(この中には,本件各支出も含まれていた)に変更する旨の補正を。 した。 上記監査委員は,平成15年1月20日,平成13年度に交付され,各会派において使用された政務調査費のうち,9件の支出,使用 0円(この中には,本件各支出も含まれていた)に変更する旨の補正を。 した。 上記監査委員は,平成15年1月20日,平成13年度に交付され,各会派において使用された政務調査費のうち,9件の支出,使用額合計6万7920円については,本件条例及び本件規則に違反するものであるとして,被告に対し,該当する会派に対して収支報告書の金額の訂正を求めること,政務調査費の額が減額となるものについてその返還を求めることなどの必要な措置を講ずるよう勧告し,その旨を監査請求人らに通知した。 (甲26,27の1・2)(5)原告らは,平成15年2月18日,本件訴訟を提起した。 争点及びこれに関する当事者の主張(1)適法な監査請求前置の有無(本案前の争点)(被告の主張)原告らを含む監査請求人らは,平成14年11月21日に本件監査請求を行ったが,原告らにおいて監査の対象とする財務会計行為は,本件監査請求の日の1年前である平成13年11月21日よりも前になされたものと考えられる。そうすると,本件監査請求は,法242条2項所定の監査請求期間を徒過したものであるから不適法であり,したがって,本件訴えは適法な監査請求の前置を欠くから不適法である。 (原告らの主張)本件条例によれば,政務調査費は議会における会派に対し半期ごとに交付され(3条,交付を受けた会派の代表者は,当該政務調査費に係る収入及)び支出の報告書を作成して議長に提出し(6条1項,提出を受けた議長は)その写しを市長に送付するものとされ(同条4項,収支報告書の写しの送)付を受けた市長は,政務調査費の交付を受けた会派が本件条例5条の使途基準に反して政務調査費を支出したと認めるときは,当該支出した額に相当する額の政務調査費の返還を命ずることができる(7条2項。 )したがって,市長の各会派に対する返還請求 た会派が本件条例5条の使途基準に反して政務調査費を支出したと認めるときは,当該支出した額に相当する額の政務調査費の返還を命ずることができる(7条2項。 )したがって,市長の各会派に対する返還請求権は,平成13年度の政務調査費に関しては,議長から収支報告書の写しを受けた平成14年4月30日以降に発生するものと解され,法242条2項所定の1年の監査請求期間も同日から起算されることとなる。そして,原告らは,上記起算日から1年以内である平成14年11月21日に本件監査請求を行っているから,上記監査請求期間を徒過していない。 (2)本件各支出が本件使途基準に反し違法であるか(原告らの主張)ア会派が調査研究を行っていない点について(ア)会派とは,議会内に形成された議員の同士的集合体であり,議員は地方公共団体の議会の構成員であって,両者はあくまでも別個の概念である。 そして,法100条13項は,政務調査費の交付の対象を会派又は議員のいずれか一方(あるいは両方)であるとし,会派と議員のいずれに交付するかは条例で定めるべきとしており,これを受けて本件条例1条は「議会における会派に対し」政務調査費を交付する旨を規定し,本,件条例の他の条項も全て会派が交付の対象であることを前提として規定されている。また,本件条例5条は「会派は,政務調査費を規則で定,める使途基準に従って使用するものとし」等と定め,本件規則6条の別表は「調査旅費とは,会派が行う調査研究に必要な先進地調査または,現地調査に要する経費」と定義するなど,政務調査費を使用して調査する主体は議員個人ではなく会派である旨を定めている。 このように,本件条例においては,政務調査費の交付の対象はあくまで会派であって議員ではない以上,会派と議員を混同させ,交付先を会派としつつ,実際には議員個人 員個人ではなく会派である旨を定めている。 このように,本件条例においては,政務調査費の交付の対象はあくまで会派であって議員ではない以上,会派と議員を混同させ,交付先を会派としつつ,実際には議員個人に好きなように使わせることを肯定するような裁量は認められない。 (イ)調査研究を会派が行ったといえるためには,以下の各要件を具備することが必要である。 a当該調査と市政との関連性及び必要性について,会派として意思統一が図られ,会派から調査研究を担当する議員に対し,指示が出されることb会派からの要請に応える内容を記載した報告書の提出c会派内に分野別に報告書をまとめたファイルを備え置き,調査によって得られた情報を内部蓄積し,関係議員がそれを閲覧して活用でき,aの事前審査にも役立てられるような仕組みが作られていることd会派としてのその後の活動に役立てられたこと(ウ)しかし,函館市議会の各会派においては,当該調査と市政との関連性及び必要性の判断を最初から完全に議員個人に委ねており,会派としての事前審査を一切行っていないため,各議員がそれぞれ市政と関連があり有益であると思った調査・研究を繰り返し,歳費によってまかなうべき研究との区別はおろか私的な観光旅行等との区別も消滅してしまったのである。その結果,会派に提出される報告書は,同僚議員が読んでも全く参考にならないものであり,情報の共有化も図られない。 したがって,本件各支出に係る調査研究はいずれも上記(イ)の各要件を欠き,会派が行ったものとはいえないから,本件各支出はいずれも本件使途基準に反して違法であるというべきである。 イカラ出張の疑いがある支出についてG議員(以下「G議員」という)の金沢市への出張。 及びH議員(以下「H議員」という)の東京都への出。 張は,いずれもカ であるというべきである。 イカラ出張の疑いがある支出についてG議員(以下「G議員」という)の金沢市への出張。 及びH議員(以下「H議員」という)の東京都への出。 張は,いずれもカラ出張である疑いが強いから,上記各出張に際して支出された政務調査費(番号4及び5の各支出)は本件使途基準に違反して違法であるというべきである。 (ア)番号5の支出G議員の平成13年10月14日から同月16日までの金沢,。 。 市への出張はカラ出張の疑いが強いその理由は以下のとおりであるaG議員は,金沢市議会事務局担当者から金沢市内において「」(「」。)運行されている金沢ふらっとバス以下ふらっとバスというの運行方法等について説明を受けた旨述べているが,金沢市議会事務局担当者は,そのようなことを説明できる立場にはない。ふらっとバスについて詳しく知りたければ,金沢市議会事務局を通じて金沢市都市政策部交通政策課を訪ねなければならず,そのことを熟知している金沢市議会事務局が上記交通政策課の担当者を呼ばないで自ら説明するということはあり得ない。 bG議員は,金沢市議会事務局担当者の名刺を持っていないし,その名前もメモしておらず,覚えていない。なお,金沢市議会事務局は,原告ら代理人からの問い合わせに対し,G議員の訪問の有無は確認できなかった旨を回答している。 cG議員は,金沢市議会事務局に対し,行政視察依頼書等の文書を提出して事前の連絡を取っていない。市議会議員が公務で調査のため出張するに際し,調査先に対し,いつどのような目的で調査に行くのかを事前に文書で依頼しないことなどあり得ない。 dG議員は,金沢市議会事務局担当者からふらっとバスの収支状況等に関する資料は公表しておらず存在しない旨の回答を得たと証言してい 的で調査に行くのかを事前に文書で依頼しないことなどあり得ない。 dG議員は,金沢市議会事務局担当者からふらっとバスの収支状況等に関する資料は公表しておらず存在しない旨の回答を得たと証言しているが,原告らの調査によれば,議員の身分のない者であっても金沢市議会事務局担当者に会ってふらっとバスの収支内容,運行状況等が記載された資料を入手することができたのであり,G議員が「資料がない」旨の説明を受けたとは考えがたい。 eG議員は,ふらっとバスが導入された経緯,運行状況,運行収支,費用負担状況,利用者からの反応等について聴き取った内容を具体的に報告していない。 fG議員がふらっとバスに関心を持っていたのであれば,同じ会派のH議員が平成13年4月14日から同月17日までの間に小浜市,輪島市及び金沢市に出張した際に,同議員に調査を依頼することが十分可能であった。同じ年に同一会派の議員が二度金沢市に調査に行くこと自体不自然である。 gG議員は,出張先で宿泊したホテル名について記憶にない旨証言するが,本件監査請求が行われるわずか1年前のことで2泊もしたホテルの名前を忘れることなどあり得ない。原告らが金沢駅付近に所在するホテル8軒に対して照会した結果によっても,G議員の宿泊の事実は確認されていない。 (イ)番号4の支出H議員の平成13年5月30日から同月31日までの東京への出張もカラ出張の疑いが強い。その理由は以下のとおりである。 aH議員は,上記出張のきっかけとなった総理府の担当者が誰か,また,その人から紹介を受けた東京都の担当者が誰か,につい,,て覚えていないしそれらの担当者の名刺もない旨を証言しているが本件監査請求が行われるわずか1年半前に,わざわざ総理府まで行って面会した担当者及びその担当者から紹介を受けて事 者が誰か,につい,,て覚えていないしそれらの担当者の名刺もない旨を証言しているが本件監査請求が行われるわずか1年半前に,わざわざ総理府まで行って面会した担当者及びその担当者から紹介を受けて事前連絡を取って訪れた東京都の担当者の名前を忘れて思い出せないというのは,不自然極まりない。 b上記出張の目的は,函館市の防災計画と東京都の防災計画の比較検討にあるとされるが,H議員は,函館市と東京都の防災計画の相違点は,防災センターの有無と規模の2点であり,他は覚えていないなどと述べるにとどまり,東京都の担当者から受けた説明の内容について具体的に述べておらず,結局,東京都の何がどのように参考になったかについて不明確で抽象的な報告しかされていない。 cH議員は,出張先で受領した資料を紛失した旨を証言するが,実際に出張して調査したのであれば,受領した資料は必ず保管しているはずである。 dH議員は,函館市議会において東京都への上記出張を前提とした質問を全くしていない。 ,,eH議員は出張先で宿泊したホテル名を記憶していないがこれは極めて不自然である。 ウ本件各支出に係る調査研究に公益性がない点について政務調査費を使用した調査出張に公益性があるといえるためには,①普通地方公共団体の施策等についての見聞を広めることを目的として日程,訪問地が選定されていること,②上記目的に沿って訪問調査が実施されていること,③訪問先で中身のある説明や質疑応答がされていること,④訪問調査が行程の主要な部分を占めていること,⑤旅行の費用が目的・効果との関係で著しく高額ではないこと,という各要件を満たしていなければならない。特に,上記①ないし③の各要件が重要であり,言い換えれば,調査の目的及び内容が市政との関連性を有していることが必要である。 しかし で著しく高額ではないこと,という各要件を満たしていなければならない。特に,上記①ないし③の各要件が重要であり,言い換えれば,調査の目的及び内容が市政との関連性を有していることが必要である。 しかし,本件各支出に係る調査研究は,以下に述べるとおり,いずれも上記①ないし③の各要件を満たしておらず,公益性を有していないから,本件各支出は本件使途基準に違反して違法であるというべきである。 (ア)番号1,2の支出I議員(以下「I議員」という)は,平成14年。 2月7日から同月9日まで東京都において開催された研修会に参加した後,一旦函館に帰還し,同日から同月11日までの間,再び東京に出張してシンポジウムに参加したとして,その旅費を政務調査費から受領している。 しかし,前後の日に東京において予定が入っている場合に,間の1日が非用務日であるからといって,一旦函館に帰還し,その日のうちに東京に戻る理由も必要性も存在しないし,I議員が平成14年2月9日に東京・函館間を往復したことを裏付ける証拠は存在しない。したがって,I議員は,実際には平成14年2月9日に東京・函館間を往復していないものというべきである。 仮に,東京・函館間を往復した事実があるとしても,公務ではないわずか2時間の町会三役会議に出席するために多額の公金を支出して東京・函館間を往復するのは論外である。 よって,東京・函館間を飛行機で往復するために政務調査費から支出した費用4万5900円は返還すべきである。 (イ)番号3の支出H議員は,平成13年4月14日から同月17日までの間,福井県小浜市,石川県金沢市及び同県輪島市に出張している。 しかし,H議員は,小浜市に出張した目的について,函館の魚市場について上屋の建設等に関する協議がされていたことから,小浜市の魚市場を調査した 県小浜市,石川県金沢市及び同県輪島市に出張している。 しかし,H議員は,小浜市に出張した目的について,函館の魚市場について上屋の建設等に関する協議がされていたことから,小浜市の魚市場を調査した旨述べるが,これはH議員が会派に提出した報告書に記載されている調査事項とは異なっており,しかも,当時函館市においては新しい市場の建設計画が進んでいたというのであり,。 ,,上屋を増設する必要性はなかったはずであるまたH議員は小浜市の魚市場の関係者から上屋建設の費用や効果等について説明を受けたり,魚市場の上屋を写真撮影することもなく,単に魚市場の外観を見たにすぎない。さらに,同議員が小浜市に出張した際に利用した飛行機及びJRの時刻宿泊したホテルから推測して同議員が小浜市に行っ,,たこと自体,極めて疑わしく,同議員は小松空港から小浜市には行かず加賀市内のホテルに直行した疑いが強い。 また,H議員は,函館市の朝市に関する問題の解決策を探すために輪島市の朝市に調査に赴いたと言うが,同朝市の関係者から説明を受けたり,同朝市と輪島市の行政当局との関わりを調査することもなく,同朝市を見て回り,買った品物とそれに伴い送られた品物とが同一であることを確認したにすぎない。 金沢市においても,行政担当者からの聴取等を行わずに,再開発事業の調査と称して再開発ビルに入居している喫茶店の店主と雑談したり,武家屋敷の整備の調査と称してトイレや案内板を見て歩いたにすぎない。 以上によれば,H議員による小浜市,輪島市及び金沢市への出張は,観光旅行を調査出張に見せかけたものであり,公益性は全くないというべきである。 (ウ)番号4の支出仮に,H議員が,平成13年5月30日から同月31日にかけて東京都へ出張したことが認められるとしても,上記イ(イ)の 見せかけたものであり,公益性は全くないというべきである。 (ウ)番号4の支出仮に,H議員が,平成13年5月30日から同月31日にかけて東京都へ出張したことが認められるとしても,上記イ(イ)のとおり同議員は面会した東京都の担当者の氏名すら覚えておらず,東京都の防災計画が函館市の防災計画にどのように役立つかについて具体的に報告していないことなどに照らせば,上記出張について函館市政との関連性は認められず,公益性はないものというべきである。 (エ)番号5の支出仮に,G議員が,平成13年10月14日から同月16日にかけて金沢市へ出張したことが認められるとしても,同議員は,ふらっとバスの運行を企画した金沢市都市政策部交通政策課及び運行主体である北陸鉄道の各担当者とも面談せずに,単に同バスに乗車したにすぎないものであり,これで調査の目的を達することができたとは到底考えられない。したがって,上記出張について函館市政との関連性は認められず,公益性はないものというべきである。 (オ)番号6の支出J議員(以下「J議員」という)及びG。 議員は,平成13年11月12日から同月16日までの間,鹿児島市,山口市及び富士宮市に出張している。 