昭和39(行ケ)7 テレビジヨン放送局の開設に関する予備免許処分同免許申請棄却処分並びにこれが異議申立棄却決定取消請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和40年6月1日 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      被告が昭和三八年一〇月一五日附で原告に対してなした、放送局開設免 許申請拒否処分についての異議申立を棄却した決定は、これを取消す。      訴訟費用は被告の負担とする。   

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主文 被告が昭和三八年一〇月一五日附で原告に対してなした、放送局開設免許申請拒否処分についての異議申立を棄却した決定は、これを取消す。 訴訟費用は被告の負担とする。 事実 原告訴訟代理人は、主文第一、二項と同旨の判決を求め、その請求の原因及び被告の答弁に対する反論として、次のように述べた。 請求の原因一、 昭和三七年日本国政府がアメリカ駐留軍から第一二チヤンネルの返還を受け、テレビジヨン放送用周波数割当計画表(テレビジヨン・チャンネル・プラン)の一部を改訂して、京浜地区に該第一二チヤンネルを追加し、これを「一般放送事業者の科学技術教育を主とする教育専門局」用として割り当てる方針を発表したので原告代表者らは、他の発起人とともに、右基本方針にこたえ、新たに原告会社の設立を発起し、設立中の同会社の名をもつて、昭和三七年八月一六日被告郵政大臣(当時の郵政大臣a)に対し、右科学技術教育を主とする教育専門局に該当する無線局開設の免許申請をなしたところ、同年一一月一三日右申請は「電波法第七条第一項第四号の規定に適合しない」との理由で拒否せられた。よつて、原告は右拒否処分を不服として昭和三八年一月一二日これに対する異議の申立をなしたところ、同年一〇月一五日被告は、別紙決定書写のとおり、右異議の申立を棄却する旨の決定をなし、その決定書は同月一七日原告に送達された。 二、 原告は右決定に不服であり、次の諸点を争い右決定の取消されるべきことを主張する。 (一) 決定書における事実認定の不存在について免許の要件は電波法第七条第一項の第一号から第四号までに規定されている。原告がなした前記異議申立を棄却するためには、右各要件の個々についてこれに適合するかどうかを判断すべきことはもちろんであるが、本件第 の要件は電波法第七条第一項の第一号から第四号までに規定されている。原告がなした前記異議申立を棄却するためには、右各要件の個々についてこれに適合するかどうかを判断すべきことはもちろんであるが、本件第一二チヤンネルに係る無線局については、原告のほかに、訴外財団法人日本科学技術振興財団(以下訴外財団という。)、同株式会社ラジオ関東、同日本電波塔株式会社及び同株式会社千代田テレビジヨン(設立中)が、相前後してその開設の免許申請を提出し、合計五社の競願となつていたので、申請の個々について個別的に審査するに止まらず、さらにその要件適合の度合についても比較考量を加え、競願者相互の間の優先順位を判定する必要があつた。然るに、前記のごとく、原告に対する免許申請拒否処分の理由は、たんに「電波法第七条第一項第四号の規定に適合しない」というに止まり、右規定に定める無線局の開設の根本的基準として、右申請について適用される「放送局の開設の根本的基準」(昭和二五年電波監理委員会規則第二一号、以下根本的基準という。)は全文一〇箇条から成り立つにかかわらず、原告の申請のいかなる部分が、いかなる意味において、右根本的基準のいかなる条項に適合しないのか、さらには予備免許を受けた訴外財団に比較していかなる点において、いかなる意味及び度合において優劣の差があつたかの認定が示されず、まして、判断の前提たる事実の確定にいたつては、一言の説示も与えられなかつた。そして、右原処分に対し原告から申立てた異議に対する決定においても、その決定案を議決した電波監理審議会及びそれを認容して決定をなした被告郵政大臣は、右と同様に殆んどなんらの事実認定をなさず、その説示をも与えなかつた。 電波法第九九条の規定は、少なくとも次の三つのことを意味しているものと解される。すなわち、第一に審議会は決定案 被告郵政大臣は、右と同様に殆んどなんらの事実認定をなさず、その説示をも与えなかつた。 電波法第九九条の規定は、少なくとも次の三つのことを意味しているものと解される。すなわち、第一に審議会は決定案の議決をなすには基礎となる事実の認定を行なうこと、第二にはかかる事実の認定は必ず証拠の裏付けを要すること、第三には実質的証拠によつて裏付けられている事実の認定は裁判所に対しても拘束力を有することである。従つて、右規定の要求するところは、審議会が、郵政大臣から附議された事案について決定案を議決する際には、まず客観的な資料によつて判断の基礎となるべき事実の認定をなすべく、このような証拠に基づく関係事実の吟味と確定とを経ないで、直ちに決定案を議決してはならないというにあろう。審議会の認定した事実が果してどのような内容のものであるかを明らかにした上でなければ、それを裏付ける実質的証拠が存在するかどうかを争う余地はないのである。また、この決定に対する不服の申立は法律問題とともに事実問題を含み得ることはいうまでもないが、事実問題を争うにあたつては、事実の存否、態容がいかに評価、認識されたかを知ることが前提となるのであつて、これを欠くときは訴権の行使が著しく障害されるものというべきであるから、審議会ないし郵政大臣が事実の確定をなすべきことは、かかる意味においても法の要求するところと解さなければならない。従つてこのような事実の認定を欠く電波監理審議会の議決及びこれに基づく被告郵政大臣の前記決定は違法である。 (二) 根本的基準に対する法要件該当性の判断を誤つた違法について前記のごとく決定及びその理由から推測される免許拒否の原処分の理由は、当該業務維持の財政的基礎の有無及び事業の計画の実施の確実性並びに放送の公正かつ能率的普及に役立つことの度合において優劣 ついて前記のごとく決定及びその理由から推測される免許拒否の原処分の理由は、当該業務維持の財政的基礎の有無及び事業の計画の実施の確実性並びに放送の公正かつ能率的普及に役立つことの度合において優劣比較の結果、原告は訴外財団に劣るものとしている。然しながら、次に述べるとおり、この判断は誤つており結局実質的証拠の裏付けがない。 (1) 当該業務維持の財政的基礎及び事業の計画の実施の確実性について(A) 原告会社は、授権資本金二〇億円とし、設立の際一〇〇万株(一株金五〇〇円、計五億円)、事業開始前一〇〇万株(金五億円)を発行、このうち四億一、〇三〇万円は発起人において引受け、残余は訴外東洋曹達工業株式会社(社長二宮善基)外一八名の有力会社大学等の出資によるものとし、それぞれ既に株式引受の確約を得ていた。更に建築費に充てるために、七億六、四四七万余円の借入金を用意することとし、事業の公共性にかんがみ一銀行からの借入をさけ、ひろく有力銀行に呼びかけ協力を求めることとしたのである。 設備工事費、法人設立費及び開業費は合計一七億六、四四七万余円を要するが、前示当初資本金一〇億円と借入金との合計金一七億六、四四七万余円をこれに引き当てることができるので、建設ないし開業の面での財政的基礎は確固たるものがある。 なお施設の整備についても、原告会社は送信所として訴外日本電波塔株式会社の五階一〇〇坪を賃借し、その機械設備をもうけ、次いで演奏所二箇所を設置することとし、その第一演奏所は訴外ラジオ・テレビセンター社屋三三〇坪を賃借し、第二演奏所は原告会社の社屋として新たに建築しそれらの機械設備をもうけることとした。右諸施設中、日本電波塔株式会社から借受の送信所は狭隘であるが、訴外融資銀行からの融資によつて送信所を新築する予定で、すでにその承諾を得ており、 て新たに建築しそれらの機械設備をもうけることとした。右諸施設中、日本電波塔株式会社から借受の送信所は狭隘であるが、訴外融資銀行からの融資によつて送信所を新築する予定で、すでにその承諾を得ており、施設の点でも事業の実施に十分堪えることができる。 (B) 事業収支見積りは、放送番組の比率において、後に述べるように、極度に理想に走らず、本来の科学技術教育放送の基本的使命を阻害しない限りにおいて、事業の採算性を留保しており、当該事業の一般経験に照し算定の結果、第一年度収益三、〇八五、〇二一、〇〇〇円費用三、二二八、五一五、七〇〇円損金一四三、四九四、七〇〇円第二年度収益三、七八一、一二五、三五〇円費用三、六二一、一六七、五〇二円益金一五九、九五七、八四八円第三年度収益四、〇九四、七九四、五〇〇円費用三、八五四、〇九七、〇七五円益金一九五、六九七、四二五円としており、「広告料収入を主たる財源とする限り、当該事業をその本旨に従つて経営することが極めて困難であることは十分予想される」というようなことはなく、むしろ、相当の利得をあげることができ、年次その増昂をさえ見込み得るのである。 事業拡張に伴い右のごとき工事費、運営費に増加を必要とすれば、前記授権資本の残り二〇〇万株、一〇億円につき所要の株式を発行し、随時調達し、或いはネット・ワークの関係にある訴外毎日放送からの応援を得て、適宜これをまかない得る状態にある。 