令和3(ワ)33621 意匠権侵害・不正競争行為差止等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和7年7月4日 東京地方裁判所
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令和7年7月4日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和3年(ワ)第33621号意匠権侵害・不正競争行為差止等請求事件口頭弁論終結日令和7年4月17日判決 原告ヤーマン株式会社 同訴訟代理人弁護士小川憲久上田望美 被告株式会社Camellia(以下「被告Camellia」という。) 被告株式会社Kо uken (以下「被告Kоuken」という。) 被告ら訴訟代理人弁護士辻村和彦同補佐人弁理士明田佳久 主文 被告Camelliaは、原告に対し、1億6447万2231円及びこれに対する令和6年7月31日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 被告Kоukenは、原告に対し、427万5131円及びこれに対する令和6年7月31日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用はこれを10分し、その4を原告の負担とし、その余を被告らの負担とする。 この判決は、第1項及び第2項に限り、仮に執行することができる。 事実 及び理由第2 請求 1 被告らは、別紙被告商品目録記載の美容マスクを製造し、輸入し、販売し、販売の申出をし、又は販売のために展示をしてはならない。 2 被告らは、前項記載の美容マスク及びその製造のための金型を廃棄せよ。 3 被 、別紙被告商品目録記載の美容マスクを製造し、輸入し、販売し、販売の申出をし、又は販売のために展示をしてはならない。 2 被告らは、前項記載の美容マスク及びその製造のための金型を廃棄せよ。 3 被告Camelliaは、原告に対し、2億4052万4409円及びこれに対する令和4年1月20日から支払済みまで年3パーセントの割合による金 員を支払え。 4 被告Kоukenは、原告に対し、660万円及びこれに対する令和4年1月20日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 5 訴訟費用は被告らの負担とする。 第3 事案の概要等 事案の概要本件は、原告が、被告らに対し、(1)及び(2)の請求を選択的に請求する事案である。 (1) 意匠法に基づく請求意匠に係る物品を「美容マスク」とする意匠登録第1605840号の 意匠権(以下「原告意匠権」といい、原告意匠権に係る意匠を「原告意匠」という。)を有する原告が、被告らによる別紙被告商品目録記載の商品(以下「被告商品」といい、被告商品に係る意匠を「被告意匠」という。)の販売等は、原告意匠権を侵害すると主張して、被告らに対し、意匠法37条1項及び2項に基づき、被告商品の販売等の差止め及び廃棄を求めるとともに、 民法709条に基づき、被告Camelliaに対しては損害金2億405 2万4409円(意匠法39条2項により算定される損害額2億1865万8554円及び弁護士費用に係る損害額2186万5855円の合計)及びこれに対する訴状送達の日の翌日である令和4年1月20日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の支払、被告Kоukenに対しては、損害金660万円(意匠法39条2項により算定される損 害額600万円 である令和4年1月20日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の支払、被告Kоukenに対しては、損害金660万円(意匠法39条2項により算定される損 害額600万円及び弁護士費用に係る損害額60万円の合計)及びこれに対する訴状送達の日の翌日である令和4年1月20日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の支払を求めるもの。 (2) 不正競争防止法(以下「不競法」という。)に基づく請求原告の販売する別紙原告商品目録記載の商品(以下「原告商品」という。) が有すると原告が主張する形態的特徴は、原告の商品等表示として需要者の間に広く知られており、被告らが同形態と類似する被告商品を販売等する行為は、原告商品と混同を生じさせる行為であって、不競法2条1項1号の不正競争に当たると主張して、被告らに対し、同法3条1項及び2項に基づき被告商品の販売等の差止め及び廃棄を求めるとともに、同法4条に基づき、 前記(1)と同額の損害賠償金及びこれに対する訴状送達の日の翌日である令和4年1月20日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の支払を求めるもの(ただし、前記(1)の意匠法39条2項を不競法5条2項と読み替える。)前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲の各証拠(以下、特記しな い限り枝番を含む。)及び弁論の全趣旨により容易に認定できる事実)(1) 当事者原告は、美容健康機器、電子機器等の製造販売等を目的とする会社である。 被告Camelliaは、美容品・美容機器等の商品開発、販売、輸出 入等を目的とする会社である。 被告Kоukenは、日用雑貨、健康器具等の店舗販売及びインターネット等による通信販売等を目的 lliaは、美容品・美容機器等の商品開発、販売、輸出 入等を目的とする会社である。 被告Kоukenは、日用雑貨、健康器具等の店舗販売及びインターネット等による通信販売等を目的とする会社である。 (2) 原告意匠権(甲1、2)原告は、別紙原告意匠目録記載の登録意匠(原告意匠)に係る意匠権(原告意匠権)を有している。 (3) 原告商品原告商品は、マスクから左右方向に延出し、側頭部から回して後頭部で係着する左右ベルトと、マスクの顎部中央下端に接続され接続部から左右方向に延出し、側頭部を回して頭頂部で係着する上下ベルトを備えた黒色の顔の下半分を覆うシリコーン製のマスクに、両頬部に設けられた開口部に嵌め込 むことにより取り外し可能な電気信号発生器(電極から電気的筋肉刺激(以下「EMS」という。)を与える装置)を付加した商品であって、その外観は、人の顔の立体形状に沿う形で配置した状態では、別紙原告商品目録の写真のとおりである(以下、原告商品及び被告商品のいずれにおいても、左右ベルト及び上下ベルトを含むマスク全体を、単に「マスク」、マスクのうち、 上下ベルト及び左右ベルトを除いた部分を「マスク部」、マスク部と左右ベルトを併せて「本体部分」という。)。(甲12、乙8)(4) 原告商品の製造及び販売原告は、平成30年3月から、原告商品を製造、販売している。(甲12、弁論の全趣旨) (5) 被告商品被告商品は、マスクから左右方向に延出し、側頭部から回して後頭部で係着する左右ベルトと、マスクの顎部中央下端に接続され接続部から左右方向に延出し、側頭部を回して頭頂部で係着する上下ベルトを備えた黒色の顔の下半分を覆う布製のマスクに、両頬部に設けられたスナップボタンによっ 左右ベルトと、マスクの顎部中央下端に接続され接続部から左右方向に延出し、側頭部を回して頭頂部で係着する上下ベルトを備えた黒色の顔の下半分を覆う布製のマスクに、両頬部に設けられたスナップボタンによって 取り外し可能な電気信号発生器(なお、被告商品取扱説明書では「エレクト ロデバイス」と記載。)を付加した商品である(以下、被告商品のうちマスクを「イ号製品」といい、イ号製品に係る意匠を「イ号意匠」という。)。 被告商品及びイ号製品の外観は、人の顔の立体形状に沿う形で配置した状態では、別紙被告商品目録の写真及び別紙イ号製品の形状(立体)のとおり、被告商品及びイ号製品を平面の台に載置した状態では、それぞれ別紙被告商 品の形態(平置き)及び別紙イ号製品の形状(平置き)のとおりである。 (甲5、10、28、44、45、乙10)(6) 被告意匠に係る意匠権被告Camelliaは、被告商品の形状について、別紙被告意匠目録記載の意匠に係る意匠権(以下「被告意匠権」という。)を有している(乙5)。 (7) 被告商品の販売等被告Camelliaは、遅くとも令和2年8月から、「PLEASINGSAN」、「PLEASINGSAN フェイシャルリフト 20MinsLift」等の名称で、被告商品を製造し、輸入し、販売し、販売の申出をし、販売のための展示をしている(甲5、6)。 被告Kоukenは、遅くとも令和3年1月より、前記アと同一の名称で被告商品を販売し、販売の申出をし、販売のための展示をしている(甲7)。 争点 (1) 意匠権侵害に係る争点 原告意匠とイ号意匠の類否(争点1-1)無効の抗弁の成否(争点1-2)(2) 不競法2条1項1号に係る争点原告が主張する原告商 )。 争点 (1) 意匠権侵害に係る争点 原告意匠とイ号意匠の類否(争点1-1)無効の抗弁の成否(争点1-2)(2) 不競法2条1項1号に係る争点原告が主張する原告商品の形態的特徴が不競法2条1項1号所定の周知な商品等表示に該当するか(争点2-1) 原告が主張する原告商品の形態的特徴と被告商品の形態が同一又は類似 であるか(争点2-2)被告商品の販売等が混同を生じさせる行為に該当するか(争点2-3)(3) 差止めの必要性(争点3)(4) 損害の発生及び額(争点4)第4 争点に関する当事者の主張 争点1-1(原告意匠とイ号意匠の類否)について(原告の主張)(1) 原告意匠と対比すべき意匠はイ号意匠であること被告らは、イ号製品と電気信号発生器を一つの箱に梱包し、被告商品として販売等をしているから、販売等の差止めの対象は別紙被告商品目録記載の とおり被告商品である。 もっとも、原告意匠及びイ号意匠は、いずれも同じ美容マスクであって、原告意匠とイ号意匠が類似するとすれば、イ号意匠を実施する行為は、原告意匠権の侵害に当たるのであるから、本件では、原告意匠とイ号意匠について類否を判断すべきである。 仮に、被告商品の販売等の差止めが認められるためには、被告意匠の実施が原告意匠権を侵害している必要があるとの見解に立ち、かつ全体観察においては原告意匠と被告意匠は非類似であると判断される場合であっても、被告意匠における電気信号発生器は容易に取り外し可能であるから、被告意匠には、被告意匠から電気信号発生器に係る意匠を除いたもの、す なわちイ号意匠が、その特徴が破壊されることなく、電気信号発生器と区別し得る態様において包含されており、かつイ号意匠は原告 被告意匠には、被告意匠から電気信号発生器に係る意匠を除いたもの、す なわちイ号意匠が、その特徴が破壊されることなく、電気信号発生器と区別し得る態様において包含されており、かつイ号意匠は原告意匠と類似する。したがって、被告意匠の実施は、意匠に係る物品が同一である場合であって、原告意匠に更に形状、模様、色彩等を結合して全体としては別個の意匠としたとき、すなわち、原告意匠に類似する意匠を利用する関係に あるといえるから、被告意匠を実施する行為は原告意匠権を侵害する。 以上によれば、本件においては、原告意匠とイ号意匠を対比すべきである。 (2) 原告意匠と対比するイ号意匠の形状の把握について原告意匠公報図面は、原告意匠に係る物品が、意匠に係る物品の説明のとおり、「弾性のある材料で形成される」柔軟で可変性を有する物品であることを前提に、左右ベルトと上下ベルトで顔に装着して使用するものであるこ とから、その使用方法を踏まえて物品の形状を把握しやすいように作図されたものであって、意匠図面として妥当なものである。そして、イ号製品は、原告意匠に係る物品と全く同じ使用方法なのであるから、原告意匠と対比するイ号製品の形状についても、物品の使用方法を踏まえて作成された原告意匠公報図面と同様に物品を配置することにより把握すべきである。 そうすると、別紙イ号製品の形状(立体)1原告撮影写真のイ号製品の形状は、イ号製品のうちマスク部を、人がマスクを顔に当てて使用する場合と同様に地面と垂直な状態に配置した状態で、上下ベルト及び左右ベルトを左右に展開した状態を、イ号製品を空中に浮かべて撮影することは不可能であるため、できる限りこれに近い状態を再現すべく製作されたものであり、イ 号製品の形状を正確に表すものである。 (3 トを左右に展開した状態を、イ号製品を空中に浮かべて撮影することは不可能であるため、できる限りこれに近い状態を再現すべく製作されたものであり、イ 号製品の形状を正確に表すものである。 (3) 原告意匠及びイ号意匠の構成態様原告意匠及びイ号意匠の構成態様は、別紙主張対照表の「構成態様」、「原告の主張」欄に各記載のとおりである(以下、同別紙の頭書の符号に従って「原告主張基本的構成態様A」、「原告主張具体的構成態様a」などという。)。 (4) 原告意匠の要部について原告意匠は美容マスクであり、その主たる需要者は、女性を中心とした美容に関心を持つ一般消費者である。このような美容マスクの需要者は、商品の形状が皮膚の引き上げ効果を得るのに適した形状か否かという点に関心を持って商品を選択するから、装着した際の態様、すなわち装着時に顔のどの 部分がどの方向に引き上げられるかに直結する物品全体の正面視及び側面視 における輪郭形状(原告主張基本的構成態様A、B、C)が、強く需要者の注意を惹くといえる。また、このような需要者は、商品の使用時における見た目の美しさにも関心を持って商品を選択することから、物品を頭部に装着した際に正面に位置する、開口部を含むマスク部の正面形状(原告主張基本的構成態様A及びC)も、需要者の注意を惹くものといえる。 以上によれば、原告意匠の要部は、第一に、物品全体の正面視及び側面視における輪郭形状、第二に、開口部を含むマスク部の正面形状であるから、原告意匠の要部として把握すべき形状は、原告主張基本的構成態様A、B、Cを兼ね備えた形状である。 (5) 原告意匠とイ号意匠の対比 原告意匠とイ号意匠の共通点原告意匠とイ号意匠の共通点は、別紙主張対照表の「原告意 告主張基本的構成態様A、B、Cを兼ね備えた形状である。 (5) 原告意匠とイ号意匠の対比 原告意匠とイ号意匠の共通点原告意匠とイ号意匠の共通点は、別紙主張対照表の「原告意匠とイ号意匠の対比」「原告の主張」「共通点」欄に各記載のとおりであって、原告意匠に係る原告主張基本的構成態様A、B、Cと、イ号意匠に係る原告主張基本的構成態様a、b、cは同一である。また、具体的構成態様に ついてみても、同欄のアないしコ(以下、同別紙の頭書の符号に従って「原告主張共通点ア」などという。)記載のとおり、A1とa1(原告主張共通点ア)、A2とa2(同イ)、A4とa4(同エ)、A6とa6(同コ)、C2とc2(同ケ)が同一であるし、A3とa3については、左右ベルトの両端部に、装着時に後頭部で係着する面ファスナーを備えてい る点において(同ウ)、B1とb1については、上下ベルトが左右ベルトより全体としてやや短くやや幅狭である点において(同オ)、B2とb2については、上下ベルトの上縁が直線状である点等において(同カ)、B3とb3については、上下ベルトの両端部に、装着時に頭頂付近で係着する面ファスナーを備えており、面ファスナーの形状が横長の長方形で ある点において(同キ)、C1とc1は、鼻当て部の頂部から装着時に顎 に位置する部分にかけて、縦中心線部分が前面に盛り上がるように立体的に構成されている点等において(同ク)、共通している。 以上によれば、原告意匠とイ号意匠は、看者に共通の美感を生じさせものである。このことは、原告商品とイ号製品を比較すると、両製品の正面視における輪郭形状、及び、装着時のマスク部の正面形状が、需要 者から見て区別が付かないほど酷似していることからもいえる。 原告意匠とイ号意匠の差 原告商品とイ号製品を比較すると、両製品の正面視における輪郭形状、及び、装着時のマスク部の正面形状が、需要 者から見て区別が付かないほど酷似していることからもいえる。 原告意匠とイ号意匠の差異点原告意匠とイ号意匠は、別紙主張対照表の「原告意匠とイ号意匠の対比」、「原告の主張」、「差異点」欄アないしコ(以下、同別紙の頭書の符号に従って「原告主張差異点ア」などという。)に記載の差異がある。し かし、以下に述べるとおり、原告主張差異点アないしコは、いずれも細部についてよく見られる変更であって看者の注意を惹くものではなく、両意匠の要部の同一性から生ずる共通の美感を凌駕するような美感の差異を生ずるものでもない。 (ア) 原告主張差異点ア(B2とb2)について 原告意匠においても、上下ベルトのマスク部との接続部と両端部近辺とが同程度の幅であることにより、全体として略等幅のベルト形状としての印象を生ずるものであり、上記差異は、目立ちにくい微細な差異にすぎない。また、上下ベルトは、意匠に係る物品の装着時においては、顎下から側頭部を回して頭頂付近で係着され、上記の幅の差異が認めら れる箇所(マスク部との接続部から、上下ベルトの基部近辺にかけての箇所)は、顎下から顎の左右にかけての目に留まりにくい箇所に位置することからも、差異点アは目立ちにくい微細な差異にすぎない。 (イ) 原告主張差異点イ(B4とb4)について上下ベルトの両端の形状の違いは、ベルト端部の処理の仕方の差異に すぎず、両意匠に美感の違いを生じさせるようなものではない。また、 アで述べたのと同様、上下ベルトは、意匠に係る物品の装着時においては、顎下から側頭部を回して頭頂付近で係着され、上記の差異が認められる箇所(上下ベルトの両端 るようなものではない。また、 アで述べたのと同様、上下ベルトは、意匠に係る物品の装着時においては、顎下から側頭部を回して頭頂付近で係着され、上記の差異が認められる箇所(上下ベルトの両端部)は、頭頂付近という目に留まりにくい箇所に位置することからも、差異点イは目立ちにくい微細な差異にすぎない。 (ウ) 原告主張差異点ウ及びエ(C3とc3)についてイ号意匠が孔部を設けていないことは微細な改変にすぎないし、原告意匠の孔部は、意匠に係る物品の装着時においては、その上に頭頂に向けて引き上げる上下ベルトが重なることからも、目立ちにくい箇所に位置する。また、スナップボタンは、電気信号発生器を取り付ける という機能的目的により付加されたものであって、意匠に係る物品全体の大きさに対して小さく、かつ、同物品の装着時に顔の側面寄りに位置するため看者の注意を惹きにくい。したがって、差異点ウ及びエは、両意匠の要部である開口部を含むマスク部の正面形状の同一性から生ずる共通の美感を凌駕するような美感の差異を生ずるものではな い。 (エ) 原告主張差異点オ(c4)についてイ号意匠は、マスク部の背面に電極面を有しているが、マスク部背面は、意匠に係る物品の装着時には顔面に接し外部からは観察できず、同物品の裏側に該当することから、このような差異は目立ちにくい微 細な差異にすぎない。 (オ) 原告主張差異点カ(A3とa3)について原告意匠の要部ではなく、製品の裏面に位置しており、両意匠が生ずる美感に差異を生じさせるものではない。 (カ) 原告主張差異点キ(a5)について イ号意匠にある縫い目は、バイアステープを縫い付けるという専ら機 能的目的で配されているにすぎず、両意匠が生ずる美感に差異を ではない。 (カ) 原告主張差異点キ(a5)について イ号意匠にある縫い目は、バイアステープを縫い付けるという専ら機 能的目的で配されているにすぎず、両意匠が生ずる美感に差異を生じさせるものではない。 (キ) 原告主張差異点ク(B1とb1)について原告主張差異点クの限度で差異が存在すること自体は争わないが、意匠の要部に関する差異ではなく、両意匠が生ずる美感に差異を生じ させるものではない。 (ク) 原告主張差異点ケ(B3とb3)について原告意匠の要部ではなく、製品の裏面に位置しており、両意匠が生ずる美感に差異を生じさせるものではない。 (ケ) 原告主張差異点コ(C1とc1)について 原告意匠には縫い目が存在しないが、イ号意匠にある縫い目は、バイアステープを縫い付けるという専ら機能的目的で配されているにすぎず、両意匠が生ずる美感に差異を生じさせるものではない。 小括以上によれば、原告意匠とイ号意匠の差異点は、原告意匠の要部に関 する差異でなく、両意匠の同一性から生ずる共通の美感を凌駕するような美感の差異を生ずるものではないのに対し、原告意匠とイ号意匠は、その要部において同一であるから、イ号意匠は原告意匠に類似する。 (被告らの主張)(1) 原告意匠とイ号意匠について類否を判断すべきでないこと 原告意匠に係る物品は美容マスクであるのに対し、被告商品は、電気信号発生器を備え付けた顔面用マッサージ器であるから、そもそも物品が異なっている。また、被告らは、イ号製品を単体で販売等していないから、原告意匠と対比すべきは被告商品に係る被告意匠であって、イ号製品に係るイ号意匠ではない。 (2) イ号意匠の形状の把握について 、被告らは、イ号製品を単体で販売等していないから、原告意匠と対比すべきは被告商品に係る被告意匠であって、イ号製品に係るイ号意匠ではない。 (2) イ号意匠の形状の把握について 原告意匠とはその形状・寸法が同一ではないイ号製品において、原告意匠公報図面のとおりの状態を再現することは、そもそも極めて困難である。したがって、原告意匠とイ号意匠との対比に当たっては、単純にイ号製品を平面に置いた状態で図面を作成して、同図面をもってイ号意匠を特定すべきである。 原告意匠公報図面の側面図、左側面図、平面図及び底面図、並びに原告意匠に電気信号発生器を付加した態様であると原告が主張する原告商品のマスク部が、人間の顔の丸みに沿った立体形状で構成されていることからすると、原告意匠のマスク部は、人間の顔の丸みに沿った立体形状で構成されているものである。これに対し、被告意匠及びイ号意匠は、マスク全体が鼻当て部 を除き平面で構成されているものであるから、一定の力を加えた場合に生じる一時的・可変的クセや撓み等のある状態を捉えて、イ号意匠を特定することは恣意的なものと言わざるを得ず相当でない。以上によれば、イ号製品につき、原告意匠公報図面のとおりの状態を再現して、イ号意匠を把握することは相当でない。 仮に、原告意匠公報図面の状態を再現して、イ号意匠を把握するとしても、原告によるイ号製品の再現は、いずれもマスク部のアーチや左右ベルトが水平となるようにする屈曲部の出し方が一定ではなく、被告商品及びイ号製品の正確な形状を撮影したものではない。被告商品及びイ号製品の正確な形状は、別紙被告商品の形態(平置き)及び別紙イ号製品の形状(立体)2被告 ら撮影写真のとおりである。 (3) 原告意匠及びイ号意匠の構成態様そもそ ではない。被告商品及びイ号製品の正確な形状は、別紙被告商品の形態(平置き)及び別紙イ号製品の形状(立体)2被告 ら撮影写真のとおりである。 (3) 原告意匠及びイ号意匠の構成態様そもそも、原告意匠の背面部分を示しているのは、原告意匠公報図面の【左後方斜視図】と【背面図】の2つのみであるところ、【左後方斜視図】についてのみ、37個のドットが存在しており、両図に不一致があるから、 原告意匠は、図面等から具体的な一の意匠の内容を特定することができない。 仮に、【背面図】を【左後方斜視図】に優先させ、イ号意匠と対比するとした場合の、原告意匠及びイ号意匠の構成態様に関する被告らの主張は、別紙主張対照表の「構成態様」「被告らの主張」欄に各記載のとおりである(以下、別紙主張対照表の頭書の符号に従って「被告ら主張基本的構成態様A」、「被告ら主張基本的構成態様a」などという。)。 (4) 原告意匠の要部について物品全体を正面視した場合のより具体的な各形状こそが需要者の注意を最も惹く部分であるから、原告意匠の要部は、被告ら主張基本的構成態様A1、A2、A4、A5、B1、B2、B4、B5、C3である。 (5) 原告意匠とイ号意匠の対比 原告意匠とイ号意匠の共通点原告意匠とイ号意匠の共通点は、別紙主張対照表の「原告意匠とイ号意匠の対比」「被告らの主張」「共通点」欄に各記載のとおりである(以下、同別紙の頭書の符号に従って「被告ら主張共通点①」などという。)。 原告意匠とイ号意匠の共通点のうち、原告意匠の要部に関わるものは、 被告ら主張共通点④、⑤及び⑦である。共通点④は、実際には異なるマスク部の上縁及び下縁の形状のうち表現上共通する部分を括りだしたものにすぎず、また、その機能・性質からみて当 に関わるものは、 被告ら主張共通点④、⑤及び⑦である。共通点④は、実際には異なるマスク部の上縁及び下縁の形状のうち表現上共通する部分を括りだしたものにすぎず、また、その機能・性質からみて当然の形状又は同種製品に多々見られるごくありふれた形状の組合せにすぎない。共通点⑤は、その機能・性質からみて当然の形状又は同種製品に多々見られるごくあり ふれた形状にすぎない。共通点⑦は、全体の形状としては異なる上下ベルトの一部の共通点を表現上括りだしたものにすぎず、また、上下ベルトの上縁と下縁の両端部近辺が略水平の直線状であることや、両端部近辺と中央部近辺と同程度の幅であることなど、ベルトであれば通常有する形状に係るものにすぎない。また要部ではない共通点⑨については、 鼻当て部は単に鼻の形に合わせた形状、鼻当て部の開口は、単に一定時 間装着することが想定される美容マスクにおいて、装着時の通気を確保するとの機能を果たすために設けられた形状にすぎず、一定時間装着することが想定されるフェイスマスク等にも多々見られるごくありふれた形状である。したがって、共通点⑨に係る具体的構成態様が需要者の注意を強く惹くものであるとはいえないし、原告意匠とイ号意匠の鼻当て 部の具体的構成態様には、差異点⑬及び⑭があるから、それ自体の美感も異なるというべきである。 原告意匠とイ号意匠の差異点原告意匠とイ号意匠の差異点は、別紙主張対照表の「原告意匠とイ号意匠の対比」「被告らの主張」「差異点」欄に各記載のとおりである。 うち、原告意匠の要部に関わるものは、差異点①、②、③、④、⑥、⑧、⑨、⑪、⑫、⑯、⑰、⑲及び⑳である。 (ア) 被告ら主張差異点①差異点①は、原告意匠を大つかみに把握した場合にも認識される差異点であるから、 要部に関わるものは、差異点①、②、③、④、⑥、⑧、⑨、⑪、⑫、⑯、⑰、⑲及び⑳である。 (ア) 被告ら主張差異点①差異点①は、原告意匠を大つかみに把握した場合にも認識される差異点であるから、基本的構成態様に係る差異点である。 (イ) 被告ら主張差異点②、③、④、⑥、⑧、⑨及び⑪原告意匠は、本体部分及び上下ベルトを、いずれもその中央部分の曲線とその外側に延ばした直線の組み合わせで構成し、両ベルトの左右両端部近辺の幅を略同じにし、両ベルトの左右両端をいずれも丸形端にするとともに、本体部分を、マスク部の深く掘られた左右非対称の 円弧状の曲線とマスク部と左右ベルトの境界が明確となる曲線及び直線の組み合せで構成し、左右ベルトの両端部を明確な丸形端にすることにより、全体として、統一感があり、メリハリと立体感のある美感を呈している。これに対し、イ号意匠は、本体部分を直線と曲線の組合せで、上下ベルトを直線のみで構成し、また、上下ベルトを全体に わたって左右ベルトより幅狭にするとともに、本体部分を、マスク部 の浅い左右対称の円弧状の曲線とそこから左右ベルトに連続する曲線及び直線で構成し、左右ベルトの両端部を長方形の角を丸形に崩した形状とすることにより、全体として、上下が不統一であり、境界が曖昧で起伏の乏しい平坦な美感を呈している。 (ウ) 被告ら主張差異点⑫ 原告意匠は、マスク部と上下ベルトの間の繋ぎ部の存在により、立体として上下に折りたたみ可能な印象を与えるとともに、繋ぎ部の外側が深く掘り込まれたようなメリハリのある美感を呈している。これに対し、イ号意匠は、マスク部と上下ベルトが繋ぎ部を介することなく接していることにより、上下の折りたたみは不可能な印象を与え、境 界が曖昧で平坦な美 ようなメリハリのある美感を呈している。これに対し、イ号意匠は、マスク部と上下ベルトが繋ぎ部を介することなく接していることにより、上下の折りたたみは不可能な印象を与え、境 界が曖昧で平坦な美感を呈している。 (エ) 被告ら主張差異点⑯及び⑰原告意匠では、本体部分の左右ベルトの基部の装着時に両耳近傍という目立つ位置に、中心に1つその回りに等分で放射状に6つの合計7つの孔部が設けられているのに対し、イ号意匠では、本体部分のマス ク部の正面の両頬部分という目立つ位置に、円を縦方向に分割した形状の縫い目と電気信号発生器の装着部としての凸状のスナップボタン各2個が設けられているところ、原告意匠の7つの孔部が、装飾的な意味合いを有することで全体の美感に貢献するものであるのに対し、イ号意匠の2個のスナップボタンは、専ら電気信号発生器を装着する ための部材であることが明確であって、全体の美感を害する意味しか持ち得ないものである。 (オ) 被告ら主張差異点⑲原告意匠では左右ベルトが上下ベルトの上縁に対して左右両端部に向けて斜めにせり上がっていることにより、左右ベルトと上下ベルトの 間の空間が広がることで、全体を型抜きしたかのようなメリハリと立 体感のある印象を強めているのに対し、イ号意匠は、左右ベルトと上下ベルトが略並行であることによって、至って平坦なものであるとの印象を強めている。 (カ) 被告ら主張差異点⑳原告意匠は、少なくとも口開口部下部の装着時に顎に位置する部分が 顎を包むように立体的に形成されており、底面視において、上下ベルトの接続部の高さ位置が、マスク部のアーチの頂部の高さ位置の約3分の2の位置に落ち込んでいることにより、全体を型抜きしたかようなメリハリと立体感のある美感を呈しているの り、底面視において、上下ベルトの接続部の高さ位置が、マスク部のアーチの頂部の高さ位置の約3分の2の位置に落ち込んでいることにより、全体を型抜きしたかようなメリハリと立体感のある美感を呈しているのに対し、イ号意匠は、本体部分及び上下ベルトの全体が平面的に形成されており、底面視に おいて、上下ベルトの接続部の高さ位置とマスク部のアーチの頂部の高さ位置が一致していることにより、至って平坦なものであるとの美感を呈している。 小括以上によれば、原告意匠とイ号意匠は、上記イのとおり要部に係る差異 点によって、明らかに異なる印象・美感を生じさせる一方で、上記アの要部に係る共通点は、両意匠から生じる印象・美感にほとんど影響を与えるものではない。また、要部以外についてみても、共通点は上記アと同様の理由で、両意匠から生じる印象・美感にほとんど影響を与えるものではないのに対し、原告意匠とイ号意匠には多くの差異点がある。 (6) 小括以上によれば、イ号意匠は原告意匠に類似しない。なお、原告意匠と被告意匠を対比した場合は、被告意匠にはマスク部の正面の両頬部分という目立つ位置に電気信号発生器が備え付けられているから、被告意匠が原告意匠に類似しないことは、なお一層明らかである。このことは、被告Camell iaが、原告意匠の登録後に、被告意匠権を取得したことからも明らかであ って、被告らは、被告Camelliaの有する被告意匠権の実施として、被告商品を製造販売しているにすぎない。 争点1-2(無効の抗弁の成否)(被告らの主張)原告意匠は、前記1(3)(被告らの主張)のとおり、原告意匠登録公報に示 された【左後方斜視図】と【背面図】において明らかな不一致があり、図面等から具体的な一の意匠の内容を特定す 告らの主張)原告意匠は、前記1(3)(被告らの主張)のとおり、原告意匠登録公報に示 された【左後方斜視図】と【背面図】において明らかな不一致があり、図面等から具体的な一の意匠の内容を特定することができず、意匠法3条1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しないものであって、同法48条1項1号による意匠登録無効審判により無効にされるべきものであるから、原告は、被告らに対して、原告意匠権を行使することができない(意匠法41 条、特許法104条の3)。 (原告の主張)【左後方斜視図】は、面ファスナーの裏側に設けられたすべり止め目的の凹凸がより見えやすくなるため、放射状に配された37個のドットを表現しているのに対し、【背面図】では、面ファスナーの裏側に設けられたすべり止め目 的の凹凸を真正面から見ると見えにくいことを踏まえて記載を省略したものであって、何ら不一致は存在しないから、被告らの主張する無効事由は理由がない。 争点2-1(原告が主張する原告商品の形態的特徴が不競法2条1項1号所定の周知な商品等表示に該当するか)について (原告の主張)(1)原告商品の形態的特徴原告商品は、別紙原告主張一覧表「基本的特徴」欄に記載の各特徴を有しており(以下、同別紙の頭書の符号に従って「本件特徴I」などといい、本件特徴ⅠないしⅤを総称して「本件各特徴」ということがある。なお、Ⅰ、 Ⅱ、Ⅲは原告意匠の原告主張基本的構成態様A、B、Cと同じである。)、原 告商品における本件特徴ⅠないしⅤを組み合わせた形態は原告商品を表示するものである(以下、本件特徴ⅠないしⅤを組み合わせた形態を「原告表示」という。)。また、仮に、原告表示のみでは、周知な商品等表示となり得ない場合であっても、原 を組み合わせた形態は原告商品を表示するものである(以下、本件特徴ⅠないしⅤを組み合わせた形態を「原告表示」という。)。また、仮に、原告表示のみでは、周知な商品等表示となり得ない場合であっても、原告商品は、本件各特徴に加え、別紙原告主張一覧表「具体的特徴」欄に記載の各特徴をも有しており(以下、頭書の符号に従って 「本件特徴I1」などという。なお、Ⅰ1~Ⅲ3は、原告意匠の具体的構成態様A1~C3と同じである。)、当該特徴をも組み合わせた原告商品の形態も原告商品を表示するものといえる。 (2) 特別顕著性原告商品は、従来、顔や体に当てて使用する美容機器としては、美容作 用をもたらす作用部分と持ち手部分とで構成され、持ち手部分を持って作用部分を顔や体に当てるという方法で用いるハンディタイプの商品ばかりが販売されていた美容機器業界において、ハンズフリーで(手で持つ必要なく)、電気信号発生器を、お手入れをしようとする対象箇所に、労力を要することなく、正確にかつ継続的に当て続けることができるという画期的 な使用方法を可能とした点、美容機器の分野においてこれまで多く使用されてきた華やかさ、豪華さ、優美さ等を訴求する色彩及びデザインとは一線を画し、マスクを無彩色である黒色で統一し、機能美を追及したシンプルなデザインを用いている点等において、これまでには存在しない極めて特徴的で、画期的かつ革新的な製品である。そうすると、原告商品の形態 的特徴である本件特徴ⅠないしⅤを組み合わせた原告表示ないしその余の特徴をも備えた原告商品の形態は、いずれも特別顕著性を備えている。被告らは、原告商品の発売が開始した時点で、本件各特徴を有する他の商品が存在していたことを何ら主張立証しておらず、被告らが主張する他の商品の存在をもって、 の形態は、いずれも特別顕著性を備えている。被告らは、原告商品の発売が開始した時点で、本件各特徴を有する他の商品が存在していたことを何ら主張立証しておらず、被告らが主張する他の商品の存在をもって、特別顕著性は否定されない。 (3) 周知性 原告は、原告商品につき、発売以来、幅広い広告宣伝活動を実施した。 また、上記(2)で述べた画期的かつ革新的な製品性と、原告による強力な広告宣伝活動により、原告商品はその商品特性やデザイン特性とともに、従来美容機器の主たる需要者層であった美容に関心のある女性のみならず、男性にも広く受け入れられ、その結果として、原告商品は、テレビ、雑誌 などのマスコミにも広く取り上げられ、有名美容雑誌や有名ファッション雑誌において多数の賞(家電アワード、ベストコスメなど)を受賞してきた。その結果、原告商品は、平成30年3月の販売開始以来、日本国内だけでも、約1年半後の令和元年9月末には累計販売台数10万台を突破し、令和2年7月末(被告らが被告商品の販売を開始した月の前月)には累計 18万7000台に、本訴状送達直前の令和3年11月末には累計26万台に達するという美容機器としては驚異的な売上であった。装着型美顔器の分野における令和元年(2019年)、令和2年(2020年)の原告のシェアはそれぞれ92.9パーセント、91.7パーセントであって、令和2年における原告の装着型美顔器の販売額21.1億円は、同年におけ る美容機器の市場規模(各メーカーによる美容機器全ての販売額合計378億円)の約5.6パーセントに相当している。 上記の事実関係に照らせば、原告商品は、遅くとも令和2年7月には、取引者及び需要者(女性を中心とした美容に関心を持つ一般消費者)の間で高い知名度を有しており、これによ 6パーセントに相当している。 上記の事実関係に照らせば、原告商品は、遅くとも令和2年7月には、取引者及び需要者(女性を中心とした美容に関心を持つ一般消費者)の間で高い知名度を有しており、これにより、前記(1)で述べた本件特徴Ⅰな いしⅤを組み合わせた形態である原告表示は、原告の商品であることを表示する形態として、取引者及び需要者の間に周知なものとなった。以上によれば、原告表示は、不競法2条1項1号の商品等表示に当たる。 (被告らの主張)(1) 原告表示の商品等表示該当性 不競法2条1項1号の商品等表示 不競法2条1項1号の商品等表示は、登録商標のように予め設定されて公示されるものではなく、同号の適用を主張する者が何らの事前の公示もないままに、紛争時に突如として設定し、その使用の禁止を求めるものであることからすれば、同号の適用を主張する者による恣意的な商品等表示の設定を認めることは、取引の安全を著しく害し、ひいては自 由な表現・創作活動を萎縮させ、同法の目的である事業者間の公正な競争を阻害し、社会経済の健全な発展を損なうおそれが大きい。したがって、同号の商品等表示の設定は、第三者にとって予測可能な十分な合理的根拠が必要というべきであり、合理的根拠なく恣意的に設定されたものは、そもそも同号の定める商品等表示に該当しないというべきである。 原告商品の形態的特徴原告商品は、以下の①ないし⑤の形態的特徴(以下、頭書の符号に従って「被告ら主張特徴①」などといい、これらを総称して「被告ら主張特徴」ということがある。)を有している。被告ら主張特徴は、いずれも原告商品に接した需要者にとって非常に目に付きやすく、強く印象付け られる部分であるとともに、原告が、原告商品の極めて特徴的で、画期的 うことがある。)を有している。被告ら主張特徴は、いずれも原告商品に接した需要者にとって非常に目に付きやすく、強く印象付け られる部分であるとともに、原告が、原告商品の極めて特徴的で、画期的かつ革新的だと主張する点に関するもので、需要者に積極的にアピールしている特徴である。 ① マスク部の両頬部分に、電気信号発生器を嵌合するために、左右の各頬全体を覆うほどの大きさで、丸みのある三角おにぎり形状に隆起 した隆起部がある。 ② 前記隆起部の中央部には、前記隆起部に嵌合された電気信号発生器のスイッチ面を露出させるための、前記隆起部よりもやや小さめの丸みのある三角おにぎり形状の孔部がある。 ③ 電気信号発生器は、前記隆起部に嵌合できるように丸みのある三角 おにぎり形状である。 ④ 電気信号発生器のスイッチ面は、一方の電気信号発生器のマイナスボタンの下部に小さく記された原告社名である「YAMAN」(Aは上部に―がある表示。)との白抜き文字を除き、各ボタンの機能を説明する文字も含めて黒色で統一されており、かつ電気信号発生器を前記隆起部に嵌合させることで電気信号発生器スイッチ面を前記孔部から露 出させる構造となっていることから、前記孔部から露出する電気信号発生器のスイッチ面は、その立体的形状としても、色彩としても、前記隆起部を介してマスク全体と一体的・連続的である。 ⑤ マスク全体がマットな質感の黒色のシリコーン素材であり、1枚のシリコーン素材から型抜きして成形したかのように一体的に形成され ている。 原告表示が恣意的であること原告は、実際の原告商品の形態のうち需要者が当然に目にすることになる被告ら主張特徴①ないし⑤を完全に捨象し、原告商品の形態等を大きく超えて抽象化された 。 原告表示が恣意的であること原告は、実際の原告商品の形態のうち需要者が当然に目にすることになる被告ら主張特徴①ないし⑤を完全に捨象し、原告商品の形態等を大きく超えて抽象化された原告表示をもって、識別性・周知性を獲得したと 主張するが、このような商品等表示の設定にはおよそ合理的根拠がない。 さらに、本件各特徴は、あまりにも抽象化されているがゆえに、もはや原告商品の形態等を示すものというよりも、ほぼ原告商品が発揮する機能を果たす構成を示すものとなっている。すなわち、本件特徴Ⅰは、マスク部については顔の下半分を覆うという機能を果たすことができれば その具体的形態等は一切問わない、左右ベルトはマスク部と一体的に形成されてマスク部の左右方向に延出し、マスク部を顔の下半分を覆うように固定するという機能を果たすことができればその余の具体的形態等は一切問わない、とするものである。本件特徴Ⅱは、上下ベルトはマスク部の顎部中央下端に接続されて左右方向に延出し、装着時に頭頂に向 けて引き上げるという機能を果たすことができればその余の具体的形態 等は一切問わない、とするものである。本件特徴Ⅳは、マスク部の両頬部分にスイッチを備えた電気信号発生器が存在してさえいれば、その具体的形態等は一切問わない、とするものである。さらに、本件特徴Ⅲは、鼻当て部と開口部はマスク装着時の通気を確保するという機能を果たすための当然の構成として極めてありふれた形態等を示すものにすぎず、 本件特徴Vは、単色の色彩を指定するものにすぎず、あまりに抽象的かつ広汎なものである。このように、原告表示は、機能を果たすための極めてありふれた形態等と機能や色彩で特定される極めて広汎な形態等の組合せで構成されることとなり、その結果として、極めて広 りに抽象的かつ広汎なものである。このように、原告表示は、機能を果たすための極めてありふれた形態等と機能や色彩で特定される極めて広汎な形態等の組合せで構成されることとなり、その結果として、極めて広汎な形態等を包含している。 以上によれば、原告は、本件各特徴に係る形態iのみで識別表示としての適格性及び周知性が獲得されているといえる根拠を明らかにしなまま、原告商品の具体的形態等を離れて、単に被告商品を包含するべく便宜的・恣意的に過度に抽象化され極めて広汎な形態等を包含した原告表示のみをもって、原告の出所識別表示としての商品等表示であると主張す るものであるから、原告表示は、不競法2条1項1号にいう商品等表示には該当しない。 また、原告が主張する別紙原告主張一覧表「具体的特徴」欄に記載の形態的特徴(本件特徴Ⅰ1ないしⅢ3)についても、被告ら主張特徴①ないし⑤を捨象している点において何ら異ならないから、結局、これら の形態的特徴を組み合わせた形態も、不競法2条1項1号にいう商品等表示には該当しない。 (2) 特別顕著性上記(1)のとおり、原告表示は、広汎な形態等を包含するものであるから、顕著な特徴が認められるのか否かを判断すること自体がそもそも不可 能というほかなく、したがって、原告表示に特別顕著性を認めることはで きない。 (3) 周知性上記のとおり、原告表示にはそもそも商品等表示性が認められないから、原告表示が周知性を獲得するということもあり得ない。 争点2-2(原告が主張する原告商品の形態的特徴と被告商品の形態が同一 又は類似であるか)について(原告の主張)(1) 原告表示との類否被告商品は、別紙原告主張一覧表「被告商品の基本的特徴」欄に各記載のとおりの特徴を 特徴と被告商品の形態が同一 又は類似であるか)について(原告の主張)(1) 原告表示との類否被告商品は、別紙原告主張一覧表「被告商品の基本的特徴」欄に各記載のとおりの特徴を有しており、本件各特徴と被告商品の特徴の類似点は、同別 紙「類似点」の欄に各記載のとおりであって、被告商品は本件各特徴の全ての特徴で類似している。よって、原告表示と被告商品の形態は類似している。 被告らが主張する差異点は、原告商品の形態と被告商品の形態との差異であって、原告表示に係る差異ではないから、被告らが主張する差異点は、原告表示と被告商品の形態との類否判断に影響を与えない。 (2) 本件特徴Ⅰ1ないしⅣ2との類否被告商品は、別紙原告主張一覧表「被告商品の具体的特徴」欄に各記載のとおりの特徴を有しており、本件特徴Ⅰ1ないしⅣ2と被告商品の特徴の類似点は、同別紙「類似点」の欄に各記載のとおりであって、被告商品は本件特徴I1ないしⅣ2のうち、Ⅱ2、Ⅱ4、Ⅲ3、Ⅳ1、Ⅳ2を除く全ての特 徴で類似している。 上記のとおり被告商品の形態は、本件特徴Ⅱ2、Ⅱ4、Ⅲ3、Ⅳ1、Ⅳ2につき、別紙原告主張一覧表「差異点」の欄に記載の差異があるものの、商品等表示の類否及び後述の混同のおそれの有無の判断は、美容機器の需要者である美容に関心のある一般消費者の一般的な注意力を基準として、離隔的 観察により行われるべきところ、上記差異は、それ自体、極めて細かな又は 目立たない箇所に係るものであり、特に被告商品の販売形態であるインターネット上の画像では、客観的に、そもそも看取すること自体が不可能あるいは極めて困難なものであるから、原告商品の商品等表示に係る形態と被告商品の形態につき離隔的観察を行った場合、需要者である一 ンターネット上の画像では、客観的に、そもそも看取すること自体が不可能あるいは極めて困難なものであるから、原告商品の商品等表示に係る形態と被告商品の形態につき離隔的観察を行った場合、需要者である一般消費者が、被告らが指摘するような原告商品の形態と被告商品の形態の細かな又は目立たな い相違を想起することはほとんど考え難い。 以上によれば、上記差異は、被告商品の形態と原告商品の周知な形態的特徴との同一性に凌駕されて、類似性の判断に影響を及ぼさない。 (3) 小括以上によれば、原告表示と被告商品の形態は類似している。 (被告らの主張)原告商品の形態と被告商品の形態には以下の差異点(以下、頭書の符号にしたがって「被告ら主張差異点①(不競法)」などといい、これらを総称して「被告ら主張差異点(不競法)」ということがある。)がある。被告ら主張差異点(不競法)に照らせば、被告商品は原告表示と類似していない。 ① 原告商品は、マスク部の両頬部分に、電気信号発生器を嵌合するために、左右の各頬全体を覆うほどの大きさで、丸みのある三角おにぎり形状に隆起した隆起部があるのに対し、被告商品は、マスク部と両頬部分に円を縦方向に分割した形状の縫い目と、電気信号発生器の装着部として凸状のスナップボタン各2個を備えている。 ② 原告商品は、前記隆起部の中央部には、前記隆起部に嵌合された電気信号発生器のスイッチ面を露出させるための、前記隆起部よりもやや小さめの丸みのある三角おにぎり形状の孔部があるのに対し、被告商品のマスク部の両頬部分は平坦である。(隆起部の孔部も存在しない。)③ 原告商品の電気信号発生器は、前記隆起部に嵌合できるように丸みのあ る三角おにぎり形状であるのに対し、被告商品の電気信号発生器は、円形 坦である。(隆起部の孔部も存在しない。)③ 原告商品の電気信号発生器は、前記隆起部に嵌合できるように丸みのあ る三角おにぎり形状であるのに対し、被告商品の電気信号発生器は、円形 で本体の左右部に山形の取っ手部を備えた形状である。 ④ 原告商品の電気信号発生器のスイッチ面は、一方の電気信号発生器のマイナスボタンの下部に小さく記された原告社名である「YAMAN」(Aは上部に―がある表示。)との白抜き文字を除き、各ボタンの機能を説明する文字も含めて黒色で統一されており、かつ電気信号発生器を前記隆起 部に嵌合させることで電気信号発生器スイッチ面を前記孔部から露出させる構造となっていることから、前記孔部から露出する電気信号発生器のスイッチ面は、その立体的形状としても、色彩としても、前記隆起部を介してマスク全体と一体的・連続的であるのに対し、被告商品の電気信号発生器のスイッチ面は、ベースが黒色で、中央上部に、「PLEASINGS AN」との横書きの白抜き文字が配されるとともに、上記「PLEASINGSAN」の「P」の背後に赤色の三角形が描かれ、被告商品の電気信号発生器のスイッチ面の中央下部の左右に各ボタンの機能を説明する文字が白抜きで記載され、その下に2つのオレンジ色のボタンが配されており、かつ電磁信号発生器は、その平坦な裏面に設けられた各2個の凹状の スナップボタンと平坦なマスク部の両頬部分に設けられた各2個の凸状のスナップボタンを介してマスク部に装着される構造となっていることから、装着時にもスイッチ面のみならずその側面全てが露出しており、その立体的形状としても色彩としても、マスク全体に対し独立的、非連続的である。 ⑤ 原告商品は、マスク全体がマットな質感の黒色のシリコーン素材であり、 1枚のシ ずその側面全てが露出しており、その立体的形状としても色彩としても、マスク全体に対し独立的、非連続的である。 ⑤ 原告商品は、マスク全体がマットな質感の黒色のシリコーン素材であり、 1枚のシリコーン素材から型抜きして成形したかのように一体的に形成されているのに対し、被告商品の本体部分は、いずれもライラク生地で形成された内側部と周縁部からなり、周縁部と内側部の間には、別の生地である周縁部が千鳥掛けで内側部に縫合された縫い目がある。また、鼻当て部は、同じくライラク生地で、鼻の中心線に沿って凸部を備え、鼻頂部にか けて千鳥掛けでマスク本体に縫合された縫い目がある。上下ベルトは黒色 のゴム生地で、その上縁の中央部がマスク部の下に接するように縫合されている。 上記①ないし⑤の差異は、いずれもその客観的な位置関係や大きさから需要者が当然に目にする部分であり、原告が、原告商品の特長等として需要者に強く訴求している部分であるから、美容に関心のある需要者が強く注目す る箇所である。上記①ないし⑤に記載した原告商品の形態は、鼻当て部も含む本体部分と上下ベルトが1枚の連続したシリコーン素材で形成されているために一体的・連続的で、その表面も滑らかで、全体としてすっきりとした印象を与え、電気信号発生器(及びそのスイッチ面)とマスク本体とが、統一された黒色の一つの立体的形状として、連続的に一体化して形成されてい ることにより、「ストイックなイメージ」といった原告主張の原告商品のデザインコンセプトを体現している。これに対し、被告商品は、被告主張特徴①ないし⑤(不競法)を有しておらず、ライラク生地の本体部分の周縁部、本体部分の内側部及び鼻当て部、並びにゴム生地の上下ベルトという元は別の4つの部材を縫合して形成されているために は、被告主張特徴①ないし⑤(不競法)を有しておらず、ライラク生地の本体部分の周縁部、本体部分の内側部及び鼻当て部、並びにゴム生地の上下ベルトという元は別の4つの部材を縫合して形成されているために可分的・不連続的で、各縫合 部の千鳥掛けの縫い目や鼻当て部の中心線にある凸部もあいまって、その表面に凹凸があり、全体としてザラついた印象であるし、電気信号発生器とマスク本体が、色彩的にも統一性がなく、平面的に装着されているだけの別個独立の部材としての外観を呈しているのであって、原告商品とは正反対の特徴を有しているところ、上記被告商品の形態は、インターネット上の画像で も十分に看取可能であって、細かな又は目立たない箇所に係るものなどとは到底いえない。 (4) 小括以上によれば、被告商品の形態は原告表示と類似しない。 争点2-3(被告商品の販売等が混同を生じさせる行為に該当するか)につ いて (原告の主張)形態の類似性に加え、原告商品と被告商品は、いずれも美容マスクという同一用途の製品であり、その需要者は、美容に関心のある一般消費者であるから、需要者も共通している。また、原告商品も被告商品も、インターネットで販売されており、両製品の販売形態も共通している。 そして、インターネットによる販売の場合は、需要者は、販売者がインターネット上に掲載している限定的な情報(商品名、商品写真等)から商品の出所を識別するところ、被告らは、原告商品の周知性にただ乗り(フリーライド)しようとの意図で、被告商品の宣伝広告においても、原告商品の宣伝広告と類似した構図の写真や表現を多数用いており、これらに接した取引者及び需要者 において、被告商品の出所と原告商品の出所について混同を生じさせるおそれがあること 告においても、原告商品の宣伝広告と類似した構図の写真や表現を多数用いており、これらに接した取引者及び需要者 において、被告商品の出所と原告商品の出所について混同を生じさせるおそれがあることは明らかである。 これに対し被告らは、原告商品と被告商品は、形態、商品名ないし社名の記載の有無、価格、電気信号発生器の機能につき相違があることから、混同のおそれが生じないと主張する。しかし、被告らが主張する原告商品と被告商品の 形態の相違は、それ自体、極めて細かな又は目立たない箇所に係るものであり、特に被告商品の販売形態であるインターネット上の画像では、客観的に、そもそも看取すること自体が不可能あるいは極めて困難なものである。次に、商品名の相違及び社名の記載の有無については、インターネットで被告商品を目にした需要者が、電気信号発生器のスイッチ面の「PLEASINGSA N」というロゴを看取できるとは考え難く、原告商品と時と場所を異にして被告商品に接した場合、原告商品の形態との相違を想起することもほとんど考え難い上、美容機器において製品にメーカー名や個々の商品名とは異なるシリーズ名・ブランド名が付され、これが製品自体にも表示される場合もあるという取引の実情を踏まえると、当該ロゴが製品に表示されていることをもって、一 般消費者が被告商品の出所につき原告商品の出所と別のものとして認識するこ とは不可能である。さらに、価格の相違については、原告商品の紹介記事や宣伝広告において価格は強調されていないうえに、記載された価格は原告の希望小売価格にすぎず、実際の販売価格を表すものではないこと、被告らの主張を前提としても、価格差が大きいとはいえないことからすれば、価格の違いをもって、一般消費者が被告商品の出所につき原告商品の出所 望小売価格にすぎず、実際の販売価格を表すものではないこと、被告らの主張を前提としても、価格差が大きいとはいえないことからすれば、価格の違いをもって、一般消費者が被告商品の出所につき原告商品の出所と別のものとして認 識するとは考え難い。また、機能の相違については、被告商品も、原告商品と同様に、大小頬骨筋と咬筋の位置や特性に対して異なる電気刺激を与える機能を有しているから、被告らの主張は前提とする事実に誤りがあるし、仮に被告らが主張するとおり電気信号発生器に機能の相違があったとしても、同相違は、製品の外観や、需要者、販売形態に何ら影響を及ぼすものではないから、 原告商品と被告商品の形態の類似性を基礎とした、両製品の出所の混同のおそれの有無の判断に、何ら影響を及ぼさない。 以上によれば、被告商品の販売等は、商品の出所につき混同を生じさせるおそれがある。 (被告らの主張) 原告商品及び被告商品は、いずれも人間の身体に作用して影響を与えようとする商品であって、しかもその影響を与えようとする部位が顔であることから、需要者である美容等に関心のある女性及び男性は、その安全性や信頼性に意を配るのが通常であり、このため、その製造元・出所について関心を有しているのが通常である。 また、原告商品は、各種媒体に取り上げられて、相応の販売実績も上げているから、需要者である美容等に関心のある女性及び男性は、原告商品と同種の機能を有する商品につき、原告の製造販売に係る商品なのか、それとも他社の製造販売に係る商品なのかという点にも、関心を寄せている。 そして、原告商品と被告商品には、前記4(被告らの主張)で主張した差異 があり、これらの差異は、需要者の注目する部分に係る相違であって、これら の差異によって、被 心を寄せている。 そして、原告商品と被告商品には、前記4(被告らの主張)で主張した差異 があり、これらの差異は、需要者の注目する部分に係る相違であって、これら の差異によって、被告商品は、原告商品のデザインコンセプトとは正反対の商品イメージを与えるものであることからすれば、需要者である美容等に関心のある女性及び男性が、原告商品と被告商品の出所を混同することなどあり得ない。加えて、原告商品の商品名は「メディリフト」であり、原告商品の写真等に必ず並記されている商品名であるのに対し、被告商品は、もっぱら「PLE ASINGSAN」との商品名のみを付されて販売されており、被告商品の電気信号発生器のスイッチ面も「PLEASINGSAN」とのロゴが配されており、原告商品と被告商品は商品名が全く異なること、原告商品の価格が2万7500円であるのに対し、被告商品の価格は9980円であって価格が全く異なること、原告商品には「YAMAN」(Aは上部に―がある表示。)と の原告の社名が記載されているのに対し、被告商品にはこのような記載がされていないこと、などに照らせば、需要者において原告商品の形態と被告商品の形態のみに着目して、出所を混同することは考え難い。 以上によれば、需要者が、被告商品の形態によって、その出所を混同するおそれは全くない。 争点3(差止めの必要性)について(原告の主張)被告らによるイ号製品の製造、輸入、販売、販売の申出、販売のための展示は、原告の有する原告意匠権を侵害するものであり、今後も侵害するおそれがあるため、原告は、被告らに対し、意匠法37条1項及び2項に基づく差止請 求権及び廃棄請求権を有する。 また、被告らによる被告商品の製造、輸入、販売、販売の申出、販売のための展示 るおそれがあるため、原告は、被告らに対し、意匠法37条1項及び2項に基づく差止請 求権及び廃棄請求権を有する。 また、被告らによる被告商品の製造、輸入、販売、販売の申出、販売のための展示は、不競法2条1項1号に定める周知表示混同惹起行為に該当するものであり、これによって原告は営業上の利益を侵害されており、今後も侵害されるおそれがあるため、原告は、被告らに対し、同法3条1項及び2項に基づく 差止請求権及び廃棄請求権を有する。 