しかし,鹿児島市においては,函館市の課題である廃棄物処理問題等の環境行政の検討のために,鹿児島市の市街地整備や廃棄物処分場を視察したと言うが,提出された資料を見ても同処分場の所在地,規模,機能,運営方法等は明らかではなく,これでは調査の目的を果たしたとはいえない。富士宮市における日本語学校の視察も市政との関連性が希薄である。 また,山口大学を訪問した目的は,K学長への表敬訪問であり,鹿児島まで来たついでに顔を出しておこうという程度にすぎないのであるから,明らかに政務調査費の目的外の出張である。しかも 希薄である。 また,山口大学を訪問した目的は,K学長への表敬訪問であり,鹿児島まで来たついでに顔を出しておこうという程度にすぎないのであるから,明らかに政務調査費の目的外の出張である。しかも事前連絡もせずに訪問して結局面会できなかったのであるから,調査として無駄というほかない。 以上によれば,上記出張について函館市政との関連性は認められず,公益性はないものというべきである。仮に,鹿児島市及び富士宮市への出張に公益性が認められるとしても,少なくとも山口大学を訪問したことに伴い増加した調査旅費(1泊分の宿泊費)は目的外支出である。 (カ)番号7の支出L議員(以下「L議員」という)は,平成13年。 ,,「」5月21日から同月24日までの間東京都に出張し目黒寄生虫館(以下「寄生虫館」という「谷内田デザイン研究所(以下「デザ。),」イン研究所」という)及び「晴海アイランドトリトンスクエア(以。 」下「トリトンスクエア」という)を視察している。 。 しかし,L議員は,珍しいなどという理由で視察の対象に寄生虫館を選定し,同博物館の職員等から説明を受けることもなく,その後,博物館の調査をしたことも函館市における博物館の建設について何らかの提言等をしたこともないことなどからすれば,寄生虫館の視察は個人的趣味のための視察であり,公益性は全くない。 また,デザイン研究所及びトリトンスクエアの視察についても,当時函館市においてトリトンスクエアのような大規模な開発計画はなかったこと,L議員は,大規模な開発計画について調査研究の成果品を作成したことはないこと,その後,同種の開発の現場を調査したことはないこと,トリトンスクエアを引き合いに出して議会において質問したことはないこと,カメラを持って行かなかったことなどからすれば, 品を作成したことはないこと,その後,同種の開発の現場を調査したことはないこと,トリトンスクエアを引き合いに出して議会において質問したことはないこと,カメラを持って行かなかったことなどからすれば,函館市政との関連性は全く認められない。 なお,上記出張には2日あれば十分であるから,仮に公益性が認められるとしても,同月23日及び24日の宿泊費分は本件使途基準に違反する支出といわざるを得ない。 (キ)番号8の支出,,L議員は平成13年10月20日から同月21日までの間札幌市に出張し,札幌ドーム及び「M展」を視察している。 しかし上記視察の際に札幌ドームではイベントは開催されていなかっ,た上,そもそもL議員はイベントの開催の有無について事前調査をしていないこと,札幌ドームの運営及び管理について関係者から調査していないこと,札幌ドームの調査を市政に役立てたことはないし,その後,同種施設を調査したこともないことなどからすれば,市政との関連性は全くない。 また「M展」の視察は,完全に趣味の領域であり,やはり,市政との関連性は全くない。 (ク)番号9,10の支出L議員は,平成14年1月20日から同月21日までの間,札幌市に出張して「住宅のN全プロジェクト模型』札幌巡『回展(以下「N展」という)を視察しているが,この視察」。 も,結局,目下の函館市の課題とは何の関係もない調査であったのであり,市政との具体的関連性はなく,個人的な興味を満足させるものでしかない。 (ケ)番号11の支出L議員は,平成14年3月3日,O氏の作曲にかかる楽曲等が録音されたCDを購入しているが,このようなCDを購入することは,個人的な趣味の範疇に属するものであり,市政との関連性は認められない。 (コ)番号12の支出P議員(以下「 の作曲にかかる楽曲等が録音されたCDを購入しているが,このようなCDを購入することは,個人的な趣味の範疇に属するものであり,市政との関連性は認められない。 (コ)番号12の支出P議員(以下「P議員」という)は,平成13年。 4月13日,全日本司厨士協会函館支部主催の「食の祭典」に参加しているが,これは1万円もの会費を支払って料理を食べる催しであって,政務調査費の使途として不適正であり,私費で参加すべきものである。 (サ)番号13の支出参加人甲は,平成13年4月30日から同年5月2日までの間,東京都に出張し,品川区に所在する戸越銀座商店街及び「船の科学」「」(「」。)館に展示されている旧青函連絡船羊蹄丸以下羊蹄丸というを視察している。 しかし,参加人甲は,戸越銀座商店街に対して東京都から補助金が出されているかといった同商店街と行政との関係について何ら調査をしていないこと,羊蹄丸の視察についても,上記科学館の経営に携わる者等と面談して同科学館の経営状況,羊蹄丸を展示した理由等について説明を受けたことはなく,見学者の一人として案内人から多少話を聞いたにすぎないことなどからすれば,上記各視察も市政との関連性はないものというべきである。 なお,上記各視察には1日あれば十分であり,宿泊費1泊分の支出は無駄である。 (シ)番号14の支出,,参加人甲は平成13年9月22日から同月24日までの間釧路市の漁港調査及び旭川市の観光調査のため出張している。 しかし,参加人甲は,釧路漁港の調査の目的について,サンマ船が漁獲したサンマの鮮度を保持して運搬する技術を調べるためであると主張するが,その種のことはサンマ船の船主が工夫すれば済むことであり,市政とは何の関連性もない。しかも,調査当日は休漁であったとい 船が漁獲したサンマの鮮度を保持して運搬する技術を調べるためであると主張するが,その種のことはサンマ船の船主が工夫すれば済むことであり,市政とは何の関連性もない。しかも,調査当日は休漁であったというが,そのようなことは事前に調査すれば分かるのに,漁港の関係者等に事前連絡をしないまま釧路漁港を視察しているのであり,このような調査で効果的な調査などできるはずがない。また,旭川市の観光調査も,3経路の観光用の循環バスに乗車したにすぎず,まさに観光そのものである。函館発着の航空便の搭乗率については,実際に搭乗しなくても調査が可能であるし,搭乗したからといって搭乗率が分かるわけではない。 これらの事情からすれば,参加人甲は釧路市及び旭川市への観光旅行について,後から視察の名目で政務調査費として費用を請求したものと考えられ,市政との関連性は全く認められない。 (ス)番号15,16の支出Q議員(以下「Q議員」という)は,平成13年。 8月22日から同月24日までの間,福島県いわき市及び須賀川市に出張し,いわき市に所在する展望台「マリンタワー」及び須賀川市で開催された「うつくしま未来博」を視察している。しかし,Q議員とともに視察したとされる他の3名の議員は,政務調査費を使用せず自費で視察しており,一貫性がなく不可解であり,他の3名とはQ議員の家族であったのではないかとの疑惑も残る。したがって,番号15及び16の各支出も違法であるというべきである。 (セ)番号17,18の支出A議員は,平成13年5月11日に英会話教材「英語スピードラーニング」を,同月6日に上記教材を利用するための機器であるCDプレーヤーを,それぞれ購入しているが,自らの資質向上のために研修,研さんに努めることは,自己の負担で行うべきであり,公費である政務調査費を グ」を,同月6日に上記教材を利用するための機器であるCDプレーヤーを,それぞれ購入しているが,自らの資質向上のために研修,研さんに努めることは,自己の負担で行うべきであり,公費である政務調査費を使用することは許されない。また,CDプレーヤーは,汎用性があり,英会話の習得にしか利用できないものではない。 よって,これらの支出も公益性を欠くものというべきである。 エ以上のとおり,本件各支出はいずれも本件使途基準に反して違法であるから,本件各会派は,一覧表の請求金額欄記載のとおり,それぞれ各支出相当額(ただし,番号1及び2の各支出については,その支出金額の合計のうち東京・函館間を往復した交通費相当額である4万5900円,番号15及び16の各支出については,それぞれQ議員を除く3名分の入場料相当額である960円及び9000円)を不当利得として被告に返還すべき義務がある。 (被告の主張)ア政務調査費は,平成12年法律第89号による法の一部改正によって制度化されたものであるが,これは,いわゆる地方分権一括法の制定に伴い法の改正等がなされ,地方公共団体の自己決定権及び自己責任が拡大する中,その議会が担う役割がますます重要となっていることから,地方議会議員の調査活動基盤の充実を図るため,議会における会派又は議員に対する調査研究費の助成を制度化したものである。 地方公共団体の議会及び議員は,その活動について原則として他から干渉されないという独立性が保障されなければならない。また,現代の議会においては,会派が存在し,議員の意見は会派を単位として集約され,議会活動が行われるなど,会派が重要な役割を担っていることからすれば,会派の独立性も尊重されねばならない。 さらに,地方公共団体の行う施策及び事業は広範多岐にわたり,これに伴い,議員及び会派の市政 議会活動が行われるなど,会派が重要な役割を担っていることからすれば,会派の独立性も尊重されねばならない。 さらに,地方公共団体の行う施策及び事業は広範多岐にわたり,これに伴い,議員及び会派の市政に関する調査研究事項も広範多岐にわたる。そして,議員及び会派が積極的に政策を提言,提案することが期待されていることからすれば,その調査研究事項は,地方公共団体が現に自ら取り組み,あるいは取り組もうとしている施策,事業に限らず,いまだ取り組むに至っていない事項,当該地方公共団体に所在する地域における民間の事業や他の都市の事例に関する事項にも及ぶものというべきである。また,結果的に,調査研究事項が地方公共団体の施策,事業に直ちに結びつかなかったとしても,その調査研究事項としての適格性が否定されるべきではない。 このような政務調査費が制度化された趣旨や地方公共団体における議会,議員及び会派の独立性の保障の観点からすれば,政務調査費については,会派及びこれに所属する議員に,その支出(使用)についての広範な裁量権が認められるべきである。このことは,政務調査費の収支報告書の提出先が市長ではなく議会議長とされていること(法100条14項,本件条例6条)にも表れている。 そうであれば,被告は,原則として会派及び議員による政務調査費の支出についての裁量権を尊重すべきであり,明らかに使途基準に反して使用したと認められる場合でなければ,その返還を命じるのは相当ではない。 イ会派は,その所属議員によって構成され,会派の活動は具体的には所属議員の行動によることとなるが,いかなる所属議員の行動をもって会派の,。 活動とするかについては基本的にその会派に任せられるべきものであるすなわち,会派が,所属議員の調査研究活動について,これを会派の活動とする旨を承認し,これに なる所属議員の行動をもって会派の,。 活動とするかについては基本的にその会派に任せられるべきものであるすなわち,会派が,所属議員の調査研究活動について,これを会派の活動とする旨を承認し,これに基づき,当該所属議員に対して当該調査研究活動に必要な金員を政務調査費から交付していれば「会派の活動」と認め,るに支障はなく,あとは当該調査研究活動における上記金員の使用が本件使途基準を逸脱していないかをチェックすれば足りると考えられる。 本件においては,被告から各会派に対して交付された政務調査費は,各会派の経理責任者がこれを管理しており,各会派の所属議員は,具体的な調査研究活動ごとに,その活動内容及びこれに必要な政務調査費からの支出を求める金額を会派に申請し,会派代表者及び経理責任者からその活動内容及び金額の承認を得た上で,経理責任者からその金員の交付を受け,さらに,会派に対しその活動内容について報告をしているのであり,これによれば,各会派は,所属議員の調査研究活動をもって,会派の調査研究活動とすることを承認していることが明らかである。 ウ本件各支出は,函館市の定める「函館市総合計画」の主要施策と関連性を有する上,以下に述べるような事情からすれば,番号3ないし10,13及び14の各支出は「調査旅費,番号1,2,12,15ないし18」の各支出は「研究研修費,番号11の支出は「資料購入費」に当たり,」いずれも本件使途基準に違反しないというべきである。 (ア)番号1,2の支出I議員は,平成14年2月9日に開催されたa町会三役会議に出席するため,東京・函館間を往復する必要があったことか,。 らすれば上記往復に要した航空運賃分は研究研修費として相当である(イ)番号3の支出H議員は,函館市と類似した水産都市である小浜市において水産物 ,東京・函館間を往復する必要があったことか,。 らすれば上記往復に要した航空運賃分は研究研修費として相当である(イ)番号3の支出H議員は,函館市と類似した水産都市である小浜市において水産物市場の上屋を視察し,函館市において建設が検討されている市場上屋の参考となった。また,函館市と同様に観光都市である輪島市において朝市を,金沢市において商店街再開発,街並み等を視察し,函館市の街作りの参考となった。 (ウ)番号4の支出H議員は,かつて総理府の担当者から,東京都の防災計画の調査が有益である旨の指摘を受けたことから,函館市の防災計画と東京都の防災計画を比較検討するため,東京都災害対策部防災計画課を訪問し,防災計画及び災害対策本部を調査した。 (エ)番号5の支出G議員は,新しい時代の都市機能及び街作りの検討のため,高次都市機能を目指し,人・町・環境に優しい街作りの交通施策である「金沢オムニバスタウン構想」の重点施策として導入されたふらっとバスを視察した。現地で同バスに乗車し,運行状況をつぶさに視察することに意義があった。 (オ)番号6の支出J議員及びG議員は,函館市の課題である廃棄物処理問題を中心とする環境行政の検討のため,鹿児島市において市街地整備や大規模な廃棄物最終処分場を,公立はこだて未来大学(以下「はこだて未来大学」という)の検討のため,山口市の山口大学を,国際交。 流の検討のため,富士宮市の中国人日本語学校(ACC国際交流学園)を,それぞれ視察した。山口大学のK学長と面談できなかったこと及び富士宮市議会を訪問できなかったことで,視察の意義が失われるわけではない。 (カ)番号7の支出L議員は,博物館の改革が函館市の社会教育施設整備計画に位置づけられ,また,ウォーターフロント開発も函館市の重要課題であるこ かったことで,視察の意義が失われるわけではない。 (カ)番号7の支出L議員は,博物館の改革が函館市の社会教育施設整備計画に位置づけられ,また,ウォーターフロント開発も函館市の重要課題であることから,東京都内の寄生虫館並びにウォーターフロント開発の先進例であるトリトンスクエア及びその開発計画を作成したデザイン研究所を視察した。上記各視察に2日を要し,航空機便の都合で東京における前後泊が必要となったため,3泊を要したものである。 (キ)番号8の支出L議員は,函館市の市政上,大規模なイベントホールの建設が大きな論争点となっていることから,その検討に資するため,大規模アリーナである札幌ドームにおけるアリーナの管理及びイベント運営の実際を視察した。 (ク)番号9,10の支出,,L議員は歴史的街並みは函館市における重要な資源でありこれと新しいデザインの建物が融合して新たな価値が付加されることについての関心から,フランスの建築デザイナーであるNの模型展を視察し,函館における同模型展の開催を検討した。 (ケ)番号11の支出O氏は,函館出身で「はこだて賛歌」を作曲するなどした著名な音楽家であり,度々函館において同氏のコンサート等のイベントが開催されているところ,L議員は,O氏を中心とするイベント等について考えるべく,同氏の作にかかる楽曲を理解し検討するため,その楽曲が収録されたCDを購入した。 (コ)番号12の支出全日本司厨士協会函館支部は,毎年食文化の研究発表会である大会を開催しているところ,P議員が参加した「食の祭典」も,その内容は函館市保健所が課題として取り組んでいる政策「健康はこだて21」に関して参考となるものであり,輸入食品の活用と安全性等について参加者や主催者との意見交換がなされ,今後の食生活を考える上 ,その内容は函館市保健所が課題として取り組んでいる政策「健康はこだて21」に関して参考となるものであり,輸入食品の活用と安全性等について参加者や主催者との意見交換がなされ,今後の食生活を考える上で資するものであった。 (サ)番号13の支出参加人甲は,函館市における商店街の活性化の参考とするため,成功例として著名な東京都品川区に所在する戸越銀座商店街を視察し,商店主及び買物客から意見を聴取した。また,函館シーポートプラザに係留中の「旧青函連絡船摩周丸(以下「摩周丸」という)の保」。 存・活用は函館市の大きな課題であることから「船の科学館」に展示,されている羊蹄丸を視察した。なお,ゴールデンウィーク中に視察したのは,その間の商店街への人出及びこれに対する商店街の対応を視察するためである。 (シ)番号14の支出参加人甲は,函館市の基幹産業である漁業との関係で,釧路におけるサンマ漁を,経営破綻状態で摩周丸の函館市による買取りが検討されていた函館シーポートプラザとの関係で,同様の状態で釧路市が買取りをしたウォーターフロント観光施設「MOO」を,函館市の基幹産業である観光との関係で,旭川市の観光の現状,特に観光循環バス,木工展示場及び旭山動物園を,それぞれ視察した。釧路のサンマ漁は,生産調整のため突然休漁となったため視察は果たせなかったが,それによって,この視察旅行の妥当性が損なわれるものではない。 (ス)番号15,16の支出新緑クラブに所属するQ議員及びその他の3名の議員は,ウォーターフロント開発及び観光振興が函館市の重要課題であることから,いわき市の小名浜港近くに所在し,福島県が設置し財団法人が管理している海洋科学館「アクアマリンふくしま」及び市が設置し第三セクターが管理している展望台「マリンタワー」を視察し,また, あることから,いわき市の小名浜港近くに所在し,福島県が設置し財団法人が管理している海洋科学館「アクアマリンふくしま」及び市が設置し第三セクターが管理している展望台「マリンタワー」を視察し,また,観光振興の観点から福島県が主催し須賀川市が協力して開催された博覧会う,,「つくしま未来博」を視察した。 (セ)番号17,18の支出A議員は,函館市においては,カナダのハリファックス市,オーストラリアのレイク・マコーリー市,ロシアのウラジオストク市及びユジノサハリンスク市と姉妹都市,中国の天津市と友好交流都市の関係にあるなど国際交流が市政上の重要課題であることから,市議会議員としても資質向上のため英会話研修の必要があると考え,その教材及び機器を購入した。 (参加人民主・市民ネットの主張)ア地方議会議員の調査活動は,広範多岐にわたるものであり,議員の政治活動の自由の一環として,他から干渉されない独立性が保障されるべきである。したがって,政務調査費を利用した調査研究活動が公益性を有する必要があることは当然であるとしても,何をどのような角度で調査研究するかについては原則として束縛されるものではなく,議員個人の自由裁量に委ねられるべきである。 イ会派とは,政策や考え方が全て共通する議員によって形成されているものではなく,概ね同様の考え方を有する議員がその政策の実現に向けて集,,合しているものであって課題によっては意見の違う場合もあるのであり選挙に立候補するに当たっても,各自の市政に関する考えを市民に訴え,当選後はその実現に向けて努力している。 そこで,参加人民主・市民ネットは,その所属議員が行う調査研究について,会派として調査の必要性を判断し,その範囲を狭めることは個々の議員の政治活動の自由を阻害することにつながるものと考え,政務調 。 そこで,参加人民主・市民ネットは,その所属議員が行う調査研究について,会派として調査の必要性を判断し,その範囲を狭めることは個々の議員の政治活動の自由を阻害することにつながるものと考え,政務調査費の使途基準に違反しない範囲において幅広く認めることとし,各所属議員から個別に申請がなされ,代表者が承認した調査研究活動について「会,派が行う調査研究」としている。 ウ参加人民主・市民ネットが,番号1ないし6の各支出に係る各出張に政務調査費を支出したことは,以下のような各視察の目的,態様等に照らせば,本件使途基準に違反しない。 (ア)番号1,2の支出についてI議員は,当初から非用務日は函館に帰還すべきであると認識していたこと,同じ参加人民主・市民ネットに所属するR議員からも,非用務日は函館に帰らなければならないと助言されていたこと,旅費の計算において議会事務局から特に問題があるとの指摘がされなかったこと等から,用務のない日は函館に帰るべきであると考えて帰ったにすぎない。そして,当時,非用務日に関する条例等の定めは特に存在しなかったことに照らしても,I議員が非用務日である平成14年2月9日に一旦函館に帰還したことが誤りであるとはいえない。 (イ)番号3の支出についてH議員は,函館市の水産物卸売市場の設備について改善を求める要望があったことから,金沢市等への出張の際に,福井県小浜市の魚市場をも視察日程に入れることとし,平成13年4月14日午後3時30分ころから午後4時30分ころまで約1時間,上記魚市場の施設内部やその周辺の仲卸の建物,配送センター等を見て回った。 また,同議員は,函館市の観光行政や再開発事業の参考とするため,北陸地方の観光地として名高く再開発事業で商店街が整備された金沢市を視察することとし,事前に金沢市の再 物,配送センター等を見て回った。 また,同議員は,函館市の観光行政や再開発事業の参考とするため,北陸地方の観光地として名高く再開発事業で商店街が整備された金沢市を視察することとし,事前に金沢市の再開発事業等に関する資料を入手して内容を調査した上,実際に現地に行って,商店街や武家屋敷等の歴史的建造物を視察した。 さらに,同議員は,函館市の朝市は観光客からの苦情が絶えない状況にあることから,他の朝市の実態を調査して比較対照し,対策を検討するため,輪島市の朝市を視察することとし,同朝市を端から端まで歩きながら状況を調査し,商店主から話を聞くなどした。 (ウ)番号4の支出についてH議員は,函館市の防災計画の参考にするため,平成13年5月30日及び同月31日に東京都に出張し,事前に連絡を取っていた東京都総務局災害対策部災害対策課の担当職員と面談して東京都の防災計画全般等について説明を受け,その後,都庁8階の防災センターを視察し,説明を受けるなどした。 (エ)番号5の支出についてG議員は,従前から交通事業について調査研究を行っていたところ,金沢市の交通施策である「金沢オムニバスタウン構想」の重点施策として導入されたふらっとバスの収支状況,運行状況等について調査し,函館市においても同様の交通機関を導入することの可能性等について検討するため,平成13年10月14日から同月16日にかけて金沢市に出張し,金沢市議会事務局からふらっとバスの導入の経緯や収支状況の概要等について説明を受けたり,実際にふらっとバスに乗車したり,アーケード街でふらっとバスの利用者の声や反応を聴取するなどした。 (オ)番号6の支出についてJ議員は,鹿児島市の街作り等について調査するため,鹿児島市に出張して,鹿児島市役所を訪問したり同市内を視察するなどし,また,函館市の の声や反応を聴取するなどした。 (オ)番号6の支出についてJ議員は,鹿児島市の街作り等について調査するため,鹿児島市に出張して,鹿児島市役所を訪問したり同市内を視察するなどし,また,函館市の国際交流事業を深め,日本語学校の建設等を検討するため,富士宮市に所在し,通訳等として面識のあった中国人が勤務する日本語学校を視察した。さらに,上記視察の行程の途中で,はこだて未来大学発足の推進役となるなど函館市の教育文化の発展と関わりの深いK学長を表敬訪問し,はこだて未来大学等への今後の支援を依頼しようと考え,山口大学を訪れた。 G議員も上記各視察に関心を示して同行することとなった。 ,,結果としてK学長が不在で面会できなかったからといって上記出張が無駄であったとはいえない。 (参加人公明党の主張)ア会派は,市の政策等について共通する考えを有する議員が,議会活動を通じてその実現を図るために結成しているのであり,先に会派としての意志があるのではない。そして,政策の実現を図るためには,幅広い知識や調査研究が必要であり,個々の議員が様々な角度から行う調査研究は,会。 ,派としての意見をまとめる際に当然活かされるものであるこのことから参加人公明党としては,政務調査費を利用した調査研究については,個々の議員が個別に調査の目的,場所等を定め,経理責任者が使途基準に合致するかどうかを判断し,会派の代表者の承認を得た上で,調査研究を行うという扱いをしてきたものであり「会派が行う調査研究」といえる。 ,イ参加人公明党が,番号7ないし11の各支出に係る各視察や資料の購入に政務調査費を支出したことは,以下のような各視察ないし資料購入の目的,態様等に照らせば,本件使途基準に違反しない。 (ア)番号7の支出,,L議員はかねてから博物館は重要 る各視察や資料の購入に政務調査費を支出したことは,以下のような各視察ないし資料購入の目的,態様等に照らせば,本件使途基準に違反しない。 (ア)番号7の支出,,L議員はかねてから博物館は重要な観光資源であると考え公営の博物館の建設,民間の博物館への支援の在り方等について,幅広く情報を収集し,調査研究をしており,その一環として,東京都目黒区に所在する世界でただ一つの珍しい寄生虫館を視察した。 また,同議員は,函館市の臨海地域の再開発を検討する上で,その実例を調査する目的で,東京都に所在するトリトンスクエアを視察するとともに,その開発計画の作成に関与したデザイン研究所を訪問して,トリトンスクエアの構想から完成に至るまでの概略の説明を受けるなどした。 (イ)番号8の支出L議員は,函館市には大規模なイベントホールがなく,その必要性等について議論されていたことから,大規模アリーナの管理やイベントの運営等を調査するため,札幌ドームを視察した。 また,同議員は,函館市において芸術文化を振興させる観点から,その政策提言のためには自らも幅広い文化芸術に触れ,能力を高めることが必要であると考え,日本画の当代第一人者と評価されているM氏の展覧会を鑑賞した。 (ウ)番号9,10の支出L議員は,歴史的景観を観光資源とする函館市としては,新たに建築される住宅のデザインについても注目すべきであると考え,フランスの建築デザイナーであるNが設計した住宅の模型の展示会を視察した。 L議員は,Nの住宅模型展を函館市においても開催し,地元の建築家等の参考に資することを企図して函館市都市建設部の職員に相談したが,地元の建築家が,同じ時期に,Nと同時代に活躍した建築デザイナーであるSに関する展示会等を企画し開催したことから,今回は見送ることにし 資することを企図して函館市都市建設部の職員に相談したが,地元の建築家が,同じ時期に,Nと同時代に活躍した建築デザイナーであるSに関する展示会等を企画し開催したことから,今回は見送ることにしたのである。 (エ)番号11の支出L議員は,音楽が,街作りにとって欠かせない重要な要素であることから,その研究のための参考資料として「はこだて賛歌」を作,曲し,近年は函館においてフルートによる街作りを提唱するなどしているO氏及び同氏と関係の深い地元演奏家の演奏に係る音楽が収録されたCDを購入した。 (参加人甲の主張)ア番号13の支出参加人甲は,函館市内の商店街の活性化策を検討するため,活性化に成功している戸越銀座商店街を視察した。また,函館港に係留中の摩周丸の保存及び活用は当時大きな課題とされていたことから「船の科,学館」に係留中の羊蹄丸の運営状況等を調査し,摩周丸に関する対策に反映させることを企図して,羊蹄丸を視察した。 イ番号14の支出参加人甲は,函館市の基幹産業の一つである水産業の振興策を市当局に働きかけるため,まず実態調査を行う必要があると考え,釧路港の視察を行い,また,同港に設置されている観光施設も併せて視察した。 視察当日は休漁のため調査が実施できなかったが,豊漁による自主休漁という予測外の事情によるものであり,やむを得ない。 また,参加人甲は,函館市の主要産業の一つである観光産業の振興策との関係で,旭川市の観光産業の現状を調査するため,同市における観光循環バスの運行状況,木工展示場,旭山動物園等を視察した。 さらに,参加人甲は,釧路市及び旭川市への出張に航空便を利用することにより,函館市と上記各都市間の航空便の利用状況や利便性を併せて調査した。 第3当裁判所の判断 争点(1(適法な監査請求 さらに,参加人甲は,釧路市及び旭川市への出張に航空便を利用することにより,函館市と上記各都市間の航空便の利用状況や利便性を併せて調査した。 第3当裁判所の判断 争点(1(適法な監査請求前置の有無)について)(1)被告は,本件監査請求は,法242条2項が定める監査請求期間を徒過しているから不適法であり,したがって,本件訴えは適法な監査請求の前置を欠き不適法であると主張する。 (2)しかしながら,法242条2項本文は,監査請求の対象事項のうち財務会計上の行為については,当該行為があった日又は終わった日から1年を経過したときは監査請求をすることができないものと規定しているが,上記の対象事項のうち怠る事実については,このような期間制限は規定されていないから,怠る事実に係る監査請求については,原則として,上記規定は適用されないものと解される。もっとも,特定の財務会計上の行為が財務会計法規に違反して違法であるか又はこれが違法であって無効であるからこそ発生する実体法上の請求権の行使を怠る事実を対象として監査請求がされた場合には,当該行為が違法とされて初めて当該請求権が発生したと認められるのであり,これについて上記の期間制限が及ばないとすれば,上記規定の趣旨を没却することとなるから,このような場合には,当該行為のあった日又は終わった日を基準として上記規定を適用すべきである(最高裁昭和57年(行ツ)第164号同62年2月20日第二小法廷判決・民集41巻1号122頁参照。 )これを本件についてみると,本件監査請求の対象事項は,函館市が各会派に対して有する政務調査費の返還請求権の行使を怠る事実であるが,当該返還請求権は,各会派が函館市から交付を受けた政務調査費について,本件使途基準に反する違法・不当な支出をしたことにより発生したものであり して有する政務調査費の返還請求権の行使を怠る事実であるが,当該返還請求権は,各会派が函館市から交付を受けた政務調査費について,本件使途基準に反する違法・不当な支出をしたことにより発生したものであり,特定の財務会計上の行為が財務会計法規に違反して違法であるか又はこれが違法であって無効であるからこそ発生する実体法上の請求権には当たらない。 そうであれば,本件監査請求には,法242条2項は適用されないものというべきである。 (3)したがって,本件監査請求に監査請求期間を徒過した違法はなく,被告の主張は採用できない。 