運営費目のうち最大の要目である番組製作費については、原告会社においては、訴外毎日放送との間のネット・ワークに関する業務協定によつて、番組製作についてもその協力を得ることになつており、その番組製作費の約半額は毎日放送によつて分担され 作費については、原告会社においては、訴外毎日放送との間のネット・ワークに関する業務協定によつて、番組製作についてもその協力を得ることになつており、その番組製作費の約半額は毎日放送によつて分担されるので、番組製作費として計上した第一年度一六億〇、九九二万円、第二年度一七億八、〇二二万円、第三年度一七億八、〇二二万円は、実際上は約倍額の製作能力を発揮することができる。 (C) さらに、教育放送事業の経営組織が、その計画事業の逐行に適しているということも、また当該事業の実施の確実性を担保する上において、重大な要素となる。尨大な資本を擁しながら、とりわけ教育放送事業という特殊かつ困難な事業の目的に照して、効果的にこれを運営するについては、それにふさわしい強靱な組織と人とを得なければならない。かかる要請にこたえることのできるものは株式会社組織である。原告会社が選ぶ株式会社組織こそ、資金の調達において合理的であり、不偏、不党、立場の中立性を維持するうえにおいて、経営者が自由かつ中立的に強靱な手腕をふるい得る点において、特に有利な性格を有する。 これに対し訴外財団は、(A) 無線局設備の工事費として五億二、八一〇万円を計上し、これを訴外「日本科学テレビ設置準備委員会」(一五社によつて構成)からの寄附金合計金五億三、〇〇〇万円をもつて支弁する計画であるとされているが、このいわゆる工事費は、実はすべて機械設備費であつて、土地建物の工事費は含まれていない。所要建物のうち、送信所については訴外日本電波塔株式会社の五階一〇〇坪を借用し、演奏所については財団所有の科学技術博物館を使用することとなつており、右送信所の賃借料は年間一、六八〇万円とされている。右工事費のうちには送信所賃借料金が含まれていないのであるから、これを合算すれば、合計金五億四、四九〇万 の科学技術博物館を使用することとなつており、右送信所の賃借料は年間一、六八〇万円とされている。右工事費のうちには送信所賃借料金が含まれていないのであるから、これを合算すれば、合計金五億四、四九〇万円となり、前記日本科学テレビ設置準備委員会の設備費拠出承諾書による寄附金をもつては差引一、四九〇万円の不足を生ずることになる。 (B) 訴外財団の事業収支見積りについても、運営費に不足が目立つている。 訴外財団の運営費は、協力会費と放送収入とによつてまかなわれることになつている。協力会費は「日本科学技術テレビ協力会規程」なるものに基づいて会員となつたものから拠出される寄附金であり、放送収入は放送料と放送番組製作料とをいう。訴外財団の申請によれば、協力会費は、第一年度二億七、〇〇〇万円、第二年度一一億九、四〇〇万円、第三年度一二億一、八〇〇万円であり、放送料と番組製作料とは、第一年度三億三、八〇〇万円、第二年度三億四、四〇〇万円、第三年度三億五、一〇〇万円である。 従つて、協力会費は各年度収入の約八割弱を占めることになる。永続的な事業体において、その運営のための主たる資金を他人の寄附に仰ぐというような仕組は甚だ不合理で、これが永続的に、確実に履行されるという保障はない。 さらに、番組製作費についても、第一年度は一〇億三、九五〇万円、第二年度一〇億六、〇三〇万円第三年度一〇億八、一五〇万円と計上され、製作単価は、三〇分番組につき一本一三万五、〇〇〇円とあるが、訴外財団に対して予備免許がなされた昭和三七年一一月一三日頃の在京先発民間放送業者間における三〇分番組の製作費は最低七〇万円が普通の単価であつたから、第一年度を例にとれば、予定される製作費では、三〇分番組としては僅かに一、四八五本しか作れないことになり、かくては放送事業を確実に実施する能力 分番組の製作費は最低七〇万円が普通の単価であつたから、第一年度を例にとれば、予定される製作費では、三〇分番組としては僅かに一、四八五本しか作れないことになり、かくては放送事業を確実に実施する能力の十分具わらない事実を示すものでなければならない。 (C) 訴外財団はその名の示すとおり財団法人組織をとつている。しかるところ、財団法人組織は、まず第一に、当該事業の実施の確実性を担保する上において、もつとも肝要な資力の集中性に欠けている。仮りに百歩を譲つて、前記協力会規程の示すとおりの寄附金が集められるうるものと仮定しても、寄附金をもつて主要財源とする事業の経営は、必ず何らかの形で寄附者の意向や利益に偏した傾向に陥りやすく、放送事業、なかんずく教育放送事業の生命である中立性、または不偏不党性を害う結果になりがちである。さらに訴外財団は計八七名の役員組織を有するが、一つの企業体として余りにも尨大な理事機関であり、事業の運営上ひとり機動性に欠けるばかりでなく、責任の所在を不明確にするきらいがある。訴外財団の経営組織は事業実施の確実性を担保するうえにおいて不適当である。 (2) 放送の公正かつ能率的な普及という行政目的への適合の度合について(A) 放送の公正かつ能率的な普及という観念が、放送を公共の福祉に適合させることの指導理念を衣現したものであることは疑がない。特に科学技術の教育放送を公共の福祉に適合させるということは、意欲的には放送というマス・メディアを通じて、盛んに広汎に、科学技術そのものの発達を促すにあることはいうまでもないが、反省的には現代科学、技術における科学技術の独走、人間疎外の通弊をただし「もう一ぺん科学技術というものを人間の所有に奪い返す」、そうして、そこへ人倫に仕える真の科学技術を確立するというものでなければなちない。この 科学、技術における科学技術の独走、人間疎外の通弊をただし「もう一ぺん科学技術というものを人間の所有に奪い返す」、そうして、そこへ人倫に仕える真の科学技術を確立するというものでなければなちない。このことは、本件免許申請以来原告代表者ら関係者の一貫して堅持する固い信念である。かかる広汎な科学技術の進歩発展ないしは科学技術における人倫の確立のためには、放送はあらゆる利害や好悪から離れて公正に一切の外来的制肘や障害を排して自主的かつ能率的に科学技術の普及につとめなければならない。 原告代表者ら関係者が本件免許申請にかかる放送事業の経営主体として株式会社組織を選んだ所以のものも、またかかる放送の公正かつ能率的な普及に資するがために外ならない。株式工社は「自律的法人」といわれるごとく、自己資本に立脚し、資本充実の原則に立つ自立性と、資本不変の原則に立つ財政能力の恒常性とを保持し得る。従つて、事業経営の面から見ても自主独立たり得る。 (B) 原告会社は、申請にあたり、公序良俗を害しないこと、政治的公平、報道の真実性等放送の一般的要件を充足する意向のあることを表明したほか、特別要件の充足についても、放送番組の編集及び放送について左のとおり定めている。 (イ) 放送時間一週間の全放送時間を一二六時間とし、そのうち教育放送七〇時間(五五%)、教養放送三七時間(三〇%)、報道六時間(五%)、娯楽、広告一二時間(一〇%)に配分した。 (ロ) 教育放送のための放送の分量と配列教育番組の大部分は科学技術教育を内容とするが、適当な限度で文化科学をも内容にとり入れることとし、学校教育又は社会教育のための放送の分量及び配列については、(4)小、中、高校の各学級向けの「学校教育放送」(一日平均二時間)、(ロ)高校大学に進学できない青少年層向けの「通信教育放送」 ることとし、学校教育又は社会教育のための放送の分量及び配列については、(4)小、中、高校の各学級向けの「学校教育放送」(一日平均二時間)、(ロ)高校大学に進学できない青少年層向けの「通信教育放送」(一日平均二時間)、(ハ)各職場の技能者向けの「技術者再教育放送」(一日平均三時間)、(ニ)国民一般の教育水準の向上に資するため家庭向けの「社会教育放送」(一日平均三時間)の四系列とした。 右のほか教育放送外の放送についても、内容、分量、配列が教育放送の実施に支障を与えず、その効果を阻害しないよう調和の方法を講じ、全人間像の形成に役立つ「放送番組の編集基準」を制定し、放送番組の審議機関については、都下の有力大学の総長、学長よりなる顧問団を中心に強力な権限を持つ番組審議会を組織することとしている。 これに対し訴外財団は、(A) 一般的に「他律的法人」といわれるように、ひとりその業務上外来的な寄附行為の定めによつて厳しく規制され、自己の自由な発意を許さぬばかりでなく、資力の面においても他人の善意と喜捨とに依存しなければならない。この他律性は財団法人の事業にさまざまの陰影を与えずにはおかない。寄附者への迎合とか妥協とかいうことがその一であり、寄附者の干渉とか要請とかいうこともその一である。このような欠陥は、財団法人そのものの本質にはいたいするものであり、訴外財団もこのような弊に陥いる素因を抱いている。原告が訴外財団と寄附事業体との縁故放送として指摘する弊害のごときはその一であり、それが科学技術放送の公正かつ能率的な普及に大きな障害をもたらすことはいうまでもない。 (B) 放送時間の配分についても、訴外財団の申請にあつては、一週間分の全放送時間八九時間三〇分、そのうち教育放送六四時間二五分(七二%)、教育放送一六時間五〇分(一九%)、報道七時 までもない。 (B) 放送時間の配分についても、訴外財団の申請にあつては、一週間分の全放送時間八九時間三〇分、そのうち教育放送六四時間二五分(七二%)、教育放送一六時間五〇分(一九%)、報道七時間四〇分(八%)、その他の放送三五分(一%)となつている。すなわち、教育放送に使用する一週間の時間は原告の七〇時間に比較して六四時間二五分に過ぎず、教養放送についても原告が三七時間(三〇%)の多くを割いたのに比較して訴外財団は僅かに一六時間五〇分(一九%)に止まつている。 以上のとおり、当該業務維持の財政的基礎及び事業の計画の実施の確実性の点においても、放送の公正かつ能率的な普及という行政目的への適合の度合においても、原告は訴外財団より優位にあるものといわなければならないのである。 (三) 偏見処分の違法性について電波法は、「電波の公平かつ能率的な利用を確保することによつて、公共の福祉を増進すること」を至上の目的とし、そのため無線局の開設は郵政大臣の免許にかからせている。このような法の目的を達成するためには郵政大臣の免許権自体が公正かつ能率的に行使されることを要する。しかるに、本件免許申請にかかる第一二チヤンネルの無線局免許に関しては、該チヤンネルの返還される以前から、郵政当局の抱く偏見によつてその公正な処理の途を阻まれ、能率的な利用の方法を阻害されていた。すなわち、(1) 昭和三七年七月一三日付朝日新聞(夕刊)に掲載されたe郵政大臣の談話によれば、「第一二チヤンネルは科学技術を主とする教育専門局にする方針であり、非営利団体に免許を与えるのが適当でないかと思う。 電波監理審議会も非営利団体に免許を与えるべきであるとの希望を出すであろう」というのであつた。当時は前記競願五社のうち原告を除く四社は既に第一二チヤンネルの返還を見越してそれ 適当でないかと思う。 電波監理審議会も非営利団体に免許を与えるべきであるとの希望を出すであろう」というのであつた。当時は前記競願五社のうち原告を除く四社は既に第一二チヤンネルの返還を見越してそれぞれ該チャンネルを対象とする無線局開設の免許申請をなしており、昭和三七年八月一六日からは原告もこれに加わつたのであるが、当時右談話にいわゆる非営利団体に該当するものは、ひとり訴外財団のみであつた。すなわち、右競願五社の申請は、審理に先立つて、すでに訴外財団の利益において処理せられることが予定されていたというべきである。 (2) 昭和三七年一一月九日付郵政大臣の電波監理審議会に対する諮問事項は、露骨な表現をもつて、「京浜地区に下記の者からテレビジョン放送局の免許の申請があつたが、これらを審査した結果、財団法人日本科学技術振興財団の申請は電波法(以下「法」という。)第七条第一項各号の規定に適合するものと認められるので、法第八条第一項の規定により予備免許を与え、株式会社ラジオ関東の申請は法第七条第一項第二号の規定に、その他の申請は法同条同項第四号の規定に適合しないものと認められるので、法第八条第一項の規定により免許を拒否することについて」とされている。この決定的な諮問事項に対して電波監理審議会の側に自由な意見を期待することは不可能で、たんにそれに追随する途のみが許されていた。 訴外財団への利益においてのみ考慮され、他へのあらゆる利益的配慮を拒否した郵政大臣の予備免許は、明らかにその偏見と予断に基づくもので違法であり、公正な手続の過程を通して公明に形成された行政処分によるものではない。同様に、原告の免許申請拒否処分は、かかる偏見と予断に基づくものであつて、とられた手続もこれを隠蔽するための単なる一片の形式に過ぎず、これに対する異議申立の審議の過程に 行政処分によるものではない。同様に、原告の免許申請拒否処分は、かかる偏見と予断に基づくものであつて、とられた手続もこれを隠蔽するための単なる一片の形式に過ぎず、これに対する異議申立の審議の過程においても、当初からの予断と偏見とはなんら改められるところがなく、ますます強化されていつた跡さえある。かくのごときことは電波法第一条の明文と精神に違反することが明らかで被告郵政大臣の決定を違法ならしめるものというべきである。 (四) 聴聞手続省脱の違法についてわが国においては、無線局の開設について免許制をとつているのであるから、放送事業そのものは本来自由であると解せられる。無線局開設免許は、従つて、本来自由な放送事業を規制する行政処分に該当することとなるのであるから、これを拒否する処分は法の定めた適正な手続によることが憲法上保障されているものといわなければならない。無線局開設の免許の許否についでは必要と認めるときは聴聞を行なうことができるとされているが、これを拒否する場合には、電波監理審議会ないし郵政大臣が聴聞を行なうかどうかに関する裁量権には自ら相当の制限があり、特に聴聞を行なわなくても公正な判断を下すことが可能と認められるような場合を除き、原則として聴聞を行なうべきものとすることが、法の精神に合致するものと解すべきである(不利益処分聴聞の原則)。第一二チヤンネルに関する無線局開設免許の申請は、前記のごとく原告ほか四社の競願となつていた。この種の競願事案においては、出願者は互いにただ一つのチャンネルを対象としているのであるから、そのうらの一者に対する免許は、必然的に他者全部への免許拒否の結果とならざるを得ない。このような不利益処分がなされるためには、あらかじめ聴聞の機会を与えるべきことは上叙のとおりであつて、しかも、潜在的にはすべての申請 する免許は、必然的に他者全部への免許拒否の結果とならざるを得ない。このような不利益処分がなされるためには、あらかじめ聴聞の機会を与えるべきことは上叙のとおりであつて、しかも、潜在的にはすべての申請者が拒否処分の対象であるから、競願事案にあつては、すべての申講者がひとしく先ず聴聞の機会を与えられなければならない。然るに、かかる競願事案の処理に関する一般法理を無視し、事前の聴聞を行なうことなく、申請書及び附属書類についてのみ審査をなし、事を独断した電波監理審議会の措置は違法であり、それを基調としてなされた被告郵政大臣の原処分、ひいては本件異議申立棄却の決定はともに違法である。 (五) 審議機関の非合法組織とそれに基づく決定の違法について訴外財団は、昭和三五年三月一五日創立、同年四月一九日設立の許可をえ、同月二一日登記ずみのものであるところ、その理事b及びcの両名は、右財団の理事でありつつ同時に各々電波監理審議会の委員でもあつた。右財団が本件無線局免許申請を提出したのは昭和三五年七月二日であつたが、右両名はその後も右兼職の関係を継続し、昭和三七年二月六日に至つてようやく右財団の理事の職を退くに至つたのである。電波法第九九条の三第三項の規定によれば、放送事業者その他電気通信事業者、無線設備の機械の製造業者若しくは販売業者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わずこれと同等以上の職権若しくは支配力を有する者を含む。)若しくはその法人の議決権の一〇分の一以上を有する者(任命の日以前一年間においてこれらに該当した者を含む。)は、電波監理審議会の委員となることを禁止されている。法が所定業者の役員についてその名称のいかんを問わずとし、その職権の内容又は実質上の支配力に重きをおき、或いは一年間の利害関係冷却期間をおくなど は、電波監理審議会の委員となることを禁止されている。法が所定業者の役員についてその名称のいかんを問わずとし、その職権の内容又は実質上の支配力に重きをおき、或いは一年間の利害関係冷却期間をおくなど、細心の注意を加えているのは、できるかぎり、審議会の公正な判断を期そうとしたものである。 然るに、訴外財団との間の利害関係冷却期間の余地もない昭和三七年二月九日には本件第一二チヤンネル・プランの追加に関する、次いで同年一一月九日訴外財団への本件予備免許の付与、原告ほか三者への免許拒否等に関する電波監理審議会への諮問事項につき、殆んどその直前まで財団の理事の職を兼ねていた前記両名は、同審議会の委員として審議に加わつていた。 かかる人的構成の下に行なわれた本件免許行政手続が、恣意、独断、情実の介入を疑うことが客観的にもつともと認められる手続にあたることはもちろんで、従つて、これを通じて行なわれた前示競願事案の審議、決定等一切違法たることを免れないものであり、それを基調として行なわれた被告郵政大臣の決定も、また違法であり、かつ取消を免れないものである。 被告の主張に対する認否と反論被告の主張一について認める。 同二について争う。 同三について(一)ないし(三)については争わない。 (四)のうち「1原告について」の条り(1) の記載事項中、事業開始後の増資分五億円および借入金七億円余についてはその調達を裏付ける資料が提出されていないとの事実は争う。 同(2)の記載事項は争わない。 同(3)の記載事項中「ア収益」について、原告の収益又はスポット単価などの見積りが、一般の例を相当上回り、年間放送料収入を確保することは困難である趣旨の主張部分は否認する。 同「イ費用」については争わない。 同(4)の記載事項中、原告の放送料の見積 スポット単価などの見積りが、一般の例を相当上回り、年間放送料収入を確保することは困難である趣旨の主張部分は否認する。 同「イ費用」については争わない。 同(4)の記載事項中、原告の放送料の見積り等に不備の点があるとの主張については争う。 「2訴外財団について」の条り(1)の記載事項中、工事費及びその支弁の可能性が十分であるとの主張は争う。 (2)の記載事項は争わない。 (3)の記載事項中、「ア収益」については、協力会費の拠出は確実で継続性があり、科学技術教育専門局の経営財源として適当なものという認定は否認する。 その他タイム・セールズやスポットによる収入並びに番組製作料収入が妥当な又は安全な見積りであるとの認定は争う。 同「イ費用」については、要員の給与計算、その一人当り給与額七〇万円が十分な見積りであるとの認定は、争わない。 放送番組等がおおむね妥当であるかどうか、施没維持費、管理諸費、減価償如費等も妥当であるかどうりかについでは不知。 (4)の記載事項中、特に不備として指摘すべき点はないとの認定は争う。 (五)については認める。 (六)については認める。 (七)については第一段は認める。 第二段1ないし3の認定は、すべて争う。 末段は認める。 