昭和22(れ)204 強盗殺人、殺人、強盗予備窃盗等

裁判年月日・裁判所
昭和23年3月9日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  被告人上告趣意書は「謹んで申上げます此の大罪の身でありますにも拘りませず 今尚お手数のおかけ申上げて居ります事を誠に申訳

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判決文本文8,393 文字)

主    文      本件上告を棄却する。          理    由  被告人上告趣意書は「謹んで申上げます此の大罪の身でありますにも拘りませず 今尚お手数のおかけ申上げて居ります事を誠に申訳なく存じて居ります犯行の事実 と申立には多少ながら相違の点もあるのでありますが此の大罪の前に今更申上げる 迄もありません意志薄弱な私は此の大罪おも忘れて牢脱の謀略に頭も使つた事もあ り又はあれはあの様に言へばよかつたこれも此の様に嘘を申上げればよかつたと正 直な申立の致しました事を悔いた事もありました、そうして遂には当裁判に於ては 否認せんとの謀計に日を過した事もありましたがいざとなりますと私の心の中に少 し乍も残つて居た良い根情が之を許しませず私はやはり悪になり切る事は出来ませ んでした思い致しますれば被害者は勿論の事遺族の方々に対しましても控訴は出来 ない身が尚又共犯の一人も立派に服罪し最早此の世を去り被害者の後を追つて今頃 はあの世で被害者にお詑び申上げて居る事と思ひますれば感慨亦新にして胸の張り 裂ける思ひがするのであります罪悪観の亡影と死の恐怖の念に苦しめられつゝ幾度 か取り下げしてお詑び申上げようと思ひましたがいざとなりますと卑怯な女々しい 振舞ひとは知り乍も又しても一人残し行く母の事が思ひ出されて来てそれ丈の力は 何所かへ消え去つてしまい淋しい感に悩まされ乍ら只一途に阿彌陀如来にお縋りせ んとして修養さして頂き被害者と先逝きしA君の冥福を祈り遺族の方々にお詑び申 上げつゝ明け暮れと共に称名念仏致して居りましたけれども泥凡夫の中の極悪の私 は人一倍の煩悩具足に身をまとつて居ります丈に今は只一途に御上のお情けにお縋 りさして頂いて居ります尚又母に思ひを致しますと斯うして長い間の拘禁生活に於 ても母は幾度となく面会に来て下さりその都度義理の家庭にあつては父や皆の者に 遠 て居ります丈に今は只一途に御上のお情けにお縋 りさして頂いて居ります尚又母に思ひを致しますと斯うして長い間の拘禁生活に於 ても母は幾度となく面会に来て下さりその都度義理の家庭にあつては父や皆の者に 遠慮をし母は食べず共隠して何かと持参して来てやさしき言葉と共に差入れして下 - 1 - さる親心の有難さが身にしみて来るのであります日々の生活は決して楽でもなき我 家に於て母の連子としてのB家にあつて私のこの親不孝と共にこの行跡がどれ程母 を苦しめてゐる事でせう静に母に思ひを致しますと申訳ない気持一杯で胸が張り裂 ける思ひがするのであります何卒生涯仏道に仕へさして頂きたくそうして亡き被害 者の霊をとむらい先逝きしA君の御冥福をお祈り申上げますと共に遺族の方々の御 幸福を祈り母へのせめてもの便りでも以て安んせしめて洪恩の一端でも報ひ且お詑 び申上げたく存じまして実に恐惶の至りでありますが何卒々々御憐察下さりまして 今一度御寛大な御処分の下さります様一重にお情にお縋り申上げて居ります拙なき 一筆を以て上告趣意申上げます(悔録省略)」というのであつて、  たとえ大罪を犯したとわいえ二十余才の将来ある身体で死刑の宣告を受け拘置所 の中において過去の生活をざんげし先に刑死した同僚のことや後に残す母のことを 思う被告人の心情は十分に察することができるのであるが、このようにただ寛大な 処分を受けたいということで上告することは、日本国憲法の施行に伴う刑事訴訟法 の応急的措置に関する法律第十三条第二項により許されないところであるから論旨 は理由がないものといわなければならない。  