争点(2(本件各支出が本件使途基準に反し違法であるか)について)(1)原告らは,本件各支出に係る調査研究はいずれも会派が行ったものとはいえないから,本件使途基準に反し違法であると主張する。 そこで検討するに,そもそも,政務調査費について定めた法100条13項及び14項は,平成12年法律第89号による法の一部改正により,地方議会の審議能力を強化してその活性化を図るため,地方議員の調査活動の基盤を充実させる観点から,議会における会派又は議員に対する調査研究費等の助成を制度化し,併せて,情報公開を促進し,その使途の透明性を確保しようとする趣旨で規定されたものである(乙3,弁論の全趣旨。そして,)法100条13項は,政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法について条例で定めなければならないものとし,これを受けて,函館市においては,,(),本件条例によって議会における会派に対して政務調査費を交付し2条会派は政務調査費を本件使途基準に従って使用するものとし,市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに充ててはならないとされてい(),,,,るが5条これは函館市議会においては比較的多数の議員が存在し に従って使用するものとし,市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに充ててはならないとされてい(),,,,るが5条これは函館市議会においては比較的多数の議員が存在し議会運営上会派の存在が前提とされていることから,会派を政務調査費の交付の対象としたものと解される。また,本件使途基準は,政務調査費の使途について,前記第2の2(2)ウ記載のとおり「会派が行う調査研究」に,おいて必要となる旅費,資料の作成に要する経費,資料等の購入に要する経費等と定めており,政務調査費は会派が行う調査研究等に係る経費に充てなければならないこととされている。 ところで,会派とは,一般に,議会内に結成された同じ意見・政策等を有(,,する議員の集合体をいうものと解されるがもっとも本件条例においては所属議員が1人の場合であっても代表者,経理責任者等を記載した会派結成届を提出すれば政務調査費の交付の対象となる会派であるとされている,。)会派に所属する議員全員が全ての市政上の課題について同一の意見・政策等を共有しているわけではないから,会派の所属議員による調査研究活動は,常に会派内で意思統一が図られ,会派からの具体的な指示に基づいて行われるものばかりではなく,当該議員自らの判断で市政に関する調査研究活動を行う場合もあり得る。そして,このような調査研究活動が一切政務調査費の支出の対象とならないとすれば,会派の所属議員による調査研究活動の範囲を事実上狭めることにつながりかねず,地方議員の調査活動の基盤を充実させることを目的とした法100条13項の趣旨に沿うものとはいいがたい。 また,以上に加え,本件各証拠及び弁論の全趣旨によれば,本件各会派を含む平成13年当時の函館市議会の各会派は,いずれも本件条例が制定された当時の函館市議会議員に 3項の趣旨に沿うものとはいいがたい。 また,以上に加え,本件各証拠及び弁論の全趣旨によれば,本件各会派を含む平成13年当時の函館市議会の各会派は,いずれも本件条例が制定された当時の函館市議会議員によって構成されているところ,これらの会派の多くは,所属議員による会派の統一的な意思に基づかない調査研究活動についても承認して政務調査費を支給していたことが認められることをも考慮すると,本件使途基準を定める本件条例5条及び本件規則6条が,政務調査費の使途を会派内で意思統一が図られた調査研究活動に限定する趣旨であるとは解されない。 したがって,本件使途基準にいう「会派が行う調査研究「会派が行う」,調査研究活動」には,会派内で意思統一が図られ,会派が主体となって行う調査研究に加え,会派の承認の下に当該会派に所属する議員が個別に行う調査研究活動も含まれるものと解するのが相当である。 これを本件についてみると,証拠(甲5ないし9,12)によれば,本件各支出に際しては,本件各会派は,いずれも本件各支出に係る調査研究活動を行った議員から調査研究の目的,経費の内訳等について事前又は事後に報告を受け,各会派の代表者及び経理責任者の承認を経た上で,当該議員に対して政務調査費を支出していることが認められるから,本件各支出に係る調査研究は「会派が行う調査研究」に当たるものといえる。 ,よって,この点に関する原告らの主張は採用することができない。 (2)前記のとおり,本件条例5条は,政務調査費の使途について,本件規則で定める本件使途基準に従って使用するものとし,市政に関する調査研究に資,,するため必要な経費以外のものに充ててはならない旨定め本件使途基準は政務調査費の使途として「研究研修費「調査旅費「資料作成費「資料購」」」入費「広報広聴費」及び「事務費」 調査研究に資,,するため必要な経費以外のものに充ててはならない旨定め本件使途基準は政務調査費の使途として「研究研修費「調査旅費「資料作成費「資料購」」」入費「広報広聴費」及び「事務費」の6区分及びその内容を定めているの」であるから,本件使途基準に定める内容に適合しない使途で政務調査費を支出することは許されない。そして,会派が本件使途基準に適合しない使途に支出をした場合,その支出は法律上の原因のない違法なものであり,当該会派は当該支出に係る政務調査費相当額を不当に利得したものといえるから,当該会派は,函館市に対し,本件使途基準に反する使途に支出した政務調査費相当額について,不当利得として返還すべき義務を負うものというべきである。 そして,本件使途基準違反の有無は,調査研究の目的が地方行政と関連性を有するか,調査研究の手段としての視察旅行,研修会参加,資料購入等がその目的との関係において合理性,必要性を有するかといった諸事情を総合的に判断して決せられるべきであり,その目的が地方行政と関連性を有しない場合や,視察旅行の態様が客観的に見て一般人の観光旅行と何ら異なるところがない等の事情により政務調査として明らかに合理性や必要性を欠くと評価されるような場合には,政務調査費の支出は本件使途基準に反するというべきである。 以下,本件各支出が本件使途基準に反するかについて,個別に検討する。 (3)番号5の支出ア証拠(甲5)によれば,参加人民主・市民ネットは,平成13年10月10日,G議員に対し,金沢市への出張に要する旅費(交通費,宿泊費及び日当)として合計11万3980円を「調査旅費」として政務調査費から支給したこと(番号5の支出)が認められる。 イ原告らは,G議員は実際には金沢市へ出張していないと主張する。 (), 及び日当)として合計11万3980円を「調査旅費」として政務調査費から支給したこと(番号5の支出)が認められる。 イ原告らは,G議員は実際には金沢市へ出張していないと主張する。 (),,(,),アそこで検討するにG議員はその陳述書丙A4 (),,説明書乙A2の7及び証人尋問において金沢市への出張について概ね以下の内容の供述をしている。 ,,aG議員は函館市交通局において勤務していた経歴を有し交通事業を議員としての最大の研究・政策課題としていたところ,金沢市において,平成11年3月に従来の公共交通の利用が不便な地域における新しい移動手段の導入,高齢者等の地域内移動の支援,中心市街地へのアクセス改善等を目的として,小型ノンステップバスであるふらっとバスが導入されたことから,同バスの路線,収支状況,運行状況等を調査し,同様の交通機関の函館市における導入の可能性を検討するため,平成13年10月14日から同月16日にかけて,金沢市に出張することとした。 b同議員は,事前に金沢市議会事務局の担当者に電話で連絡を取った,,,上同月14日は函館空港午前10時05分発の飛行機にて出発し羽田空港を経由して,午後3時45分ころに小松空港に到着し,同空港からバスにて金沢市内に向かい,午後5時ころにJR金沢駅近くのホテルに到着して宿泊した。同月15日は,午前10時過ぎころに金沢市役所を訪問して,同市議会事務局の担当者からふらっとバスが導入された経緯,収支状況の概要等について説明を受けるとともに,上記バスの概要等が記載されたパンフレットや金沢市の交通政策に関する資料等を受領し,その後,午後4時ころまでの間,ふらっとバスに実際に乗車して,その運行状況等を調査するとともに,ふらっとバスの利用者から同バス 要等が記載されたパンフレットや金沢市の交通政策に関する資料等を受領し,その後,午後4時ころまでの間,ふらっとバスに実際に乗車して,その運行状況等を調査するとともに,ふらっとバスの利用者から同バスに関する意見,感想等(商店街や狭い道も走るので便利であること,安くて待たずに乗車できること等)を聴取した。 同月16日は午前8時過ぎころにホテルを出発し,小松空港午前9時35分ころ発の飛行機にて,羽田空港を経由して函館に帰還した。 (イ)a以上のとおり,G議員は,金沢市への出張の目的,日程,金沢市議会事務局担当者から受けた説明の内容,ふらっとバスの利用者から聴取した内容等について具体的に供述しており,格別不自然,不合理な点は見当たらない。 ,(,,),bまた 証拠 甲5丙A8の1ないし39ないし13によればG議員が金沢市議会事務局から入手したとされるふらっとバス等に関する資料が存在すること,G議員は,金沢市への出張に関し平成13年11月5日付けで報告書を作成して参加人民主・市民ネットに提出しており,同報告書には,ふらっとバスが導入された経緯が具体的に記載され,その運行状況や自らの感想等についても簡潔に記載されていることが認められ,これらの事実もG議員の上記供述を裏付けるものといえる。 cもっとも,G議員は,証人尋問前に提出された陳述書(丙A4)や証人尋問においては,金沢市議会事務局の担当者から受けた説明の内容,ふらっとバスの利用者からの聴取内容等について具体的に供述しておらず,また,宿泊したホテル名も記憶にない,議会事務局からはパンフレットを除き資料を入手していない旨の供述をしていながら,証人尋問後に提出された陳述書(丙A14)においては,金沢市への出張の詳細な日程,宿泊したホテル名等を供述し,また, ,議会事務局からはパンフレットを除き資料を入手していない旨の供述をしていながら,証人尋問後に提出された陳述書(丙A14)においては,金沢市への出張の詳細な日程,宿泊したホテル名等を供述し,また,参加人民主・市民ネットは,証人尋問後になって初めて,G議員が金沢市への出張の際に入手したとされる上記資料を書証として提出しており,このような事情からすれば,G議員の上記供述の信用性に疑問を差し挟む余地があるようにも考えられる。 しかし,本件訴訟の当初においては,本件各支出の対象となった視察旅行等の存否自体は主たる争点となっていなかったところ,原告らは,G議員等の証人尋問が行われた後の第12回口頭弁論期日において陳述された平成17年1月11日付け準備書面において,初めて番号4及び5の各支出に係る視察旅行がいわゆるカラ出張の疑いが強い旨の主張を追加したものであり(弁論の全趣旨,このよう)な訴訟経過に照らすと,原告らから出張の事実の存在すら疑わしいとされたG議員において危機感を募らせ,さらに記憶の喚起や資料の整理に努めた結果,新たな資料が提出されたり,従前とは異なる具体的な供述をするに至ることも十分考えられるのであって,このような供述の変遷等が必ずしも不合理であるということはできない(もっとも,原告らが,上記主張の追加を行う以前から,被告や参加人民主・市民ネットに対して金沢市への出張の関係資料の提出や宿泊したホテル名を明らかにするよう求めていたことに照らすと,同参加人の上記のような訴訟態度はやや誠実さを欠くものであるといわざるを得ない。 。)d原告らは,G議員が実際には金沢市へ出張していないことの根拠として,G議員が説明を受けたとされる金沢市議会事務局は,ふらっとバスの運行方法等について説明できる立場にない旨 い。 。)d原告らは,G議員が実際には金沢市へ出張していないことの根拠として,G議員が説明を受けたとされる金沢市議会事務局は,ふらっとバスの運行方法等について説明できる立場にない旨主張する。しかしながら,証拠(丙A13,14,証人G)及び弁論の全趣旨によれば,上記事務局の職員は,金沢市政全般について一定程度の知識を有しており,ふらっとバスについても,その資料に基づいて導入された経緯,運営方法等を説明することができたものと認められ,ふらっとバスについて説明できる立場にないとはいえない。 e証拠(証人G)によれば,G議員は,ふらっとバスについての説明を受けた上記事務局担当者の名刺を受領せず,その名前を覚えていないこと,また,G議員は,上記事務局に対して文書をもって事前の連絡をしていないこと,さらにG議員は,同じ参加人民主・市民ネットに所属するH議員が平成13年4月に金沢市等に出張した際に,H議員にふらっとバスについても併せて調査することを依頼していないことなどの事実が認められるところ,原告らは,これらの事実について,G議員の金沢市への出張の事実を疑わせる事情であると主張する。 しかしながら,本件各証拠及び弁論の全趣旨によれば,平成13年当時,函館市議会議員が政務調査費を利用した視察旅行を実施するに際し,同じ会派の他の議員との間で意思の疎通を図ったり,視察先の担当者に事前に連絡を取って面談した上,その担当者の名刺を保管したり名前を控えておく等の十分な事前準備や調査を行わなかった事例が多数存在することがうかがわれるから,上記のような事実があったからといって,平成13年当時の函館市議会議員による調査旅行の態,,,様として必ずしも不自然不合理であるということはできないからこれらの事実を ことがうかがわれるから,上記のような事実があったからといって,平成13年当時の函館市議会議員による調査旅行の態,,,様として必ずしも不自然不合理であるということはできないからこれらの事実をもってG議員の上記供述の信用性を否定することはできない(もっとも,これらの事実からすれば,政務調査費を利用した調査旅行としては,その事前準備や調査の態様がいささかずさんで不十分であるとの評価を免れないというべきである。 。)(ウ)以上によれば,G議員の上記供述は信用することができ,同供述によれば,G議員は,前記(ア)a,b記載のとおり平成13年10月14日から同月16日までの間,金沢市に出張したことが認められる。 ウそして,上記事実によれば,金沢市への出張は,ふらっとバスの路線,収支状況,運行状況等を調査し,同様の交通機関の函館市における導入の可能性を検討することを目的とするものであり,函館市政と関連性があるものといえる。また,視察の内容についても,事前に連絡を取った上,金沢市議会事務局の担当者からふらっとバスについて説明を受けるとともに,実際にふらっとバスに乗車したり,ふらっとバスの利用者から意見,感想等を聴取するなどして,その運行状況等を調査したというのであり,一応上記目的に沿った合理性があるものといえるし,上記のような視察内容に加え,函館市と金沢市の位置関係や交通事情に照らすと,2泊3日の日程で出張したことにも合理性があるといえる。 エしたがって,G議員が金沢市に出張した際に要した旅費は,本件使途基準にいう「調査旅費」に該当するものと認めるのが相当であり,参加人民主・市民ネットがG議員に対して,上記旅費を政務調査費から支給したことは違法であるとはいえない。 (4)番号4の支出ア証拠(甲5)によれば,参加人 該当するものと認めるのが相当であり,参加人民主・市民ネットがG議員に対して,上記旅費を政務調査費から支給したことは違法であるとはいえない。 (4)番号4の支出ア証拠(甲5)によれば,参加人民主・市民ネットは,平成13年5月28日,H議員に対し,東京都への出張に要する旅費(交通費,宿泊費及び日当)として合計6万7240円を「調査旅費」として政務調査費から支給したこと(番号4の支出)が認められる。 イ原告らは,H議員は実際には東京都へ出張していないと主張する。 (),,(,),アそこで検討するにH議員はその陳述書丙A2 (),,説明書乙A2の3及び証人尋問において東京都への出張について概ね以下の内容の供述をしている。 aH議員は,かねてより函館市の防災計画について調査・研究を行っていたところ,以前,当時の総理府の担当者と面談して国の防災計画等について説明を受けた際に,東京都の防災計画が参考になる旨の助言を受けたことから,東京都の担当者から防災計画等について説明を受ける等の調査を行う必要があると考え,平成13年5月30日から同月31日にかけて東京都へ出張することとした。 b同議員は,電話で事前連絡を取った上,同年5月30日の午後から東京都庁9階に所在する当時の東京都総務局災害対策部防災計画課を訪問し,同課の担当者と面談して東京都の防災計画全般や災害時の傷病者に対する医療体制に関する「トリアージ」という概念について概略的な説明を受けるとともに,東京都の震災予防計画等に関する資料を入手し,また,都庁8階の防災センターを視察し,同センターについて説明を受けその後東京消防庁が運営する消防博物館に立ち寄っ,,て見学した。 (イ)a以上のとおり,H議員は,東京都への出張の目的,日程 た,都庁8階の防災センターを視察し,同センターについて説明を受けその後東京消防庁が運営する消防博物館に立ち寄っ,,て見学した。 (イ)a以上のとおり,H議員は,東京都への出張の目的,日程,東京都の担当者から受けた説明の内容等について具体的に供述しており,格別不自然,不合理な点は見当たらない。 bまた,証拠(甲5,丙A17ないし20)によれば,H議員が東京都に出張した際に入手したとされる東京都の防災計画等に関する資料が存在すること,H議員は,東京都への出張に関し平成13年6月5日付けで報告書を作成して参加人民主・市民ネットに提出しており,同報告書には,東京都の防災計画を調査する目的や調査内容について簡潔に記載されていることが認められ,これらの事実もH議員の上記供述を裏付けるものといえる。 cもっとも,H議員は,証人尋問前に提出された陳述書(丙A2)や証人尋問においては,東京都への出張の際に入手した資料は見当たらない,宿泊したホテル名も記憶にない旨の供述をしながら,証人尋問後に提出された陳述書(丙A27)においては,上記出張の詳細な日程,宿泊したホテル名等を供述し,また,参加人民主・市民ネットは,証人尋問後になって初めて,H議員が東京都への出張の際に入手したとされる前記資料を書証として提出しているが,前記(3)イ(イ)cのとおり,本件訴訟の経過に照らし,参加人民主・市民ネットの訴訟態度はやや誠実さに欠けるものの,原告らによる主張追加後に,新たに資料が提出されたり,従前とは異なる供述をするに至ったことが必ずしも不合理であるとはいえない。 d証拠(証人H)によれば,H議員は,面談した東京都の担当者の氏名や東京都の防災計画の調査について助言を受けたとされる当時の総理府の担当者の氏名を覚えておらず, 不合理であるとはいえない。 d証拠(証人H)によれば,H議員は,面談した東京都の担当者の氏名や東京都の防災計画の調査について助言を受けたとされる当時の総理府の担当者の氏名を覚えておらず,名刺も保管していないことが認められるところ,原告らは,これらの事実はH議員の東京都への出張の事実を疑わせる事情であると主張する。 しかし,前記(3)イ(イ)eで認定したとおりの平成13年当時の函館市議会議員の政務調査の実態に照らせば,視察旅行に赴いた議員が,視察先の担当者の名刺を保管したり名前を控えておく等の行動を取っていなかったからといって,格別不自然なことということはできず,上記原告らの主張に係る事実から,東京都に出張したとのH議員の供述の信用性を否定するまでには至らない。 (ウ)以上によれば,H議員の上記供述は信用することができ,同供述によれば,H議員は,前記(ア)a,b記載のとおり平成13年5月30日から同月31日までの間,東京都に出張したことが認められる。 ウそして,上記事実によれば,東京都への出張は,函館市の防災計画について検討する上で参考とするために,東京都の防災計画を調査することを目的とするものであり,函館市政と関連性があるものといえる。また,視察の内容についても,東京都の担当者と面談して東京都の防災計画等について説明を受けたり,都庁8階の防災センターを視察し,同センターについて説明を受けるなどしたというのであり,一応上記目的に沿った合理性があるものといえる。 エしたがって,H議員が東京都に出張した際に要した旅費は,本件使途基準にいう「調査旅費」に該当するものと認めるのが相当であり,参加人民主・市民ネットがH議員に対して,上記旅費を政務調査費から支給したことは違法であるとはいえない。 (5)番号1, は,本件使途基準にいう「調査旅費」に該当するものと認めるのが相当であり,参加人民主・市民ネットがH議員に対して,上記旅費を政務調査費から支給したことは違法であるとはいえない。 (5)番号1,2の支出ア証拠(甲5,乙A1の3,丙A1,5の1ないし3,28の1・2,29ないし31,証人I)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる(原告らは,I議員が平成14年2月9日に東京・函館間を往復した事実はない旨主張するが,以下の認定に反し,採用することができない。 。)(ア)I議員は,平成14年2月7日から同月9日にかけて東京都に出張し,同月8日午前9時10分から午後5時までの間,東京都千代田区の全共連ビルにおいて地域科学研究会が主催して開催された「公共」(「」。)入札の改革-課題と展望と題する研修会以下本件研修会というに参加した。本件研修会では,公共入札の改革について国や地方公共団体の担当者の講演及び質疑応答等が行われた。 同議員は,同月9日,午前8時30分ころにJR浜松町駅付近のホテ,,ルを出発し羽田空港午前10時45分ころ発の飛行機で函館に帰還し午後1時30分から3時45分ころまでの間,a町会館で開催されたa町会の三役会議に同町会副会長として出席した。 その後,同議員は同日中に再び東京都へ出張し,同月10日午前10時から午後4時までの間,東京都において社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会が主催して開催された「難聴者の聞こえと生活についての実態シンポジウム(以下「本件シンポジウム」という)に参加」。 して,同月11日に函館に帰還した。本件シンポジウムにおいては,難聴者の聞こえと生活の実態についての調査等に関する報告やパネルディスカッション等が行われた。 (イ)I議員は,本件研修 加」。 して,同月11日に函館に帰還した。本件シンポジウムにおいては,難聴者の聞こえと生活の実態についての調査等に関する報告やパネルディスカッション等が行われた。 (イ)I議員は,本件研修会及び本件シンポジウムへの参加を決定し,旅行日程を策定するに際して,本件研修会の開催日と本件シンポジウムの開催日との間に公務のない日が1日生ずることから,この日については,一旦函館に戻って様々な用務を済ませ,日帰りで東京に戻ることを計画した。 I議員がこのような日程を計画したのは,公務のない日は視察先から函館に戻る必要があると考えていた上,函館に戻れば,それなりに処理すべき用務が存在したからであった。 (ウ)参加人民主・市民ネットは,平成14年2月1日,I議員に対し,本件研修会への参加に要した旅費(交通費,宿泊費及び日当3日分)として合計8万6040円及び本件シンポジウムへの参加に要した旅費(交通費,宿泊費及び日当2日分)として合計8万3040円を,いずれも「研究研修費」として政務調査費から支給した(番号1及び2の各支出。また,同参加人は,同月8日,I議員に対し,本)件研修会の参加費として2万5000円を「研究研修費」として政務調査費から支給した。 イ上記のとおり認定した本件研修会及び本件シンポジウム(以下「本件研修会等」という)の内容等に照らせば,本件研修会等はいずれも本件使。 途基準にいう「他の団体が開催する研究会,研修会等」に該当し,I,「」議員が本件研修会等に出席した際の旅費及び参加費は研究研修費に当たるということができる。 ウ原告らは,I議員が平成14年2月9日に東京・函館間を往復するのに要した交通費については,公務と無関係な町会三役会議に出席するためのものであって公益性がないと主張する。 ,,, きる。 ウ原告らは,I議員が平成14年2月9日に東京・函館間を往復するのに要した交通費については,公務と無関係な町会三役会議に出席するためのものであって公益性がないと主張する。 ,,,,そこで検討するに確かに上記認定事実によればI議員は同年2月8日及び同月10日にいずれも東京において開催された本件研修会等に参加したというのであり,本件研修会等の開催時間や東京と函館の位置関係等に照らすと,研修会参加日の前後1日ずつは移動日として確保する必要があるといえるから,このような事情の下では,同年2月8日と同月10日の間の同月9日については,公金の支出を抑制する見地から,函館において公務がない限り,函館に一旦帰還してから再び東京に出張して往復の交通費を支出することなく,東京に滞在するのが望ましいようにも思われる。 しかし,同年2月9日は東京において研修会への参加等の公務は予定さ,,れていなかったのであるから東京に滞在して私的な行動を取ることなく一旦函館に帰還することが直ちに不合理であるとまではいえない。まして上記認定のとおりI議員は函館において処理すべき用務があっ,,たために帰還したのであり,現に,a町会の副会長として同町会の三役会議に出席するなどしていたのであって,遊興等の目的で帰還したものでもない。 これらの事情に照らせば,I議員が2月9日に東京・函館間を往復したことが,政務調査に際しての行動として,明らかに合理性,必要性を欠くものであったとまではいうことはできず,その際の交通費についても,本件使途基準にいう「研究研修費」に当たるものと認めるのが相当である。 エしたがって,参加人民主・市民ネットがI議員に対し,上記交通費を含む旅費を政務調査費から支給したことは違法であるとはいえない。 (6)番 「研究研修費」に当たるものと認めるのが相当である。 エしたがって,参加人民主・市民ネットがI議員に対し,上記交通費を含む旅費を政務調査費から支給したことは違法であるとはいえない。 (6)番号3の支出ア証拠(甲5,乙A2の1の1ないし3,丙A2,23ないし25,26の1・2,27,証人H)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア)H議員は,平成13年4月14日から同月17日までの間,福井県小浜市,石川県輪島市及び同県金沢市に出張した。 (イ)上記出張の目的等aH議員は,函館市の西部地区の再開発事業について取り組み,函館市議会において函館山ロープウェイの乗降場の移設等を提言したことがあったところ,その再開発事業の参考とするため,金沢市の観光地や同市において再開発事業で整備された商店街を視察するこ,「」ととし事前に金沢市が作成した金沢市中心市街地活性化基本計画と題する資料等を入手した。 bまた,同議員は,函館市の朝市に関し,観光客等の利用者から注文した商品と異なる商品が配送されるといった苦情が多く寄せられていることから,その実態や対策を検討するため,全国的に有名な輪島市の朝市の接客や商品発送の状況等を調査することとした。 c函館市の水産物卸売市場においては,従前,水産物の競り売りをするための場所が狭く,屋外で競り売り等が行われており,鮮度保持や安全衛生の点で問題があったため,平成13年当時,新たな上屋を建設する計画が持ち上がっていた。 H議員は,従前から上記市場の環境問題について関心を有し,函館市議会の定例会においても,上記市場の設備の改善について提言していたところ,市場の関係者の助言を受けるなどして,小浜市の市場を視察することが函館市の上記市場の問題点の改善を検討する上で有益であると考 議会の定例会においても,上記市場の設備の改善について提言していたところ,市場の関係者の助言を受けるなどして,小浜市の市場を視察することが函館市の上記市場の問題点の改善を検討する上で有益であると考え,視察日程に入れることとし,事前に小浜漁港のパンフレットを入手した。 (ウ)上記出張の行程及び内容a平成13年4月14日午前8時50分ころに,函館空港から飛行機にて出発し,羽田空港を経由して,午後0時ころに小松空港に到着し,同空港からバス,電車,及びタクシーを利用して小浜市に所在する小浜漁港の魚市場に向かい,午後3時30分過ぎころに到着した。上記市場においては,約1時間,施設内部やその周辺の仲卸の建物,配送センター等を徒歩で見て回り,市場の軒先の状況等を調査した。その後,タクシー及び電車を利用して小浜市から加賀市に向かい,午後6時30分ころに加賀市内のホテルに到着して宿泊した。 b同月15日,,,午前中は金沢市内に赴き長町武家屋敷跡等の観光地を訪問して歴史的建造物の保存・活用状況やトイレの清掃状況を見て回るなどし,その後,電車で金沢市から輪島市へ向かい,同市内のホテルに宿泊した。 c同月16日,,輪島市の朝市へ赴き露店等を見て回って販売している商品の内容販売方法,客層等を調査したり,商店主と会話して,接客態度等に関し,輪島市の朝市では客の呼び込みはなく,客からの苦情はほとんどないこと,注文した商品と異なる商品が配送された場合は,直ちに謝罪の手紙及び代替品を配送して信用回復に努めていること等を聴取するなどした。その後,電車で金沢市に戻り,同市内の再開発事業が行われた商店街を歩いて見て回るなどし,同日は金沢市内のホテルに宿泊した。 d同月17日金沢市内から電車及びバスにて小松空港に向かい,同空港から,飛行機にて羽田 沢市に戻り,同市内の再開発事業が行われた商店街を歩いて見て回るなどし,同日は金沢市内のホテルに宿泊した。 d同月17日金沢市内から電車及びバスにて小松空港に向かい,同空港から,飛行機にて羽田空港を経由して函館空港まで向かい,函館に帰還した。 eH議員は,上記視察において,小浜市,金沢市及び輪島市の各行政担当者,小浜市の魚市場の関係者等と面談することはなかった。 (エ)参加人民主・市民ネットは,平成13年4月20日,H議員に対し,上記出張に要した旅費(交通費,宿泊費及び日当)として合計14万7190円を「調査旅費」として政務調査費から支給した(番号3の支出。 )イ原告らは,上記認定に反し,H議員は平成13年4月14日は小浜市には行かず,小松空港から加賀市内のホテルに直行した疑いが強いと主張するが,H議員が供述する当日の行程には特段不合理な点はないし,H議員は小浜市の魚市場の施設の状況等について具体,(,,的に供述していることからすればH議員の供述丙A227証人H)は信用することができるというべきであり,同供述から前記のとおり,H議員が平成13年4月14日に小浜市を訪れた事実を認定することができる。 ウ上記アの認定事実によれば,H議員の小浜市,金沢市及び輪島市への出張は,小浜市の魚市場の施設の構造等の調査,金沢市の観光地や再開発事業で整備された商店街の視察及び輪島市の朝市における接客や商,,,品発送の状況等の調査を目的とするものであり当時函館市においては西部地区の再開発事業,朝市に関する苦情への対策,水産物卸売市場の設備の改善等が課題とされていたことに照らせば,その目的は函館市政と関連性を有するものといえる。 