被告は、本件異議申立事件において、原告の側からは概して被告側の事案処理の手続的な違法性について論難するところが多かつたとして、決定に事実認定の記載をしなかつた理由を述べている。然しながら、行政処分が適正であるためには、まずこれを行なう手続自体からして適正でなければならないことはもちろんである。 もしすでに手続それ自体が本質的に不適正であれば、それを通して形成された当該行政処分の実体的適法要件の存否、可否などを争うまでもない。被告がなした前記免許拒否処分及びこれに対 ことはもちろんである。 もしすでに手続それ自体が本質的に不適正であれば、それを通して形成された当該行政処分の実体的適法要件の存否、可否などを争うまでもない。被告がなした前記免許拒否処分及びこれに対する異議申立についての審理手続中において、被告のとつた措置は、前記のごとく適正を疑わしめるような事実があつたし、免許拒否の理由についても、被告がなした判断の根拠、その基礎となる認定事実等を具体的に示さず、また、免許拒否の理由は「電波法第七条第一項第四号の規定に適合しない」としながら、原告の異議申立に対する聴聞手続においては、被告の指定職員が「異議申立人である原名の申請が根本的基準第三条から第九条までの規定に適合することは争わない」と主張し、前後矛盾する態度を示すなどの事実があつたのであるから(被告が本訴において主張する判断の基礎となる具体的事実は、後日の作文に過ぎない。)原告の態度も、おのずから被告のとつた手続の違法性を論難することとなつたのは当然である。むしろ、被告としては聴聞の手続において原告の主張の不備を補わせ、証明資料の不足を指摘して、その提出の機会を与えるなどの措置をとるべきであつたというべきである。 被告指定代理人らは、「原告の請求を棄却する。」との判決を求め、請求原因に対する答弁として次のとおり述べた。 請求原因事実の認否請求原因一について昭和三七年、日本国政府がアメリカ駐留軍から第一二チヤンネルの返還を受けたこと、テレビジョン放送用周波数割当計画表(テレビジョン・チヤンネル・プラン)の一部を改訂して京浜地区に該第一二チヤンネルを追加し、これを「一般放送事業者の科学技術教育を主とする教育専門局」用として割当てる方針を発表したこと、原告が昭和三七年八月一六日付申請書をもつて被告郵政大臣にあてて無線局の免許申請をし、右申請 を追加し、これを「一般放送事業者の科学技術教育を主とする教育専門局」用として割当てる方針を発表したこと、原告が昭和三七年八月一六日付申請書をもつて被告郵政大臣にあてて無線局の免許申請をし、右申請は原告主張の日に原告主張の理由で拒否せられたこと及び右拒否処分に対し原告主張の日に異議申立がなされ、その主張の日にその主張とおりの決定がなされ決定書が送達されたことは、いずれも認める。 その余は不知。 同二(一)について本件第一二チヤソネルに係る無線局については原告主張の五社の競願となつていたこと、原告に対する免許拒否処分の理由が「電波法第七条第一項第四号に適合しない」ということであること、免許要件が電波法第七条第一項第一号ないし第四号に規定され、右第四号の規定に定める無線局開設の根本的基準として原告主張の電波監理委員会規則があること及び被告郵政大臣がなした免許拒否処分、これに対する異議を棄却した決定の理由に確定された事実が記載されていないことは、いずれも認める。 その余の法律上の主張は争う。 同二(二)の冒頭について決定及び原処分の理由がおおむね原告主張のごときものであることは認める。 その余の主張は争う。 同(1)原告会社についての主張(A)について前段原告の事業計画が授権資本二〇億円、法人設立の際発行する株式一〇〇万株、事業開始前に発行する株式一〇〇万株、一株の額面五〇〇円、資本金一〇億円であること、資本金一〇億円のうち四億一、〇三〇万円を発起人引受とするものであること及び建築費のうち七億六、四四七万円はひろく有力銀行に呼びかけ協力を求めるとするものであつたことは、認める。 その余は否認する。 中段原告の申請において、無線設備の工事費等として一七億六、四四七万余円が計上されていることは認めるが、その余は争う。 け協力を求めるとするものであつたことは、認める。 その余は否認する。 中段原告の申請において、無線設備の工事費等として一七億六、四四七万余円が計上されていることは認めるが、その余は争う。 後段原告の申請は、送信所として訴外日本電波塔株式会社の五階一〇〇坪を賃借し、演奏所として、ラジオ・テレビセンター社屋三三〇坪を賃借するとともに新築予定の原告会社の社屋をあてる計画のものであることは認める。 訴外融資銀行から融資を得て新たに送信所の建物を新築する予定であること及びすでに融資の承諾を得ていることは不知、その余は争う。 同(B)について原告会社の免許申請書に記載された事業収支見積り及び番組制作費がそれぞれ原告主張のごとき数値であつたことは認めるが、その余の主張は争う。 同(C)について原告の主張は争う。 同訴外財団についての主張(A)について訴外財団の工事費の見積りが総額五億二、八一〇万円であり、これを「日本科学テレビ設置準備委員会」からの寄付金五億三、〇〇〇万円によつて支弁する計画であること、送信所は訴外日本電波塔株式会社の五階一〇〇坪を借用し、その借料が年間一、六八〇万円であること及び演奏所は同財団所有の科学技術博物館の使用を予定するものであつたことは認める。 その余は争う。 同(B)について訴外財団の運営費について、事業収支見積りの収入が協力会費と放送料及び番組製作料とによるものであること、毎事業年度の協力会費の収入見積り、番組制作費、番組制作単価が、それそれ原告主張の金額であること及び協力会費収入が毎事業年度の収入の約八割を占め、協力会費の収入が訴外財団の運営に必要な財政的基礎となつているものであることは認める。 その余は争う。 同(C)について原告の主張を争う。 同(2)原告会社についての主 の収入の約八割を占め、協力会費の収入が訴外財団の運営に必要な財政的基礎となつているものであることは認める。 その余は争う。 同(C)について原告の主張を争う。 同(2)原告会社についての主張(A)について原告の主張を争う。 同(B)について冒頭の主張事実は認める。 同(イ)の事実は認める。 同(ロ)の教育番組の内訳及び放送時間数が原告主張のとおりであること、教育番組以外の番組の内容について記載のあること、事業経営の方針として「放送番組の編集基準」を設けていること番組審議会を組織する旨記載のあることは、いずれも認める。 その余は不知。 同訴外財団についての主張(A)について原告の主張を争う。 同(B)について訴外財団の計画する一週間分の全放送時間、番組の種類別放送時間数及びその比率が原告も張のとおりであることは認める。 その余は不知。 同(三)について昭和三七年七月一三日付朝日新聞(夕刊)に原告主張の趣旨のe郵政大臣の談話か掲載されたこと、当時原告主張の五者からそれぞれ競願届出がなされたこと、被告郵政大臣が電波監理審議会に対して原告主張のような内容の諮問をしたことは、いずれも認める。 その余の原告の主張はすべて争う。 同(四)について第一二チヤンネルについての免許申請が原告を含めて五者競願であつたこと、競願五者について事前聴聞をしなかつたこと、申請書及びその付属書類について審査したこと及び電波監理審議会の諮問手続を経たことは、いずれも認める。 その余は争う。 同(五)について前段認める。 後段争う。 被告の主張一、 放送局の免許を受けようとする者は、無線局免許申請書に、一定の事項を記載した書類を添付して郵政大臣に提出することを要し、郵政大臣は、申請を受理したときは、電波法第七条第一項 。 被告の主張一、 放送局の免許を受けようとする者は、無線局免許申請書に、一定の事項を記載した書類を添付して郵政大臣に提出することを要し、郵政大臣は、申請を受理したときは、電波法第七条第一項各号に規定する審査基準により審査し、申請が基準に適合していると認めるときにのみ予備免許を与えることとなつている。なお予備免許の処分に際しては、事前に電波監理審議会に諮問し、その議決を尊重して措置しなければならない。 右電波法第七条第一項第四号の根本的基準は、同項第一号ないし第三号に掲げるもののほか、放送局の開設に必要な具体的諸条件を規定しており、事業の計画の実施の確実性の有無、放送番組に関する条件等のほか、次の重要事項が含まれている。 (1) その局を開設することが放送の公正かつ能率的な普及に役立つものでなければならないこと(第九条)(2) 放送局に割り当てることのできる周波数が不足する場合には、各条項に適合する度合からみて最も公共の福祉に寄与するものが優先するものであること(第一〇条)右(2)の優劣判定による選択の条項は、放送局の免許が有限な電波の利用を前提としているため、多数の申請者のうちから少数の特定者を選出する必要のある場合を予定して、競願事案につき、公共の福祉に寄与する度合からする郵政大臣の優劣判定により、最も優位と認めた者を選択すべきものとしたものであり、この条項による優劣判定が本件第一二チヤンネルの放送局の免許の許否を左右したのである。 京浜地区における第一二チヤンネルは、駐日米軍が使用していたが、米軍との交渉の結果、その返還の見通しが明らかとなつた段階において、郵政大臣は、昭和三七年七月一三日京浜地区における割当周波数に、新たに第一二チヤンネルを追加することを内容とするチヤンネル・プランの一部修正に関する条件を電波 還の見通しが明らかとなつた段階において、郵政大臣は、昭和三七年七月一三日京浜地区における割当周波数に、新たに第一二チヤンネルを追加することを内容とするチヤンネル・プランの一部修正に関する条件を電波監理審議会に諮問した。審議会は、同年七月二八日原案を適当と認める旨答申したので、郵政大臣は、即日右チヤンネル・プランの一部修正を決定した。