平成6(オ)1728 境界確定

裁判年月日・裁判所
平成7年3月7日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所 平成5(ネ)4949
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判決文本文1,389 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人長谷則彦、同水石捷也、同秋元善行の上告理由について本件訴訟は、被上告人らが上告人に対し、相隣接する被上告人ら共有の群馬県吾妻郡a町大字b字cd番eの土地と上告人所有の同所同番fの土地との境界の確定を求めるものであるところ、所論は、要するに、右二筆の土地の境界が第一審判決添付別紙図面のイ点とロ点を結ぶ直線であるとすると、上告人は、被上告人らが共有する同番eの土地のうち、同図面表示のイ、ロ、ハ、ニ、イの各点を順次直線で結ぶ線で囲まれた範囲の土地を時効取得した結果、両土地の境界は上告人の所有する土地の内部にあることになり、境界線の東側の土地も西側の土地も所有者を同じくすることになるから、両土地の境界確定を求める被上告人らの本件訴えは原告適格を欠き不適法である、というのである。 しかしながら、境界確定を求める訴えは、公簿上特定の地番により表示される甲乙両地が相隣接する場合において、その境界が事実上不明なため争いがあるときに、裁判によって新たにその境界を定めることを求める訴えであって、裁判所が境界を定めるに当たっては、当事者の主張に拘束されず、控訴された場合も民訴法三八五条の不利益変更禁止の原則の適用もない(最高裁昭和三七年(オ)第九三八号同三八年一〇月一五日第三小法廷判決・民集一七巻九号一二二〇頁参照)。右訴えは、もとより土地所有権確認の訴えとその性質を異にするが、その当事者適格を定めるに当たっては、何ぴとをしてその名において訴訟を追行させ、また何ぴとに対し本案の判決をすることが必要かつ有意義であるかの観点から決すべきであるから、相隣接する土地の各所有者が、境界を確定するについて最も密接な利害を有する者と- おいて訴訟を追行させ、また何ぴとに対し本案の判決をすることが必要かつ有意義であるかの観点から決すべきであるから、相隣接する土地の各所有者が、境界を確定するについて最も密接な利害を有する者と- 1 -して、その当事者となるのである。したがって、右の訴えにおいて、甲地のうち境界の全部に接続する部分を乙地の所有者が時効取得した場合においても、甲乙両地の各所有者は、境界に争いがある隣接土地の所有者同士という関係にあることに変わりはなく、境界確定の訴えの当事者適格を失わない。なお、隣接地の所有者が他方の土地の一部を時効取得した場合も、これを第三者に対抗するためには登記を具備することが必要であるところ、右取得に係る土地の範囲は、両土地の境界が明確にされることによって定まる関係にあるから、登記の前提として時効取得に係る土地部分を分筆するためにも両土地の境界の確定が必要となるのである(最高裁昭和五七年(オ)第九七号同五八年一〇月一八日第三小法廷判決・民集三七巻八号一一二一頁参照)。 右と同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は、独自の見解に基づいて原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官園部逸夫裁判官可部恒雄裁判官大野正男裁判官千種秀夫裁判官尾崎行信- 2 - 裁判官 千種秀夫 裁判官 尾崎行信

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