次に、弁護人戸田宗孝上告趣意書第一点は「原判決は罪となるべき事実を認めた 証拠に関する説明が不十分であり従つて理由不備の違法がある。又不当な証拠に基 いて事実を認定した違法がある。即ち(イ)日本国憲法の施行に伴う刑事訴訟 上告趣意書第一点は「原判決は罪となるべき事実を認めた 証拠に関する説明が不十分であり従つて理由不備の違法がある。又不当な証拠に基 いて事実を認定した違法がある。即ち(イ)日本国憲法の施行に伴う刑事訴訟法の 応急的措置に関する法律第十二条によれば証人その他の者(被告人を除く)の供述 を録取した書類又はこれに代わるべき書類は、被告人の請求があるときはその供述 者又は作成者を公判期日において訊問する機会を被告人に与へなければこれを証拠 とすることが出来ない旨を規定してあり原審における公判期日は昭和二十二年九月 十一日であるから同法附則第三項に照してもこの規定が原審の証拠調に適用のある ことは明らかである。従つて原審裁判長が公判期日において証拠調をなすに際して - 2 - は、すべからく刑事訴訟法第百三十五条や新憲法の基本的人権の尊重に関する趣旨 等に照して、被告人に右の法条によつて与へられている防禦権のあることを告げそ の請求をなすか否かの釈明をすべきである。然るに原審公判調書(記録第九一二丁 以下)を調べてみても単に刑事訴訟法第三四七条の規定に従つて被告の意見を求め ているだけでこの釈明権を行使した形跡を認めることが出来ないばかりでなく原判 決中にも漫然と証人Aや証人Cに対する予審訊問調書の記載を証拠として掲示して あるだけでこれが右述の法条に照して適法な証拠である所以を明示していない。又 従来一般の判決もこの挙にいでていない様に見受けられるけれどしかし乍ら右述し た理由に基いてこれは証拠説明として不十分であり又右証拠はまだ適法な証拠とな る前提を欠いていると解するのが正当であると思う。(ロ)又原判決はその判示事 実を認定する証拠の一として 「(ハ)押収の主文第二項及び第三項に記載した各 物件並びに柔道着帯紐一本(証第一号)手拭一本(証第四号) の存在」と摘示し ているが原審公 思う。(ロ)又原判決はその判示事 実を認定する証拠の一として 「(ハ)押収の主文第二項及び第三項に記載した各 物件並びに柔道着帯紐一本(証第一号)手拭一本(証第四号) の存在」と摘示し ているが原審公判調書の記載によればこの判示証拠物に関し刑事訴訟法第三百四十 一条の手続を行つたか否かが明瞭を欠いているからこれもまだ適法な証拠と認める ことが出来ないものである。(ハ)更に又原判決は「各死亡の原因が判示の通りで あることは鑑定人Dの同人等に対する各鑑定書中「それぞれの旨の記載」のあるこ とによつて、これを認めると言つているが「それぞれの旨の記載」という表現では 何のことか良く理解し難いものであり判決の証拠説明としては不完全であると言わ なければなるまい、」というのであるが、  日本国憲法の施行に伴う刑事訴訟法の応急的措置に関する法律第十二条第一項本 文は被告人の請求があつた場合に供述者又は作成者を訊問する機会を被告人にあた えなければ所定の書類を証拠にすることができないといつているのであつて公判期 日において被告人に対し供述者又は作成者を訊問する権利のあることを告知してそ の訊問の請求をするかどうかを確めることは望ましいことには違いないが之をしな - 3 - かつたからといつて前記法条に違反するものとは解することができないから原審が 論旨主張の各予審訊問調書につき刑事訴訟法所定の証拠調の手続をとつた丈でその 主張のような特別の処置をとらなかつたとしても、之を違法であるということはで きない。従つて原判決が論旨主張の各予審訊問調書の記載を証拠としたことは違法 ではない。又原審第一回公判調書によれば裁判長は事実調の終了後証拠調をなす旨 を告げ各被告人に対し証拠品を示し意見弁解の有無を問うたとあつて本件被告人に 対しても之を示して刑事訴訟法第三百四十一条所定の手続を実行したことが明 公判調書によれば裁判長は事実調の終了後証拠調をなす旨 を告げ各被告人に対し証拠品を示し意見弁解の有無を問うたとあつて本件被告人に 対しても之を示して刑事訴訟法第三百四十一条所定の手続を実行したことが明白で あるから、原判決が論旨主張の各証拠物の存在を証拠としたことは勿論違法ではな い。