平成26年5月23日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成24年(ワ)第19272号ドメイン名使用差止等請求事件口頭弁論終結日平成26年3月7日判決千葉県流山市<以下略>原告特定非営利活動法人日本モーゲージプランナーズ協会訴訟代理人弁護士菊地陽介東京都文京区<以下略>被告特定非営利活動法人日本資産証券化センター東京都文京区<以下略>被告一般社団法人日本住宅ローン診断士協会被告ら訴訟代理人弁護士渡邉智宏同三浦恵介 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は,原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求の趣旨 1 被告らは,「(略)」のドメイン名を使用してはならない。 2 被告特定非営利活動法人日本資産証券化センター( 事実及び理由 第1 請求の趣旨 1 被告らは,「(略)」のドメイン名を使用してはならない。 2 被告特定非営利活動法人日本資産証券化センター(以下「被告センター」という。)は,社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター平成18年12月8日受付の登録ドメイン名「(略)」の抹消登録手続をせよ。 3 被告一般社団法人日本住宅ローン診断士協会(以下「被告協会」という。) - 2 -は,「住宅ローン診断士補(MPフェロー)検定試験」を実施してはならず,かつ,その講座を開講する告知をしてはならない。 4 訴訟費用は,被告らの負担とする。 5 仮執行宣言第2 事案の概要本件は,住宅ローン契約の締結に際し中立公正な立場から提案等を行う原告認定の資格であると主張するモーゲージプランナーの養成,認証等を行うとする原告が,(1)被告センターが社団法人日本ネットワークインフォメーションセンターから登録を受け,被告協会及び被告センターが使用するドメイン名「(略)」(以下「本件ドメイン名」という。)は,原告の特定商品等表示である「JMPA」ないし「JAMP」と同一若しくは類似であり,かつ,被告らはこれを不正の利益を得る目的で保有,使用し,これにより原告の営業上の利益が侵害されていると主張して,不正競争防止法(以下「不競法」という。)2条1項12号,3条1項,2項に基づき,被告らに対して本件ドメイン名の使用差止め,被告センターに対しては本件ドメイン名の抹消登録手続をすることを(請求の趣旨1項,2項),(2)「MP」と「モーゲージプランナー(MortgagePlanner)」は,いずれも原告の著名ないし周知な表品等表示に当たるとして,これと同様の表示を使用して,原告 を(請求の趣旨1項,2項),(2)「MP」と「モーゲージプランナー(MortgagePlanner)」は,いずれも原告の著名ないし周知な表品等表示に当たるとして,これと同様の表示を使用して,原告が認定するモーゲージプランナーの資格と同様の資格試験である「住宅ローン診断士補(MPフェロー)検定試験」と称する試験(以下「被告検定試験」という。)を行い,その講座を開講する被告協会に対し,不競法3条1項,2項と,主位的に同法2条1項2号,予備的に同項1号に基づき,被告検定試験の実施及び講座開講の告知の差止めを(請求の趣旨3項),それぞれ求めた事案である。 1 前提となる事実(証拠の摘示がない事実は当事者間に争いがない。)(1) 当事者原告は,平成20年8月21日に設立された,住宅ローン契約の締結に際 - 3 -し中立公正な立場から提案等を行うモーゲージプランナーの養成,認証等を目的等に掲げる特定非営利活動法人である。〔甲1〕被告センターは,平成15年12月19日に設立された,住宅ローン,不動産及び知的財産など資産の証券化に関する調査研究を行い,その研究に関する成果について啓蒙普及活動事業を行うこと等を目的等に掲げる特定非営利活動法人である。〔甲2〕被告協会は,平成24年5月18日に設立され,生活者の住宅ローン相談に際して中立公正な立場から提案し,あっせん業務を行う住宅ローン診断士やモーゲージプランナーを養成・認証・登録すること等を目的等に掲げる一般社団法人である。〔甲3〕(2) 原告の行う事業等原告は,モーゲージプランナー養成講座,同資格認定試験や,認定後のモーゲージプランナー向けの実務技術養成セミナー等の公演活動の事業(これら原告の行う事業を総称して,以下「原 う事業等原告は,モーゲージプランナー養成講座,同資格認定試験や,認定後のモーゲージプランナー向けの実務技術養成セミナー等の公演活動の事業(これら原告の行う事業を総称して,以下「原告事業」という場合がある。)を行っている。〔弁論の全趣旨〕原告及び被告らのいうモーゲージプランナー(MortgagePlanner)とは,アメリカ合衆国における「MortgageBrokers(モーゲージブローカー)」を我が国に導入することを主眼とするものである。モーゲージプランナー自体は,少なくとも,住宅ローン分野の専門家として住宅ローンを利用する消費者の保護という観点から最も有益な提案を行うことを目的とするものである(なお,上記「モーゲージプランナー」の行う業務に,住宅ローンのあっせん業務が含まれるかにつき,これを含まないとする原告と,含むとする被告らとの間に対立がある。)。 (3) 被告センターの設立と本件ドメイン名取得の経緯等ア平成15年12月19日に,被告センターの代表者理事A(以下「A」という。)を中心として,前記(1)のとおり被告センターが設立さ - 4 -れた。また,それまでにも既に存した住宅ローンアドバイザーにおけるコンサルタント業務にとどまらず,住宅ローンのあっせんまでできる資格としてのモーゲージプランナーを養成し,認証すべきであるとのAの構想のもと,平成18年7月には,任意団体である訴外日本モーゲージプランナーズ協会(英文表示は「JapanMortgagePlannersAssociation」。