- 1 -主文 控訴人の本件控訴のうち,差戻しに係るAへの1万円の支出のうち5000円に関する部分についての控訴を棄却する。 控訴人のその余の本件控訴を却下する。 訴訟費用は,原審及び差し戻し後の当審並びに差し戻し前の当審及び上告審を通じ,すべて控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1当事者の求めた裁判 控訴人( )原判決を取り消す。 ( )被控訴人は,篠山市に対し,48万1500円及びこれに対する平成1 3年8月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ( )訴訟費用は,第1,2審とも,被控訴人の負担とする。 被控訴人( )本件控訴を棄却する。 ( )控訴費用は,控訴人の負担とする。 第2事案の概要 事案の要旨( )控訴人は,兵庫県篠山市の住民であるが,篠山市長の被控訴人が,違法 に①平成12,3年に弔慰のための香料として合計44万円,②平成12年9月10日開催のA総会・懇親会の会費として1万円,③Bの平成12年度年会費として3万1500円をそれぞれ支出し,その結果,篠山市に同金額相当の損害を被らせたとして,被控訴人に対し,平成14年法律第4号による改正前の地方自治法242条の2第1項4号に基づき,篠山市にその合計48万1500円及びこれに対する平成13年8月23日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を支払うよう命ずることを求めた。 - 2 -( )原審は,以上の各支出はいずれも違法な支出ではないとして,控訴人の 請求をすべて棄却した。 ( )差戻し前の当審は,①及び③の支出はいずれも違法な支出ではないとし たが,②の支出のうち5000円は違法な支出であるとして,原判決を変更し,被控訴人は,篠山市に対し,5000円及びこれに対する平成1 戻し前の当審は,①及び③の支出はいずれも違法な支出ではないとし たが,②の支出のうち5000円は違法な支出であるとして,原判決を変更し,被控訴人は,篠山市に対し,5000円及びこれに対する平成13年8月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう命ずる判決をした。 ( )これに対し,控訴人は,上記差戻し前の当審判決の敗訴部分(①及び③ のすべて並びに②のうちの5000円分)につき,上告(最高裁判所平成16年(行ツ)第40号)及び上告受理申立て(同平成16年(行ヒ)第45号)をし,被控訴人は,上記差戻し前の当審判決の敗訴部分(②のうちの5000円分)につき,上告(同平成16年(行ツ)第41号)及び上告受理申立て(同平成16年(行ヒ)第46号)をした。最高裁判所は,控訴人の上記上告につき,これを棄却し,かつ,上告審として受理しない旨の決定をし,被控訴人の上記上告につき,これを棄却する決定をし,上告受理申し立てにつき,受理(上告受理申立理由書の一部を排除)する決定をし,審理の上,上記差戻し前の当審判決のうち被控訴人の敗訴部分を破棄し,同部分を当裁判所に差し戻す判決をした。 ( )以上の経過により,控訴人の上告に係る部分は上告審による上告棄却及 び上告を受理しない旨の決定により同時に確定するので,当裁判所における審理の対象は,上記破棄差戻しに係る部分(上記②のうちの上記差戻し前の当審判決が認容した5000円に係る部分)に限られることになる。もっとも,控訴人は,48万5000円に係る請求の全体につき控訴を維持している。 前提事実並びに争点及びそれに対する当事者の主張次のとおり補正するほか,原判決の「事実及び理由」中の「第1事案の概- 3 -要など」の「2前提事実」及び「3争点及びそれに対する当事者の主張」記 事実並びに争点及びそれに対する当事者の主張次のとおり補正するほか,原判決の「事実及び理由」中の「第1事案の概- 3 -要など」の「2前提事実」及び「3争点及びそれに対する当事者の主張」記載のとおりであるから,これを引用する(ただし,①及び③の各支出(1支出及び2支出)に関する部分は除く。 。)( )2頁21行目の「定めている」の次に「乙1」を加える。 ()( )4頁16行目の次に,改行して次のとおり加える。 「墓地(忠魂碑)の清掃を主催した団体は,Cであって,Aではない。こうした行為に対し謝意を表するため,市長交際費を支出することは,憲法14条の法の下の平等の原則に違反する」。 ( )4頁25行目の「行われたため」の次に「Aによる市管理の墓地に対 ,する清掃奉仕活動に対する謝意の意味を含め」を加える。 ,( )5頁11行目から12行目にかけての「何らかの費用を支出しないわけ にはいかず」を削る。 ,第3当裁判所の判断 2支出について当裁判所の判断は,次のとおり補正するほか,原判決の「事実及び理由」中の「第3当裁判所の判断」の「1」及び「3」記載のとおりであるからこれを引用する。 ( )7頁14行目の「乙9」を「乙9ないし14,当審証人D」に改める。 ( )7頁19行目の「乙3-4頁」の次に「なお,Cは,Aとは別団体 ()。 である」を加える。 。 ( )7頁17行目の「任意団体である」を「任意団体であり,その会員数 。 は平成13年9月現在で41名である」に,同22行目の「草刈り作業で。 ある」を「草刈り作業であり,同作業は毎年1回,約15名の同会会員が。 参加し,1回当たりの作業時間は約2時間である(なお,この作業は,Cによりなされているものではない」にそれぞれ改める 業で。 ある」を「草刈り作業であり,同作業は毎年1回,約15名の同会会員が。 参加し,1回当たりの作業時間は約2時間である(なお,この作業は,Cによりなされているものではない」にそれぞれ改める。 。)。 ( )7頁末行の「助役」から8頁2行目までを「E助役が市長に代わって同 - 4 -総会に出席した。同助役は,同総会に引き続いて開催された飲食を伴う懇親会にも出席し,祝儀として市長交際費から1万円の支出をした。同金員の支出の決定は,同助役の先決処分により行った。なお,同金員は,単に懇親会の会費としてのみならず,Aによる篠山市管理に係る墓地の草刈り等の清掃奉仕活動に対し謝意を示すものとして支出が決定された」に改める。 。 ( )8頁5行目の「賄われている」の次に「Aの年会費の額は3000円 。 であり,平成12年度の総会及び総会後の懇親会について,会(すなわち,年会費)から総会費として会全体で1万8000円が支出されている(乙 」を加える。 )。 ( )8頁22行目から9頁3行目までを,次のとおり改める。 「助役の懇親会出席に伴う2支出の金額は1万円であり,その支出の決定は,助役の専決処分により適法になされた(なお,篠山市事務処理規則(規則第10号(乙10)及び当審証人Dの証言によれば,2支出の当時,市長交)際費の担当部局は総務部秘書室で本来総務部長が決裁権者であったが,実際上は,上位者である助役の決裁を得ていたため,上記2支出についても,助役により決裁がなされているので,適法で,同規則に反するものではないことが認められる)ところ,Aの会員が懇親会に出席するに当たり支払った。 懇親会費が5000円であり,なお不足する部分につき,同会会員の年会費の中から懇親会等について,1万8000円が賄われて補てんされていること,前 ころ,Aの会員が懇親会に出席するに当たり支払った。 懇親会費が5000円であり,なお不足する部分につき,同会会員の年会費の中から懇親会等について,1万8000円が賄われて補てんされていること,前記認定のとおり,2支出は,単に懇親会の会費としてのみならず,Aによる篠山市管理に係る墓地の清掃奉仕活動に対し謝意を示すものとして支出されたといえること,以上によれば,2支出は,社会通念からみて,優に社交儀礼の範囲内にあって相当であると認められるので,違法であるとはいえない。この2支出は特定の団体をことさらに優遇するものではないから,憲法14条の法の下の平等の原則に違反しないことは当然である。また,憲法89条に違反するものでもない。その他,控訴人が2支出が違法であると- 5 -して縷々主張するところはいずれも理由がない。したがって,2支出は違法な公金の支出であるとは認められない」。 結論 以上によると,控訴人の本件請求のうち,Aへの1万円の支出のうちの前記差戻し前の当審判決が認容した5000円に係る部分は理由がないので,これを棄却すべきところ,これと同旨の原判決は相当であるから,本件控訴のうち,同部分は理由がないので,これを棄却する。 なお,控訴人は,上記Aへの1万円の支出のうちの上記5000円に係る請求部分を含め,48万1500円に係る請求の全体につき,控訴を提起しているが,上記5000円の請求部分を除くその余の部分については,前記のとおり,既に確定して,控訴の利益がないので,この部分については,不適法として却下する。 大阪高等裁判所第9民事部裁判長裁判官中路義彦裁判官礒尾正裁判官金子修は,転官につき,署名押印することができない。 裁判長裁判官中路義彦 裁判長 裁判官中路義彦 裁判官礒尾正 裁判官金子修は,転官につき,署名押印することができない。 裁判長 裁判官中路義彦
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