昭和27(あ)6363 麻薬取締法違反

裁判年月日・裁判所
昭和29年7月16日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      本件を東京高等裁判所に差し戻す。          理    由  東京高等検察庁検事長佐藤博の上告趣意は、末尾添付の別紙書面記載のとおりで ある

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判決文本文1,261 文字)

主文 原判決を破棄する。 本件を東京高等裁判所に差し戻す。 理由 東京高等検察庁検事長佐藤博の上告趣意は、末尾添付の別紙書面記載のとおりである。 論旨は、原判決において、病院の麻薬管理者が当該病院で施用するため交付した麻薬が、正規の届出のないいわゆる未報告の麻薬であるときは、麻薬取締法(昭和二八年法律一四号により廃止されたもの、以下旧麻薬取締法という)一四条一項の帳簿にその麻薬の品名、数量及び交付の年月日を記入しなくても、同法五九条所定の罪責を問わるべきものではないと解するのが相当である、と判示したことは、所論掲記の各判例に違反する判断をしたものであると主張する。 よつて案ずるに、旧麻薬取締法一四条一項が、麻薬取扱者に対しその取り扱つた麻薬の品名及び数量、取扱年月日等を所定の帳簿に記入することを命ずる理由は、麻薬取扱者による麻薬処理の実状を明確にしようとするにあるのであるから、いやしくも麻薬取扱者として麻薬を取扱つた以上は、たとえその麻薬が正規の手続を経ていないものであつても、右帳簿記入の義務を免れないものと解するのが相当である。原判決は、正規の手続を経ていない麻薬の取扱に関する事実を帳簿に記入することは、その違反行為の発覚の端緒となるものであつて、麻薬取扱者といえどもこれを期待することが不可能であるから、かかる事実を帳簿に記入しなくても、当該義務違反の罪を構成しない旨判示する。しかし麻薬取扱者たることを自ら申請して免許された者は、そのことによつて当然麻薬取締法規による厳重な監査を受け、その命ずる一切の制限または義務に服することを受諾しているものというべきである。 されば、麻薬取扱者として麻薬を処理した以上、たとえその麻薬が取締法規に触れ- 1 -るものであつても、これを記帳せし の命ずる一切の制限または義務に服することを受諾しているものというべきである。 されば、麻薬取扱者として麻薬を処理した以上、たとえその麻薬が取締法規に触れ- 1 -るものであつても、これを記帳せしめられることを避けることはできないのみならず、取締上の要請からいつても、かかる場合記帳の義務がないと解すべき理由は認められない。また麻薬取扱者はかかる場合、別に麻薬処理の点につき取締法規違反により処罰されるからといつて、その記帳義務違反の罪の成立を認める妨げとなるものではないことはいうまでもない。そして、叙上の見解は所論引用の当裁判所判決及び札幌高等裁判所判決と結局その趣旨を同じくするものであり、従つてこれと異る見解の下に右記帳義務違反の点を無罪とした原判決は、右判例と相反する判断をしたことに帰するものということができる。 よつて、その他の論旨につき判断するまでもなく、刑訴四一〇条四一三条により、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 本件公判には検察官平出禾が出席した。 昭和二九年七月一六日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官霜山精一裁判官栗山茂裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎裁判官谷村唯一郎- 2 -

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