被告らが、口頭弁論終結時点で、被告商品を販売していないことは否認する。 被告らの主張は何らの証拠に基づかないものであり、認められない。 (被告らの主張)被告Camelliaは、令和6年8月4日をもって被告商品の販売を終了しており、被告Kоukenも同年7月31日をもって被告商品の販売を終了 している。原告が証拠として提出した販売サイトに係る証拠(甲58ないし60)は、被告らのいずれかが販売した被告商品を転売する販売サイトであって、被告らが販売するものではない。 以上によれば、意匠権侵害ないし営業上の利益の侵害のおそれはないから、被告商品の販売等の差止め及び廃棄請求は認められない。 争点4(損害の発生及び額)について(原告の主張)(1) 意匠権侵害による損害被告Camellia関係(ア) 意匠法39条2項に基づく損害賠償請求 原告は、イ号製品に電気信号発生器を付加した被告商品と競合する原告商品を製造販売しているところ、令和3年2月から令和6年7月までの間の意匠法39条2項により推定される被告Camelliaによる被告商品の販売によって原告に生じた損害額は、別紙被告Camelliaの限界利益一覧表「原告の主張」欄に記載のとおり、Am azon 意匠法39条2項により推定される被告Camelliaによる被告商品の販売によって原告に生じた損害額は、別紙被告Camelliaの限界利益一覧表「原告の主張」欄に記載のとおり、Am azon販売分につき●(省略)●円(1台当たり●(省略)●円×●(省略)●台)、被告Kоuken販売分につき●(省略)●円(1台当たり●(省略)●円×●(省略)●台)の合計である2億1360万0300円を下らない(ただし、請求額は、令和6年のAmazon販売分に係る広告費用を控除していない2億1865万8554 円である。)。 原告と被告らが主張する被告Camelliaが被告商品を販売したことにより得た限界利益の額の相違は、別紙被告Camelliaの限界利益一覧表のとおり、被告CamelliaがインフルエンサーにSNS等への被告商品の広告宣伝動画等の投稿を依頼した費用(以下「インフルエンサーによる宣伝広告費」という。)の金額の違いに起 因するところ、原告が主張するインフルエンサーによる宣伝広告費は、被告らが主張するインフルエンサーによる宣伝広告費のうち、本件証拠において、インフルエンサーによる当該投稿が、被告商品の宣伝に当たることが裏付けられているものを集計したものであり、本件証拠上SNS等への投稿の裏付けがないものについては、経費として認め られない。 (イ) 弁護士費用原告は、本件訴訟の遂行を弁護士及び弁理士に委任した。このうち、被告Camelliaの不法行為と相当因果関係のある弁護士費用は、上記(ア)請求額の1割である2186万5855円を下らない。 (ウ) 小括以上をまとめると、被告Camelliaが被告商品を販売することによって原告に生じた損害額は、合計2億4052万 求額の1割である2186万5855円を下らない。 (ウ) 小括以上をまとめると、被告Camelliaが被告商品を販売することによって原告に生じた損害額は、合計2億4052万4409円である。 被告Kоuken関係 (ア) 意匠法39条2項に基づく損害賠償請求原告は、イ号製品に電気信号発生器を付加した被告商品と競合する原告商品を製造販売しているところ、被告Kоukenは、令和3年2月から令和6年7月までの間、楽天市場、Yahoo!ショッピング及びGiftmallにおいて、被告商品を●(省略)●個販売し、 その販売金額(税込)は少なくとも合計●(省略)●円である。 そして、被告Kоukenは、上記販売金額(税込)のうち、少なくとも、後記(被告らの主張)(1)イの主張のとおり、被告Camelliaに対する支払において、被告Camellia商品の販売価格から控除した楽天利用料と実際に被告Kоukenが支払った楽天利用料との差額である●(省略)●円(f)、被告Camellia商品の 販売価格から控除した被告商品1個当たりの梱包費及び送料と実際に掛かる梱包費及び送料の差額である●(省略)●円(g)、被告Kоukenが、被告Camelliaに対する支払において算定したGiftmallにおける販売金額及び手数料と実際に被告KоukenがGiftmallで販売した販売金額と支払った手数料の差額であ る●(省略)●円の合計である●(省略)●円については、利益を得ている。 さらに、被告らは、被告Kоukenは、自身の販売価格から自身が支払を負担する被告Camellia商品に係る変動経費を控除した金額を仕入価格として算出し、同仕入価格を被告Camelliaに 対して支払ってお 、被告Kоukenは、自身の販売価格から自身が支払を負担する被告Camellia商品に係る変動経費を控除した金額を仕入価格として算出し、同仕入価格を被告Camelliaに 対して支払っており、通常の商取引において予定されているような転売差益は発生しない旨主張するが、第三者間の取引において、転売差益が生じない取引が行われているとは通常考え難い。また、被告らは、Yahoo!ショッピングに係る売上については被告Kоukenに利益はないと主張するが、Yahoo!ショッピングに支払う各種手 数料の設定及び実績を考慮して決定した変動経費の割合が10パーセントであることを裏付ける証拠は提出されていない。よって、被告Kоukenは、1個当たり販売価格と仕入価格の差額である●(省略)●円の利益を得ているというべきである。 以上に述べたことからすれば、被告Kоukenが被告商品の販売に よる得た限界利益の額は、少なくとも600万円を下らない。 (イ) 弁護士費用原告は、本件訴訟の遂行を弁護士及び弁理士に委任した。このうち、被告Kоukenの不法行為と相当因果関係のある弁護士費用は、上記(ア)請求額の1割である60万円を下らない。 (ウ) 小括 以上をまとめると、被告Kоukenが被告商品を販売することによって原告に生じた損害額は、合計660万円である。 (2) 意匠法39条2項に係る推定覆滅事由に対する反論原告意匠は電気信号発生器を備えていない美容マスクに係るものであることについて 被告商品のマスクは、デザインの洗練性を併せ持っていて製品全体の美感を決定付けるものである上、顔に装着することで、手を使わずに電気信号発生器を筋肉の位置に応じた適切な位置に密着して使用することができるという画期的 は、デザインの洗練性を併せ持っていて製品全体の美感を決定付けるものである上、顔に装着することで、手を使わずに電気信号発生器を筋肉の位置に応じた適切な位置に密着して使用することができるという画期的な機能を発揮するための不可欠な役割を果たしているから、被告商品のマスクは、製品の特長として強力な顧客吸引力を 有している。また、被告商品は、マスクと電気信号発生器が不可分一体となって、一つの商品として顧客吸引力を生み出し、需要者が商品を購入する際の決定的な動機付けとなっている。上記に述べたことからすれば、原告意匠が被告商品の部分のみに実施されていることを推定覆滅事由として考慮すべきでない。 また、被告らは、被告商品のうち原告意匠権を侵害する部分の被告商品の販売利益に対する寄与率は、マスクの原価割合を超えないとも主張しているが、意匠の寄与率は顧客吸引力の観点から決せられるべきものであって、原価割合は関連性がない。 販売価格の差 原告商品の希望小売価格は、実際の販売価格を表すものではないし、 原告商品の希望小売価格(税込2万7500円)と被告商品の販売価格(税込9980円)を比較した場合であっても、需要者である美容に関心を有する一般消費者等が購入可能な範囲内のものであり、価格差は大きなものではないから、推定覆滅事由として考慮されるべきではない。 市場における競合品の存在 被告らが主張する競合品の取扱開始日は、最も早いものは令和3年2月24日、最も遅いものは令和6年1月18日であって、被告らが被告商品の販売を開始した時期より後であるから、被告商品が販売されていた期間の多くにおいて、これらの商品は競合品として存在していなかった。 また、被告らが主張する競合品は、①マスク本体による物理的な引き上 品の販売を開始した時期より後であるから、被告商品が販売されていた期間の多くにおいて、これらの商品は競合品として存在していなかった。 また、被告らが主張する競合品は、①マスク本体による物理的な引き上 げ効果、②ハンズフリーで適切な位置に電気信号発生器機能を作用させ続けることができる機能、③デザインの洗練性という原告商品及び被告商品が有する3つの特徴全てを有しているとはいえないから、需要者が実際に商品購入を判断する際、これらの商品は原告商品及び被告商品の代替とはなり得ないものである。よって、これらの商品が、被告商品発 売後の一時期市場に存在したとしても、被告らが得た利益と原告が原告意匠権侵害によって受けた損害との相当因果関係を阻害することにはならない。 被告らの営業努力について被告商品が販売数を獲得したのは、被告商品が原告商品と同様に、上記 ウで述べた①ないし③の特徴を有し、この点が強い顧客吸引力を発揮したためであり、被告らの営業努力によるものではない。 (3) 不競法4条による損害被告らは、原告商品の宣伝広告と類似した表現を多数用いており、原告商品の周知性にただ乗り(フリーライド)する意思があることは明らかである から、被告らは、被告商品の販売により原告の営業上の利益を侵害している ことにつき、故意又は過失がある。 不競法4条に基づく損害の額の主張は上記(1)と同じ(ただし、意匠法39条2項とある箇所は、不競法5条2項と読み替える。)。 (4) 不競法5条2項に係る推定覆滅事由に対する反論意匠法39条2項に係る推定覆滅事由と共通する事由(販売価格の差、 市場における競合品の存在、被告らの営業努力)について前記(2)イないしエと同じ。 被告商品の出 対する反論意匠法39条2項に係る推定覆滅事由と共通する事由(販売価格の差、 市場における競合品の存在、被告らの営業努力)について前記(2)イないしエと同じ。 被告商品の出所を誤認混同した結果として原告商品の販売機会が失われたという事態が生じるおそれが極めて乏しいことについて前記5(原告の主張)のとおり、原告商品と被告商品とは、出所の誤 認混同のおそれがあるのみならず、実際にも需要者に出所の誤認混同を生じさせるものというべきである。被告らは、いわゆるインターネット上の商品比較サイトにおいて、原告商品と被告商品が比較されていることから、需要者のほとんどは原告商品と被告商品を混同していないと主張するが、上記比較サイトは、商業目的で作成されたアフィリエイト広 告であって、その露出の程度も不明である以上、多くの需要者がこのようなアフィリエイト広告により、離隔的観察に留まらず、対比的観察の機会を得て、被告商品と原告商品の出所を区別するに至ったなどと推認する余地はない。よって、被告らの上記主張は推定を覆滅する事情とはならない。 (被告らの主張)(1) 意匠権侵害による損害被告Camellia関係(ア) 被告Camelliaが被告商品を販売したことにより得た利益の額 令和3年2月から令和6年7月までの間の被告Camelliaが被 告商品の販売によって得た限界利益の額は、別紙被告Camelliaの限界利益一覧表「被告らの主張」欄に記載のとおり、Amazon販売分につき●(省略)●円(1台当たり●(省略)●円×●(省略)●台)、被告Kоuken販売分につき●(省略)●円(1台当たり●(省略)●円×●(省略)●円))の合計である●(省略)●円で ある。 被告らが主張 ●円(1台当たり●(省略)●円×●(省略)●台)、被告Kоuken販売分につき●(省略)●円(1台当たり●(省略)●円×●(省略)●円))の合計である●(省略)●円で ある。 被告らが主張するインフルエンサーによる宣伝広告費は、全て被告商品の広告宣伝のために支出されたものであるから、その全額が被告商品の広告宣伝に当たる。 (イ) 弁護士費用 争う。 (ウ) 小括争う。 被告Kоuken関係(ア) 被告Kоukenが被告商品を販売したことにより得た利益の額 被告Kоukenが、令和3年2月から令和6年7月までの間に、楽天市場、Yahoo!ショッピング及びGiftmallにおいて販売した被告商品の個数及び販売金額(税込)は、原告が主張するとおりである。 そして、被告Kоukenは、被告商品を楽天市場等のインターネッ トモールで販売しているが、被告商品を含む被告Camelliaからの仕入商品(以下「被告Camellia商品」という。)については、自身の販売価格から自身が支払を負担する被告Camellia商品に係る変動経費を控除した金額を仕入価格として算出し、同仕入価格を被告Camelliaに対して支払っているから、通常の商取 引において予定されているような転売差益は、基本的に発生しない。 そのため、本件における被告Kоukenの限界利益は、被告Camellia商品の仕入価格の算定に当たって変動経費として控除した金額と、実際に、被告Kоukenが負担した変動経費との間の差額に限られるところ、その額は以下のとおりである。 a 楽天市場での販売分について 被告Kоukenは、楽天市場での販売につき、被告Camellia商品の仕 の間の差額に限られるところ、その額は以下のとおりである。 a 楽天市場での販売分について 被告Kоukenは、楽天市場での販売につき、被告Camellia商品の仕入価格の算定に当たって以下の変動経費を控除している。 (a) スーパーアフィリエイト成果報酬原資(パートナーサイトに掲載されたリンクを経由した商品売上について、当該パートナーに支払われる成果報酬の原資であり、具体的には「楽天スーパーアフィ リリエイト経由の売上×アフィリエイト料率」との計算式で算出される。)(b) 検索連動型広告(以下「RPP」という。ユーザーが楽天市場において検索した場合に通常検索よりも上の位置に表示される商品広告であり、ユーザーがクリックして当該商品のページを開いた回 数に応じて広告掲載料が算出される。)掲載料(c) 運用型クーポン広告(クーポンアドバンス広告、RPPに特定商品に使えるクーポンを組み合わせた広告であり、ユーザーは楽天市場での検索時に通常検索よりも上の位置に表示される商品広告をクリックして当該商品のページを開いたときにクーポンを獲得し、 同クーポンを当該商品に使用することができる。)掲載料(d) クーポン割引額(クーポンアドバンス広告において、ユーザーにクーポンが使用された場合の割引費用であり、商品価格の値引きである。)(e) ポイント付与料(楽天市場が楽天会員に提供するポイントに対 応して出店者が負担するポイント原資であり、具体的には、「楽天 会員の購入代金(税別)×付与率(通常1.0パーセント)」との計算式で算出される。)(f) その他(システム利用料(PC及びモバイル)、モールにおける安全性・利便性向上のためのシステム利用料、スーパーアフィリエイト ×付与率(通常1.0パーセント)」との計算式で算出される。)(f) その他(システム利用料(PC及びモバイル)、モールにおける安全性・利便性向上のためのシステム利用料、スーパーアフィリエイトアフィリエイトシステム利用料及び楽天ペイ利用料)の利用 料(以下、これらをまとめて「楽天利用料」という。)(g) 被告商品の作業費及び送料上記(a)ないし(g)のうち、(f)については、被告Kоukenは、被告Camelliaに対し、被告Camellia商品の販売価格から概算で●(省略)●パーセントを控除しているが、実際に、被告 Kоukenが支払った楽天利用料は、被告Camellia商品の販売価格の●(省略)●パーセントであったから、その差額分である●(省略)●円は、被告Kоukenの利益に当たる。また、(g)については、被告Kоukenは、概算で被告商品1個当たり●(省略)●円又は●(省略)●円を控除しているが、実際に掛かる梱包費及び 送料に係る変動経費を計算すると、被告商品1個当たりの梱包費及び運送料の合計額は●(省略)●円であって、上記概算額である●(省略)●円又は●(省略)●円を下回っているため、その差額分である●(省略)●円は、被告Kоukenの利益に当たる。 b Yahoo!ショッピングでの販売分について 被告Kоukenは、被告Camellia商品の販売価格から手数料として●(省略)●パーセントを控除した金額を、被告Camellia商品の仕入価格として被告Camelliaに支払っているが、前記手数料●(省略)●パーセントという数字は、ストアポイント原資、キャンペーン原資負担、アフィリエイトパートナー報酬、ア フィリエイト手数料及びストア決済サービス手数料などの設定及び実 が、前記手数料●(省略)●パーセントという数字は、ストアポイント原資、キャンペーン原資負担、アフィリエイトパートナー報酬、ア フィリエイト手数料及びストア決済サービス手数料などの設定及び実 績を考慮して設定したものであり、これらを考慮すると、被告KоukenがYahoo!ショッピングで被告商品を販売したことによって得た利益はない。 c Giftmallでの販売分について被告Kоukenが、被告Camelliaに対する支払において 算定した販売金額及び手数料と、実際にGiftmallに支払った金額には齟齬があった。したがって、その差額である●(省略)●円がGiftmallでの販売分に関する、被告Kоukenの利益になる。 d 小括 以上によれば、被告Kоukenが令和3年2月から令和6年7月までの間に、被告製品を販売することによって得た利益は●(省略)●円((●(省略)●))である。 (イ)弁護士費用争う。 (ウ) 小括争う。 (2) 意匠法39条2項に係る推定覆滅事由本件では、被告らが被告商品の販売により得た利益と原告が原告意匠権侵害によって受けた損害との相当因果関係を阻害する事情として、以下の推定 覆滅事由がある。 原告意匠が被告商品の部分のみに実施されていること原告意匠に係る物品は美容マスクであって、被告商品の部分のみに実施されているものであるから、原告意匠権の侵害に基づく損害賠償請求における損害額算定は、マスク本体のデザインのみの顧客吸引力で実現 し得た被告商品の販売数量に基づきされるべきであり、原告意匠に含ま れていない電気信号発生器の顧客吸引力によって拡大される販売数量は、原告意匠権の侵害と インのみの顧客吸引力で実現 し得た被告商品の販売数量に基づきされるべきであり、原告意匠に含ま れていない電気信号発生器の顧客吸引力によって拡大される販売数量は、原告意匠権の侵害と相当因果関係を欠くものとして、その算定基礎から除外されなければならない。 美容等に関心のあるマスクの需要者が被告商品を購入するに当たり最も注目する機能は、電気信号発生器によるマッサージ効果又は引き締め やリフトアップ等の美容効果である。このことは、原告自身が、原告商品の宣伝において、電気信号発生器にフォーカスして訴求していること、美容関係雑誌等における原告商品の紹介内容からも明らかである。上記のとおり、被告商品の顧客吸引力は電気信号発生器に大きく依存しているのに対し、マスクの機能やデザインの被告商品の販売数量への寄与 (顧客吸引力)は極めて乏しいものである。 