この一部修正により、京浜地区に新たに割り当てることができる周波数が一波生じたので、これに対し原告をはじめ原告主張の五者から免許申請があり、郵政大臣は、競願五者について審査のうえその間に優劣判定をなした結果一者のみを選択して、昭和三七年一一月一三日訴外財団に予備免許(免許期限昭和四〇年五月三一日)を与え、他は拒否すべきものとしたのである。右拒否せられたもののうち、原告は昭和三八年一月一二日該処分を不服として異議の申立をなしたので、郵政大臣はこれを電波監理審議会の議に付し、同審議会は同年一〇月九日電波法第九三条の四の規定により審理官の作成した聴聞調書及び意見書に基づき申立を棄却する決定案の議決をなし、被告郵政大臣は、該議決が実質的証拠に基づいてなされたと判断したうえで、昭和三八年一〇月一五日右議決により異議申立棄却の決定を行なつた次第である。 二、 右議決された決定案及び郵政大臣の決定の理由中に、認定された具体的事実の表示に明確を欠くと認められる点があるとしても、それは申請内容に関する優劣比較について、当初審議会が免許の許否処分に係る諮問案の審議の際に把握確定した事実に変更を及ぼすような具体的な主張、立証が見られなかつたことによるものと認められる。 電波法第九九条の規定は、事実認定が実質的な証拠に基づいて適法になされたと認められるときは裁判所を拘束し、事実認定があつても証拠の裏付のないときは、裁判所が自ら事 たことによるものと認められる。 電波法第九九条の規定は、事実認定が実質的な証拠に基づいて適法になされたと認められるときは裁判所を拘束し、事実認定があつても証拠の裏付のないときは、裁判所が自ら事実について把握、確定を行なつたうえ、その前提に立つて審議会の判断の適否を判定するという趣旨であり、原告の主張するように、事実の認定の具体的表示を義務づけたもので、その表示を欠くことをもつて、それ自体で直ちに決定の違法事由たらしめるという趣旨の規定ではない。従つて、その表示のないこと自体が、当然に決定の違法性をもたらすものではない。また、すべての事実について個々具体的に認定したことを示していないことが、直ちに事実の認定そのものを怠つたことになるのではないのであつて、被告がなした前記異議申立棄却決定は、審議会の議決においてその具体的認定事実の表示に明確を欠くと認められる点があつたとしても、処分要件事実の認定になんら欠けるところがないと判断したうえでなされたものである。事実認定がなかつたとする原告の主張は理由がない。 三、 そして、前記競願五者のうち、原告及び訴外財団の申請についての審査の経緯は次のとおりであつて、審議会及び被告郵政大臣が免許拒否処分及び異議申立の棄却決定に際して認定把握した事実の概要も、次のとおりである。すなわち、(一) 無線設備の技術基準及び送信空中線の設置場所等の条件に対する適合性並びに既設局等への妨害の排除(法第七条第一項第一号、根本的基準第五条、第七条及び第八条)について無線設備の技術基準については法第三章並びに電波法施行規則、無線設備規則及びテレビジヨン放送に関する送信の標準方式(昭三五、六、一八郵政省令第九号)に、また、送信空中線の設備場所及び高さ並びに空中線電力については根本的基準第五条及び第七条に、さらに、既 、無線設備規則及びテレビジヨン放送に関する送信の標準方式(昭三五、六、一八郵政省令第九号)に、また、送信空中線の設備場所及び高さ並びに空中線電力については根本的基準第五条及び第七条に、さらに、既設局等への妨害の排除についでは根本的基準第八条にそれぞれ規定されている。 原告及び訴外財団の申請書添付書類中「工事設計」及び「無線局事項書」(4放送区域等、5無線設備の設置場所、6電波の型式並びに希望する周波数の範囲及び空中線電力の項)に記載された事項について右の規定に適合するか否かを審査した結果、いずれも適合すると認められたものである。 (二) 周波数割当て及びチヤンネル・プラン上の周波数割当ての可能性(法第七条第一項第二号及び根本的基準第九条)について原告及び訴外財団は、いずれも科学技術教育を主とする教育専門局の開設を目的としているものであるから、同じく教育専門局の開設を目的とする競願者を含めてそれらのうち一者に対しチヤンネル・プラン上も第一二チヤンネルの割当てが可能と認められたものである。 (三) 法人設立の可能性(根本的基準第三条第一項第二号)について設立中の法人である原告についてみるに、発起人はd以下一二名であつて、そのうち一一名の発起人引受承諾書が提出されており、また、発起人会は二回開催されている。資本金については、設立にあたつての資本の額五億円のうち四億一、〇三〇万円は発起人引受け、残余は有力会社の出資となつているところ、発起人引受分の株式引受承諾書は提出されていないが、発起人がいずれも実業界または教育界の有力者であることからみて、その引受分四億一、〇三〇万円の払込みは一応可能と認められ、有力会社出資分についても発起人の努力によつて可能であると判断された。 以上により、原告法人の設立は可能と認められたものである。 な て、その引受分四億一、〇三〇万円の払込みは一応可能と認められ、有力会社出資分についても発起人の努力によつて可能であると判断された。 以上により、原告法人の設立は可能と認められたものである。 なお、訴外財団は、既存の法人であるから、法人設立の可能性については、審査の対象とならないものである。 (四) 財政的基礎の有無及び事業の計画の実施の確実性(法第七条第一項第三号及び根本的基準第三条第一項第一号)についてここに審査の対象となるのは、法第六条第二項第一号および第二号に規定する無線局設備の工事費の支弁方法、事業計画および事業収支見積り(無線局の運用費の支弁方法を含む。以下同じ。)である。 1 原告について(1) 工事費及びその支弁の可能性工事費の総額は一六億七、九三〇万円であり、その内訳は土地、建物八億八五〇万円、送信所機械設備二億三、四〇〇万円及び演奏所機械設備六億三、六八〇万円となつている。 この工事費の支弁は、資本金一〇億円(設立にあたつての資本の額は五億円であるが、事業開始前に一〇億円に増資する計画となつている。)及び借入金七億六、四四七万円によることとなつており、一応可能と認められた。しかしながら、事業開始後の増資分五億円および借入金七億円余についてはその調達を裏付ける資料が提出されていないので、支弁の確実性には十分な保障がないものと認められた。 (2) 事業計画法第六条第二項に規定する事業計画(免許規則第六条第一項各号列記の事項に関する申請書添付書類の記載事項)についてみるに、原告のそれは、在京の既設テレビジョン放送局の四社(以下「既設四社」という。)(訴外株式会社東京放送(以下「TBS]」という。)、訴外日本テレビ放送網株式会社(以下「NTV」という。)、訴外株式会社日本教育テレビ(以下「NET」という。 送局の四社(以下「既設四社」という。)(訴外株式会社東京放送(以下「TBS]」という。)、訴外日本テレビ放送網株式会社(以下「NTV」という。)、訴外株式会社日本教育テレビ(以下「NET」という。)及び訴外株式会社フジテレビジョンをさす。以下同じ。)の例からみても、実施可能なものと認められた。 (3) 事業収支見積りア収益営業収益としては、第一年目総額三〇億七、九〇二万一千円が計上され、その内訳は放送料二二億六、三九二万一千円及び番組製作料八億一、五一〇万円となつており、放送料はさらにタイム・セールズによるもの一七億六、八六八万九千円及びスポットによるもの四億九、五二三万二千円となつている。 右の放送料のうちタイム・セールズによるもの一七億六、八六八万九千円は、年間総販売時間二、七一七時間(一週間の販売時間の五二週分)を予定の電波料の一割引により販売した場合のものとして計上されたものであるが、これによれば、一時間当りの売上げは六五万円となり、在京の既設テレビジョン放送事業者(以下「既設事業者」という。)のタイム・セールズ一時間当りの実積がTBS五〇万六千円、NTV四八万八千円、NET三二万九千円であることに比し、相当これを上回る見積りとなつている。しかも教育、教養番組が放送番組の大部分を占め、かつ、その内容がNETよりも聴視率の低い訴外日本放送協会の教育専門局と同傾向にあることからみて、前記一時間当りの売上げ六五万円の確保にはなお相当の困難が伴うものと認められる。よつてタイム・セールズによるものについて見積りどおりの年間放送料収入を確保することは困難と認められた。 また、右のスポットによるもの四億九、五二三万二千円についても、年間総本数九、八五五本に対し予定価格の二割引きにより販売した場合のものとして計上されたものである を確保することは困難と認められた。 また、右のスポットによるもの四億九、五二三万二千円についても、年間総本数九、八五五本に対し予定価格の二割引きにより販売した場合のものとして計上されたものであるが、これによれば平均一本当りの単価は五万円となり、在京の既設事業者の実積がNTV三万円、TBS二万三千円、NET一万八千円であることに比し、相当これを上回る見積りとなつている。よつて、科学技術教育専門局であるため聴視率の低いこともあわせ考慮すれば、スポットによるものについても見積りどおりの年間放送料収入を確保することは困難と認められた。 次に、放送番組制作料八億一、五一〇万円については、製作費一分当りの単価五千円に販売時間二七、一七時間を乗じた額であつて、業界の例に照らしおおむね妥当と認められた。 イ費用費用としては、第一年目総額三二億二、八五一万五千円が計上されている。 右のうち人件費合計二億四、三〇〇万円は、要員合計四五〇名に一人当りの年間給与額五四万円を乗じたものである。