以下「MP協会」という。)が,主たる事務所を当時の被告センターの主たる事務所の置かれた東京都文京区<以下略>に置いて設立された。MP協会の目的には,住宅ローン契約の締結に際し,中立公 ation」。以下「MP協会」という。)が,主たる事務所を当時の被告センターの主たる事務所の置かれた東京都文京区<以下略>に置いて設立された。MP協会の目的には,住宅ローン契約の締結に際し,中立公正な立場から提案並びにあっせんを行うモーゲージプランナーを養成・認証すること等が掲げられている。〔乙33〕イ被告センターは,社団法人日本ネットワークインフォメーションセンターに本件ドメイン名である「(略)」の登録を申請し,平成18年12月8日に登録がされて,被告センターは本件ドメイン名を取得した。 〔甲8〕ウ被告センターは,本件ドメイン名をMP協会に貸与し,同協会は,そのパンフレットや,開講するモーゲージプランナー養成講座の案内等において,メールアドレス(info@ (略)),ホームページアドレス(http://www.(略)/)として本件ドメイン名である「(略)」を記載してこれを用いていた。同協会は,平成20年3月に解散した。〔乙38,39〕(4) 原告の設立と本件ドメイン名の被告センターから原告への貸与等平成20年8月21日に至り,主たる事務所を東京都文京区<以下略>として,原告が設立された。Aは,その設立者の一人である。原告は,被告センターから本件ドメイン名の貸与を受け,「www.(略)」を広告用のウェブサイトのアドレスに用いるなどして使用した。 (5) その後の経緯と被告協会の設立等 - 5 -ア平成23年12月4日,原告の理事に,現在の原告代表者理事であるB(以下「B」という。)が就任した。BとAは,モーゲージプランナーにつき,住宅ローンのあっせん業務をも行うべきかを巡り意見が対立するようになった。平成24年1月31日,原告は,主たる事務所を上記東京都文京区<以下略>から千葉県流山市の頭 は,モーゲージプランナーにつき,住宅ローンのあっせん業務をも行うべきかを巡り意見が対立するようになった。平成24年1月31日,原告は,主たる事務所を上記東京都文京区<以下略>から千葉県流山市の頭書所在地に移転した。 〔甲1〕イ平成24年5月18日に至り,Aが監事となるなどして,被告協会が設立された。〔甲3〕同月28日,被告センターは,原告に対し,本件ドメイン名の返還を要求した。同月29日,原告の代表者理事たるBは,Aに対し,同月31日をもってAを原告の会員から除名する旨を通知した。〔甲23〕ウ同月31日,原告は,同日をもって本件ドメイン名を使用することができない状態となった。 (6) 被告らの行為等被告協会は,遅くとも平成24年6月3日以降,本件ドメイン名を使用し,「http://www.(略)/」のアドレスに同協会広告用ホームページを掲載すると共に,顧客問い合わせ用のメールアドレスとして「info@(略)」を使用している。〔甲9の1〕また,被告協会は,被告検定試験を実施し,そのための講座を開講し,ウェブサイトを通じて開講の告知をしている。 なお,被告協会は,別紙被告協会ロゴマーク記載のロゴマークを使用し,原告もこれと同じ別紙原告ロゴマーク記載のロゴマークを使用したため,ロゴマークについて一時的に混同が生じる事態となった。 (7) 本件訴えの提起及びJPドメイン紛争処理方針に基づく申立ての経緯等原告は,平成24年7月5日,本件訴えを提起した。なお,本件訴えの提起当初には,被告協会に対し,別紙被告協会ロゴマーク記載のロゴマー - 6 -クの表示を同協会のホームページから抹消すること等を求める請求(以下「抹消等請求」という。)も含まれていた。 また,本件訴え提起と同日に,原告は, ゴマーク記載のロゴマー - 6 -クの表示を同協会のホームページから抹消すること等を求める請求(以下「抹消等請求」という。)も含まれていた。 また,本件訴え提起と同日に,原告は,日本知的財産仲裁センターに対し,本件ドメイン名登録を原告に移転する裁定を求める申立てを行ったが,同年8月31日,上記仲裁センターは,原告の移転請求は成り立たない旨の裁定をした。その理由として,本件ドメイン名及びロゴマークは,被告センターから原告に貸与されたものであるところ,原告と被告協会は本件ドメイン名を用いたメールアドレス及びロゴマークを使用しており,誤認混同が生じているものの,それらが貸与された前提条件は,住宅ローンのあっせんをも行うモーゲージプランナーの養成,認証の事業目的の遂行であったが,原告側がこれと異なる見解を持つに至って被告センターとの間に対立が生じ,原告に対する貸与の前提条件が充足されなくなって,被告センターからの貸与が終了したものであるから,登録者である被告センターが本件ドメイン名に関し権利又は正当な利益を有している等というものであった。〔乙47,48〕(8) 原告,被告協会のロゴマークの変更等原告は,平成25年6月頃から,別紙原告新ロゴマークのとおりロゴマークを変更し,そこでは「JAMP」の(略)称が使用されている。これに伴い原告は,従来の原告の英語表記である「JapanMortgagePlannersAssociation」から,「JapanAssociationofMortgagePlanner」と改めた。原告は,これは,アメリカ合衆国の団体「NAMB (NationalAssociationofMortgageBrokers)」にならうとともに,被告協会らとの誤認混同を招きかねないとの た。