また,確かに,H議員は,各視察先の行政担当者等と面談して説明 する苦情への対策,水産物卸売市場の設備の改善等が課題とされていたことに照らせば,その目的は函館市政と関連性を有するものといえる。 また,確かに,H議員は,各視察先の行政担当者等と面談して説明を受けるなどしたことはなく,政務調査費を利用した視察旅行としては,その内容が乏しく不十分であることは否定できない。しかし,上記認定事実によれば,同議員は,事前に小浜漁港のパンフレットや金沢市の市街地活性化計画に関する資料等を入手した上,小浜市では,魚市場の施設内部等を約1時間にわたり見て回って市場の軒先の状況等を調査し,金沢市では長町武家屋敷跡等や再開発事業が行われた商店街を歩いて見て回り,歴史的建造物の保存・活用状況,商店街の街並み等を視察し,輪島市では,朝市の露店等を見て回り,商店主と会話するなどして,販売している商品の内容,販売方法,客層等を調査したり,接客態度等に関し事情を聴取したというのであるから,上記のような視察の態様,日程等が政務調査として明らかに合理性がないとか,必要性がないとまでいうことはできない。 エしたがって,H議員が小浜市,金沢市及び輪島市に出張した際に要した旅費は,本件使途基準にいう「調査旅費」に該当するものと認めるのが相当である。よって,参加人民主・市民ネットがH議員に対して,上記旅費を政務調査費から支給したことは違法であるとはいえない。 (7)番号6の支出ア証拠(甲5,乙A2の8の1ないし3,丙A3,4,6の1ないし3,32,証人J,証人G)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア)J議員及びG議員(以下「J議員ら」という)は,平成13年11月12日から同月16日までの間,鹿児島県。 鹿児島市,山口県山口市及び静岡県富士宮市に出張した。 (イ)上記出張の目的等 )J議員及びG議員(以下「J議員ら」という)は,平成13年11月12日から同月16日までの間,鹿児島県。 鹿児島市,山口県山口市及び静岡県富士宮市に出張した。 (イ)上記出張の目的等aJ議員は,従前,行政視察で鹿児島市を訪れた際に,同市の都市計画等について関心を持ち,函館市の都市計画や環境行政について検討する上で参考とするために,再度鹿児島市を訪れて同市の都市計画等を調査することとした。 bまた,同議員は,従前,函館市と中国の天津市間の航空路の開設調査のために中国の天津市を訪れた際に通訳を務め,平成13年当時は富士宮市の中国人を対象とする日本語学校である「A.C.C.国際交流学園(以下「ACC学園」という)に勤務していたT」。 氏から近況等を伝える手紙が届いたことから,函館市の国際交流事業の一環として同様の日本語学校の設立を検討する上で参考とするため,ACC学園を訪問し調査することとした。 cフィールズ賞を受賞した経歴を有する数学者であり,平成13年当時山口大学学長を務めていたK氏(以下「K学長」という)は,昭和63年ころから,函館に大学を設置することを提。 言し,北海道道南地域の高等教育の発展に寄与すること等を目的として設立された財団法人南北海道学術振興財団の理事長に就任し,平成12年4月に開校したはこだて未来大学の設立にも関与していた。 J議員は,当初からK学長が構想する大学の創設を実現するための運動に参画し,市議会において上記大学構想等について質疑を行ったことがあり,K学長が函館を訪れた際に度々面会したほか,平成11年2月ころには山口大学を訪問してK学長と面談したことがあったところ,鹿児島市及び富士宮市への視察旅行の計画を立てるに当たり,鹿児島市から富士宮市へ移動する際に途中で山 々面会したほか,平成11年2月ころには山口大学を訪問してK学長と面談したことがあったところ,鹿児島市及び富士宮市への視察旅行の計画を立てるに当たり,鹿児島市から富士宮市へ移動する際に途中で山口大学を訪問し,上記財団の今後の展開等について示唆を受けるためにK学長に面談しようと考えた。もっとも,J議員は,事前に山口大学やK学長と連絡を取って面談の予約を入れることはしなかった。 dG議員は,J議員が鹿児島市,山口市及び富士宮市への視察旅行を計画していることを知って,鹿児島市の交通行政等に興味を持ち,上記視察旅行に同行することとした。 (ウ)上記出張の行程及び内容a平成13年11月12日午前中に函館空港から飛行機にて出発し,羽田空港を経由して鹿児島へ向かい,午後3時ころに鹿児島市内に到着し,JR鹿児島中央駅近くのホテルに宿泊した。 b同月13日午前中,鹿児島市役所を訪問して,約2時間にわたり,同市都市計画課の職員等から,同市の都市計画や環境行政の内容等について説明を受けるとともに同市が作成したかごしま都市マスタープラン概,「[要版「鹿児島市の概要「清掃事業概要」等の資料を入手した。 ]」,」,その後,鹿児島市に所在する横井埋立処分場に赴いて周囲を見て回ったり,同市内の路面電車に乗車したりその沿線を歩くなどして,同市の街作りや路面電車の運行状況等を視察した。 c同月14日午前中,鹿児島から飛行機にて福岡へ向かい,福岡からは電車にて山口に向かい,午後2時ころに山口大学を訪問したが,K学長は不在で面談することはできなかったため,同大学秘書室のU氏と面談し,表敬訪問をしに同大学を訪れた旨等をK学長に伝えるよう依頼した。その後,山口市から電車にて静岡市に向かい,午後9時ころに静岡市内のホテルに ことはできなかったため,同大学秘書室のU氏と面談し,表敬訪問をしに同大学を訪れた旨等をK学長に伝えるよう依頼した。その後,山口市から電車にて静岡市に向かい,午後9時ころに静岡市内のホテルに到着して宿泊した。 d同月15日静岡市から電車にて富士宮市に向かい,富士宮市に所在するACC学園を視察し,同学園の副理事長を務めるV氏や上記T氏と面談した。なお,当初は,富士宮市役所を訪問して富士宮市議会事務局の担当者と面談する予定であったが,先方の都合で直前になって面談することができなくなった。その後,富士宮市から電車にて東京に向かい,東京都内のホテルに宿泊した。 e同月16日東京から飛行機にて函館に帰還した。 (エ)参加人民主・市民ネットは,平成13年11月7日,J議員ら各自に対し,上記出張に要した旅費(交通費,宿泊費及び日当)としてそれぞれ19万4030円を「調査旅費」として政務調査費から支給した(番号6の支出。 )イ上記認定事実によれば,J議員らは,鹿児島市においては,函館市の都市計画や環境行政について検討する上で参考とするために,同市都市計画課の職員等から同市の都市計画や環境行政の内容等について説明を受けたり,埋立処分場を視察するなどし,また,富士宮市では,函館市の国際交流事業の一環として日本語学校の設立を検討する上で参考とするため,ACC学園を視察し,同学園の関係者と面談したというのであり,その目的は函館市政と関連性を有しており,視察の態様も相当であるといえる。 ウ原告らは,J議員らが山口大学を訪問したことについて,明らかに政務調査費の目的外の出張であるから,少なくとも山口大学を訪問したことに伴って増加した調査旅費(1泊分の宿泊費)は目的外支出であって,返還されるべきであると主張する。 そこで検討す ついて,明らかに政務調査費の目的外の出張であるから,少なくとも山口大学を訪問したことに伴って増加した調査旅費(1泊分の宿泊費)は目的外支出であって,返還されるべきであると主張する。 そこで検討するに,証拠(丙A3,証人J)及び弁論の全趣旨によれば,仮に,J議員らが平成13年11月14日に山口大学を訪問せず,鹿児島市から富士宮市へ直接移動したとしても,その移動には長時間を要するため,同日中にACC学園を視察するのに十分な時間を確保することは必ずしも容易ではなく,結局,視察旅行の日程を短縮することは容易ではなかったと推認されるから,以上によれば,鹿児島市及び富士宮市における政務調査を実施するに際して4泊5日の旅行日程を確保することが明らかに合理性がないとか必要性がないとまでいうことはできない。 以上に加えて,K学長が財団法人南北海道学術振興財団の理事長を務めており,はこだて未来大学の設立にも関与するなど,函館市を含む道南地域における教育行政にも大きな影響力を有する者であること,J議員は従前からK学長が構想する大学の創設を実現するための運動に参画し,K学長と度々面会するなどして親交を有していたこと,K学長は世界的に高名な学者でもあり,事前にアポイントを取ったとしても実際に面会することは困難であると推認されることなどを総合考慮すると,山口大学への訪問が政務調査の目的外の行動であるかどうかはともかくとして,J議員らにおいて,鹿児島市及び富士市における政務調査を実施するに際して,長時間を要する両市間の移動の途中に,K学長への表敬訪問のために山口大学に立ち寄るという旅行日程を採用したことは(その際にK学長との面談の実現可能性を格別に考慮しなかったとしても,政務調査を実施する議員の)裁量内の行動であった 学長への表敬訪問のために山口大学に立ち寄るという旅行日程を採用したことは(その際にK学長との面談の実現可能性を格別に考慮しなかったとしても,政務調査を実施する議員の)裁量内の行動であったと評価できる。 ウ以上によれば,J議員らが鹿児島市,山口市及び富士宮市に出張した際に要した旅費は,本件使途基準にいう「調査旅費」に該当するものと認めるのが相当であり,参加人民主・市民ネットがJ議員らに対して上記旅費を政務調査費から支給したことは違法であるとはいえない。 (8)番号7の支出ア証拠(甲6,乙B2の1の1ないし3,丙B1の1,2の1ないし3,証人L)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア)L議員は,平成13年5月21日から同月24日までの間,東京都に出張した。 (イ)L議員は,函館市において観光資源となる博物館等の建設を検討する上で参考とするため,東京都目黒区に所在する寄生虫館を視察することとした。寄生虫館は,民間人によって設立され,現在は財団法人によって運営されている研究機関であり,寄生虫館の建物の1階及び2階の比較的狭い展示室内に寄生虫の実物標本や関連資料等が展示され,無料で一般公開されている。 また,同議員は,函館市の臨海地域の再開発を検討する上で参考とするため,東京都中央区に所在する複合的商業施設であるトリトンスクエアを視察することとした。 (ウ)L議員は,平成13年5月21日は,函館から東京への移動日に費やし,同月22日の午前10時ころから寄生虫館の1階及び2階の展示室を視察して,パンフレット,ガイドブック等を入手したが,寄生虫館の関係者と面談して説明を受けるなどしたことはなかった。同月23日は,トリトンスクエアの設計に関与した株式会社谷内田デザインスタジオの事務所であるデザ フレット,ガイドブック等を入手したが,寄生虫館の関係者と面談して説明を受けるなどしたことはなかった。同月23日は,トリトンスクエアの設計に関与した株式会社谷内田デザインスタジオの事務所であるデザイン研究所を訪問して,同社の代表取締役であるW氏からトリトンスクエアの開発事業の概略等について,,説明を受けるとともに同事業に関する企画書等の資料を入手しその後,。 トリトンスクエアに赴いて現地を視察し同月24日に函館に帰還した(エ)参加人公明党は,平成13年5月10日,L議員に対し,上記出張に要する旅費(交通費,宿泊費及び日当)として合計10万28「」()。 40円を調査旅費として政務調査費から支給した番号7の支出イ上記認定事実によれば,L議員の東京都への出張は,寄生虫館及びトリトンスクエアを視察して,函館市における博物館の建設や臨海再開発事業の検討に役立てることを目的としたものであるところ,確かに,他の都市における様々な博物館や臨海再開発事例を視察することは,函館市の観光行政や臨海再開発事業に関する施策を検討する上で参考となりうるものの,寄生虫館は寄生虫という特異な展示物を収めた博物館であることや,トリトンスクエアが東京都心部に所在する大規模な複合的商業施設であり,東京と函館では経済規模等の諸条件が大きく異なっていることに照らすと,寄生虫館やトリトンスクエアを視察することが,函館市の上記施策を検討する上でどれほど有益といえるのか疑問がないわけではない。 さらに,視察の態様についてみると,L議員は,寄生虫館では館内の展示室を見学してパンフレット等を入手したにすぎず,関係者等から話を聞くことはなかったというのであり,その態様は,客観的に見て,私的な観光旅行に伴う見学と何ら区別することができない(したがって 館内の展示室を見学してパンフレット等を入手したにすぎず,関係者等から話を聞くことはなかったというのであり,その態様は,客観的に見て,私的な観光旅行に伴う見学と何ら区別することができない(したがって,上記視察が,本当に政務調査を目的としたものであるのか否かは,L議員の内心によるしかない。また,L議員の同月22日。)の行程は寄生虫館の視察のみであるところ,上記のとおり認定した寄生虫館の展示室の規模や展示内容に照らし,寄生虫館の展示室の見学にはさほど長時間を要することはないものと認められ,同議員は,同月22日の大部分を東京都内で私用に充てることが可能であったといえる。 これらの事情に加え,L議員が参加人公明党に提出した報告書(甲6)の記載からも,上記視察と函館市の施策との関連性が必ずしも明らかではなく,L議員が上記視察の結果を議員活動に反映させたことを具体的に認めるに足りる証拠もないこと等の事情に照らせば,トリトンスクエアの視察に関しては,その設計に関与したW氏から話を聞くとともに資料を入手していることなどを考慮しても,L議員の上記東京都への視察旅行は,視察目的と函館市政との関連性が薄いためにその必要性に疑問がある上,その態様及び日程において,明らかに政務調査としての合理性を欠いたものであったというほかはない。 ウ以上によれば,L議員が東京都に出張した際に要した旅費は,本件使途基準にいう「調査旅費」には該当しないものというべきであり,参加人公明党がL議員に対して上記旅費を政務調査費から支給したことは違法である。 (9)番号8の支出ア証拠(甲6,乙2,乙B2の3,丙B1の1,証人L)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア)函館市においては,観光及びコンベンションの振興を課題として, (9)番号8の支出ア証拠(甲6,乙2,乙B2の3,丙B1の1,証人L)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア)函館市においては,観光及びコンベンションの振興を課題として,各種大会,会議等を誘致するための施設の整備を推進し,また,芸術文化の振興を課題とし,市民が優れた芸術文化に接する機会や芸術文化活動に参加する機会の拡充等を推進している。 L議員は,大規模なアリーナの管理やイベントの運営について検討する目的で札幌ドームを訪れることとし,また,札幌市で開催されていた日本画家であるM氏の展覧会(以下「M展」という)を視察することとしたが,事前に札幌ドームに連絡を取って。 イベントの開催の有無等を確認することはなかった。 (),,イL議員は平成13年10月20日から同月21日までの間札幌市に出張し,同月20日は,札幌ドームを訪れたところ,イベント等は開催されていなかったものの一般市民向けの施設見学会が行われていたため,これに参加して案内人の説明を受けるなどしたが,札幌ドームの運営管理等に携わる関係者や札幌市の行政担当者等と面談してイベント開催時の運営管理等について説明を受けることはなかった。 