平成18(行コ)101 食品衛生法違反処分取消請求控訴事件(原審・千葉地方裁判所平成16年(行ウ)第23号)

裁判年月日・裁判所
平成19年7月18日 東京高等裁判所 警察関係
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判決文本文8,636 文字)

- 1 -主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は,控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1控訴の趣旨 原判決を取り消す。 被控訴人が控訴人に対してした平成13年5月24日付け成空検第×××号食品衛生法違反通知を取り消す。 第2事案の概要 事案の要旨(1)本件は,控訴人が「○○(冷凍スモークマグロ切り身)100キログラ」ム以下本件食品というを輸入しようとして食品衛生法平成15年(「」。)(法律第55号による改正前のもの以下法という16条に基づいて輸。 「」。)入の届出をしたところ,被控訴人が,本件食品は一酸化炭素を添加物として使用しているものであるから法6条に違反するとの通知(以下「本件違反通知」という)をしたため,控訴人がその取消しを求めた事案である。 。 (()),(2)差戻前の第一審判決千葉地方裁判所平成13年行ウ第35号は本件違反通知は,取消訴訟の対象である行政処分に当たらないとして本件訴えを却下し,控訴審判決(東京高等裁判所平成14年(行コ)第230号)は控訴人による控訴を棄却したが上告審判決最高裁判所平成15年行,,((ヒ)第206号)は,本件違反通知が取消訴訟の対象である行政処分に当たるとして控訴審判決を破棄し,差戻前の第一審判決を取り消した上で,本案について審理させるため,本件を千葉地方裁判所に差し戻した。 (3)差戻後の原審は本件食品が法6条によって使用が禁止されている一酸,,化炭素を添加物として使用したものであり,これに対して本件違反通知をすることが平等原則に違反するとはいえないから,本件違反通知は,適法なも- 2 -のであるとして,控訴人の請求を棄却したところ,これを不服とする控訴人が控訴した。 当事者の主張等 件違反通知をすることが平等原則に違反するとはいえないから,本件違反通知は,適法なも- 2 -のであるとして,控訴人の請求を棄却したところ,これを不服とする控訴人が控訴した。 当事者の主張等関係法令等,前提となる事実,争点及びこれに関する当事者の主張は,次の,「」とおり当審における当事者の主張を付加するほかは原判決の事実及び理由中「第2事案の概要」の1ないし4に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1)本件食品解凍後のメト化の機序についてア控訴人本件食品は,解凍後,無処理のマグロと同様に変色する。その機序は,次のとおりである。 (ア)一酸化炭素とミオグロビンの結合による一酸化炭素ミオグロビンの生成は,可逆反応であるところ,大気中の一酸化炭素濃度は極めて低いので,一酸化炭素処理又は燻煙処理されたマグロは,大気と触れると,一酸化炭素ミオグロビンから一酸化炭素が脱離する方向の反応(以下こ「」。),。 の反応を逆反応というが進み一酸化炭素が大気中に放散される逆反応は,温度の上昇とともに促進されるので,冷凍中にミオグロビンと結合していた一酸化炭素は,解凍が進むにつれて逆反応が進み,一酸化炭素が脱離したミオグロビンは,空気中の酸素と結合して酸化され,最終的には褐色のメトミオグロビンとなる。以上の機序で,一酸化炭素ミオグロビンは,解凍につれ,メト化が加速度的に進むことになる。 (イ)マグロに一酸化炭素を接触させると,一酸化炭素は魚肉組織(その約80パーセントは水分で構成されるに物理溶解するマグロに含ま。)。 れる全てのミオグロビンが一酸化炭素と結合してしまうと,一酸化炭素ミオグロビンの量はそれ以上増えることがないから,処理ガスの一酸化炭素濃度が一定の濃度を超えると,たとえ濃度を上げても一酸化炭素ミ- れる全てのミオグロビンが一酸化炭素と結合してしまうと,一酸化炭素ミオグロビンの量はそれ以上増えることがないから,処理ガスの一酸化炭素濃度が一定の濃度を超えると,たとえ濃度を上げても一酸化炭素ミ- 3 -オグロビンの量は増えないが,物理溶解する一酸化炭素の量は,処理ガス中の一酸化炭素濃度に比例して増加する。