原告は,これは,アメリカ合衆国の団体「NAMB (NationalAssociationofMortgageBrokers)」にならうとともに,被告協会らとの誤認混同を招きかねないとの原告の会員らの強い要望があったために変更したものである,と主張している。 また,被告協会は,遅くとも,同年8月21日には,ロゴマークを別紙被告協会新ロゴマークのとおり変更し,「JMPA」の(略)称を用いている。 - 7 -〔乙50の1,2,乙51〕原告は,平成26年1月22日付け訴えの一部取下書により抹消等請求を取り下げ,被告協会はこれに同意した。 2 争点(1) 本件ドメイン名の使用差止め請求,抹消登録請求の可否ア原告主張の「JMPA」ないし「JAMP」が,原告の特定商品等表示に当たるかイ被告らの不正の利益を得る目的等の有無ウ原告の営業上の利益の侵害ないし侵害のおそれの有無(2) 被告検定試験の差止め等請求の可否第3 争点に関する当事者の主張 1 争点(1)ア(本件ドメイン名の使用差止め請求,抹消登録請求の可否につき,原告主張の「JMPA」ないし「JAMP」が,原告の特定商品等表示に当たるか)について〔原告の主張〕原告の行う事業のうち,モーゲージプランナーの養成講座を終え,同資格認定試験である修了検定に合格したときには,原告の内部組織である資格認定委員会が,養成講座と修了検定のコースに応じ,モーゲージプランナーやサーティファイドモーゲージプランナー等の資格を認定し,認定証書(甲4)と,認定証明書(甲5)を交付している。その認定証書には,「日本モーゲージプランナーズ協会資格認定委員会」名で,取得した資格の種類と「本協会は・・・資格を認定し,証書を交付します」という文言が印字され 認定証明書(甲5)を交付している。その認定証書には,「日本モーゲージプランナーズ協会資格認定委員会」名で,取得した資格の種類と「本協会は・・・資格を認定し,証書を交付します」という文言が印字されている。また,原告は,アメリカ合衆国でのモーゲージプランナーの団体である「NAMB(NationalAssociationofMortgageBrokers)」などにならって,「JMPA(JapanMortgagePlannersAssociation)」と称し,原告の案内用パンフレット(甲6),名刺(甲7)には,当時の(略)称「JMPA」の一部であ - 8 -る「JMP」という文字列を含む別紙原告ロゴマーク記載のロゴマークを印刷した物を使用していた。また,原告は,平成25年6月以降は,別紙原告新ロゴマーク記載のとおり,「JAMP(JapanAssociationofMortgagePlanner)」と称している。 以上によれば,「JMPA」ないし「JAMP」は,原告の商品の出所を示す特定商品等表示であるところ,本件ドメイン名「(略)」は,原告の特定商品等表示である「JMPA」ないし「JAMP」とは,順序は異なりこそすれ同じ「J・M・P・A」の文字列からなり,原告の特定商品等表示を含むものであるから,これと同一ないし類似である。 〔被告らの主張〕本件ドメイン名は,平成18年7月にAらにより設立されたMP協会のメールアドレスのため作成されたものであり,そもそも原告が作成したものではない。Aは,平成17年頃から,従来の住宅ローンアドバイザーによるコンサルタント(乙2)に止まらず,住宅ローンのあっせんまでができるビジネス,資格を日本で確立させるべく,米国のモーゲージブローカーの日本版を根付かせたいと考える 従来の住宅ローンアドバイザーによるコンサルタント(乙2)に止まらず,住宅ローンのあっせんまでができるビジネス,資格を日本で確立させるべく,米国のモーゲージブローカーの日本版を根付かせたいと考えるようになり,そのためMP協会を創設した。つまり,モーゲージプランナーの主眼は,コンサルタントだけではなく,あっせんができるということにあったのであり,このあっせんをしない,その看板を外すということは,Aにとってはその理念を放棄することであって,あり得ないことであった。原告は,MP協会を前身とし,Aを創設者として,あっせんができるモーゲージプランナー資格を確立する目的のため設立された組織であり,被告センターが本件ドメイン名やロゴマークを原告に貸与していたのも,あっせんを含むモーゲージプランナーの育成等の事業目的のためであった。 しかし,Bを含む数名の原告の理事が,モーゲージプランナーにつき,あっせんを行わない単なるコンサルタント資格と位置付けるなどし,上記目的からかけ離れた行動をとったため,被告センター及びAと,原告との信頼関 - 9 -係は破壊されるに至った。 そして,被告センターからの本件ドメイン名の返還要求に対し,原告は,いったんは本件ドメイン名について何らの権利を有しないことを認める行動をとったが,被告センターが被告協会と提携して事業を進めていくことを知った途端に態度を急変させ,本件ドメイン名の移転を要求してきたものである。 上記経過からすれば,原告の主張する「JMPA」ないし「JAMP」は,原告の特定商品等表示とは到底いえないものである。 2 争点(1)イ(本件ドメイン名の使用差止め,抹消登録請求の可否につき,被告らの不正の利益を得る目的等の有無)について〔原告の主張〕(1) 被告センターによる本件ドメイ ないものである。 2 争点(1)イ(本件ドメイン名の使用差止め,抹消登録請求の可否につき,被告らの不正の利益を得る目的等の有無)について〔原告の主張〕(1) 被告センターによる本件ドメイン名取得の経緯被告センターは,理事長であるAが特定非営利活動法人である原告の設立手続を行うに際し,「(略)」のドメイン登録を被告センターの名義で平成18年12月8日に登録した。 ところが,平成20年4月に原告が設立されてからも,Aが原告の運営を事実上支配し,本件ドメイン名の原告への移転登録手続をすることもなく,原告はやむを得ず登録者から本件ドメイン名を借りるかたちで,「www.