平成21(行ケ)10392 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成22年8月31日 知的財産高等裁判所 3部 判決 審決取消
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判決文本文10,240 文字)

- 1 -平成22年8月31日判決言渡平成21年(行ケ)第10392号審決取消請求事件平成22年6月24日口頭弁論終結判決原告メトロインダストリーズ,インコーポレーテッド訴訟代理人弁理士岡部正夫同岡部讓同本宮照久被告エムアイピーメトログループインテレクチュアルプロパティーゲゼルシャフトミットベシュレンクテルハフツングウントコンパニーコマンディートゲゼルシャフト訴訟代理人弁護士加藤義明同木村育代同松永章吾訴訟代理人弁理士アインゼル・フェリックス=ラインハルト同山崎和香子主文 特許庁が取消2008-301016号事件について平成21年7月29日にした審決を取り消す。 訴訟費用は被告の負担とする。 - 2 - この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30日と定める。 事実及び理由 第1請求主文同旨第2争いのない事実 特許庁における手続の経緯原告は,別紙1のとおり「」の文字と図形からなり,指定商品を第,METRO20類「家具,自立式棚,壁掛け式棚,組立式棚並びにその部品及び附属品,ワイヤー製収納棚,キャスター付きの棚,書棚,机類」とする登録第2554642号商標(平成2年12月3日登録出願,平成5年7月30日設定登録,平成15年9月9日存続期間更新登録,平成17年9月21日指定商品を上記のとおり書換登録。以下「本件商標」といい,その商標権を「本件商標権」という)の商標権者である。 。 被告は,平成20年8月8日,原告を被請求人として,上記指定商品について,商標法50条1項の規定に基づき不使用を理由として本件商標の登録を取り消すことを求めて審判を請求し(取消2008-301016号,以下「 成20年8月8日,原告を被請求人として,上記指定商品について,商標法50条1項の規定に基づき不使用を理由として本件商標の登録を取り消すことを求めて審判を請求し(取消2008-301016号,以下「取消審判請求」ということがある,同月25日,取消審判請求の予告登録がさ。)れた。 特許庁は,平成21年7月29日「登録第2554642号商標の商標登,録は取り消す」との審決(以下「審決」という)をし,同年8月10日,そ。 。 の謄本は原告に送達された。なお,審決取消訴訟の出訴期間として90日の付加期間が定められた。 審決の理由別紙審決書写しのとおりであり,要するに,本件商標は,取消審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者の- 3 -いずれによっても,その指定商品について使用されていなかったものといわざるを得ず,また,その使用をしていないことについて正当な理由があるものとも認められないから,商標法50条1項の規定に基づき,その登録を取り消すべきものであるとするものである。 第3取消事由に関する原告の主張商標法50条1項の規定に基づいて本件商標の登録を取り消すべきものであるとする審決の判断は誤りである。その理由は,以下のとおりである。 インターメトロ社による使用( )インターメトロ社に対する通常使用権の許諾 インターメトロインダストリーズコーポレーション(以下「インターメトロ社」という)は,原告の所在地と同一地に本社を有し,原告に全額。 出資をしている,原告の親会社である。インターメトロ社は,同社及び原告を含むメトログループの事業活動の中核企業である。原告は,メトログループの利益のために,特許権・商標権等の知的財産権を保有しているが,実質的には,インターメトロ社の統括,管理の下 社は,同社及び原告を含むメトログループの事業活動の中核企業である。原告は,メトログループの利益のために,特許権・商標権等の知的財産権を保有しているが,実質的には,インターメトロ社の統括,管理の下に,保有しているものである。 原告の代表者である社長兼最高経営責任者は,インターメトロ社の社長X兼最高経営責任者でもある。これらの事実によれば,インターメトロ社は,。 ,,本件商標の商標権者と同一視できる者といえるまたインターメトロ社が商標権者と同一視できる者とはいえないとしても,本件商標権は,インターメトロ社が出願して設定登録を受けた後,原告に譲渡されたものであり,また,インターメトロ社は,原告から,日本国内において本件商標を付した組立式棚等の製品を製造,販売する権限を与えられているから(甲8,イン)ターメトロ社には,原告から,本件商標の通常使用権が許諾されている。 ( )インターメトロ社による本件商標の使用 インターメトロ社は,組立式棚をエレクター株式会社(以下「エレクター」。),,社というに輸出しておりエレクター社に輸出した組立式棚について- 4 -取消審判請求の登録(平成20年8月25日)前3年以内の日付のインボイスを発行し(甲9ないし11(審判乙4の1ないし3,甲23,24,))そのインボイスには,本件商標が付されていた。したがって,本件商標の通常使用権者であるインターメトロ社は,取消審判請求の登録前3年以内に,本件商標の指定商品について本件商標の使用をした。 エレクター社による使用( )エレクター社に対する本件商標の通常使用権の許諾 ア技術援助契約に基づく本件商標についての通常使用権の許諾エレクター社は,昭和63年(1988年)8月26日,インターメトロ社との間で「(技術,」TE 対する本件商標の通常使用権の許諾 ア技術援助契約に基づく本件商標についての通常使用権の許諾エレクター社は,昭和63年(1988年)8月26日,インターメトロ社との間で「(技術,」TECHNOLOGICALASSISTANCEAGREEMENT援助契約。以下,その契約書を「技術援助契約書」という。甲18)を締結し,インターメトロ社から,本件商標の通常使用権の許諾を得た。インターメトロ社と原告は同一視されることから,エレクター社は,同技術援,。 助契約に基づき原告から本件商標の通常使用権の許諾を受けたといえるすなわち,技術援助契約書上の当事者は,形式的には,とであるACが,は,インターメトロ社の創業者であるの息子で,契約締結時にABインターメトロ社の代表者であり,は契約締結時にエレクター社の取締C役であったから(甲19,はインターメトロ社と,はエレクター社)ACと,それぞれ同視することができ,技術援助契約書に基づく技術援助契約は,インターメトロ社とエレクター社との間で締結されたものといえる。 そして,技術援助契約書の第12条には「日本国特許第409820,号,第813424号,第1159326号及びが取得する可能性のAある日本国特許及び商標につき,が独占的なライセンスの登録をする際Cには,はそれに協力することに同意する」旨規定されており,この規定Aにより,エレクター社は,インターメトロ社が有する特許の実施品を日本国内で販売する権限を与えられ,同社が有する商標の通常使用権を許諾さ- 5 -れた。 ,,,また技術援助契約書の第14条によれば技術援助契約の有効期間は発効日から5年間であるが,一方の当事者により終了されない限り,5年毎に延長されることとされている。そして,技術援 -れた。 ,,,また技術援助契約書の第14条によれば技術援助契約の有効期間は発効日から5年間であるが,一方の当事者により終了されない限り,5年毎に延長されることとされている。そして,技術援助契約書のロイヤリティに関する規定(第7条)は,平成21年(2009年)8月30日,インターメトロ社と,エレクター社及びその代表取締役である(甲21)EAPPENDIXBTo"TechnologicalAssistanceとにより締結された「」(技術援助契約書添付別表B。甲20)によって改訂され,Agreement"技術援助契約は,現在でも継続している。なお,技術援助契約書添付別表Bに記載された技術援助契約書の作成日(1988年8月25日)は,単純な誤記であり,その効力に影響を与えるものでいない。 イ黙示の本件商標の通常使用権の許諾エレクター社の社名は,インターメトロ社の製品である「エレクターシェルフ」に由来しており,エレクター社は,昭和41年8月の設立以来,インターメトロ社と技術提携し,日本国内において,インターメトロ社製の組立式棚を独占的に販売している。エレクター社は,原告又はインターメトロ社からその社名の使用の中止を求められることなく使用していることから,エレクター社による本件商標の使用は,原告の意思を反映したものである。インターメトロ社の製品がエレクター社により輸入され,日本,,国内の顧客に販売されている流通の実態にかんがみるとエレクター社は原告から,本件商標について通常使用権を許諾されていると解するのが合理的である。 ( )エレクター社による本件商標の使用 エレクター社は,インターメトロ社から輸入した組立式棚を日本の顧客に販売している。エレクター社は,取消審判請求の登録(平成20年8月25日)前3年以内 ( )エレクター社による本件商標の使用 エレクター社は,インターメトロ社から輸入した組立式棚を日本の顧客に販売している。エレクター社は,取消審判請求の登録(平成20年8月25日)前3年以内の平成19年(2007年)6月26日,ニチワ電機株式会- 6 -社に対し,本件商標を付した組立式棚を販売し,翌27日,納品した(甲31。 )エレクター社は,取消審判請求の登録前3年以内である平成19年6月及び平成20年5月に,製品カタログに,インターメトロ社製の組立式棚の写真を掲載するとともに,本件商標又は本件商標と社会通念上同一と認められる商標(以下,本件商標又は本件商標と社会通念上同一と認められる商標を「本件商標等」という)を付して頒布しており(甲23,24,また,そ。 )のころ,本件商標等が付されたインターメトロ社製の組立式棚を販売した。 まとめ本件商標は,取消審判請求の登録前3年以内に,日本国内において,通常使用権者であるインターメトロ社又はエレクター社によって,その指定商品である組立式棚について使用されていたから,商標法50条1項の規定に基づいてその登録を取り消すべきものであるとする審決の判断は誤りである。 第4被告の反論商標法50条1項の規定に基づいて本件商標の登録を取り消すべきものであるとする審決の判断に誤りはなく,原告主張の取消事由は理由がない。 インターメトロ社による使用に対し商標権者以外の者が実際に商標を使用していることをもって,商標権者が自己の業務に関して商標を使用しているというためには,商標権者が商標の使用を管理・監督できる立場になければならない。本件においては,インターメトロ社と原告の業務の実態は明らかでなく,原告がインターメトロ社による商標の使用を管理・監督していることは認められないから,インターメ 理・監督できる立場になければならない。本件においては,インターメトロ社と原告の業務の実態は明らかでなく,原告がインターメトロ社による商標の使用を管理・監督していることは認められないから,インターメトロ社による商標の使用をもって,商標権者である原告が自己の業務に関して商標を使用しているとはいえない。 また,原告は,甲8に基づき,インターメトロ社が,原告から,日本国内において本件商標を付した組立式棚等の製品を製造,販売する権限を与えられて- 7 -いると主張する。しかし,甲8の証明書は,インターメトロ社の秘書が公証人の面前で供述したとの事実を証明するものであるとしても,供述の内容の真実性を担保するものではない。したがって,甲8に基づいて原告主張の事実が認められるとはいえない。 さらに,原告とインターメトロ社は,法律上同一視できる関係にはなく,原告がインターメトロ社に本件商標の通常使用権を許諾した事実も認められない。 エレクター社による使用に対し技術援助契約書(甲18)の本文冒頭及び署名欄の記載によれば,技術援助契約は,,及び同夫人を当事者とするものである。 がインターメトロACDA社の代表権又は代理権を有していたことは立証されていないし,また,は,C技術援助契約締結当時,エレクター社の取締役であったにすぎず,及び同夫C人がエレクター社の代理権を有していたことも何ら立証されていない。しDたがって,技術援助契約は,原告又はインターメトロ社とエレクター社との間の契約であるとは認められず,契約外の原告及びインターメトロ社が,契約外のエレクター社に対して,技術援助契約に基づく義務を負うことはない。 技術援助契約書の第12条は,技術援助契約の範囲内において日本で取得された特許権及び商標権を対象としているところ,本件商標権 契約外のエレクター社に対して,技術援助契約に基づく義務を負うことはない。 技術援助契約書の第12条は,技術援助契約の範囲内において日本で取得された特許権及び商標権を対象としているところ,本件商標権は,技術援助契約の範囲内において取得された商標権に該当しない。また,技術援助契約書の第16条は,商標に関する条項であるが「」との商標,SUPERERECTASHELF及びそれに類似する商標について言及するのみであり,本件商標については規定していない。 E技術援助契約書添付別表B(甲20)の当事者は,インターメトロ社と,/エレクター社であり,技術援助契約書の当事者と異なるが,技術援助契約の契約当事者の地位の承継があったかどうかは明らかでない。 ロイヤリティの改定に係る技術援助契約書添付別表Bに記載された技術援助- 8 -契約書の作成日(1988年8月25日)は,技術援助契約書自体に記載された作成日(1988年8月26日)と,1日のずれがある。また,エレクター社がに宛てた平成21年(2009年)9月8日付けの「新ロイヤリティX支払いレートの件(甲20)において,技術援助契約書添付別表Bに記載さ」れたロイヤリティ支払時期の日付が誤記であることを指摘しているにもかかわらず,技術援助契約書の作成日の記載が誤記であることについては何ら指摘していない点に照らすと,その作成日の記載の1日のずれは,必ずしも明らかな誤記であるとはいい難い。 さらに,インターメトロ社と原告は,代表者が同一であるとしても,あくまでも,別個の法人格であるから,両者を同一視することはできず,エレクター社が,インターメトロ社から,本件商標等を付した組立式棚の独占的な販売権の付与を受けているとしても,その事実から,直ちに,原告から本件商標の通常使用権を許諾されているという ことはできず,エレクター社が,インターメトロ社から,本件商標等を付した組立式棚の独占的な販売権の付与を受けているとしても,その事実から,直ちに,原告から本件商標の通常使用権を許諾されているということはできない。 