又判決において罪となるべき事実につき証拠説明をするにはその推理判断の生 じた所以を明かにするために犯罪事実の記載と相俟つて証拠の内容を知ることがで きる程度にその説明をすれば足りるものでそれ以上に詳細にそして又引用した各証 拠の適法な証拠である理由について迄一々説明を加えることは必要ではないから、 原判決が証拠として引用した論旨主張の各予審訊問調書についてその適法な証拠で ある理由を開示しなかつたからといつて之を違法であるということができないこと は勿論である。そして又原判決は犯罪事実中に各被害者の死因を一々詳細に明記し た上その証拠として鑑定人D作成に係る各鑑定書中の「それぞれの旨の記載」を引 用したのであつて、右両者を対照して読めば各鑑定書に記載せられている死因につ いての同趣旨の記載により犯罪事実中に記載した各被害者の死因を認定するという 趣旨であることが了解できるから原判決の証拠説明は欠けるところがあるものとい うことはできない。従つて原判決に理由不備の違法があるとする論旨第一点は凡て 理由がない。  同第二点は「原判決は罪となるべき事実を明示していない不備がある。即ち犯罪 事実を明示するためにその日時の表示は不可欠の要件であるが原判決は判示第二の 事実を示すに当つて 「(前略)そこで被告人E及びAが前記黒鞘及び銀巻鞘の短 - 4 - 刀二口をそれぞれ懐中にし被告人両名及びAは『同月』午後八時四十分頃F方に赴 き(下略)」と記載し日附を記載していない。その前段の記載に照し強盗殺人の謀 人E及びAが前記黒鞘及び銀巻鞘の短 - 4 - 刀二口をそれぞれ懐中にし被告人両名及びAは『同月』午後八時四十分頃F方に赴 き(下略)」と記載し日附を記載していない。その前段の記載に照し強盗殺人の謀 議を行つた日が二十八日であることは知り得るけれど判示犯罪の日はその余の記載 に照しても明瞭を欠いている。この点は明らかに『同日』と記載するのを『同月』 と誤記したものと認められるけれど若し『月』を『日』に訂正しその訂正について 認印を欠くときはやはり刑事訴訟法第七十二条に違背するものと言はなければなら ないしその結果同法第四百十条第二十一号に該当することになるであらうことと考 え合はせるとこの誤記は結局この判決事実摘示を不備なものとなすべき大きな欠缺 であるといわなければなるまい。」というのであるが、  論旨指摘の「同月」という文言の前段の文章に被告人等が同月(二月のこと)二 十八日午後八時頃判示第二の犯行の相談をしたことが判示され、同第三の事実にお いて右第二の犯行に引きつゞいて同第三の犯行が三月一日午前六時三十分頃行われ たことが判示されている上に、右「同月」の後につゞけて記載してあるのが午後八 時四十分頃という時間の記載であつて日の記載でないことを参酌すれば、右「同月」 が「同日」の誤記であることは明白であるのみならず、仮に原判決が右月を日に訂 正した場合その訂正の仕方が論旨主張のように刑事訴訟法第七十二条所定の方式に 反することがあつたとしても右の方式違背は同法第四百十条第二十一号にいわゆる 判決に判事の捺印を欠く場合に該当せずそのため直に判決の無効を来すものでわな いから、原判決が判示第二の犯行について犯行の日時を示さなかつたものというこ とはできない従つて原判決には罪となるべき事実を判示しない違法はなく、論旨第 二点は理由がない。  同第三点は「原判決は法律の解釈や 、原判決が判示第二の犯行について犯行の日時を示さなかつたものというこ とはできない従つて原判決には罪となるべき事実を判示しない違法はなく、論旨第 二点は理由がない。  同第三点は「原判決は法律の解釈や適用を誤つている違法がある、即ち(イ)原 判決は法令の適用を示すに当つて「第二の強盗殺人の点は同法第二四〇条後段第六 十条に」該当すると言つているが一個の強盗罪を犯すために数人を殺害したときは - 5 - 縦令その殺人行為は同一の目的を遂行するの手段として行つた場合と雖も之を数個 の強盗致死罪に問擬するのが当然である。