(略)」のアドレスで広告用のウェブサイトを運営し,顧客問い合わせ用メールアドレスとして「info@(略)」のメールアドレスを作成した。 被告センターは,平成24年5月28日,原告に対して本件ドメイン名を被告センターに対して返還するように要求した。原告としては,原告とAとの間で対立が生じていたため,被告センターが本件ドメイン名の登録名義人となって当該ドメインで原告の広告を行っていることに不安を感じていたため,原告固有のドメイン名を取得したうえでホームページをリニ - 10 -ューアルすることを検討していた。そこで,原告は,被告センターにドメイン名を返還することとした。 原告としては,せめてドメイン名については円満に解決するべく,ホームページやメールアドレスの移転の告知をスムーズに行うことに協力してもらうとともに,本件ドメイン名を用いて原告と類似のホームページを立ち上げることによって原告と誤認混同を生じさせることのないように被告センターに対して申し出ていた(甲16)。 ところが,平成24年5月31日をもって,原告は本件ドメイン名を一切使用できなく ジを立ち上げることによって原告と誤認混同を生じさせることのないように被告センターに対して申し出ていた(甲16)。 ところが,平成24年5月31日をもって,原告は本件ドメイン名を一切使用できなくなってしまった。 (2) 被告らによる本件ドメイン名の使用状況被告センターと被告協会は,「(略)」のドメイン名を用いて,遅くとも平成24年6月3日には「www.(略)」のアドレスで被告協会のウェブサイトを立ち上げた。また,同ウェブサイトでは,原告が顧客問い合わせ用メールアドレスとして使用した「info@(略)」をそのまま問い合わせ先メールアドレスとして用いている。 このため,顧客において,原告と被告協会との誤認混同が生じ,かつ,問い合わせ先にも流用しているために原告宛てのメールとして「info@(略)」に送信した問い合わせメールが,全て被告協会に送信される状況となった。 上記の状況は,原告において,新たに作成したウェブサイト上で被告協会と原告とが全く無関係の団体であることを告知した後も続き,平成24年9月頃までの間,原告の事業収益は著しく減少した。 被告センターの理事長であるAは,被告協会の役員として登記されており,被告協会が本件ドメイン名においてウェブサイトを立ち上げるに際して,被告らは原告が本件ドメイン名でウェブサイトないし顧客問い合わせ用メールアドレスを使用していた経緯を知悉していた。 - 11 -また,被告協会は,原告に関するプレスリリースや記事を被告協会のものとして掲載することによって,閲覧者をして,被告協会が原告協会から名称を変更するなどした同一の組織である等の誤解を容易に与え,もって原告と被告協会とを誤認混同せしめるべく本件ドメイン名を使用しているというほかない。 被告らは,被告センターに本件ドメイ 協会から名称を変更するなどした同一の組織である等の誤解を容易に与え,もって原告と被告協会とを誤認混同せしめるべく本件ドメイン名を使用しているというほかない。 被告らは,被告センターに本件ドメイン名の登録があることを奇貨として,当該ドメイン名を使用し,もって競業者たる原告の事業を混乱せしめると同時に,商業上の利得を得る目的でそのウェブサイト若しくはその他のオンラインロケーション,又はこれらに登場する商品及びサービスの出所について誤認混同を生ぜしめることを意図して,インターネット上のユーザーを,そのウェブサイト又はその他のロケーションに誘引するために当該ドメインを使用し,よって,不正の目的で当該ドメイン名を使用したものである。 〔被告らの主張〕(1) 被告センターは,原告の設立以前から本件ドメイン名の登録をしてMP協会にこれを貸与し,原告の設立以後は原告にこれを貸与してきたが,もともと,MP 協会も原告も,被告センターの指導等のもとに設立され,その目的とする事業を行うこととされてきたものである。原告は,被告センターがあっせん事業を行うモーゲージプランナーとの理念と反する行動をとることによって,貸与の前提を欠くに至り,被告らにおいて貸与を止めることとしたものである。 被告協会は,その登記簿の目的欄に「・・・あっせん業務を行う住宅ローン診断士やモーゲージプランナーを養成・認証・登録」するとあるとおり,被告センターやAと同じ理念を掲げて,平成24年5月18日に設立された団体であり,原告に代わり被告センターから本件ドメイン名の貸与を受けたものである。 - 12 -被告らは,本件ドメイン名の保有,使用について正当な権限を有する者であり,何ら不正な利益を得る目的は存しない。 (2) 原告は,被告協会のホームページ たものである。 - 12 -被告らは,本件ドメイン名の保有,使用について正当な権限を有する者であり,何ら不正な利益を得る目的は存しない。 (2) 原告は,被告協会のホームページに,原告に関するプレスリリースや記事が一時期掲載されていたことについて,誤認混同を惹起すべく,それら原告のニュース等を被告協会のものとして掲載したものである旨主張する。 しかし,上記記事が内容を変えずに被告協会のホームページに掲載された原因は,被告協会の担当者の誤りによるものであり,誤認混同の意図などは全くなく,これらは原告からの指摘を受け,直ちに削除されている。 3 争点(1)ウ(本件ドメイン名の使用差止め,抹消登録請求の可否につき,原告の営業上の利益の侵害ないし侵害のおそれの有無)について〔原告の主張〕(1) 原告は特定非営利活動法人であるが,原告の事業は,一部の無料講演を除いて,受講者からの受講料や,会員からの会費を対価として得て行うもので,経済的対価を得ることによって運営される事業であるから(甲11),不競法3条1項の「営業」にあたる。 (2) 原告は,被告らによる本件ドメイン名の不正目的での使用によって,原告のホームページにアクセスしようとした顧客が全て被告協会のホームページを訪れてしまうこととなり,特に,被告協会が原告の使用していた顧客問い合わせ用メールアドレス「info@(略)」をそのまま流用することによって,本来原告に問い合わせをしようとした顧客や原告の会員のメールは,そのまま被告協会に送信されることになってしまっている。このように原告の営業上の利益は侵害されている。 〔被告の主張〕否認し,争う。原告において営業上の利益を侵害されるおそれはない。 4 争点(2)(被告検定試験の差止め等請求の可否)について のように原告の営業上の利益は侵害されている。 〔被告の主張〕否認し,争う。原告において営業上の利益を侵害されるおそれはない。 4 争点(2)(被告検定試験の差止め等請求の可否)について - 13 -〔原告の主張〕(1) 原告は,原告の事業であるモーゲージプランナー養成講座や修了検定について,「MP養成講座(モーゲージプランナー養成講座)」「MP修了検定」,「CMP養成講座(サーティファイドモーゲージプランナー養成講座」「CMP修了検定」,「AMP(アパートモーゲージプランナー)養成のための通学講座」という講座名を付けている。上記各講座名中の「MP(モーゲージプランナー)」「CMP(サーティファイドモーゲージプランナー」「AMP(アパートモーゲージプランナー)」は,原告の認定する資格であるMP,つまりモーゲージプランナー(MortgagePlanner),CMP(サーティファイドモーゲージプランナー),AMP(アパートモーゲージプランナー)をそれぞれ意味するものであって,当該講座ないし資格認定試験を受講することによって取得することのできる資格に対応するものである。 また,各講座名の「養成講座」「修了検定」「養成のための通学講座」は,原告の認定する各資格の取得要件である各講座並びに資格認定試験の別を識別するための表記である。 すなわち,前記各講座名中の,「MP(モーゲージプランナー)」「CMP(サーティファイドモーゲージプランナー)」「AMP(アパートモーゲージプランナー)」の部分が各講座名の主要な部分である。 また,原告は前記養成講座及び資格認定試験を経た者を当該養成講座のレベルに応じて「MP(モーゲージプランナー)」「CMP(サーティファイドモーゲージプランナー)」「AMP(アパートモーゲージプラ また,原告は前記養成講座及び資格認定試験を経た者を当該養成講座のレベルに応じて「MP(モーゲージプランナー)」「CMP(サーティファイドモーゲージプランナー)」「AMP(アパートモーゲージプランナー)」と認定し,これらの者には資格認定証書(甲4)と資格認定証(甲5)を交付することとしている。資格認定証には,モーゲージプランナーの資格を意味する「MP」「CMP」「AMP」などの有資格者であることを示す欄が設けられている。 - 14 -なお,「CMP」や「AMP」は,「MP」の上位にあたる資格であり,基本となる「モーゲージプランナー」資格を有する者が取得する資格である。 以上の次第で,「MP 」と「モーゲージプランナー(MortgagePlanner)」は,原告の商品を表示する商品等表示であるということができる。 (2) 原告は,平成20年の設立以来,モーゲージプランナーの資格自体と,その資格認定のための講座と検定の事業の出所を示す表示として,原告の名称である「(特定非営利活動法人)日本モーゲージプランナーズ協会」ないしその(略)称である「JMPA」並びに「JMP」を用い,これら原告の名称や(略)称を,資格認定証書,資格認定証や,パンフレットに用いている。モーゲージプランナーの資格は,原告の設立時の理事長であり,中央大学経済学部教授として米国におけるモーゲージプランナーの制度について研究していたAによって全国的に宣伝され,原告設立後は,原告の役員や,原告の会員たるモーゲージプランナーが中心となって,全国での講演や周知活動を行った。 当時,米国のいわゆるサブプライムローン問題が日本においても社会的な話題になっていたこともあって,日本における住宅ローンのあり方についてもマスコミを中心に積極的に取り上げるところと 活動を行った。 当時,米国のいわゆるサブプライムローン問題が日本においても社会的な話題になっていたこともあって,日本における住宅ローンのあり方についてもマスコミを中心に積極的に取り上げるところとなり,モーゲージプランナーという資格は脚光を浴び,平成20年9月25日付け朝日新聞で,原告とモーゲージプランナーの資格が取り上げられた(甲12)。また,平成21年10月6日に全国八つのテレビ局で放送されたテレビ東京系「ガイアの夜明け」でも,原告の会員であるモーゲージプランナーが紹介された(甲13)。 このようにマスコミで取り上げられたこともあって,全国でモーゲージプランナーの資格と,原告の知名度は著しく上昇し,全国的に周知のものとなり,かつ著名なものとなった。 - 15 -(3) そして,被告協会は,生活者の住宅ローンに際してあっせん業務を行う住宅ローン診断士やモーゲージプランナーを要請・認証・登録すること等の事業を遂行するべく,「http://www.(略)/」上で「住宅ローン診断士補検定試験」なる事業を行っており,原告の行う事業との同一性につき,誤認させるものである。 (4) 被告協会は,同協会のホームページ等において「第1回住宅ローン診断士補(MPフェロー)検定試験」なる資格試験並びに通信講座を開講する旨広告し,平成24年7月から8月にかけて上記検定試験並びに講座を実施することを予定しているところ,資格試験の名称を「住宅ローン診断士補(MPフェロー)」とし,MPフェローの資格についても「住宅ローン診断士,モーゲージプランナーや専門業者が相互に協働することで事業を活性化させることをめざす資格」とし,あたかもモーゲージプランナーと関連する資格であるかのように装っている。 