そして、被告商品の原価割合が、マスクが●(省略)●パーセント、電気信号発生器が●(省略)●パーセント、取扱説明書が●(省略)●パーセントであることからすると、原告意匠権の侵害によって被告らが得た利益のうち、マスク本体の顧客吸引力に係る部分は、被告商品の販 売利益のうちマスクに係る利益部分●(省略)●パーセントを超えるものではないから、原告意匠が被告商品の部分(マスク)のみに実施されていることは意匠法39条2項により推定される損害額を大きく覆滅する事由に当たる。 販売価格の差異 原告商品の価格は2万7500円、被告商品の価格は9980円であって、その価格差は2.5倍以上ある。 市場における競合品の存在被告らが被告商品の輸入販売を開始した当初から、原告商品及び被告商品と同様に、ハンズフリーで使用できる、表情筋を鍛えて、頬の引き 締めや 差は2.5倍以上ある。 市場における競合品の存在被告らが被告商品の輸入販売を開始した当初から、原告商品及び被告商品と同様に、ハンズフリーで使用できる、表情筋を鍛えて、頬の引き 締めやリフトアップ等の美容効果を果たす電気信号発生器を備えたマス ク又はベルトは多数存在しており、これらは、原告商品及び被告商品と市場において競合する競合品である。このような状況において、被告商品が存在しなかった場合に、被告商品に対する需要が全て原告商品に向かうとは到底言い難い。 被告らの営業努力等 被告らは、主としてAmazon及び楽天市場で被告商品を販売していたが、これらのインターネットモールにおいては、利用者による検索結果の上位に被告商品が表示されることが極めて重要であることから、被告らは、検索連動型広告(RPP)の支出等、被告Camelliaの企業規模に照らせば、絶対値として極めて多額の広告宣伝費、すなわち 営業努力によって、被告商品自体の人気及び「PLEASINGSAN」というブランドの知名度を上げてきたものである。 小括上記に述べた複数の推定覆滅事由が存在することからすると、被告商品の販売利益の99パーセントにつき推定覆滅を認めるのが相当である。 (3) 不競法4条よる損害被告らは、被告意匠権の実施として被告商品の販売等をしていたものであり、故意、過失について争う。 不競法4条に基づく損害の額についての主張は、前記(1)と同じ(ただし、意匠法39条2項とある箇所は、不競法5条2項と読み替える。)。 (4) 不競法5条2項に係る推定覆滅事由意匠法39条2項と共通の推定覆滅事由前記(2)イないしエと同じ(ただし、意匠法39条2項とある箇所は、不競法5条2項 える。)。 (4) 不競法5条2項に係る推定覆滅事由意匠法39条2項と共通の推定覆滅事由前記(2)イないしエと同じ(ただし、意匠法39条2項とある箇所は、不競法5条2項と読み替える。)。 被告商品の出所を誤認混同した結果として原告商品の販売機会が失われ たという事態が生じるおそれが極めて乏しいこと 不競法2条1項1号の不正競争行為を不法行為とする損害賠償請求における商品等の販売機会の喪失に係る逸失利益は、他人の周知な商品等表示と同一又は類似の商品等表示を使用等して、他人の商品等と混同を生じさせた結果、当該他人の商品等の販売機会が失われたことを前提とするものである。仮に他人の周知な商品等表示と同一又は類似の商品等 表示を使用等したとしても、実際に他人の商品等との混同が生じていない取引については、当該他人の商品等の販売機会が失われたことにはならず、同号所定の不正競争行為と損害との相当因果関係は遮断されることになると解される。他人の商品等との混同が生じていない取引の多寡は、他人の商品等との混同を生じるおそれの程度によって左右されるも のであるから、他人の商品等との混同のおそれの程度は、不正競争行為者が得た利益と不正競争行為によって営業上の利益を侵害された者が受けた損害(商品等の販売機会の喪失)との相当因果関係を阻害する事情として、同法5条2項の推定覆滅事由になるものと解すべきである。 そして、前記5(被告らの主張)のとおり、そもそも原告商品と被告 商品について混同を生じるおそれはないことに加え、インターネット上のWebサイトには、原告商品の競合商品を比較するいわゆる比較サイトが存在しており、同比較サイトにおいても、被告商品と原告商品が明確に区別されていること、被告らの営業 いことに加え、インターネット上のWebサイトには、原告商品の競合商品を比較するいわゆる比較サイトが存在しており、同比較サイトにおいても、被告商品と原告商品が明確に区別されていること、被告らの営業努力により、被告商品の商品名である「PLEASINGSAN」も一定の知名度を有していること に鑑みれば、現実の取引の実情において、美容等に関心のある需要者が、被告商品と原告商品の出所を誤認混同することなどほとんど起こり得ず、被告商品に接した需要者が、その出所を誤認混同した結果、原告商品の販売機会が失われるという事態が生じるおそれは、ほとんど考えられないほどに僅少というべきである。 小括 上記に述べた複数の推定覆滅事由が存在することからすると、被告商品の販売利益の99パーセントにつき推定覆滅を認めるのが相当である。 第5 当裁判所の判断認定事実後掲の各証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 (1) 原告商品の販売原告は、平成30年3月に、原告商品(商品名「メディリフト」)の販売を開始し、現在までこれを継続的に販売している。 原告商品は、左右ベルトを側頭部から回して後頭部で係着することにより、マスク部で顔の下半分を覆うとともに、上下ベルトを顎下から側頭部に回し て頭頂部で係着することにより、顎下及び頬全体を引き上げる効果をもたらす美容マスクに、その頬部に取り外し可能な電気信号発生器を付加したものであり、ウェアラブル美顔器のシリーズである「メディリフト」シリーズ商品の第一弾の商品として発売された。(甲12、弁論の全趣旨)(2) 原告商品の形態 原告商品は、顔の下半分を覆うマスク部に、マスク部から一体的に形成される左右方向に延出する左右ベルトと、マ の第一弾の商品として発売された。(甲12、弁論の全趣旨)(2) 原告商品の形態 原告商品は、顔の下半分を覆うマスク部に、マスク部から一体的に形成される左右方向に延出する左右ベルトと、マスク部の顎部中央下端に接続され接続部から左右方向に延出する、装着時に頭頂に向けて引き上げる上下ベルトを備え、マスク部は、鼻の立体形状に合わせた形状及び開口を備えた鼻当て部と、口に合わせた開口部を有する、黒色のシリコーン素材からなる美容 マスクである。また、原告商品は、マスク部の正面の両頬部分に、スイッチを備えた電気信号発生器を有しており、電気信号発生器を嵌合するために、マスク部の両頬部分に、左右の各頬全体を覆うほどの大きさで、丸みのある三角おにぎり形状に隆起した隆起部があり、前記隆起部の中央部には、前記隆起部に嵌合された電気信号発生器のスイッチ面を露出させるための、前記 隆起部よりもやや小さめの丸みのある三角おにぎり形状の孔部がある。電気 信号発生器は、前記隆起部に嵌合できるように丸みのある三角おにぎり形状であって、電気信号発生器のスイッチ面は、一方の電気信号発生器のマイナスボタンの下部に小さく記された原告社名である「YAMAN」(Aは上部に―がある表示。)との白抜き文字を除き、各ボタンの機能を説明する文字も含めて黒色で統一されている。(甲12) (3) 原告による原告商品の広告宣伝活動等原告商品のウェブページの記載原告は、原告が管理するウェブサイトにおいて原告商品の広告宣伝をしている。同ウェブサイトでは、「美は、鍛えられる。」とのキャッチコピーで(なお、「鍛えられる」とは「電気刺激を筋肉に伝え筋肉を動かすこと」 と記載されている。)、男性の俳優が原告商品を装着した正面視の写真が掲載されている。 は、鍛えられる。」とのキャッチコピーで(なお、「鍛えられる」とは「電気刺激を筋肉に伝え筋肉を動かすこと」 と記載されている。)、男性の俳優が原告商品を装着した正面視の写真が掲載されている。また同ウェブサイトには、同写真に加えて、原告商品を顔の形状に沿う形状に配した正面視の写真(同写真はベルト部分が映っていない)、原告商品を装着した男性及び女性の前方斜視の写真、上下ベルト及び左右ベルトの形状が分かるように原告商品を平面に載置した写真が使 用され、原告商品の説明として、「肌を上げる、私が変わる。印象年齢を決める顔の下半分に、アプローチするウェアラブル美顔器です。医療でも使われるメディカルシリコーンでお肌を引き上げながら、独自波形のEMSで表情筋を刺激。マスクを装着してスイッチを入れるだけの、100%ハンズフリーのケアを実現しました。」と記載され、原告商品に搭載され た電気信号発生器が、顔の表情筋に刺激を与えて、咬筋のストレッチと大小頬骨筋を鍛えることができる旨が記載されている。(甲12)雑誌への掲載原告商品は、平成30年4月26日から令和3年10月28日までの間、多数の雑誌で紹介された。その多くは、女性向け雑誌であるが、男性誌や 情報誌にも紹介されており、その掲載数は、平成30年が64媒体、平成 31年/令和元年が94媒体、令和2年が60媒体、令和3年が25媒体であった。これらの雑誌においては、原告商品を顔に装着した人物(首から上)の、正面視、前方斜視ないし側面視の写真、原告商品を顔の立体形状に沿うように上下ベルト及び左右ベルトが見えるように配置した状態の写真、顔の立体形状に沿うように配した正面視ないし前方斜視の写真(正 面視の写真はベルト部分が映っていない)、原告商品を上下ベルト に沿うように上下ベルト及び左右ベルトが見えるように配置した状態の写真、顔の立体形状に沿うように配した正面視ないし前方斜視の写真(正 面視の写真はベルト部分が映っていない)、原告商品を上下ベルト及び左右ベルトが見えるように平面に載置した写真とともに、原告の社名である「ヤーマン」又は「YA-MAN」及び商品名である「メディリフト」が掲載されているほか、原告商品の説明として、「新型EMS美顔器」「半顔仮面=メディリフト女子」、「最新の美容機器」、「次世代型マスク美顔器 「メディリフト」」、「業界初!下半顔ケア専門の美顔器「メディリフト」」、「ハンズフリーでフェイスケアができるウェアラブル美顔器」、「超人気ウェアラブル」などと紹介されている。(甲13、甲14)また、原告商品は、平成30年4月10日から令和3年9月11日までの間、上記雑誌に係るウェブページやインターネット上の多数のニュ ースサイト等においても紹介された。(甲15)新聞への掲載原告は、令和元年9月から同年12月にかけて、全国紙2媒体、地方紙6媒体に、原告商品と原告が販売する「メディリフトアイ」の1面広告を掲載した。同広告では、原告商品を装着した女性を前方斜視又は側 面視から撮影した写真が掲載された。(甲18)テレビでの紹介原告商品は、平成30年12月16日から令和3年11月5日までの間に、情報番組等、合計9つのテレビ番組において紹介されたほか、令和2年には、原告商品のテレビコマーシャルも放送された。(甲16、17、 38、39) 駅サイネージ・交通広告さらに、原告は、複数のターミナル駅構内おいて、原告商品の広告宣伝を行った。(甲40)(4) 原告商品の販売経路店頭販売 原告 38、39) 駅サイネージ・交通広告さらに、原告は、複数のターミナル駅構内おいて、原告商品の広告宣伝を行った。(甲40)(4) 原告商品の販売経路店頭販売 原告商品は、大手家電量販店、ロフト、東急ハンズ、小田急百貨店、伊勢丹、阪急百貨店等の大手量販店、大手百貨店等で販売され、店頭等においては原告商品の実物が頭部のマネキンに装着されるなどの方法により展示されていたほか、原告商品を装着した人物の側面視ないし前方斜視の写真が宣伝に使用されていた。(甲21) 通信販売原告商品は、大手総合通販会社の美容用品の通販、テレビ局子会社が手掛ける通販(主にテレビ及びインターネットによるもの)、航空会社子会社が手掛ける通販(主に雑誌及びインターネットによるもの)等を通じて広く通信販売された。これらの通信販売においても、原告商品を顔に装着 した人物の、正面視ないし前方斜視の写真、原告商品を上下ベルト及び左右ベルトが見えるように配置した状態の写真が掲載されていた。(甲19、20、弁論の全趣旨)インターネットによる販売原告商品は、上記アの大手家電量販店や通信販売会社等の通販サイトで 販売されていたほか、原告のウェブサイトを経由して、原告の公式通販サイト、YA-MAN楽天公式店、YA-MANPayPayモール店等のインターネット上のショッピングモールにおいても販売されている。(甲12、弁論の全趣旨)(5) 原告商品の売上等 原告商品の売上 平成30年3月の販売開始以降の日本国内における、原告商品の販売台数は以下のとおりである。(甲54)令和元年9月末まで累計約10万台令和2年7月末まで累計約18万7000台令和3年11月末 3月の販売開始以降の日本国内における、原告商品の販売台数は以下のとおりである。(甲54)令和元年9月末まで累計約10万台令和2年7月末まで累計約18万7000台令和3年11月末まで累計約26万台 市場における原告商品のシェア株式会社富士経済が作成した「デジタルプレス特別調査報告書(2022年3月版)」(抜粋)において、美顔器、ローラー美顔器、スチーマー、電動洗願ブラシ、ボディ用美容機器、ヘア・リフトブラシ機器を調査対象とした市場分析では、ハンディタイプ、ローラータイプ、装着タ イプ、ブラシタイプ、据置タイプの分類において、原告商品が属する装着タイプにおける原告のシェアは、令和元年は92.9パーセント、令和2年は91.7パーセント、令和3年は76.7パーセント、令和4年は63.3パーセントであって、装着型市場は、原告がマスク装着型EMS「メディリフト」を投入した平成30年に市場が形成されたもの と分析されている。(甲50、51)(6) 雑誌等による受賞歴原告商品は、以下のアないしキのとおり、雑誌等の複数の媒体でベストコスメを受賞し、その際、これらの雑誌において以下の紹介がされた。(甲12、14) 雑誌「VoCE」平成30年12月号(甲14-7-2)・今年話題の美顔器「メディリフト」の実力どうなのよ・初回ロット完売後も予約殺到 2ヵ月待ちも。絶賛、追加生産中ですが、とにかく人気で品薄状態。 ・美容ライター・エディターの自腹買い続出・・・事実、「美容ライター3 0名が選んだ美顔器ランキング」(2018年5月BAトレンド総研調 べ)にて3部門で堂々1位を獲得・Twitterトレンド入り(2018年6月24日)雑誌「VoCE」平成31年1月号(甲14 だ美顔器ランキング」(2018年5月BAトレンド総研調 べ)にて3部門で堂々1位を獲得・Twitterトレンド入り(2018年6月24日)雑誌「VoCE」平成31年1月号(甲14-13-1)・美容のプロが推す、神マシンを発表 2018年下半期 VoCE家電ベスコス美顔器/たるみケア部門第1位ヤーマンメディリフ ト・見た目のインパクトが反響を呼び、予約2ヵ月待ちに・売り切れ店続出で、なかなか手に入らなかったとの逸話を持つ幻の美顔マスク雑誌「MEN‘SCLUB」No.702号(甲14-28-1) ・メンクラコスメ大賞2019 話題&画期的部門2位ヤーマンメディリフト・発売後は予想をはるかに超えて売れに売れ、現在もその人気の高さをキープしています。 雑誌「upPLUS」令和2年1月号 (甲14-37-2) ・upPLUSベストコスメアワード2019 美容家電部門第3位メディリフト・爆発的なヒットを飛ばした顔の下半分用のEMSマシン・品切れ続出の話題のマスク雑誌「美的」令和3年2月号(甲14-39-2) 美的読者のベストコスメ2020 美容家電&ツール部門2位ヤーマンメディリフト雑誌「Domani」令和2年10・11月号(甲14-43-1)Domani2020年ワーママ的神コス美容家電部門フェース&スカルプ1位ヤーマンメディリフト 雑誌「MORE」令和2年11月号(甲14-44-2) 2020MORE美容家電&ギアAWARD 小顔部門2位ヤーマンメディリフト(7) 被告商品の販売等被告商品の販売被告らは、「PLEASINGSAN」、「PLEASINGSAN フ MORE美容家電&ギアAWARD 小顔部門2位ヤーマンメディリフト(7) 被告商品の販売等被告商品の販売被告らは、「PLEASINGSAN」、「PLEASINGSAN フェイシャルリフト 20MinsLift」等の名称で、被告製品を輸入し、販売している(甲5、6)。 被告商品の説明被告商品の取扱説明書では、被告商品について、効率的で便利なEMSトレーニングシステムで顔の筋肉を細かく収縮されることにより毎日だっ たの20分で効果的に顔の筋肉を引き締めることができる、EMSで顔の筋肉を鍛えることができる、柔らかなマスクとバンドの二重の力で顔を引き上げ、正しい位置に戻す、などと記載されている。また、被告商品を販売するウェブページにおいては、被告商品は、EMS(電気信号発生装置)が電池式で作動、「たたくモードで大小頬骨筋、ジ~ンと振動で咬筋を刺 激して、自動モードで全体をやわらげます」、「2種類の振動でお肌を刺激!」などと記載されている。(甲5ないし7)(8) 被告商品の形態被告商品は、顔の下半分を覆うマスク部に、マスク部から一体的に形成される左右方向に延出する左右ベルトと、マスク部の顎部中央下端に接続さ れ接続部から左右方向に延出する、装着時に頭頂に向けて引き上げる上下ベルトを備え、マスク部は、鼻の立体形状に合わせた形状及び開口を備えた鼻当て部と、口に合わせた開口部を有する、布素材からなる美容マスクであり、鼻の中心線に沿って凸部を備える鼻当て部を除いては、平面形状である。 被告商品は、マスク部及び左右ベルトがいずれも黒色のライクラ生地で形 成された内側部と周縁部からなり、周縁部であるバイアステープには千鳥掛 けで縫合された縫い目が、鼻当て部は、鼻頂部にかけて千鳥 マスク部及び左右ベルトがいずれも黒色のライクラ生地で形 成された内側部と周縁部からなり、周縁部であるバイアステープには千鳥掛 けで縫合された縫い目が、鼻当て部は、鼻頂部にかけて千鳥掛けでマスク本体に縫合された縫い目が、マスク部の表面の両頬部分には、円を縦方向に分割した形状の縫い目が、それぞれあるほか、電気信号発生器の装着部として凸状のスナップボタン各2個を備えている。他方で、上下ベルトは黒色のゴム生地で、その上縁の中央部がマスク部の下に接するように縫合されている。 また、被告商品は、マスク部の正面の両頬部分に、スイッチを備えた電気信号発生器を有しており、電気信号発生器は、円形の本体の左右部に山形の取っ手部を備えた形状であって、そのスイッチ面は、黒色で、中央上部に、「PLEASINGSAN」との横書きの白抜き文字が配されるとともに、上記「PLEASINGSAN」の「P」の背後に施された赤色の三角形 が描かれ、被告商品の電気信号発生器のスイッチ面の中央下部の左右に各ボタンの機能を説明する文字が白抜きで記載され、その下に2つのオレンジ色のボタンが配されている。(乙5、11、12)(9) 被告商品の販売経路等被告Camelliaは、インターネット上のショッピングモールであ るAmazonにおいて、被告商品を販売していた他、被告Kоukenに販売していた。また、被告Kоukenは、被告Cammeliaから被告商品を仕入れ、インターネット上のショッピングモールである楽天市場、Yahoo!ショッピングモール及びGiftmallにおいて被告商品を販売していた。(甲6、7、乙11、弁論の全趣旨) 上記インターネットショッピングモールにおける被告商品の販売態様前記アの被告商品の販売ペ びGiftmallにおいて被告商品を販売していた。