この場合、要員構成は一般の例からみておおむね適当と認められるが、一人当りの給与額五四万円は、在京の既設四社の平均が六二万八千円(昭和三六年度下半期の平均給与額および昭和三七年度夏季手当を基準として算定したもの。)であることに比し低額である。また、放送番組費一六億九九二万円は、販売番組一分当り五千円(一時間三〇万円)、自主番組一分当り四千円(一時間二四万円)として計上されたものであり、在京の既設事業者の実積がNTV二八億二、〇〇〇万円、NET一六億二、九〇〇万円であることに照らし、おおむね妥当と認められた。 さらに施設維持費二億八一〇万円は、在京の既設事業者の実積がNET四、九〇〇万円、TBS一億八、〇〇〇万円、NTV二億一、〇〇〇万円であることからみて、最も多 照らし、おおむね妥当と認められた。 さらに施設維持費二億八一〇万円は、在京の既設事業者の実積がNET四、九〇〇万円、TBS一億八、〇〇〇万円、NTV二億一、〇〇〇万円であることからみて、最も多額の部類に属する。 宣伝費四、〇〇〇万円、代理店手数料四億七二万円、管理諸費二億五八〇万円および減価償却費二億円等については、見積りの根拠は示されていないが、在京の既設事業者の実積からみて、管理諸費を除くほか、おおむね妥当と認められ、管理諸費についでも若干見積り過大の点があるとはいえ、なお事業の計画の実施の確実性に影響を与えるものとは認めがたいものと認められた。 (4) 以上の諸点からみて、工事費の支弁、放送料の見積り等に不備の点はあるが、業務を維持するに足りる財政的基礎および事業の計画の実施の確実性がないとは認められなかつたものである。 2 訴外財団について(1) 工事費及びその支弁の可能性工事費の総額は五億二、八一〇万円であり、その内訳は送信設備費一億八、二〇〇万円、演奏設備費二億八、九一〇万円および局外中継設備費等五、七〇〇万円となつている。なお、送信所の土地、建物は日本電波塔株式会社所有のものを借用し、演奏所の土地、建物は当財団の科学技術博物館の一部を使用することとしている。 工事費の支弁は、「日本科学技術テレビ準備委員会」(財界有志の任意団体)からの設備費としての拠出金五億三、〇〇〇万円によることとしているが、同委員会から訴外財団あてに提出された設備費拠出承諾書があり、委員のほとんどすべてが財界の有力者であることからみて、その支弁は十分可能なものと認められた。 (2) 事業計画法第六条第二項第二号に規定する事業計画(免許規則第六条第一項各号列記の事項に関する申請書添付書類の記載事項)についてみるに、訴外財団のそれは、在 は十分可能なものと認められた。 (2) 事業計画法第六条第二項第二号に規定する事業計画(免許規則第六条第一項各号列記の事項に関する申請書添付書類の記載事項)についてみるに、訴外財団のそれは、在京の既設四社の例からみても、実施可能なものと認められた。 (3) 事業収支見積りア収益放送事業による収益として一五億八〇〇万円が計上されており、その内訳は協力会費一一億七、〇〇〇万円、放送料二億二、一〇〇万円および番組制作料一億一、七〇〇万円となつている。 協力会費は「日本科学技術テレビ協力会」(訴外財団の行なうテレビ放送事業の趣旨に賛同し、経済的に協力する法人または個人を会員とする団体)の会員の拠出金であつて、同会への加入申込書、会員名簿、協力会費の拠出義務を明示した会規および同会組織の恒久的安定性に関する資料があることからみて、協力会費の拠出は確実で継続性があり、科学技術教育専門局の経営財源として適当なものと認められた。 次に、放送料二億二、一〇〇万円はタイム・セールズによるもの一億五、二八八万円およびスポットによるもの六、七七〇万四千円となつている。 右のタイム・セールズによるもの一億五、二八八万円は、Bタイム三〇分番組週一四本(一日二本)を予定の電波料の約五分引きにより販売した場合のものとして計上されたものであるが、この電波料は在京の既設事業者の料金より低額であり、科学技術教育専門局であるため聴視率が低いことを考慮した妥当な見積りと認められた。 また、右のスポットによるもの六、七七〇万円四千円についても、協力会員に提供する無料スポット(一日七六本)を除く有料スポットが一日五本であり、在京の既設業者の実積がTBS一九〇本、NTV一三〇本、NET一一六本であることに比し、はるかにこれを下回るものであつて、申請の局が科学技術 スポット(一日七六本)を除く有料スポットが一日五本であり、在京の既設業者の実積がTBS一九〇本、NTV一三〇本、NET一一六本であることに比し、はるかにこれを下回るものであつて、申請の局が科学技術教育専門局であることを考慮した安全な見積りと認められた。 さらに、番組製作料一億一、七〇〇万円は、Bタイム三〇分番組年間七三〇本(一日二本)に対し一本当り一六万円、スポット年間一、〇九二本に対し一本当り五百円の制作料収入を見込むものであつて、業界の例に照らしおおむね妥当と認められた。 イ費用費用としては、第一年目総額一四億九、六〇〇万円が計上されている。 右のうち、人件費合計一億五、四〇〇万円は要員合計二二〇名に一人当りの年間給与額七〇万円を乗じたものである。この場合、要員構成は、総務二〇名、編成一〇二名、技術八〇名、営業一八名となつており、在京の既設事業者の要員に比し一見過少に見えるが、総務関係については財団本部との共通事務が同本部において処理されることとなつていること、編成関係については編成要員多数を要する娯楽番組を制作しないこととしていること、技術関係については技術の研究開発が財団本部に属し、スタジオ技術要員多数を要する娯楽番組の制作をしないこととしていること、営業関係については予定の営業活動がきわめて小範囲のものであることからみて、必ずしも過少でないと認められるのであつて、一人当りの給与額七〇万円は、在京の既設四社の平均が賞与等を含めて六二万八千円であることからみて十分な見積りと認められた。 次に放送番組費一〇億三、九五〇万円は、三〇分番組一本当りの制作費一三万五千円に年間制作本数七、六四四本を乗じた額に、再放送番組費七五〇万円を加えたものであるが、在京の既設事業者の教育番組三〇分当りの平均制作費の例からみてこの見積りは、 〇分番組一本当りの制作費一三万五千円に年間制作本数七、六四四本を乗じた額に、再放送番組費七五〇万円を加えたものであるが、在京の既設事業者の教育番組三〇分当りの平均制作費の例からみてこの見積りは、おおむね妥当と認められたさらに、施設維持費五、四〇〇万円はNETの実績に照らし、弘報費三、二〇〇万円および代理店手数料四、五〇〇万円は営業活動が小範囲であることに照らし、管理諸費七、五五〇万円は管理事項で財団本部に属するもののあることからみて、いずれもおおむね妥当と認められ、減価償却費六、八〇〇万円も定額法により算出したもので、妥当と認められた。 (4) 以上を要するに、特に不備として指摘すべき点はなく、業務を維持するに足りる財政的基礎および事業の計画の実施の確実性はあるものと認められたものである。 (五) 放送番組の編集及び放送に関する条件(根本的基準第三条第一項第四号)について放送番組の編集及び放送については、根本的基準第三条第一項第四号において、公安及び良俗を害しないこと、政治的公平報道の真実性及び論点の多角性の保持、放送番組編集基準の設定・公表、放送番組審議機関の設置、教育番組の実施要領、複数局による放送番組の重複、独占的番組供給協定の締結及び放送時間の独占的利用の排除等の一般的条件のほか、教育専門局としては教育番組が五〇パーセント以上であることそれ以外の部分の大部分が教養番組であること並びに放送の分量及び配列が適切であることの条件が規定されている。 原告及び訴外財団は、いずれも放送番組の編集に関する基本計画、番組基準、番組審議機関の設置の予定週間放送番組表等からみて、右の条件を満たすものと認められた。 (六) 放送の公正かつ能率的普及(根本的基準第九条)について根本的基準第九条にいう「放送の公正かつ能率的普及に役立つ 関の設置の予定週間放送番組表等からみて、右の条件を満たすものと認められた。 (六) 放送の公正かつ能率的普及(根本的基準第九条)について根本的基準第九条にいう「放送の公正かつ能率的普及に役立つこと」については、郵政大臣の定める同条の運用方針に従い、チヤンネル・プランに対する適合性、当該地域社会に対する人的・資本的結合度、複数局免許の排除並びにラジオ、テレビ及び新聞の三事業に対する人的、資本的支配の排除の四点について審査されることとなつているのであるが、この審査の結果、原告及び訴外財団は、いずれも次のように判断されるから、放送の公正かつ能率的な普及に役立つものと認められたものである。 「1」 放送番組の編集に関する基本計画、週間放送番組表、送信設備の設置場所、空中線電力等からみて、科学技術教育番組の放送時間について原告と訴外財団との間に差異はあるが、チヤンネル・プランに適合している。 「2」 役員、主たる出資者および番組審議会委員からみて、当該地域社会との結びつきが直接かつ公正である。 「3」 申請者は、いずれも既設局の免許人でないことからみて、申請の局の免許により複数局の免許人となるものではない。 「4」 役員及びその兼職の範囲並びに主たる出資者及びその議決権の数からみて、前記三事業に対する人的、資本的支配がない。 (七) 根本的基準第三条から第九条まで(第四条及び第六条を除く。以下同じ。)の規定に対する適合性の度合による優劣比較(根本的基準第一〇条)について以上により、原告及び訴外財団は、それぞれ法第七条第一項第一号から第三号まで及び第四号の根本的基準中第三条から第九条までの規定に適合していると認められたものである。