マグロを空気中に置くと,魚肉中の一酸化炭素は,空気中に移動し始めるが,その際,まず,物理溶解している一酸化炭素から空気中に移動してゆき,一酸化炭素の物理溶解濃度が一定になって初めて,一酸化炭素ミオグロビンからの一酸化炭素の脱離が始まる。そのため,物理溶解濃度が高ければ高いほど,一酸化炭素ミオグロビンからの一酸化炭素の脱離が始まるまでの時間がかかり,メト化の進行が遅くなる。したがって,処理ガス中の一酸化炭素濃度によりメト化防止効果が異なることになる。 (ウ)共同添付資料実験において,10パーセント燻煙区の方が,10パーセントCO区よりもメト化の進行が速かったのは,①燻煙処理をした場合には,ミオグロビンが燻煙中に含まれる一酸化炭素以外の二酸化炭素,一酸化窒素,アンモニアなどの気体とも結合するのに対して,一酸化炭素処理をした場合には,ミオグロビンと結合する気体は,一酸化炭素と酸素のみであるため,燻煙処理をした場合に比べ,一酸化炭素ミオグロビンの量が多く,②メト化は,pHが低いほど速く進むところ,燻,,,,煙には蟻酸酢酸等の酸性成分が多く含まれているため燻煙処理はpH低下を促進するからである。 (エ)なお,マグロの鮮度が低いとメト化率が高くなるところ,平成10年実験に用いられたマグロは,共同添付資料実験に用いたマグロより鮮度が低かったため,平成10年実験においては,10パーセントCO区にメト化防止効果が認められず,10パ 化率が高くなるところ,平成10年実験に用いられたマグロは,共同添付資料実験に用いたマグロより鮮度が低かったため,平成10年実験においては,10パーセントCO区にメト化防止効果が認められず,10パーセント燻煙区との間で,メト化に差が生じなかった。 イ被控訴人(ア)控訴人は,本件食品と平成10年実験及び共同添付資料実験の結果を関連付けて説明しているが,本件食品とこれらの実験とでは,一酸化- 4 -炭素に暴露される処理条件が異なっており,各実験に用いられたマグロの魚肉中にどの程度の一酸化炭素が存在しているかが判明しない状況において,各実験の結果を直ちに本件食品に当てはめることは適当ではなく,本件食品が解凍後に無処理のものと同様に褐色化が進むとする科学的な合理性はない。 (イ)ミオグロビンと一酸化炭素の反応は,生化学反応であるところ,ミオグロビンは酸素に比べ一酸化炭素と強く結合するため,通常の空気中の酸素濃度では,本件食品に含まれる高濃度の一酸化炭素が酸素と置換するには相当の時間を要する。また,逆反応が,温度の上昇により急速に進行するとの控訴人の主張については,科学的な裏付けがない。 (ウ)99.9パーセントの一酸化炭素に暴露したマグロに含まれる一酸化炭素の量は,本件食品に含まれている一酸化炭素の量とほぼ同じである乙17一酸化炭素はミオグロビンと結合してその効果を発揮す()。 ,るから,一酸化炭素のメト化防止効果は,一酸化炭素の処理濃度ではなく,マグロに含まれ得る一酸化炭素の量で考えるべきである。仮に,マグロの魚肉に含まれる水分への物理溶解を考慮するとしても,一酸化炭素は,常温では気体として存在し,極めて水に溶けにくいものであるから,一酸化炭素が魚肉に含まれる水分に物理溶解するとしても,その濃度は極めて微量である。 分への物理溶解を考慮するとしても,一酸化炭素は,常温では気体として存在し,極めて水に溶けにくいものであるから,一酸化炭素が魚肉に含まれる水分に物理溶解するとしても,その濃度は極めて微量である。 (エ)控訴人が燻煙中に存在すると主張する一酸化炭素以外の気体が,どの程度燻煙中に存在し,メト化防止といかなる相関性があるのか,これらの気体がミオグロビンと非常に強い結合力をもつ一酸化炭素よりも高い結合力をもつのかは不明である。 また,ミオグロビンと一酸化炭素の結合とpHの相関関係が明らかでない上,本件食品についてどの程度pHが低下しているのかは不明である。 - 5 -(2)規制手続の違法についてア控訴人法は,同一添加物について特定の用途等に限って使用を禁じる場合は,当該添加物を別表等に搭載した上で「食品,添加物等の規格基準(厚生,」)。 省告示第370号によりその使用の基準を明定することを要求している,,,「」したがって燻煙を添加物とした上で既存薫製品は使用を認め鮮魚については使用を認めないという政策をとるのであれば,燻煙を別表等に記載した上で,鮮魚への使用は認められない旨を「食品,添加物等の規格基準」に明記することが法律上求められているのであり,かかる手続によらずに,燻煙を「鮮魚」に使用した場合のみを規制の対象とする本件規制は,法律による行政の原則及び食品衛生法に違反するものである。 イ被控訴人の反論法6条は,厚生大臣が定めた場合を除いて添加物の使用等を一般的に禁止し,また,法7条1項は,厚生大臣が添加物に係る基準・規格を「定めることができる」とするものであり,控訴人の主張は,その前提を欠き,理由がない。 第3当裁判所の判断当裁判所も,控訴人の本件請求は理由がないと判断する。その理由は,次のとおり原判決を 格を「定めることができる」とするものであり,控訴人の主張は,その前提を欠き,理由がない。 第3当裁判所の判断当裁判所も,控訴人の本件請求は理由がないと判断する。その理由は,次のとおり原判決を補正し,当審における控訴人の主張に対する判断を付加するほかは,原判決の「事実及び理由」中「第3当裁判所の判断」に説示するとおりであるから,これを引用する。 原判決の補正(1)25頁17行目から19行目の「認められる」までを「他方,既存薫製。 品は,燻煙処理がなされている薫製品として消費者に提供されることを前提とした食品であり,消費者は,燻煙処理の過程において通常生じるような変化が生じていることは当然の前提としてこれを食する」に改める。 。 - 6 -(2)25頁21行目の「取締りを」を「取締りが」に改める。 (3)30頁14行目のマグロの当初の鮮度により上記の差異が生じたを各「」「実験においては,同一鮮度の検体について比較実験をしているにもかかわらず,平成10年実験の結果と共同添付資料実験の結果とが異なった」に改める。 (4)34頁1行目から23行目までを 証拠 甲27証人P1及び弁論の「(,)全趣旨によれば,厚生省担当官として調査会審議に出席したP1は,マグロはマイナス18度で保存すると鮮度が低下するのであり,本件食品は,解凍前のメト化防止効果により,消費者に鮮度を誤認させるおそれがある点が問題であると理解していたことが認められる。しかしながら,本件燻煙処理に対する規制は,調査会審議に基づいてなされているところ,証拠(甲27,甲33,甲34)及び弁論の全趣旨によれば,調査会審議では,一酸化炭素は食品添加物として認められておらず,鮮魚にメト化防止目的で一酸化炭素を使用することは禁止すべきであることを前提に,本件食 27,甲33,甲34)及び弁論の全趣旨によれば,調査会審議では,一酸化炭素は食品添加物として認められておらず,鮮魚にメト化防止目的で一酸化炭素を使用することは禁止すべきであることを前提に,本件食品は,メト化防止目的で一酸化炭素処理をした鮮魚と異なるものであるか否かが問題とされたこと,審議のために,平成10年実験及び共同添付資料実験の結果が資料として提出されたが,これらの実験結果は変動幅が大きく,科学的判断材料としては不十分であることが指摘された上で,本件食品は一酸化炭素を含む燻煙で処理されているところ,一酸化炭素にはメト化防止効果が認められることなどからすると,結局,本件食品は,その製造に当たり一酸化炭素が添加物として使用されたものといわざるをえないとのとりまとめに至ったことが認められ,調査会審議は,解凍前のメト化防止効果を重視したわけではないし,とりまとめに至る過程に不合理な点はなく,厚生省による強引な誘導ないし誤導によりとりまとめられたとも認められない」に改める。 。 (5)35頁10行目の末尾にそして 証拠 甲83乙29の1及び2乙「,(,,30,証人P2)及び弁論の全趣旨によれば,A法の測定誤差は,他の検査- 7 -,,法に比べて大きくはなく一酸化炭素濃度が低く測定されることはあっても高く測定されることはないことが認められる。