翌21日には,M展を視察したが,同展覧会の主催者等と面談して説明を受けることはなかった。 (ウ)参加人公明党は,平成13年10月15日,L議員に対し,上記出張に要する旅費(交通費,宿泊費及び日当)として合計3万64「」()。 80円を調査旅費として政務調査費から支給した番号8の支出,,イ上記認定事実によれば札幌ドーム及びM展を視察することは函館市においてコンベンション振興や芸術文化の振興等が課題とされていたことに照らすと,市政と関連性を有するといえなくもない。 しかし,L 上記認定事実によれば札幌ドーム及びM展を視察することは函館市においてコンベンション振興や芸術文化の振興等が課題とされていたことに照らすと,市政と関連性を有するといえなくもない。 しかし,L議員は,札幌市まで1泊2日で出張して,札幌ドームにおいては,一般市民向けの施設見学会に参加したにすぎず,M展についても単に見学したのみであり,札幌ドームの関係者,展覧会の主催者,札幌市の行政担当者等と事前に連絡を取った上,面談して説明を受けるなどしたことはなく,その視察の態様は,客観的に見て,私的な観光旅行と何ら区別することができない(したがって,上記視察が,本当に政務調査を目的としたものであるのか否かは,L議員の内心によるしかない。これに加え,L議員が参加人公明党に提出した。)報告書(甲6)の記載からも,上記視察と函館市の施策との関連性が必ずしも明らかではないこと,L議員が上記視察の結果を議員活動に反映させたことを具体的に認めるに足りる証拠はないこと等の事情に照らすと,L議員の上記札幌市への視察旅行は,視察目的と函館市政との関連性にやや疑問がある上,その態様において,明らかに政務調査としての合理性を欠くものであったというべきである。 ウ以上によれば,L議員が札幌ドーム及びM展を視察するために札幌市に出張した際に要した旅費は,本件使途基準にいう「調査旅費」には該当しないものというべきであり,参加人公明党がL議員に対して上記旅費を政務調査費から支給したことは違法である。 (10)番号9,10の支出ア証拠(甲6,乙2,乙B2の4,丙B1の1・2,3の1ないし4,証人L)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア)函館市は,魅力ある都市空間の創出を図るため,都市景観の形成や都市デザイン政策を推 ,乙B2の4,丙B1の1・2,3の1ないし4,証人L)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア)函館市は,魅力ある都市空間の創出を図るため,都市景観の形成や都市デザイン政策を推進していたところ,L議員は,平成14年1月20日から同月21日までの間,札幌市に出張し,北海道大学「遠友学舎」において開催され,20世紀を代表するフランスの建築家であるNが設計した住宅の模型を展示した展覧会であるN展を視察したが,同展覧会の主催者等と面談して説明を受けることはなかった。 (イ)参加人公明党は,平成14年1月18日,L議員に対し,上記出張に要する旅費(交通費,宿泊費及び日当)として合計3万6480円を「調査旅費」として政務調査費から支給した(番号9の支出。 )(ウ)また,同議員は,N展の会場において「Nの全住,宅」と題する書籍(以下「本件書籍」という)を購入し,参加人公明。 党はL議員に対し,その購入費用として3500円を政務調査費から支給したが(番号10の支出,その際の支出伝票の「摘要(品)名」欄には「入場料,政務調査費の使途区分欄には「調査旅費,支)」」払年月日欄には「平成14年1月18日」という事実と異なる記載がされた。 イ上記認定事実によれば,N展を視察することは,函館市において都市景観の形成や都市デザイン政策の推進が課題とされていたことに照らすと,市政と関連性を有するといえなくもない。 しかし,L議員は,札幌市まで1泊2日で出張して,単にN展を見学したにすぎず,同展の主催者等と面談して説明を受けるなどしたことはなく,その視察の態様は,客観的に見て,私的な観光旅行と何ら区別することができない(したがって,上記視察が,本当に政務調査を目的としたものであるのか否かは,L 面談して説明を受けるなどしたことはなく,その視察の態様は,客観的に見て,私的な観光旅行と何ら区別することができない(したがって,上記視察が,本当に政務調査を目的としたものであるのか否かは,L議員の内心によるしかない。これに加え,L議員が参加人公明党に提出した報告書(甲。)),,6の記載からは上記視察と函館市の施策との関連性が不明であることL議員が上記視察の結果を議員活動に反映させたことを具体的に認めるに足りる証拠もないこと等の事情に照らすと,L議員の上,,記札幌への視察旅行はその視察目的と函館市政との関連性が薄いためにその必要性に疑問がある上,その態様に照らして,明らかに政務調査としての合理性を欠いたものであったというべきである。 以上によれば,L議員がN展を視察するために札幌市に出張した際に要した旅費は,本件使途基準にいう「調査旅費」には該当しないものというべきであり,参加人公明党がL議員に対して上記旅費を政務調査費から支給したことは違法である。 ウこれに対し,L議員がN展の会場において購入した本件書籍は,その題名等に照らし,Nが設計した住宅に関する書籍であると認められ,函館市の都市景観の形成,都市デザイン等に関する行政施策を遂行する上で参考となりうる資料であるといえる。そして,本件書籍の価格等に照らし,本件書籍を購入することが政務調査費の支出として不合理,不必要であるということはできない。 よって,本件書籍の購入費は本件使途基準にいう「資料購入費」に該当するものというべきであり,参加人公明党がL議員に対して,上記費用を政務調査費から支給したことは違法であるとはいえない。なお,上記支出に係る支出伝票の「摘要(支出」欄,使途区分欄,支払年月日)欄に事実と異なる誤った記載が 人公明党がL議員に対して,上記費用を政務調査費から支給したことは違法であるとはいえない。なお,上記支出に係る支出伝票の「摘要(支出」欄,使途区分欄,支払年月日)欄に事実と異なる誤った記載がされたことは,上記判断を左右しない。 (11)番号11の支出ア証拠(甲6,乙B3の4,丙B1の1・3,証人L)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア)O氏(以下「O氏」という)は,函館市出身の作。 曲家であり「はこだて賛歌」と題する作品を作曲するなどして函館市,とも関わりが深く,函館市においてフルートによる街作りを提唱し,フルートの講習会を定期的に開催したことがあった。 (イ)平成14年3月3日,函館市芸術ホールにおいて,財団法人函館市文化・スポーツ振興財団などの主催,函館市などの後援による「Oの多彩な音楽世界Ⅰ」と題するO氏の作曲に係る作品の演奏。 ,,,会が開催されたL議員は上記演奏会を鑑賞したがその際音楽を函館市の街作りにどのように活かしていくか等を検討する上で参考とするため,O氏の作曲に係る作品が収録されたCDや,同氏と関係の深い演奏家が演奏した作品が収録されたCD等合計14点を購入し,その費用として合計4万4700円を支出した。 (ウ)参加人公明党は,平成14年3月3日,L議員に対し,上記CDの購入費用合計4万4700円を「資料購入費」として政務調査費から支給した(番号11の支出。 ),,イ上記認定のとおりO氏は函館市と関わりの深い作曲家であり過去に函館市内において函館市の後援によるO氏の作品の演奏会が開催されていることに加え,前記(9)ア(ア)のとおり,函館市においては,芸術文化の振興を政策課題とし,市民が優れた芸術文化に接する機会や芸術文化活動に参加す 市の後援によるO氏の作品の演奏会が開催されていることに加え,前記(9)ア(ア)のとおり,函館市においては,芸術文化の振興を政策課題とし,市民が優れた芸術文化に接する機会や芸術文化活動に参加する機会の拡充等を推進していることにかんがみると,同氏が作曲した作品を聴いて,その音楽性等について理解を深めることは,函館市における芸術文化の振興等に関する施策を遂行する上で有益であるといえる。そして,同氏が作曲した作品等を聴くために,その作品等が収録されたCDを購入したことは,その購入枚数,費用等に照らし,その合理性,必要性を肯定できる。 ウしたがって,上記14点のCDの購入費用は本件使途基準にいう「資料購入費」に該当するものと認めるのが相当であり,参加人公明党がL議員に対して,上記費用を政務調査費から支給したことは違法であるとはいえない。 (12)番号12の支出ア証拠(甲7,乙C1の1・2,3)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア)社団法人全日本司厨士協会函館支部(以下「司厨士協会」という)。 は,函館市内の西洋料理や中華料理の調理師によって組織される団体であり,輸入食材の安全性,地場食材を活かした料理の創意工夫等を研究し,函館市の後援を受けて料理講習会や料理コンクールを開催するなどして,函館市民の食生活の向上に寄与している。 (イ)P議員は,平成13年4月13日,司厨士協会から案内を受けて,同協会が主催しホテル函館ロイヤルにおいて開催された「総会並びに食の祭典(以下「食の祭典」という)に出席し,その会費と」。 。 ,,して1万円を支出した食の祭典には他に同協会北海道地方本部会長在札幌カナダ領事,函館市保健所長等が参加して,主にカナダの食材を,,,,,活用した料理の発表表彰試食懇談等が行 ,,して1万円を支出した食の祭典には他に同協会北海道地方本部会長在札幌カナダ領事,函館市保健所長等が参加して,主にカナダの食材を,,,,,活用した料理の発表表彰試食懇談等が行われP議員は上記北海道地方本部会長から学校給食の在り方等について意見を聴取するなど,主催者や参加者との間で函館市民の食生活,食文化等に関し意見を交換した。 (ウ)市政クラブは,平成13年4月13日,P議員に対し,食の祭典の会費1万円を「研究研修費」として政務調査費から支給した(番号12の支出。 )イ上記のとおり認定した食の祭典の内容,主催者である司厨士協会の活動内容等に照らせば,食の祭典に出席し,料理の試食をしたり主催者や他の参加者との間で懇談することは,函館市民の食生活を通じた健康作りや函館市の食文化等に関する行政施策を遂行する上で有益であるといえる。また,その会費は1万円であって,不相当に高額であるとはいえない。 ウしたがって,P議員が出席した食の祭典は,本件使途基準にいう「他の団体が開催する研究会,研修会等」に該当し,その際の会費は,「研究研修費」に該当するものと認めるのが相当である。よって,市政クラブがP議員に対して,上記会費を政務調査費から支給したことは違法であるとはいえない。 (13)番号13の支出ア証拠(甲7,乙2,乙C2の1の1・2,4,丙C1ないし3,証人甲)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア)参加人甲は,平成13年4月30日から同年5月2日までの間,東京都に出張した。 (イ)上記出張の目的等a函館市においては,市内各地区の商店街の整備,活性化等が政策課題とされ,参加人甲は上記課題に従前から取り組み,市議会において質疑を行うなどしていたところ,東京都品川区に所在す 記出張の目的等a函館市においては,市内各地区の商店街の整備,活性化等が政策課題とされ,参加人甲は上記課題に従前から取り組み,市議会において質疑を行うなどしていたところ,東京都品川区に所在する戸越銀座商店街は,函館市と同様に,車社会化の影響や他に大きな商店街等の存在により集客力が低下した中で,戸越ブランド商品の開発,スタンプカードシステムの採用,休日の全店開業等で活性化に成功していることを知り,同商店街を視察することとした。 b平成13年当時,函館港に係留されていた摩周丸は,入場者数が減,,少しいわゆる第三セクター方式の運営会社は経営危機に瀕しており摩周丸の保存及び活用が政策課題とされていたことから,参加人甲は,摩周丸の運営方法や展示内容について検討する上で参考とするため,東京都品川区に所在する「船の科学館」において展示されている羊蹄丸を視察することとした。 (ウ)上記出張の行程及び内容a4月30日函館空港午後2時40分発の飛行機にて出発し,午後4時ころに羽田空港に到着し,JR蒲田駅近くのホテルに宿泊した。 b5月1日午前10時ころにホテルを出発し,午前11時ころから午後3時30分ころまでの間,戸越銀座商店街を徒歩で視察し,商店主や買物客から,同商店街における営業の実態や活性化策,問題点等(具体的には,同商店街は3つの組合により構成されていること,各組合が独自にイベントを開催したりポイントカード等を発行しているほか,3組合共通のイベントも開催していること,休日における開店や戸越ブランドの商品の開発により,商店街の活性化を図っていること,問題点として,往来人数の減少化への対策,大型スーパーや大型電気店等がなく集客力に劣ること,商店主の高齢化と後継者問題等が指摘されて),,いることなどを聴取し実際に戸越ブラ を図っていること,問題点として,往来人数の減少化への対策,大型スーパーや大型電気店等がなく集客力に劣ること,商店主の高齢化と後継者問題等が指摘されて),,いることなどを聴取し実際に戸越ブランドの商品を購入したほか同商店街の中に設けられた休憩所内を見聞するなどした。 c5月2日午前10時ころにホテルを出発して「船の科学館」に赴き,同館の見学施設である羊蹄丸の保存状況や展示内容等を視察したが,同館の関係者と面談して説明を受けるなどしたことはなかった。その後,午後2時ころに同所を出発して羽田空港に向かい,午後4時40分発の飛行機にて函館に帰還した。 (エ)市政クラブは,平成13年4月24日,参加人甲に対し,上記出張に要する旅費(交通費,宿泊費及び日当)として合計8万504「」()。 0円を調査旅費として政務調査費から支給した番号13の支出イ上記認定事実によれば,参加人甲の東京都への出張は,戸越銀「」座商店街を視察して商店街の活性化策等を調査すること及び船の科学館に展示されている羊蹄丸を視察することを目的とするものであり,当時,函館市においては市内各地区の商店街の活性化,摩周丸の保存,活用等が政策課題とされていたことに照らせば,その目的は函館市政と関連性を有するものといえる。 ところで,参加人甲は「船の科学館」の関係者等と面談して,説明を受けるなどしたことはないため「船の科学館」については,客観,的に見て,私的な観光旅行と何ら区別することができないのであって,この意味で,政務調査費を利用した視察旅行としては,その態様において合理性を欠くものであることは否定できない。 しかしながら,参加人甲は,戸越銀座商店街においては,商店主や買物客から同商店街における営業の実態や活性化策,問題点等を具体的に は,その態様において合理性を欠くものであることは否定できない。 しかしながら,参加人甲は,戸越銀座商店街においては,商店主や買物客から同商店街における営業の実態や活性化策,問題点等を具体的に聴取するなどしたものであること「船の科学館」においては,現に,函館にも同様の展示物が存在している羊蹄丸の保存状況や展示内容等を視察したものであって,その目的は函館市政と強い関連性を有するものと認められるから,以上を総合すれば,確かに「船の科学館」における視察,態様は合理性を欠くものであったとはいうものの,視察旅行を全体として見れば,その態様が明らかに必要性,合理性を欠くものであるとまでいうことはできない。 ,,ウ以上によれば参加人甲が東京都に出張した際に要した旅費は「」。 