しかしながら、チャンネル・プラン上、京浜地区で新たにテレビジョン放送局に割り当てうる周波数は第一二チヤン で及び第四号の根本的基準中第三条から第九条までの規定に適合していると認められたものである。しかしながら、チャンネル・プラン上、京浜地区で新たにテレビジョン放送局に割り当てうる周波数は第一二チヤンネル一波のみであるので、競願申請の本件事案に対する被告郵政大臣の措置としては、申請の内容が根本的基準第三条から第九条までの条項に適合する度合についての優劣を比較し、これら競願者のうち最も公共の福祉に寄与すると認められる一者のみを予備免許の対象として選定する必要が生じたのである。 右の優劣比較の結果、訴外財団は、次のとおり原告よりも優位にあると認められたものである。 1 事業の計画の実施の確実性の度合(根本的基準第三条第一項第一号)について原告については、前記(四)1において述べたように、工事費の支弁方法についてその資金となる資本金一〇億円のうちの増資分五億円および借入金七億円余の調達を裏付ける資料(株式引受承諾書、融資証明書その他の裏付資料)がなく、事業収支見積りにおいて収入の大部分を占める放送料の見積りの根拠とされたタイム・セールズ一時間当り及びスポット一本当りの単価が聴視率の低いと認められる教育専門局のものであるにかかわらず、在京の既設事業者の実績に比し相当これを上回り、また、費用において人件費の年間一人当り給与額の見積りが在京の既設四社の実績に比し低額となつている。これに反し、訴外財団については、前記(四)2において述べたとおり、工事費の資金確保及び事業収支見積りに難点がみられなかつた。よつて、訴外財団が原告に比し優位にあると認められたものである。 なお、「事業計画」については、右工事費に係る資金の調達及び次の2の週間放送番組の編集に関するものを除くほかその事業の計画の実施の確実性という点からみて、一応、特に優劣は認められなかつ のである。 なお、「事業計画」については、右工事費に係る資金の調達及び次の2の週間放送番組の編集に関するものを除くほかその事業の計画の実施の確実性という点からみて、一応、特に優劣は認められなかつた。 2 放送の公正かつ能率的な普及に役立つことの度合(根本的基準第九条)について当該地域社会に対する人的・資本的結合度、複数局免許の排除並びにラジオ、テレビ及び新聞の三事業に対する人的、資本的支配の排除については、原告と訴外財団との間に優劣があるとは認められなかつた。しかしながら、本条項に関する審査の指標の一つとされたチヤンネル・プラン適合性、すなわち、第一二チヤンネルを科学技術教育を主とする教育専門局に割り当てることとする行政目的への適合性の度合の観点から両者の週間放送番組表によりその放送計画の内容をみるに、一週間の放送時間中に占める科学技術教育番組の時間数が原告の場合三二時間一〇分、訴外財団の場合五一時間四一分であることからみて、前記行政目的への適合性の度合、ひいては放送の公正かつ能率的な普及に役立つことの度合において、訴外財団が原告より優位にあると認められたものである。 3 その他の条項について以上のとおり、事業の計画の実施の確実性及び放送の公正かつ能率的普及に役立つことの度合においては両者の間に優劣が認められたが、その他の点については優劣が認められなかつたむのである。 以上の審査結果から、被告郵政大臣は、訴外財団に予備免許を与え、原告に対しては法第七条第一項第四号の規定に適合しないものとして免許を拒否する案をたて、法第九九条の一一第一項第三号の規定により昭和三七年一一月九日電波監理審議会に諮問を行なつたところ、同一三日原案を適当とする旨の答申を得たので、同日原案どおり処分を決定した。 次いで、原告から異議の申立があり、そ 第一項第三号の規定により昭和三七年一一月九日電波監理審議会に諮問を行なつたところ、同一三日原案を適当とする旨の答申を得たので、同日原案どおり処分を決定した。 次いで、原告から異議の申立があり、その聴聞における原告の主張は、処分に際し事前に聴聞を行なわなかつたこと、チヤンネル・プランの修正に際し学識経験者からの意見聴取の会合を開いたこと、当該学識経験者の中に訴外財団の関係者がいたこと等概して被告側の事案処理の手続的な違法性について述べるところが多く、申請内容の審査要件に対する適合性の観点からする具体的な主張はあまり見られなかつた。審議会は電波法第九三条の四の規定により聴聞調書及び意見書に基づき棄却決定案の議決を行なつたのである。 四、 原告は偏見処分を主張するが、e郵政大臣の談話に関する新聞記事の内容は、訴外財団に対し予備免許を与えることをあらかじめ決定していたことを示すものではなく、単に、一般的な見解を表明したに過ぎないものと解され、これと日を同じくしてなされた諮問は、その内容及び答申書からみでも明らかなように、訴外財団への免許の意向を蔵した諮問ということは当らない。また、原告の主張する電波監理審議会への諮問事項の文言に諮問者の意見が掲げられていたとしても、これは諮問の方法としてなんら違法なものではなく、審議会がこれに追随するように拘束されることはありえないから、いずれの点からしても、原告の主張は理由がない。 五、 または原告は聴聞手続を省脱したことが違法であると主張するけれども、わが電波法において必ず聴聞を行なわなければならないのは、同法第八六条及び第九九条の一二第一項に規定する場合であつて、本件の場合は、聴聞を行なうかどうかは電波監理審議会の自由な裁量に属する事項であるから、聴聞を行なわなかつたとしてもなんら違法ではない。 法第八六条及び第九九条の一二第一項に規定する場合であつて、本件の場合は、聴聞を行なうかどうかは電波監理審議会の自由な裁量に属する事項であるから、聴聞を行なわなかつたとしてもなんら違法ではない。 六、 また、電波法第九九条の三の規定の解釈上、同条の放送事業者中には現に免許申請中の者が含まれないことは明らかであるから、電波監理審議会の委員に免許申講中の訴外財団の理事二名が含まれていたから右審議会の審議決定等一切が違法であるとする原告の主張が理由がないことも明らかである。 証拠関係原告は、甲第一、二号証、同第三、四号証の各一、二、同第五号証ないし第一一号証及び同第一三号証を記録中から引用提出し、新たな証拠として甲第一二号証を提出し、乙第二号証の一〇、同第三号証の一ないし三及び同第四号証並びに同第六号証中諮問書を除くその余の部分の各成立は不知と答え、乙第六号証中諮問書及びその他の乙各号証の成立は、いずれも認めると述べた。 被告は乙第一号証の一ないし七、同第二号証の一ないし六、同号証の七の一ないし八二及び同号証の八ないし一〇、同第三号証の一ないし三並びに同第四号証ないし第一一号証を記録中から引用提出し、原告の免許申請において、週間番組表中に占める科学教育番組の放送時間が三二時間一〇分であつた事実を立証するために、新たな証拠として証人fの証言を援用し、甲第二号証の一、二及び同第一二、第一三号証の各成立は不知と答え、その他の甲各号証の成立は、いずれも認めると述べた。 理由 原告が、第一二チヤソ不ルによる科学技術教育を主とする教育専門局に該当する無線局の開設を企図し、昭和三七年八月一六日被告郵政大臣に対してその開設の免許申請をなしたところ、同年一一月一三日右申請を拒否せられ、更に昭和三八年一月一二日右拒否処分を不服 る教育専門局に該当する無線局の開設を企図し、昭和三七年八月一六日被告郵政大臣に対してその開設の免許申請をなしたところ、同年一一月一三日右申請を拒否せられ、更に昭和三八年一月一二日右拒否処分を不服としてこれに対する異議の申立をなしたところ、被告郵政大臣はこれを電波監理審議会の議に付し、同審議会は同年一〇月九日決定案の議決をなしたので、同月一五日被告郵政大臣は右議決に基づいて、別紙決定書写のとおり、右異議の申立を棄却する旨の決定をなし、その決定書は同月一七日原告に送達されたことは、当事者間に争がない。 原告は被告郵政大臣のなした右決定を不服として本訴においてその取消を求め、まず、右決定において判断の基礎となるべき確定された事実の記載がなされていないのは違法である旨を主張する。無線局開設免許申請の審査規準は電波法第七条第一項第一号ないし第四号に規定され、さらに右第四号の規定に基づく細目的準則として、郵政省令としての効力を有する放送局の開設の根本的基準(昭和二五年一二月五日電波監理委員会規則第二一号、以下根本的基準という。)が制定されていて、その第三条に、国内放送を行なう放送局の満たすべき条件の一として、事業の計画の実施の確実性を有すること、第九条にその局の開設が放送の公正かつ能率的な普及に役立つものであることを掲げ、第一〇条において、放送局に割り当てることのできる周波数が不足する場合には、各条項に適合する度合からみて最も公共の福祉に寄与するものが優先するものであることを定めている。前記被告郵政大臣のなした決定書の記載によれば、異議申立人である原告は、他の諸点と併せて、右根本的基準第一〇条の規定による原告と訴外財団法人日本科学技術振興財団(以下訴外財団という。)との間の優劣の比較判定について不服があり、電波監理審議会における聴聞の手続にお は、他の諸点と併せて、右根本的基準第一〇条の規定による原告と訴外財団法人日本科学技術振興財団(以下訴外財団という。)との間の優劣の比較判定について不服があり、電波監理審議会における聴聞の手続においてこれに参加した被告の指定職員との間で右判定を争い、電波監理審議会はその議決した決定案において、この点について、後記のような判断をなし、被告郵政大臣は前記決定においてこの決定案をそのまゝ採用したものであることが認められる。そして、右判断の説示の要旨は、下記のとおりである。