株式会社P3依頼によるA法による測定の結果(甲42及び甲43の各1ないし6)には,多少のばらつきが認められるが,検体数が少なく,検体の個体差も考慮すると,上記判断を覆すに足りない。また,P4作成の論文(甲37)には,A法による分析値は,分析法として認められる誤差範囲を大きく超えているとの記述があるが,その原因は,検査過程で一酸化炭素が散逸していることにあるというのであるから,同 P4作成の論文(甲37)には,A法による分析値は,分析法として認められる誤差範囲を大きく超えているとの記述があるが,その原因は,検査過程で一酸化炭素が散逸していることにあるというのであるから,同論文によっても,上記認定のとおり,A法の測定結果は,低めの結果となることが認められる。以上によれば,一酸化炭素を添加物として使用しているか否かを判断するための測定方法として,A法を採用することが不合理であるとはいえない」を加える。 。 当審における控訴人の主張に対する判断(1)本件食品解凍後のメト化の機序についてア控訴人は,本件食品は,解凍後,無処理のマグロと同様に変色するのでありその機序は前記第2の2(1)ア記載のとおりであると主張するとこ,,ろ,証拠(甲36,甲41,甲50,甲58,甲59,甲68,甲74,甲84,証人P4,同P5)中には,これに沿うものがある。 ,,,。 イしかし以下に説示するとおり上記証拠は採用することができない(ア)控訴人は,一酸化炭素ミオグロビンは,解凍につれ,メト化が加速度的に進むと主張するが,この点を実証的に裏付ける証拠はない。かえって,証拠(乙36,証人P2)及び弁論の全趣旨によれば,ミオグロビンは,酸素と比べ一酸化炭素と強く結合するため,本件食品のように高濃度の一酸化炭素を有するマグロを解凍して空気にさらしても,一酸化炭素が酸素と置換するには相当の時間を要することが認められる。実際に,国立衛生試験所食品添加物部作成の「平成6年度食品添加物規格基準設定等試験検査第1次報告書甲61によれば一酸化炭素()」(),- 8 -,,に暴露し一酸化炭素濃度約600μg/㎏を含有するマグロの切身が7日を経過しても,無処理のマグロの切身を上回る一酸化炭素を有することが によれば一酸化炭素()」(),- 8 -,,に暴露し一酸化炭素濃度約600μg/㎏を含有するマグロの切身が7日を経過しても,無処理のマグロの切身を上回る一酸化炭素を有することが認められる。 (イ)控訴人は前記第2の2(1)ア(イ)記載の機序により処理ガス中の,,一酸化炭素濃度により,メト化防止効果が異なると主張するが,上記第3の2(1)記載の各証拠によっても魚肉組織に物理溶解している一酸化,炭素の量及びこれと処理ガス中の一酸化炭素濃度との相関関係は不明で。 ,(,),あるかえって 証拠 乙17証人P2及び弁論の全趣旨によれば一酸化炭素は,常温では気体として存在し,水に溶けにくいため,マグロの魚肉内に物理溶解する一酸化炭素の量はわずかであること,99. 9パーセントの一酸化炭素に暴露したマグロに含まれる一酸化炭素の濃度が474~2220μg/㎏であったとの測定結果があり,本件食品に含まれている一酸化炭素の量はこれに劣らないことが認められ,処理ガス中の一酸化炭素濃度がメト化の進行に影響するとしても,それほど大きな差が生じるとは認めがたい。 (ウ)また,控訴人の上記見解によれば,処理ガス中の一酸化炭素濃度が同じであれば,メト化の進行度も同じになるはずであるが,共同添付資料実験においては,10パーセント燻煙区の方が,10パーセントCO区よりもメト化の進行が速かった。その理由について,控訴人は,前記第2の2(1)ア(ウ)のとおり主張する。 そこで,検討するに,甲63号証によれば,本件燻煙処理において使用されるガスの中には,一酸化炭素のほか,二酸化炭素,メタンなどが含まれていることが認められるが,控訴人がミオグロビンとの結合力が強いと主張する一酸化窒素やアンモニアが含まれていると認めるに足りる証拠 れるガスの中には,一酸化炭素のほか,二酸化炭素,メタンなどが含まれていることが認められるが,控訴人がミオグロビンとの結合力が強いと主張する一酸化窒素やアンモニアが含まれていると認めるに足りる証拠はない。