このことは従来大審院の判例も同一の見 解を示している。従つて判示「第二の強盗殺人の点」については刑法第二四〇条後 段第六十条の外に刑法第五十五条が適用されなければならない筈である。(ロ)又 原判決は判示第三の事実に対して刑法第一九九条第六十条を適用しているが本件記 録並びに原判決の判示自体によつて明らかである様に判示第三の殺人は判示第二の 強盗殺人の罪跡を湮滅するために、又時間的にもこれに継続して行われたものであ るから、刑法第二三八条の趣旨にも照し合はせて判示第二の強盗殺人行為の一部分 であると認めるのが相当であつて、これとは別個独立の犯罪と認めこの部分に刑法 第一九九条を適用するのは相当でないと思う。(ハ)又原判決は「第一(一)の邸 宅侵入と強盗予備とは一個の行為で二個の罪名に触れるものであり、第一(一)( 二)の強盗予備第一(三)の窃盗第二の各強盗殺人の処為はそれぞれ犯意を継続し てなされたものであるから、同法第五十四条第一項前段第五十五条第十条により結 局最も重いFに対する強盗殺人の一罪とし(中略)被告人両名をいづれも死刑に処 する。」旨を判示しているが、刑法第五十五条に所謂「一罪として処断す」るとい うのは、判示の如く数個の行為の中最も重い一個の犯罪であ 重いFに対する強盗殺人の一罪とし(中略)被告人両名をいづれも死刑に処 する。」旨を判示しているが、刑法第五十五条に所謂「一罪として処断す」るとい うのは、判示の如く数個の行為の中最も重い一個の犯罪であると、擬制することで はなくて数個の犯罪を唯単に処分上一罪として取扱うという意味であると解すべき ものであるから原判決はこの点において刑法第五十五条の適用を誤つたものである といわなければならない。又同法第五十四条第一項前段の規定は連続犯としての第 一(一)(二)の強盗予備及び第一(三)の窃盗並びに第二の強盗殺人の処為の全 体と第一(一)の邸宅侵入との関係において適用されるべきであるのに原判決はこ の挙に出でてない。これもまた法律の適用を誤つているものである」というのであ つて、  一箇の強盗罪を犯すために、数人を殺害したときはたとえその殺人の行為が同一 - 6 - の目的を遂行するための手段として行われたものであつても数個の強盗殺人罪に問 擬すべきことは論旨主張の通りであり、原判決がその法令適用の部の前段において 「第二の強盗殺人の点は刑法第二百四十条後段第六十条に該当する」と判示してい ることはこれ又論旨指摘の通りであるが原判決は一方、犯罪事実の部の末尾のとこ ろには「第一(一)(二)の強盗予備同(三)の窃盗、第二の強盗殺人の所為はそ れぞれ犯意を継続して行われた」ものであると判示し更に法令適用の部の後段にお いては「第一(一)(二)の強盗予備第一(三)の窃盗第二の各強盗殺人の所為は それぞれ犯意を継続してなされたものであるから同法第五十四条第一項前段第五十 五条第十条により結局最も重いFに対する強盗殺人の一罪とし」と判示しているの であつて、以上を綜合すれば、原判決は判示第二の事実については数箇の強盗殺人 罪の成立を認めるのではあるが、之が犯意を継続して行われ、右が更に判 局最も重いFに対する強盗殺人の一罪とし」と判示しているの であつて、以上を綜合すれば、原判決は判示第二の事実については数箇の強盗殺人 罪の成立を認めるのではあるが、之が犯意を継続して行われ、右が更に判示第一( 一)(二)の強盗予備及び同(三)の窃盗と共に全体として犯意を継続して行われ たものと認めるので、以上の全体に対して刑法第五十五条を適用し数箇の強盗殺人 罪に対し別箇に同法条を適用しなかつたものであると解せられるから、原判決がこ れを一箇の強盗殺人罪として問擬したとすることは当らない。