すなわち、科学技術教育放送の確実な実施についての優劣の比較につき、非採算的性格の強い事項の実施という予測の問題として、確実性の根拠を具体的に示している側に優位を認めることは理由があるとし、また、放送の公正かつ能率的な普及への適合の度合の優劣比較については、科学技術教育放送の健全な普及発達を主要な観点とする立場から、事業実施の確実性があるものを優位に置くことは理由があるものとし、これらの理由に基づいて、結局異議申立人である原告の申請に比較して訴外財団の申請の優位性を認める見解を是認している。然しながら、右判断にあたつては、電波法及びこれに基づく省令、規則の規定によつて基準となるべき事項についての原告と訴外財団の双方についての具体的事実、すなわち、事実の実施の確実性については、これを比較するに足る、例えば、保有資金の量及び外部からの資金獲得の能否、程度、これに伴う工事費支弁能力についての保障の有無、業務運営に関する収支見積の現実性及び継続性の存否、程度等に関する事実、放送の公正かつ能率的普及への適合の度合については、これを比較するに足る、例えば、予定された放送の内容、編成当該地域社会への結合の程度、他のラジオ、テレビ、新聞等の事業からの支配介入の有無、これらの事項を綜合したチヤ 的普及への適合の度合については、これを比較するに足る、例えば、予定された放送の内容、編成当該地域社会への結合の程度、他のラジオ、テレビ、新聞等の事業からの支配介入の有無、これらの事項を綜合したチヤンネル、プランヘの適合の仕方等に関する事実は、なんら確定されていない。従つて右判示は、その基礎となる事実を掲げず(右理由の記載に事実の確定がなされていないことは、被告も認めているところである。)、その個々について、或いは綜合的に比較検討した理由を明示することなく、結論的に、訴外財団の計画が優れていると一般的、抽象的な見解を表明しているに過ぎない。 <要旨第一>電波法第八三条ないし第九四条の規定によれば、同法に基づく郵政大臣の処分に対して異議の申立があつた</要旨第一>ときは、郵政大臣はこれを電波監理審議会の議に付し、電波監理審議会は聴聞の手続を経たうえ、審理官の作成した調書及び意見書に基づいて決定案を議決し、郵政大臣はこの議決により決定を行ない、決定書には、聴聞を経て電波監理審議会が認定した事実を示さなければならないとされている。而して、同法第九九条は、これを受けて、電波監理審議会が適法に認定した事実は、郵政大臣の右決定に対する取消の訴について、これを立証する実質的な証拠があるときは、裁判所を拘束するものと規定している。一般の行政処分と異なり、電波監理審議会及び郵政大臣にこのような事実認定を明らかにすべきことを要求している理由は、形式的には、それが前記のごとく準司法的な手続によつているものであるから、一般の行政処分とは異なり、判決に準じさせる趣旨であり、実質的には、左記の二点にある。すなわち、(1)電波に関する事項は公共的であつて国民に影響するところが大であるから、その公平かつ能率的な利用を確保することによつて公共の福祉に合致するよう、公正 り、実質的には、左記の二点にある。すなわち、(1)電波に関する事項は公共的であつて国民に影響するところが大であるから、その公平かつ能率的な利用を確保することによつて公共の福祉に合致するよう、公正に処分が行なわれたことを、国民一般にも競願者にも十分なつとくさせる必要があること、(2)裁判所の審査を受ける関係においては、裁判所の審査の範囲を法律的なものに止め、専門的、技術的な電波監理審議会の知識経験に基づく事実認定と判断とを尊重しようとすること、これである。たゞ、この場合でも、申請に対し、これを免許するか拒否するかというような処分であるから、本質的に裁量的の性質を有し、適法、不適法についての判断をなす裁判の場合とは、自ら差異が生ずることは避けられないのは当然であるから、判決書において要求される事実と同一のものであることは必要ではないとしても、上記判示の趣旨に適合する程度の事実を記載する必要のあることは否定できないといわざるを得ない。他方この場合には裁判所は専門家によつて構成されている電波監理審議会の事実認定を尊重しなければならず、実質的証拠の有無のみを判断し得るに止まり、自ら証拠調をなして自由に事実の確定をなすことを得ないものなのである。すなわち、郵政大臣がなした決定の適否の判断に際しては、裁判所の審理は、電波監理審議会の適法に確定した事実について、その援用する証拠によつて理性ある人が合理的に考えれば、結局到達するようなものであるかどうかの点に限られているものというべきである。然るに、前記のごとく、本件においては電波監理審議会の認定した事実が決定書に示されていないのであるから、右に述べたような法律の規定に基づく適否の判断をすることができない。郵政大臣は、前記のごとく、電波監理審議会の議決により決定を行ない、決定書には電波監理審議会の認 定書に示されていないのであるから、右に述べたような法律の規定に基づく適否の判断をすることができない。郵政大臣は、前記のごとく、電波監理審議会の議決により決定を行ない、決定書には電波監理審議会の認定した事実を示さなければならないのであるから、電波監理審議会の議決に事実の認定がなされていないときは、さらに事実認定を記載した適法な議決を求めるべく、このような事実の認定がなされないのに、その瑕疵のある議決をそのまま採用した場合には、たんに電波監理審議会が事実の認定をしなかつたとの理由のみで、自らのなす決定を適法化することを得ないものといわなければならない。 <要旨第二>被告はこのような場合には、裁判所がみずから自由に事実を確定し、これに基づいて、被告郵政大臣のなし</要旨第二>た決定に表示された電波監理審議会の判断の適否を、判断し得るものと主張する。仮りに、その事実認定の資料を決定に先行する手続中において収集、作成された記録の範囲内に限定するとしても、このように解することは、専門的の知識経験については必ずしも十分でない裁判所が専門家のなした事実認定とそれに対する判断を具体的に知ることなくして、自由に事実を認定し、同時に、その当否の判断をなすことになる結果を是認することになる。このことは、事実については専門的の知識経験を有する行政機関の認定を尊重し、裁判所はこれを立証する実質的な証拠の有無についてのみ審査し得るに止めようとする規定の趣旨を没却し、法の精神を全く無視することになるから、採用し難いところといわなければならない。 然しながら、この場合電波監理審議会が認定した事実を探究し、決定書には記載されていないが、電波監理審議会が判断の基礎として認定した事実であつて、しかも、その具体的事実が当事者間に争のないものがあれば、その具体的事実に基づい 理審議会が認定した事実を探究し、決定書には記載されていないが、電波監理審議会が判断の基礎として認定した事実であつて、しかも、その具体的事実が当事者間に争のないものがあれば、その具体的事実に基づいて、これを前提として、その事実を立証するに足りる実質的な証拠の有無を判断することが許されるとも解される。本件の場合についてみれば、原告と訴外財団との事業計画などはそれであるが、それら以外にはこれを発見することができなかつた。当事者双方は、それぞれ本訴において種々の事実を主張しているが、判断の基礎となる事実については、ほとんどすべて相手方が争つている。原告は多くの証拠方法を提出してその主張事実を立証しようとしている。もつとも、人証については、訴外財団の予備免許期限が昭和四〇年五月末日で満了するから(この満了の事実は当事者の間に争がない。)右期間を徒過すると本訴を維持する利益を失い、本案判決を得られないことになるから、右期間内に本案の裁判を求めるため、すべてこれを撤回した。また、被告は決定案の議決が適法になされたことを立証するため、右議決に関与した委員の証人尋問を申出たけれども、当審においては、このような証拠方法によつて、電波監理審議会の事実認定その他が適法に行なわれたとの認定判断をなし得ないことは、上段で判示した電波法の解釈上明らかであるから、右申出は却下した。そして、当裁判所は、上記のような理由で、新たな事実認定をなすことは許されないものとする立場に立つから、双方の提出した書証及び被告の援用した証人fの証言によつても、新たな事実認定をなすことは違法となるものと考えるから、あえてこれをしない。そうすると、上記のようなきわめて僅かな当事者間に争のない事実、すなわち当事者双方の事業計画のみでは、その事実が真実であるかどうか、その実現の可能性の程度、 るものと考えるから、あえてこれをしない。そうすると、上記のようなきわめて僅かな当事者間に争のない事実、すなわち当事者双方の事業計画のみでは、その事実が真実であるかどうか、その実現の可能性の程度、或いはいずれが上記免許の審査規準により適合するか等を判断することは、全く不可能といわざるを得ないし、また、原告の主張のように、具体的の問題を離れて、抽象的に株式会社が財団法人より優つているとの判断のできないことも、多言を要せず、明らかなところである。 上記の次第で、被告郵政大臣がなした前記決定は、結局その確定した事実に基づき適否の判断をなすに由ないものであるから、その他の争点について判断するまでもなく、違法となさざるを得ず、取消を免れないところといわなければならない。 よつて、被告郵政大臣がなした前記決定はこれを取消すこととし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八九条を適用し主文のとおり判決する。 (裁判長判事村松俊夫判事江尻美雄一判事兼築義春)

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