第5当裁判所の判断,,,当裁判所は①エレクター社は本件商標の通常使用権者と認めることができ②同社は,取消審判請求の登録前3年以内である平成19年6月及び平成20年5月に,インターメトロ社製の組立式棚の写真を掲載した製品カタログに,本件商標等を付して頒布し,また,そのころ,本件商標等が付されたインターメトロ社製の組立式棚を販売したことが認められるから,本件商標の登録を取り消すべきではないと判断する。その理由は,以下のとおりである。 事実認定( )インターメトロ社と原告の関係等 インターメトロ社は,同社及び原告を含むメトログループの事業活動の中核企業である。原告は,インターメトロ社の所在地と同一地に本社を有し,インターメトロ社が全額出資する完全子会社である。インターメトロ社の社長兼最高経営責任者であるは,原告の社長兼最高経営責任者(代表者)X- 9 -でもある。原告は,本件商標権を含む特許権・商標権等の知的財産権を保有しているが,これは,インターメトロ社の管理の下で,同社ないしグループ企業の利益のために使用する目的で保有するものである(甲30。 )( )エレクター社とインターメトロ社との取引 ,,日本法人であるエレクター社は昭和41年に設立された株式会社でありその社名は,インターメトロ社の製品である「エレクターシェルフ」に由来するものとして名付けられた。エレクター社は,昭和40年代前半には,インターメトロ社が製造した組立式棚「エレクターシェルフ」を日本で独占的に販売する権限を取得した。エレクター クターシェルフ」に由来するものとして名付けられた。エレクター社は,昭和40年代前半には,インターメトロ社が製造した組立式棚「エレクターシェルフ」を日本で独占的に販売する権限を取得した。エレクター社は,インターメトロ社が製造して本件商標等を付した組立式棚を輸入して販売する等の事業を行い,その宣伝広告のために,その組立式棚の写真を掲載した製品カタログに本件商標等を,(,,付して頒布するなどして本件商標等を使用してきた甲69ないし1117,23,24,27。 )エレクター社が,インターメトロ社の製造に係る組立式棚等を輸入,販売する業務に関して,両社の間において,昭和63年(1988年)8月26日付けの技術援助契約書(甲18)が作成された。 同契約書(訳文による)には,次のような記載がある。 。 BACア冒頭には「故人(略)の管財人(以下,甲という)及び・・・,及び夫人(以下,乙という)は1988年8月26日に本契約書を締D。 AC結した」との記載があり,また,末尾には,契約当事者として,,。 及び同夫人の署名がある。 Dイ第2条(a)には「甲は乙に対し,本契約の有効期間中,本契約に規,定する領域に限り,プラスチック製品の卸し,販売(製造は除く)の独占権に加え,家庭用及び輸出用の上記製品の製造,使用,販売,リースの独占権及びライセンスを許可する」との記載がある。 。 ウ第2条(c)には「・・・甲は乙に,●●●●●●●●●●●●●●,- 10 -●●●●●●●●●●に所在するエレクター株式会社に対し,日本国政府の承認の下,必要に応じて,サブライセンスを認める権限を与えるものとする。但し,該会社は,乙により完全に所有及び管理される会社であり,本契約書に規定する全ての義務・条項及び条件を負うものとする」と の承認の下,必要に応じて,サブライセンスを認める権限を与えるものとする。但し,該会社は,乙により完全に所有及び管理される会社であり,本契約書に規定する全ての義務・条項及び条件を負うものとする」との。 記載がある。 エ第7条には,乙が甲に支払うロイヤリティに関する合意が記載されている。 オ第12条には「甲は乙に対し・・・甲が取得する可能性のある日本国,,特許及び商標登録につき,乙が独占的ライセンスの登録をする際に協力することに同意する」との記載がある。 カ第14条(a)には「本契約は,1988年8月25日を以って発効,し,発効日より5年間有効とする。但し・・・どちらか一方の当事者に,より終了とされない限り,日本国政府の承認がある限り,5年毎に延長されるものとする」との記載がある。 。 SUPERキ第16条には「甲は,乙及びエレクター株式会社が商標『,』及びこれに類似する商標を本契約有効期間中領域内でERECTASHELF使用する権利を持つことに同意する」との記載がある。 。 ( )その後の事情及び本件商標の使用の事実 上記技術援助契約書のロイヤリティに関する規定(第7条)は,平成21年(2009年)8月30日,改訂されたが,改訂に係る契約書(技術援助契約書添付別表B)は,インターメトロ社と,エレクター社及びその代表取締役であるとの間で締結されている(甲20,21。 