- 1 -平成27年2月12日判決言渡平成26年(ネ)第10100号損害賠償請求控訴事件(原審東京地方裁判所平成26年(ワ)第17137号)口頭弁論終結日平成27年1月20日判決 控訴人(一審原告) 株式会社イー・ピー・ルーム 被控訴人(一審被告) 国代表者法務大臣指定代理人中島伸一郎浅原陽子駒崎利徳平川千鶴子古閑裕人 主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 用語の略称及び略称の意味は,本判決で付するもののほか,原判決に従う。 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 - 2 - 2 被控訴人は,控訴人対し,200万円及びこれに対する平成26年7月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。 第2 事案の概要 1 事案の要旨(1) 本件請求の要旨本件は,発明の名称を「放電焼結装置」とする本件特許(特許第2640694号)について,平成13年7月4日付けで特許異議の申立て(平成15年法律第47号による削除前の特許法113条)に基づく取消決定がされたことについて,同決定(本件取消決定)は平成14年法律第 0694号)について,平成13年7月4日付けで特許異議の申立て(平成15年法律第47号による削除前の特許法113条)に基づく取消決定がされたことについて,同決定(本件取消決定)は平成14年法律第24号による改正前の特許法113条に反する違法なものであるとして,特許権者であった控訴人が,被控訴人に対し,国賠法1条1項に基づき,損害賠償金の一部として200万円及びこれに対する不法行為後の日である平成26年7月15日から(原審では7月19日から)支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である(なお,控訴状における控訴の趣旨第3項の「前1項200万円給付の原因である,国の公権力の行使に当たる特許庁審判官審判長Aが,故意又は過失で特許法113条により特許異議の申立てができない特許異議の申立てを審理して控訴人が有していた特許を取消し,控訴人に損害を加えた旨裁判を求める。」との記載は,訴状及び控訴人準備書面(1)の記載も参酌すれば,請求を特定・補充するために請求原因を併記したものと認められる。)。 (2) 原審の判断原判決は,本件訴えは,本件各前訴の実質的な蒸し返しでであって不適法であるとして,本件訴えを却下した。 2 前提となる事実 - 3 -本件の前提となる事実は,原判決の「事実及び理由」欄の第2(事案の概要)の「1 前提事実」に記載のとおりである。 第3 当事者の主張当事者の主張は,下記に当審における控訴人の補充主張を加え,原判決4頁25行目から同5頁3行目までを「 本判決別紙の平成26年9月12日付け答弁書の写しに記載のとおりである。」と改め,本判決に上記答弁書の写しを添付するほかは,原判決の「事実及び理由」欄の第2(事案の概要)の2(当事者の主張)に記載のとおりである。 26年9月12日付け答弁書の写しに記載のとおりである。」と改め,本判決に上記答弁書の写しを添付するほかは,原判決の「事実及び理由」欄の第2(事案の概要)の2(当事者の主張)に記載のとおりである。 (当審における控訴人の補充主張)①本件各前訴である東京地方裁判所平成25年(ワ)第22575号平成25年11月12日判決をした担当裁判官と,②東京地方裁判所平成26年(行ウ)第98号平成26年5月27日判決をした担当裁判官及び③本件各前訴である東京地方裁判所平成25年(ワ)第29155号平成25年12月17日判決をした担当裁判官は同一である。そうすると,上記②③の判決手続は,前審関与(民事訴訟法23条1項6号)により除斥される裁判官がしたものであるから,違法な裁判である。 したがって,本件各前訴があったことに基づき本件訴訟を蒸し返しとすることはできない。 第4 当裁判所の判断当裁判所も,本件訴えは,不適法なものであり,これを却下すべきものと判断する。 その理由は,下記1のとおり原判決を補正し,同2に当審における控訴人の補充主張に対する判断を示すほかは,原判決の「事実及び理由」欄の第3(当裁判所の判断)の1及び2に記載のとおりである。 - 4 - 1 原判決の補正① 原判決5頁20行目の「争点4~6,11,12,15」を「争点11,12,15,16」に改める。 ② 原判決5頁22行目末尾に次のとおり加える。 「また,蒸し返しの訴えを不適法なものと却下したことにより,当該判決において当該訴訟の請求に関する実体判断がされなかったことが,裁判の脱漏に該当しないことはいうまでもなく,そして,当該訴訟の請求に関する実体判断がされていないからといって,同一請求に係る蒸し返しの訴え提起が正当化されるものでもない 判断がされなかったことが,裁判の脱漏に該当しないことはいうまでもなく,そして,当該訴訟の請求に関する実体判断がされていないからといって,同一請求に係る蒸し返しの訴え提起が正当化されるものでもない。」 2 控訴人の補充主張に対する判断民事訴訟法23条1項6号後段は,「不服を申し立てられた前審の裁判に関与した」場合に裁判官が除斥されるとしているところ,控訴人の主張する各裁判がそのような関係に立たないことは明白である。 したがって,控訴人の主張は,採用することができない。 3 まとめ以上のとおりであるから,本件訴えは,本件各前訴の実質的な蒸し返しであり,訴訟上の信義則に反する不適法なものである(なお,控訴人は,当審において附帯請求を拡張したが,第一審で不適法却下されている場合には,控訴審において訴えの変更をすることは許されない。)。 第5 結論よって,本件訴えを却下した原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 - 5 -知的財産高等裁判所第2部 裁判長裁判官清水節 裁判官中村恭 裁判官中武由紀 中武由紀
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