以上のとおり,被告協会は,原告の事業たる「モ ナーや専門業者が相互に協働することで事業を活性化させることをめざす資格」とし,あたかもモーゲージプランナーと関連する資格であるかのように装っている。 以上のとおり,被告協会は,原告の事業たる「モーゲージプランナー養成講座」及び「モーゲージプランナー認定試験」と酷似する内容の事業を行おうとしているものであって,これらの行為が周知性のある原告の商品等表示を用いる誤認混同行為であり,著名な原告の商品等表示を冒用するものであることは明らかである。 また,被告協会が原告の行うモーゲージプランナー養成講座と類似する講座ないし検定試験を行うことを告知しているため,原告の行うモーゲージプランナー養成講座の受講者が激減するとともに,原告の認定するモーゲージプランナーという資格自体の価値が希釈化する損害が生じるおそれがあり,原告の営業上の利益が侵害されるおそれがあるということができる。 〔被告協会の主張〕(1) 不競法2条1項1号及び2号の「商品等表示」といえるためには,当該 - 16 -表示が,自他識別機能又は出所識別機能を有していることが必要であるところ,「モーゲージプランナー」や「MP」は,一般用語ないしはその頭文字を組み合わせた普通名称にすぎず,これら機能を有しないというべきである。 また,全国紙記事や在京キー局のTV放送で取り上げられたことがあるとはいうものの,原告の売上・規模・従業員数・支店数・全国区のマスコミへの登場頻度や扱いの大きさ,その他諸般の事情から一般的な認知度を考えると,原告やMPが,全国的に周知ないし著名であるとは到底いえない。 また,「あっせん業務を行える」ということを主眼に置きそれを標榜する被告協会の講座や検定試験と,「あっせん業務は行わずコンサルタント業務のみにとどめる」ことを標榜する原告の るとは到底いえない。 また,「あっせん業務を行える」ということを主眼に置きそれを標榜する被告協会の講座や検定試験と,「あっせん業務は行わずコンサルタント業務のみにとどめる」ことを標榜する原告のそれとでは,本質が異なっており,「類似する」とはいえない。また,そうである以上は,被告協会が展開する講座や検定試験によって,原告の講座の受講者が激減したり,モーゲージプランナーという資格の価値が希釈化することは到底考えられない。 (2) また,そもそも被告協会が認定する住宅ローン診断士補という資格は,原告認定のモーゲージプランナーとは,本質的に異なる資格である。 第4 当裁判所の判断 1 証拠(甲1ないし26,乙1ないし51)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められ,同認定を覆すに足る証拠はない。 (1) モーゲージブローカーは,「住宅ローンの貸し手と借り手を結びつける仲介業者(mortgagebroker)。住宅金融の専門機関『モーゲージカンパニー』の一種。住宅を購入してローンの借り入れを希望するユーザーに対して,資金計画等のアドバイス,返済プランの提案,金融機関の紹介・取り次ぎ,ローン申請代行,手続きのサポートなどを行う。アメリカではロー - 17 -ンの相談先として定着している。手数料は取り次いだ金融機関から得るケースが多い。」などと説明されているところであり,米国発祥の資格である。〔乙3〕平成15年12月19日に,Aを創設者の一人として被告センターが設立された。Aの構想は,既に存した住宅ローンアドバイザーによるコンサルタント業務に止まらず,住宅ローンのあっせんをすることができる資格としてのモーゲージプランナーを養成し,認証すべきであるとするものであった。 平成18年7月には,任意団体であるMP協 によるコンサルタント業務に止まらず,住宅ローンのあっせんをすることができる資格としてのモーゲージプランナーを養成し,認証すべきであるとするものであった。 平成18年7月には,任意団体であるMP協会が設立されたところ,同協会の目的には,住宅ローン契約の締結に際し,中立公正な立場から提案並びにあっせんを行うモーゲージプランナーを養成・認証すること等が掲げられている。〔乙33〕そして,被告センターは,本件ドメイン名である「(略)」の登録申請をし,平成18年12月8日に本件ドメイン名の登録を得た。〔甲8〕被告センターは,この本件ドメイン名をMP協会に貸与し,同協会は,そのパンフレットやモーゲージプランナー養成講座の案内等に,同協会のメールアドレス(info@(略)),ホームページアドレス(http://www.(略)/)として,本件ドメイン名である「(略)」を用いていた。 また,被告センターは,平成18年12月20日には,第36類の土地ないし建物の売買の代理又は媒介等を指定役務等として,シニアサーティファイドモーゲージプランナーを意味する「SCMP」(標準文字),及び,「日本モーゲージプランナーズ協会認定モーゲージプランナー」(標準文字)の商標登録の申請を行い,それぞれ,商標登録第5087478号,同5104873号として,平成19年11月2日,平成20年1月18日に商標登録を得た。〔乙5,6〕平成19年6月30日,MP協会と被告センターは,契約期間を平成21年(2009年)3月31日までとする事業提携契約を締結した。そこにお - 18 -いては,MP協会は,被告センターを母体として設立され,その指導・支援・協力関係に基づいて事業を展開してきたことに鑑み,両者の事業に関して事業提携契約を締結するものとされている - 18 -いては,MP協会は,被告センターを母体として設立され,その指導・支援・協力関係に基づいて事業を展開してきたことに鑑み,両者の事業に関して事業提携契約を締結するものとされている。