1 事件番号 令和3年(わ)第272号事件名 あっせん収賄,贈賄各被告事件宣告日 令和3年9月3日主 文被告人Aを懲役1年6月に,被告人Bを懲役1年に処する。 被告人両名に対し,この裁判が確定した日から3年間,それぞれその刑の執行を猶予する。 被告人Aから金200万円を追徴する。 理 由(罪となるべき事実)被告人Aは,後記第1及び第2の当時,福岡県京都郡C町議会議員を務めていたもの,被告人Bは,令和元年度C町職員採用試験を受験したDの実父,Eは,前記Dの実母,Fは,被告人A及び被告人Bと親交を有するものであるが第1 被告人Aは,令和元年11月18日,福岡県京都郡(住所省略)所在の同人方において,被告人B及び前記Fから,「前記Dが前記試験の第三次試験である個人面接試験を受験するに当たり,同町の職員の任用に関して職員採用試験の合格者の決定,職員の任命等に従事している同町幹部職員に対し,前記第三次試験の成績いかんにかかわらず,前記Dを前記第三次試験に合格させて同町職員に採用するよう,働きかけてもらいたい」旨のあっせん方の請託を受けてこれを承諾し,前記あっせんをすることの報酬として供与されるものであることを知りながら,現金200万円の供与を受け,もって賄賂を収受し第2 被告人Bは,前記F及び前記Eと共謀の上,第1記載の日,場所において,被告人Aに対し,第1記載のとおり,あっせん方を請託して同被告人からその承諾を受け,同被告人に対し,前記あっせんをすることの報酬として現金200万円を供与し,もって賄賂を供与した。 2 (証拠の標目)省略(法令の適用)省略(量刑の理由)被告人両名は,能力主義に基づく公正が厳に貫かれるべき判示採用試験に際し,その 供与し,もって賄賂を供与した。 2 (証拠の標目)省略(法令の適用)省略(量刑の理由)被告人両名は,能力主義に基づく公正が厳に貫かれるべき判示採用試験に際し,その公正を秘密裏に甚だしく害することを承知の上で,200万円という高額な現金授受を伴う本件犯行に及んでおり,採用試験の存在意義を顧みない身勝手な発想と行動に基礎付けられた犯情は,自ずから悪質である。 特に,被告人Aは,C町議員の地位にありながら,その地位に由来する影響力を不当に行使することを厭わず本件収賄に及び,その後も現実に幹部職員に働きかけて判示採用試験の公正ひいては結果を歪めており,町議会議員に対する町民のあるべき信頼を終始大きく裏切った点においても厳しい非難を免れない。 他方,被告人Bにしても,我が子の将来に目を奪われる余り,手段を選ばず,自ら200万円を持参して被告人Aに幹部職員へのあっせんを依頼し,積極的に本件贈賄に及んで被告人Aによる働きかけの端緒を提供したのであるから,もとより相応の非難を免れようもない。 このように,被告人両名の犯情は,いずれも決して軽視できないものといえるが,同種事案における量刑傾向に照らし,なお刑の執行を猶予し得る域にあるというべきところ,本件発覚に伴うものではあれ,不正に合格した被告人Bの息子がC町職員を辞し,被告人両名の当初の思惑は結局頓挫した上,被告人Aは議員の職を辞して町政の場から去り,被告人Bも職を辞するなど,それぞれに一定の社会的制裁を受け,その上で当公判においても反省の弁を述べていること,被告人両名に前科がないこと等の事情も踏まえると,被告人両名については,主文の各刑に処してその責任を明確にした上で,その刑の執行をそれぞれ3年間猶予するのが相当である。 (求刑 被告人Aにつき懲役1年6月 名に前科がないこと等の事情も踏まえると,被告人両名については,主文の各刑に処してその責任を明確にした上で,その刑の執行をそれぞれ3年間猶予するのが相当である。 (求刑 被告人Aにつき懲役1年6月及び追徴200万円,被告人Bにつき懲役13 年)令和3年9月3日福岡地方裁判所小倉支部第2刑事部 裁判長裁判官 井 野 憲 司 裁判官 佐 藤 洋 介 裁判官 佐 藤 い ぶ き
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