本件使途基準にいう調査旅費に該当するものと認めるのが相当であるしたがって,市政クラブが参加人甲に対して,上記旅費を政務調査費から支給したことは違法であるとはいえない。 (14)番号14の支出ア証拠(甲8,乙2,乙D2の2の1・2,4,丙C4ないし13,参加人甲)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (),,ア参加人甲は平成13年9月22日から同月24日までの間釧路市及び旭川市に出張した。 (イ)上記出張の目的等a函館の漁業においては,漁獲したイカ等の水産物の鮮度を保つため,,の運搬や畜養の方策が課題となっていたところ参加人甲は釧路港のサンマ漁においては,漁船に滅菌や冷却用の機械を装備して獲ったサンマの鮮度を保持している事例があることを知り,函館の漁業における上記課題の解決に役立てるため,上記サンマ漁を視察することとしたが,事前にサンマ漁の関係者に連絡を取って視察日における出漁の有無等について確認することはし る事例があることを知り,函館の漁業における上記課題の解決に役立てるため,上記サンマ漁を視察することとしたが,事前にサンマ漁の関係者に連絡を取って視察日における出漁の有無等について確認することはしなかった。 bまた,参加人甲は,函館市の観光産業の振興策を検討する上で,同様に観光産業の振興に取り組んでいる旭川市における観光産業の現状を視察することとした。 cさらに,当時,函館市においては,空港施設の整備拡充,航空路線の拡充と運行の充実等が課題とされていたところ,参加人甲は,釧路市及び旭川市への出張に飛行機を利用することにより,函館と釧路及び旭川との間の路線の利用状況や利便性を調査することとした。 (ウ)上記出張の行程及び内容a9月22日函館空港午後2時15分発の飛行機にて出発し,午後3時25分ころに釧路空港に到着し,釧路市内に向かい,JR釧路駅近くのホテルに宿泊した。 b9月23日釧路漁港を訪れたが,サンマ漁は生産調整のため休漁しており,調査することはできなかったため,代わりに,釧路市内の観光施設である「MOO」や「和商市場」を視察したものの,これらの施設の関係者と面談して説明を受けることはなかった。その後,釧路空港午後5時05分発の飛行機で旭川へ向かい,午後5時50分に到着し,旭川市内のホテルに宿泊した。 c9月24日旭川市内の路線バスに乗車して,同バスの沿線に所在する旭山動物園,旭川市工芸センター,あさひかわラーメン村等の観光施設を視察したが,各施設の関係者や旭川市の行政担当者と面談して話を聞くことはなかった。その後,旭川空港午後6時10分発の飛行機で函館に帰還した。 (エ)新政21は,平成13年9月27日,参加人甲に対し,上記出張に要した旅費(交通費,宿泊費及び日当)として合計7万7760円を「調査旅 ,旭川空港午後6時10分発の飛行機で函館に帰還した。 (エ)新政21は,平成13年9月27日,参加人甲に対し,上記出張に要した旅費(交通費,宿泊費及び日当)として合計7万7760円を「調査旅費」として政務調査費から支給した(番号14の支出。 )イ上記認定事実によれば,参加人甲の釧路市及び旭川市への出張は,サンマ漁の視察,旭川市における観光産業の現状の視察,函館と釧路及び旭川との間の航空路線の利用状況や利便性の調査を目的とするものであり,当時,函館市においては漁獲した水産物の鮮度を保つための運搬や畜養の方策や航空路線の拡充,運行の充実等が課題とされていたこと等に照らせば,その目的は函館市政と関連性を有するといえなくもない。 しかし,参加人甲は,事前に釧路漁港のサンマ漁の関係者と連絡を取って出漁の有無について確認する等の準備をしなかった結果,視察当日は,休漁のためサンマ漁の視察という目的を果たすことができなかったというのであり,極めてずさんな調査であるというほかない。そして,参加人甲は,釧路市においては,サンマ漁の調査の代わりに「MOO」や「和商市場」といった観光施設を見学し,旭川市においても,旭山動物園,旭川市工芸センター,あさひかわラーメン村等の観光施設を見学したにすぎず,各施設の関係者や行政担当者から話を聞くことはなかったというのであり,その視察の態様は,客観的に見て,私的な観光旅行と何ら区別することができない(したがって,上記視察が,本当に政務調査を目的としたものであるのか否かは,参加人甲の内心によるしかない。また,航空路線の利用状況等の調査についても,単に釧路市及。)び旭川市への出張に航空路線を利用したというにすぎず,関係資料を入手して検討したり航空会社や空港の担当者等と面談して話を聞くなどした事 。また,航空路線の利用状況等の調査についても,単に釧路市及。)び旭川市への出張に航空路線を利用したというにすぎず,関係資料を入手して検討したり航空会社や空港の担当者等と面談して話を聞くなどした事実はうかがわれないのであり,調査の実質が伴っていたとは到底いうことができない。これらの事情に加え,参加人甲が新政21に提出した報告書(甲8)の記載からも,上記出張が合理的な内容を伴っていたとは認めるに足りないこと,参加人甲が上記出張の結果を議員活動に反映させたことを具体的に認めるに足りる証拠もないこと等の事情に照らすと,参加人甲の釧路市及び旭川市への視察旅行は,その視察目的はともかくとして,その態様において,明らかに合理性を欠いたものというべきである。 ウ以上によれば,参加人甲が釧路市及び旭川市に出張した際に要した旅費は,本件使途基準にいう「調査旅費」には該当しないものというべきであり,新政21が参加人甲に対して,上記旅費を政務調査費から支給したことは違法である。 (15)番号15,16の支出ア証拠(甲9,乙2,乙E1,2)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア)函館市では,水族館等の観光施設の整備,港湾の整備等が課題とされていたところ,Q議員は,同じ会派である新緑クラブに所属していたX議員,Y議員及びZ議員(以下,上記4名を併せて「Q議員ら」という)とともに,平成13年。 8月22日から同月24日までの間,水族館「アクアマリンふくしま」(以下「本件水族館」という)及び博覧会「うつくしま未来博(以。 」下「本件博覧会」という)の視察を主たる目的として,福島県いわき。 市及び須賀川市に出張した。 (イ)Q議員らは,いわき市においては,福島県が設置し財団法人において運営管理 ま未来博(以。 」下「本件博覧会」という)の視察を主たる目的として,福島県いわき。 市及び須賀川市に出張した。 (イ)Q議員らは,いわき市においては,福島県が設置し財団法人において運営管理している本件水族館を視察して,同館の副館長等の関係者から説明を受けるなどしたほか,本件水族館に隣接している小名浜三崎公園内に小名浜港を眺望することができる展望台「マリンタワー」(「」。),,以下本件展望台というがあることから同展望台に入場して小名浜港の港湾整備状況等を視察した。また,須賀川市においては,観光振興,地域の活性化,インフラ整備,自然保護等の観点から,同市内で福島県が主体となって開催された本件博覧会等を視察し,その後,須賀川市役所を訪問して同市長と意見交換を行うなどした。 (ウ)新緑クラブは,Q議員に対し,平成13年8月21日,上記出張に要する旅費(交通費,宿泊費及び日当)として合計7万7800円を「調査旅費」として政務調査費から支給するとともに,同月23日付けで,本件展望台の入場料1280円(他の3名の議員と合わせて4名分の合計額)及び本件博覧会の入場料1万2000円(上記と同様に4名分の合計額)を「研究研修費」として政務調査費から支給した(番号15及び16の支出。なお,他の3名の議員は,個人行政視察とし)て上記出張に参加し,旅費等の支給を受けた。 イ上記認定事実によれば,Q議員らは,本件水族館及び本件博物館の視察を主たる目的として福島県いわき市及び須賀川市へ出張し,本件水族館の近隣に所在する本件展望台には小名浜港の港湾整備状況等の視察を目的として入場したというのであり,函館市において水族館等の観光施設の整備や港湾の整備が課題とされていたことに照らせば,その目的は函館市政と関連性を有するといえる。 小名浜港の港湾整備状況等の視察を目的として入場したというのであり,函館市において水族館等の観光施設の整備や港湾の整備が課題とされていたことに照らせば,その目的は函館市政と関連性を有するといえる。 また,Q議員らは,いわき市においては,本件水族館を視察して関係者から説明を受け,隣接する公園内の本件展望台から小名浜港を視察するなどし,須賀川市においても本件博覧会を視察したほか,須賀川市役所を訪問して同市長と面談したというのであり,その視察の態様は上記目的に沿った合理性があるものといえる。 ウ以上によれば,Q議員らが福島県いわき市及び須賀川市へ出張した際に要した旅費並びに視察先である本件展望台及び本件博覧会の入場料は,いずれも本件使途基準にいう「調査旅費」に該当するものと認めるのが相当であり,新緑クラブがQ議員に対し,Q議員分と自身の会派に属する3名の議員分の上記入場料を政務調査費から支給したことは違法であるとはいえない。 ,,,なお上記認定事実によれば本件展望台及び本件博覧会の各入場料は会派ないし他の団体が開催する研究会,研修会等とはいえないから,本件使途基準にいう「研究研修費」には当たらないが,上記のとおり「調査旅費」に該当する以上,新緑クラブが上記入場料を「研究研修費」として支出したことは上記判断を左右するものではない。 (16)番号17,18の支出ア証拠(甲12,乙2,乙G1の1,4)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア)函館市においては,カナダのハリファックス市,オーストラリアのレイク・マコーリー市,ロシアのウラジオストク市及びユジノサハリンスク市と姉妹都市の提携をし,中国の天津市とも友好都市の関係にあり,これらの姉妹都市等との交流の推進,国際会議等の誘致等を政策課題としている。 ーリー市,ロシアのウラジオストク市及びユジノサハリンスク市と姉妹都市の提携をし,中国の天津市とも友好都市の関係にあり,これらの姉妹都市等との交流の推進,国際会議等の誘致等を政策課題としている。 (イ)A議員は,英会話の習得に役立てるため,株式会社エスプリラインが制作した英会話教材「英語スピードラーニング」を購入し,平,,,成13年5月11日その代金6万0480円を支出し市民クラブは同日,A議員に対し,上記購入費用6万0480円を「研究研修費」として政務調査費から支給した(番号17の支出。また,同議)員は,平成13年5月6日,上記教材を利用するためのCDプレーヤーを購入し,その代金1万0290円を支出し,市民クラブは,同日,A議員に対し,上記購入費用1万0290円を「研究研修費」として政務調査費から支給した(番号18の支出。 )(ウ)A議員は,平成14年ころ,天津空港から函館空港への国際便乗り入れを要請することなどを目的として中国の天津市及び北京市を訪問した際,中国側の担当職員と英語で会話をし,交流を深めたことがあった。 イ上記認定のとおり市民クラブは,A議員が購入した英会話教材及びCDプレーヤーの購入費用を「研究研修費」として支出しているところ,本件使途基準にいう「研究研修費」とは,会派が行う研究会及び研修会の実施に要する経費並びに他の団体が開催する研究会,研修会等への参加に要する経費であるから,上記購入費用は「研究研修費」には該当しないというべきである。 ウそこで,上記購入費用の支出が,本件使途基準にいう「資料購入費」に該当するか否かを検討するなお上記購入費用が本件使途基準にいう調(,「査旅費「資料作成費「広報広聴費「事務費」のいずれにも該当し」,」,」,ないことは明らかである。 資料購入費」に該当するか否かを検討するなお上記購入費用が本件使途基準にいう調(,「査旅費「資料作成費「広報広聴費「事務費」のいずれにも該当し」,」,」,ないことは明らかである。 )上記アの認定事実によれば,函館市においては,複数の外国の姉妹都市等との間で交流の推進を図っており,市議会議員がこれらの姉妹都市等の行政担当者等と意見を交換したり,上記姉妹都市等やその他の外国の先進地を調査する目的で海外に出張することがあるものと認められるから,このような議員活動を遂行する上で議員が自らの英会話の能力を向上させることは有益であるといえる。 しかしながら,個々の議員の英会話能力の向上は,それ自体が函館市における施策の内容になっているわけではなく,英会話能力が向上すれば,外国の姉妹都市の担当者等との意思疎通が円滑となり,これが具体的な施策の遂行の一助になるというに過ぎないものであって,その意味で,議員の英会話能力の向上は,函館市の施策との関係では間接的なものに止まるものといわざるを得ないから,英会話能力の向上という目的と函館市政との関連性は薄いものと評価せざるを得ない。 また,本件使途基準における「資料購入費」とは「調査研究に必要な,図書,資料等」を購入する費用を指すところ,A議員が購入した英会話教材及びそれを利用するためのCDプレーヤーは「調査研究に必,,」,,要な図書資料等というよりは当該議員個人の資質能力の向上を図り「調査研究」に役立てるための道具であって「調査研究に必要な図書,,資料等」には該当しないと解するのが相当である。 加えて,一般的に,英会話能力が向上することは一私人としても有益なことがらであって,学習によって身に付いた英会話は,議員活動のみならず私生活の分野でも活用されることになることが明 るのが相当である。 加えて,一般的に,英会話能力が向上することは一私人としても有益なことがらであって,学習によって身に付いた英会話は,議員活動のみならず私生活の分野でも活用されることになることが明らかであるから,そのような能力を身につけるための道具の購入費を政務調査費から支出することは,社会常識的にいっても疑問が残る。 以上検討したところを総合すれば,上記英会話教材及びCDプレーヤーの購入費用は,購入目的において函館市政との関連性が薄い上に,政務調査費の支出として明らかに合理性を欠くものというべきであって,本件使途基準にいう「資料購入費」として認めることはできない。 エよって,市民クラブがA議員に対し上記購入費用を政務調査費から支給したことは,本件使途基準に反し,違法であるとするのが相当である。 結論 以上の次第であって,参加人公明党による番号7ないし9の各支出,新政21による番号14の支出及び市民クラブによる番号17及び18の各支出は,いずれも本件使途基準に反し違法であるから,参加人公明党は,番号7ないし9の各支出に係る支出金額合計17万5800円を,新政21は,番号14の支出に係る支出金額7万7760円を,市民クラブは番号17及び18の各支出に係る支出金額合計7万0770円を,それぞれ函館市に対し返還すべき義務を負う。 したがって,原告らの請求は,被告に対し,参加人公明党に17万5800円及びその遅延損害金を,新政21に7万7760円及びその遅延損害金を,市民クラブに7万0770円及びその遅延損害金を,それぞれ請求することを求める限度で理由があるからこれを認容し,その余の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 函館地方裁判所民事部裁判長裁判官大久保正道裁判官柵木澄 る限度で理由があるからこれを認容し,その余の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 函館地方裁判所民事部裁判長裁判官大久保正道裁判官柵木澄子裁判官寺尾亮
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