〔乙26〕平成19年(2007年)11月4日に,MP協会は,米国のモーゲージブローカー協会との間で,相互協力に関する原則的合意書を交わした。そこにおいては,両協会は健全なモーゲージローンのコンサルティング・あっせんサービスを通じて持ち家を実現し,国際的な組織を作り上げるために協会の会員を教育し協同する一環としての相互協力に合意するとし,そこにおいて,MP協会は「JMPA」と(略)称されている。〔乙44,45〕平成20年(2008年)1月15日版の週刊エコノミスト誌には,Aによる「『モーゲージプランナー』が日本に誕生する意味」と題する記事が掲載され,そこには,「日本で誕生したモーゲージプランナーは,住宅ローンに関する助言のみで契約締結にはかかわらない既存の住宅ローンアドバイザーとは異なり,米国のモーゲージブローカーのように積極的にローンを斡旋し,契約にかかわっていくものである。」とされている。〔乙32〕その後,MP協会は,平成20年3月に解散するに至った。〔乙39〕前記週刊エコノミスト誌掲載の原稿を紹介する設立中の原告発行の平成20年5月度の小冊子(JMPREPORT 1)は,Aに対する質問と回答を掲載し,そこでは,「モーゲージプランナーズ協会とMPの活動とは?」との質問に,Aは「・・・住宅ローンのアドバイスとあっせん資格取得のための『モーゲージプランナー(=MP)』の育成,支援を行います。・・・」などと回答し,「あっせん業務を行えるのはMPだけということですね?」という質問には,「・・・モーゲージプランナーは・・・CMP(判決 ーゲージプランナー(=MP)』の育成,支援を行います。・・・」などと回答し,「あっせん業務を行えるのはMPだけということですね?」という質問には,「・・・モーゲージプランナーは・・・CMP(判決注;『サーティファイドモーゲージプランナー』を指す)のスキルを身につけることで・・・あっせん業務が遂行できます」,「あっせんにはMP+上級資格CMPのスキルが必要です」などと回答している旨が掲載されている。〔乙32〕 - 19 -(2) その後,平成20年8月21日に至り,Aが設立者の一人となり,原告が設立された。その設立に先立つ同年2月20日に,設立中の原告と被告センターは,業務提携期間を平成21年3月31日までとする(当事者双方に異議がない限り,期間を1年間として自動継続)事業提携契約を締結した。そこにおいては,原告は,被告センターを母体として設立され,その指導・支援・協力関係に基づいて事業を展開してきたことに鑑み,両者の事業に関して事業提携契約を締結するものとされ,被告センターが保有する「モーゲージプランナー」に関する商標権,ロゴ使用権について,原告は被告センターに対し使用料を支払うものとされた。〔乙27〕また,原告は,被告センターから本件ドメイン名の貸与を受け,広告用のウェブサイトなどに「www.(略)」を用いて使用した。 原告の設立後に,原告と被告センターとの間で締結された平成22年3月1日付け事業提携契約(事業提携期間平成22年3月31日まで。双方異議がなければ自動継続するものとされた。なお,その場合の契約期間の定めはない。)においても,被告センターが保有する「モーゲージプランナー」,「SCMP」に関する商標権及びロゴについて,原告は被告センターからそれらの使用権を購入して使用するものとされた。〔乙28 定めはない。)においても,被告センターが保有する「モーゲージプランナー」,「SCMP」に関する商標権及びロゴについて,原告は被告センターからそれらの使用権を購入して使用するものとされた。〔乙28〕(3) 平成20年9月25日付け朝日新聞において,「モーゲージプランナー」が紹介された。そこでは,「プロに聞け住宅ローン」との見出しのもと,「『モーゲージプランナー』(MP)という住宅ローンの専門家が,国内でも本格的に仕事を始めました。素人には難しいローン選びを,住宅会社や金融機関から独立した立場で助言します。サブプライム問題で金融・不動産市場が大荒れの中,消費者の確かな羅針盤になれるかどうかが試されます。」とされ,Aとの問答が掲載されている。〔甲12〕また,平成21年10月6日のテレビ東京放送番組「ガイアの夜明け」において,「住宅ローンの危機が高まりつつある中,ローンの返済を指南する - 20 -専門家が現れた。モーゲージプランナー(MP)という住宅ローンの専門家である。これまでのファイナンシャルプランナー等との違いは,金融機関から依頼者に住宅ローンの斡旋ができることにある。」などとして,モーゲージプランナーが紹介された。〔甲13〕(4) 平成23年12月4日,原告の理事にBが就任した。平成24年1月31日,原告は,主たる事務所を東京都文京区<以下略>から頭書所在地に移転した。〔甲1〕その後,モーゲージプランナーについて,あっせん業務を行うことを含むのか等を巡ってAとBとの間で対立が生じるなどし,同年3月に,原告は,同月末をもって,サーバーの利用に関する訴外株式会社日本モーゲージプランナー支援センター(以下「支援センター」という。)との業務委託契約を解除するとした。〔乙17〕被告センターは,同年4月26日 同月末をもって,サーバーの利用に関する訴外株式会社日本モーゲージプランナー支援センター(以下「支援センター」という。)との業務委託契約を解除するとした。〔乙17〕被告センターは,同年4月26日,原告に対し,「SCMP」及び「日本モーゲージプランナーズ協会認定モーゲージプランナー」商標の使用を直ちに止めるよう求める内容証明郵便を差し出した。〔乙13〕同年5月18日に,Aが監事となるなどして,被告協会が設立された。 〔甲3〕同月22日,原告は,支援センターに対し,ホームページアドレスを変更する予定である旨の通知をした。