(甲6、7、乙11、弁論の全趣旨) 上記インターネットショッピングモールにおける被告商品の販売態様前記アの被告商品の販売ページには、「PLEASINGSAN 美顔器EMS 小顔フェイスベルトグッズ美容顔男女共有」などと記載され、被告商品を顔に装着した女性の前方斜視(別紙被告意匠目録の【参考使用状態図】の写真)もしくは側面視の写真、左右ベルトのみで 被告商品を顔に装着した女性の前方斜視の写真、被告商品を左右ベルト 及び上下ベルトが視認できるように、平面の台に載置した写真のいずれか又は複数が掲載されており、うち別紙被告意匠目録の【参考使用状態図】の写真である被告商品を顔に装着した女性の前方斜視の写真は、ほぼ全ての被告商品を紹介するウェブページに掲載されている。(甲6、7)また、販売ページでは、被告商品の使い方に係る動画を閲覧すること ができ、同動画では、電気信号発生器のコントローラーが、スナップボタンで装着するものであることは、動画で説明されている。(乙11)(10)被告商品の販売個数等被告Camelliaは、令和3年2月から令和6年7月までの間、Amazonにおいて、被告商品を●(省略)●台販売した。また、被告Kоu kenは、被告Camelliaから被告商品を仕入れ、楽天市場、Yahoo!ショッピングモール及びGiftmallにおいて、合計●(省略)●個を販売した。(争いがない)被告商品は、楽天市場において、令和3年に美顔器のうちその他の分類でデイリーランキング第1位、リアルタイムランキング第1位を獲得したほか、 情報番組においても紹介された。(甲7)(11)原告商品及び被告商品以外のマスクないし 年に美顔器のうちその他の分類でデイリーランキング第1位、リアルタイムランキング第1位を獲得したほか、 情報番組においても紹介された。(甲7)(11)原告商品及び被告商品以外のマスクないし顔用の美容機器の形態公知意匠原告商品の販売当時、マスクに係る登録意匠として、別紙公知意匠目録記載の登録意匠が存在した(以下、同目録記載の各証拠番号に従って 「甲9意匠」、「乙1の1意匠」などという。)。(甲8、9、乙1、3)原告商品販売時点のマスクないし顔用の美容機器の形態等原告商品が販売される以前は、顔に当てて使用する美容機器は、美容作用をもたらす作用部分と持ち手部分とで構成され、持ち手部分を持って作用部分を顔に当てるという方法で用いるハンディタイプの商品が販 売されており、少なくとも顔用については、ハンズフリー、すなわち装 着型の電気信号発生器を備えた美容機器(以下「装着型電気信号発生器付き美顔器」という。)はなかった。 また、原告商品が発売される以前から、マスクから延設するベルトを側頭部等に回して後頭部や頭頂部で係着することにより、顔の引き締めやフェイスラインのたるみの改善を目的とする美容マスクは複数存在し ていたが、マスク全体が、黒色で統一されている商品はなかった。(甲14、50、乙2、4、弁論の全趣旨)(12)原告商品の販売以降の競合品の販売状況原告商品の販売が開始されて以降、装着型電気信号発生器付き美顔器は複数販売されているところ、これらの商品の中には、全体が黒色で統一され、 電気信号発生器を付加したベルト状のものを顎から頬にかけて回し後頭部で係着して装着するもの、全体が黒色で統一され、顎から頬に充てる電気信号発生器にベルトを付加したもので、ベルトを後頭部で係 電気信号発生器を付加したベルト状のものを顎から頬にかけて回し後頭部で係着して装着するもの、全体が黒色で統一され、顎から頬に充てる電気信号発生器にベルトを付加したもので、ベルトを後頭部で係着して装着するもの、全体が黒色で統一され、電気信号発生器を付加した顔の下半分を覆うマスク部と、マスク部と一体的に形成された本体部分から左右方向に延出する左右 ベルトを側頭部から後頭部に回して係着して装着するもの、全体が黒色で統一され、電気信号発生器を付加した顔の全面を覆うマスク状のものを3つのベルトで係着する商品などが発売されているほか、遅くとも令和4年11月8日以降、顔の下半分を覆うマスク部と、マスク部から左右方向に延出する左右ベルトとが一体的に形成された本体部分と、マスク部の顎部中央下端に 接続され接続部から左右方向に延出する、装着時に頭頂に向けて引き上げる上下ベルトを備え、本体部分のマスク部には、鼻に合わせた形状及び開口を備えた鼻当て部と、口に合わせた開口部を有し、本体部分のマスク部の正面の両頬部分にスイッチを備えた電気信号発生器を有し黒色で統一されている商品も販売されている。(甲23、34、乙16、48、50、55、56) (13)原告商品と被告商品の販売価格 原告商品の希望小売価格は税込2万7500円、被告商品の販売価格(税込)は9980円である。(甲6、7、14)争点2-1(原告が主張する原告商品の形態的特徴が不競法2条1項1号所定の周知な商品等表示に該当するか)について事案に鑑み、不競法2条1項1号に係る争点(争点2)から判断する。 (1) 商品の形態の「商品等表示」該当性商品の形態は、本来的には、商品の技術的な機能及び効用の発揮や美観の向上等の見地から選択され 競法2条1項1号に係る争点(争点2)から判断する。 (1) 商品の形態の「商品等表示」該当性商品の形態は、本来的には、商品の技術的な機能及び効用の発揮や美観の向上等の見地から選択されるものであり、商品の出所を表示する目的を有するものではないが、特定の商品の形態が、他の同種の商品と識別し得る独自の特徴を有し、かつ、その形態が長期間継続的・独占的に使用され、又は短 期間でも効果的な宣伝広告等がされた結果、特定の営業主体の商品であることの出所を示す出所識別機能を獲得するとともに、需要者の間に広く認識されることにより、商品の形態自体が特定の出所を表示する二次的意味を有するに至る場合がある。そして、このような商品の形態は、不競法2条1項1号によって保護される他人の周知な商品等表示に該当するものと解される。 そうすると、商品の形態自体が特定の出所を表示する二次的意味を有し、同号所定の「商品等表示」に該当するためには、①商品の形態が客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有しており(特別顕著性)、かつ、②需要者においてその形態を有する商品が特定の事業者の出所を表示するものとして周知になっていること(周知性)を要するものと解すべきである。 (2) 原告商品の形態及び特徴について原告商品の概略は、前提事実(3)のとおりであり、マスクから左右方向に延出し、側頭部から回して後頭部で係着する左右ベルトと、マスクの顎部中央下端に接続され接続部から左右方向に延出し、側頭部を回して頭頂部で係着する上下ベルトを備えた黒色の顔の下半分を覆うシリコーン製のマスクに、 両頬部に設けられた開口部に嵌め込むことにより取り外し可能な電気信号発 生器を付加した商品である。 そして、前提事実(3)、認定事実( 下半分を覆うシリコーン製のマスクに、 両頬部に設けられた開口部に嵌め込むことにより取り外し可能な電気信号発 生器を付加した商品である。 そして、前提事実(3)、認定事実(2)及び別紙原告商品目録の写真によれば、原告商品は、以下の形態を有していると認められる。 ① 原告商品は、顔の下半分を覆うマスク部と、マスク部から左右方向に延出する左右ベルトとが一体的に形成された本体部分を有している。 ② 原告商品は、マスク部の顎部中央下端に接続され接続部から左右方向に延出する、装着時に頭頂に向けて引き上げる上下ベルトを有している。 ③ 原告商品は、本体部分のマスク部には、鼻の立体形状に合わせた形状及び開口を備えた鼻当て部と、口に合わせた開口部を有している。 ④ 原告商品は、本体部分のマスク部の正面の両頬部分にスイッチを備えた 電気信号発生器を有している。 ⑤ 原告商品は、マスク全体が黒色で統一されている。 (3) 特別顕著性について上記(2)①ないし⑤の各形態は、原告が本件特徴ⅠないしⅤとして主張するものに合致するところ、原告は、本件特徴ⅠないしⅤを組み合わせた形態 を原告表示として、不競法2条1項1号の商品等表示に該当すると主張することから、以下、その特別顕著性について検討する。 なお、被告らは、原告表示の不競法2条1項1号の商品等表示該当性について、登録商標のように予め設定されて公示されるものではないから、商品等表示が合理的根拠なく恣意的に設定されたものである場合には、同号の商 品等表示としての保護を与えるべきではないと主張し、原告が主張する本件各特徴を組み合わせた形態(原告表示)は、抽象的でその対象範囲が広範であり、原告商品の形態的特徴であ る場合には、同号の商 品等表示としての保護を与えるべきではないと主張し、原告が主張する本件各特徴を組み合わせた形態(原告表示)は、抽象的でその対象範囲が広範であり、原告商品の形態的特徴である被告ら主張特徴①ないし⑤を恣意的に商品等表示から捨象するものであるから、そもそも同号の商品等表示には当たらないと主張する。 しかし、どのような商品の形態をもって不競法2条1項1号の商品等表示 として特定するかは、同号該当性を主張する原告において決せられるべきものであるし、そのように解したとしても、一般に原告が主張する形態的特徴が広範であれば、結果として、特別顕著性ないし周知性が否定されるなどして同号の商品等表示に該当しないことにもなり得るのであるから、一概に不当といえるものではない。したがって、原告が主張する形態的特徴に被告ら 主張の特徴が含まれていないからといって、直ちに同号の商品等表示に当たらないといえるものではない(なお、被告ら主張の特徴については、他の商品との類似性ないし他人の商品と混同を生じさせる行為への該当性において差異点として検討され、判断されるべきものであるから、必要な限度で後記3ないし4において検討する。)。また、原告の主張する本件各特徴は上記認 定のとおりであって、商品形態の特徴として具体性を欠くということもできない。 したがって、被告らの上記主張は採用することができない。 本件特徴Iについて認定事実(11)のとおり、原告商品の販売開始より前から存在する甲8 意匠及び甲9意匠は、マスク部が、顔の下半分を覆うマスクであって、いずれもマスク部から左右方向に延出するベルトを有しており、マスク部から左右方向に延出する左右ベルトとが一体的に形成された本体部分 意匠及び甲9意匠は、マスク部が、顔の下半分を覆うマスクであって、いずれもマスク部から左右方向に延出するベルトを有しており、マスク部から左右方向に延出する左右ベルトとが一体的に形成された本体部分を有している。したがって、本件特徴Iそれ自体を独立してみれば、原告商品の販売開始の時点において、客観的に原告商品に特徴的な形態で あったとまでは認められない。 本件特徴Ⅱについて認定事実(11)のとおり、原告商品の販売開始より前から存在する甲8意匠及び甲9意匠は、マスク部の顎部中央下端に接続され接続部から左右方向に延出する、装着時に頭頂に向けて引き上げる上下ベルトを有し ておらず、また、原告商品の販売開始より前から存在する乙3の1ない し3意匠は、いずれもマスクを首と顎に密着して巻装し、その両端を頭の上で止めるものであるから、装着時に頭頂に向けて引き上げるものといえるが、顔の下半分を覆うマスクの形状を有していない。また、証拠(乙4)によれば、インターネット上で販売されているフェイスラインベルトについてみても、顔の下半分を覆うマスクの形状を有しておらず、 かつ上下方向に延出する部分の形状が明らかでなく、他に、原告商品の販売開始時において、マスク部の顎部中央下端に接続され接続部から左右方向に延出する、装着時に頭頂に向けて引き上げる上下ベルトを有している美容マスクが存在していたと認めるに足りる証拠はない。以上によれば、本件特徴Ⅱは、原告商品の販売開始の時点で、マスクとしてあ りふれた形態であるとはいえず、客観的に他の同種商品とは異なる原告商品に特徴的な形態であると認められる。 本件特徴Ⅲについて証拠(乙1)によれば、原告商品の販売開始より前から存在する公知意匠( ず、客観的に他の同種商品とは異なる原告商品に特徴的な形態であると認められる。 本件特徴Ⅲについて証拠(乙1)によれば、原告商品の販売開始より前から存在する公知意匠(乙1)は、いずれも口に合わせた開口部を有している。また、公 知意匠(乙1)は平面のマスクであるものの、鼻の立体形状に合わせて、すなわち鼻の形状に沿うよう鼻当て部があり、かつ開口部を有しているから、本体部分のマスクに鼻の立体形状に合わせた形状及び開口を備えた鼻当て部と口に合わせた開口部を有している。そうすると、本件特徴Ⅲそれ自体を独立してみれば、原告商品に特徴的な形態であったとまで は認められない。 本件特徴Ⅳについてまず、マスクが電気信号発生器を有していること自体は、商品の形態ではなく商品の機能そのものであるから、商品の形態的特徴として本件特徴Ⅳを理解する場合、本件特徴Ⅳに係る原告の主張は、EMS機能を 有する電気信号発生器が、本体部分のマスク部の正面の両頬部分に存在 し、かつ当該電気信号発生器がスイッチを備えた形態であるとの主張と解するのが相当である。 そして、認定事実(11)のとおり、原告商品の販売開始以前は、ハンズフリーすなわち装着型の電気信号発生器を備えた美容機器(装着型電気信号発生器付き美顔器)自体が、市場に存在していなかったのであるか ら、原告商品が有する、EMS機能を有する電気信号発生器が、本体部分のマスク部の正面の両頬部分に存在し、かつ当該電気信号発生器がスイッチを備えた形態は、原告商品の販売開始の時点で、客観的に他の同種商品とは異なる原告商品に特徴的な形態であると認められる。 本件特徴Ⅴについて 認定事実(11)のとおり、原告商品の販 た形態は、原告商品の販売開始の時点で、客観的に他の同種商品とは異なる原告商品に特徴的な形態であると認められる。 本件特徴Ⅴについて 認定事実(11)のとおり、原告商品の販売開始以前は、マスク全体が黒で統一された美容マスクが存在していなかったから、原告商品が有する本件特徴Ⅴは、原告商品の販売開始の時点で、客観的に他の同種商品とは異なる原告商品に特徴的な形態であると認められる。 本件特徴ⅠないしⅤの組合せの特別顕著性について 前記アないしオによれば、原告商品の形態的特徴のうち、本件特徴Ⅱ、Ⅳ、Ⅴは、原告商品の販売開始時点において、客観的に他の同種商品とは異なる原告商品に特徴的な形態であることが認められる。そして、装着型の電気信号発生器付き美顔器については、その性質上、マスク部は目、鼻、口といった人の顔の形に沿う形状となることに加えて、電気信号発生器を 顔に当てるという商品の技術的な機能及び効用に由来して、商品の形態につき一定の制約があるとはいえるもの、認定事実(12)のとおり、装着型の電気信号発生器付き美顔器といっても、その形態を、マスクとするかベルトとするのか、マスクの形状とした場合に、顔全体のマスクとするか部分のマスクとするか、目、鼻、口等に当たる部分の形状や開口の有無、開 口の形状については様々な選択肢があり、さらにマスクとした場合に、マ スクを固定するためのベルトの形状、位置、ベルトの本数やマスクの色については、様々な選択肢があり、実際にも、装着型の電気信号発生器付き美顔器には、様々な形態のものが実在する。そうすると、原告商品は、上記に述べたとおりその形態について選択の幅がある中で、上記の本件特徴ⅠないしⅤを有する形態を組み合わせる選択をしたものであるといえる 美顔器には、様々な形態のものが実在する。そうすると、原告商品は、上記に述べたとおりその形態について選択の幅がある中で、上記の本件特徴ⅠないしⅤを有する形態を組み合わせる選択をしたものであるといえる。 そして、認定事実(11)のとおり、原告商品が発売された平成30年3月当時、顔面用の電気信号発生器機能を有する美容機器は、持ち手部分を持って作用部分を顔に当てるという方法で用いるハンディタイプの商品が主流であって、本件特徴Ⅳのように、マスクに電気信号発生器の機能を備え付けた商品はなく、また、マスクから延設するベルトを側頭部 等に回して後頭部や頭頂部で係着することにより、顔の引き締めやフェイスラインのたるみの改善を目的とする美容ベルトや美容マスクは存在していたものの、本件証拠上、原告商品の発売時点において、顔の下半分を覆うマスク部と、マスク部から左右方向に延出する左右ベルトとが一体的に形成された本体部分と(本件特徴Ⅰ)、マスク部の顎部中央下端 に接続され接続部から左右方向に延出する、装着時に頭頂に向けて引き上げる上下ベルトを備え(本件特徴Ⅱ)、本体部分のマスク部には、鼻に合わせた形状及び開口を備えた鼻当て部と、口に合わせた開口部を有し(本件特徴Ⅲ)、全体が黒で統一されている(本件特徴Ⅴ)美容マスクも存在していなかったものである。原告商品が、その販売が開始された平 成30年3月の時点で、ハンズフリーで(手で持つ必要なく)作用部分(原告商品においては電気刺激により筋肉を運動させる電気信号発生器機能を有する部分)を、対象箇所に正確にかつ継続的に当て続けることができる、これまでにない使用方法の画期的な商品であっただけでなく、マスクの形状及びマスク全体が無彩色の黒色である点においても、これ までの、美容マスクないし顔 確にかつ継続的に当て続けることができる、これまでにない使用方法の画期的な商品であっただけでなく、マスクの形状及びマスク全体が無彩色の黒色である点においても、これ までの、美容マスクないし顔用の美容機器市場には存在しない特徴を有 する新商品であったと評価されたのも、上記のような本件特徴ⅠないしⅤの組合せが斬新かつ画期的であったからであるということができる。 以上によれば、原告商品の形態の特徴である本件特徴ⅠないしⅤの組合せは、本件特徴Ⅰ及びⅢのように、これだけを独立してみれば、さほど特徴的な形態とまではいえないものも含まれているものの、客観的に 他の同種商品とは異なる原告商品に特徴的な形態である本件特徴Ⅱ、Ⅳ及びⅤに係る形態とを組み合わせることによって、一体として、客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有していると認めることができるのであって、これら本件特徴ⅠないしⅤを組み合わせた形態である原告表示は、原告商品が販売を開始した平成30年8月の時点から、客観 的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴、すなわち特別顕著性を有するものであったと認められる。 そして、証拠(乙16)によれば、本件特徴ⅠないしⅤの組合せと同じ特徴を有すると解される同種商品が販売されていることが認められるものの、同種商品が販売されたのは令和4年9月20日頃と推認され、 同時期は、後記(4)で認定説示するとおり、原告表示が他の同種商品にない顕著な特徴を備えたものとして周知性を獲得した後であることに加え、同種商品の販売個数やマーケットシェアが明らかでないことからすれば、同証拠をもって原告表示が特別顕著性を喪失したとまで認めることはできず、その他口頭弁論終結時(令和7年4月17日)において、原告表 示が特別顕著性を喪失したこと が明らかでないことからすれば、同証拠をもって原告表示が特別顕著性を喪失したとまで認めることはできず、その他口頭弁論終結時(令和7年4月17日)において、原告表 示が特別顕著性を喪失したことを認めるに足りる的確な証拠はない。 