E)エレクター社は,平成19年6月26日,ニチワ電機株式会社に対し,本件商標を付した組立式棚を販売し,同月27日,同社に納品し(甲31,)また,平成19年6月及び平成20年5月に,製品カタログに,インターメトロ社製の組立式棚の写真を掲載するとともに本件商標等を付して,同カタ- 11 -ログを頒布し(甲23,24,さらに,そのころ,本件商標 成19年6月及び平成20年5月に,製品カタログに,インターメトロ社製の組立式棚の写真を掲載するとともに本件商標等を付して,同カタ- 11 -ログを頒布し(甲23,24,さらに,そのころ,本件商標等が付された)インターメトロ社製の組立式棚を販売した。 なお,原告及びインターメトロ社のいずれも,エレクター社の本件商標等の使用に関して,何らの異議を述べたことはない。 判断 以上のとおり,エレクター社は,平成19年6月及び平成20年5月に,インターメトロ社製の組立式棚の写真を掲載した製品カタログに,本件商標等を付して頒布し,また,そのころ,本件商標等が付されたインターメトロ社製の組立式棚を販売した。そして,上記認定した事実によれば,エレクター社は,本件商標について,原告による通常使用権の許諾を受けて使用したものと認定するのが自然である。 すなわち,①エレクター社は,昭和41年に設立され,インターメトロ社の製品である組立式棚を,同社から輸入し,販売する事業を継続してきたこと,②エレクター社は,昭和40年代前半には,インターメトロ社が製造した組立式棚「エレクターシェルフ」を日本で独占的に販売する権限を取得し,昭和6,,,3年ころにはエレクター社の及び同夫人がインターメトロ社のとCDA技術援助契約を締結し,エレクター社は,インターメトロ社の製造に係る組立式棚を日本で独占的に販売する権限を取得していること,③エレクター社は,インターメトロ社の製造に係る組立式棚の写真を掲載した製品カタログに本件商標等を付して頒布するなどしてきたこと,④インターメトロ社及び原告のいずれも,エレクター社の本件商標等の使用に関して,何らの異議を述べたことはないこと等の一連の経緯に照らすならば,エレクター社の本件商標等の使用は,原告の通常使用権の ,④インターメトロ社及び原告のいずれも,エレクター社の本件商標等の使用に関して,何らの異議を述べたことはないこと等の一連の経緯に照らすならば,エレクター社の本件商標等の使用は,原告の通常使用権の許諾の下でされたものと解するのが合理的である。 もっとも,技術援助契約書(甲18)は,,及び同夫人を当事者としACDて,作成されたものであること,本件商標は,同契約の対象に含まれていないこと等の事実に照らすならば,同技術援助契約を直接の根拠として,原告がエ- 12 -レクター社に対し本件商標の通常使用権を許諾したものではない。 しかし,①エレクター社とインターメトロ社とは,上記技術援助契約書に沿って,円滑な取引を継続してきたものであり,インターメトロ社は,所定のロイヤリティの支払を受けていたこと,②平成21年8月に,上記技術援助契約のロイヤリティに関する合意が改訂されているが,エレクター社とインターメトロ社とは,上記技術援助契約が,両社に対して効力を及ぼすものであったことを当然の前提として,改訂交渉を行っていること等の事情を総合参酌するならば,インターメトロ社(知的財産権の管理のために運営されていた同社の完全子会社である原告を含む)が,エレクター社に対して,本件商標に係る通。 常使用権の許諾を与えたと認定するのが合理的である。すなわち,エレクター社とインターメトロ社(子会社である原告を含む)とは,本件商標の使用許。 諾に関して書面を作成してないが,少なくとも書面によることなく,本件商標の使用を許諾していると認めることができる。この点に関する被告の主張は,採用の限りでない。 その他,被告は,縷々主張するが,いずれも採用の限りでない。 結論 以上のとおり,エレクター社は,本件商標の通常使用権者と認めることができ,同社は,取消審判請求の 告の主張は,採用の限りでない。 その他,被告は,縷々主張するが,いずれも採用の限りでない。 結論 以上のとおり,エレクター社は,本件商標の通常使用権者と認めることができ,同社は,取消審判請求の登録前3年以内である平成19年6月及び平成2,,0年5月にインターメトロ社製の組立式棚の写真を掲載した製品カタログに本件商標等を付して頒布し,また,そのころ,本件商標等が付されたインターメトロ社製の組立式棚を販売したことを認めることができるから,商標法50条1項の規定に基づいてその登録を取り消すべきものであるとする審決の判断は誤りである。よって,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第3部- 13 -裁判長裁判官飯村敏明裁判官中平健裁判官知野明- 14 -別紙

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