平成16(行コ)38 不作為の違法確認請求控訴事件(原審・福岡地方裁判所平成15年(行ウ)第24号)

裁判年月日・裁判所
平成17年3月29日 福岡高等裁判所 警察関係
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判決文本文1,698 文字)

- 1 -主文 原判決を取り消す。 本件訴えを却下する。 訴訟費用は,第1審,2審とも被控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1控訴の趣旨(主位的) 主文と同旨(予備的) ( )原判決を取り消す。 ( )被控訴人の請求を棄却する。 ( )訴訟費用は,第1審,2審とも被控訴人の負担とする。 第2事案の概要等1( )本件は,産業廃棄物処分業を営んでいた被控訴人が,平成12年3月2 1日にした廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)14条の2第1項に基づく産業廃棄物の処分の事業範囲の変更(建設廃材の最終処分に建設汚泥及び汚水の脱水処理を追加するもの)の許可申請(以下「本件許可申請」という。)について,控訴人が何ら処分をしないことの違法確認を求めたものである。 事案の概要は,当審において次のとおり主張を付加したほか,原判決の「事実及び理由」中の「第2事案の概要」(2頁6行目から5頁14行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 ( )原審は,被控訴人が平成12年3月21日ころ糸島保健所に本件許可申 請をしたことを認め,控訴人がこれに対し許可又は不許可の処分をしていないのは違法であるとして,被控訴人の本件請求を認容した。 ( )そこで,これを不服とした控訴人が,第1記載のとおり控訴した。 - 2 -( )当審における争点は,本件請求には訴えの利益があるか,訴えの利益が 肯定された場合には,本件許可申請があったかどうか,控訴人の不作為が違法かどうか,ということである。 当審における追加主張(控訴人)被控訴人は,産業廃棄物処分業の許可(廃棄物処理法14条4項)を得ていたが,その許可は更新の申請がされないまま平成14年6月29日限りで失効した(甲18 ある。 当審における追加主張(控訴人)被控訴人は,産業廃棄物処分業の許可(廃棄物処理法14条4項)を得ていたが,その許可は更新の申請がされないまま平成14年6月29日限りで失効した(甲18の8枚目)。本件申請は,上記許可の存在を前提に事業範囲の変更を求めたものであるから,同許可の失効により,本件不作為の違法確認の訴えの利益はなくなった。よって,本件訴えは却下されるべきである。 (被控訴人)被控訴人が得ていた産業廃棄物処分業の許可が平成14年6月29日限りで失効したことは認める。 第3当裁判所の判断 当裁判所は,被控訴人の本件不作為の違法確認の訴えは,訴えの利益がないから却下すべきであると判断する。その理由は,以下に述べるとおりである。 不作為の違法確認の訴え(行政事件訴訟法3条5項,37条)は,国民からの申請を行政庁が握り潰すのを排除するための制度であり,不作為の違法を確認する判決の拘束力により,申請に対する処分がなされることによって,申請に係る法律上の利益を取得する可能性を回復させるものである。したがって,申請に係る法律上の利益を取得する可能性がなくなった場合には,不作為の違法確認の訴えの利益は失われると解すべきである。 本件についてみると,被控訴人は産業廃棄物処分業の許可(廃棄物処理法14条4項)を得ていたが,その許可は更新の申請がされないまま平成14年6月29日限りで失効したことは当事者間に争いがないところ,上記産業廃棄物処分業の許可を前提に事業範囲の変更を求める本件申請が認められる法的可能- 3 -性はなくなったから,本件不作為の違法確認を求める訴えの利益は失われたというべきである。 そうすると,本件訴えは,訴えの利益を欠く不適法なものとして,却下を免れない。 よって,上記判断と異なる原判決は,相当でなく, 本件不作為の違法確認を求める訴えの利益は失われたというべきである。 そうすると,本件訴えは,訴えの利益を欠く不適法なものとして,却下を免れない。 よって,上記判断と異なる原判決は,相当でなく,本件控訴は理由があるから,主文のとおり判決する。 福岡高等裁判所第1民事部裁判長裁判官簑田孝行裁判官岸和田羊一裁判官藤田光代

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