また,本件全証拠によっても,本件燻煙処理によって,これらの一酸化炭素以外の気体が,どの程度,ミオグロビンと結合する- 9 -のか,その結果,10パーセントCO区と10パーセント燻煙区とで,一酸化炭素ミオグロビンの数がどの程度異なることになるのかは明らかではない上,メト化の機序からすれば,一酸化炭素に限らず,酸素以外の気体と結合したミオグロビンについてもメト化は生じないはずであり,ミオグロビンが酸素及び一酸化炭素以外の気体と結合した場合のマグロの色調がどのようなものであるかを認めるに足りる証拠もない。 また 証拠 甲62甲64ないし甲67によればpHが低下酸,(,),(性化)するとメト化速度は増大すること及び薫製食品を製造する際に使用される燻煙には,酢酸,プロピオン酸などの酸性成分が含まれていることが認められるものの,本件全証拠によっても,共同添付資料実験における10パーセントCO区と10パーセント燻煙区のpHに,どの程度の差があるのかは明らかではなく,かえって,乙13号証によれば,平成10年実験の際に各検体のpHを測定したところ,無処理区,10パーセントCO区及び10パーセント燻煙区との間でpHはほぼ同じであったことが認められる。 以上によれば,共同添付資料実験において,10パーセント燻煙区の方が,10パーセントCO区よりもメト化の進行が速かった理由は,依然として明らかではなく,燻煙処理により,メト化の進行が促進されると認めることはできない。 (エ)平成10年実験と共同添付資料実験との間で,10パーセントCO りもメト化の進行が速かった理由は,依然として明らかではなく,燻煙処理により,メト化の進行が促進されると認めることはできない。 (エ)平成10年実験と共同添付資料実験との間で,10パーセントCO区のメト化に差が生じた理由についての控訴人の主張前記第2の2(1)(ア(エ))を採用することができない理由は,前記引用に係る原判決の説示(原判決30頁5行目から31頁3行目まで)のとおりである。 ,,ウ本件食品に含まれている一酸化炭素の量は2370μg/㎏であって何らの加工をしていない自然界のマグロに含まれている一酸化炭素の通常(。 ,),量概ね100μg/㎏以下甲61乙17を大幅に超えているから- 10 -魚肉中の相当数のミオグロビンが一酸化炭素と結合しているものと認められるところ,前記認定の一酸化炭素のメト化防止作用の機序に照らせば,本件食品は,無処理のマグロに比し,魚肉の変色や退色が遅れると推認するのが合理的である。平成10年実験及び共同添付資料実験においては,10パーセント燻煙区と無処理区との間に,色調の顕著な変化は認められなかったが,これらの実験の検体に含有されている一酸化炭素の量は計測されておらず,これらの実験の結果を直ちに本件食品に当てはめ,本件食品が解凍後,無処理のものと同様に退色すると推認することはできない。 規制手続の違法の有無,,,控訴人は本件燻煙処理を規制する場合は燻煙を別表等に記載した上で鮮魚への使用は認められない旨を「食品,添加物等の規格基準」に明記することが法律上求められていると主張する。しかし,食品衛生法の添加物規制の枠組みは,前記引用に係る原判決の説示(原判決21頁16行目から22頁18行目)のとおりであり,控訴人が主張するような法律上の要請がある,,,ものとはいえな 。しかし,食品衛生法の添加物規制の枠組みは,前記引用に係る原判決の説示(原判決21頁16行目から22頁18行目)のとおりであり,控訴人が主張するような法律上の要請がある,,,ものとはいえないから控訴人の上記主張はその前提を欠くものであって採用することができない。 第4 結論 以上によれば,控訴人の本件請求は理由がないから棄却すべきであり,これと同旨の原判決は相当であって,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとする。 東京高等裁判所第12民事部裁判長裁判官柳田幸三- 11 -裁判官田中治裁判官白石史子

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