〔乙15〕被告センターは,同月23日付け内容証明郵便及び同月24日のファックスにおいて,原告に対し,本件ドメイン名は,被告センターと原告との信頼関係に基づき原告に貸与されてきたものであるところ,これ以上貸与を続ける理由もないとして,同月31日をもって本件ドメイン名の使用を停止する旨を通知した。〔乙14〕同月29日,原告の代表者理事Bは,Aに対し,同月31日をもって原告会員から除名する旨を通知した。〔甲23〕 - 21 -同月31日,原告は,同日をもって本件ドメイン名を使用することができない状態となった。 同年6月3日,被告らは,遅くともこのときまでに本件ドメイン名のアドレスでホームページを立ち上げた。 (5) 原告は,代理人弁護士を通じ,平成25年5月21日,被告ら代理人弁護士宛てに,「FAX送信書(申入れ)」と題する書面を送付し,そこにおいて,被告協会のホームページに,平成23年1月26日付け日本経済新聞における原告の関連記事,同年7月29日及び同年12月4日,原告の理事会開催について,これらが被告協会の理事会開催等として,ニュースリリースに掲載されていることにつき,削除すること 付け日本経済新聞における原告の関連記事,同年7月29日及び同年12月4日,原告の理事会開催について,これらが被告協会の理事会開催等として,ニュースリリースに掲載されていることにつき,削除することを求める申し入れを行った。 〔甲25〕上記ニュースリリースについては,その後直ちに被告協会のホームページから削除された。 (6) 原告は,平成25年6月頃から,別紙原告新ロゴマークのとおりロゴマークを変更し,そこでは「JAMP」の(略)称が使用されている。これに伴い原告は,従来の原告の英語表記である「JapanMortgagePlannersAssociation」から,「JapanAssociationofMortgagePlanner」と改めた。 また,被告協会は,遅くとも,同年8月21日には,ロゴマークを別紙被告協会新ロゴマークのとおり変更し,「JMPA」の(略)称を用いている。 〔乙50の1,2,乙51〕 2 争点(1)イ(本件ドメイン名の使用差止め,抹消登録請求の可否につき,被告らの不正の利益を得る目的等の有無)について(1) 前記1で認定した事実によれば,本件ドメイン名は,原告が設立される以前の平成18年12月8日に被告センターにより登録され,その後はMP協会に貸与されて同協会において使用され,MP協会が解散した後には,原告に期 - 22 -間を定めて貸与されてきたものであって,その後,原告と被告センターにおいて紛争が生じ,被告センターにおいて原告に対して本件ドメイン名の貸与を止めるに至ったものである。 したがって,被告らにおける本件ドメイン名の保有ないし使用に不正な利益を得る目的があるとは認められないというべきである。 (2) 原告は,被告協会のホームページに,原告 に至ったものである。 したがって,被告らにおける本件ドメイン名の保有ないし使用に不正な利益を得る目的があるとは認められないというべきである。 (2) 原告は,被告協会のホームページに,原告に関するプレスリリースや記事を掲載したことなどからすると,被告協会には原告と被告協会とを混同させる意図があったものと主張する。 確かに,被告協会は,そのホームページに,被告センターが原告に対し本件ドメイン名を貸与していた時期である平成23年7月及び12月の原告の理事会における定款変更や理事選任等の記事について,被告協会の理事会のニュースリリースとして掲載し,また同年1月の原告に関する日本経済新聞の記事につき,それをそのまま画像データとして掲載していたことが認められる。 しかし,その掲載された記事の内容や,それらが掲載された時期は原告と被告センターとが協力関係にあった時期であること,平成25年5月に原告代理人から指摘を受けてこれを速やかに削除していること等からすると,上記の事情が,本件ドメイン名の保有・使用について,被告らに不正の目的があったことを裏付ける事情であるとは到底いえないというべきである。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 3 争点(2)(被告検定試験の差止め等請求の可否)について原告は,「MP」ないし「モーゲージプランナー」が原告の周知ないし著名な商品等表示であるとして,それに基づき被告検定試験等の差止めを求める。 前記1で認定した事実によれば,モーゲージプランナー及びモーゲージプランナーの(略)語としてのMPは,米国におけるモーゲージブローカーを日本に導入するに当たり,住宅ローン契約の締結に際して提案等を行う資格ないし職 - 23 -種を指すものとして,平成20年8月21日に原 てのMPは,米国におけるモーゲージブローカーを日本に導入するに当たり,住宅ローン契約の締結に際して提案等を行う資格ないし職 - 23 -種を指すものとして,平成20年8月21日に原告が設立される以前からMP協会等においても用いられてきたものであり,そもそも特定の出所を表示するものとして用いられているものとは認められないばかりか,前記1認定のテレビ放送,全国紙及び週刊誌にもそれぞれ一度取り上げられたのみであり,その他原告による広告宣伝の程度に照らしても,「MP」ないし「モーゲージプランナー」が,原告の出所を示すものとして,周知ないし著名な商品等表示となっているものとは到底認められないというべきである。 4 結論以上のとおりであり,その余の点につき判断するまでもなく,原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第40部 裁判長裁判官 東海林 保 裁判官 今井弘晃 裁判官 足立拓人 - 24 -(別紙)略
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