したがって、原告表示には特別顕著性を認めることができる。 (4) 周知性について原告商品の需要者前提事実(3)及び認定事実(1)のとおり、原告商品は電気信号発生器付き 美容マスクであるから、原告商品の需要者は、美容に関心がある一般消費 者であると認められる。そして、認定事実(3)イのとおり、原告商品は、多数の雑誌で紹介されているところ、その多くは女性向け雑誌であることからすると、主たる需要者は、美容に関心がある女性であるといえる一方、男性誌でも紹介されていることに加え、認定事実(3)アのとおり、男性の俳優が起用された広告宣伝もあることからすると、需要者には男性も含ま れるといえる。 周知性の有無認定事実(3)(5)(6)のとおり、原告は、平成30年3月の販売開始以降、原告商品の広告宣伝を行い、その結果、原告商品は、多数の雑誌、WEBメディア、テレビにおいて紹介されただけでなく、同年以降、雑誌等の複 数の媒体で、ベストコスメ賞などの賞を受賞し、これらの雑誌において、「美容のプロが推す、神マシンを発表 2018年下半期 VoCE家電ベスコス美顔器/たるみケア部門第1位ヤーマンメディリフト」「売り切れ店続出で、なかなか手に入らなかったとの逸話を持つ幻の美顔マスク」「爆発的なヒットを飛ばした顔の下半分用の電気信号発生器マシン」 「品切れ続出の話題のマスク」などと紹介された。そして、認定事実(3)(4)のとおり、上記の雑誌等の掲載を含む原告商品の広 スク」「爆発的なヒットを飛ばした顔の下半分用の電気信号発生器マシン」 「品切れ続出の話題のマスク」などと紹介された。そして、認定事実(3)(4)のとおり、上記の雑誌等の掲載を含む原告商品の広告宣伝や商品紹介においては、原告商品を顔に装着した人物(首から上)の、正面視、前方斜視ないし側面視の写真、原告商品を顔の立体形状に沿うように上下ベルト及び左右ベルトが見えるように配置した状態の写真、顔の立体形状に 沿うように配した正面視ないし前方斜視の写真(正面視の写真はベルト部分が映っていない)、原告商品を上下ベルト及び左右ベルトが見えるように平面に載置した写真が掲載されているところ、それらのうち、原告商品を顔に装着した人物(首から上)の前方斜視ないし側面視の写真、原告商品を顔の立体形状に沿うように上下ベルト及び左右ベルトが見えるように配 置した状態の写真、顔の立体形状に沿うように配した前方斜視の写真、原 告商品を上下ベルト及び左右ベルトが見えるように平面に載置した写真は、本件各特徴を把握することができるものである。 また、認定事実(5)のとおり、原告商品は、平成30年3月の販売開始以降、令和元年9月末までの間に、日本国内において累計10万台、令和2年7月末の時点で累計18万7000台、令和3年11月末の時点で累 計26万台が販売されたものであって、その間の販売シェアは約90パーセントと推定され、装着型の電気信号発生器付き美顔器において、圧倒的なシェアを有していたと認められる。 これらの事情に照らすと、装着型の電気信号発生器付き美顔器の市場は、原告商品の販売によって市場が形成されたものといえ、原告商品はその画 期的な機能及び特徴的な形態に加え、原告による宣伝活動の結果、原告商品の販売開始から短期間 気信号発生器付き美顔器の市場は、原告商品の販売によって市場が形成されたものといえ、原告商品はその画 期的な機能及び特徴的な形態に加え、原告による宣伝活動の結果、原告商品の販売開始から短期間のうちに圧倒的なシェアを獲得したことにより、原告商品が有する本件特徴ⅠないしⅤの組合せも、遅くとも、被告らが被告商品の販売を開始した令和2年8月より前の時点で、原告商品の特徴として周知となっていたと認められ、原告表示(本件特徴ⅠないしⅤを組み 合わせた形態)は、本件口頭弁論終結時(令和7年4月17日)においても、周知性を有しているというべきである。 以上によれば、原告表示には、周知性を認めることができる。 (5)小括以上によれば、原告表示(本件特徴ⅠないしⅤを組み合わせた形態)は、 原告商品の周知な商品等表示として出所表示機能を有しているものと認めるのが相当である。 争点2-2(原告が主張する原告商品の形態的特徴と被告商品の形態が同一又は類似であるか)について(1) ある商品等表示が不競法2条1項1号の「類似」に該当するか否かは、 取引の実情の下において、取引者又は需要者が、両表示の外観、称呼又は観 念に基づく印象、記憶、連想等から両者を全体的に類似のものと受け取るおそれがあるか否かを基準に判断するのが相当である(最高裁昭和57年(オ)第658号同58年10月7日第二小法廷判決・民集37巻8号1082頁、最高裁昭和56年(オ)第1166号同59年5月29日第三小法廷判決・民集38巻7号920頁参照)。 (2) 被告商品は、認定事実(8)及び別紙被告商品の形態(平置き)のとおりであり、これによれば、顔の下半分を覆うマスク部と、マスク部から左右方向に延出する左右ベルトとが一体的に形成さ )。 (2) 被告商品は、認定事実(8)及び別紙被告商品の形態(平置き)のとおりであり、これによれば、顔の下半分を覆うマスク部と、マスク部から左右方向に延出する左右ベルトとが一体的に形成された本体部分と(本件特徴Ⅰに相当)、マスク部の顎部中央下端に接続され接続部から左右方向に延出する、装着時に頭頂に向けて引き上げる上下ベルトを備え(本件特徴Ⅱに相当)、 本体部分のマスク部には、鼻の立体形状に合わせた形状及び開口を備えた鼻当て部と、口に合わせた開口部を有し(本件特徴Ⅲに相当)、本体部分のマスク部の正面の両頬部分にスイッチを備えた電気信号発生器を有し(本件特徴Ⅳに相当)、マスク全体が黒色で統一されている(本件特徴Ⅴに相当)ものといえるから、被告商品の形態は、本件各特徴の全てを包含しており、原 告表示と共通する形態を有するものといえる。 そして、前記2(3)のとおり、本件特徴ⅠないしⅤを組み合わせた形態は、美容マスクとして、ハンズフリーで(手で持つ必要なく)電気信号発生器機能を有する部分を、対象箇所に正確にかつ継続的に当て続けることができるという点において、これまでにない画期的なものであっただけでなく、マス クの形状及びマスク全体が無彩色の黒色である点においても、これまでの、美容マスクないし顔用の美容機器市場には存在しない形態的特徴を有するものであった。そうすると、原告表示は、需要者である美容に関心を持つ一般消費者が強く興味関心をひく部分であるといえるから、本件各特徴を包含する被告商品の形態は、その共通性から、全体的に被告商品の形態が原告表示 に類似するとの印象を強くするものということができる。 (3) これに対し、被告らは、原告商品の形態と被告商品の形態には、被告ら主張特徴①ないし⑤の相 に被告商品の形態が原告表示 に類似するとの印象を強くするものということができる。 (3) これに対し、被告らは、原告商品の形態と被告商品の形態には、被告ら主張特徴①ないし⑤の相違点があるから、被告商品の形態は、原告表示とは類似しないと主張するので以下検討する。 認定事実(2)(8)、別紙原告商品目録の写真及び被告商品の形態(平置き)によれば、原告商品と被告商品には、被告ら主張差異点①ないし⑤(不競法) のとおり、以下の相違点があると認められる。 ① 原告商品は、マスク部の両頬部分に、電気信号発生器を嵌合するために、丸みのある三角おにぎり形状に隆起した隆起部があるのに対し、被告商品は、マスク部と両頬部分に円を縦方向に分割した形状の縫い目と、電気信号発生器の装着部として凸状のスナップボタン各2個を備えている。 ② 原告商品の前記隆起部の中央部には、前記隆起部に嵌合された電気信号発生器のスイッチ面を露出させるための、前記隆起部よりもやや小さめの丸みのある三角おにぎり形状の孔部があるのに対し、被告商品のマスク部の両頬部分は平坦である(隆起部の孔部も存在しない。)。 ③ 原告商品の電気信号発生器は、前記隆起部に嵌合できるように丸みのあ る三角おにぎり形状であるのに対し、被告商品は、電気信号発生器は、円形の本体の左右部に山形の取っ手部を備えた形状である。 ④ 原告商品の電気信号発生器のスイッチ面は、一方の電気信号発生器のマイナスボタンの下部に小さく記された原告社名である「YAMAN」(Aは上部に―がある表示。)との白抜き文字を除き、各ボタンの機能を説明 する文字も含めて黒色で統一されており、かつ電気信号発生器を前記隆起部に嵌合させることで電気信号発生器スイッチ面を前記孔部から露出させる構造となって の白抜き文字を除き、各ボタンの機能を説明 する文字も含めて黒色で統一されており、かつ電気信号発生器を前記隆起部に嵌合させることで電気信号発生器スイッチ面を前記孔部から露出させる構造となっているのに対し、被告商品の電気信号発生器のスイッチ面は、ベースが黒色で、中央上部に、「PLEASINGSAN」との横書きの白抜き文字が配されるとともに、上記「PLEASINGSAN」の 「P」の背後に赤色の三角形が描かれ、被告商品の電気信号発生器のスイ ッチ面の中央下部の左右に各ボタンの機能を説明する文字が白抜きで記載され、その下に2つのオレンジ色のボタンが配されており、かつ電気信号発生器は、その平坦な裏面に設けられた各2個の凹状のスナップボタンと平坦なマスク部の両頬部分に設けられた各2個の凸状のスナップボタンを介してマスク部に装着される構造となっている。 ⑤ 原告商品は、マスク全体がマットな質感の黒色のシリコーン素材で一体的に形成されているのに対し、被告商品は、本体部分は、いずれもライクラ生地で形成された内側部と周縁部からなり、周縁部と内側部の間には、別の生地である周縁部が千鳥掛けで内側部に縫合された縫い目、鼻当て部は、同じくライクラ生地(当事者は「ライラク生地」と表記し て主張しているが、ライクラ生地の誤記であると解される。)で、鼻の中心線に沿って凸部を備え、鼻頂部にかけて千鳥掛けでマスク本体に縫合された縫い目があり、上下ベルトは黒色のゴム生地で、その上縁の中央部がマスク部の下に接するように縫合されている差異がある。 しかしながら、被告ら主張差異点①ないし⑤(不競法)は、いずれも原 告表示との差異点ではなく、原告商品の形態と被告商品の形態との差異点であるところ、被告商品の形態が、原告表示を全て備え 。 しかしながら、被告ら主張差異点①ないし⑤(不競法)は、いずれも原 告表示との差異点ではなく、原告商品の形態と被告商品の形態との差異点であるところ、被告商品の形態が、原告表示を全て備えていることは上記のとおりであり、かつ、原告表示は、需要者である美容に関心を持つ一般消費者が強く興味関心を惹く部分であるため、本件各特徴を包含する被告商品の形態は、その共通性から、全体的に被告商品の形態が原告表示に類似するとの 印象を強くするものであることは前記(2)のとおりであるから、原告商品の形態と被告商品の形態との差異点の存在により、原告表示と被告商品の形態の類似性が否定されるものではない。もっとも、上記のとおり、原告商品の形態と被告商品の形態との間の上記①ないし⑤の差異点は、原告商品と被告商品との混同の有無に関わるものであることから、この点については、争点 2-3(被告商品の販売等が混同を生じさせる行為に該当するか)において、 別途検討する。 (4) 小括取引の実情に基づき以上の共通点及び相違点を総合すると、原告表示と被告商品の形態は、需要者である美容に関心を持つ一般消費者が受ける全体的な印象が類似するものとして、不競法2条1項1号の「類似」性を認めるこ とができる。 争点2-3(被告商品の販売等が混同を生じさせる行為に該当するか)について(1) 不競法2条1項1号の「混同を生じさせる行為」とは、商品又は役務について出所が同一であると誤認させ、あるいはその営業につき主体が同一であ ると誤認させる場合に限られず、混同を生じさせるおそれがあればよいと解される(最高裁昭和44年(オ)第912号同年11月13日第一小法廷判決・裁判集民事97号273頁、最高裁昭和57年(オ)第658号同58年10 合に限られず、混同を生じさせるおそれがあればよいと解される(最高裁昭和44年(オ)第912号同年11月13日第一小法廷判決・裁判集民事97号273頁、最高裁昭和57年(オ)第658号同58年10月7日第二小法廷判決・民集37巻8号1082頁、最高裁平成7年(オ)第637号同10年9月10日第一小法廷判決・裁判集民事189号 857頁参照)。 (2) 前提事実(3)(5)のとおり、原告商品と被告商品は、いずれも装着型の電気信号発生器付き美顔器という同一用途の製品である。また、原告商品は、家電量販店や百貨店等における店頭販売、大手通信販売会社による通信販売及びインターネット上で販売されており、他方で、被告商品は、インターネ ット上のみで販売されており、インターネットにおける販売において販路は共通していると認められる。そして、前記2で認定説示したとおり、原告商品は、これまでの美容マスクないし顔用の美容機器市場には存在しない特徴を有する新商品であって、本件特徴ⅠないしⅤの組合せを全て備えた同種商品はほかになく、販売開始後の広告宣伝により、短期間に圧倒的なシェアを 占めて高い周知性を獲得したものであるから、原告商品の特徴である本件各 特徴を有する被告商品を見た需要者において、被告商品の出所が原告商品と同一である、あるいはその営業につき主体が同一であると混同を生じるおそれがあるといえる。 (3) これに対し、被告らは、原告商品と被告商品の形態の差異、商品名の違い価格の違い等からすれば、誤認混同のおそれはない旨主張するから、以下検 討する。 原告商品と被告商品の形態の差異前記3(3)のとおり、原告商品の形態と被告商品の形態には、被告ら主張差異点①ないし⑤(不競法)のとおりの差異点があると認められる。 以下検 討する。 原告商品と被告商品の形態の差異前記3(3)のとおり、原告商品の形態と被告商品の形態には、被告ら主張差異点①ないし⑤(不競法)のとおりの差異点があると認められる。 (ア) 上記①ないし③について 原告商品は、顔の下半分を覆うシリコーン製のマスクに、両頬部に設けられた開口部に嵌め込むことにより取り外し可能な電気信号発生器が付加されているものの、原告商品は、電気信号発生器がマスクに嵌め込まれた状態で広告宣伝されており、かつマスクと電気信号発生器はいずれも、同素材の黒色で統一されているため、需要者はマスクと電気信号 発生器を一体のものとして観察すると解されるから、需要者において、電気信号発生器が取り外し可能であって、かつ原告商品には、電気信号発生器のスイッチ面を露出させるための、前記隆起部よりもやや小さめの丸みのある三角おにぎり形状の孔部があると認識するものとはいえない。 そして、原告商品も被告商品も、マスク及び電気信号発生器がいずれも黒色であって、マスク部の両頬部分に電気信号発生器が存在し、電気信号発生器の部分は隆起している点において同じであるから、マスクと電気信号発生器は、色彩的な統一感によって一体性のある外観になっているといえ、電気信号発生器の周囲の隆起部の有無及び電気信号発生器 の形状の違いは、需要者に強い印象を与えるものとはいえない。 また、被告商品は、マスク部と両頬部分に円を縦方向に分割した形状の縫い目と、電気信号発生器の装着部として凸状のスナップボタン各2個を備えているものの、認定事実(9)のとおり、被告商品も電気信号発生器を付けたマスクの形状で広告宣伝をしており、電気信号発生器を付けた状態では、電気信号発生器の装着部の凸状のス スナップボタン各2個を備えているものの、認定事実(9)のとおり、被告商品も電気信号発生器を付けたマスクの形状で広告宣伝をしており、電気信号発生器を付けた状態では、電気信号発生器の装着部の凸状のスナップボタン各2個 を認識することはできないし、マスク部と両頬部分に円を縦方向に分割した形状の縫い目は、需要者に強い印象を与えるものとはいえない。 (イ) 上記④について原告商品と被告商品では、電気信号発生器のスイッチ面の記載が異なっているものの、原告商品の電気信号発生器に記載された「YAMAN」 (Aは上部に―がある表示。)の白抜き文字は、それ自体目立たず、被告商品の電気信号発生器に記載された「PLEASINGSAN」との横書きの白抜き文字及びPの背後に描かれた赤色の三角形も、それ自体目立つものとはいえない。 また、被告商品の電気信号発生器にあるオレンジ色のボタンは、上記 原告会社名と被告商品名との対比において、需要者の目を惹きやすいといえるものの、上記に述べた類似点を凌駕するほど需要者の目を惹く差異とはいえない。 (ウ) 上記⑤について原告商品は、マスク全体がマットな質感の黒色のシリコーン素材であ るのに対し、被告商品は、本体部分は、いずれもライクラ生地で形成された内側部と周縁部からなり、バイアステープである周縁部や鼻当て部には縫合された縫い目があり、マスク本体とベルトの素材も異なっている。 しかし、認定事実(9)のとおり、被告商品は、インターネットにおい てしか販売されていないから、インターネットによる販売の場合は、被 告商品の実物を観察することは不可能であって、需要者が接する情報は、当該販売ページに掲載された写真や説明に限られるところ、証拠(甲6、7)によ から、インターネットによる販売の場合は、被 告商品の実物を観察することは不可能であって、需要者が接する情報は、当該販売ページに掲載された写真や説明に限られるところ、証拠(甲6、7)によれば、被告商品の販売ページでは、被告商品が布製であることを目立つ箇所に明記しておらず、写真から、被告商品の素材を把握し、さらにマスク本体とベルトとの素材の違いを認識することは困難である といえる。また、被告商品に存在する縫い目については、被告商品の販売ページにおいても、需要者が認識可能といえるものの、縫い目もマスク部と同じ黒色のため、需要者にとって、強い印象を与えるものとはいえない。 (エ) 小括 以上によれば、原告商品と被告商品の共通点である本件特徴ⅠないしⅤを組合せた形態は、需要者に強い印象を与えるものであるのに対し、被告らが主張する原告商品と被告商品の形態の差異は、いずれも需要者に強い印象を与えるものとはいえないから、原告商品の形態と被告商品の形態は、需要者が受ける全体的な印象が類似している。 商品名及び価格の違い等前記のとおり、インターネットにおける販売については、需要者である美容に関心のある一般消費者は、商品の現物を手に取って確認することができず、商品の販売ページに記載された写真や説明からしか情報を得ることができないという制約があるところ、被告商品の電気信号発生 器のスイッチ面に記載された「PLEASINGSAN」とのロゴと原告商品のスイッチ面に記載された「YAMAN」(Aは上部に―がある表示。)のロゴは、いずれもインターネット販売において、需要者の注意を引くものとはいえない。また、被告らが主張する価格差についても、装着型電気信号発生器付き美顔器は、いわゆる美容家電に属するため、 新商 ゴは、いずれもインターネット販売において、需要者の注意を引くものとはいえない。また、被告らが主張する価格差についても、装着型電気信号発生器付き美顔器は、いわゆる美容家電に属するため、 新商品の販売や商品販売からの経過により価格が変動する商品であると 解されるから、原告商品の価格が2万7500円であるのに対し、被告商品の価格は9980円であることをもって、上記に述べた混同のおそれが否定されるものではない。 (4) 以上によれば、被告による被告商品の販売等は、不競法2条1項1号にいう「混同を生じさせる行為」に当たると認められる。 争点3(差止めの必要性)について被告らは、被告Camelliaは、令和6年8月4日をもって被告商品の販売を終了しており、被告Kоukenも同年7月31日をもって被告商品の販売を終了したと主張している。これに対し、原告は、被告らは同日以降も被告商品の販売を継続していると主張するが、証拠(甲57ないし61)は、い ずれも被告らが主張する販売終了日より前の時点での販売に係るものであるし、うち証拠(甲58ないし60)については、同商品の販売者は、同ウェブサイトのストア情報に記載された会社名及びその住所からして、いずれも被告らではなく、本件証拠上、被告らが、現時点においても被告商品を販売していると認めるに足りる証拠はない。 よって、原告の被告らに対する、被告商品の製造、輸入、販売、販売の申出、販売のための展示の差止め及び被告商品及びその製造のための金型を廃棄については理由がない。 争点4(損害の発生及び額)(1) 故意又は過失について 前記3及び4で認定説示したとおり、被告商品は、本件特徴ⅠないしⅤの組合せである原告の商品等表示と類似しており、かつ被告ら 争点4(損害の発生及び額)(1) 故意又は過失について 前記3及び4で認定説示したとおり、被告商品は、本件特徴ⅠないしⅤの組合せである原告の商品等表示と類似しており、かつ被告らによる被告商品の販売等は、その出所につき誤認混同を生じるおそれがあるものである。そして、装着型の電気信号発生器付き美顔器については、認定事実(11)のとおり、その形態には様々な選択肢が存在するにもかかわらず、被告らは、原告 商品が需要者に人気となり周知性を獲得した後に、原告商品と類似する形態 の商品を販売等していること、被告らが、その販売ページにおいて、原告が使用するのと同様の構成である被告商品を装着した女性の前方斜視の写真を使用して商品を訴求しており、他方で、原告商品と被告商品の大きな違いであるマスクの素材については、これを目立つように記載していないことなどからすれば、被告らは、原告の周知な商品等表示を利用する意図であったと 認められるから、原告の営業上の利益を侵害することについて、少なくとも過失があると認められる。 (2) 限界利益の額被告Camellia関係認定事実(9)のとおり、被告Camelliaは、被告商品を、インタ ーネットモールであるAmazonで販売するとともに、被告商品を楽天市場などのインターネットモールで販売する被告Kоukenに対して販売している。 証拠(乙63、64、争いのない事実)によれば、令和3年2月から令和6年7月までの間、被告Camelliaが被告商品を販売したこ とにより得た限界利益の額は、別紙被告Camelliaの限界利益一覧表「原告の主張」欄のとおり、Amazon販売分につき●(省略)●円(1台当たり●(省略)●円×●(省略)●台)、被告Kоuken販 により得た限界利益の額は、別紙被告Camelliaの限界利益一覧表「原告の主張」欄のとおり、Amazon販売分につき●(省略)●円(1台当たり●(省略)●円×●(省略)●台)、被告Kоuken販売分につき●(省略)●円(1台当たり●(省略)●円×●(省略)●円)の合計●(省略)●円と認める。 これに対し、被告らは、被告商品1台当たりのインフルエンサーによる宣伝広告費は、別紙被告Camelliaの限界利益一覧表「被告らの主張」欄に記載のとおり、●(省略)●円であると主張するが、インフルエンサーによる広告宣伝費のうち原告が認める●(省略)●円を超える部分については、本件証拠上、インフルエンサーによるSNS等の 投稿内容が明らかでなく、被告商品についてのみの広告宣伝に係る投稿 であると認めるに足りる証拠はないから、被告らが主張するインフルエンサーによる広告宣伝費の全額について、被告商品の販売により直接に増加した変動経費であると認めることはできず、被告らの主張は採用することができない。 以上によれば、被告Camelliaによる被告製品の販売等による 限界利益の額は、●(省略)●円である。 被告Kоuken関係認定事実(9)のとおり、被告Kоukenは、被告商品をインターネットモールである楽天市場、YAHOO!ショッピング及びGiftmallにて販売しているところ、令和3年2月から令和6年7月まで間の、 被告Koukenによる被告商品の販売について得られた利益は、少なくとも、被告Camelliaに対する支払において、被告Camellia商品の販売価格から控除した楽天利用料と実際に被告Kоukenが支払った楽天利用料との差額である●(省略)●円、被告Camellia商品の販売価格から控除した被告商品 において、被告Camellia商品の販売価格から控除した楽天利用料と実際に被告Kоukenが支払った楽天利用料との差額である●(省略)●円、被告Camellia商品の販売価格から控除した被告商品1個当たりの梱包費及び 送料と実際に掛かる梱包費及び送料との差額である●(省略)●円、被告Kоukenが、被告Camelliaに対する支払において算定したGiftmallにおける販売金額及び手数料と実際に被告KоukenがGiftmallで販売した販売金額と支払った手数料との差額である●(省略)●円の合計である●(省略)●円であることについて は、当事者間に争いがない。 これに対し、原告は、被告Camelliaと被告Koukenとの取引において、被告Koukenに転売差益が出ない取引をしているとは考え難い、Yahoo!ショッピングに係る売上については1個当たり販売価格と仕入価格との差額である●(省略)●円の利益を得ている と主張する。しかしながら、被告Koukenが転売差益を得ているこ とを認めるに足りる証拠はないし、証拠(乙34)によれば、Yahoo!ショッピングにおける販売においても、他のインターネットモールと同様に、ストアポイント原資、キャンペーン原資負担、アフィリエイトパートナー報酬、アフィリエイト手数料及びストア決済サービス手数料などの経費が発生していると認められるから、被告Koukenにお いて、1個当たり販売価格と仕入価格との差額である●(省略)●円の利益を得ているとは認められない。 以上によれば、被告Kоukenが被告商品の販売により得た限界利益の額は、●(省略)●円と認めるのが相当である。 (3) 推定覆滅事由 不競法5条2項は、推定規定であるから、被告らが販売した被告商品の数 被告Kоukenが被告商品の販売により得た限界利益の額は、●(省略)●円と認めるのが相当である。 (3) 推定覆滅事由 不競法5条2項は、推定規定であるから、被告らが販売した被告商品の数量及び売上額につき、被告らにおいて、原告において販売することができない事情として認められる各種の事情及び同事情に相当する数量に応じた額を主張立証した場合には、同項本文により認定された損害額から上記数量に応じた額が控除される。そして、「販売することができないとする事情」は、 侵害行為と原告商品の販売減少との相当因果関係を阻害する事情をいい、例えば、①原告と被告らの業務態様や価格等に相違が存在すること(市場の非同一性)、②市場における競合品の存在、③被告らの営業努力(ブランド力、宣伝広告)、④原告商品と被告商品の機能等形態以外の特徴に相違が存在することなどの事情がこれに該当するというべきである。 以下、これらの事情として被告らが主張する事情について検討する。 価格差本件においては、認定事実(4)(13)のとおり、原告商品は、大手通販業者、百貨店、インターネットにおいて、原告の小売希望価格を税込2万7500円として販売されており、同額又はこれに近い価格で販売されてい るのに対し、被告商品は、インターネットのショッピングモールのみで販 売されており、通常は、販売価格(税込)9980円で販売されている。 原告商品は、比較的高額な美容機器であるのに対し、被告商品は、原告商品の価格の3分の1近い廉価で販売されていることからすると、被告商品を購入した者は、被告商品が存在しなかった場合には、原告商品を購入するとは必ずしもいえないというべきである。したがって、上記の販売価格 の差異は、原告において販売することができない と、被告商品を購入した者は、被告商品が存在しなかった場合には、原告商品を購入するとは必ずしもいえないというべきである。したがって、上記の販売価格 の差異は、原告において販売することができない事情と認めることができる。 一方で、原告商品及び被告商品の上記の価格差は、大きくても3倍を超えないものである上、原告商品と被告商品は美容機器であるところ、その需要者の中には、同種の機能や性能を有する商品がある場合、安価な商品 がある場合は、安価な商品を購入するが、安価な商品がない場合は、高価な商品を購入するという者も少なからず存在するものとも考えられる。しかも、認定事実(2)及び証拠(甲12)によれば、原告商品は、マスクがシリコーン製であり、電気信号発生器が充電式であるため、これらの装備のない被告商品に比べて品質が高く、商品としての訴求力が強いともいう ことができるから、たとえ高額ではあっても、原告商品は、被告商品の需要者の一定数を取り込むことは可能であるというべきである。以上からすると、原告商品及び被告商品の上記価格差をもって、原告において販売することができない事情に当たるとみることができるとしても、これにより原告が販売することができない数量が被告らによる販売数量の過半にわた るとまでは認められない。 競合品の存在認定事実(12)によれば、装着型電気信号発生器付き美顔器は、原告商品の発売日以降、様々な形態の商品が販売されていると認められる。もっとも、証拠(乙48、50、55、56)によれば、これらの商品の 販売開始時期は、最も早いものが令和2年11月であるものの、ほとん ど商品は、令和4年以降に販売が開始されたものであるから、本件侵害期間(令和3年2月から令和6年7月まで)の全期間において、こ 開始時期は、最も早いものが令和2年11月であるものの、ほとん ど商品は、令和4年以降に販売が開始されたものであるから、本件侵害期間(令和3年2月から令和6年7月まで)の全期間において、これらの商品が販売されていたとは認められないし、これらの商品の市場におけるシェアは明らかでなく、単に、同種商品が多数販売されているという事実のみをもって、推定の覆滅を認めることはできないというべきで ある。 被告らの営業努力被告らは、被告らの営業努力をもって、原告において販売することができない事情として主張するが、インターネット販売においては、検索において上位に表示されるための宣伝や、クーポン等の配布等は、通常想定さ れる範囲内の営業努力といえ、被告らが行った広告宣伝が、原告において販売することができない事情と認めるに足りる程度の営業努力に当たるとは認められない。 被告らが主張するその他の覆滅事由被告らは、被告商品の購入者は、原告商品と被告商品の出所が異なるこ とを認識した上で、被告商品の購入に至ったものであり、そのことは、原告商品と被告商品を比較するウェブサイトが複数あることからも裏付けられると主張する。しかし、原告商品と被告商品が類似しており、混同のおそれがあることは、上記3及び4で認定説示したとおりである。 また、被告らが指摘する比較サイト(乙49、57)が存在し、かつ、 同サイトの内容から、原告商品と被告商品が異なる商品であることを認識している需要者がいることが認められるとしても、これらの比較サイトを介して商品が購入された割合等も明らかでなく、これらの比較サイトの存在をもって、原告において販売することができない事情に当たるとは認められない。 小括 以上によれば、 トを介して商品が購入された割合等も明らかでなく、これらの比較サイトの存在をもって、原告において販売することができない事情に当たるとは認められない。 小括 以上によれば、本件においては、原告において販売することができない事情に相当する数量は、全体の約3割であると認めるのが相当であるから、上記の限度で推定が覆滅される。 (4) 損害額被告Camelliaによる被告商品の販売等による損害額 (ア) 不競法5条2項により算定される損害額2億1360万0300円×0.7=1億4952万0210円(イ) 弁護士費用事案の難易、前記(ア)で認定した損害額並びにその他本件で表れた諸般の事情に照らすと、被告Camelliaによる損害について相当 因果関係を有する弁護士費用相当額は、上記(ア)の損害額の10パーセントである1495万2021円と認めるのが相当である。 (ウ) 小計1億6447万2231円 555万2119円×0.7=388万6483円(小数点以下は切り捨て。以下同じ。) (ウ) 小計427万5131円 原告は、訴状送達の日の翌日である令和4年1月20日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の支払を求めているが、被告らによる被告商品の販売等は継続的な行為であるといえるから、被告らによる被告商品の販売等によって生じた損害金に係る遅延損害金については、同損害の算定期間の最終日である令和6年7月31 日を起算日として、同日からの民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の請求を認めるのが相当である。 (5) 小括以上によれば、原告の の最終日である令和6年7月31 日を起算日として、同日からの民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の請求を認めるのが相当である。 (5) 小括以上によれば、原告の被告らに対する、不競法4条に基づく損害賠償請求は、被告Camelliaについては、1億6447万2231円及びこ れに対する令和6年7月31日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員の支払を認める限度で、被告Kоukenについては、427万5131円及びこれに対する令和6年7月31日から支払済みまで年3パーセントの割合による支払を認める限度で理由がある。 意匠法に基づく損害賠償請求について 原告は、本件訴訟において、意匠権侵害に基づく損害賠償請求と不競法4条に基づく損害賠償請求を選択的に請求しているところ、前提事実(2)(5)のとおり、原告意匠は、物品を「美容マスク」とするものであるのに対し、被告商品は、顔の下半分を覆うマスクに電気信号発生器を備え付けたものである。 そして、被告商品は、マスクと電気信号発生器により、皮膚を引き上げて美 容作用を付与するという美容機器であり、美容に関心のある需要者が最も関心を惹くのは、その美容効果、すなわち、皮膚を引き合上げて美容作用を付与する効果といえるから、被告商品のうち大きな顧客吸引力を有する部分は、同効果に寄与する電気信号発生器の機能や性能であると認められる(なお、原告意匠そのものにも、上下ベルトによる皮膚の引き上げ効果があるとしても、上下 ベルトが、電気信号発生器との比較において、主に皮膚の引き上げ効果を担っ ているものとはいえない。)。 以上の事情を考慮すれば、原告意匠が、被告商品の販売による利益の全てに貢献しているとはいえず、被告商品の販売によって得 おいて、主に皮膚の引き上げ効果を担っ ているものとはいえない。)。 以上の事情を考慮すれば、原告意匠が、被告商品の販売による利益の全てに貢献しているとはいえず、被告商品の販売によって得られる限界利益の全額を原告の逸失利益と認めるのは相当でないのであって、仮にイ号製品の販売等が原告意匠権を侵害するものであったとしても、意匠権侵害における損害額の算 定においては、前記6(2)で認定説示した推定を覆滅する事由に加えて、上記事情が、推定を一部覆滅する事由として認められるものである。 そうすると、仮にイ号製品の販売等が原告意匠権を侵害するものであったとしても、意匠権侵害に基づく損害賠償金の額は、不競法4条に基づく上記損害賠償金の額を超えることはないといえる。 よって、意匠権侵害の有無について検討するまでもなく、当裁判所は、不競法4条に基づく請求の限度で、原告の請求を認容すれば足りる。 第6 結論以上によれば、原告の請求は主文掲記の限度で理由があるから、これを認容することとし、その余は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判 決する。 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官 澁谷勝海 裁判官 塚田久美子 裁判官 浅川浩輝 (別紙)被告商品目録(商品名)「PLEASIN 裁判官 浅川浩輝 (別紙)被告商品目録 (商品名)「PLEASINGSAN フェイシャルリフト 20MinsLift」以下の写真のとおりの美容マスク 【正面図】 【背面図】 【斜視図】 (別紙)原告商品目録 (商品名)「メディリフト」以下の写真のとおりの美容マスク 【正面図】 【背面図】 【斜視図】 (別紙)原告意匠目録 意匠登録番号第1605840号 出願日平成29年11月13日 登録日平成30年5月11日 創作者山崎岩男 意匠に係る物品美容マスク 意匠に係る物品の説明 本物品は、弾性のある材料で形成される美容マスクであり、左右側方に延設される上段ベルト体は側頭部を回して後頭部で面ファスナーにより係着する。下端部に連設される下段のベルト体は顎部から側頭部を回して頭頂部で面ファスナーによる係着する。 登録意匠 【図面】 【右前方斜視図】 【左後方斜視図】 【正面図】 【背面図】 【右側面図】 【左側面図】 【平面図】 【底面図】 (別紙) 【右側面図】 【左側面図】 【平面図】 【底面図】 (別紙)イ号製品の形状(立体) 1 原告撮影写真【正面図】 【背面図】 【右側面図】 【左側面図】 【平面図】 【低面図】 2 被告ら撮影写真【正面写真】 【右側面写真】 【左側面写真】 (別紙)被告商品の形態(平置き) 1 被告商品【正面図】 (別紙)イ号製品の形状(平置き)【正面図】 (別紙)被告意匠目録意匠登録番号第1681726号出願日令和2年7月31日登録日令和3年3月5日 創作者谷山福孝意匠に係る物品顔面用マッサージ器意匠に係る物品の説明本物品は、顔に前後方向と上下方向から固定して、両方の頬部に備えた振動発生器によって顔、特に頬部、下まぶた、ほうれい線に、刺激を与えて、顔を引き締めるマッサージ器である。合成樹脂製の生地を縫合して製作している。また、両頬部に設けた振動発生器は、スナップで取り付けており、取り外し可能で、振動発生器を取り外すことによって合成樹脂製の本体は洗濯ができる。また、鼻の部分は、鼻の形状に合わせて出っ張っている。 本物品は、両頬部に設けた振動発生装置の形状と色彩によって独特の美感 、振動発生器を取り外すことによって合成樹脂製の本体は洗濯ができる。また、鼻の部分は、鼻の形状に合わせて出っ張っている。 本物品は、両頬部に設けた振動発生装置の形状と色彩によって独特の美感を与えるものである。 登録意匠 【正面図】 【背面図】 【平面図】 【左側面図】 【右側面図】 【振動発生装置を外した参考斜視図】 【参考使用状態図】

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