又原判決が刑法第五 十四条第一項前段第五十五条を引用して「結局最も重いFに対する強盗殺人罪の一 罪とし」と判示している事実に徴すれば、右の「一罪とし」というのは、右Fに対 する強盗殺人罪の一罪として処断する趣旨であること即ち論旨主張の連続犯を組成 する行為の全体に対し最も重いFに対する強盗殺人罪の刑をもつて処断するという 趣旨であることが明白であるから、原判決がこれを一罪と擬制したものであると非 難することは当らない。又原判決が前記のように刑法第五十四条第一項前段と共に 同法第五十五条を適用している事実に徴すれば、原判決が「第一(一)の邸宅侵入 と強盗予備とは一個の行為で二個の罪名に触れるものであり」と判示したのは論旨 主張の連続犯を組成する数箇の行為の中事実上同時に邸宅侵入罪に該るものが第一 - 7 - (一)の強盗予備の行為であることを示した迄のことで、法律上において右連続犯 を組成する行為の全体が前記邸宅侵入の行為と刑法第五十四条第一項前段の関係に 立つことを否定する趣旨ではないと解せられるから、原判決が右両者の間に刑法第 五十四条第一項前段の関係があることを認めないものであると論難することは当ら ない。之を要するに原判決は判示第二の事実につき数箇の強盗殺人罪の成立を認め 正当に刑法 れるから、原判決が右両者の間に刑法第 五十四条第一項前段の関係があることを認めないものであると論難することは当ら ない。之を要するに原判決は判示第二の事実につき数箇の強盗殺人罪の成立を認め 正当に刑法第五十五条を適用したもので、その適用を誤つた違法は存しない。次に、 刑法第二百四十条後段の強盗殺人罪は強盗たる者が強盗をなす機会において他人を 殺害することにより成立する犯罪であつて、一旦強盗殺人の行為を終了した後新な 決意に基いて別の機会に他人を殺害したときは右殺人の行為は、たとえ時間的に先 の強盗殺人の行為に接近しその犯跡を隠ぺいする意図の下に行われた場合であつて も別箇独立の殺人罪を構成し之を先の強盗殺人の行為と共に包括的に観察して一箇 の強盗殺人罪とみることは許されないものと解すべきである。ところが、原判決摘 示の事実によれば、被告人は、外二名と共謀の上京都市a区bcd番地F方家人を 殺害して金品を強奪しようと決意し昭和二十一年十二月二十八日午後十一時頃より 翌三月一日午前一時半頃迄の間において右F方同市同区e町f東側堤防下g附近及 同市h区ijkl堤防附近においてF外二名を殺害してF家より金品を強奪した後 右犯行の発覚を防ぐため判示のようないきさつで被告人等の顔を見知つている判示 Gを殺害しようと相談し、同人を同市h区mn町o番地の空家内に誘い出し三月一 日午前六時三十分頃同所において同人を殺害したというのであつて強盗殺人の行為 をした後先の犯行の発覚を防ぐため改めて共謀の上数時間後別の場所において人を 殺害したこと明白であるから、前記の法理により被告人等が判示Gを殺害した行為 はF外二名に対する強盗殺人罪に包含せられることなく別箇独立の殺人罪を構成す るものといわなければならない、従つて原判決が之に対し刑法第百九十九条を適用 したのは正当である。論旨第三点は凡て理由 た行為 はF外二名に対する強盗殺人罪に包含せられることなく別箇独立の殺人罪を構成す るものといわなければならない、従つて原判決が之に対し刑法第百九十九条を適用 したのは正当である。論旨第三点は凡て理由がない。 - 8 -  よつて刑事訴訟法第四百四十六条により、主文のとおり判決する。  以上は裁判官全員一致の意見である。  検察官十蔵寺宗雄関与   昭和二十三年三月九日      最高裁判所第三小法廷          裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎             裁判官    井   上       登             裁判官    庄   野   理   一             裁判官    島           保             裁判官    河   村   又   介 - 9 -

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